JP3215054B2 - 成形吸音材およびその製造方法 - Google Patents

成形吸音材およびその製造方法

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JP3215054B2 JP25967496A JP25967496A JP3215054B2 JP 3215054 B2 JP3215054 B2 JP 3215054B2 JP 25967496 A JP25967496 A JP 25967496A JP 25967496 A JP25967496 A JP 25967496A JP 3215054 B2 JP3215054 B2 JP 3215054B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用天井材料
などとして用いられる成形吸音材およびその製造方法に
関し、とくに、高い強度と剛性ならびに優れた吸音特性
を兼ね備えた成形吸音材と、この成形吸音材を有利に製
造する方法についての提案である。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車は、車内の騒音を低減する
ために、内装材料には吸音機能を付与したものが採用さ
れている。かかる内装材料のなかでも特に成形天井材料
は車内における占有面積が広いため、この天井材料の吸
音機能を向上させることは車内の騒音を低減させる上で
極めて有効である。
【0003】かかる吸音機能を有する材料としては、グ
ラスウールやレジンフェルト等の多孔質体を熱硬化性樹
脂で処理したものが知られている。しかしながら、この
吸音材料は、自動車内装材料とくに天井材料として用い
るには、剛性が不足する。一方で、この材料に所定の剛
性を付与するには、部材としての重量が増加する、成形
性に劣る、取扱い時に粉塵が発生する等の問題点があっ
た。
【0004】これに対して従来、上述した問題点を解消
できる吸音材料として、スタンパブルシートを膨張成形
したものがある。このスタンパブルシートを膨張成形し
てなる吸音材料は、強化用繊維とそれらを相互に点接着
する熱可塑性樹脂から構成されており、微細な空隙構造
を持つ一種の多孔質材料である。それ故に、この種の吸
音材料は、ハンドリング中に粉塵が発生しない、形状保
持力に優れる、軽量である、吸音周波数領域が広い、他
の材料に比べて安価である、等の特徴がある。
【0005】しかしながら、このような多孔質材料から
なる薄い板状の吸音材料には、自動車用天井部材のよう
な製品に用いるに当たり、吸音特性と剛性の両方の特性
に優れることが必要である。
【0006】例えば、特開平8−6549号公報に記載され
ているようなスタンパブルシートを膨張成形してなる吸
音材料は、吸音特性の発現が背面空気層を前提としてい
るため、厚み方向に大きな空間が必要である。そのた
め、この吸音材料は、狭い空間での吸音特性が要求され
る自動車用天井材料としては、十分な吸音特性を得るこ
とができない、という問題点があった。仮に、所定の吸
音特性を示す材料が得られたとしても、自動車用天井材
料としての剛性を維持するためには、目付(単位面積当
たりの重量)を極端に増加させる必要があり、軽量化で
きない、という欠点があった。
【0007】また、特開平6−156161号公報には、スタ
ンパブルシートに無機繊維層を積層することにより、吸
音材料の吸音特性向上を図る技術が提案されている。し
かしながら、この提案にかかる吸音材料は、無機繊維自
体のコストが高いうえに、スタンパブルシート成形後に
無機繊維を積層するために、製造工数が増える、材料自
体が重くなる、等の欠点があった。
【0008】一方、自動車用天井材料には、一般に、車
内側の表面に装飾としての表皮材料が貼合される。この
表皮材料と自動車用天井材料が共に通気性を有すると、
天井自体が車内空気のフィルターの役目を担うようにな
り、表皮材料の表面が著しく汚れるという問題が生じ
る。かかる問題は、例えば、通気性を有する前述の特開
平8−6549号公報に記載の吸音材料を自動車用天井材料
として用いた場合に生じる。
【0009】このような問題を解消するためには、例え
ば、表皮材料に非通気処理を施す、自動車用天井材料と
表皮材料の間に非通気層を設ける、等の方法がある。し
かしながら、このような非通気処理を行うと、車内騒音
が非通気層で反射され、吸音材料からなる天井材料が実
質的に吸音しなくなるという致命的な問題点となった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形吸音材
に関する上述した問題点を解消するためになされたもの
であり、その主たる目的は、高い強度と剛性ならびに優
れた吸音特性を兼ね備えた軽量で通気性のない成形吸音
