JP3210530B2 - サーミスタ流速センサー - Google Patents

サーミスタ流速センサー

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JP3210530B2
JP3210530B2 JP26089494A JP26089494A JP3210530B2 JP 3210530 B2 JP3210530 B2 JP 3210530B2 JP 26089494 A JP26089494 A JP 26089494A JP 26089494 A JP26089494 A JP 26089494A JP 3210530 B2 JP3210530 B2 JP 3210530B2
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喜代志 山岸
素弘 薮崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体、液体等の流体の
流量および流体速度等を測定、計測するサーミスタ流速
センサーに関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】従
来、液体の流量を測定するために使用されるセンサーに
は主として、電磁流量計、超音波流量計、渦流量計、コ
リオリ式質量流量計等がある。それぞれ目的・精度に応
じて使い分けられるが、総じて価格が高い欠点がある。
一方、流体の流速、流量を測定する方法に、熱式流量計
がある。この熱式流量計は、流体温度より高い一定温度
に加熱した加熱部と、温度により流れる電流値が変化す
る温度検出部とを備えており、加熱部の周辺を流れる流
体により冷却されることにより、温度検出部に流れる電
流が変化することを検出する。流体の流速が大きいほど
冷却される度合いが大きいため、温度検出部に流れる電
流を検出することにより、流体の流速を知ることができ
る。
【0003】熱式流量計は、図13のように、配管80
等の流路に、流体温度を測定する補償用温度計81と、
加熱部及び温度検出部からなる流速センサー82を配置
し、補償用温度計81からの信号と流速センサー82か
らの信号とを測定回路83に導き、流速に換算する。
【0004】従来より、温度検出部にサーミスタが使用
されており、サーミスタを用いた流速センサーには、自
己発熱型と傍熱型があり、自己発熱型は温度検出部が加
熱部を兼ねたものであり、傍熱型は温度検出部と加熱部
を別々にしたものである。
【0005】自己発熱型サーミスタ流速センサーでは、
負特性のサーミスタを自己発熱する領域で使用するた
め、サーミスタに過電流を流すことになり、劣化が生
じ、経時変化が著しく、長時間の使用ができない。
【0006】一方、傍熱型サーミスタ流速センサーは、
例えば図14に示すものが知られている。この流速セン
サーは、正特性のサーミスタ87の周囲を発熱体のヒー
タ86で覆い、それらをガラス等の容器85に入れ、該
容器85内に窒素ガス等を封入し、サーミスタ87及び
発熱体86のリード線を容器外に取り出した構造となっ
ている。
【0007】この傍熱型サーミスタ流速センサーは、サ
ーミスタの正特性の領域を使用するため、サーミスタに
流す電流は小さくてよい(最大数百μA程度)ので、劣
化はほとんど発生せず、長時間の使用ができるが、その
構造上、流速センサーが大型化し、細い配管には取付が
不能であると共に、流体の流れを乱し、正確な流速が測
定できない。また、大型のため、熱容量が大きくなり、
応答性が著しく遅くなり、時々刻々変化する流体の流速
を適格に測定することができないし、さらに、ガス体の
ような熱容量の小さい流体や、流体温度と発熱体温度の
差が少ない場合は使用できない。しかも、サーミスタと
発熱体をガラス等の容器に入れ、窒素ガスを封入するた
めの特別の設備が必要であり、製造コストが著しく高く
なる。因みに、図14に示す傍熱型サーミスタ流速セン
サーの熱応答性は、温度的に安定するのに10秒以上を
要していた。
【0008】また一方、熱式流量計のうち、比較的安価
であり、気体の流量を測定するもとして、図17に示す
ような流量センサーが利用されている。このセンサは図
の矢印方向に流れる流体中に配置した抵抗温度計101
と102の間で熱線103により流体に熱を加え、抵抗
温度計101と102で測定した温度差を得ることによ
り流体の流量を計測するものである。しかし、これによ
れば、被測定流体の比熱が十分小さいことが必要であ
り、液体特に水の流量測定には不適当である。
【0009】よって本発明の目的は、熱応答性に優れ、
測定精度の高い、小型で、安価なサーミスタ流速センサ
ーを提供することにある。またさらに、比熱の大きな液
体特に水の流量を測定するのに適したセンサーを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、かか
る目的を達成するために、発熱体と、該発熱体の温度を
検出するサーミスタを具備したサーミスタ流速センサー
であって、発熱体とサーミスタとを面状としたものであ
る。
【0011】上記発熱体はニクロム合金又はサーメット
