JP3212590B1 - 調湿建材 - Google Patents

調湿建材

Info

Publication number
JP3212590B1
JP3212590B1 JP2000202842A JP2000202842A JP3212590B1 JP 3212590 B1 JP3212590 B1 JP 3212590B1 JP 2000202842 A JP2000202842 A JP 2000202842A JP 2000202842 A JP2000202842 A JP 2000202842A JP 3212590 B1 JP3212590 B1 JP 3212590B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
humidity control
pigment
building material
control building
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000202842A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002029804A (ja
Inventor
敏史 寺村
紀文 井須
憲次 稲垣
克己 平林
雅司 坂下
Original Assignee
クリオン株式会社
株式会社建材技術研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クリオン株式会社, 株式会社建材技術研究所 filed Critical クリオン株式会社
Priority to JP2000202842A priority Critical patent/JP3212590B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3212590B1 publication Critical patent/JP3212590B1/ja
Publication of JP2002029804A publication Critical patent/JP2002029804A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/54Pigments; Dyes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00241Physical properties of the materials not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/20Resistance against chemical, physical or biological attack
    • C04B2111/28Fire resistance, i.e. materials resistant to accidental fires or high temperatures

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Building Environments (AREA)
  • Drying Of Gases (AREA)
  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 湿気の吸放湿性、透湿性に優れ、かつ、意匠
性にも優れる調湿建材を提供する。 【解決手段】 本発明の調湿建材は、主成分が炭酸カル
シウムと非晶質シリカである成形体を炭酸硬化反応によ
って製造され、窒素ガス吸着法によるその比表面積が8
0〜250m/g、平均細孔直径が1.5〜30.0
nmであり、かつ、顔料が添加された着色部を有する。
その着色部には、顔料が着色部の総重量に対して2.0
重量%以下含まれる。製造に際しては、色彩がL
h表色系でLが60以上の明度を有する珪酸カルシウ
ム水和物の粉末に、平均粒径0.1〜2.0μmの顔料
を混合した湿潤粉体をプレス成形して炭酸ガスで養生し
て硬化させることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に不燃性に優れ
た無機系で、室内の湿度を調整する機能を持つ調湿建材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から調湿性のある建築材として、一
般に炭酸カルシウムを主成分としたしっくいがある。し
っくいは調湿建材として古くから使用されているが、実
際は吸放湿量が少ない。そして、乾燥収縮によるクラッ
クを防止するために、厚くしたり、例えばすさ等の補強
繊維を多量に混入する必要がある。しかし、厚くすると
吸放湿量は増えるが透湿性が落ちるという問題があり、
調湿性能は上がらない。
【0003】このしっくいの調湿性を改善した材料とし
て、非晶質シリカを含む珪藻土を内添したしっくいや、
非晶質シリカを含む珪藻土を内添したセメント板がある
が、珪藻土がしっくいやセメントのアルカリ成分によっ