材を提供することにある。本発明の他の目的は、上記成
形吸音材を有利に製造する方法を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】さて、上述したような多
孔質材料の吸音は、音が多孔質材料の空隙を抜けるとき
に空気と材料の間に摩擦が生じ、音のエネルギーが熱エ
ネルギーに変換されることで起こると言われている(例
えば、子安著“吸音材料”技報堂参照)。
【0012】したがって、多孔質材料の吸音特性は、材
料の空隙率が極端に小さくなると、音が材料内部に入射
され難くなって低下する。多孔質材料の表面に非通気層
が存在する場合も低下する。また、同じ空隙率の材料で
比較すると、材料の空隙構造が細かいほど、吸音層の厚
みが厚いほど優れたものとなる。それ故に、吸音特性に
優れた材料を得るためには、空隙率が大きく、微細な空
隙構造を有する多孔質材料とする必要がある。一方、多
孔質材料の強度と剛性は、空隙率が大きくなると強化用
繊維同士の接着樹脂量が相対的に減少するので、必然的
に低下する。
【0013】発明者らは、このような知見に基づき、高
い強度と剛性ならびに優れた吸音特性を兼ね備えた成形
吸音材の開発に向け鋭意研究を行った。その結果、以下
に示すような3層構造の成形吸音材とすることにより、
上記の目的が実現し得ることを見出した。 .成形吸音材の内層部を、強化用繊維の含有率を外層
部よりも相対的に高くして微細な空隙構造を有する空隙
率の高い層とする。これにより、この層は、膨張性と吸
音特性を向上させる構造とした。この空隙率の高い層で
は、とくに2000Hz程度の周波数の高い音がよく吸収され
る。 .上記内層部を挟む外層部の一方を、樹脂を含浸させ
て熱可塑性樹脂の含有率を高くすることにより、強化用
繊維の含有率を内層部よりも相対的に低くして空隙率の
低い緻密な層とする。これにより、この層は、剛性を向
上させる構造とするとともに、通気性をもたせることで
音の反射を防止して前記内層部で音を吸収させる構造と
した。この緻密な層では、とくに 500〜1000Hzの周波数
領域の音が良く吸収される。 .上記内層部を挟む外層部の他方を、樹脂フィルムを
積層接着した通気性のない層とする。これにより、この
層は、非通気性の構造とした。それ故に、このような3
層構造の成形吸音材は、強度と剛性が高く、 500〜2000
Hzの広い周波数領域の音を良く吸収でき、かつ軽量で非
通気性を有する構造となる。
【0014】すなわち、本発明の成形吸音材は、熱可塑
性樹脂と強化用繊維を主成分とするスタンパブルシート
を膨張成形して得られる微細な空隙構造を有する多孔質
基材の一方の面、下記熱可塑性樹脂aを含浸させるこ
とによって得られる空隙率の小さい樹脂含浸層にて構成
され、その基材の他方の面には、下記熱可塑性樹脂bの
フィルム積層されているものであることを特徴とする
(図1参照)。 記 熱可塑性樹脂a:多孔質基材中の熱可塑性樹脂よりもメ
ルトフローレイトの小さい熱可塑性樹脂 熱可塑性樹脂b:スタンパブルシートのシート化およ
び膨張成形時の材料温度よりも融点または軟化点のいず
れかが高い熱可塑性樹脂
【0015】ここで、上記発明にかかる成形吸音材にお
いて、前記多孔質基材中の熱可塑性樹脂はポリプロピレ
ンであること、強化用繊維はグラスファイバーであるこ
と、が望ましい。また、熱可塑性樹脂aは、そのメルト
フローレイトが多孔質基材中の熱可塑性樹脂のメルトフ
ローレイトの1/30〜1/3であることが望ましい。
【0016】本発明にかかる成形吸音材の製造方法は、
熱可塑性樹脂と強化用繊維からなる主原料を抄造して得
られるウエブを加熱、加圧し、こうして得られるスタン
パブルシートを再加熱して膨張させたのち成形すること
により、成形吸音材料を製造する方法において、ウエブ
を加熱、加圧してシート化する際に、ウエブの一方の面
に、ウエブ中の熱可塑性樹脂よりもメルトフローレイト
の小さい熱可塑性樹脂aのフィルムを積層し、ウエブの
他方の面には、シート化するときのウエブの加熱温度よ
りも融点または軟化点のいずれかが高い熱可塑性樹脂b
のフィルムを積層することを特徴とする。
【0017】ここで、上記本発明にかかる成形吸音材の
製造方法において、ウエブ中の熱可塑性樹脂としてはポ
リプロピレンを用いること、ウエブ中の強化用繊維とし
てはグラスファイバーを用いること、が望ましい。熱可
塑性樹脂aとしては、そのメルトフローレイトがウエブ
中に含有する熱可塑性樹脂のメルトフローレイトの1/
30〜1/3である樹脂を用いることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、この発明にかかる成形吸
音材とその製造方法を構成する各成分(または要素)に
