JP3216233B2 - パンティストッキング - Google Patents

パンティストッキング

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JP3216233B2
JP3216233B2 JP14173792A JP14173792A JP3216233B2 JP 3216233 B2 JP3216233 B2 JP 3216233B2 JP 14173792 A JP14173792 A JP 14173792A JP 14173792 A JP14173792 A JP 14173792A JP 3216233 B2 JP3216233 B2 JP 3216233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着用機能性とファッシ
ョン性とに優れたパンティストッキングに関するもので
ある。さらに詳しくは、極めて高い透明性と、極めて高
いフィット性及び伸縮性とを有し、しかもソフトな感触
を有するパンティストッキングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性糸を芯糸にしその回りにポリ
アミドやポリエステルのような非弾性の熱可塑性合成フ
ィラメント糸を被覆用糸として巻付けたカバリング弾性
糸を、編成糸に用いてなるサポートタイプのパンティス
トッキングが、伸縮力の高さ及びフィット性の良さから
パンティストッキングの主流となってきている。
【0003】なかでも、被覆用糸を一重に巻付けてなる
シングルカバリング弾性糸(以下SCYという)は被覆
用糸を二重に巻付けてなるダブルカバリング弾性糸(以
下DCYという)に比べ生産性が高く生産コストが低い
ので、このSCYと、ポリアミド糸やポリエステル糸の
ようなマルチフィラメント糸あるいはその加工糸とを交
互に編成してなるサポートタイプパンティストッキング
は比較的安価に製造でき、さらに、伸縮性が良く、ソフ
トな風合を有することから、一般に多く使用されるよう
になってきている。
【0004】しかしながら、高いファッション性と高い
機能性とが要求される婦人用ストッキングという点から
すると、このSCY交編サポートタイプパンティストッ
キングは、透明性がかなり低いという問題があり、さら
に、伸縮性、フィット性、肌触り、風合い、ハリ・腰の
面でも十分に満足できるものは未だに得られていなかっ
た。
【0005】さらに、このSCY交編の脚部を有するス
トッキング製品は、その生産工程や着用時にヒキツレを
生じ易く、生産性の低下や着用耐久性に劣るという問題
もあった。
【0006】このため、交編用糸に用いるマルチフィラ
メント糸の糸条繊度を低くし、例えは12デニールのよ
うに細繊度にしたり、また、フィラメント数を少なく
し、例えば3フィラメントとしたりするという手段によ
って、透明性を向上させる工夫がなされてきているが、
それでも十分な水準の透明性を得ることは困難であり、
また、耐久性、肌触り、風合い等も満足な物は得られて
いない。
【0007】また、一方、SCYについても、芯糸の弾
性糸を細くしたり、被覆用糸の糸条繊度を低くしたり、
また、被覆用糸のフィラメント数を少なくしたりする方
法によって、透明性を向上させる工夫がなされてきてい
るが、逆に、伸縮性の低下、フィット性の低下、コア切
れの増加、耐久性の低下というような問題が生じるし、
さらには、風合のソフトさが損なわれ、ザラツキ感が増
すという問題も生じるので、満足な物は得られていな
い。
【0008】さらにまた、被覆撚数をかなり高くして被
覆糸の浮きを少なくする方法もあるが、被覆撚数を高く
するとSCYのトルクが増大し、編立時にキンクやビリ
が発生し、編立性の低下や製品欠点を引起こすと同時に
編面の乱れが大きくなるという問題があり、さらに風合
のソフトさも損なわれるという問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような従来技術の欠点を解消し、SCYを交編して
なるサポートタイプパンティストッキングの伸縮性及び
フィット性を良好に保持しつつ透明性を飛躍的に向上さ
せ、さらに、肌触りが滑らかで、つるつる感があり、適
度なハリ・腰を得ることを主な目的とする。
