JP3213945B2 - ノックセンサ - Google Patents

ノックセンサ

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JP3213945B2
JP3213945B2 JP50574795A JP50574795A JP3213945B2 JP 3213945 B2 JP3213945 B2 JP 3213945B2 JP 50574795 A JP50574795 A JP 50574795A JP 50574795 A JP50574795 A JP 50574795A JP 3213945 B2 JP3213945 B2 JP 3213945B2
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正人 今井
健次 金丸
典雄 北尾
伸康 後藤
直仁 水野
孝一 釜洞
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Denso Corp
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    • G01L23/221Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid for detecting or indicating knocks in internal-combustion engines; Units comprising pressure-sensitive members combined with ignitors for firing internal-combustion engines for detecting or indicating knocks in internal combustion engines
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    • G01H11/06Measuring mechanical vibrations or ultrasonic, sonic or infrasonic waves by detecting changes in electric or magnetic properties by electric means
    • G01H11/08Measuring mechanical vibrations or ultrasonic, sonic or infrasonic waves by detecting changes in electric or magnetic properties by electric means using piezoelectric devices

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、車両等のエンジンのノッキング現象による
異常振動を検出するノックセンサに関する。
背景技術 従来、車両等のエンジンのノッキング現象をエンジン
に装着したノックセンサがこれを感知し、これをエンジ
ンコントロールユニット(Engine Controll Unit;EC
U)に伝達し、ECUがエンジンのシリンダー内の着火プラ
グの着火タイミングをコントロールすることで、ノッキ
ング現象を制御し、エンジンのトルク向上、燃費向上を
図るノックセンサを利用したノックコントロールシステ
ムが知られている。このノックセンサはエンジン内で発
生するノッキング現象特有の振動を感知するもので、そ
の振動検出部は従来、セラミックからなる圧電素子が使
われている。
このノックセンサのノック振動の検出方法としては、
大きく分けると2種類あり、一つは、特開昭62−96823
号公報、特開昭59−164921号公報、あるいは実開昭62−
128332号公報に記載されているように、圧電素子をノッ
キング周波数に合わせて共振させ、その共振による出力
をノック信号として検出する共振タイプと、もう一つ
は、実開昭57−99133号公報に記載されているように、
圧電素子の出力する出力信号が共振の影響を受けないフ
ラットな領域にてノック信号を検出するフラットタイプ
である。前者は、ノック振動に共振させるようにしてい
るため、S/Nのよい出力が得られるが、その反面、唯一
のノック振動しか検出することができず、気筒数の多い
エンジンの場合には、一箇所にて全気筒のノック振動を
検出することが不可能であり、複数のノックセンサが必
要となるという問題がある。一方、後者は、様々な周波
数のノック振動を検出することができるが、素子自体の
共振周波数の影響以外にも、他の部品の振動が振動検出
領域に影響を及ぼす可能性があり、ノックセンサ自体の
設計自由度が狭いといった問題がある。
これらノックセンサの構造としては、エンジンに直接
取り付けられるようにネジ状の突起部を有する金属のハ
ウジング(あるいはそれに代用される強固な材料からな
るハウジング)と、外部とのコネクタ接続が可能な樹脂
成形されたコネクタとにより形成される空間内に、振動
検出部となる圧電素子を配設する構造が一般的である。
そして、圧電素子の取り付けには、ハウジング側にネ
ジ等により強固に固定されるタイプと、コネクタ側にそ
の固定台座となる金属製のステム(あるいはそれに代用
される強固な固定台座)に固定された状態にて固定され
るタイプの2種類がある。また、後者にはその類似タイ
プとして、ステムに固定され、コネクタ側に直接固定さ
れることはないが、かしめにより固定されるタイプや、
ステムとハウジングとの接点を接着あるいは溶接等によ
り接続するタイプがある。すなわち、後者はステムに固
定され、ステムとハウジングとで形成される空間内に配
置されるタイプといえる。
圧電素子をハウジング側に固定する場合は、ハウジン
グ自体が金属であるため共振周波数が高く、エンジン振