ついて説明する。熱可塑性樹脂について ウエブに用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリアセタールなどの樹
脂、ならびにこれらの樹脂を主成分とする共重合体(例
えば、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等)やグラフト化合物、もしくはこれら
の樹脂のブレンド品などが挙げられる。なかでも、強度
と価格面から好ましいのは、ポリプロピレンであるが、
この発明に関して、不適合な熱可塑性樹脂は特にない。
【0019】この熱可塑性樹脂は、それのメルトフロー
レートが10〜300g/10分であることが好ましい。この理
由は、メルトフローレートが10 g/10分より小さいと接
着性が悪くなり、一方、300g/10分より大きいと樹脂自
体の強度が低くなり、結局、いずれの場合も吸音材自体
の強度が低くなるからである。
【0020】この熱可塑性樹脂は、強化用繊維との接着
性を向上させるために、酸やエポキシなどの種々の化合
物で変性させたものを併用できる。特に、ポリプロピレ
ンの場合には、マレイン酸や無水マレイン酸、アクリル
酸などで変性したものが好適であり、その変性基は、酸
無水物基、カルボキシル基、水酸基等が好ましい。な
お、その他の変性基でも、この発明に関して不適合なも
のはない。このような変性樹脂を熱可塑性樹脂と併用す
る場合には、それぞれの樹脂粒子を用いてウエブを製造
しても良いし、これらの樹脂を予め押し出し機などで溶
融混練したペレットや、このペレットを粉砕したものを
使用してもよい。また、一方の樹脂を他の樹脂でコーテ
ィングしたものを用いることもできる。
【0021】なお、ウエブに用いられる上記熱可塑性樹
脂の形状は、特に限定されず、粒子状の他、例えば繊維
状やフレーク状の熱可塑性樹脂が用いられる。特に粒子
状の場合には、その粒径が50〜2000μmの範囲内にある
ものを用いることが望ましい。この理由は、粒径が2000
μmを超えると、強化用繊維に樹脂が均一に分散したス
タンパブルシートを得ることが難しく、一方、粒径が50
μm未満では、ウエブからの樹脂の脱落が多くなるから
である。
【0022】また、上記熱可塑性樹脂は、耐候性や耐熱
性を向上させるための添加剤を予め添加することができ
る。この場合にも、変性樹脂の場合と同様に、それぞれ
の粒子を用いてウエブを製造しても良いし、これらの粒
子を予め押し出し機などで溶融混練し、粉砕した物を使
用しても良い。また、一方の粒子を他の材料でコーティ
ングしたものを用いることもできる。
【0023】強化用繊維について ウエブに用いられる強化用繊維としては、グラスファイ
バー、ロックファイバー、炭素繊維、金属繊維の他に、
各種有機繊維、無機繊維を用いることができる。
【0024】この強化用繊維の繊維長は、得られる成形
吸音材が十分な剛性を有し、かつ抄造成形時の成形性を
確保するという点から、5〜30mm、好ましくは10〜26mm
の範囲内とすることが望ましい。この理由は、繊維長が
5mmより短いと、十分な剛性が得られず、一方、繊維長
が30mmを超えると、抄造工程で強化用繊維が十分に開繊
せず、成形体の膨張性が低下すると共にその膨張が不均
一になり、成形時の賦形性も悪化するからである。な
お、膨張性と強度のバランスから異なる繊維長の繊維を
混合することも有効である。
【0025】この強化用繊維の繊維径は、吸音特性と繊
維による補強効果および膨張効果を確保するという点か
ら、7〜25μm、好ましくは11〜23μmの範囲内とする
ことが望ましい。この理由は、繊維径が5μmより小さ
いと、十分な膨張倍率が得られず、一方、繊維径が30μ
mを超えると、十分な吸音特性と剛性が得られないから
である。なお、異なる繊維径の繊維を混合すると、吸音
特性と繊維による補強効果および膨張効果を向上させる
上で有効である。
【0026】この強化用繊維は、必要によりカップリン
グ剤あるいは収束剤による処理が施される。とくに、強
化用繊維がグラスファイバーの場合には、バインダー成
分である熱可塑性樹脂との濡れ性や接着性を改良するた
めに、シランカップリング剤による処理が施される。こ
のシランカップリング剤としては、ビニルシラン系、ア
ミノシラン系、エポキシシラン系、メタクリルシラン
系、クロロシラン系、メルカプトシラン系のカップリン
グ剤を用いることが好ましい。このようなシランカップ
リング剤によるグラスファイバーの処理は、グラスファ
イバーを攪拌混合しながらシランカップリング剤溶液を
噴霧する方法や、カップリング剤溶液中にグラスファイ
バーを浸漬する方法などの既知の方法によって行うこと
ができる。
【0027】また、成形吸音材の剛性と膨張性を向上さ
せるために、強化用繊維は単繊維に開繊させることが望
ましい。そのため、上記強化用繊維は、水溶性の収束剤
