JP3214053B2 - コンバインにおける走行方向制御装置 - Google Patents

コンバインにおける走行方向制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンバインに関し、特に
その走行方向制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の走行方向制御装置では、
デバイダ(分草器)の先端近くに装着した一対のセンサ
が作物の株の有無を検出し、その検出結果に応じて油圧
シリンダでサイドクラッチを作動してコンバインの走行
方向を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の走行制御では、制御の応答性を上げるとオーバシュ
ートぎみとなりハンチングを起こし、その結果、機体が
左右に振られて作業者の乗り心地が悪いなどの問題があ
る。従って、従来の自動による走行方向制御は、熟練な
作業者による手動の方向制御に比べて劣るという問題が
あった。これは、作物を条方向と直交する方向に刈るい
わゆる横刈りの場合に、特に問題となっている。
【0004】そこで、本発明は、上記の問題を解消し、
熟練な作業者の手動による方向制御と同程度の走行制御
を自動的に行うことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、以下のように構成した。
【0006】すなわち、本発明は、走行方向調節手段に
より走行部の走行方向を調節自在なコンバインにおい
て、コンバインの走行速度を検出する走行速度センサ
と、未刈穀稈と接触すべき検出片を有する横刈り用方向
センサと、その横刈り用方向センサの出力が制御領域ま
たは非制御領域のいずれであるかを判定する判定手段
と、その判定手段が制御領域であると判定したときに、
前記横刈り用方向センサの出力と、前記走行速度センサ
の検出走行速度とから、未刈穀稈との距離を求める距離
算出手段と、その距離算出手段の算出距離から距離の変
化量を求める変化量算出手段と、前記距離算出手段の算
出距離と、前記変化量算出手段の算出距離の変化量とか
ら、ファジィ推論により前記走行方向調節手段の調節量
を決定する調節量決定手段と、その決定した調節量にな
るように前記走行方向調節手段を制御する走行方向制御
手段と、を備えてなる。
【0007】
【作用】このように構成する本発明では、判定手段が、
その横刈り用方向センサの出力が制御領域または非制御
領域のいずれであるかを判定する。距離算出手段は、判
定手段が制御領域であると判定したときに、横刈り用方
向センサの出力と、走行速度センサの検出走行速度とか
ら、未刈穀稈との距離を求める。変化量算出手段は、距
離算出手段の算出距離から距離の変化量を求める。そし
て、調節量決定手段は、距離算出手段の算出距離と、変
化量算出手段の算出距離の変化量とから、ファジィ推論
により走行方向調節手段の調節量を決定する。
【0008】このように決定される走行方向調節手段の
調節量は、未刈穀稈との距離のみならず、その距離の変
化量も考慮される。走行方向制御手段は、その決定した
調節量になるように走行方向調節手段を制御する。
【0009】従って、本発明では、横刈り用方向センサ
の出力が制御領域となって制御が必要なときに、走行方
向調節手段の調節量を、未刈穀稈との距離のみならず、
その距離の変化量(未刈穀稈に対する接近状態)も考慮
して決定し、走行方向の制御を自動的に行うようにした
ので、熟練な作業者の手動による方向制御と同程度の走
行制御を、自動的に行うことができる。
【0010】また、本発明では、横刈り用方向センサの
出力が非制御領域にあるときには走行方向の制御は行わ
ず、横刈り用方向センサの出力が制御領域となったとき
に、はじめて走行方向調節手段の調節量を決定して走行
方向の制御を行うようにしたので、ファジィ制御の安定
化が図れる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0012】図1は本発明実施例のセンサの配置構成を
示し、コンバインの分草器1Aには条刈りの際に走行方
向の制御に使用する一対の条刈り用方向センサ2,3を
装着する。また、分草器1Bおよびその分草器1Bの後
方には、横刈りの際に走行方向の制御に使用する一対の
横刈り用方向センサ4,5を装着する。条刈り用方向セ