動によりハウジング自体が共振してしまうことはなく、
その影響が圧電素子に及ぶことはない。しかしながら、
圧電素子からコネクタ端子までの電気的接続を例えばリ
ード線により行う必要があり、ハウジングに圧電素子を
固定し、リード線を接続してコネクタとハウジングとを
かしめ等により固定しなければならず、製造工程が困難
という問題がある。
一方、コネクタ側に固定する場合は、圧電素子からコ
ネクタ端子までの電気的接続をコネクタ側にて行うこと
ができるため、圧電素子をコネクタに固定したものをハ
ウジングにかしめ等により固定すればよく、その製造工
程が容易となる反面、コネクタは一般的に樹脂であるた
め共振周波数が低く、何もなしに圧電素子をコネクタに
接続する場合はコネクタの共振が圧電素子に減衰される
ことなく伝わってしまい、信号検出に影響を及ぼしてし
まうという問題があり、これを防止するために金属製
(あるいはヤング率が金属程度以上に強固な物質)のス
テムに搭載しコネクタの振動伝達を阻止するようにしな
ければならない。
この場合、圧電素子が共振タイプのものでは検出信号
は圧電素子の共振出力であるため、コネクタ等の共振に
よる出力が圧電素子の共振によるものよりもある程度小
さければ影響はないが、圧電素子がフラットタイプのも
のではその周波数がフラットな領域であった場合には、
大きくS/Nを低下させることがあるため、ステムの厚さ
を厚くすることで確実にコネクタからの振動を阻止する
ようにしなければならない。このことは、ステムとハウ
ジングとの接点を接着あるいは溶接等により接続するタ
イプのものにも同じことが言える。すなわち、部分的な
溶接等ではコネクタ振動の共振の影響を抑えることは十
分に行えないのである。
そして、この問題は圧電素子自体の重さに最も影響を
受け、同じステム厚の場合、その重さが重くなるとステ
ムの共振周波数が低下し、その影響がより一層大きく現
れるようになる。そのため、圧電素子の重さを低下させ
る必要があるが、そうすると感度が低下するという問題
が発生する。従って、感度を維持しつつ、共振周波数の
低下の影響を受けないようにするためには、フラットな
特性となる検出周波数領域が最大10kHz程度となってし
まい、高周波領域まで検出できないという問題がある。
そこで、本案はこの問題点に鑑み、複数のノック信号
を検出することが可能なフラットタイプの振動検出部を
有し、かつ固定台座に固定されるとともに、固定台座と
ハウジングとで形成される空間内に振動検出部が配設さ
れるノックセンサであって、製造工程が容易かつ必要感
度を低下させることなく高周波領域まで検出可能なノッ
クセンサを提供することを目的とするものである。
本願発明者らは、まず、振動検出部について検証し
た。本願発明者らが検討した結果、ノック信号の検出領
域を最大15kHz程度とした場合、この検出領域にあまり
影響しないステム(金属板)の共振周波数は最低40kHz
程度になることが分かり、共振周波数が40kHzとなるス
テム厚を調べたところ、図20に示すように、およそ2.7m
m必要なことがわかった。これは図22に示されるモデル
によりシミュレーションを行ったものであり、このステ
ム30はその直径を19mmとし、振動検出部およびその他の
回路を合わせた領域を荷重領域31とし、荷重領域31が搭
載される面の直径を16.5mmとしている。また、このステ
ム30は段差を有しており、その段差面には図示されない
ハウジングに溶接される溶接部Mが形成されているとい
った実際のステム形状に近いものとした。この図からも
わかるように直径を変えずにステム厚Dを変化させると
ステムの共振周波数が上昇することがわかる。これは、
溶接部Mが固定されたものにおいて、板状よりも立方体
状の方が振動しにくいイメージがあること考えれば理解
できよう。
また、図21にステム厚を2.8mmと3.5mmとした場合にお
いて、これらステムに搭載される荷重を変化させた場合
のステムの共振周波数の変化を示した。図21は、荷重領
域31を0.1gから4.6gまで変化させた場合のデータであ
る。この図から、ステムに荷重を加えた場合には、共振
周波数が低下することがわかる。従って、荷重を加えた
場合にも共振周波数を40kHz程度に保つためには、厚く
する必要があり、例えば荷重を4.6gとした場合に、ステ
ムの共振周波数を40kHzにするためには、図21におい
て、ステム厚が2.8mmのときにその共振周波数は20kHzで
あり、従って、共振周波数をその倍にする必要がある。
そして、図20において共振周波数とステム厚とがリニア
な関係にあるとすれば、ステム厚は4.4mm必要となる。
実際には圧電素子の重さは20g程度であり、この圧電
素子を搭載するステムの共振周波数を40kHzとするため
には、仮にステム厚が2.8mmのとき、荷重を20gとした場
合に、共振周波数が10kHzになるとすれば、ステム厚は
少なく見積もっても3mmは厚くした5.8mm程度にしなけれ
ばならない。
従って、ノックセンサとして大型になるばかりでな
く、ステムにコネクタ端子に接続するピンを通すための
貫通孔を打ち抜きあるいは切削にて開けようとする場
合、その打ち抜きピンあるいは切削ドリルの強度を考慮
すると、その径をステム厚と同程度にする必要があり、
ステム上にかなり大きな貫通孔を形成する必要がある。
上記のステムの場合、荷重を加えられた面に圧電素子等
の振動検出部が搭載されるとすれば、径16.5mmの面上に
5.8mmの貫通孔を形成する必要があり、素子の搭載領域
が狭まってしまう。従って、圧電素子以外の信号処理回
路を搭載しようとすると、ステムの径を大きくしなけれ
ばならなくなる。しかしながら、ステムの径を大きくす
ることは、同じ厚さであっても共振周波数が低下を意味
しており、共振周波数を同じ値に維持するために、さら
にステム厚を厚くしなければならない。そうなると上述
したように、ステム厚に比例して貫通孔の大きさも大き