による処理が施される。この収束剤としては、ポリエチ
レンオキシド系やポリビニルアルコール系などがある。
【0028】強化用繊維と熱可塑性樹脂の配合率につい
抄造後のウエブ(乾燥後)中に占める強化用繊維の配合
率(含有量)は、用いる強化用繊維と熱可塑性樹脂の比
重や他の原料の添加によっても異なるが、強化用繊維と
してグラスファイバーを用い熱可塑性樹脂としてポリプ
ロピレンを用いた場合、強化用繊維の配合率は、乾燥ウ
エブの総重量に対して50〜80wt%となるようにすること
が望ましい。この理由は、強化用繊維の配合率が50wt%
より少ないと、十分な剛性が期待できず、吸音性も不十
分であり、しかも膨張性が悪いために空隙率の高い多孔
質成形品が得られない。一方、強化用繊維の配合率が80
wt%を超えると、抄造後のウエブが脆くなってハンドリ
ング性が悪くなる他、膨張させた場合には、バインダー
成分としての熱可塑性樹脂が不足して、樹脂を強化用繊
維接合点に均一に含浸することが難しくなり、得られる
成形吸音材の剛性の低下を招くからである。
【0029】熱可塑性樹脂aについて 熱可塑性樹脂aは、多孔質基材中あるいはウエブ中に含
有する熱可塑性樹脂よりもメルトフローレイトの小さい
熱可塑性樹脂である。この熱可塑性樹脂aは、ウエブを
シート化する際に、多孔質基材の一方の面に含浸され、
その多孔質基材の表層部は、内層部よりも相対的に強化
用繊維量が少なくなって空隙率の小さい樹脂含浸層を形
成する。その結果、この樹脂含浸層の部分は、スプリン
グバック量が小さく、十分に膨張しなくなる。このた
め、熱可塑性樹脂aが含浸された多孔質基材の表層部
は、空隙の少ない構造となり、成形吸音材全体として剛
性が向上する。一方、多孔質基材の上記樹脂含浸層以外
の部分(成形吸音材の内層部)は、樹脂含浸層部に比べ
て強化用繊維の含有率が高いので、そのスプリングバッ
ク量は大きく、十分に膨張する。このため、多孔質基材
の上記樹脂含浸層以外の部分では、所期した吸音特性を
発揮し得る。所期した吸音特性を発揮し得るには、前記
樹脂含浸層以外の部分の比重を 0.3未満とすることが望
ましい。このように、多孔質基材の一方の面に、熱可塑
性樹脂aを含浸させることによって得られる空隙率の小
さい樹脂含浸層を有する構造とすることにより、得られ
る成形吸音材は、優れた吸音特性を維持しつつ、剛性に
優れたものとなる。
【0030】ここで重要なことは、熱可塑性樹脂aを含
浸させた成形吸音材の一方の外層部が、必ず通気性を有
することである。これは、吸音特性を維持させるために
不可欠だからである。当該外層部が通気性を有するため
には、熱可塑性樹脂aのメルトフローレイトが重要であ
り、本発明では、この熱可塑性樹脂aとして、多孔質基
材中あるいはウエブ中に含有する熱可塑性樹脂よりもメ
ルトフローレイトの小さい熱可塑性樹脂を採用するので
ある。この熱可塑性樹脂aは、より好ましくは、その樹
脂のメルトフローレイト(以下、単に「MFR」とい
う。)が多孔質基材中あるいはウエブ中に含有される熱
可塑性樹脂のMFRの1/30〜1/3であることが望ま
しい。この理由は、前記MFRの比が1/3より大きい
と、シート化する際に、樹脂がウエブの内層部にまで含
浸してしまい、後に行う膨張成形において膨張不足とな
るとともに、得られる成形吸音材の耐荷重性が向上しな
い。一方、前記MFRの比が1/30より小さいと、ウエ
ブ中への樹脂の含浸が困難となり、後に行う膨張成形に
おいて熱可塑性樹脂aの層が表層に完全に残留し、得ら
れる成形吸音材には通気の全くない樹脂層が形成される
結果、騒音がこの層で反射され、吸音特性が著しく低下
するからである。このように、熱可塑性樹脂aが多孔質
基材の内層部にまで含浸せずにその表層部に残留し、通
気のある状態になって、はじめて十分な吸音特性が得ら
れるのである。
【0031】この熱可塑性樹脂aを含浸させる際に用い
るフィルムの厚みは、要求される剛性や吸音率によって
異なるが、通常30〜300 μmとすることが望ましい。こ
の理由は、このフィルムの厚みが30μm未満では、吸音
材の強度が十分に向上せず、一方、300 μmを超える
と、膨張性と通気性が悪くなるからである。また、この
熱可塑性樹脂aとしては、例えば、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリアセタールなどの樹脂、なら
びにこれらの樹脂を主成分とする共重合体(例えば、エ
チレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等)やグラフト化合物、もしくはこれらの樹脂の
ブレンド品などが挙げられる。
【0032】熱可塑性樹脂bについて 熱可塑性樹脂bは、シート化するときのウエブの加熱温
度よりも融点または軟化点のいずれかが高い熱可塑性樹