て変質し、本来珪藻土が持っている高い比表面積を低下
させてしまい、十分に調湿効果がでない。
【0004】さらに、建材としては、一般的に強度、寸
法安定性や不燃性が求められるが、前述の材料は重量が
ある割に強度が低い。つまり比強度が低い。また、吸水
による長さ変化率が大きく、クラックが発生したり寸法
安定性に劣る。そして、クラック防止のために、すさ等
を多量に混入すると不燃性が下がる等の問題がある。
【0005】また、湿度の急な変化に対して応答するた
めには、高い透湿性と共に、その材料が調湿したい空間
に接触している必要がある。例えば、住宅室内の調湿を
する場合には内装材として使用することが好ましく、そ
うすると意匠性も重要となる。建材の意匠用の着色に
は、大きく2つの方法がある。ひとつは、表面を塗装・
印刷する方法であり、もうひとつは、原料に顔料を含有
させて製造する方法である。前者の方法は、顔料の使用
量が少ない利点があるが、意匠的に奥行き感が無く、塗
装の種類または仕方によっては、表層部の透湿性が失わ
れ、調湿効果が激減してしまう。また、施工の際に切断
・面取りすることによって表層が削り取られて無着色の
下地が露出してしまうなどの欠点がある。一方、後者の
方法では、彩色に影響なく切断加工ができる利点がある
ものの、前者の方法に比して顔料が多く必要となる欠点
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題を解決し、湿気の吸放湿量、透湿性に優れ、かつ
建材として使用できる十分な強度を備えると共に、意匠
性にも優れた不燃性の調湿建材を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の調湿建
材は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であっ
て、主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカである成形
体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法によるそ
の比表面積が80〜250m /g、平均細孔直径が
1.5〜30.0nmであり、かつ、顔料が添加された
着色部を有し、その着色部には平均粒径2.0μm以下
の顔料が着色部の総重量に対して2.0重量%以下含ま
れているところに特徴を有する。また、この調湿建材
は、主成分が珪酸カルシウム水和物の粉末100重量部
に対し、平均粒径2.0μm以下の顔料2.4重量部以
下を混合した湿潤粉体をプレス成形し、これを炭酸ガス
で養生して硬化させることで製造することができる。
【0008】人間が快適に生活していくための相対湿度
条件は、一般に40〜70%の間がよいといわれてい
る。室内湿度をその間に保つためには、その範囲におい
てすぐれた調湿能力を発揮する調湿建材が適している。
また、調湿材とは、表面物理の観点からみた場合、高湿
度雰囲気では材料が持つ毛細管により空気中の水蒸気を
吸着し、低湿度雰囲気では吸着された水分を空気中に放
出する能力が高い材料であるといえる。
【0009】では実際にどのような材料が優れた調湿建
材となり得るかについて鋭意研究した結果、発明者ら
は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であって主
成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカからなるものにお
いては、平均細孔直径及び比表面積が調湿性能に大きく
影響することを見い出した。
【0010】すなわち、調湿は材料内部にある微細空隙
壁に水蒸気が吸着・離脱することによって行われるた
め、微細な細孔を持ち、かつ、比表面積の大きな材料ほ
ど吸放湿量が高い。しかし、細孔径が極端に小さい場合
には、水蒸気の離脱が困難になり吸湿はするが放湿しな
い状態になるので、比表面積が80〜250m/gで
あって、平均細孔直径を1.5〜30.0nmの範囲と
することが最適である。
【0011】さらに、内装材として使用する際の意匠性
を高めるため、本発明では、上述のように製造されてい
る成形体が着色部を有するようにし、その着色部に平均
粒径2.0μm以下の顔料を着色部の総重量に対して
2.0重量%以下含有させている。
【0012】一般的に無機系材料で使用されている顔料
は平均粒径10μm以上であるが、このような顔料を使
用すると大量に添加する必要がある。顔料の大量添加
は、材料自身の強度および調湿性の低下を招き、また表
面の「こすれ」で容易に色が落ち衣服等を汚すことにな
るので好ましくない。これに対して上述のように、平均
粒径2.0μm以下の顔料を使用すると、少量の添加で
よく発色し、強度や調湿性の低下がなく、しかも表面の
こすれで色が落ちることがない。なお、このような粒径
の顔料は、樹脂用の顔料として入手することができる
が、その平均粒径は0.1〜2.0μmの範囲にある。
その他、水性ボールペン用の顔料はさらに細かく0.0
5μm程度である。したがって、工業的に容易に入手で
きる範囲として平均粒径0.05〜2.0μmの顔料で