くしなくてはならないというように、悪循環を繰り返
し、設計値がでないといった不具合が生じる。従って、
圧電素子をその振動検出部に用いた場合には、最大検出
周波数をせいぜい10kHzにすることが限界なのである。
また、仮に大きな貫通孔で設計したとしたとしても、そ
れを形成するための装置が必要となるなど工程が複雑に
なる。
従って、高周波まで検出可能とするためには、圧電素
子よりも軽いものを使用する必要がある。図21に示すよ
うに、ステム厚を3.5mm程度でも、ステムの共振周波数
を40kHzに設定可能な荷重はおよそ1gである。ステム厚
が3.5mm程度であれば、貫通孔の形成も大きく変えるこ
となく形成が可能となる。
また、固定台座が金属ステムでなくても、結局、固定
台座の共振周波数が低下してしまい、振動検出に影響を
及ぼすことにに違いはない。
そこで、本願発明者らは、振動検出部を1g以下にでき
るものとして、エアバッグ等に使用される半導体基板に
形成される半導体加速度センサに着目した。これは例え
ば半導体シリコン基板にエッチング等により錘部とこの
錘を支える梁部と梁部が固定される枠部とから構成さ
れ、錘部が外部の振動により振動し、その振動により梁
部に発生する応力を感知することで振動を検出するもの
でり、本願出願人も多数市場に出荷している。そして、
この半導体による振動検出部は非常に小型で感度がよ
く、その重さを十分1g以下とすることができる。
発明の開示 従って、本願発明のノックセンサは、半導体基板に形
成された錘部と該錘部を支えるとともに振動を感知する
梁部とを具備するセンサ素子と、該センサ素子を固定す
るとともに、その強度が金属程度に固い固定台座と、該
固定台座の前記センサ素子が取り付けられた反対の面側
に配設されるとともに、前記センサ素子の出力を外部へ
伝達するコネクタ部と、前記センサ素子を覆うように配
設されるとともに、エンジンに取り付けられるハウジン
グとを有することを特徴としている。
上記構成により、本発明では、振動検出部として、半
導体基板に形成したセンサ素子としているため、その重
さを非常に小さくすることができる。従って、固定台座
とハウジングとで形成される空間内に振動検出部が配設
されるノックセンサとして、必要感度を低下させること
なく高周波領域まで検出可能な、かつ複数のノック信号
を検出することが可能なノックセンサを提供することが
できる。
図面の簡単な説明 図1は第1実施例を表すノックセンサの断面図であ
る。図2は第2実施例を表すノックセンサの断面図であ
る。図3は第2実施例の効果を示す特性図である。図4
は第3実施例を表すノックセンサの断面図である。図5
は信号処理回路を示すブロック図である。図6(a)は
片持ち梁構造の振動検出部を示す図である。(b)は両
持ち梁構造の振動検出部を示す図である。図7(a)は
ノックセンサの周波数特性を示す図である。(b)は梁
の幅と共振周波数および感度との関係を表す図である。
図8(a)は片持ち梁構造の錘の長さによる振動検出部
の共振周波数と感度との関係を表す図である。(b)は
両持ち梁構造の錘の長さによる振動検出部の共振周波数
と感度との関係を表す図である。図9〜図11は両持ち梁
構造の振動検出部において梁の長さをある値に固定した
場合の梁の厚さと共振周波数と感度との関係を表す図で
ある。図9(a)は梁の長さを0.10mmとしたときであ
り、(b)は梁の長さを0.15mmとしたときでる。図10
(a)は梁の長さを0.20mmとしたときであり、(b)は
梁の長さを0.25mmとしたときでる。図11(a)は梁の長
さを0.30mmとしたときであり、(b)は梁の長さを0.35
mmとしたときでる。図12は図9〜図11の結果をまとめた
ものであり、梁の幅と梁の厚さの成立領域を表す図であ
る。図13は図12において、共振周波数を60kHzにした場
合の梁の幅と梁の厚さの成立領域を示す図である。図14
は錘を大きくした場合の梁の幅と梁の厚さの成立領域を
表す図である。図15(a)は上記実施例に採用したセン
サ素子の構造図である。(b)はその断面図である。図
16はホイーストンブリッジを表す図である。図17は基板
に固定された状態のセンサ素子を示す断面図である。図
18(a)はセンサ素子の一部を示す図である。(b)は
その断面図である。図19は固定台座に固定された状態の
素子等を載せた状態を表す図である。図20はステム厚と
共振周波数の関係を示す図である。図21は荷重領域と共
振周波数の関係を示す図である。図22は図20及び図21の
特性図を得たモデルを示す図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明によるノックセンサの一実施例を図面を基に詳
述する。
まず、ノックセンサ構造の一実施例を説明する。
図1は、ノックセンサの断面図である。端子6を一体
成形したコネクタ2には、基板9が接着剤13により接着
されている。固定台座9は金属よりも強固なセラミック
基板からなり、その中にはEMIフィルタを形成するコン
デンサ(層間容量)及びフィルタ8が内蔵または実装さ
れている。また、固定台座9には後述する半導体からな
るセンサ素子11、電源回路と増幅回路およびノック信号
判定回路からなる信号処理部10が接着されており、ワイ
ヤ14にて素子間あるいは外部と電気的導通を図ってい
る。また、固定台座9とコネクタ2とは、固定台座9に
設置されたソケット7により電気的に接合されている。
そして、金属からなるハウジング1が固定台座9を覆う
ように、コネクタ2に、かしめ16および接着剤4により
固定されている。また、固定台座9はOリング3および
接着剤5より気密封止されている。このノックセンサは
ハウジング1のネジ15により、ノッキング現象を検出す
るエンジンに固定される。
上記のように構成されたノックセンサは、後に詳述す
るセンサ素子11および信号処理部等を合わせた重さが0.