脂である。この熱可塑性樹脂bは、上記条件を満足する
樹脂であれば、特に限定されず、例えば、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリアセタールなどの樹脂、ならびにこれ
らの樹脂を主成分とする共重合体(例えば、エチレン−
塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等)やグラフト化合物、もしくはこれらの樹脂のブレン
ド品などが挙げられる。ここで、このような熱可塑性樹
脂bのフィルムを多孔質基材あるいはウエブの他方の面
に積層接着する理由は、車内騒音に対して優れた吸音特
性を維持しつつ、自動車用天井材料に非通気性を付与す
るためであり、熱可塑性樹脂bの融点または軟化点のい
ずれかがシート化するときのウエブの加熱温度よりも低
いと、シート化あるいは膨張成形の時に熱可塑性樹脂b
の溶融粘度が低くなり、フィルム表面に亀裂が入り易
く、非通気性を確保できないからである。
【0033】この熱可塑性樹脂bのフィルムの厚みは、
要求される剛性や通気性によって異なるが、通常10〜10
0 μm、より好ましくは15〜60μmとすることが望まし
い。この理由は、このフィルムの厚みが10μm未満で
は、膨張成形時にフィルムが破れ易く、一方、 100μm
を超えると、吸音材が重くなり経済的にも不利だからで
ある。また、当該フィルムと多孔質基材中あるいはウエ
ブ中に含有する熱可塑性樹脂との接着性が良くない場合
には、当該フィルムに接着性樹脂(接着層)を1層以上
積層し、多層フィルム化してウエブに積層接着すること
ができる。
【0034】なお、本発明にかかる上記成形吸音材に
は、上述した各種成分の他に、酸化防止剤、耐光安定
剤、金属不活性化剤、難燃剤、カーボンブラックなどの
添加剤や着色剤等を含有させることができる。これらの
添加剤や着色剤は、例えば、粒状の熱可塑性樹脂に予め
配合やコーティングしたり、ウエブにスプレーなどで添
加することにより製品に含有させることができる。
【0035】次に、本発明にかかる成形吸音材を製造す
る方法について説明する。 (1) ウエブの作製(抄造法) 界面活性剤を含有する水溶液を予め泡立てた泡液中に、
強化用繊維と熱可塑性樹脂を主成分とする原料を分散さ
せる。次いで、得られた分散液を多孔性支持体上で吸
引、脱泡することにより、分散液中の固形分を堆積さ
せ、その堆積物を乾燥させることで不織布状の中間生成
物が得られる。この不織布状の中間生成物をウエブと称
する。このウエブの厚さは、通常1〜30mmである。
【0036】ここで、使用できる界面活性剤としては、
アニオン、ノニオン、カチオン系の何れでも良い。特
に、ドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、やし油脂
肪酸ジエタノールアミド等は、強化用繊維と熱可塑性樹
脂を主成分とする原料を均一に分散させることに優れて
いる点で有利に用いられる。
【0037】なお、泡を用いた抄造方法で製造したウエ
ブは、幅方向および厚み方向の原料の分散が均一で、か
つ強化用繊維がほとんど単繊維の状態にまで開繊してい
る。
【0038】(2) スタンパブルシートの作製 上記(1) の抄造工程で作製したウエブを、強化用繊維と
熱可塑性樹脂とが十分に含浸するように加熱、加圧し、
次いで加圧下で冷却固化することにより、緻密なシート
(スタンパブルシート)を作製する。
【0039】特に本発明では、このシート化工程で、ウ
エブの一方の面に、ウエブ中に含有する熱可塑性樹脂よ
りもメルトフローレイトの小さい熱可塑性樹脂aのフィ
ルムを積層し、ウエブの他方の面に、シート化するとき
のウエブの加熱温度よりも融点または軟化点のいずれか
が高い熱可塑性樹脂bのフィルムを積層し、シート化す
る点に特徴がある。これにより、熱可塑性樹脂aのフィ
ルムを積層したウエブの外層側は、熱可塑性樹脂aが含
浸して空隙が少なくかつ通気性を有する構造となり、こ
の外層側を除くウエブ部分は、微細な空隙構造を有する
空隙率の高い構造となり、熱可塑性樹脂bのフィルムを
積層接着した部分は、通気性のない構造となる、3層構
造の成形吸音材を得ることができる。
【0040】ここで、シート化するときのウエブの予熱
温度は、ウエブ中の熱可塑性樹脂の融点以上かつ分解温
度未満とすることが望ましい。特に、熱可塑性樹脂がポ
リプロピレンの場合には、前記予熱温度は 170〜230
℃、好ましくは 190〜220 ℃とすることが望ましい。こ
の理由は、 230℃を超えると、ポリプロピレンの熱分解
や劣化による着色や強度低下を招くからである。
【0041】また、シート化するときのウエブの加圧力
は、強化用繊維中に十分に熱可塑性樹脂を含浸させるた