【0010】さらに、ソフトな着用感を有し、ヒキツレ
が生じ難く、耐久性が高く、編面の綺麗な高級婦人用パ
ンティストッキングを提供することを別の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、弾性繊維からなる8〜40デニールの芯
糸に熱可塑性合成重合体からなる全繊度が5〜15デニ
ールのフィラメント糸を被覆撚数2400t/m 以下で一
重に巻付けてなるシングルカバリング弾性糸と、熱可塑
性合成重合体からなる8〜15デニールの実質的に捲縮
を有さないモノフィラメント糸との交互編成編地からな
る脚部を有するパンティストッキングからなる。
【0012】特に、前記モノフィラメント糸は、実質的
に艶消剤を含まないポリアミドモノフィラメント糸であ
ることが、また、ポリアミドに対して0.01〜3.0
重量%の下記一般式I、IIで表される酸アミド化合物
いずれか1以上を含有するポリアミド組成物からなるポ
リアミドモノフィラメント糸であることが好ましい。
【0013】
【化3】 (ただし、R1 、R4 は炭素原子数10〜20のアルキ
ル基、R2 、R3 は水素原子、メチル基またはエチル
基、nは1〜10の整数を、それぞれ示す。)さらにま
た、前記シングルカバリング弾性糸の弾性繊維がポリウ
レタン弾性繊維であり、かつ、巻付けのフィラメント糸
が、ポリアミドに対して0.01〜3.0重量%の上記
一般式I、IIで表される酸アミド化合物のいずれか1以
を含有するポリアミド組成物からなる2〜8フィラメ
ントのポリアミドマルチフィラメント糸であることが好
ましい。
【0014】本発明で用いる交編用糸は、熱可塑性重合
体からなる全繊度が8〜15デニールの実質的に捲縮を
有さないモノフィラメント糸であることが必要である。
【0015】この熱可塑性重合体としては、ナイロン6
やナイロン66のようなポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートのようなポリ
エステル、ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリ
アクリロニトリル等が挙げられるが、なかでも、染色特
性、機械的強度、摩擦特性等に優れているポリアミドが
好ましい。
【0016】このモノフィラメント交編用糸の全繊度は
8〜15デニールであることが必要であり、特に10〜
13デニールとすることが、耐久性や透明性や肌触りを
さらに高めるために好ましい。8デニール未満では、透
明性は優れるものの実用上の耐久性が著しく低下する。
逆に、15デニールを越えると、目的とする透明性が得
られないし、また、風合が粗硬になる。
【0017】ここで、実質的に捲縮を有さないとは、仮
撚捲縮加工、擦過捲縮加工、押込み捲縮加工等による捲
縮や複合糸等によるコイル状捲縮のような捲縮を有さな
いことを意味する。
【0018】このモノフィラメント糸は、実質的に酸化
チタンのような艶消剤を含まないことが、透明性をさら
に向上させるために好ましい。
【0019】また、ポリアミドモノフィラメント糸を用
いる場合には、10重量%以下の共重合成分を含ませた
り、あるいは、ポリアミドに対して0.01〜3.0重
量%の前記した一般式I、IIで表される酸アミド化合物
のいずれか1以上を含有させることにより、結晶化抑制
を図り、繊維基質の透明性を向上させることが好ましい
が、繊維物性、例えば強伸度特性や、収縮特性等の変化
を抑制する意味では酸アミド化合物を含有させる後者の
方がさらに好ましい。
【0020】この酸アミド化合物は、ポリアミド繊維の
強伸度特性、透明性、表面光沢性あるいは染色鮮明性を
改善するための添加剤として、特公昭44−9825号
公報、特開昭53−437253号公報、特開昭58−
132137号公報等に記載されて知られているもので
ある。この酸アミド化合物は、婦人用ストッキングのよ
うな極めて粗なメリヤス編地の交編用のポリアミド系モ
ノフィラメント糸に配合して用いた場合、従来知られた
効果の他に、メリヤス編地全体が極めてソフトな感触や
肌触りとなるという別の効果が得られる。
【0021】酸アミド化合物の配合量は、ポリアミド繊
維に対し0.01〜3.0重量%が好ましく、特に0.