あることが好ましい。顔料の種類としては、無機系・有
機系のどちらでも良いが、退色等の劣化のしにくさから
無機系顔料のほうが好ましい。また、顔料の色について
も限定はない。
【0013】なお、成形体全体が着色部となってもよい
し、表面から所定厚さだけを着色部としてもよい。表面
のみを着色部とする場合には、例えば表面から0.5m
m程度の深さ以上を確保することが好ましい。これによ
り、調湿建材として使用されるときに表面の角部を面取
り加工したり、切断加工したりしても、未着色の下地が
露出してしまって商品性を損なうことを防止できるから
である。
【0014】また、成形体が上述のような比表面積及び
平均細孔直径を有するようにするには、成形体組成を炭
酸カルシウムが15%〜65%、非晶質シリカが15%
〜45%、および骨材及び多孔質材の一方又は双方が含
まれる構成とすれば良い。さらに、炭酸カルシウム中に
はバテライトが含まれることが好ましい。これらの組成
とすることにより、全体として数nmの微細孔を持つ比
表面積の非常に大きな材料となる。
【0015】なお、前記成形体には骨材及び多孔質材の
一方又は双方を60%以下含むことができ、多孔質材が
60%以下であれば、十分な比強度を保ちながら調湿性
能をあげることができる。また、骨材が60%以下かつ
骨材の平均粒径を10μm以上とすることにより、JI
S A5430に示される、吸水による長さ変化率を
0.25%以下とすることができ、寸法安定性にも優れ
た特徴を持つこともできる。吸水による長さ変化率はJ
IS A5430に示されるように0.25%以下が望
ましいといえるからである。ここで骨材には、珪石粉
末、長石粉末、雲母、人工軽量骨材等を用いることがで
き、また、多孔質材には、アルミナ珪酸塩類を含むもの
や軽石やバルン状充填材等を用いることができる。ま
た、本調湿建材の主成分である炭酸カルシウムは、70
0℃以上の高温で加熱されると吸熱反応を起こして二酸
化炭素と酸化カルシウムに解離するから、本発明の調湿
建材は不燃性に優れる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の調湿建材の出発原料は、
トバモライト、ゾノトライト、CSHゲルなどの珪酸カ
ルシウム水和物を主成分とする粉粒体、例えば、石灰質
原料粉末と珪酸質原料粉末を用い、それを任意のカルシ
ウムとシリカ成分のモル比率(CaO/SiO)とな
るように調合したスラリーをサスペンション型(スラリ
ー状態のまま)またはモールド型(型枠成形)で水和反
応またはオートクレーブ反応を行うことで生成すること
ができる。
【0017】石灰質原料粉末として普通セメント、早強
セメント等のポルトランドセメント、消石灰、生石灰等
の一種または2種以上の混合物が使用できる。また、珪
酸質原料粉末としては、珪砂、珪石粉末、石炭灰、シリ
カゲル、クリストバライト、珪藻土等の一種または2種
以上の混合物が使用できる。
【0018】なお、上記珪酸カルシウム水和物の化学組
成と調合したCaO/SiOモル比率の差によって未
反応のケイ酸質物質が残存する場合、このケイ酸質物質
は骨材となる。残った骨材の平均直径は10μm〜3m
mが望ましい。この反応物を脱水あるいは粉砕によって
珪酸カルシウム水和物の粉粒体を生成する。その他珪酸
カルシウム水和物の粉粒体としては、軽量気泡コンクリ
ート粉末、窯業系サイジング等のセメント系二次製品の
破砕品、コンクリート廃材、セメントスラッジなどが使
用できる。一方、珪酸カルシウムを主成分とする材料と
しては、普通・早強・白色等のポルトランドセメント、
γ−CS、ウォラストナイトなどがある。これらの粉
粒体の1種あるいは2種以上の混合物を使用する。
【0019】この珪酸カルシウム水和物または/および
珪酸カルシウムの粉粒体は、原料の種類によって色彩が
変わるが、本発明ではLh表色系でL=60以
上の明度を有していると顔料自身の発色がよく望まし
い。(Lh表色系のLは明度、Cは彩度、h
は色相角度を表す。) この粉粒体に平均粒径2.0μm以下の顔料を混合す
る。顔料は、1種または2種以上の色のものが利用でき
る。混合は、均一にしてもグラデーション風の模様を施
すために不均一にしても構わないが、顔料自身の凝集体
(ダマ)がないように混合することが好ましい。顔料の
凝集体が表面に露出した場合、簡単に取れてしまい手や
衣服を汚してしまうからである。凝集体を生成しないよ
うに混合するには、珪酸カルシウム粉粒体と顔料とを粉
体状態で混合するのが好ましい。顔料の添加量は、他の
固体原料100重量部に対し、2.4重量部以下とす
る。後で延べる炭酸ガスの養生によって炭酸ガスが材料
中のカルシウムと反応し固定化されるため、結果として
材料の重量が増加する。そのため、製造された成形体中
の顔料含有量は製造時に入れた添加量より数値的に少な
くなる。例えば、カルシウムとシリカ成分のモル比率で
1.16になるように調合し水熱合成した珪酸カルシウ
ム水和物を利用した場合、炭酸ガス養生によって材料重
量は固体原料の重量のおよそ1.2倍になる(材料中に