1g程度にできるため、固定台座9を介してコネクタ側に
接続しても、基板の共振周波数を40kHz程度に維持する
ことができる。従って、コネクタ側に固定台座を介して
センサ素子を設置しても、約15kHz以上の高周波領域ま
で検出可能なセンサを提供できる。また、ハウジング側
にセンサ素子が設置される場合に比べて、本構造におい
ては、予めセンサ素子が搭載された固定台座基板をコネ
クタ側に設置できるため、製造工程が容易になるととも
に、コネクタの端子と基板との接続が、容易にかつ確実
にできる。
しかし、本実施例におけるノックセンサは検出する最
大周波数がおよそ15kHz以上と高く、コネクタの共振周
波数から考えると、性能を満足する構造には制約があ
る。本構造においては、振動検出部をを従来の圧電素子
を用いたものから半導体からなるセンサ素子を用いるこ
とで実装品の小型化、軽量化を図ったとともに、コネク
タの材質、形状、コネクタとハウジングを固定する接着
剤のヤング率を最適化することで、上記構造を達成し
た。その最適化をFEMにより解析した。その結果、コネ
クタの材質のヤング率は1000kgf/mm2〜2000kgf/mm2、図
1に示す接着部コネクタ厚さdは1〜3mm、接着剤ヤン
グ率は10〜2000kgf/mm2により、本構造が成立する。
次に、第2実施例として第1実施例の変形例を図2に
示す。これは、コネクタ2に固定台座9の裏面全面に接
着剤等により固定されている。そしてコネクタ端子6aは
ワイヤボンド14によりセンサ素子11あるいは信号処理回
路10等に接続されている。そして、本実施例の信号処理
回路10およびセンサ素子11はかん24により封止されると
同時にかん24はハウジング1内にて注入硬化させられた
シリコンゲル25に接触するようにされている。こうする
ことで、固定台座9を介して伝わってくるコネクタ2の
振動をかん24を介してシリコンゲル31にて吸収すること
ができ、固定台座9の共振を抑制することができ、従っ
て、コネクタの振動が直接センサ素子に伝達することは
ない。よって、第1実施例に比べてその振動対策の設計
自由度が増すことになる。
シリコンゲル25による固定台座9の振動抑制を図3
(a),(b)に示す。(a)図は、シリコンゲルがな
い状態のものであり、(b)図はシリコンゲルありの状
態のものである。シリコンゲルがないセンサの固定台座
9においては、20kHz、30kHz、50kHzの周波数帯にてか
なり振動しているが、シリコンゲルありのセンサの固定
台座9は上記特異点における振動が抑制されていること
がわかる。尚、振動を吸収する部材は特にシリコンゲル
に限るものではない。また、端子6aは固定台座9を突き
抜けた構造であってもよい。
次に、第3の実施例として、半導体からなるセンサ素
子を封止する方法として、ハーメチックシール技術を用
いたものを図4に示す。
この場合、センサ素子11や信号処理部10は、基板17を
介して固定台座となる金属ステム9′に固定され、さら
にハウジング1に溶接固定されている。このときの金属
ステム9′の構造は、図21を参照すると、厚さは2.8m
m、径は19mm、またセンサ素子等が搭載される面の径は1
6.5mmであり、取り出しピン18が貫通している貫通孔の
径は2.8mm程度である。この実施例においてはセンサ素
子11および信号処理部10は基板17を介して金属ステム
9′上に搭載されているが、搭載されている部品の全体
の重さはおよそ0.3gとなる。また、後で説明する図19に
示すようにこの基板17は無くてもよい。
このように本実施例では、第1実施例同様にセンサ素
子として半導体からなる振動検出部を用いているため、
小型で感度がよく、その重さを約0.3gと非常に軽くする
ことができ、上記のように薄い金属ステムに搭載したと
しても、金属ステムの共振周波数をほとんど低下させる
ことなく40kHzにすることができる。また、金属ステム
の厚さが2.8mm程度であり、容易に取り出しピンの貫通
している貫通孔が容易に形成可能となる。従って、製造
工程の容易となる構造のノックセンサであって、しかも
感度を落とすことなく高周波数領域まで検出可能なノッ
クセンサを提供することができる。
また、実施例1の構造に比べて、コネクタの材料など
に、特に振動対策を施す必要はない。これにより、コネ
クタ2の材質や接着剤の材質においては、より選択範囲
が広がる。また、センサ素子11や信号処理部10は、プロ
ジェクション溶接や取り出しピン18をガラス封止するこ
とにより、確実に気密封止される。
また、上記第3実施例はハーメチックシール技術を用
いて取り出しピンを固定し、気密封止構造としたが、例
えばハーメチックシールのガラス材に替え、フィラー入
りの接着剤等により取り出しピンを固定して気密封止す
るようにしてもよい。あるいは、ガラス以外の部材を貫
通孔に挿入し、気密封止構造とすればよい。
また、上記第1乃至第3実施例においては、振動を検
出するセンシング部を小型化できたことにより、固定台
座となるセラミック基板あるいは金属ステムの径を大き
くすることなく、センサ素子の出力信号を増幅する増幅