めには、 0.5〜50kgf/cm2 の範囲内とするのが望まし
い。この理由は、加圧力が 0.5 kgf/cm2より小さいと、
含浸が不十分となって所期の剛性が得られない。一方、
加圧力が50kgf/cm2 を超えると、強化用繊維の破損を生
じて所期の剛性および膨張性が得られないからである。
【0042】なお、ウエブをシート化する方法として
は、通常のバッチ式の間欠プレス法、テフロンやスチー
ルベルトを用いた連続プレス法など、公知のあらゆる方
法を適用することができる。
【0043】このようにして得られたスタンパブルシー
トは、強化用繊維が単繊維に開繊した状態で積み重なっ
ている。このため、再び熱可塑性樹脂を溶融させると、
元のウエブの状態に戻ろうとする強化用繊維の剛性によ
り、ほぼウエブの厚さにまで厚みが回復する。この現象
は、抄造法で作製したスタンパブルシート特有のもので
あり、スプリングバックと称する。このスプリングバッ
クを起こす原動力は強化用繊維の剛性であるので、この
スプリングバックの大きさは強化用繊維の量や特性に依
存する。
【0044】(3) 成形吸音材料の製造(膨張成形) 上記(2) で作製したスタンパブルシートを、再び熱可塑
性樹脂を溶融させて、強化用繊維の上記スプリングバッ
ク力により膨張させ、金型内に供給して、空隙率がゼロ
の時の比重よりも小さくなるように圧縮、冷却固化する
こと(これを膨張成形と称する)により、本発明にかか
る成形吸音材を製造する。
【0045】ここで、スタンパブルシートを膨張させる
際の加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点以上かつ分解温度
未満とすることが望ましい。特に、熱可塑性樹脂がポリ
プロピレンの場合には、前記加熱温度は 170〜230 ℃、
好ましくは 190〜220 ℃とすることが望ましい。この理
由は、 230℃を超えると、ポリプロピレンの分解による
着色や強度低下を招くからである。また、上記膨張シー
トを圧縮成形する際の金型温度、あるいは冷却固化する
温度は、熱可塑性樹脂の凝固点以下であればよく、ハン
ドリング性や生産性の点から、通常、60℃以下とする。
さらに、膨張成形圧力は、製品形状により異なるが、通
常、50kgf/cm2 以下とする。この理由は、過剰の圧力は
強化用繊維を破断させるからである。
【0046】なお、本発明にかかる上記成形吸音材の製
造方法では、ウエブに熱と圧力をかけて強化用繊維中に
熱可塑性樹脂を含浸させる工程(スタンパブルシートの
作製工程)で、熱可塑性樹脂a,bのフィルム以外のフ
ィルムやシート、不織布等を同時に貼合したり、他材料
との複合化を行い、意匠性やその他の機能を付与するこ
とができる。
【0047】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。 (実施例1)本実施例で用いた強化用繊維と熱可塑性樹
脂は次のとおりである。 ・熱可塑性樹脂:ポリプロピレン粒子(MFR;20、平
均粒径; 500μm、融点; 160℃) ・強化用繊維:グラスファイバー(長さ;25mm、直径;
13μm)(アミノシラン系カップリング剤とポリエチレ
ンオキシド系収束剤で処理したもの) (1) 界面活性剤を含有する水溶液を予め泡立てた泡液中
に、それぞれ乾燥重量%で、ポリプロピレン粒子30%お
よびグラスファイバー70%からなる成分組成の原料を混
合し、総目付960 g/m2となるように、脱泡、乾燥してウ
エブを作製した。 (2) 前記(1) で作製したウエブの表面に、熱可塑性樹脂
aのフィルムとしてポリプロピレンフィルム( 200μm
厚み、MFR=2)を、裏面に、熱可塑性樹脂bのフィ
ルムとしてナイロン6フィルム(融点 233℃、25μm厚
み)とポリプロピレンフィルム(融点 160℃、40μm厚
み、MFR=8)の2層フィルムを、それぞれ積層し
た。このとき、熱可塑性樹脂bのフィルムは、ポリプロ
ピレンフィルムをウエブ側にして積層した。 (3) 前記(2) で得られた積層体を、210 ℃に加熱し、3
kgf/cm2 の圧力で加圧し、加熱および加圧された積層体
を25℃の冷却盤間に配置し、3kgf/cm2 の圧力でプレス
して固化し、緻密なスタンパブルシートを作製した。 (4) 前記(3) で作製したスタンパブルシートを、遠赤外
線ヒーターで210 ℃に加熱し、クリアランスを 4.2mmに
設定した平板の金型により圧縮、冷却し、良好な板状の
成形吸音材を製造した。このときの成形吸音材の厚みは
4.0mmであった。
【0048】このようにして得られた成形吸音材につい
て、その断面を顕微鏡で観察した結果、成形品の内部と
比較して表面付近に強化用繊維の含有率の低い、空隙率
の低い樹脂含浸層が存在することが分かった。また、得
られた成形吸音材の通気性を調べたところ、熱可塑性樹