炭酸カルシウムが65%生成する)。このとき、原料に
2.4重量部の顔料を混合したとすると、顔料自身の重
量変化はないので、調湿建材の中には2重量パーセント
の含有量となる。
【0020】原料の混合の際に、水、骨材、補強繊維等
を混合してもよい。水の混合は、主に次工程の加圧成形
の効率を向上させるために添加する。一軸プレスによる
成型では湿式・乾式ともに適用できるが、湿式プレスで
は水とともに顔料が流れ出したり、移動して色むらが生
じてしまうため不向きである。乾式プレスにおいても、
成型助剤として水分を添加することが出来る。この場合
には、加圧中に水が材料から流れ出さないようにすべき
である。その水量は珪酸カルシウム系原料の性状によっ
て異なる。例えば、サスペンションで合成したCSHゲ
ルの場合、含水量は固形分の60%以下、軽量気泡コン
クリート粉末の場合は55%以下、ケイカル板の破砕品
では40%以下、γ―CSでは30%以下が好まし
い。
【0021】骨材と多孔質材の両方またはどちらか一方
を必要に応じて60%以下混入しても良い。混入できる
骨材は例えば珪石粉末、長石粉末、雲母、人工軽量骨材
などがあり、その場合の平均粒径も10μm〜3mmが
望ましい。多孔質材は例えばアルミナ珪酸塩類を含むも
のや軽石やバルン状充填材等がある。なお、骨材と多孔
質材の添加は、反応前または、後述する加圧成形前でも
良い。それを水和反応もしくはオートクレーブ反応で、
珪酸カルシウム系の水和物を生成する。例えば180℃
ではその主成分がトバモライトであり、余剰な珪酸質原
料が骨材となる粉末が合成できる。他に0.1〜5.0
%の補強繊維、または/および0.01〜5%のVOC
(揮発性有機化合物)の吸着剤を混入しても良い。さら
に、材料の強度を増加させる目的で普通、早強、中庸
熱、白色などのポルトランドセメントやγ−CSを炭
酸化後材料の炭酸カルシウム含有量が65%を越えない
ように混入してもよい。なお、ポルトランドセメントを
使用する場合には、そのセメントの一部または全部が水
和反応したものでも構わない。これを、プレス機を使用
して板状に加圧成形を行う。加圧力は5〜30MPaが
望ましい。
【0022】次に、これを炭酸ガスを使用して密閉容器
内で反応硬化させる。反応条件は、温度が0〜100
℃、炭酸ガス濃度2〜100%が工業的には好ましい
が、例えば燃焼時に発生する排気ガス中の炭酸ガス等も
使用できる。炭酸硬化反応により、珪酸カルシウム(水
和物)中のカルシウム成分が炭酸カルシウムとなり抜け
だし、細孔を多数有する非晶質シリカができる。また、
トバモライトを原料として使用すると炭酸カルシウム
は、その主成分がカルサイトだけではなく、微細なバテ
ライトも生成する。これらの生成物により数nmの微細
孔を持つ表面積の非常に大きな材料となる。
【0023】なお、製造にはトバモライトの他に、ゾノ
トライトやCSH等の珪酸カルシウム系の水和物または
それらを主成分とする廃材が使用できる。また、この材
料は十分な比強度をもつため調湿性のある建材として利
用できる。そして、前記の主成分の比率は炭酸カルシウ
ムが15%〜65%、非晶質シリカが15%〜45%で
あることが望ましい。また、骨材と多孔質材の両方また
はどちらか一方が60%以下含まれ、骨材の平均粒径が
10μm以上であることが望ましい。
【0024】また、調湿性能のパラメーターとしては、
吸放湿量の他にも、周囲の湿度変化に対する応答性も重
要なファクターである。その因子は湿気伝導率で評価で
きる。湿気伝導率が高い材料は、湿度変化に対するレス
ポンスが速く、調湿建材としては好ましい。ただし、湿
気伝導率が高すぎる材料は一般に連続した空隙が多く、
密度が低くなるため、吸放湿量および強度が低くなるも
のが多い。
【0025】本実施形態の調湿建材は、湿気伝導率が8
ng/(m・s・Pa)以上あり湿度変化に対するレス
ポンスが良い。図1に本実施形態に係る調湿建材の細孔
径分布の一例を示すが、平均細孔径の両側にそれぞれピ
ークを持つことが特徴であり、平均より小さい細孔径が
比表面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率を大き
くする働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が得られ
る。
【0026】また、本実施形態の調湿建材の一例につい
て、実際の湿度変化雰囲気での評価として、25℃の一
定温度条件で湿度70%、30%を24時間づつ保持す
る48時間1サイクルの試験を行い、材料の重量変化を
測定し、単位面積当たりの吸放湿量を測定したところ、
単位面積当たり80g/m以上あり吸放湿量が大き
い。
【0027】例えば0.3m幅×0.6m長さ×0.0
06m厚さの建材で、0.3m幅を片持ちはりとした場
合の最大引っ張り応力から計算すると、曲げ強度(kg
/m )/かさ密度(kg/m)で算出される比強度
が約180m必要であるが、この調湿建材はそれ以上の
比強度を有するため強度的にも十分である。なお、かさ
密度は500〜2000Kg/m程度が望ましい。
【0028】
【実施例1】石灰質原料として消石灰試薬粉末と珪酸質