ンサ2,3は、条刈りの際に未刈穀稈(作物)と接触し
てその有無を検出する旋回自在な検出片2A,3Aを有
する。横刈り用方向センサ4,5は、横刈りの際に未刈
穀稈と接触し、その有無を検出する旋回自在で長さが異
なる検出片4A,5Aをそれぞれ有する。さらに、穀稈
の有無を検出する穀稈センサ6,7を、所定の位置に配
置する。なお、図中において8は引き起こし装置、9は
掻き込み装置、10はカッタである。
【0013】次に、この実施例の動力伝達機構につい
て、図2を参照して説明する。
【0014】図2において、11はエンジンであり、こ
のエンジン11の出力軸12にはプーリ13,14,1
5をそれぞれ取り付ける。プーリ13は脱穀部16にベ
ルトを介して接続し、プーリ14は刈り取り部17にベ
ルトを介して接続する。また、プーリ15はベルトを介
して油圧式変速装置18の入力軸のプーリ19に接続す
る。油圧式変速装置18の出力側は、クラッチおよびブ
レーキからなる制動機構20R,20Lを介し、左右の
クローラ21R,21Lに接続する。なお、この制動機
構20R,20Lでは、ブレーキがいったん作動すれば
その制動力は変化しないが、これに代えて制動力が調整
可能な形式の制動機構でもよく、その形式は問わない。
【0015】制動機構20R,20Lには、これら制動
機構20R,20Lを個別に駆動する油圧シリンダ22
R,22Lをそれぞれ設ける。そして、制動機構20
R,20L、クローラ21R,21Lなどにより走行部
を構成する。クローラ21R,21Lの走行速度を検出
するために、フォトカプラなどからなる走行速度センサ
23を、上記の走行部の伝動機構の中間軸の端部および
その周囲に設ける。
【0016】次に、この実施例の制御系の一例につい
て、図3を参照して説明する。
【0017】図において、マイクロコンピュータ30は
CPUやメモリなどからなり、後述のように入力信号に
応じて各部を制御するものである。マイクロコンピュー
タ30の入力側には、入力インタフェース31を介し
て、上述の条刈り用方向センサ2,3、横刈り用方向セ
ンサ4,5、穀稈センサ6,7、および走行速度センサ
23をそれぞれ電気的に接続する。
【0018】さらに入力インタフェース31の入力側に
は、穀稈センサ41、エンジン回転センサ42、HST
ポジションセンサ43、刈取り脱穀センサ44を接続す
る。穀稈センサ41は、刈取り部と刈りかん搬送部との
接続部に配置し、穀稈の有無を検出するものである。エ
ンジン回転センサ42は、エンジンの回転の有無を検出
するものである。HSTポジションセンサ43は、HS
Tレバーの操作位置を検出するものである。刈取り脱穀
センサ44は、刈取り脱穀クラッチレバーの操作位置を
検出するものである。
【0019】マイクロコンピュータ30の出力側には、
出力インタフェース32を介して、上述の油圧シリンダ
22Rを駆動する右ソレノイド33、上述の油圧シリン
ダ22Lを駆動する左ソレノイド34、および後述のよ
うな表示をする表示器45などを電気的に接続する。
【0020】次に、このように構成する本発明実施例の
動作の一例について、以下に説明する。
【0021】いま、エンジン11が起動すると、その動
力が出力軸12、プーリ15,19を介して油圧式変速
装置18の入力軸に伝達される。次に、運転席の走行ク
ラッチレバー(図示せず)を接続位置にセットすると、
制動機構20R,20Lが接続状態になって、エンジン
11の動力がクローラ21R,21Lに伝達され走行を
開始する。次に、運転席の刈り取り脱穀クラッチレバー
(図示せず)を「刈取・脱穀」位置にセットすると、エ
ンジン11の動力は、脱穀部16、刈り取り部17に伝
達され刈り取り脱穀作業を開始する。
【0022】そして、本発明実施例では、このような走
行作業に併せて、コンバインが作物の刈残しが無く、刈
り幅一杯に刈り取り作業ができるように、作物に沿って
走行するための走行方向制御を、以下のようなファジィ
制御により行う。ここでは、図4のフローチャートを参
照して、横刈りに際しての走行方向制御について説明す
る。
【0023】まず、横刈り用方向センサ4,5の出力を
読み込み(S1)、その出力から横刈り用方向センサ
4,5が「ニュートラル域」か否か、すなわち横刈り用
方向センサ4,5の出力が「制御領域」または「非制御
領域」のいずれにあるかを判別する(S2)。
【0024】ここで、横刈り用方向センサ4の出力は、