脂aのフィルムを積層して含浸させた面は通気性があっ
たが、熱可塑性樹脂bのフィルムを貼合した面は通気性
がなかった。
【0049】(実施例2)ウエブの裏面に、熱可塑性樹
脂bのフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(融点 256℃、25μm厚み)とポリプロピレンフィ
ルム(融点 168℃、40μm厚み、MFR=8)の2層フ
ィルムを積層したこと以外は、実施例1と同様にして、
厚み 4.0mmの成形吸音材を製造した。
【0050】このようにして得られた成形吸音材につい
て、その断面を顕微鏡で観察した結果、成形品の内部と
比較して表面付近に強化用繊維の含有率の低い、空隙率
の低い樹脂含浸層が存在することが分かった。また、得
られた成形吸音材の通気性を調べたところ、熱可塑性樹
脂aのフィルムを積層して含浸させた面は通気性があっ
たが、熱可塑性樹脂bのフィルムを貼合した面は通気性
がなかった。
【0051】(比較例1) (1) 泡液中に、それぞれ乾燥重量%で、ポリプロピレン
粒子30%およびグラスファイバー70%からなる成分組成
の原料を混合し、総目付1140g/m2となるように脱泡、乾
燥してウエブを作製した。 (2) 前記(1) で作製したウエブの裏面に、熱可塑性樹脂
bのフィルムとしてナイロン6フィルム(融点 233℃、
25μm厚み)のみを積層した。 (3) 前記(2) で得られた積層体を、210 ℃に加熱し、3
kgf/cm2 の圧力で加圧し、加熱および加圧された積層体
を25℃の冷却盤間に配置し、3kgf/cm2 の圧力でプレス
して固化し、緻密なスタンパブルシートを作製した。 (4) 前記(3) で作製したスタンパブルシートを、遠赤外
線ヒーターで210 ℃に加熱し、クリアランスを 4.2mmに
設定した平板の金型により圧縮、冷却し、厚みが4.0mm
の板状の成形吸音材を製造した。
【0052】このようにして得られた成形吸音材につい
て、その断面を顕微鏡で観察した結果、熱可塑性樹脂b
のフィルムを積層した面は空隙のない層であったが、他
の部分は均一な空隙を有する構造になっていることが分
かった。また、得られた成形吸音材の通気性を調べたと
ころ、フィルムを積層しなかった面は通気性があった
が、熱可塑性樹脂bのフィルムを積層した面は通気性が
なかった。
【0053】(比較例2)ウエブの両面に、フィルムを
積層せずにスタンパブルシートを作製したこと以外は、
比較例1と同様にして、厚み 4.0mmの成形吸音材を製造
した。
【0054】このようにして得られた成形吸音材につい
て、その断面を顕微鏡で観察した結果、均一な空隙を有
する構造になっていることが分かった。また、得られた
成形吸音材の通気性を調べたところ、両面とも通気性が
あった。
【0055】以上説明したようにして製造した実施例
1,2と比較例1,2の成形吸音材から、50mm幅×120m
m 長さの試験片を切り出し、この試験片について、熱可
塑性樹脂aのフィルムを貼合した面(比較例について
は、フィルムを貼合していない面)からポンチを押す曲
げ試験(クロスヘッドスピード50mm/min 、スパン間距
離100mm)を行った。このときの弾性勾配は、スパン間
距離 100mmのときの荷重(kgf) とたわみ量(mm)の傾きで
ある。また、JIS A 1405に準じた垂直入射吸音率の測定
を行った。垂直入射吸音率が1.0 のとき、音は完全に吸
音される。その結果、曲げ特性の結果を表1に、吸音率
測定の結果を図2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】この表1および図2に示す結果から明らか
なように、本発明のような構造にすれば、成形吸音材
は、最大荷重および弾性勾配が高くなり、優れた強度特
性を示すと共に、500 〜2000Hzの広い周波数領域での吸
音特性が優れたものとなることがわかった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
い強度と剛性ならびに優れた吸音特性を兼ね備えた軽量
で通気性のない成形吸音材を提供することができる。こ
れにより、本発明にかかる成形吸音材は、剛性を必要と
する吸音材料、例えば自動車用天井材料やエンジンルー
ム、ダッシュパネルなどとして有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる成形吸音材の構造を示す部分
断面概略図である。
【図2】垂直入射吸音率と周波数の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂aが多孔質基材に含浸されてなる樹脂
含浸層 2 熱可塑性樹脂と強化用繊維を主成分とする多孔質基
