JP3211227B2 - GaAs層の表面安定化方法、GaAs半導体装置の製造方法および半導体層の形成方法 - Google Patents

GaAs層の表面安定化方法、GaAs半導体装置の製造方法および半導体層の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaAs層表面の
酸化物を除去し、この後に表面の酸化を防止する表面処
理方法に関し、詳しくはこの表面処理方法を利用したG
aAs層の表面安定化方法、GaAs半導体装置の製造
方法および半導体層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaAs半導体は、光デバイス、高速デ
バイス等の半導体装置の製造に使用されている。製造工
程において、半導体基板は半導体装置の完成に至るまで
製造ラインで様々な処置を施される他に、そのライン内
で大気にも晒される。大気に晒された半導体表面には自
然酸化膜が形成されるが、熱工程、プラズマ工程により
誘起される表面酸化膜も形成される。これらの酸化膜の
除去は、GaAs半導体では、例えばGaAs基板をフ
ッ化水素酸溶液中に浸して、表面に形成されたGa23
等を除去する方法により行われていた。
【0003】また、文献(JAPANESE JOURNAL OF APPLIE
D PHYSICS VOL.29,No.6,JUNE,1990,pp.L864-866,Sugino
et.al.)には、GaAs基板をフォスフィンのプラズ
マに晒してGa酸化物を除去する方法が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、GaAs基板
をフッ化水素酸溶液により処理する酸化膜の除去方法で
は、次のような問題があった。まず、Ga酸化物を除去
するのみでありAsの酸化物は除去できないので、表面
がAs過剰(Asリッチ)になってしまう。また、酸化
物を除去した後にこの表面を保護する作用はなく、例え
ば除去後に大気中に晒されると、表面には再度酸化物が
形成されてしまう。
【0005】加えて、これらが原因になって、半導体装
置の特性上好ましくない特性を引き起こす。例えば、A
sリッチになった表面にショットキ接合を有するゲート
電極が形成されると、ゲートのリーク電流が増加する。
また、Ga原子のサイトに入ったAs原子はアンチサイ
トAsと呼ばれ、アンチサイトAsは寿命の長い準位を
形成するので、この準位にキャリアがトラップされる
と、このキャリアの影響によりドレイン電流の変化がゲ
ート電圧の変化に追従できなくなる、いわゆるドレイン
ラグの原因になる。
【0006】また、上記文献に記載された方法では、G
aの酸化物は除去できるものの、砒素(As)の酸化物
であるAs23の除去が困難であり、デバイス特性上の
問題は残されている。
【0007】したがって、本発明の目的は、GaAs表
面の酸化物を除去すると共に、除去後の表面に酸化膜が
形成されることを防止する表面処置方法を利用し、Ga
As層の表面安定化方法、GaAs半導体装置の製造方
法およびGaAs層上に半導体層を形成する方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は次のよ
うな構成とした。
【0009】本発明に係わるGaAs層の表面安定化方
法は、半導体装置の製造に使用されるGaAs層の表面
安定化方法において、GaAs層の表面を水素含有ガス
のプラズマに晒し、次いでフォスフィン含有ガスのプラ
ズマに晒すプラズマ処理を行う。
【0010】このように、GaAs層の表面を水素含有
ガスのプラズマに晒すと、水素のラジカルによりGaA
sの酸化物が除去される。次いでフォスフィン含有ガス
のプラズマに晒すと、GaAs表面が燐(P)により保
護される。また、燐原子の一部はAsサイトに入りGa
As表面の少なくとも一部がGaPになる。このため、
表面が保護されて大気中に晒しても酸化物が除去された
表面が再度酸化されることはないので、表面が安定化さ
れる。
【0011】本発明に係わるGaAs半導体装置の製造
方法では、GaAs層にイオン注入法により不純物を導
入する導入工程と、導入工程後にGaAs層上にキャッ
プ膜を形成するキャップ膜工程と、キャップ膜工程の後
に熱処理を行い不純物を活性化して活性層を形成する活
性層工程と、活性層上にショットキゲート電極を形成す
るゲート工程とを備えるGaAs半導体装置の製造方法
において、導入工程とキャップ膜工程間および活性層工
程とゲート工程間の少なくとも一方の工程間で、GaA
s層の表面を水素含有ガスのプラズマに晒し、次いでフ
ォスフィン含有ガスのプラズマに晒すプラズマ処理を行
う。
【0012】このように導入工程とキャップ膜工程間に