回路と、増幅された信号を処理し外部にノック信号を出
力する判定回路とを同一基板上に設置することが可能と
なった。
これによる効果を以下に説明する。
まず、本構造の振動検出回路のブロック図を図5に示
す。センサ素子11により検出された信号は増幅回路10a
で増幅され、ノック信号判定回路10bにおいてエンジンE
CUからの点火信号に同期させノッキング現象を判定し、
ECUへ出力する。なお、10cは、増幅回路10aおよびノッ
ク信号判定回路10bとともに同一基板上に形成される電
源回路であり、車等のバッテリーから供給される電力を
各回路に供給するものである。その電圧としては、例え
ば5Vの定電圧を発生させる。従って、バッテリーの電圧
を12Vとした場合には、その差が7Vあり、たとえバッテ
リー電圧がノイズ等により変動しても安定した電圧を各
回路に提供することができる。
かつ、この図に示すように、増幅回路10aで増幅され
た信号はアナログ出力であるが、ノック信号判定回路10
bで判定された信号はディジタル出力としてECUへ接続さ
れている。従って、ノックセンサとしてノイズに強い構
成とすることができた。
これにより、例えば、接地(GND)をエンジン(シャ
ーシ)から取った場合に、アナログ出力の際にはGND電
位が他の回路の影響を受けて変動した時、その変動がア
ナログ出力に重畳され、次の信号処理の段階で誤って処
理されてしまうことがあるのに対し、ディジタル出力で
は、たとえGND電位の変動が出力に重畳されても、次の
信号処理の段階では立ち上がり高さの1/2で判断される
ため、よほど大きいノイズでなければ、そのノイズの影
響をを受けることはない。従って、例えば図1に示すよ
うに、実際にGNDをソケット7bおよびハウジングを介
し、エンジンから取ることが可能となる。これによっ
て、GND用配線が必要なくなり信頼性が向上するととも
に、GND用のコネクタ端子を設ける必要がなくなりコネ
クタを小さくすることができる。
このように、センサ素子を小さく軽いもので構成でき
るため、他の回路素子を固定台座上に搭載することが可
能となったことにより、バッテリーの変動やGND電位変
動に強いセンサを提供できる。
次に、本実施例に用いた半導体素子からなるセンサ素
子について以下に説明する。
本願発明者らは、まず、センサ素子の共振周波数をど
の辺りに設定したらよいかを検討した。これは図6
(a)に示されるように、最大検出周波数をfsとし、共
振周波数をfrとした場合、検出領域がフラットな特性と
なるように、共振周波数が影響しないように共振周波数
frを設定しなければならない。しかしながら、エンジン
のノッキング現象による振動を検出するにあたって、感
度や共振周波数や破壊強度といったセンシング部の基本
特性を、半導体加速度センサに用いていた半導体からな
るセンサ素子が満たすことが可能かどうかが問題となっ
てくる。これは、錘形状およびビーム形状、特にビーム
厚およびビーム幅と、共振周波数および感度とが密接な
関係にあり、ビーム厚およびビーム幅を変化させると共
振周波数および感度は大きく変化する。ビーム幅を例に
取ると、共振周波数はビーム幅の平方根に比例し、感度
はビーム幅に反比例する。すなわち、ビーム幅と共振周
波数、およびビーム幅と感度とは相反する関係にあると
いえる。これを図6(b)にそれぞれ実線と破線で示
す。従って、感度および共振周波数の基本特性を十分満
たす構造が存在するかが問題となってきた。
本願発明者らは、まず、安定した出力を得るために、
センサ出力が、最大検出周波数においてもフラットな特
性となるように、共振周波数を設定する必要がある。図
6(a)を見ても分かるように、フラット領域から共振
周波数のピークまでに出力は指数関数的に増加する。従
って、最大検出周波数における出力の変動が十分小さい
値となるように、共振周波数のピークによる出力の立ち
上がりが最大検出周波数に掛からないように共振周波数
を設定しなければならない。しかしながら、この出力の
立ち上がりは、理論解析により求めることは非常に難し
く、実際に素子を作製して測定するまで明確にならな
い。このように、ノックセンサの振動検出部となる半導
体加速度センサを設計することは容易ではない。
そこで、本発明者らは、従来の加速度センサのデータ
を取り、それらを集計した結果、センサ出力の応答周波
数領域が常にフラットとなる共振周波数frと最大検出周
波数fsとの関係を、以下のように見出した。
fr≧A・fs (2.5≦A≦4) ただし、Aは、錘の支え方によって決まる定数であ
る。そして、この関係の発見により、半導体加速度セン
サをその振動検出部として用いても、感度や共振周波数
や破壊強度といった振動検出の基本特性を満たすことの
できる、ノックセンサが実現可能なことが判明した。
そして、最大検出周波数を15kHzとすると、約40kHz以
上であれば良いことがわかる。
次に、センサ構造について検討した。図6(b)に示
したとおり、例えばビーム幅において、共振周波数と感
度とはトレードオフの関係にあり、必要とされる共振周