検出片4Aが未刈穀稈に接触しているときには「ON」
となり、検出片4Aが未刈穀稈に接触していないときに
は「OFF」となる。横刈り用方向センサ5の出力につ
いても同様である。そこで、この実施例では、図5の
(A)で示すように、横刈り用方向センサ4の出力が
「OFF」で横刈り用方向センサ5の出力が「ON」の
ときには、「ニュートラル域」、すなわち「非制御領
域」と判別する。一方、図5の(B)で示すように、横
刈り用方向センサ4および横刈り用方向センサ5の出力
がいずれも「ON」、または図5の(C)で示すよう
に、横刈り用方向センサ4および横刈り用方向センサ5
の出力がいずれも「OFF」のときには、「非ニュート
ラル域」、すなわち「制御領域」と判別する。
【0025】ステップS2で判別の結果、「非ニュート
ラル域」にあって制御が必要なときには、横刈り用方向
センサ4または横刈り用方向センサ5の出力が「ON」
状態で走行した距離と、走行速度センサ23の検出走行
速度Vとから、以下のように未刈穀稈との距離を算出す
るとともに、現在の算出距離と前回の算出距離との差か
ら未刈穀稈との距離の変化量ΔLを算出する。
【0026】すなわち、横刈り用方向センサ4または横
刈り用方向センサ5は、刈り取り作業中に未刈穀稈に検
出片4Aまたは5Aが接触して「ON」する。そして、
このオン時間は、走行速度が同じ条件の下では、横刈り
用方向センサ4または5本体と未刈穀稈との距離Lに対
応する(図5の(B)参照)。すなわち、オン時間が短
ければ距離Lは長く、オン時間が長ければ距離Lは短く
なる。しかし、オン時間が同一でも走行速度Vにより距
離Lが異なるので、オン時間と走行速度Vから距離Lを
求める。そこで、横刈り用方向センサ4、または横刈り
用方向センサ5のオン時間およびそのときの走行速度V
に基づいて未刈穀稈との距離Lを算出し(S3)、現在
の算出距離と前回の算出距離との差からその距離の変化
量ΔLを算出する(S4)。
【0027】次に、その算出した未刈穀稈群の距離L、
およびその距離の変化量ΔLから、ファジィ制御規則に
より、左右のソレノイド33、34の作動時間、すなわ
ち左右のクローラ21R,21Lの制動時間Mを決定す
る(S5)。そして、その決定した制動時間Mだけ、右
ソレノイド33または左ソレノイド34を作動する信号
を出力する(S6)。
【0028】このようなファジィ制御の実施にあたり、
図6の表で示すようなファジィ制御規則を採用し、上記
からも明らかなように、その前件部は未刈穀稈との距離
L、およびその距離の変化量ΔLにするとともに、その
後件部は左右のクローラ21R,21Lの制動時間Mと
する。図において、縦の列は未刈穀稈との距離Lの値、
横の行は距離の変化量ΔLの値、表の中は左右のクロー
ラ21R,21Lの制動時間Mに対応した値を示す。
【0029】ここで、未刈穀稈との距離Lのラベルは、 NB:短い NS:やや短い ZO:普通 PS:やや長い PB:長い を意味する。
【0030】また、距離の変化量ΔLのラベルは、 NB:近付いている NS:ゆっくり近付いている ZO:変化なし PS:ゆっくり遠ざかっている PB:遠ざかっている を意味する。
【0031】また、左右のクローラ21R,21Lの制
動時間Mのレベルは、 NB:左に長く出力 NS:左に短く出力 ZO:出力なし PS:右に短く出力 PB:右に長く出力 を意味する。
【0032】図6で示す制御規則は、次の形で表される
もので、たとえば「もし未刈穀稈との距離LがNB(短
い)で、距離の変化量ΔLがNB(近付いている)なら
ば、左右のクローラ21R,21Lの制動時間MをPS
(右に短く出力)にしなさい。」のようになる。
【0033】なお、図5の(C)で示すように、横刈り
用センサ4,5の出力がいずれ「OFF」のときには、
未刈穀稈との距離L、およびその距離の変化量ΔLは求
まらないので、図6のファジィ制御規則において、未刈
穀稈との距離Lは大きなある一定値と考えて「PB」と
し、距離の変化量ΔLはないものと考えて「ZO」と
し、左右のクローラ21R,21Lの制動時間Mを「N
S」とする。
【0034】そして、未刈穀稈との距離Lのメンバーシ
ップ関数を図7(A)、その距離の変化量ΔLのメンバ
ーシップ関数を図7(B)、左右のクローラ21R,2
1Lの制動時間Mのメンバーシップ関数を図7(C)、
にそれぞれ示す。
【0035】次に、左右のクローラ21R,21Lの制