おいて、GaAs層の表面を水素含有ガスのプラズマに
晒すと、水素のラジカルによりGaAs層表面の酸化物
が除去される。次いでフォスフィン含有ガスのプラズマ
に晒すと、上記のようにGaAs層表面が安定化され
る。このため、活性層の不純物の活性化およびアニール
が安定して行われる。また、活性層工程とゲート工程間
において、水素含有ガスのプラズマ、次いでフォスフィ
ン含有ガスのプラズマに晒すプラズマ処理を行うと、上
記のように表面の酸化物が除去されると共に保護される
ので、表面が安定化される。このため、活性層とゲート
電極の界面(ゲート界面)を再現性よく形成できる。
【0013】本発明に係わる半導体層の形成方法では、
GaAs層上に半導体層を形成する半導体層の形成方法
において、半導体層の形成前に、GaAs層の表面を水
素含有ガスのプラズマに晒し、次いでフォスフィン含有
ガスのプラズマに晒すプラズマ処理を行う。
【0014】このように、GaAs層上に半導体層を形
成する前にGaAs層の表面を水素含有ガスのプラズマ
に晒し、次いでフォスフィン含有ガスのプラズマに晒す
プラズマ処理を行うと、GaAs表面の酸化物が除去さ
れた後に表面に上記のように保護層あるいは保護膜が形
成される。このため、空気中に晒してもこの表面が再度
酸化されないので、安定して半導体層が形成されると共
に、形成された半導体層の欠陥も低減される。
【0015】本発明に係わる半導体層の形成方法では、
GaAs層上にGaAs膜を成長する半導体層の製造方
法において、GaAs膜表面を水素含有ガスのプラズマ
に晒し、次いでフォスフィン含有ガスのプラズマに晒す
プラズマ処理を行う。
【0016】このように、GaAs層上にGaAs膜を
形成後にこの表面を水素含有ガスのプラズマに晒し、次
いでフォスフィン含有ガスのプラズマに晒すプラズマ処
理を行うと、GaAs膜表面の酸化物が除去された後に
表面に上記のように保護層あるいは保護膜が形成され
る。このため、空気中に晒しても表面が再度酸化されな
いので、表面が安定化されたGaAs膜が形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を説明する。また、同一の部分には同一の符号を付
して、重複する説明は省略する。
【0018】図1および図2は、本発明に係わるGaA
sの表面処理方法等を説明するために、GaAs半導体
装置の製造方法の一実施の態様を示す模式工程断面図で
ある。これらに基づいて、GaAs半導体装置の製造方
法を説明する。なお、半絶縁性GaAs基板1を用いた
場合について説明するが、絶縁基板等上にGaAs半導
体層を形成したものを用いてもよい。以下、ショットキ
接触を有する電界効果トランジスタ(以下、FETとい
う)を半導体装置の例として説明するが、本発明に係わ
る表面処理方法は、これに限られることなく光デバイ
ス、高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobili
ty Transistor:HEMT)、MIS(Metal Insulator Sem
iconductor)構造FET等の製造方法にも利用できる。
【0019】GaAs基板1上に不純物を導入してN型
第1不純物層5を形成する(図1(a))。N型第1不
純物層5は、熱処理によって不純物が活性化されると活
性層15になるので、後に形成されるFETのソースお
よびドレインの間に形成される。この不純物層5は、例
えば、フォトリソグラフィ技術を用いてパターン形成し
たフォトレジスト3をマスクにして、イオン注入を行っ
て形成される。イオン注入の条件の一例を示せば、不純
物としてSiを用い、加速電圧30[keV]、ドーズ
量2×1012[cm-2]である。この条件は、製造する
FETのしきい値電圧、相互コンダクタンス等の性能に
基づいて決定される。
【0020】次いで、GaAs基板1上に不純物を導入
して高濃度のN型第2不純物層9を形成する(図1
(b))。N型第2不純物層9は、熱処理によって不純
物が活性化されるとFETのソースおよびドレイン拡散
層となるN+層19になる。ソースおよびドレイン拡散
層は、基板1上の分離された領域にN型第1不純物層5
を挟んで形成される。不純物層9は、上記のようにパタ
ーン形成したフォトレジスト7をマスクにして、イオン
注入を行って形成される。イオン注入の条件の一例を示
せば、不純物としてSiを用い、加速電圧120[ke
V]、ドーズ量2×1013[cm-2]である。この条件
は、製造するFETの特性に基づいて決定される。
【0021】なお、それぞれのイオン注入後にレジスト
3、5は除去される。
【0022】この後、GaAs基板1にプラズマ照射1
