JP3212816B2 - 複合型濾過脱塩装置 - Google Patents

複合型濾過脱塩装置

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JP3212816B2 JP28445294A JP28445294A JP3212816B2 JP 3212816 B2 JP3212816 B2 JP 3212816B2 JP 28445294 A JP28445294 A JP 28445294A JP 28445294 A JP28445294 A JP 28445294A JP 3212816 B2 JP3212816 B2 JP 3212816B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被処理水中に含まれる
不純物を除去するために濾過処理及び脱塩処理の双方を
行う水処理装置に関し、更に詳細には、火力発電所等か
ら出た復水を再びボイラー用水として使用できるように
処理する水処理装置として好適な、特に原子力発電所の
復水系のように大流量の水を濾過及び脱塩処理する水処
理装置として最適なコンパクトな複合型濾過脱塩装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電所又は原子力発電所では、ボイ
ラー又は原子炉で発生させた蒸気を復水タービンに送
り、発電機を駆動すると共にその蒸気を復水器で凝縮さ
せ、次いで復水処理装置に導いて必要な処理を施した
後、再びボイラー又は原子炉に送入している。一般に、
このような復水のリサイクルシステムを復水システムと
称している。
【0003】ところで、沸騰水型(BWR型)原子力発
電所(以下、簡単に原子力発電所と称する)の復水シス
テムに設けられる復水処理装置の構成に当たっては、大
量の復水を処理できること、復水中の溶解性物質及び懸
濁物質(機器及び配管から生じた腐食生成物が主たるも
のであって、酸化鉄、水酸化鉄等を含み、クラッドと称
される)を除去して原子炉に必要な水質を長期間にわた
り確実に維持できること、復水器で冷却水として使用し
ている海水が万一漏洩した場合でも海水中のイオン、異
物を完全に除去して原子炉に流入しないようにできるこ
と等が原子炉を安全かつ継続的に運転する上で必須の要
件とされている。
【0004】そのような要件を満たすために、最近の原
子力発電所用復水処理装置は、多数の中空糸膜モジュー
ルを塔内に配設した濾過塔を多数並列に配置した中空糸
膜濾過装置と、それに後続する、イオン交換樹脂を充填
した脱塩塔を多数並列に配置したイオン交換式脱塩装置
とをそれぞれ別個に設置し、それを直列に接続すること
により構成されている。例えば、6,600Ton/Hrの復
水を処理する場合、塔径3m位の濾過塔と脱塩塔とをそ
れぞれ5〜8基必要とされる。中空糸膜濾過装置は復水
中のクラッドを除去するために、またイオン交換式脱塩
装置は復水中のイオンを除去するために設けられてい
る。特に、イオン交換式脱塩装置は、復水器で海水の漏
洩が万一発生した場合に、海水から持込まれるイオンを
完全に除去できるだけの容量を備えている必要があり、
これが装置規模の決定因子となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、原子力発電
所の復水処理装置については、次の理由から、復水処理
装置の所要設置面積を小さくし、かつ全体をコンパクト
にすると共に復水処理装置の設備費を低減することが緊
急の課題となっている。理由の第1には、原子力発電所
の立地が益々難しくなっている最近の事情を考慮して、
原子力発電所の敷地面積を出来るだけ小さくしたいと言
う要請があり、そのために、復水処理装置の設置面積を
小さくする必要があるからである。第2には、原子力発
電所の復水処理装置は、放射性物質を含む復水を処理す
る装置であるために、遮蔽用の鉄筋コンクリート製の厚
い壁で密閉された建屋の中に配置されている。鉄筋コン
クリート製の建屋の建設は莫大な費用を要するので、復
水処理装置を収める建屋を出来るだけ小さくして建設費
を低減させる必要があるからである。第3には、復水処
理装置の設備費を節減して原子力発電所全体の設備費を
低くすることが必要であるからである。
【0006】しかし、それぞれ分離して設置された中空
糸膜濾過装置とイオン交換式脱塩装置とを直列に接続し
た従来の復水処理装置は、復水中のクラッドを効率的に
除去できる膜技術と復水中の陽イオン及び陰イオンを効
率的に除去できるイオン交換技術のそれぞれの特長を活
かした優れた装置であるものの、その設置面積及び設備
費を大幅に節減することは次の理由から難しかった。そ
れは、中空糸膜濾過装置において、中空糸膜モジュール
を高性能化してモジュール数を削減することにより、濾
過塔の塔径を小さくでき、また濾過塔の塔数を削減でき
たとしても、或いはイオン交換式脱塩装置において、通
水流速を速くできるようにイオン交換材を高性能化して
その充填量を削減することにより、脱塩塔の塔径を小さ
くでき、また濾過塔の塔数を削減できたとしても、各装
置内での個々の改良に留まるため、装置の大幅な所要面
積の削減及びコストの削減は困難であるからである。
【0007】ところで、上述の復水処理装置とは別に、
濾過処理と脱塩処理を同時に行う方法も、幾つか提示さ
れている。例えば、逆浸透膜技術を復水処理装置に適用