動時間Mを求める過程ではファジィ推論法を用いる。す
なわち、いま未刈穀稈群との距離Lと、距離の変化量Δ
Lととの現在の状態値が属する制御規則を考え、それを
図6の規則から選択すると、例えば以下のようになる。
【0036】{R1:未刈穀稈との距離LがNB(短
い)で、その距離の変化量ΔLがZO(変化なし)なら
ば、左右のクローラの制動時間MはPB(右に長く出
力)である。} {R2:未刈穀稈との距離LがNB(短い)で、その距
離の変化量ΔLがPS(ゆっくり遠ざかっている)なら
ば、左右のクローラの制動時間MはPB(右に長く出
力)である。} {R3:未刈穀稈との距離LがNS(やや短い)で、そ
の距離の変化量ΔLがZO(変化なし)ならば、左右の
クローラの制動時間MはPS(右に短く出力)であ
る。} {R4:未刈穀稈との距離LがNS(やや短い)で、そ
の距離の変化量ΔLがPS(ゆっくり遠ざかっている)
ならば、左右のクローラの制動時間MはPS(右に長く
出力)である。} これら制御規則R1〜R4のメンバーシップ関数を図8
に示し、これら制御規則の成立する度合いを図で評価す
る。
【0037】そこで、いま現在の未刈穀稈との距離Lの
値が図8(A)で示すようにL1、距離の変化量ΔLの
値が図8(B)で示すようにΔL1とすると、制御規則
R1が未刈穀稈との距離Lの値L1、および距離の変化
量ΔLの値ΔL1を満たす度合いは0.3と0.2であ
り、0.2を制則R1における適合度として図8(C)
に示すような推論結果が得られる。
【0038】制御規則R2が未刈穀稈との距離Lの値L
1および距離の変化量ΔLの値ΔL1を満たす度合いは
0.3と0.8であり、0.3を制則R2における適合
度として図8(C)に示すような推論結果が得られる。
制御規則R3が未刈穀稈との距離Lの値L1および距離
の変化量ΔLの値ΔL1を満たす度合いは0.6と0.
2であり、0.2を制則R3における適合度として図8
(C)に示すような推論結果が得られる。制御規則R4
が未刈穀稈との距離Lの値L1および距離の変化量ΔL
の値ΔL1を満たす度合いは0.6と0.8であり、
0.6を制則R4における適合度として図8(C)に示
すような推論結果が得られる。
【0039】そして、これら4つの推論結果を総合し、
こうして得られた制動時間Mのメンバーシップ関数の集
合から重心位置を求め、これを最終的な制動時間とす
る。
【0040】このような演算は、上述のようにマイクロ
コンピュータ30で行い、演算された制動時間に応じて
左ソレノイド34または右ソレノイド33が算出された
制動時間だけ励磁される。その結果、油圧シリンダ22
Rまたは油圧シリンダ22Lの駆動により制動機構20
Rまたは制動機構20Lが作動し、左右のクローラ21
R,21Lのいずれか一方が制動時間だけ制動され、方
向制御される。
【0041】以上のように、本発明実施例では、横刈り
用方向センサ4および横刈り用方向センサ5の出力がい
ずれも「ON」、または横刈り用方向センサ4および横
刈り用方向センサ5の出力がいずれも「OFF」であっ
て方向制御が必要なときに、左右のクローラの制動時間
Mの調節量を、未刈穀稈との距離Lのみならず、その変
化量ΔLも考慮して決定し、走行方向の制御を自動的に
行うようにしたので、熟練な作業者の手動による方向制
御と同程度の走行制御を、自動的に行うことができる。
【0042】また、本実施例では、横刈り用方向センサ
4,5の出力が「ニュートラル域」にあるときには走行
方向の制御は行わず、横刈り用方向センサ4,5の出力
が「非ニュートラル域」になったときに、はじめて左右
のクローラの制動時間Mの調節量を決定して走行方向の
制御を行うようにしたので、いわゆるファジィ制御の安
定化が図れる。
【0043】次に、本発明実施例に関連する装置とし
て、以下に3種類の制御異常検出装置について説明す
る。
【0044】まず第1の制御異常検出装置は、上記で説
明したような方向制御を行うコンバインにおいて、穀稈
センサ6,7,41、条刈り用方向センサ2,3、横刈
り用方向センサ4,5、走行速度センサ23の異常を検
出し、これらの異常を検出した場合に、方向制御の異常
を表示器45に表示して制御を停止するものである(図
3参照)。
【0045】次に、これらの異常検出の制御の一例につ
いて、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0046】まず、穀稈センサ6,7,41の異常をチ