1〜2.0重量%が好適である。配合量が少な過ぎると
ザラツキ感の低減や柔軟性の改善の効果が不足する。逆
に多過ぎると製糸安定性や繊維の均一性が悪化し、しか
も、強伸度特性や伸長応力特性が低下し、繊維製品とし
ての特性が低下する。
【0022】また一方、本発明で用いるSCYの芯糸に
は、“スパンデックス”と言われるポリウレタン系弾性
繊維が好適であるが、他の弾性繊維、例えばポリアミド
エラストマ弾性繊維あるいはポリエステルエラストマ弾
性繊維であってもよい。
【0023】この弾性繊維の全繊度は8〜40デニール
であることが必要であり、透明性、耐久性及びフィット
性をさらに向上させるためには、さらに10〜30デニ
ールであることが好ましい。
【0024】8デニール未満では、透明性は良好である
が、糸強力が不足し編立時に芯糸切れなどのトラブルを
生じ易くなると同時に製品編地の耐久性が低くなり、ま
た、製品としてのフィット性や伸縮力が不足する。
【0025】逆に、40デニールを越えると目的とする
十分な透明性が得られないし、しかも、ソフトな風合が
低下し、粗硬な製品になる。
【0026】また、被覆用糸には、熱可塑性重合体より
なる全繊度が5〜15デニールのフィラメント糸を用い
ることが必要である。
【0027】この熱可塑性重合体としては、交編用糸と
して用いられると同様な重合体が挙げられるが、前述し
たと同様な理由によりナイロン6やナイロン66のよう
なポリアミドが好ましい。ポリアミドを用いる場合、実
質的に艶消剤を含まないポリマ組成であってもよいし、
10重量%以下の共重合成分を含む共重合ポリアミドを
用いてもよいし、また、ポリアミドに対して0.01〜
3.0重量%の前記一般式I、IIで表される酸アミド化
合物のいずれか1以上を含有するポリマ組成で用いても
よい。特に、上記酸アミド化合物を含有しポリアミド
組成物を用いることが本発明の目的を達成するために好
ましい。
【0028】この被覆用糸の全繊度は、5〜15デニー
ルであることが必要であり、特に7〜13デニールが、
透明性をさらに向上させ、優れた耐久性や着用感を得る
ために好ましい。5デニール未満では、被覆性が低下
し、さらには耐久性が悪くなる。逆に、15デニールを
越えると、SCYとして太くなり過ぎ、目的とする高い
透明性が得られないし、さらに、製品としての風合が損
なわれる。
【0029】また、このマルチフイラメント糸の単糸数
は、被覆性、透明性及びソフト風合の向上という点から
2〜8本であることが好ましい。1本では、被覆性が悪
く耐久性に問題があり、さらにソフト風合が損なわれ易
い。逆に、9本以上では、被覆性やソフト風合は向上す
るが、透明性の低下やヒキツレを生じ易くなる。
【0030】そして、このマルチフイラメント糸を芯糸
に巻付ける被覆撚数は2400t/m以下とすることが必
要であり、特に、2200t/m 以下とすることが好まし
い。被覆撚数が2400t/m を越えると、得られるSC
Yのトルクが増大して編立時にキンクやビリが発生し、
糸切れを誘発し、また、ビリ(スナール)が編込まれて
製品欠点を引起こすという問題が生じる。さらに、被覆
撚数が高過ぎると、SCYのトルクが過大となるために
ストッキングとした時の編面の乱れが生じ編面の綺麗さ
を損うし、その上、強く撚糸されるためにSCYが硬く
なりストッキング製品の風合のソフトさが損なわれると
いう問題も生じる。
【0031】
【作用】以上の如く請求項1の本発明では、SCYとフ
ィラメント糸とを交編してなるサポートタイプのパンテ
ィストッキングにおいて、交編用糸として8〜15デニ
ールの実質的に捲縮を有さないモノフィラメント糸を用
い、さらに、このモノフィラメント交編用糸を特定の糸
構成を有するSCYと組合せて用いて交互編成した脚部
編地とすることにより、極めて高い透明性と極めて高い
フィット性及び伸縮性とを有し、さらに、優れた肌触
り、ソフトな風合、ハリ・腰を有し、しかも、ヒキツレ
が生じ難く耐久性の高いパンティストッキングとするこ
とができたものである。
【0032】即ち、SCYとマルチフィラメント糸(あ
るいはその加工糸)とを交互に編成して成る従来の編地
