JP3221083B2 - アルミニウムおよびアルミニウム合金板の電気めっき方法 - Google Patents

アルミニウムおよびアルミニウム合金板の電気めっき方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウムおよび
アルミニウム合金板上への電気めっき方法、特に密着性
に優れためっき皮膜を得ることができる、アルミニウム
およびアルミニウム合金板の電気めっき方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車および家電用として、冷延鋼板お
よび表面処理鋼板が広く使用されているが、近年、比重
が鉄と比べて1/3 と大幅に小さいアルミニウムおよびア
ルミニウム合金板の使用が、軽量化および耐食性の向上
を図る目的で検討されている。しかし、アルミニウムお
よびアルミニウム合金板(以下、単にアルミニウム板と
称す)に使用目的に適った機能を付与するためには、こ
れに表面処理を施す場合が多い。表面処理法としては、
陽極酸化処理や化成処理等の他にめっき処理がある。め
っき処理の場合、酸化され易いアルミニウム板表面に直
接電気めっきを施すと、アルミニウム板素地との間に充
分な密着が得られずめっき皮膜の剥離が避けられない。
【0003】このため、従来、アルミニウム板表面を活
性化する予備処理の後一度Znの置換めっきを行い、そ
の上に目的金属のめっきを施していた。例えば、特開平
3-130375号公報では、脱脂洗浄後化学酸による活性化の
予備処理を行い、1 分間のZn置換を施し、その上に銅
めっきを施すが、添加剤の工夫により平滑性・密着性の
良いめっ皮膜が得られることを開示している。
【0004】一方、アルミニウム板に直接めっきする方
法も提案されている。例えば。特開昭63-166964 号公報
には、蒸着法によって亜鉛めっきをアルミニウム板の表
面に形成する方法が開示されおり、又、特開平 3-10489
5 号公報には、電気めっき法によりパルス通電を行い表
面酸化物層を溶解した後、めっき通電を行い密着性に優
れためっき皮膜を得る方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸着法
は大きく且つ複雑な設備を要し、又、パルスめっき法は
一部の金属へのめっき或いは溶融塩電解などではその効
果がみられるが、アルミニウムに水溶液めっきを施す
場合は充分なめっき密着性が得られない。そして、Zn
置換処理法は実用的であるが、作業工程が多く、且つ処
理に時間を要し特に連続処理では生産性に劣るという問
題があった。
【0006】この発明の目的は、上記の問題を解決する
ため、即ち作業工程や設備の複雑さを回避し且つ密着性
に優れためっき皮膜を得ることができる電気めっき方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的は、次の手段に
よって達成される。即ち、アルミニウムおよびアルミニ
ウム合金板の表面を脱脂洗浄後、弗素化合物を溶解させ
ためっき液を用いて電気めっきを行うアルミニウム及び
アルミニウム合金板の電気めっき方法であって、より好
ましくは前記弗素化合物を、弗素量換算で10ppm 以上
溶解させためっき液を用いることであり、又、前記電気
めっきを行うに際して通電開始直前に無通電浸漬を行
い、引き続いて通電を開始すること、更に、この無通電
浸漬時間が0.1秒以上であることが一層望ましい。
【0008】
【作用】水溶液を用いる電気めっきや化学めっきは大仰
な設備を必要とせず、その基本技術は広く工業上の経験
も豊富な技術である。しかし、アルミニウム板にこれら
の処理を施そうとすると、その表層に生成された酸化物
が種々の問題を引き起こす。アルミニウムは、よく知ら
れているように酸素親和力の大きな金属で、大気中の酸
素や水中に溶存する酸素と常温においても容易に酸化物
を生成する。ジンケート処理と称される化学めっき処理
や電気めっき処理において、従来は、アルミニウム板を
脱脂洗浄した後、めっきを施す前に弗酸を含む酸水溶液
で酸洗し表面に生成した酸化膜を除去することがよく行
われていた。しかしながら、この酸洗工程で酸化膜は一
旦除去されるが、水溶液からなるめっき液に浸されると
再び酸化されてしまう。
【0009】一方、弗酸を始め弗素化合物には金属酸化
物を溶解する作用のあることが知られ、チタンやジルコ
ン、アルミニウム等の酸素親和力の大きな金属の酸化膜
除去に用いられている。
【0010】このような成分を、めっき液に含ませるこ
とによって酸化物の再生成を防ぐことができよう。発明
者らはこの考えに基づき、弗素化合物の他の作用即ちめ
っきへの悪影響にも注意を払いながら、酸化物との関係
を究明した。その結果、弗素化合物には、めっき液中に
あっても酸化物の再生成を防ぐ作用だけではなく、酸化
物を溶解除去する作用もあることを突き止めた。
【0011】この知見をアルミニウム板のめっきに適用
すると次のようになる。アルミニウム板の場合、めっき
前の表面状況は一般に酸化物が薄く膜状に生成されてい
ると共に、多かれ少なかれ油脂類等の汚れが付着してい
る。この汚れは一般に、めっき前処理として脱脂洗浄処
理によって除かれる。この発明においても、この汚れに
よりめっき液が汚染されることを防ぐために、脱脂洗浄
を前以て行う。次に、めっき皮膜の密着性を確保するた
めに、酸化物を除去しなければならないが、この酸化物
はめっき液に弗素化合物を添加しておけば、めっき液中
で溶解し除去するこができる。言い換えれば、酸化物を
除去するために、めっき前処理として弗化物を含む酸洗
処理を独立して設ける必要はない。又、このようにし
て、めっき液中で酸化物を除去しても、そのためにめっ
きに悪影響を及ぼす現象は見当たらなかった。
【0012】めっき液中での酸化物の除去については、
弗素化合物の量があまりに少ないと除去に時間を要す
る。電気めっきにおいて、酸化物やその他のアルミニウ