原料として石英片岩の珪石粉末(愛知県大和田産)を使
い、CaO/SiOが0.25となるように粉体を調
整した。それをオートクレーブで、180℃の温度条件
で4時間トバモライトの合成を行った。できた粉体に表
1に示す所定の含有量になるように顔料を添加し、ヘン
シルミキサーによって均一に混合したものを、プレス成
型機を用いて成形圧力を20MPaで、300mm×3
00mm×12mm厚さの板を成形した。これらのプレ
ス成形体を市販の炭酸ガスで炭酸硬化させることにより
調湿建材を得た。炭酸カルシウム、非晶質シリカ、骨材
成分の分析、および骨材粒径は、顔料を添加せずに作成
した比較例1の成形体とほぼ同じであると判断した。
【0029】次に比表面積と平均細孔直径を窒素吸着
法、具体的には、マイクロメリテックス アサップ 2
400(株式会社島津製作所製)を用い測定した。次に
JIS A1324に準ずる方法により、湿気伝導率を
測定した。次に吸放湿量を測定するために、一定温度の
元で湿度変化を一定間隔で繰り返す試験を以下の通り行
った。まず材料を、300mm角面を1面だけ調湿作用
するように、他の5面をアルミニウムフィルムで防湿処
理を行った。これを環境試験器内で25℃の一定温度
で、湿度を30%に保ち試験体重量変動がなくなるまで
放置した。
【0030】次に湿度を70%へ変更し24時間保持し
湿度上昇時の吸湿による重量変化を測定し、その後30
%へ変更し24時間保持し湿度低下による放湿時の重量
変化を測定する48時間1サイクルの試験を行い、試験
体の単位面積当たりの吸放湿量を測定した。なお、吸放
湿量は次の式で求めた。 吸放湿量=((吸湿時の重量変化+放湿時の重量変化)
/2)/試験体面積 次に材料を100mm×25mm×12mm(厚さ)に
加工し、そのかさ密度と曲げ強度を測定し、比強度を算
出した。さらに、材料表面の色彩を色彩計(株式会社ミ
ノルタ製CR−200)でLhを測定した。以上
の評価方法に従って得られた結果を表1に示す。なお、
平均粒径1.2μmの黄色顔料と平均粒径0.16μm
の茶色顔料との2種類の顔料を使用したそれぞれの材料
において、比表面積、平均細孔直径、吸放質量、湿気伝
導率、曲げ強度、嵩密度、比強度の測定結果は、顔料の
含有量に関わらずもほぼ同じ値を示した。これにより、
この程度の顔料添加量では、比表面積や平均細孔直径等
の調湿建材としての基本的物性に影響を与えないことが
判明したので、平均粒径0.9μmの黄色顔料及び平均
粒径1.1μmの緑色顔料を添加した材料については、
その比表面積や細孔直径等のデータは測定を省略した。
また、平均粒径が20μm又は30μmの顔料を添加し
た調湿建材(比較例2)にあっては、顔料粒子が大きい
ために表面を擦ると色移りを起こし、建材として不適切
であるので、比表面積等の物性を測定していない。な
お、図1に実施例1に係る調湿建材の細孔径の分布図を
示すが、平均細孔径9.5nmの両側にそれぞれピーク
を持つことが特徴であり、平均より小さい細孔径が比表
面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率を大きくす
る働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が得られた。
【表1】
【0031】
【比較例1】実施例1と同じ製造方法であるが、顔料を
一切含有しないで炭酸硬化成形体を生成した。成分の分
析は、炭酸カルシウムは、試料を6Nの塩酸で溶解し
て、発生する炭酸ガス量から計算した。非晶質シリカ
は、2Nの水酸化ナトリウムで溶解した量から計算し
た。骨材は、まず、試料を6Nの塩酸で溶解した後、溶
解液をろ過し温水で十分洗浄する。次に、ろ紙上に残っ
たものを2Nの水酸化ナトリウムで溶解し、塩酸で中和
した後ろ過し温水で十分洗浄する。最後にろ紙上に残っ
たものが骨材であるのでこれを定量した。この分析方法
により、本材料中の炭酸カルシウムが29%、非晶質シ
リカが21%、骨材が49%であることが判明した。な
お、骨材の平均粒径は、SALD−2000粒度分布測
定装置(株式会社島津製作所製)を用いて粒度分布を測
定し、平均粒径が68μmであることを求めた。また、
JIS A5430に準ずる方法で、吸水による長さ変
化率を測定したところ0.14%であった。
【0032】比表面積、平均細孔直径、湿気伝導率、吸
放湿量、かさ密度、および曲げ強度は実施例1と同じよ
うに測定した。この結果は表1に示す。細孔径の分布図
は図1に示すものと同様であった。
【0033】
【比較例2】実施例1と同じような製造方法で炭酸硬化
体を生成するが、含有する顔料の平均粒径を20μmの
ものを使用した場合の各種測定結果を表1に示す。
【0034】実施例1において、比表面積が80〜25
0m/g、平均細孔直径が1.5〜30.0nmとな
るため、湿気伝導率が9.0ng/(m・s・Pa)以
上あり、吸放湿量が80g/m以上となり調湿性能が
高く、比強度も180m以上を満足する十分な強度があ
る調湿建材が得られた。また、Lh表示の彩度を
表すC値から明らかなように、平均粒径2.0〜0.