では、婦人用ストッキングが粗なメリヤス編地であるた
めに、図2に示すように、交編用糸をなす各単糸がばら
けて編地ループ内に広がり、編地としての透明性が大き
く低下するのである。
【0033】さらに、ばらけて編地ループ内に広がった
各単糸がひっかかり易いので、ヒキツレを生じ易く、耐
久性が劣るのである。
【0034】ところが、本発明では、交編用糸として8
〜15デニールの実質的に捲縮を有さないモノフィラメ
ント糸を用いているので、編地中における単糸のばらけ
がなく、図1に示すように、編地ループ内の空間が保持
されるので、高い透明性が得られるのである。さらに、
交編用糸の単糸ばらけや捲縮浮上がりがないのでひっか
かり難くなり、ヒキツレ発生が抑制され耐久性が向上
し、さらにまた、単糸繊度の比較的小さいマルチフィラ
メント糸交編では得られなかった適度なハリ、腰をもっ
たストッキング編地を得ることが可能となる。その上、
実質的に捲縮を有していないことから、捲縮による編目
の乱れを生じることがないので、編地がフラットで綺麗
となるし、捲縮による透明性低下も生じない。
【0035】また、交編用糸にマルチフィラメント(あ
るいはその加工糸)を用いる従来の場合は、ストッキン
グ編立工程でフィラメント割れによる糸切れや編地の穴
空きが発生し易くトラブルが多かったが、本発明ではモ
ノフィラメントを用いるので、このような編立時のトラ
ブルを大幅に減少させることができ、編立性の向上が可
能になる。
【0036】さらに、SCYとして、8〜40デニール
の弾性繊維の芯糸と全繊度が5〜15デニールのフィラ
メント糸の被覆用糸とを用いる糸構成のSCYを用いて
いるので、交編用糸に8〜15デニールで実質的に捲縮
を有さないという特定のモノフィラメント糸を用いるこ
とと相俟って、編地の透明性は格段に向上するのであ
り、しかも、十分な伸縮性とフィット性とを有する編地
とすることができるのである。
【0037】また、透明性の向上のためにSCYのカバ
リング撚数を2400t/m より多くしなくても済むの
で、SCYのトルクが増大せず編立時のキンクやビリの
発生が抑制され、従って、編立性不良や製品欠点発生を
抑制し、良好な生産性や欠点のない綺麗なストッキング
製品を得ることができる。
【0038】請求項2の本発明では、さらに、交編用糸
のモノフィラメント糸を実質的に艶消剤を含まないポリ
アミドモノフィラメント糸としているので、糸自体の透
明性が向上し、編地の透明性をさらに高めることができ
る。
【0039】請求項3の本発明では、さらにポリアミド
に対して0.01〜3.0重量%の前記一般式I、IIで
表される特定の酸アミド化合物のいずれか1以上を含有
させたポリアミド組成物からなるポリアミドモノフィラ
メント糸を用いているので、モノフィラメント糸の結晶
化が抑制され、ポリマ基質の透明性が向上するばかりで
なく、編地の硬さが抑制され、編地面の凹凸に起因する
ザラツキ感が減少し、柔軟性が向上するのである。
【0040】このザラツキ感の抑制や柔軟性の向上によ
り、編地全体が極めてソフトな感触となり、つるつるし
た滑らかな肌触りになるという効果が得られるのであ
り、この結果、請求項3の本発明ではモノフィラメント
糸の交編用糸を用いることにより、高い透明性とフィッ
ト性とが得られることの他に、さらに、特定組成のポリ
アミドを用いることにより、交編用糸にマルチフィラメ
ント糸(あるいはその加工糸)を用いた従来のSCY交
編編地に比べ遜色のないかまたはそれよりも優れたソフ
ト風合の編地とすることができるのである。
【0041】さらに、艶消剤を含まず、特定の酸アミド
化合物を配合しているので、強伸度特性が改善され、8
〜15デニールと細繊度モノフィラメント糸の交編用糸
でも実用上満足できる耐久性の製品編地とすることがで
きる。
【0042】さらにその上、上記酸アミド化合物の配合
により、透明性や染色鮮明性が改善され、編地の透明性
は一層向上するとともに、染色後の製品パンティストッ
キングは鮮明色に優れたものとなる。
【0043】
【実施例】
・ 実施例1 20デニール、3フィラメントのポリウレタン弾性糸を
3.2倍に伸長しつつ通常のシングルカバリング機でシ