ェックする(S11)。穀稈センサ6,7は、刈取り脱
穀センサ44の検出が「刈取り脱穀」位置で、走行速度
センサ23からの入力があり、穀稈センサ41が「O
N」のときに、穀稈センサ6,7が「OFF」ならば、
異常とする。また、穀稈センサ41は、刈取り脱穀セン
サ44の検出が「刈取り脱穀」位置で、走行速度センサ
23からの入力があり、穀稈センサ6,7が「ON」し
てから一定距離進行後も穀稈センサ41が「OFF」な
らば、異常とする。
【0047】その結果、穀稈センサ6,7,41のいず
れかに異常があるときには(S12)、表示器45に方
向制御が異常であることを表示して作業者に知らせる
(S17)。一方、穀稈センサ6,7,41のいずれに
も異常がないときには、条刈り用方向センサ2,3、横
刈り用方向センサ4,5の異常をチェックする(S1
3)。これら各センサ2,3,4,5は、刈取り脱穀セ
ンサ44の検出が「刈取り脱穀」位置で、一定時間以上
に亘って連続的に「ON」の場合に、異常とする。ま
た、これら各センサ2,3,4,5は、刈取り脱穀セン
サ44の検出が「刈取り脱穀」位置で、穀稈センサ6,
7が「ON」のときに、一定距離進行しても「ON」し
ない場合に、異常とする。
【0048】その結果、センサ2,3,4,5のいずれ
かに異常があるときには(S14)、表示器45に方向
制御が異常であることを表示する(S17)。一方、セ
ンサ2,3,4,5のいずれにも異常がないときには、
走行速度センサ23の異常をチェックする(S15)。
走行速度センサ23は、刈取り脱穀センサ44の検出が
「刈取り脱穀」位置で、HSTポジションセンサ43の
検出が「前/後進」で、エンジン回転センサ42の検出
が「回転中」のときに、走行速度検出用のパルス入力が
ないときに、異常とする。その結果、走行速度センサが
異常なときには(S16)、表示器45に方向制御が異
常であることを表示する(S17)。
【0049】このように、第1の制御異常検出装置によ
れば、方向制御系に何等かの異常が生じたときには、そ
の旨を作業者が知ることができるので、手動操作に切り
替えて作業をそのまま続行できて便宜である。
【0050】次に、第2の制御異常検出装置は、対機体
高さまたは対地高さを検出して刈高さ制御を行うコンバ
インにおいて、後述のように穀稈センサ、走行速度セン
サ、ポジションセンサ,超音波センサ,手動レバーの異
常を検出し、これらの異常を検出した場合に、刈高さ制
御の異常を表示器に表示して制御を停止するものであ
る。
【0051】この第2の制御異常検出装置のブロック図
を図10に示す。この装置では、図示のように、マイク
ロコンピュータ30に、入力インタフェース31を介し
て上記のような穀稈センサ6,7,41、走行速度セン
サ23、エンジン回転センサ42、HSTポジションセ
ンサ43、刈取り脱穀センサ44の他に、ポジションセ
ンサ51、超音波センサ52、手動レバー53を接続す
る。ポジションセンサ51は、刈取り部の昇降位置を検
出するものである。超音波センサ52は、刈取り部の地
面に対する高さを検出するものである。手動レバー53
は、刈取り部を手動で上下する操作スイッチである。
【0052】また、マイクロコンピュータ30の出力側
には、出力インタフェース32を介して、刈取り部を上
昇するための上ソレノド54、刈取り部を下降するため
の下ソレノイド55、および表示器45などを接続す
る。
【0053】次に、このような構成の第2の制御異常検
出装置の動作の一例について、図11のフローチャート
を参照して説明する。
【0054】まず、穀稈センサ6,7,41の異常をチ
ェックする(S21)。穀稈センサ6,7は、刈取り脱
穀センサ44の検出が「刈取り脱穀」位置で、走行速度
センサ23からの入力があり、穀稈センサ41が「O
N」のときに、穀稈センサ6,7が「OFF」ならば、
異常とする。また、穀稈センサ41は、刈取り脱穀セン
サ44の検出が「刈取り脱穀」位置で、走行速度センサ
23からの入力があり、穀稈センサ6,7が「ON」し
てから一定距離進行後も穀稈センサ41が「OFF」な
らば、異常とする。
【0055】その結果、センサ6,7,41のいずれか
に異常があるときには(S22)、表示器45に刈高さ
制御が異常であることを表示する(S32)。一方、セ
ンサ6,7,41のいずれにも異常がないときには、ポ