する試みが提案されているが、それは以下の技術的及び
経済的問題のために未だ実用化の域に達していない。第
1には、水が逆浸透膜を透過するためには少なくとも1
0kg/cm2程度の圧力損失が生じる。そのため、逆浸透膜
装置に送水するポンプの揚程が大幅に高くなり、動力費
が高くなる。第2には、濾過とは異なり、逆浸透膜では
透過水の回収率を100%まで高めることが脱塩性能上
困難である。そのため、多量の濃縮液が透過水と共に発
生し、この濃縮液をそのまま放流することはできないの
で、濃縮液処理装置を別途必要とする。また、脱塩性能
がイオン交換樹脂よりも劣るので、その対策も必要であ
る。
【0008】更に別の方法として、イオン交換機能を付
加した中空糸膜(以下、簡単に複合型中空糸膜と略称す
る)を利用する方法が特開昭61−47592号公報、
特開平1−297149号公報等に提案されているが、
以下のような問題が指摘されている。第1には、複合型
中空糸膜のイオン交換能とイオン交換容量の問題であ
る。即ち、イオン交換基を付加することにより中空糸膜
の耐久性が低下するため、また中空糸膜が中空形でしか
も多孔性であるため、イオン交換樹脂の充填層と同等の
密度で多量のイオン交換基を中空糸膜に付加することは
技術的に無理である。従って、複合型中空糸膜の1本当
たりのイオン交換容量が小さい。また、粒状のカチオン
樹脂とアニオン樹脂とを混合してイオン交換層を形成す
る場合とは異なり、複合型中空糸膜は膜自体が固定され
ているため、カチオン交換基を有する部分とアニオン交
換基を有する部分とを組合わせて、陽イオン及び陰イオ
ンの双方を効率良く脱塩する方法を確立することが難し
く、未だ実用化には至っていない。また、複合型中空糸
膜を使用する場合、濾過特性を維持するためには中空糸
膜間に有る程度の間隔を開け、しかもモジュール化する
ために中空糸膜を保護する役目をなす保護筒などの中空
糸膜以外の材料を使用する必要がある。更に、このよう
な複合型のモジュールを塔内に装着する関係上、モジュ
ール間にかなり大きな間隔を要する。以上の理由から、
粒状のイオン交換樹脂を稠密に充填したイオン交換層と
比較すると、言わばイオン交換基の容積効率が著しく低
くなり、複合型中空糸膜を装着する塔の寸法が大きくな
る。従って、複合型中空糸膜を大容量の復水処理装置に
適用すると装置が著しく大きくなる。
【0009】第2には、イオン交換基が固定した中空糸
膜に装着されているので、そのままの状態でイオン交換
基の再生を行う必要があるが、かかる再生処理は技術的
に難しく、未だ確立された技術がない。再生を行わず
に、廃棄する方法も考えられるが、元来、複合型中空糸
膜のイオン交換容量は小さいため、交換寿命が短く、交
換コストが高くなる。
【0010】また、特開昭64−67206号公報や特
開平3−56126号公報には中空糸膜モジュール内部
にイオン交換樹脂を充填した複合型中空糸膜モジュール
が提案されているが、以下のような問題が指摘されてい
る。第1には、中空糸膜モジュール内に確保できるイオ
ン交換樹脂充填用のスペースには明らかに限界があるた
めに、複合型中空糸膜モジュール1本当たりのイオン交
換容量が小さい。従って、復水用の脱塩装置に適用する
と、装置の規模が上述した複合型中空糸膜と同様に著し
く大きくなる。第2には、イオン交換樹脂層を通過する
流速が早くなり過ぎるため、脱塩効率が低下する。第3
には、イオン交換樹脂が固定された複合型中空糸膜モジ
ュールに充填されているために、前述の複合型中空糸膜
と同様にイオン交換樹脂の再生が技術的に困難なことで
ある。そこで、中空糸膜モジュールを1本毎に濾過塔か
ら取り出して新品のイオン交換樹脂と交換したり、中空
糸膜の部分はまだ使用できるにも拘らず廃棄して新品と
交換する必要が生じる。
【0011】以上のように、濾過処理と脱塩処理を同時
に行う方法として幾つかの方法が提示されているが、い
ずれも原理的には可能ではあるものの、機能的に劣って
いたり、設備が大きくなったりするために、未だ実用化
するには至らない技術であると言わざるを得ない。
【0012】以上のような状況に照らし、本発明の目的
は、濾過処理及び脱塩処理の双方を行う水処理装置、特
に原子力発電所等の復水の処理に好適な水処理装置であ
って、従来の水処理装置に比べて、コンパクトで所要設
置面積が小さく、かつ設備コストが低い装置を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した種
々の方法を検討した結果、上記目的を達成するために
は、中空糸膜濾過装置とイオン交換式脱塩装置とを備え
た従来の水処理装置を改良するべきであるとの結論を以
下のようにして得た。水処理装置、特に原子力発電所の
復水処理用に設置される水処理装置は、原子炉に送るボ
イラ用水に求められる水質になるように復水を処理する
ことを長期間にわたり確実にかつ継続的に行う必要があ
り、特に復水器での細管の破断等により蒸気冷却用の海
水が多量に流入した場合でもイオンを含む海水中の不純
物を完全に除去して、海水の不純物から原子炉、ボイラ
ー、蒸気発生器等を保護する重要な役割を担っている。
従って、水処理装置は、技術的に確立されている信頼性
の高い実証済みの技術に基づいていることが必須であ
る。よって、濾過装置の濾材としては、通水速度が高
く、しかも確実にクラッドを効率的に除去できる中空糸