ングルカバリングを行なった。この際、被覆用糸には、
艶消剤を含まずにエチレンビスステアリン酸アミドを
1.0重量含有するナイロン6組成物からなる12デニ
ール7フィラメントのマルチフィラメント糸、及び、艶
消剤もエチレンビスステアリン酸アミドも含まないナイ
ロン6からなる12デニール7フィラメントのマルチフ
ィラメント糸を用い、被覆撚数は1720t/m とした。
【0044】一方、交編用糸として、艶消剤を全く含ま
ないナイロン6ポリマからなる、7デニール、10デニ
ール、13デニール、及び16デニールのモノフィラメ
ント糸を、溶融紡糸後、延伸する通常の方法によって製
糸した。
【0045】また、エチレンビスステアリン酸アミドを
1.0重量配合したナイロン6ポリマを用いた以外は上
記と同様な方法により、13デニールのナイロン6モノ
フィラメント糸を製糸した。
【0046】さらに、比較として、酸化チタンを0.0
2重量%含有したナイロン6ポリマからなる12デニー
ル3フィラメント、及び15デニール5フィラメントの
マルチフィラメント糸を上記と同様な方法により製糸し
た。
【0047】上記得られたSCYと、上記各種のナイロ
ン6フィラメント糸とを用い、永田精機(株)製のスー
パー4II編機(針数440本)で、S方向被覆SCY−
ナイロン6フィラメント糸−Z方向被覆SCY−ナイロ
ン6フィラメント糸の順の交編で脚部を編成してパンテ
ィストッキングとし、通常の方法で肌色に染色し、仕上
げセットしてパンティストッキング製品とした。
【0048】得られたパンティストッキング製品の脚部
について、透明度、フィット性、触感性、耐久性を次の
方法で評価し、それら結果を表1に示した。
【0049】透明度: ストッキング製品を、大腿部1
5cm巾、150コース/5cmに広げた状態で製品脚部編
地2枚を重ね、カラースタンダード白板(L値88.2
9)上に静置した時の編地のL値(Lw )、およびカラ
ースタンダード黒板(L値7.74)上に静置した時の
編地のL値(LB )を、色差計Σ80(日本電色工業
(株)製)により測定した。そして、それらL値から、
次の算式により、透明度を求めた。 透明度=(LW −
LB )/(W−B) (ここで、W=カラースタンダード白板のL値、B=カ
ラースタンダード黒板のL値) ストッキングのフィット性: 被験者が1日8時間の着
用を3日間繰返す着用試験によって相対評価したもので
あり、その結果は、◎:極めて良好、○:良好、△:や
や不良、×:不良、の基準でもって示した。
【0050】ストッキングの触感性: ストッキング製
品を人体足型に履かせ、検査者(5人)の触感によって
風合のソフトさ、ザラツキ感、つるつるした滑らかさ、
及び、ハリ・腰を相対評価したものであり、その結果
は、上記同様の基準でもって示した。
【0051】ヒキツレの発生: ヒキツレの発生度合を
調べ、次の基準で表示した。◎:ヒキツレ発生なし、
○:殆どなし、△:ややあり、×:かなり多い。
【0052】耐久性: JIS P−8131ミューレ
ン高圧型試験機による破裂強さ試験方法により破裂強度
を測定し、その破裂強度の水準により、次の基準で表示
した。◎:5kg/cm2 、○:4kg/cm2 以上5kg/cm2
未満、△:3kg/cm2 以上4kg/cm2 未満、×:3kg/
cm2 未満。
【0053】
【表1】 表1に示す結果からわかるように、本発明によるパンテ
ィストッキング( No.A、B、C、D)は透明性に優れ
ていた。特に、酸アミド化合物を配合したポリアミドモ
ノフィラメント糸を交編用糸に用いた No.Cの場合は、
極めて高い透明性と高いフィット性、柔軟性とを有し、
しかも、ざらつきがなくソフトな風合でつるつるした滑
らかな肌触りと適度のハリ・腰を有する製品となった。
また、製品のヒキツレも殆どみられなかった。
【0054】これに対し、7デニールと細過ぎるモノフ
ィラメント糸を交編用糸に用いた場合(比較1)、透明
性、柔軟性、ソフトな風合に優れるものの、フィット性
に劣り、しかも耐久性が低く、実用上満足できないもの
であった。
【0055】また、16デニールと太過ぎるモノフィラ