波数と感度とを同時に満たすセンサ構造について検討し
た。本願発明者らは、図7に示す構造について検討し
た。(a)図に示したものは、錘41を梁42により支える
ものである。また(b)図に示すものは、錘21を4本の
梁(ビーム)22により支えられた構造である。図中の斜
線部はエッチングにより除去される部分である。以下、
(a)図に示したものを片持ち梁構造とし、(b)図に
示したものを両持ち梁構造とする。
図8(a),(b)に上記片持ち梁構造と両持ち梁構
造について、共振周波数を40kHz以上、感度を12μV/G以
上として実際に設計解が存在するかを検討したものを示
す。これは、横軸が錘41あるいは21の長さにとり、左側
の縦軸を共振周波数、右側の縦軸を感度とし、共振周波
数を実線により、また感度を点線により示した。この両
図より、片持ち梁構造においては上記条件を満たすため
には錘長が0.35〜0.36mm程度と非常に狭い範囲でしか設
計解が存在せず、工程上、歩留りよくこの範囲に錘長を
合わせることはほとんど不可能である。それに対し、両
持ち梁構造のものでは錘長が0.6〜2.7mm程度と、十分歩
留り良く製造可能な範囲であることがわかった。従っ
て、感度および強度の両方を同時に満たす構造として歩
留り良く製造可能なのは両持ち梁構造となる。
また、次に、梁(ビーム)の長さおよび厚さについて
検討した。
これは、図7(b)に示すようにビーム幅WBはその
幅のなかに形成するピエゾ抵抗素子により、最小値がほ
ぼ0.13mmとなってしまう。従って、素子を小型化しよう
とする場合、錘の大きさあるいは梁の長さによって決ま
ってくる。錘はその加工精度により図7(b)に示され
る上面の面積が1.2×0.7のおよそ0.9mm2となる。また、
錘の厚さは加工するウエハの厚さに依存され、今回のサ
ンプルにおいてはほぼ0.3mmとなる。従って、図7
(b)に示される梁の長さLBについて検討することが
小型化における重要なポイントとなる。
図9(a),(b)、図10(a),(b)、図11
(a),(b)にビームの長さLBをパラメータとして
0.05〜0.35mmまで変化させた時の共振周波数および感度
を上記と同様な条件を満たすビーム厚の成立領域を調べ
た。その結果、図12に示すように、上記条件の基に得ら
れた成立ビーム厚さ間隔とビーム長さを示す。ここで、
ビーム厚はエッチング液を用いたウェットエッチングに
より形成されるものであるため、エッチングをμmオー
ダーの精度で行うことは非常に難しく、およそ4μmの
ばらつきを有する。従って、この4μmを差し引いた領
域が歩留り良くビームを形成することのできる領域とな
る。これを図11より求めると、ビーム長さを0.05〜0.21
5mmとなる。下限の0.05mmは、加工限界を示すものであ
る。
ここで、上述したように振動検出部は最大検出周波数
を15kHzとすると、約40kHz以上であれば良く、そのよう
に設計すればよいが、センサ素子は半導体であり、結晶
性の高いものであるため、共振時のQは非常に高い。よ
って、固定台座とセンサ素子の共振が同一になると、こ
の振動成分が加わった時にセンサ素子が大きな振動を起
こし、S/Nの低下、ひいては破壊に至る可能性がある。
そこでこの様なことをさける為、センサ素子の共振周波
数を60kHz以上とし、上記のように成立ビーム厚さ間隔
とビーム長さとの関係を調べた。その結果を図13に示
す。このように共振周波数60kHz以上、感度12μV/G以上
とした場合では、成立ビーム厚の存在するビーム長さ領
域は0.05〜0.1mm程度となる。
また、錘の大きさをほぼ倍にするとともに、上記のよ
うにS/Nおよび強度を考慮し、共振周波数を60kHzとした
ものにおいて図13と同様な条件の基で成立ビーム厚を求
めた。これは錘を図13のデータを得たものよりもその大
きさを図14(a)においては、2.02倍のものを、また図
14(b)においては2.14倍のものを用いて得たデータで
ある。これは、上限値を調べたものであり、この図から
ビームの長さの上限値は0.215mmとなることがわかる。
従って、両持ち梁構造において、錘の面積を小さくし
て小型化を図り、かつノックセンサとしての最低限の条
件(共振周波数40kHz以上・感度12μV/G以上)を考慮し
た場合と、大型であっても共振周波数を60kHz以上とし
てS/N及び強度を考慮した場合とにおいては、ビーム長
さは0.05〜0.215mmとなる。さらに、サイズを小型化し
てS/N及び強度を考慮した場合には、梁の長さは0.05〜
0.1mm程度が好適となる。
また、上記のような両持ち梁構造は以下に示すような
配慮が成されている。
すなわち、共振点は一つではなく幾つも存在し、特
に、錘が垂直に共振する一次共振と錘が捩じれるように
共振する二次共振とが大きく、一次共振周波数と二次共
振周波数とが近いと錘が複雑に振動し、梁(ビーム)が
破壊されてしまう。従って、梁の強度を考慮すると、一
次共振周波数と二次共振周波数とが離れていることが要
求される。
以上のことから、図14に示すような長方形の錘21を4