膜が最適であり、また、脱塩装置としては、優れたイオ
ン除去能と大きなイオン交換容量を有し、しかも再生容
易な最も技術的に信頼できるイオン交換樹脂の充填層が
最適である。以上の理由から、本発明者は、中空糸膜濾
過装置とイオン交換式脱塩装置を1つの装置として、コ
ンパクトに一体化した水処理装置を実現し、前述の緊急
の課題を解決することにした。
【0014】上記知見に基づいて、上述した目的を達成
するために、本発明に係る複合型濾過脱塩装置は、竪型
容器の内部を隔壁により上下に分割して形成された上方
の濾過室と下方の脱塩室とを備え、濾過室には中空糸膜
モジュールが中空糸膜の内側で脱塩室と連通するように
配設され、脱塩室にはイオン交換材を充填してなるイオ
ン交換層が形成され、被処理水の導入口が濾過室の容器
壁に、濾過及び脱塩処理された処理水の送出口が脱塩室
の容器壁にそれぞれ設けられ、濾過室に導入した被処理
水を各中空糸膜の外側から内側に透過させ、更に透過水
を脱塩室に導いてイオン交換層を上方から下方に流下さ
せ、処理水を送出口から外部に流出させるようにしたこ
とを特徴としている。
【0015】本発明で使用する中空糸膜モジュールは、
被処理水を濾過できる中空糸膜の束を備えている限り、
その構造及び中空糸膜の寸法、材料等に関し制約はな
く、既知の中空糸膜モジュールを使用できる。イオン交
換材は、好適には再生可能なイオン交換材、例えば既知
の粒状の陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合
したものを使用するが、この他にイオン交換繊維なども
使用できる。また、装着する中空糸膜モジュールの仕
様、本数、イオン交換材の充填量、イオン交換層の層高
さ、イオン交換層の通水速度等の条件は、既知の仕様、
数値に基づいて良い。本発明に係る複合型濾過脱塩装置
は、濾過処理と脱塩処理の双方を必要とする限り、特に
被処理水の種類に制約は無く、水蒸気を凝縮して得た復
水、特に原子力発電所等の大量の復水を処理する装置と
して最適である。
【0016】本発明の好適な実施態様では、濾過室に配
設された中空糸膜モジュールは、閉止された上端部と開
放された下端部とを備え、かつ隔壁に設けられた貫通孔
を介して中空糸膜の内側で脱塩室に連通するように下端
部で隔壁に着脱自在に固定されて、直立していることを
特徴としている。これにより、中空糸膜モジュールの設
置が容易になる。ここで、「閉止された上端部」とは、
透過水が上端部から中空糸膜モジュールの外に流出しな
いように上端部が閉止されていることを意味し、透過水
以外の流体を流出させる開口を設けること、例えば空気
抜きノズルを設けて上端部に滞留する空気を放出できる
ようにすることまで禁止するものではない。また、「開
放された下端部」とは、透過水が下端部から中空糸膜モ
ジュールの外に流出するように下端部に開口を備えてい
ることを意味する。
【0017】本発明の別の好適な実施態様では、濾過室
の上部が、竪型容器の横断方向に延びる第2の隔壁によ
り透過水の集水室として区画され、かつ連通管により脱
塩室と連通し、濾過室に配設された中空糸膜モジュール
は、開放された上端部と閉止された下端部とを備え、か
つ第2の隔壁に設けられた貫通孔を介して中空糸膜の内
側で集水室に連通するように上端部で第2の隔壁に着脱
自在に固定されて吊り下げられていることを特徴として
いる。ここで、「開放された上端部」及び「閉止された
下端部」の意味は、上述の定義に準ずる。
【0018】本発明の更に別の好適な実施態様では、濾
過室の上部が、竪型容器の横断方向に延びる第2の隔壁
により透過水の集水室として区画され、かつ連通管によ
り脱塩室と連通し、濾過室に配設された中空糸膜モジュ
ールは、開放された両端部を備え、かつ隔壁及び第2の
隔壁にそれぞれ設けられた貫通孔を介して中空糸膜の内
側で脱塩室及び集水室に連通するように上端部及び下端
部で隔壁及び第2の隔壁にそれぞれ着脱自在に固定され
ていることを特徴としている。
【0019】本発明の更に別の好適な実施態様では、集
水室と脱塩室とは、隔壁と第2隔壁とで区画された室を
貫通して配設された連通管を介して連通していることを
特徴としている。
【0020】本発明の更に別の好適な実施態様では、集
水室に第2の送出口を、かつ脱塩室の送出口に閉止弁を
設け、脱塩室の送出口を閉止することにより透過水を第
2の送出口から送出するようにしたことを特徴としてい
る。
【0021】本発明の更に別の好適な実施態様では、気
体を導入して水中に気泡を発生させ、発生した気泡を各
中空糸膜の外表面近傍に分散させるようにした洗浄機構
を中空糸膜モジュールの下方の濾過室内に備え、各中空
糸膜の外表面近傍に分散された気泡により水を攪拌して
中空糸膜外表面に付着した汚染物を剥離するようにした
ことを特徴としている。これにより、通水終了時に、各
中空糸膜の外側に付着したクラッド等の汚染物を剥離す
るいわゆるスクラビング洗浄を行うことができる。本発
明で使用する洗浄機構は、気泡攪拌により中空糸膜面上
の汚染物を剥離できるものであれば特にその構成に限定
は無く、例えば後述の実施例で詳細な構成を示した洗浄
機構を好適例として挙げることができる。また、洗浄機
構は、空気噴出ノズルを有するリング状或いグリッド状
に形成された空気供給管を濾過室下部に設け、その空気
噴出ノズルを中空糸膜モジュールの下部に配置したよう
な簡単な構成のものでも良い。