メント糸を交編用糸に用いた場合(比較2)、透明性が
やや不十分であり、柔軟性に欠け、ザラツキ感が強く、
風合の悪いものであった。
【0056】さらにまた、マルチフィラメント糸を交編
用糸に用いた場合(比較3、4)、フィット性や触感は
良好であるものの、透明性が著しく劣り、そして、ぬる
りとした触感でハリ・腰の弱い製品となり、しかもスト
ッキング製品のヒキツレ発生も多かった。
【0057】・ 実施例2 SCYの芯糸、被覆用糸、被覆撚数を次のように変更し
た以外は、実施例1と同様にしてSCYを製造した。
【0058】SCYのポリウレタン弾性糸に、実施例1
で用いた20デニールの他に、10デニール、15デニ
ール、30デニール、及び70デニールの糸を用いた。
その被覆用糸には、実施例1で用いた、艶消剤を含まず
にエチレンビスステアリン酸アミドを1.0重量含有す
るナイロン6組成物からなる12デニール7フィラメン
トのマルチフィラメント糸の他に、同じナイロン6組成
物からなる、5デニール5フィラメント、20デニール
7フィラメントのナイロン6フィラメント糸を用いた。
また、被覆撚数は、1720t/m 、2200t/m あるい
は2410t/mとした。
【0059】一方、交編用糸には、実施例1の No.Bで
用いたと同じ13デニールのモノフィラメント糸を用
い、実施例1と同様な方法で交編を行なって脚部を編成
し、パンティストッキング製品とした。
【0060】得られたパンティストッキング製品の脚部
の透明度、触感性を実施例1と同様に評価し、それら結
果を表1に示した。
【0061】また、脚部について、伸長回復応力特性、
耐摩耗性、編面の評価、編立性を次の方法で評価し、そ
れら結果も併せて表2に示した。
【0062】伸長回復応力特性: 定伸長型引張試験機
TOM−100E型(新興通信工業(株)製)を用い、
ストッキング試料に2kgの荷重を掛けて伸長した時の試
料長をL1 とし、このストッキング試料を2つ折りにし
て引張り試験機にかけ、このL1 /2の75%まで伸長
させ直ちに回復させた応力歪のヒステリシス曲線を描か
せる。このヒステリシス曲線からL1 /2の75%伸長
した時点の応力値(g)を、また、その回復時曲線から
L1 /2の60%伸長の長さに回復した時点の応力値
(g)とを読取り、それらを1/2にした値を、それぞ
れ、75%伸長応力、60%回復応力の値として表し
た。これらの値は、ストッキングのフィット性を示す指
標であり、高いほどフィット性は優れている。
【0063】耐摩耗性: ピリングテスター(東京精機
製作所(株)製)を使用し、編地に750gの荷重をか
け1000回磨耗した後の編地の破れの発生の有無を判
定した。同一試料について10枚を試験し、次の基準で
もって評価した。◎:破れの発生が1枚以下、○:破れ
の発生が2〜3枚、△:破れの発生が4〜5枚、△:破
れの発生が6枚以上。
【0064】編面の評価: 脚部を机上に広げて静置し
検査者(5人)が目視により、編目の乱れ、編地表面の
フラットさを、次の基準により相対評価した。◎:編目
が揃っていてフラットである、○:編目にやや乱れがあ
る、△:編目にやや乱れがあり、さらに表面に凹凸感が
ある、×:編目が乱れ表面に凹凸がみられる。
【0065】編立性: 編立時のスナールやビリの発生
による糸切れの頻度、及び、編地へのビリ込みの度合
を、次の基準でもって相対評価した。 ◎:糸切れ、ビ
リ込みともになし、 ○:ややビリ込みがあり、 △:
ビリ込みが多く糸切れもあり、×:糸切れが多発。
【0066】
【表2】 表2に示す結果からわかるように、本発明によるパンテ
ィストッキング( No.B、E、F、G、H、I)に比較
し、本発明外の糸構成をとるSCYを用いた比較5〜7
の場合は、透明性、耐久性(耐摩耗性)、フィット性、
触感性(風合やソフトさ)、編面の良否の点で、不十分
な製品しか得られなかった。また、編立性も劣ってい
た。
【0067】
【発明の効果】本発明では、弾性繊維からなる8〜40
デニールの芯糸に、熱可塑性合成重合体からなる全繊度
が5〜15デニールのフィラメント糸を被覆撚数240
0t/m以下で一重に巻付けてなるSCYと、熱可塑性合