つのビーム22により支える構造のものとした。この構造
では、捩じれが発生しにくくなるため、一次共振周波数
と二次共振周波数とを離すことができる。また、振動検
出においてもホイーストンブリッジ回路を形成できるた
め、高い感度が得られる。
本実施例においては、共振周波数を60kHz以上、感度
を12μV/G以上に設定し、梁構造および錘構造を以下の
とおり設定した。図14(a)に示すビーム幅WBは0.13mm
となる。また、ビーム長LBは0.11mmとなった。また、
ビーム厚TBは、ビーム上にピエゾ素子を形成するため、
そのPN接合によって決定され、本実施例では13μmとし
た。また、図14(b)に示す錘厚TMは、使用するウエハ
厚さにより決定され、本実施例において、TMは0.3mmと
した。また、錘幅WMは、感度の関係上、錘を形成するた
めのエッチングの面方位を(100)面としており、エッ
チングにより基板がテーパ付けされるため、錘厚TMによ
り決定される。本実施例においては、余裕を取って0.7m
mとした。そして、錘長LMにおいては、この錘幅WMを基
に一次共振と二次共振とを離すようにして設計する必要
があり、本実施例においては、1.2mmとした。
これらの数値は、設定する共振周波数を基にして、製
造工程や使用ウエハ、あるいは一次および二次の共振周
波数との関係等を考慮して、その都度設定すればよい。
次に、錘の振動を検出する検出方法について説明す
る。
本実施例においては、ピエゾ素子23を図15(a)に示
すように配置した。このように、錘側の素子23aおよび
素子23cと、固定枠側の素子23bおよび素子23dというよ
うに配置し、図16のようにホイーストンブリッジ結線す
ると指向性が向上する。すなわち、錘21が垂直に振動す
る場合には、素子23a(素子23c)と、素子23b(素子23
d)とが互いに異なる応力、すなわち引っ張り応力と圧
縮応力とが掛かることになり、センサ感度が向上し、ま
た、捩じれの振動(他軸の振動)に対しては、素子23a
(素子23c)と、素子23b(素子23d)とが互いに同一な
応力が掛かるため、図16のホイーストンブリッジにおい
て、他軸感度をキャンセルすることができる。なお、図
15(b)は(a)図の断面図であり、また図16のm,nは
出力であり、Vは電源を表す。なお、ピエゾ素子の配置
数は4つに限らず、例えば8つでもよい。
以上のように、素子を設計することで、共振周波数60
kHz以上、感度12μV/G以上を満たすことができる。
また、検出周波数が従来の加速度センサの数百Hz比
べ、約15kHz以上とかなり高くなったため、加速度セン
サのビームを強固にすることができる。これにより、検
出振動領域での錘21の変位が数μm程度となり、この空
隙を接着剤18(厚さ約10μm)で設けることにより、図
17に示すように、従来加速度センサを設置するための台
座に必要であった凹部(図中の点線部)が不要となっ
た。これにより、台座12に凹部を形成するための工程を
減らすことができる。さらに、台座12と錘21との空隙が
接着剤18の厚さ約10μmと狭いため、強い衝撃により錘
21が大きく振動する場合に、台座12が錘21の振動ストッ
パとなり、センサビームの破壊を防ぐことができる。
また、破壊強度は、本構造において、47000〜48000G
が得られる。この破壊強度は、特に、製造工程やノック
センサを取り付けるまでの運搬工程等に於いて問題とな
り、実際のコンクリート上や樫の木上での落下試験を基
に設計する値であり、実際の落下衝撃とビームの共振周
波数とを加味して決定される。今回のように共振周波数
60kHzの場合、50000Gまであれば十分といった結果が出
たため、上記47000〜48000Gという値はほぼ十分と言え
る。
なお、これを50000Gまで上げたいというのであれば、
図18(a)および、そのA−A′間の断面(b)図の破
線で示すビーム付け根部50を薄膜化すればよい。このよ
うにすると、図中の○印で示した部分の応力集中を緩和
することができ、ビーム強度を増すことができる。
また、図18に示す構造とした場合には以下に示す波及
効果も奏する。
すなわち、ピエゾ素子は重りが振動した際に、梁の応
力が最も最大となる一方の固定点である重りと梁との付
け根あるいは他方の固定点である梁と枠との付け根に配
置することが望ましい。しかしながら、素子が上記実施
例の如く小さくなってくると、ピエゾ素子を形成するた
めのマスクの位置合わせに精度の非常に高いものが要求
される。マスクずれをおこしてピエゾ素子が重りと梁と
の付け根あるいは梁と枠との付け根からずれてしまい、
梁には掛からずに重りの中のみあるいは枠の中のみにピ
エゾ素子が形成された場合には、その素子の応力感度は
非常に低下してしまう。そこで、上記図18のような構造
としたことにより、多少マスクずれが有ったとしてもピ
エゾ素子は最大応力付近に必ず形成されることになり、
従来のようにマスクずれが発生した場合に応力をあまり
感知できなくなることがあるという不具合を解消するこ
とができる。
また、図19に示すような固定台座9が50に示される固