ジションセンサ51およびシステムの異常をチェックす
る(S23)。このチェックは、一定時間に亘って上下
ソレノイド54,55を駆動して刈取り部の上下出力を
行っても、ポジションセンサ51の検出値が変化しない
ときに、異常とする。
【0056】そして、異常の時にはステップS32に進
む一方(S24)、異常でないときには手動レバー53
の異常をチェックする(S25)。このチェックは、コ
ンバインが自動出力中でないとき、ポジションセンサ5
1の検出値が変化しても、手動レバー53から信号が入
力されない場合に、手動レバー53を異常とする。
【0057】その結果、異常の時にはステップS32に
進む一方(S26)、異常でないときには走行速度セン
サ23の異常をチェックする(S27)。このチェック
は、刈取り脱穀センサ44の検出が「刈取り脱穀」位置
で、HSTポジションセンサ43の検出値が「前/前
進」で、エンジン回転センサ42の検出が「回転中」の
ときに、走行速度検出用のパルス入力がないときに、異
常とする。
【0058】そして、異常の時にはステップS32に進
む一方(S28)、異常でないときには超音波スイッチ
が「ON」であることを条件に(S29)、超音波セン
サ52の異常をチェックする(S30)。このチェック
は、刈取り脱穀センサ44の検出が「刈取り脱穀」位置
で、超音波スイッチが「ON」で、ポジションセンサ5
1の検出値が一定値よりも小さく、超音波センサ52が
検出できないときに、異常とする。その結果、異常があ
るときには(S31)、表示器45に刈高さ制御が異常
であることを表示する(S32)。
【0059】このように、第2の制御異常検出装置によ
れば、刈高さ制御系に何等かの異常が生じたときには、
その旨を作業者が知ることができるので、手動操作に切
り替えて作業をそのまま続行できて便宜である。
【0060】次に、第3の制御異常検出装置は、刈りか
んの穂先が扱ぎ室に入る深さを検出して扱ぎ深さ制御を
行うコンバインにおいて、後述のように穀稈センサ、穂
先センサ、走行速度センサの異常を検出し、これらの異
常を検出した場合に、扱ぎ深さ制御の異常を表示器に表
示して制御を停止するものである。
【0061】この第3の制御異常検出装置のブロック図
を図12に示す。この装置では、図示のように、マイク
ロコンピュータ30に、入力インタフェース31を介し
て上記のような穀稈センサ6,7,41、走行速度セン
サ23、エンジン回転センサ42、HSTポジションセ
ンサ43、刈取り脱穀センサ44の他に、穂先センサ6
1、穂先センサ62を接続する。穂先センサ61,62
は、刈りかんの穂先が扱ぎ室に入る深さを検出するもの
である。
【0062】また、マイクロコンピュータ30の出力側
には、出力インタフェース32を介して、扱ぎ深さ調節
チェーンを前後に調節するための深リレー63、浅リレ
ー64、および表示器45を接続する。
【0063】次に、このような構成の第3の制御異常検
出装置の動作の一例について、図13のフローチャート
を参照して説明する。
【0064】まず、穀稈センサ6,7,41の異常をチ
ェックする(S41)。穀稈センサ6,7は、刈取り脱
穀センサ44の検出が「刈取り脱穀」位置で、走行速度
センサ23からの入力があり、穀稈センサ41が「O
N」のときに、穀稈センサ6,7が「OFF」ならば、
異常とする。また、穀稈センサ41は、刈取り脱穀セン
サ44の検出が「刈取り脱穀」位置で、走行速度センサ
23からの入力があり、穀稈センサ6,7が「ON」し
てから一定距離進行後も穀稈センサ41が「OFF」な
らば、異常とする。
【0065】その結果、センサ6,7,41のいずれか
に異常があるときには(S42)、表示器45に扱ぎ深
さ制御が異常であることを表示する(S47)。一方、
センサ6,7,41のいずれにも異常がないときには、
穂先センサ61,62およびシステムの異常をチェック
する(S43)。このチェックは、刈取り脱穀センサ4
4の検出が「刈取り脱穀」位置で、走行速度センサ23
からの入力があり、穀稈センサ41が「ON」のとき、
一定時間以上に亘って「深出力」をしても、穂先センサ
61または穂先センサ62が「ON」しないときに、異
常とする。さらに、刈取り脱穀センサ44の検出が「刈
取り脱穀」位置で、走行速度センサ23からの入力があ
り、穀稈センサ41が「ON」のとき、一定時間以上に
亘って「浅出力」をしても、穂先センサ61または穂先