ム化合物等アルミニウム金属以外の物質が表面に残留し
たままめっき金属が電析すると、アルミニウムとめっき
金属との間に直接の結合が得られず、良好なめっき密着
性は得られない。したがって、電析が始まる前に酸化物
が除去されていることが好ましく、この観点からめっき
液に添加する弗素化合物もある程度多い方がよい。添加
量を変えてめっきを施し、めっき皮膜の密着性を尺度に
してその必要量を調べた結果、弗素イオン或いは弗素錯
イオンとして10ppm 以上の濃度で存在すると、短時間
で酸化物が除去されて密着性が確保されることが判っ
た。
【0013】更に、慎重を期すならば、充分に酸化物を
除去した後に電析を開始するとよい。この場合、アルミ
ニウム板をめっき液に浸漬した後0.1秒以上を経てめ
っき電流の通電を開始する手法が効果的である。
【0014】添加する弗素化合物は、めっき液中で溶解
し、イオン化するものならなんでも良い。例えば、弗素
イオンを生成する化合物としては、弗化水素酸、弗化ア
ンモン、弗化ソーダ等が挙げられ、弗化化合物イオンを
放出するものとしては、硼弗化アンモン、硼弗化水素
酸、チタン弗化アンモン、チタン弗化水素酸等が挙げら
れる。
【0015】
【実施例】次に、この発明を実施例によって、さらに詳
細に説明する。マグネシウムを4.5 wt% 含有したアルミ
ニウム合金板と純アルミニウム板とを、80℃、40g/l の
オルソケイ酸ソーダ中で10秒間、10A/dm2 の条件で電解
脱脂を行った。次いで、水洗し、酸洗を行わずにめっき
液に浸漬し通電時間を変えて電気めっきを行った。施し
ためっきは亜鉛めっき、亜鉛−鉄合金めっき(鉄含有量
80wt% ) およびニッケルめっきで、付着量は20g/m2
目標とした。めっき後試験片を折り曲げ、曲げ部のめっ
き皮膜の密着性を調べた。
【0016】めっき条件については、めっき流速が2m
/秒、温度が50℃、そして、電流密度が45A/dm2
弗素化合物を除いためっき液の基本組成は次のA,B,
Cである。 A:ZnSO4 ・7H2O 400g/l H2 SO4 100g/l pH 2.0 B:ZnSO4 ・7H2O 20g/l FeSO4 ・7H2O 100g/l pH 2.0 C:NiCl2 ・6H2O 45g/l NiSO4 ・7H2O 240g/l H3BO4 30g/l pH 2.0
【0017】密着性の調査は、JIS-Z2248に規
定される曲げ試験を行い折り曲げ部のめっき面に粘着テ
ープを張りつけこれを強制的に剥離し、その剥離状況を
調べた。曲げ試験では、試験片の厚さの等倍(1t)又
は4倍(4t)の曲率半径沿って試験片を180°折
り曲げた。4tの場合に剥離が生じなければ実用上問題
が無いが、密着性の評価は次の4段階で行った。◎:1
tで全く剥離を生ぜず、〇:4tで全く剥離を生ぜず、
△:4tで剥離、×:4tで180°折り曲げる以前に
剥離し、非常に密着性に劣る。
【0018】なお、比較のために、めっき前に酸洗を行
い酸化物を除去した後、弗素化合物を添加しないめっき
液で電気めっきを施したものについても密着性を調べ
た。この場合の酸洗条件は次のW,X,Y,Zの4種で
ある。 W:H2 SO4 50g/l 液温 50℃ 浸漬時間 10秒 X:H2 SO4 50g/l NaF 50g/l 液温 50℃ 浸漬時間 10秒 Y:H2 SO4 50g/l NaF 50g/l 液温 50℃ カソード電解電流 10A/dm2 電解時間 10秒 Z:HCl 50g/l HNO3 50g/l 液温 50℃ 浸漬時間 10秒。 これらの製造条件と密着性調査の結果をまとめて表1に
示す。
【0019】
【表1】
【0020】この発明の実施例では、めっき皮膜の密着
性は全て実用に耐えるものであったが、酸洗前処理で酸
化物を除去してもめっき液中に弗素化合物を添加しなか
った比較例では、満足なめっき密着性が得られなかっ
た。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、めっき液中に弗素化合物を添加しているので、前処
理として酸洗を行わずとも密着性に優れためっき皮膜を
得ることができ、処理工程が極めて簡素化された。更
に、電気めっきの前段に時間のかかる亜鉛置換処理を施
す必要もなくなり、生産性を飛躍的に高めたこの発明の
効果は大きい。
フロントページの続き (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 審査官 日比野 隆治 (56)参考文献 特開 平5−65691(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 3/44 C25D 5/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムおよびアルミニウム合金板
    の表面を脱脂洗浄後、弗素化合物を溶解させためっき液
    を用いて電気めっきを行うことを特徴とするアルミニウ
    ムおよびアルミニウム合金板の電気めっき方法。
  2. 【請求項2】 弗素化合物を、弗素量換算で10ppm 以
    上溶解させためっき液を用いることを特徴とする請求項
    1記載のアルミニウムおよびアルミニウム合金板の電気
    めっき方法。
  3. 【請求項3】 電気めっきを行うに際して通電開始直前
    に無通電浸漬を行い、引き続いて通電を開始することを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載のアルミニウムお
    よびアルミニウム合金板の電気めっき方法。
  4. 【請求項4】 無通電浸漬を0.1秒以上行うことを特
    徴とする請求項3記載のアルミニウムおよびアルミニウ
    ム合金板の電気めっき方法。
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