定部によりハウジングあるいはコネクタに溶接あるいは
接着等により、固定される、第1、第3実施例に示され
るノックセンサにおいては、固定台座9の周囲を固定さ
れる構造のため、その中心部にセンサ素子11や信号処理
回路10a,b等が搭載されると最も共振周波数が低下す
る。従って、上記素子および信号処理回路等の重心が固
定台座の固定部からみた重心点に置かないようにすると
共振周波数の低下をある程度抑制することができる。ま
た、図4に示すように、固定台座9とセンサ素子および
信号処理回路等との間にさらに台座(基板17)があるよ
うな構造のものにおいては、その台座とセンサ素子およ
び信号処理回路等の合わせた重心が固定部からみた重心
点にならないようにすると良い。すなわち、その周辺部
が固定される固定台座の重心点に、その上に搭載される
素子のあわせた重量の見かけ上の重心点が、重ならない
ようにすればよい。
産業上の利用可能性 本発明は、車両等に搭載されるエンジンのノッキング
現象を検出する振動検出装置として、製造工程が容易な
構造を採用しつつ、しかも高周波数領域までも感度を落
とすことなく検出可能なノックセンサとして利用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 伸康 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 水野 直仁 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 釜洞 孝一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 11/00 G01H 11/08 G01P 15/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板に形成された錘部と該錘部を支
    えるとともに振動を感知する梁部とを具備するセンサ素
    子と、 該センサ素子を固定するとともに、その強度が金属程度
    に固い固定台座と、 該固定台座の前記センサ素子が取り付けられた反対の面
    側に配設されるとともに、前記センサ素子の出力を外部
    へ伝達するコネクタ部と、 前記固定台座とともに形成する空間内に前記センサ素子
    を配設するように設けられるとともに、エンジンに取り
    付けられるハウジングと を有することを特徴とするノックセンサ。
  2. 【請求項2】前記センサ素子は、半導体基板に形成され
    るとともに、四角形状の枠部と、 該枠部の略中央に該枠部から離間して配置される長方形
    上の錘部と、 前記枠部の対向する両辺から前記錘部を支えるように接
    続され、前記対向する両辺の片側から2本づつ所定の間
    隔にて配置される梁部とを有している請求の範囲第1項
    に記載のノックセンサ。
  3. 【請求項3】センサ素子と、 エンジンに直接取り付けられるハウジング部と、 該ハウジングとともに、前記センサ素子を封止するコネ
    クタ部とを有し、エンジンのノッキング現象による振動
    を前記センサ素子において感知するノックセンサにおい
    て、 前記センサ素子は半導体基板に形成されるとともに、四
    角形状の枠部と、 該枠部の略中央に該枠部から離間して配置される錘部
    と、 前記枠部の対向する両辺から前記錘部を支えるように接
    続され、前記対向する両辺の片側から2本づつほぼ同等
    の間隔にて配置される梁部と を有していることを特徴としたノックセンサ。
  4. 【請求項4】前記梁部の前記枠部から前記錘部に至る長
    さが0.05〜0.215mmの範囲である請求の範囲第2項又は
    第3項に記載のノックセンサ。
  5. 【請求項5】前記センサ素子は検出周波数領域以外のノ
    イズとなる振動を吸収する吸収部材をその周りに配設
    し、ノイズとなる振動が前記センサに伝達しないように
    したことを特徴とする請求の範囲第4項に記載のノック
    センサ。
  6. 【請求項6】前記センサ素子は前記ハウジング部と溶融
    接合可能な固定台座に配置され、該台座とハウジング部
    とが溶融接合された請求の範囲第1項乃至第3項のいず
    れかに記載のノックセンサ。
  7. 【請求項7】定電圧源あるいは2値化信号出力手段を有
    する請求の範囲第1項乃至第6項のいずれかに記載のノ
    ックセンサ。
  8. 【請求項8】前記固定台座はその周辺部が所定場所に固
    定されるものであり、該固定台座上に搭載される素子、
    部品あるいは該素子、部品等を合わせた素子群の見かけ
    上の重心点が固定された状態の前記固定台座の重心点か
    らずれている請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに
    記載のノックセンサ。
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