センサ62が「OFF」しないときに、異常とする。
【0066】その結果、異常があるときには(S4
4)、表示器45に扱ぎ深さ制御が異常であることを表
示し(S47)、異常がないときには、走行速度センサ
23の異常をチェックする(S45)。このチェック
は、刈取り脱穀センサ44の検出が「刈取り脱穀」位置
で、HSTポジションセンサ43の検出が「前/前進」
で、エンジン回転センサ42の検出が「回転中」で、走
行速度検出用のパルス入力がないときに、異常とする。
その結果、異常があるときには(S46)、表示器45
に刈高さ制御が異常であることを表示する(S47)。
【0067】このように、第3の制御異常検出装置によ
れば、扱ぎ深さ制御系に何等かの異常が生じたときに
は、その旨を作業者が知ることができるので、手動操作
に切り替えて作業をそのまま続行できて便宜である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、横刈り
用方向センサの出力が制御領域となって制御が必要なと
きに、走行方向調節手段の調節量を、未刈穀稈との距離
のみならず、その距離の変化量も考慮して決定し、走行
方向の制御を自動的に行うようにしたので、熟練な作業
者の手動による方向制御と同程度の走行制御を、自動的
に行うことができる。
【0069】また、本発明では、横刈り用方向センサの
出力が非制御領域にあるときには走行方向の制御は行わ
ず、横刈り用方向センサの出力が制御領域となったとき
に、はじめて走行方向調節手段の調節量を決定して走行
方向の制御を行うようにしたので、ファジィ制御の安定
化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のセンサの配置構成を示す図であ
る。
【図2】本発明実施例の動力伝達系の構成を示す図であ
る。
【図3】本発明実施例の制御系の一例を示すブロック図
である。
【図4】本発明実施例の動作の一例を示すフローチャー
トである。
【図5】横刈り用方向センサの動作を説明する図であ
る。
【図6】本発明実施例に適用したファジィ制御規則の一
例を示す図である。
【図7】(A)は未刈穀稈との距離Lのメンバーシップ
関数を示す図、(B)はその距離の変化量ΔLのメンバ
ーシップ関数を示す図、(C)は左右のクローラの制動
時間のメンバーシップ関数を示す図である。
【図8】制御規則からファジィ推論の一例を説明する説
明図である。
【図9】方向制御における異常検出の動作の一例を示す
フローチャートである。
【図10】刈高さ制御の異常検出装置の一例を示すブロ
ック図である。
【図11】その装置の動作の一例を示すフローチャート
である。
【図12】扱ぎ深さ制御の異常検出装置の一例を示すブ
ロック図である。
【図13】その装置の動作の一例を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
2,3 条刈り用方向センサ 4,5 横刈り用方向センサ 11 エンジン 20R,20L 制動機構 21R,21L クローラ 22R,22L 油圧シリンダ 23 走行速度センサ 30 マイクロコンピュータ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行方向調節手段により走行部の走行方
    向を調節自在なコンバインにおいて、 コンバインの走行速度を検出する走行速度センサと、 未刈穀稈と接触すべき検出片を有する横刈り用方向セン
    サと、 その横刈り用方向センサの出力が制御領域または非制御
    領域のいずれであるかを判定する判定手段と、 その判定手段が制御領域であると判定したときに、前記
    横刈り用方向センサの出力と、前記走行速度センサの検
    出走行速度とから、未刈穀稈との距離を求める距離算出
    手段と、 その距離算出手段の算出距離から距離の変化量を求める
    変化量算出手段と、 前記距離算出手段の算出距離と、前記変化量算出手段の
    算出距離の変化量とから、ファジィ推論により前記走行
    方向調節手段の調節量を決定する調節量決定手段と、 その決定した調節量になるように前記走行方向調節手段
    を制御する走行方向制御手段と、 を備えてなる走行方向制御装置。
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