1を行う(図1(c))。プラズマ照射11は、水素ガ
スのプラズマ(以下、水素プラズマという)に晒し、次
いでフォスフィン(PH3)ガスのプラズマ(以下、フ
ォスフィンプラズマという)に晒すことにより行う。水
素プラズマの照射によりGaAs層の表面の酸化物は除
去され、フォスフィンプラズマの照射により表面は燐
(P)、GaP等の保護層あるいは保護膜等でパッシベ
ートされる。これらのプラズマは、連続してGaAs基
板1に照射されることが好ましい。これらのプラズマの
形成条件の一例を示す。
【0023】水素プラズマ条件: ガス圧力 :0.2[Torr] 高周波(RF)パワー密度:0.18[W/cm2] フォスフィンプラズマ条件: ガス圧力 :0.2[Torr] 高周波(RF)パワー密度:0.18[W/cm2] プラズマ照射時間としては、水素プラズマは10
[分]、フォスフィンプラズマは20[分]程度が望ま
しい。プラズマ処理の詳細な条件はFETの製造プロセ
スにより決定される。
【0024】水素プラズマは水素含有ガスのプラズマで
もよく、またフォスフィンプラズマはフォスフィン含有
ガスのプラズマでもよい。特に、フォスフィン含有ガス
のプラズマは、フォスフィンと水素とを含有したガスの
プラズマが好ましい。高純度のフォスフィンは毒性の強
いので、希釈して使用するためである。また、希釈ガス
は、半導体表面を燐(P)化する点からフォスフィンの
構成元素である水素が好適である。これらの条件は、F
ET製造プロセス、プラズマを形成する装置等により適
宜決定される。
【0025】プラズマの種類も、13.56[MHz]
を用いた通常の高周波プラズマが発生が簡易なので好ま
しいが、これ以外の周波数によって発生されたものでも
よい。また、プラズマ発生室と半導体基板設置室とが同
一であるプラズマ照射装置が、簡易であるので好まし
い。一方、ECRプラズマ装置のようにプラズマ発生室
と半導体基板設置室とが分離された分離型プラズマ照射
装置が、基板が直接にプラズマに晒されないので、基板
のプラズマによる損傷が低減されるために好ましい。更
に、水素、フォスフィン等をレーザ光で励起してプラズ
マ状態にして形成してもよい。なお、プラズマ照射後の
表面の状態を制御するために、プラズマ照射に際して、
基板1を適宜に加熱することが好ましい。
【0026】プラズマ照射後に、基板1表面にキャップ
膜13を形成する(図2(a))。キャップ膜13はア
ニール保護膜の役割を演じ、SiN、SiON等からな
る絶縁膜を用いて形成される。これらの膜は化学的気相
成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法等を採
用したアニール保護膜形成装置により成膜できる。プラ
ズマの照射でGaAs層の表面の酸化物は除去され、且
つその表面は燐(P)等でパッシベートされている。加
えて、燐原子の一部はAsサイトに入りGaAs表面
が、GaAsよりも酸化されにくいGaPになる。この
ため安定な表面を形成できるので、再度基板1を大気に
晒しても表面に酸化物が形成されることはない。したが
って、このようなプラズマ処理11を行うプラズマ照射
装置とアニール保護膜形成装置とを分離できる。すなわ
ち、キャップ膜成長前の基板表面処理とキャップ膜13
の成膜を大気に晒すことなく連続的に行うこと、つまり
インプロセスで行う必要がなくなるので、プロセス余裕
を高めることができる。
【0027】キャップ膜13の成膜後に熱処理を基板1
に施すと、N型第1半導体層5およびN型第2半導体層
9はアニールされると共に、不純物の活性化が行われ
て、それぞれ活性層15およびN+層19となる。キャ
ップ膜13の形成前にプラズマ照射を行うことにより表
面の酸化物が除去され、且つ過剰なAsも補償されるた
め、活性化、アニールが安定に行われる。このため、リ
ーク電流およびドレインラグが低減されたFETを製造
できるばかりでなく、さらに再現性のよいプロセスが実
現される。
【0028】次に、N+層上にオーミック電極17を形
成する(図2(b))。オーミック電極17はソースお
よびドレイン拡散層上に形成されると、これらの電極と
なる。N+層上にAuGe/Niからなるオーミック電
極17を形成する。これらの電極は、スパッタリング
法、蒸着法等の物理的気相成長(Physical Vapor Depos
ition:PVD)法により形成することが好ましい。
【0029】続いて、ショットキゲート電極21を形成
する(図2(c))。ゲート電極21は、ソースおよび
ドレインに挟まれた活性層15上に、活性層15をソー
ス側とドレイン側に2分するように横切って形成され
る。この電極は、スパッタリング法、蒸着法等の物理的
気相成長法、リフトオフ法等により形成することが好ま
しい。