材の層 3 熱可塑性樹脂bの層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長山 勝博 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 高野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 永島 之夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 吉武 裕幸 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川崎製鉄株式会社 内 (72)発明者 山村 陽茂 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 宇留治 泰 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 東郷 詳 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 荒木 豊 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 ケー プラシート株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−63112(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 G10K 11/16 B60R 13/00 - 13/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と強化用繊維を主成分とす
    スタンパブルシートを膨張成形して得られる微細な空
    隙構造を有する多孔質基材の一方の面、下記熱可塑性
    樹脂aを含浸させることによって得られる空隙率の小さ
    い樹脂含浸層にて構成され、その基材の他方の面には、
    下記熱可塑性樹脂bのフィルム積層されていることを
    特徴とする成形吸音材。 記 熱可塑性樹脂a:多孔質基材中の熱可塑性樹脂よりもメ
    ルトフローレイトの小さい熱可塑性樹脂 熱可塑性樹脂b:スタンパブルシートのシート化およ
    び膨張成形時の材料温度よりも融点または軟化点のいず
    れかが高い熱可塑性樹脂
  2. 【請求項2】 多孔質基材中の熱可塑性樹脂がポリプロ
    ピレンであることを特徴とする請求項1に記載の成形吸
    音材。
  3. 【請求項3】 強化用繊維がグラスファイバーであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の成形吸音材。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂aは、そのメルトフローレ
    イトが多孔質基材中の熱可塑性樹脂のメルトフローレイ
    トの1/30〜1/3であることを特徴とする請求項1に
    記載の成形吸音材。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂と強化用繊維からなる主原
    料を抄造して得られるウエブを加熱、加圧し、こうして
    得られるスタンパブルシートを再加熱して膨張させたの
    ち成形することにより、成形吸音材料を製造する方法に
    おいて、 ウエブを加熱、加圧してシート化する際に、ウエブの一
    方の面に、ウエブ中の熱可塑性樹脂よりもメルトフロー
    レイトの小さい熱可塑性樹脂aのフィルムを積層し、ウ
    エブの他方の面には、シート化するときのウエブの加熱
    温度よりも融点または軟化点のいずれかが高い熱可塑性
    樹脂bのフィルムを積層することを特徴とする成形吸音
    材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 ウエブ中の熱可塑性樹脂としてポリプロ
    ピレンを用いることを特徴とする請求項5に記載の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 ウエブ中の強化用繊維としてグラスファ
    イバーを用いることを特徴とする請求項5に記載の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂aとして、そのメルトフロ
    ーレイトがウエブ中に含有する熱可塑性樹脂のメルトフ
    ローレイトの1/30〜1/3である樹脂を用いることを
    特徴とする請求項5に記載の製造方法。
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