【0022】
【作用】本発明では、小さな圧力損失で大流量の濾過が
可能であって、しかもコンパクトな中空糸膜モジュール
を設置した濾過室と、高い脱塩性能と大きなイオン交換
容量を有し、しかも別に設けた再生装置で容易に再生で
きるイオン交換材を充填してなるイオン交換層を有する
脱塩室とを一つの容器内に上下に一体的に組み合わせる
ことにより、確実に、かつ効率良く濾過処理と脱塩処理
の双方を行う信頼性の高いコンパクトな水処理装置が実
現する。また、濾過装置と脱塩装置とを一つの容器内に
集約することにより、従来の装置に比べて、容器の数が
1/2になって所要設置面積が大幅に減少し、更に、濾
過装置と脱塩装置とを結ぶ関連配管の長さが短くなると
共に弁の数も減少するので、部品コスト及び据付工事量
が大幅に削減され、全体の設備コストが削減される。
【0023】
【実施例】以下、添付図面を参照し、実施例に基づいて
本発明をより詳細に説明する。実施例1 図1は本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例1の構
成を示す模式的断面図である。図1に示す本実施例の複
合型濾過脱塩装置(以下、簡単に装置と略称する)10
は、濾過装置と脱塩装置とを一つの竪型容器内で上下に
立体的に組み合わせて一つの装置にした複合型の水処理
装置であって、例えば原子力発電所の復水処理装置とし
て好適に使用されるものである。装置10は、竪型円筒
形容器12の内部を鏡型隔壁14により上下に分割して
形成された上方の濾過室16と下方の脱塩室18とを備
えている。
【0024】濾過室16は、容器壁に設けられた被処理
水の導入口19と、中空糸膜の内側で脱塩室18と連通
するように配設された所定本数の中空糸膜モジュール2
0とを備えている。中空糸膜モジュール20は、図2に
示すように、既知の透過膜で形成された多数の中空糸膜
22を束ねて管束としたモジュールである。中空糸膜2
2の管束は、中空糸膜相互を離隔させて上下端で接着剤
等で固着され(24A、24B)、その外側は、側部に
多数の貫通孔25を有する外筒26で保護されている。
中空糸膜22の管束の上端は、エンドプレート27で閉
止され、下端はモジュール集水室28を経て集水管30
に連通している。モジュール集水室28は、外筒26の
下端部と、下端部の周縁に接合された集水管30の上端
鍔板31とにより形成されている。
【0025】各集水管30は、隔壁14を貫通して脱塩
室18に連通すると共に常用の取り付け座(図示せず)
により隔壁14の貫通孔33の開口縁部に着脱自在に固
定されている。これにより、各中空糸膜モジュール20
は濾過室16内に直立することができ、また各中空糸膜
22を透過した水は、集水管30を経由して下方の脱塩
室18に流入する。
【0026】中空糸膜モジュール20の下部の濾過室1
6内には、気泡により水を攪拌して、中空糸膜に付着し
たクラッド等の汚染物を剥離するために、洗浄機構34
が設けてある。洗浄機構34は、図2に示すように、隔
壁14上に集水管30を貫通させて設けられた仕切り板
36と隔壁14とにより形成された空気室38と、集水
管30を貫通させる仕切り板36の開口縁部から集水管
30と同心状に垂下して設けられた円筒部40と、円筒
部40の周方向に多数設けられた細孔又はスリット42
と、空気室38の容器壁に設けられた空気供給口44
(図1参照)とからなる。このような構成により、空気
供給口44を経て空気室38に導入された空気は、円筒
部40により上昇が阻止されて空気室38の上部に滞留
し、細孔42から気泡となって円筒部40と集水管30
と間の環状間隙を上方に上昇する。尚、空気を導入しな
い時には、集水管30と円筒部40との間の環状間隙を
経由して被処理水が流入するので、空気室38は被処理
水で満たされている。
【0027】一方、中空糸膜モジュール20は、外筒2
6の外側から垂下している円筒状のスカート32と集水
管30とで区画された集泡室46と、集泡室46からス
カート32と外筒26との間の間隙を経由し、外筒26
及び接着剤固着部24Bを貫通して中空糸膜の外側に出
る空気導入孔50とから構成される気泡導入機構を有し
ている。尚、空気を導入しない時には、集泡室46及び
空気導入孔50は、被処理水で満たされている。このよ
うな構成により、上述の細孔42から上昇した気泡は、
集泡室46及び空気導入孔50を経て中空糸膜22の間
に導入される。その後、気泡は、分散して各中空糸膜2
2の膜近傍に上昇し、その付近の水を攪拌することによ
り各中空糸膜22を振動させ、中空糸膜22に付着した
クラッド等の汚染物を払い落として中空糸膜22の機能
を回復させる。
【0028】本実施例で使用できる中空糸膜モジュール
は、被処理水を濾過する中空糸膜の束を備え、直立式で
ある限り、上述の例に限ることなく、その構成に制約は
無い。例えば、中空糸膜モジュール20の別の例とし
て、中空糸膜モジュール20よりは複雑な構成を備えた
図5に示すような中空糸膜モジュール120を挙げるこ
とができる。尚、図5に示す部品、部位のうち図2と同
じ機能を有するものには同じ符号を付し、その説明を省
略する。中空糸膜モジュール120は、中空糸膜モジュ
ール20のエンドプレート27に変えて、その上端部に
キャップ122で形成された上部モジュール集水室12
4を備え、更に上部モジュール集水室124からモジュ