【0030】なお、ショットキゲート電極21の形成に
先だって、再度GaAs基板1を水素プラズマに晒し、
次いでフォスフィンプラズマに晒すプラズマ処理を行う
ことが好ましい。このようにすれば、このプラズマ照射
によってゲート電極形成前にGaAs層の表面の安定化
が施されるので、ゲートのリーク電流が低減されるばか
りでなく、ゲート電極側から見た障壁φBnが好適な大き
さであって、n値(ideality factor)がより1に近い
ショットキ障壁を安定に形成できる。すなわち、より高
性能なFETを再現性よく製造できる。また、水素プラ
ズマは水素含有ガスのプラズマでもよく、またフォスフ
ィンプラズマはフォスフィン含有ガスのプラズマでもよ
い。これらのプラズマの形成条件は、上記のキャップ膜
13形成前のプラズマ照射条件と同様にすると簡易であ
るが、詳細にはFET製造プロセス、プラズマを形成す
る装置等により適宜決定される。
【0031】以上、図面を参照して説明したように、G
aAs層を水素プラズマに晒してGaAs層の表面の酸
化物を除去し、次いでフォスフィンプラズマに晒してそ
の表面をGaP等でパッシベートするようにしたため過
剰なAsも補償されるので、活性化、アニールが安定に
行われる。このため、リーク電流およびドレインラグが
低減されたFETを製造できるばかりでなく、再現性の
よいプロセスが実現される。
【0032】本発明はGaAs−FETの製造に制限さ
れるものではなく、高速デバイス、光デバイスの製造に
も適用できる。つまり、GaAs基板上に有機金属気相
成長(Organic Metal Vapor Phase Deposition:OMV
PE)法、分子線エピタキシィ(Molecular Beam Epita
xy:MBE)法、蒸着法等による化学的、物理的気相成
長法によって半導体の結晶等を成長する場合にも利用で
きる。成長される半導体材料としては、GaAsに限ら
れることなく、GaP、InGaAs、InP、GaS
b等でもよい。特に、エピタキシャル成長させる場合に
も有効であり、更に格子定数の整合性のよい半導体材料
が好ましく、例えばGaAsに対してはAlGaAs、
GaInP、InGaAs等が好ましく、InPに対し
てはInGaAs、InGaAsP、AlInAs等が
好ましい。図3に示すように、半導体層を成長する前に
水素含有ガスのプラズマ、次いでフォスフィン含有ガス
のプラズマ処理31を行う(図3(a))ことにより、
基板表面の自然酸化膜等が除去された上に表面がパッシ
ベートされるので、半導体層、エピタキシャル層が安定
して成長される(図3(b))ばかりでなく、成長され
た半導体層33等も欠陥の少ない良質な特性を有する。
このようにすると、一連の工程を大気に晒すことなく連
続的に行うこと、すなわちインプロセスで行う必要がな
くなり、プロセス余裕を高めることができる。
【0033】このプラズマ照射による表面処理方法は、
GaAs基板に対して制限されるものではなく、図4に
示すように、基板1上にGaAs膜35を成長、例えば
エピタキシャル成長した後に施すと有効である。このよ
うにプラズマ処理37を行うと、引き続いて他の半導体
層をエピタキシャル成長する場合あるいは他の工程を行
う場合に、その表面が大気に晒されても新たな自然酸化
膜等を生成することがないので、安定な表面を得ること
ができる。したがって、一連の工程をインプロセスで行
う必要がないため、プロセス余裕を高めることができ
る。
【0034】以上、N型GaAs層について説明した
が、P型GaAs層についても同様にプラズマ処理を施
すことにより、同様の作用を得ることができる。また、
プラズマ処理としては、プラズマ発生室とウエハ処理室
が同一であるその場プラズマ処理、あるいはプラズマ発
生室とウエハ処理室が異なるリモートプラズマ処理があ
り、リモートプラズマ処理には半導体層のイオンダメー
ジが少ないという特徴がある。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係わるGaAs層の表面安定化方法では、GaAs層の
表面を水素含有ガスのプラズマ、次いでフォスフィン含
有ガスのプラズマに晒すと、プラズマ照射でGaAs層
の表面の酸化物は除去され、且つその表面は燐(P)等
でパッシベートされる。加えて、燐原子の一部はAsサ
イトに入りGaAs表面が、GaAsよりも酸化されに
くいGaPになる。このため、再度基板を大気に晒して
も表面に酸化物が形成されるないので、表面を安定化で
きる。
【0036】また、本発明に係わるGaAs半導体装置
の製造方法では、導入工程とキャップ膜工程間におい
て、あるいは活性層工程とゲート工程間において、水素
含有ガスのプラズマ、次いでフォスフィン含有ガスのプ