成重合体からなる全繊度が8〜15デニールの実質的に
捲縮を有さないモノフィラメント糸とを交互編成するこ
とによってパンティストッキングの脚部を構成している
ので、従来のSCYとマルチフィラメント糸(あるいは
その加工糸)とを交編してなるソフト風合のサポートタ
イプパンティストッキングに比較し、透明性が著しく向
上し、かつ極めて高いフィット性と伸縮力を有するシア
ーサポートパンティストッキングが得られる。
【0068】さらに、編地の乱れのない美しい生地面で
ヒキツレが起こり難く、耐久性も十分に高いシアーサポ
ートパンティストッキングが得られる。
【0069】特に、請求項2のように、実質的に艶消剤
を含まないポリアミドモノフィラメント糸を交編用糸に
用いれば、透明性が一段と向上し、鮮明な色調なパンテ
ィストッキング製品が得られる。
【0070】また、請求項3のように、特定の酸アミド
化合物を配合したポリアミドモノフィラメント糸を交編
用糸に用いれば、編地全体が極めてソフトな感触や滑ら
かな肌触りの製品となり、着用時の快適性が著しく改善
される。さらに、透明性や鮮明性が一段と向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパンティストッキングの脚部編地を伸
長した状態を拡大して例示する模式図である。
【図2】従来のパンティストッキングの脚部編地を同様
に示す模式図である。
【符号の説明】
1: Z方向被覆SCY 2: S方向被覆SCY 3: モノフィラメント糸の交編用糸 4: マルチフィラメント糸の交編用糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−59101(JP,A) 特開 平2−133601(JP,A) 実開 平3−30205(JP,U) 実開 昭55−127709(JP,U) 国際公開92/408(WO,A2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A41B 11/00 - 11/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性繊維からなる8〜40デニールの
    芯糸に熱可塑性合成重合体からなる全繊度が5〜15デ
    ニールのフィラメント糸を被覆撚数2400t/m以下で
    一重に巻付けてなるシングルカバリング弾性糸と、熱可
    塑性合成重合体からなる8〜15デニールの実質的に捲
    縮を有さないモノフィラメント糸との交互編成編地から
    なる脚部を有するパンティストッキング。
  2. 【請求項2】 前記モノフィラメント糸が、実質的に
    艶消剤を含まないポリアミドモノフィラメント糸である
    請求項1記載のパンティストッキング。
  3. 【請求項3】 前記モノフィラメント糸が、ポリアミ
    ドに対して0.01〜3.0重量%の下記一般式I、II
    で表される酸アミド化合物のいずれか1以上を含有する
    ポリアミド組成物からなるポリアミドモノフィラメント
    糸である請求項1記載のパンティストッキング。 【化1】 (ただし、R1 、R4 は炭素原子数10〜20のアルキ
    ル基、R2 、R3 は水素原子、メチル基またはエチル
    基、nは1〜10の整数を、それぞれ示す。)
  4. 【請求項4】 前記シングルカバリング弾性糸の弾性
    繊維がポリウレタン弾性繊維であり、かつ、巻付けのフ
    ィラメント糸が、ポリアミドに対して0.01〜3.0
    重量%の下記一般式I、IIで表される酸アミド化合物
    いずれか1以上を含有するポリアミド組成物からなる2
    〜8フィラメントのポリアミドマルチフィラメント糸で
    ある請求項1記載のパンティストッキング。 【化2】 (ただし、R1 、R4 は炭素原子数10〜20のアルキ
    ル基、R2 、R3 は水素原子、メチル基またはエチル
    基、nは1〜10の整数を、それぞれ示す。)
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