1μmの範囲の顔料を使用することで添加量が少量でも
鮮やかな色彩を付加することができ、意匠性に優れる調
湿建材が得られた。
【0035】
【発明の効果】上述のように、本発明により、優れた調
湿性を持ち、強度も十分ある不燃性に優れた調湿建材が
得られ、また、顔料による着色部を有するから、意匠性
に優れる。しかも、少量の顔料によって発色させること
ができるから、切断や面取り加工によっても彩色が失わ
れることなく、かつ、表面の「こすれ」で色が落ちて衣
服等を汚すこともない、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における細孔径分布を示すグ
ラフである。
フロントページの続き (72)発明者 稲垣 憲次 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株 式会社建材技術研究所内 (72)発明者 平林 克己 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株 式会社建材技術研究所内 (72)発明者 坂下 雅司 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株 式会社建材技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−238801(JP,A) 特開 平4−187553(JP,A) 特開 平7−284628(JP,A) 特開 平8−81284(JP,A) 特開 平7−25679(JP,A) 日本コンクリート工学協会編「コンク リート便覧」51年6月1日 技報堂発行 255−256頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/18 - 28/22 C04B 40/02 B01D 53/28 E04B 1/64 C04B 28/00 C04B 28/10 C04B 12/00 C04B 14/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸硬化反応によって製造された成形体で
    あって主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカである成
    形体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法による
    その比表面積が80〜250m/g、平均細孔直径が
    1.5〜30.0nmであり、かつ、顔料が添加された
    着色部を有し、その着色部には平均粒径2.0μm以下
    の顔料が着色部の総重量に対して2.0重量%以下含ま
    れていることを特徴とする調湿建材。
  2. 【請求項2】 比強度が180m以上であることを特徴
    とする請求項1記載の調湿建材。
  3. 【請求項3】 前記成形体中に炭酸カルシウムが15%
    〜65%、非晶質シリカが15%〜45%並びに骨材及
    び多孔質材の一方又は双方が含まれることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の調湿建材。
  4. 【請求項4】 前記炭酸カルシウムにはバテライトが含
    まれることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載の調湿建材。
  5. 【請求項5】 前記骨材及び多孔質材の一方又は双方が
    60%以下含まれることを特徴とする請求項3又は4に
    記載の調湿建材。
JP2000202842A 2000-07-04 2000-07-04 調湿建材 Expired - Fee Related JP3212590B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000202842A JP3212590B1 (ja) 2000-07-04 2000-07-04 調湿建材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000202842A JP3212590B1 (ja) 2000-07-04 2000-07-04 調湿建材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3212590B1 true JP3212590B1 (ja) 2001-09-25
JP2002029804A JP2002029804A (ja) 2002-01-29

Family