ールの中央を下降して下部モジュール集水室28に連通
する連通管126を備えている。このような構成によ
り、濾過水が上部及び下部から集水されるので、被処理
水が各中空糸膜22を透過する時の透過水量が膜の長さ
方向に対して均一化する。また、中空糸膜モジュール1
20は、上部モジュール集水室124を中継して上方に
次々と中空糸膜モジュール120(但し、この場合、下
部の気泡導入機構を除く)を直列に接続して長いモジュ
ールを形成することもできる。
【0029】脱塩室18は、中空糸膜モジュール20の
集水管30の下方に設けられた整流板54と、その下方
に形成されたイオン交換層56と、脱塩室18の底壁に
設けられた処理水の送出口58とから構成されている。
整流板54は、目板状の板部材であって、濾過室16か
ら集水管30を経由して流入した水を整流し、かつ均一
に分散させるために設けられている。イオン交換層56
は、従来の脱塩装置で使用されている、それぞれ再生済
の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合樹脂を
所定量充填することにより形成されている。イオン交換
層56は、多数の穴を穿った鏡板状の支持板59と、支
持板59の各穴に取り付けられたグリッド部材61とか
らなる支持部材60により支持されている。グリッド部
材61は、水を通過させるがイオン交換樹脂を通過させ
ないサイズのスリットを多数有し、処理水はグリッド部
材61のスリットを通って脱塩室18下部に流下する。
尚、支持部材60により支持する代わりに、イオン交換
層56を脱塩室18の底壁で支持し、イオン交換層56
内に既知のリング状の集水機構を設け、その集水機構と
送出口58とを接続するようにしても良い。
【0030】図1中、62は濾過室16の上部に設けた
空気抜きノズル、63はスクラビング洗浄の際に導入し
た空気を排出する空気抜きノズル、64は濾過室16の
底部に設けたドレンノズル、66は脱塩室18の上部に
設けた空気抜きノズル、68はイオン交換樹脂の送入口
であって、整流板54の下方まで延在する内部パイプを
備え、70はイオン交換樹脂の取り出し口であって、イ
オン交換層56の下部に達する内部パイプを備え、及び
72は脱塩室18のドレンノズルである。尚、図1に示
すように、被処理水の導入口19、空気供給口44、空
気抜きノズル62、63、ドレンノズル64、空気抜き
ノズル66、イオン交換樹脂の送入口68、イオン交換
樹脂の取り出し口70及びドレンノズル72にはそれぞ
れ開閉弁が設けてある。また、74は被処理水を濾過室
16に流入する際に中空糸膜モジュール20に影響を与
えないようにする邪魔板である。尚、ドレンノズル72
を脱塩室18の底部に設ける代わりに送水口58からド
レンノズルを分岐しても良い。
【0031】実施例1では、以上の構成により、被処理
水は、導入口19から濾過室16に流入し、中空糸膜モ
ジュール20の外筒26を経て各中空糸膜22の外側か
ら内側に透過しつつクラッド等の懸濁物質が中空糸膜面
で捕捉される。透過水は、各中空糸膜モジュール20の
集水管30を経由して脱塩室18に流入し、整流板54
により整流、分散された後、イオン交換層56を流下し
て陽イオン及び陰イオンが除去され、送出口58より流
出して処理水として目的の場所に送水される。
【0032】以下に、簡単に装置10の運転方法を説明
する。装置10の運転開始の際には、先ず、所定量の再
生したイオン交換樹脂を水と混合して流動性を高めた上
で、イオン交換樹脂の送入口68から脱塩室18に送入
し、イオン交換層56を形成する。この時、空気抜きノ
ズル66を開放し、脱塩室18内の空気を抜き出しつつ
イオン交換樹脂の送入を行い、所定量のイオン交換樹脂
を送入した時点で上記ノズル66の開閉弁を閉止する。
次いで、空気抜きノズル62を開放して空気を抜き出し
つつ導入口19から濾過室16に被処理水を徐々に導入
する。空気抜きノズル62から被処理水が流出した時点
で、上記ノズル62の開閉弁を閉止し、処理水の送出口
58の開閉弁を開放して送水し始め、被処理水の濾過及
び脱塩処理を開始する。上述のような処理を継続するう
ちに、装置10内の中空糸膜22の外表面にクラッド等
の懸濁物質が捕捉され、圧力損失が大となった時点で、
先ず、処理水の送出口58および導入口19を閉止し、
次いで、濾過室16の空気抜きノズル63を開放すると
共に空気供給口44の開閉弁を開放して濾過室16内に
空気を導入し、洗浄機構34により中空糸膜22を洗浄
する。洗浄後、空気抜きノズル62を開放した後、ドレ
ンノズル64を開放してドレンを排出する。また、イオ
ン交換樹脂を再生又は交換する際には、イオン交換樹脂
の取り出し口70の開閉弁を開放してイオン交換樹脂を
塔外に流出させる。
【0033】実施例1は、脱塩室18上に濾過室16を
設けた複合型濾過脱塩装置として構成されているので、
所要設置面積は、従来の復水処理装置に比べて大幅に減
少できる。また、従来濾過塔と脱塩塔との2個必要であ
った竪型容器を一つの竪型容器に集約しているので、容
器自体のコスト、容器の基礎のコストを節減でき、また
濾過室と脱塩室とが近接しているので、それらを接続す
る配管等のコストも大幅に節減でき、更には、保守点検
も容易である。
【0034】実施例2 図3は本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例2の構
成を示す模式的断面図である。図3に示す本実施例の複
合型濾過脱塩装置(以下、簡単に装置と略称する)78
は、実施例1同様に、濾過装置と脱塩装置とを一つの竪
型容器内で上下に立体的に組み合わせて一つの装置にし
た複合型の水処理装置であって、例えば原子力発電所の
復水処理装置として好適に使用されるものである。図3
に示す部品のうち図1及び図2に示すものと同じものに
は同じ符号を付してその説明を省略する。装置78は、
以下に説明する構成以外は、竪型円筒形容器12の内部
を隔壁14により上下に分割してなる上方の濾過室16
と下方の脱塩室18とを備えている点で装置10と同様
であって、特に脱塩室18の構成は実施例1と実質的に
同じである。
【0035】本実施例では、図2に示すように、濾過室
16の上部は、水平な板状の第2の隔壁80により仕切
られ、中空糸膜モジュール84を透過した透過水を集水
する透過水集水室82を構成している。第2の隔壁80
には中空糸膜モジュール84の上端が常用の取り付け座
(図示せず)により着脱自在に固定されて、それによっ
て吊り下げた形で中空糸膜モジュール84が支持されて
いる。中空糸膜モジュール84は、図2において、第1
には上端のエンドプレート27が取り外され、その代わ
りに下端の接着剤固着部24Bの下にエンドプレートが
取り付けてあり、それによって透過水は上端から流出す
ること、第2にはモジュール集水室28及び集水管30
が不要であることを除いて、図2に示す中空糸膜モジュ
ール20と同じ構成である。即ち、中空糸膜モジュール
84の下端は、スカート32と下端エンドプレートで区
画された集泡室46、及び空気導入孔50等からなる気
泡導入機構のみを備えている。尚、図5に示した中空糸
膜モジュール120を一部改変して中空糸膜モジュール
84と同様に使用することもできる。
【0036】本実施例の洗浄機構34は、図3に示すよ
うに、隔壁14上に設けられた仕切り板36と隔壁14
とにより形成された空気室38と、仕切り板36の貫通
孔の開口縁部から垂下する円筒部40と、円筒部40の
周方向に多数設けられた細孔又はスリット42と、空気
室38の容器壁に設けられた空気供給口44とから構成
され、かつ円筒部40は中空糸膜モジュール84のスカ
ート32の内側に位置している。このような構成によ
り、空気供給口44を経て空気室38に導入された空気
は、円筒部40により上昇が阻止されて空気室38の上
部に滞留し、細孔42から気泡となって円筒部40内を
上昇する。上昇した気泡は、中空糸膜モジュール84の
集泡室46及び空気導入孔50を経て、中空糸膜22の
間に導入される。その後、気泡は、分散して各中空糸膜
22の膜近傍に上昇し、その付近の水を攪拌することに
より各中空糸膜22を振動させ、中空糸膜22に付着し
たクラッド等の汚染物を払い落として中空糸膜22の機
能を回復させる。
【0037】各中空糸膜モジュール84の上端が固定さ
れる第2の隔壁80の部分にはそれぞれ貫通孔88が設
けてあり、各中空糸膜モジュール84は、貫通孔88を
介して中空糸膜22の内側で透過水集水室82と連通し
ている。また、透過水集水室82と脱塩室18とを連通
させるように、少なくとも1本の連通管90が第2の隔
壁80から濾過室16を貫通して隔壁14まで設けて
る。 また、濾過室16の空気抜きノズル62が第2の隔
壁80の直下に設けられ、透過水集水室82の頂部壁に
はそれぞれ空気抜きノズル92及び透過水の送出口94
が設けてある。尚、集水室82の空気抜きノズル92は
集水室82の頂部壁に設ける代わりに透過水の送出口9
4から分岐しても良い。
【0038】実施例2では、以上の構成により、被処理
水は、導入口19から濾過室16に流入し、中空糸膜モ
ジュール84の外筒26を経て各中空糸膜22の外側か
ら内側に透過しつつクラッド等の懸濁物質が中空糸膜面
で捕捉される。透過水は、各中空糸膜モジュール20の
上端部から貫通孔88を経由して透過水集水室82に入
り、更に、連通管90を経由して脱塩室18に流入す
る。脱塩室18では、整流板54により整流、分散され
た後、イオン交換層56を流下して陽イオン及び陰イオ
ンが除去され、送出口58より流出して処理水として目
的の場所に送水される。
【0039】実施例2の装置78の運転は、実施例1の
装置10の運転方法に準じて行われるが、本実施例では
脱塩室18の処理水の送出口58を閉止することにより
脱塩室18をバイパスして、濾過室16で得た透過水を
直接透過水の送出口94から外部に送水することができ
る。このような脱塩室18のバイパス運転は、発電所の
運転起動時、水等でフラッシング(洗浄操作)して本実
施例の装置78を含む復水システムを清浄にする準備運
転を行う際に特に必要となる。それは、発電所起動当
初、復水器の真空度が上昇しないケースがあり、そのた
め、空気中の二酸化炭素等のイオン性不純物が大量に復
水中に混入し、脱塩室18内のイオン交換樹脂のイオン
交換容量を消費してしまうからである。従って、復水器
の真空度が上昇するまでは脱塩室18をバイパスし、真
空度が充分に上昇した後にバイパス運転を中止して脱塩
室18に送水する運転を行う事により、イオン交換樹脂
の能力を無駄なく利用することができるからである。実
施例2は、前述した実施例1と同様の効果を奏し、また
中空糸膜モジュール84の構成が実施例1の中空糸膜モ
ジュール20に比べて比較的簡易である。
【0040】実施例3 図4は本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例3の構
成を示す模式的断面図である。図4に示す本実施例の複
合型濾過脱塩装置(以下、簡単に装置と略称する)10
0は、実施例1と実施例2とを組み合わせたような複合
型濾過脱塩装置であって、例えば原子力発電所の復水処
理装置として好適に使用されるものである。図4に示す
部品のうち図1から図3に示すものと同じものには同じ
符号を付してその説明を省略する。装置100で使用す
る中空糸膜モジュール102は、図2において、上端の
エンドプレート27が取り外され、各中空糸膜22の中
空部が上端で開放されていることを除いて、中空糸膜モ
ジュール20と同じ構成である。このような構成の中空
糸膜モジュール102を使用することにより、濾過室1
6の上部は、透過水集水室82を含めて実施例2と同じ
構成になっており、濾過室16の下部は実施例1と同じ
構成になっている。また、脱塩室18の構成は、実施例
1及び実施例2と実質的に同じである。
【0041】実施例3では、以上の構成により、被処理
水は、導入口19から濾過室16に流入し、中空糸膜モ
ジュール102の外筒26を経て各中空糸膜22の外側
から内側に透過しつつクラッド等の懸濁物質が中空糸膜
面で捕捉される。透過水の一部は、各中空糸膜モジュー
ル20の上端部から貫通孔88を経由して透過水集水室
82に入り、更に連通管90を経由して脱塩室18に流
入し、透過水の残りは、集水管30を経由して各中空糸
膜モジュール20の下端部から脱塩室18に流入する。
脱塩室18では、整流板54により整流、分散された
後、イオン交換層56を流下して陽イオン及び陰イオン
が除去され、送出口58より流出して処理水として目的
の場所に送水される。
【0042】実施例3では、以上のように、透過水が中
空糸膜モジュール102の上端部及び下端部より流出す
るので、被処理水が中空糸膜モジュール102の各中空
糸膜22を透過する時の透過水量が膜の長さ方向に対し
て均一化する。従って、中空糸膜モジュール102の1
本当たりの透過水の透過流量が大きくなるので、実施例
3は、実施例1及び2に比べて、同じ本数の中空糸膜モ
ジュールであれば濾過流量が大きくなり、被処理水が同
じ流量であれば中空糸膜モジュールの本数を減少でき
る。尚、装置100の運転は、実施例1及び2に準じて
行われる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、竪型容器の内部を隔壁
により上下に分割して形成された上方の濾過室と下方の
脱塩室とで水処理装置を構成し、濾過室には中空糸膜の
内側で脱塩室と連通するように中空糸膜モジュールを配
設し、脱塩室にはイオン交換材を充填してなるイオン交
換層を形成することにより、濾過装置と脱塩装置とが一
つの容器に一体的に集約されたコンパクトな水処理装置
を実現している。また、従来の装置に比べて容器の数が
大幅に削減され、しかも濾過装置と脱塩装置とが近接し
ているので、保守点検が容易であり、従来の水処理装置
に比べて所要設置面積を大幅に削減でき、また容器自体
のコスト及び容器基礎、配管、弁等の設備に関連するコ
ストを低減できる。以上のように、本発明に係る複合型
濾過脱塩装置は、復水の処理、特に原子力発電所等の復
水の処理に好適な水処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例1の
構成を示す概略断面図である。
【図2】図1の実施例で使用する中空糸膜モジュールの
概略断面図である。
【図3】本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例2の
構成を示す概略断面図である。
【図4】本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例3の
構成を示す概略断面図である。
【図5】中空糸膜モジュールの別の例の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
10 本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例1 12 竪型円筒形容器 14 隔壁 16 濾過室 18 脱塩室 19 導入口 20 中空糸膜モジュール 22 中空糸膜 24 接着剤固着部 25 外筒の貫通孔 26 外筒 27 エンドプレート 28 モジュール集水室 30 集水管 31 集水管の上端鍔板 32 スカート 33 貫通孔 34 洗浄機構 36 仕切り板 38 空気室 40 円筒部 42 細孔又はノズル 44 空気供給口 46 集泡室 50 空気導入孔 54 整流板 56 イオン交換層 58 送出口 60 支持部材 62、63、66、92 空気抜きノズル 64、72 ドレンノズル 68 イオン交換樹脂の送入口 70 イオン交換樹脂の取り出し口 74 邪魔板 78 本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例2 80 第2の隔壁 82 透過水集水室 84 実施例2で使用する中空糸膜モジュール 86 仕切り板 88 貫通孔 90 連通管 94 送出口 100 本発明に係る複合型濾過脱塩装置の実施例3 102 実施例3で使用する中空糸膜モジュール 120 中空糸膜モジュールの別の例 122 キャップ 124 上部モジュール集水室 126 連通管
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G21F 9/06 511 G21F 9/06 511F ZAB ZAB (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/44 B01D 63/02 B01J 47/02 G21D 1/02 G21F 9/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型容器の内部を隔壁により上下に分割
    して形成された上方の濾過室と下方の脱塩室とを備え、 濾過室には中空糸膜モジュールが中空糸膜の内側で脱塩
    室と連通するように配設され、脱塩室にはイオン交換材
    を充填してなるイオン交換層が形成され、被処理水の導
    入口が濾過室の容器壁に、濾過及び脱塩処理された処理
    水の送出口が脱塩室の容器壁にそれぞれ設けられ、濾過室に配設された中空糸膜モジュールは、閉止された
    上端部と開放された下端部とを備え、かつ隔壁に設けら
    れた貫通孔を介して中空糸膜の内側で脱塩室に連通する
    ように下端部で隔壁に着脱自在に固定されて、直立し、 濾過室に導入した被処理水を各中空糸膜の外側から内側
    に透過させ、更に透過水を脱塩室に導いてイオン交換層
    を上方から下方に流下させ、処理水を送出口から外部に
    流出させるようにしたことを特徴とする複合型濾過脱塩
    装置。
  2. 【請求項2】 竪型容器の内部を隔壁により上下に分割
    して形成された上方の濾過室と下方の脱塩室とを備え、 濾過室には中空糸膜モジュールが中空糸膜の内側で脱塩
    室と連通するように配設され、脱塩室にはイオン交換材
    を充填してなるイオン交換層が形成され、被処理水の導
    入口が濾過室の容器壁に、濾過及び脱塩処理された処理
    水の送出口が脱塩室の容器壁にそれぞれ設けられ、 濾過室の上部が、竪型容器の横断方向に延びる第2の隔
    壁により透過水の集水室として区画され、 過室に配設された中空糸膜モジュールは、開放された
    上端部と閉止された下端部とを備え、かつ第2の隔壁に
    設けられた貫通孔を介して中空糸膜の内側で集水室に連
    通するように上端部で第2の隔壁に着脱自在に固定さ
    れ、吊り下げられ、集水室と脱塩室とは、隔壁と第2の隔壁とで区画された
    室を貫通して配設された連通管を介して連通し、 濾過室に導入した被処理水を各中空糸膜の外側から内側
    に透過させて集水室に透過水を集水し、更に連通管を介
    して脱塩室に導いてイオン交換層を上方から下 方に流下
    させ、処理水を送出口から外部に流出させるようにした
    ことを特徴とする複合型濾過脱塩装置。
  3. 【請求項3】 竪型容器の内部を隔壁により上下に分割
    して形成された上方の濾過室と下方の脱塩室とを備え、 濾過室には中空糸膜モジュールが中空糸膜の内側で脱塩
    室と連通するように配設され、脱塩室にはイオン交換材
    を充填してなるイオン交換層が形成され、被処理水の導
    入口が濾過室の容器壁に、濾過及び脱塩処理された処理
    水の送出口が脱塩室の容器壁にそれぞれ設けられ、 濾過室の上部が、竪型容器の横断方向に延びる第2の隔
    壁により透過水の集水室として区画され、 過室に配設された中空糸膜モジュールは、開放された
    両端部を備え、かつ隔壁及び第2の隔壁にそれぞれ設け
    られた貫通孔を介して中空糸膜の内側で脱塩室及び集水
    室に連通するように上端部及び下端部で隔壁及び第2の
    隔壁にそれぞれ着脱自在に固定され、濾過室に導入した被処理水を各中空糸膜の外側から内側
    に透過させ、透過水の一部を直接脱塩室に導き、更に透
    過水の残りを集水室に集水して連通管を介して脱塩室に
    導いて、イオン交換層を上方から下方に流下させ、処理
    水を送出口から外部に流出させるようにしたことを特徴
    とする 複合型濾過脱塩装置。
  4. 【請求項4】 集水室と脱塩室とは、隔壁と第2隔壁と
    で区画された室を貫通して配設された連通管を介して連
    通していることを特徴とする請求項に記載の複合型濾
    過脱塩装置。
  5. 【請求項5】 集水室に第2の送出口を、かつ脱塩室の
    送出口に閉止弁を設け、脱塩室の送出口を閉止すること
    により透過水を第2の送出口から送出するようにしたこ
    とを特徴とする請求項2から4のうちのいずれか1項に
    記載の複合型濾過脱塩装置。
  6. 【請求項6】 気体を導入して水中に気泡を発生させ、
    発生した気泡を各中空糸膜の外表面近傍に分散させるよ
    うにした洗浄機構を中空糸膜モジュールの下方の濾過室
    内に備え、各中空糸膜の外表面近傍に分散された気泡に
    より水を攪拌して中空糸膜外表面に付着した汚染物を剥
    離するようにしたことを特徴とする請求項1からのう
    ちのいずれか1項に記載の複合型濾過脱塩装置。
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