ラズマに晒すプラズマ処理を行う。このため、上記のよ
うにGaAs層表面が安定化されるので、プロセス余裕
を高めることができる。そして、活性層の不純物の活性
化およびアニールが安定して行われるので、リーク電流
およびドレインラグが低減できるばかりでなく、再現性
のよいプロセスが実現される。加えて、ゲート界面が安
定化されるので、ゲートのリーク電流が低減されるばか
りでなく、ゲート電極側から見た障壁φBnが好適な大き
さであって、n値(ideality factor)がより1に近い
ショットキ障壁を持つゲート電極が安定に形成できる。
したがって、信頼性の高い高性能なFETを製造でき
る。
【0037】更に、本発明に係わる半導体層の形成方法
では、GaAs層に水素含有ガスのプラズマ、次いでフ
ォスフィン含有ガスのプラズマに晒すプラズマ処理を行
うので、上記のようにGaAs層表面が安定化される。
このため、空気中に晒しても表面が再度酸化されないの
で、プロセス余裕を高めることができる。さらに、安定
して半導体層を成長できると共に、成長された半導体層
の欠陥も低減できる。加えて、GaAs層上に形成され
たGaAs膜の表面に上記プラズマ処理を行うと、この
GaAs膜の表面も安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(c)は、本発明に係わるGaA
sの表面処理方法等を説明するために、GaAs半導体
装置の製造方法の一実施態様を示す模式工程断面図であ
る。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明に係わるGaA
sの表面処理方法等を説明するために、GaAs半導体
装置の製造方法の一実施態様を示す模式工程断面図であ
る。
【図3】図3(a)、(b)は、本発明に係わるGaA
s層上に半導体層を形成する方法の一実施態様を示す模
式工程断面図である。
【図4】図4は、本発明に係わるGaAs層上に半導体
を形成する方法の一実施態様を示す模式工程断面図であ
る。
【符号の説明】
1…GaAs半導体基板、3…レジスト、5…N型第1
不純物層、7…レジスト、9…N型第2不純物層、1
1、31、37…水素ガス、次いでフォスフィンガスの
プラズマ処理、13…キャップ膜、15…活性層、17
…オーミック電極、19…N+層、21…ゲート電極、
33…成長した半導体層、35…成長したGaAs半導
体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−62957(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 645

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体装置の製造に使用されるGaAs
    層の表面安定化方法において、 前記GaAs層の表面を水素含有ガスのプラズマに晒
    し、次いでフォスフィン含有ガスのプラズマに晒すプラ
    ズマ処理を行うことを特徴とするGaAs層の表面安定
    化方法。
  2. 【請求項2】 GaAs層にイオン注入法により不純物
    を導入する導入工程と、導入工程後に前記GaAs層上
    にキャップ膜を形成するキャップ膜工程と、前記キャッ
    プ膜工程の後に熱処理を行い前記不純物を活性化して活
    性層を形成する活性層工程と、前記活性層上にショット
    キゲート電極を形成するゲート工程とを備えるGaAs
    半導体装置の製造方法において、 前記導入工程と前記キャップ膜工程間および前記活性層
    工程と前記ゲート工程間の少なくとも一方の工程間で、
    前記GaAs層の表面を水素含有ガスのプラズマに晒
    し、次いでフォスフィン含有ガスのプラズマに晒すプラ
    ズマ処理を行うことを特徴とするGaAs半導体装置の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 GaAs層上に半導体層を形成する半導
    体層の形成方法において、 前記半導体層の形成前に、前記GaAs層を水素含有ガ
    スのプラズマに晒し、次いでフォスフィン含有ガスのプ
    ラズマに晒すプラズマ処理を行うことを特徴とする半導
    体層の形成方法。
  4. 【請求項4】 GaAs層上にGaAs膜を成長する半
    導体層の製造方法において、 前記GaAs膜を水素含有ガスのプラズマに晒し、次い
    でフォスフィン含有ガスのプラズマに晒すプラズマ処理
    を行うことを特徴とする半導体層の形成方法。
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