ID=18700312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000202842A Expired - Fee Related JP3212590B1 (ja) 2000-07-04 2000-07-04 調湿建材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3212590B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105555734A (zh) * 2013-03-13 2016-05-04 索里迪亚科技公司 铺路石和砌块复合材料以及其制备方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005187324A (ja) * 2003-01-15 2005-07-14 Sekisui Chem Co Ltd 炭酸化硬化体
JP5091789B2 (ja) * 2008-07-16 2012-12-05 クロス・ファーム株式会社 ケイソウ土由来の成分からなる多孔質体
CN101787771B (zh) * 2010-02-26 2012-01-11 哈尔滨工业大学深圳研究生院 用外加剂产生二氧化碳制备的再生混凝土构件及制备方法
CN101793076B (zh) * 2010-02-26 2011-09-14 哈尔滨工业大学深圳研究生院 用外加剂产生二氧化碳制备的混凝土构件及制备方法
CA3022523A1 (en) 2016-05-05 2017-11-09 Solidia Technologies, Inc. Synthetic pozzolans

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
日本コンクリート工学協会編「コンクリート便覧」51年6月1日 技報堂発行 255−256頁

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105555734A (zh) * 2013-03-13 2016-05-04 索里迪亚科技公司 铺路石和砌块复合材料以及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002029804A (ja) 2002-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Potential application of geopolymers as protection coatings for marine concrete: II. Microstructure and anticorrosion mechanism
CN105294040B (zh) 一种纸面石膏板及其制备方法
JP5579608B2 (ja) セメント系配合物
EP2534112A1 (en) Hydraulic lime composition
JP2010524823A (ja) 軽量添加剤、その製造方法および使用
JP3212589B1 (ja) 調湿建材
Ergenç et al. Assessment on the performances of air lime-ceramic mortars with nano-Ca (OH) 2 and nano-SiO2 additions
JP2019534232A (ja) 疎水化繊維セメント製品、その製造のための方法およびその使用
JP3212590B1 (ja) 調湿建材
JP3212588B1 (ja) 消臭機能を有する調湿建材及びその製造方法
JP3212586B1 (ja) 調湿建材
JP3212587B1 (ja) 調湿建材
JP4009619B2 (ja) 建築材料及び建築材料の製造方法
JP3418122B2 (ja) 粒状吸放湿性材料の製造方法
KR100915018B1 (ko) 나노기공 제어형 조습기능 경량기포콘크리트 패널
JP3065607B1 (ja) 調湿建材
JP3212591B1 (ja) 調湿建材
JP2005089283A (ja) 炭酸化硬化体
Hisham et al. Utilization of cockle shells as partial binder replacement in concrete
KR102146455B1 (ko) 고로슬래그 기반 조성물 및 이의 경화체
KR20080105773A (ko) 나노기공 제어형 조습기능 경량기포콘크리트 패널의제조방법
JP2005187324A (ja) 炭酸化硬化体
JP3979592B2 (ja) アロフェンまたはイモゴライト含有組成物を利用した調湿建材の製造方法
Vejmelková et al. Mechanical, hygric and thermal properties of innovative renovation renders
JP2003176184A (ja) 吸放湿性無機成形体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080719

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100719

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100719

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees