JP3222959B2 - 金属・ゴム複合防振体 - Google Patents

金属・ゴム複合防振体

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JP3222959B2 JP33167892A JP33167892A JP3222959B2 JP 3222959 B2 JP3222959 B2 JP 3222959B2 JP 33167892 A JP33167892 A JP 33167892A JP 33167892 A JP33167892 A JP 33167892A JP 3222959 B2 JP3222959 B2 JP 3222959B2
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康信 島野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防振作用を呈する防振
ゴム体に金具が接着されてなる金属・ゴム複合防振体に
関し、エンジン用マウント、サスペンションリンク用ブ
ッシュなど自動車用の防振体として用いられ、あるいは
他の機械器具の防振支持体として用いられる。
【0002】
【従来の技術】金属・ゴム複合防振体として、アルミニ
ウム又はその合金による金具の表面にクロメート処理を
施してクロム酸塩皮膜を形成し、該皮膜の表面に同時加
硫型接着剤を介して防振ゴム体を同時加硫接着したもの
が知られている(特開平4−115943号公報参
照)。
【0003】また、特開昭63−248884号公報に
は、鋼板による金具の表面に窒化処理後に酸化処理を施
すことによって窒化鉄及び酸化鉄よりなる強固な皮膜を
形成し、該皮膜の上に加硫接着剤を介して防振ゴム体を
加硫接着してなる金属・ゴム複合防振体が記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記クロメー
ト処理が施された金具を用いてなる金属・ゴム複合防振
体の場合、当該クロメート処理によって上記金具の防錆
が図れるものの、クロムイオンによる公害発生の問題が
ある。また、クロム酸塩皮膜は、ゴムを加硫接着する際
の熱(100℃以上)によって微細なひび割れを生じ易
く、そのひび割れから塩水等が侵入して腐蝕を招くとい
う問題もある。このようなことは、上記加硫接着の際だ
けに発生する問題ではなく、加硫ゴムを熱硬化型の接着
剤によって上記金具に接着させる場合においても、当該
接着剤の熱硬化のために加熱を必要とするから、加硫接
着の場合と同様に生ずる問題である。
【0005】また、金具と防振ゴム体との接着安定性を
高めるために、上記クロメート処理後にカチオン電着塗
装を施すこともなされているが、クロメート処理による
公害の問題がなお残る。
【0006】これに対して、上記従来技術のうちの後者
のもののようにクロメート処理を施さなければ、上記公
害の問題はないが、窒化処理は金具がアルミニウム系金
属よりなる場合には採用することができない。
【0007】すなわち、本発明の課題は、公害の問題や
製造上の困難を招くことなくアルミニウム系金属よりな
る金具の防錆を図るととともに、該金具と防振ゴム体と
の接着安定性の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明は、
このような課題について鋭意研究した結果、上記金具に
陽極酸化処理を施した後にシランカップリング剤による
有機シラン処理を施すと上述の問題を解決することがで
きることを見出し、その完成に至ったものである。
【0009】すなわち、上記課題を解決する手段は、防
振作用を呈する防振ゴム体にアルミニウム系金属による
金具が接着されてなる金属・ゴム複合防振体であって、
上記金具の表面に陽極酸化皮膜が形成され、該陽極酸化
皮膜の上にシランカップリング剤による有機シラン化合
物皮膜が形成されているとともに、該有機シラン化合物
皮膜の表面における上記防振ゴム体との接着面に熱硬化
型接着剤が熱硬化してなる接着剤硬化層が形成されてお
り、上記金具の接着剤硬化層に上記防振ゴム体の表面活
性化処理されてなる接着面がイソシアナート系接着剤に
よって接着されていることを特徴とする。
【0010】本手段においては、金具表面の陽極酸化皮
膜と有機シラン化合物皮膜とによって当該金具の耐蝕性
が得られるとともに、有機シラン化合物皮膜によって金
具表面に対する接着剤層の接着安定性が得られるもので
あり、そして、上記陽極酸化皮膜は上記有機シラン化合
物皮膜の生成を確実なものにする。
【0011】すなわち、上記シランカップリング剤は、
アルコキシ基やハロゲン等の加水分解性の置換基と、ビ
ニル基、エポキシ基、アミノ基等の有機質と反応しやす
い基とを有し、前者の置換基によって金具表面の陽極酸
化皮膜(Al23)と結合することにより有機シラン化
合物皮膜を形成し、該金具を腐蝕から保護する。この場
合、金具が素地のままであれば、その表面にAl23
形成されていない部分があるのが通常であるから、金具
の全表面に有機シラン化合物皮膜を形成することができ
ない。つまり、上記陽極酸化皮膜が上記シランカップリ
ング剤と結合するAl23よりなり、当該陽極酸化皮膜
の形成によって金具表面におけるAl23の存在率が高
くなるから、金具の全表面に上記有機シラン化合物皮膜
を略完全に形成することができるものである。
【0012】一方、上記シランカップリング剤における
後者の有機質と反応しやすい基は、接着剤層と結合する
ものであり、従って、有機シラン化合物皮膜によって接
着剤層の金具表面への接着が良好なものになる。
【0013】上記防振ゴム体としては、天然ゴム(N
R)及び合成ゴム(例えばスチレンブタジエンゴム(S
BR)やブタジエンゴム(BR)等)のいずれによって
成形してもよく、また、天然ゴムとスチレンブタジエン
ゴムとのブレンド(NR/SBR)や天然ゴムとブタジ
エンゴムとのブレンド(NR/BR)によって成形する
こともできる。
【0014】上記シランカップリング剤としては、X−
R−Si−(OR´)3 の一般式で表わされる各種のシ
ランカップリング剤が好適である。この場合、Xはメタ
クリロキシ系、アミン系、エポキシ系、メルカプト系等
の活性基、R,R´はアルキル基である。例えば、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン等の使用が好適である。
【0015】上記熱硬化型接着剤としては、フェノール
樹脂系、塩素化ゴム系等の2液硬化型接着剤、あるいは
1液硬化型接着剤等を用いることができる。
【0016】また、上記防振ゴム体の表面活性化処理
は、有機酸、無機酸または物理処理により加硫ゴム表面
の活性化を行なうものであり、ハロゲン化処理、ニトロ
化処理、環化処理、ヨウ化メチレン処理またはプラズマ
処理などのうちから適宜選択することができる。
【0017】上記ハロゲン化処理の場合、有機酸として
ハロゲン化イソシアヌル酸、ハロゲン化サクシイミド、
ハロゲン化イソシアナート、N−ハロゲンスルホンアミ
ドまたはハロゲン化ヒダントインなどのうちから、無機
酸として塩酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、塩
化ヨウ素または臭化ヨウ素などのうちからハロゲン化処
理剤を選択する。中でも、ヨウ化イソシアナート、ジク
ロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸または
N−ジクロロ−P−トルエンスルホンアミドなどが表面
処理性能、加工安全性および処理速度などの点で好適で
ある。選択したハロゲン化処理剤は適当な有機溶剤に溶
解させて0.1〜30%、好ましくは1〜20%の濃度
に希釈してハロゲン化処理溶液とする。なお、上記有機
溶剤としては、トルエン、キシレン、イソオクタン、ジ
メチルエーテル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、四
塩化炭素または工業用シンナーなどを用いればよい。そ
して、加硫ゴムである防振ゴム体の表面を脱脂後、上記
ハロゲン化処理溶液中に浸漬しまたは上記ハロゲン化処
理溶液をスプレーもしくは塗布して、比較的短時間(例
えば2,3秒〜3分間)揮発乾燥させる。この場合、表
面の水洗は多くの場合必要ではない。
【0018】上記ニトロ化処理の場合、硝酸ヨウ素、ア
ジ化ヨウ素、アジ化臭素、硝酸または混酸などの内から
ニトロ化処理剤を選択する。そして、低濃度のニトロ化
処理溶液を上記防振ゴム体の表面に短時間塗布し、その
後、塗布表面を十分に水洗する。このニトロ化処理の場
合、反応性が比較的大きいため、十分な安全設備の内で
行なう必要がある。
【0019】上記環化処理の場合、環化処理溶液として
濃硫酸溶液を用い、上記防振ゴム体の表面をその環化処
理溶液中に常温で2〜20分間浸漬しまたは塗布し、そ
の後、付着した濃硫酸を水洗除去する。
【0020】また、上記ヨウ化メチレン処理の場合、ヨ
ウ化メチレンを適当な溶剤に溶解させて0.1〜10%
の濃度に希釈してヨウ化メチレン処理溶液とし、この溶
液を上記防振ゴム体の表面に塗布する。
【0021】さらに、プラズマ処理の場合、上記防振ゴ
ム体の表面に100〜60000Wsec/lの低温プ
ラズマを照射する。
【0022】上記金属・ゴム複合防振体の製造は、例え
ば金具の下地処理(アルカリ脱脂→水洗→中和→水洗)
を行なった後、陽極酸化処理を施してから、シランカッ
プリング剤による有機シラン処理を行ない、当該有機シ
ラン化合物皮膜の表面に熱硬化型接着剤を塗布し乾燥さ
せる一方、防振ゴム体の表面に活性化処理を施し、その
活性化処理面にイソシアナート系接着剤を塗布し、この
接着剤層に上記金具の熱硬化型接着剤層を重ねて接着さ
せる、という方法によって実施することができる。
【0023】上記陽極酸化処理には、硫酸法、シュウ酸
法、クロム酸法など各種の方法を採用することができ
る。例えば、硫酸直流法の場合は、電解液濃度:10〜
30w/v %硫酸溶液、電解電流密度:0.8〜5A/d
2 、液温:−5〜20℃、電解時間:20〜90分と
いう条件を採用すればよく、シュウ酸直流法の場合は、
電解液濃度:2〜10w/v %シュウ酸溶液、電解電流密
度:1〜2A/dm2 、液温:20〜30℃、電解時
間:10〜60分という条件を採用すればよい。
【0024】上記有機シラン処理は、シランカップリン
グ剤溶液へ上記陽極酸化処理済みの金具を浸漬すること
によって行なうことができ、また、同溶液の金具への刷
毛塗りもしくはスプレー塗布を採用することもできる。
【0025】
【発明の効果】従って、本発明によれば、金具の表面に
陽極酸化皮膜が形成され、該陽極酸化皮膜の上にシラン
カップリング剤による有機シラン化合物皮膜が形成さ
れ、該有機シラン化合物皮膜の表面における防振ゴム体
との接着面に熱硬化型接着剤が熱硬化してなる接着剤硬
化層が形成され、該接着剤硬化層に上記防振ゴム体の活
性化処理されてなる接着面がイソシアナート系接着剤に
よって接着されているから、公害の問題を招くことな
く、当該金具の表面に有機シラン化合物皮膜を隙間なく
形成して耐蝕性を向上させることができるとともに、金
具表面に対する接着剤層の接着安定性を高めることが可
能になり、腐蝕性環境下で使用しても長期間にわたって
金具と防振ゴム体との強固な接着を維持させることがで
きる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例に先だって参考例を説
明する。
【0027】<参考例> 図1は本発明の参考例に係る金属・ゴム複合防振体(自
動車のエンジンマウント)を示す。同図において、1は
円柱形の防振ゴム体、2,2はこの防振ゴム体1の両端
に接着されたアルミニウム合金製の金具である。図2に
示すように、上記金具2の全表面は陽極酸化皮膜3が形
成されているとともに、該陽極酸化皮膜3の上にシラン
カップリング剤による有機シラン化合物皮膜4が形成さ
れていて、図2に示すように、防振ゴム体1は上記金具
2の有機シラン化合物皮膜4の表面に、同時加硫型接着
剤による下層5及び上層6を介して接着している。
【0028】上記下層5はフェノール樹脂系のプライマ
ー接着剤によって構成され、上層6はクロロスルホン化
ポリエチレンを主成分とする塩素化ゴム系接着剤によっ
て構成されている。
【0029】上記金属・ゴム複合防振体の製造は、以下
の工程によって行なった。
【0030】−金具2の下地処理− 金具2の下地処理は次の順序で行なった。
【0031】 アルカリ脱脂→水洗→中和→水洗 −陽極酸化処理(硫酸直流法)− 上記下地処理ずみの金具2に対して、以下の条件で陽極
酸化処理を行ない、金具2の表面に陽極酸化皮膜3を形
成した。
【0032】 電解液濃度:15w/v %硫酸溶液 電解電流密度:1A/dm2 液温:20℃ 電解時間:30分 −有機シラン処理− 上記陽極酸化処理済みの金具2をシランカップリング剤
溶液に浸漬することによって上記陽極酸化皮膜3の上に
有機シラン化合物皮膜4を形成した。シランカップリン
グ剤溶液の配合は次の通りである。
【0033】 アルコール 1リットル シランカップリング剤 20ミリリットル 水 10ミリリットル 上記浸漬条件は室温で30分間とし、また、浸漬後の乾
燥条件は100℃×20分間とした。
【0034】−接着剤塗布− 上記有機シラン化合物皮膜3における防振ゴム体1との
接着面に上記フェノール樹脂系プライマー接着剤を塗布
し、これが乾燥した後、上記塩素化ゴム系接着剤を塗布
して乾燥させた。乾燥条件はいずれも70℃×5分間で
ある。
【0035】−加硫接着− 上記接着剤が塗布された金具2を加硫型に入れ、防振ゴ
ム体1用の未加硫ゴムを注入してから、加熱することに
よって防振ゴム体1の金具2への加硫接着を行なった。
【0036】(試験) 上記参考例の効果を確認するために以下のテストを行な
った。
【0037】−試験片− 試験片については、JISK6301の8.3.1項に
従って参考例a〜d及び比較例a,bの各々につき作製
した。各試験片における防振ゴム体1に相当するゴム部
の配合は表1の通りである。
【0038】
【表1】
【0039】上記各試験片における上記金具2に相当す
る金属部の材質は全てアルミニウム合金(JISH40
00におけるA5052、A6063又はA7003)
であり、いずれにも上述の下地処理を施した。参考例a
〜dについては陽極酸化処理と有機シラン処理とを施
し、比較例a,bには陽極酸化処理を施さず有機シラン
処理のみを施した。陽極酸化処理には上述の硫酸直流法
を採用した。また、有機シラン処理におけるシランカッ
プリング剤にはγAPS(γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン)又はγMPS(γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン)を用いた。各例の金属部の材
質、表面処理の種類については表2を掲載されている。
【0040】−試験の内容− 上記各試験片につき、JISK6301の8.3項に基
づく90度剥離試験を行なった。また、当該剥離試験に
ついては、JISZ2371に準ずる塩水噴霧テスト
(SST)と組み合わせて行なった。すなわち、初期
(塩水噴霧なし)、塩水噴霧600時間後、同720時
間後、及び同1000時間後の各時期について当該剥離
試験を行なった。
【0041】−試験結果− 試験結果は表2に示されている。同表において、剥離状
態の項のR−RC−CP−Mの各記号の意味は次の通り
である。
【0042】 R;ゴム部の破断 RC;ゴム部と接着剤との間の破損 CP;接着剤部の破損 M;金属と接着剤との間の破損
【0043】
【表2】
【0044】表2によれば、各例とも初期の剥離試験結
果には互いに差がない。そして、塩水噴霧時間が長くな
るにつれていずれの例の金属部と接着剤との間の破損が
見られるようになるが、比較例の場合は金属部と接着剤
との間の破損の割合が参考例のそれよりも大きい。この
ことから、本発明の如く、金具2の表面に陽極酸化皮膜
3を形成してから有機シラン化合物皮膜4を形成した場
合には、有機シラン処理のみ場合よりも金具の耐蝕性な
いしは接着安定性が高くなることがわかる。
【0045】<実施例> 次に本発明の実施例を説明する。
【0046】本例の金属・ゴム複合防振体は円筒ブッシ
ュであって、図3及び図4に示されている。同図におい
て、21は円筒形の防振ゴム体、22は防振ゴム体21
の内周面に接着されたアルミニウム合金製の内筒金具、
23は防振ゴム体21の外周面に接着されるアルミニウ
ム合金製の外筒金具である。防振ゴム体21に対する内
筒金具22の接着には参考例と同様の加硫接着が採用さ
れている。
【0047】一方、上記外筒金具23の全表面には図4
に示すように、陽極酸化皮膜24が形成されているとと
もに、該陽極酸化皮膜24の上にシランカップリング剤
による有機シラン化合物皮膜25が形成されていて、当
該有機シラン化合物皮膜25の表面における上記防振ゴ
ム体21との接着面に熱硬化型(同時加硫型)接着剤が
熱硬化してなる下層26及び上層27が形成されてい
る。また、上記防振ゴム体21の外周面には所定の表面
活性化処理が施されている。そうして、上記外筒金具2
3の接着剤硬化層27に上記防振ゴム体21の表面活性
化処理されてなる接着面がイソシアナート系接着剤層2
8によって接着されている。
【0048】上記防振ゴム体21と外筒金具23との接
着は以下の工程によって行なった。
【0049】 −外筒金具23の下地処理、陽極酸化処理及び有機シラ
ン処理− 外筒金具23の下地処理、、陽極酸化処理及び有機シラ
ン処理は参考例のそれと同様にして行なった。
【0050】−接着剤硬化層の形成− 上記外筒金具23の有機シラン化合物皮膜25における
防振ゴム体21との接着面(内周面)に下層26として
上記ケムロック205を塗布して乾燥させた後、上層2
7として米国ロード社製の商品名ケムロック220(塩
素化ゴム系接着剤)を塗布して乾燥させた。乾燥条件は
いずれも70℃×5分間である。そして、これらの接着
剤の熱硬化を150℃×20分間という条件で行なうこ
とによって、上記接着剤硬化層26,27を形成した。
【0051】−表面活性化処理− 防振ゴム体21の外周面に溶剤によって脱脂処理を施し
た後、トリクロロイソシアヌル酸の3%溶液(希釈液は
有機溶剤)を塗布することによって、当該外周面の活性
化処理を行なった。
【0052】−接着− 上記防振ゴム体21の外周面にイソシアナート系接着剤
を塗布した後、この防振ゴム体21を外筒金具23の筒
孔に圧入して径方向内方に圧縮した状態にし、当該ゴム
の弾性復元力が作用した状態で上記イソシアナート系接
着剤を120℃×20分間の加熱条件で硬化させた。こ
れにより、イソシアナート系接着剤層28が形成され
て、上記防振ゴム体21と外筒金具23とが一体になっ
た。
【0053】(試験) 上記実施例の効果を確認するために以下のテストを行な
った。
【0054】−試験片− 試験片は上記円筒ブッシュであって、先に説明した方法
に従って実施例e〜g及び比較例cの各々につき作製し
た。各試験片における防振ゴム体のゴム配合は表1の通
りである。金具22,23の材質はアルミニウム合金
(JISH4000におけるA5052、A6063又
はA7003)であり、シランカップリング剤について
は上述のγAPSを用いた。そして、実施例e〜gには
陽極酸化処理を施し、比較例cには同処理を行なわなか
った(表3参照)。
【0055】また、上記実施例及び比較例の各試験片に
は、接着剤硬化層26,27のために上記ケムロック2
05と同220を用い、イソシアナート系接着剤として
ウレタン系ボンドを用いた。また、イソシアナート系接
着剤の焼付条件は150℃×20分間とした。
【0056】−試験の内容− 上記各試験片につき、外筒金具23を保持した状態にし
て、防振ゴム体21及び内筒金具22に軸方向の荷重を
かけてこれらを打抜く、という打抜き試験を行なった。
当該打抜き試験についても、参考例における試験と同様
に塩水噴霧テストと組み合わせて行なった。
【0057】−試験結果− 試験結果は表3に示されている。同表において、剥離状
態の項の各記号の意味は表2の場合と同様である。
【0058】
【表3】
【0059】表3によれば、当該試験の場合も参考例の
試験の場合と同様の傾向を示している。すなわち、各例
とも初期の試験結果には互いに差がない。そして、塩水
噴霧時間が長くなるにつれていずれの例も金具23とイ
ソシアナート系接着剤層28との間の破壊が見られるよ
うになるが、比較例cの場合は当部位の破壊の割合が実
施例のそれよりも大きい。このことから、実施例におい
ても本発明の有用性が裏付けられる。
【0060】特に、防振ゴム体21をアルミニウム合金
製金具23の地肌にイソシアナート系接着剤によって直
接接着するのではなく、陽極酸化皮膜24、有機シラン
化合物皮膜25、熱硬化させた接着剤硬化層26,27
により上記地肌を被覆してから上記イソシアナート系接
着剤を適用しているから、当該金具にクロメート処理や
カチオン電着塗装を施すことなく、加硫ゴムである防振
ゴム体21を強固に結合させることができるものであ
る。
【0061】この場合、上記有機シラン化合物皮膜24
の有機シラン化合物が無機質である陽極酸化皮膜24と
フェノール系接着剤硬化層26とに結合して両者の橋渡
しをし、さらにフェノール系接着剤硬化層26と塩化ゴ
ム系接着剤硬化層27との間、塩化ゴム系接着剤硬化層
27とイソシアナート系接着剤層28との間、並びにイ
ソシアナート系接着剤層28と防振ゴム体21の活性化
処理面との間にそれぞれ強固な結合が得られるため、結
果的に上記金具23と防振ゴム体21とが強固に結合し
ているものと認められる。
【0062】なお、上記各実施例において説明した防振
体の製法は一例に過ぎず、各工程の条件は金具の材質、
使用する接着剤の種類等に応じて適宜変更することがで
きることはもちろんである。
【0063】また、上記実施例に関して、イソシアナー
ト系接着剤は金具の方に塗布してもよく、さらには金具
と防振ゴム体との双方に塗布するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の防振体を示す縦断面図
【図2】参考例の防振体の接着部の断面図
【図3】実施例の防振体の分解断面図
【図4】実施例の防振体の接着部の断面図
【符号の説明】
1,21 防振ゴム体 2,22,23 金具 3,24 陽極酸化皮膜 4,25 有機シラン化合物皮膜 5,6 同時加硫型接着剤層 26,27 接着剤硬化層 28 イソシアナート系接着剤層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/12 F16F 15/00 - 15/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防振作用を呈する防振ゴム体にアルミニウ
    ム系金属による金具が接着されてなる金属・ゴム複合防
    振体であって、 上記金具の表面に陽極酸化皮膜が形成され、該陽極酸化
    皮膜の上にシランカップリング剤による有機シラン化合
    物皮膜が形成されているとともに、該有機シラン化合物
    皮膜の表面における上記防振ゴム体との接着面に熱硬化
    型接着剤が熱硬化してなる接着剤硬化層が形成されてお
    り、 上記金具の接着剤硬化層に上記防振ゴム体の表面活性化
    処理されてなる接着面がイソシアナート系接着剤によっ
    て接着されていることを特徴とする金属・ゴム複合防振
    体。
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