材料からなり、上記サーミスタはスピネル型遷移金属酸
化物又は炭化シリコンから選択されるNTC材料から構
成したものである。
【0012】さらに、この発熱体とサーミスタがスパッ
ター、CVD等の成膜法により形成されることを特徴と
する。
【0013】またさらに、この発熱体とサーミスタがそ
れぞれの成分を含有するペーストを印刷等の厚膜プロセ
スにより形成したことを特徴とする。
【0014】さらにまた、この発熱体とサーミスタが1
つの基板上に配置されることを特徴とする。
【0015】加えて、この発熱体とサーミスタを1つの
基板の一面に配置されることを特徴とする。
【0016】また、基板の一面に発熱体を配置し、該発
熱体の上に絶縁層を介して前記サーミスタが積層される
ことを特徴とする。
【0017】加えてまた、発熱体の一面に絶縁層を介し
て前記サーミスタが積層されたサーミスタ流速センサー
としたものである。
【0018】また、この発熱体とサーミスタに接続され
る電極が成膜法又は厚膜プロセスにより形成されたこと
を特徴とする。
【0019】さらに、この発熱体とサーミスタを密封す
る容器内に封入し、該容器の外面に配線用の接続端子を
設けたことを特徴とする。
【0020】また、この発熱体およびサーミスタとそれ
ぞれ接続される接続端子がFPCで接続されることを特
徴とする。
【0021】さらにまた、基板又は発熱体を容器(キャ
ップ)の内壁面に固定したことを特徴とする。
【0022】また、基板又は発熱体が半田層を介して容
器(キャップ)の内壁面に固定されたことを特徴とす
る。
【0023】特に比熱の大きな水等の流量を測定すると
いう目的に対しては、発熱体およびこの発熱体の近傍に
配置した測温素子(サーミスタ膜)に、これらを覆うカ
バーを備えて傍熱型の液体用流量センサーとすることが
適している。そして熱伝導率および電気絶縁性が高い基
板を具備し、発熱体および測温素子はこの基板上に形成
されたものであり、カバーはこれらが形成された側と反
対側の基板面に接着しているとともにこの接着部分の外
側において流量が測定される液体に接するものであるこ
とを特徴とする。
【0024】ここで、カバーは熱伝導率が良く、かつ流
量が測定される液体に対する耐食性の良い金属で構成さ
れたものであり、またカバーの形状および大きさは前記
発熱体の形状および大きさにほぼ等しいことが好まし
い。また、前記液体に接する側と反対側を覆う断熱材を
有するのが好ましい。
【0025】これによれば、熱が基板さらにはカバーを
介して液体により効果的に奪われる場合の発熱体近傍の
温度が測温素子により測定されるため、流体をヒータで
加熱しその温度を計測する、図17のような熱式流量計
に比べ、水等の比熱の大きな液体の流量についても応答
性良く正確な測定がなされるとともに、液体とセンサー
とがカバーにより隔離されているため、腐食に対する安
定性も向上する。
【0026】
【実施例】
[実施例1]本発明によるサーミスタ流速センサーを用
いた流速測定を図1に示して説明する。図1に示すよう
に、配管70等の流路に補償用温度計76とサーミスタ
流速センサー72を配置する。このとき、サーミスタ流
速センサー72に接する流体71の流れが乱れないよう
に、前記補償用温度計76と前記流速センサー72の配
置位置を決める。
【0027】前記サーミスタ流速センサー72は容器内
壁面の流体の流れを検出する面にセンサー部73を配置
し、前記容器の外面に接続端子74を設け、それらをリ
ード線75で接続する。また補償用温度計76は温度検
出器77を設け、その出力線78から信号を取り出し、
温度を計測する。
【0028】前記サーミスタ流速センサー72の容器
は、密封構造となっており、容器の外側を流れる流体が
容器内に侵入しないようになっている。
【0029】前記センサー部73を図2により説明す
る。図において、10はアルミナ、SiO2 などの平板
状の基板で、11は発熱体であり、両端に電極12,1
7を備え、基板10の一面上に形成している。
【0030】また、13は絶縁体であり、発熱体11の
上に全面を覆うように形成されている。14はサーミス
タであり、絶縁体13の上面に形成されており、このサ
ーミスタ14は上下に電極15,16を備え、発熱体1
1よりはみ出ない範囲の大きさで形成する。
【0031】次に、発熱体11は、ニクロム、(Ni−
Cr)合金或はサーメット材料(Ta−SiO2 、Cr
−SiO2 )等の材料を用い、スパッターやCVDなど
の成膜法により形成されている。絶縁体13は発熱体1
1の発熱温度以上の耐熱性を有し、熱伝導性に優れたも
のがよいが、例えばエポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリイ
ミド樹脂等の接着性を有するもの又はSiO2 等の絶縁
物でもよい。サーミスタ14は熱容量の小さな感熱特
性、特に発熱体11の温度変化に対応する温度周辺で抵
抗値が変化する材料を選択するが、例えばスピネル型遷
移金属酸化物やSiC(炭化珪素)、Si等のNTC材
料を用い、スパッターやCVDなどの成膜法により形成
されている。電極12,15,16,17は、Ni,C
r/Pd,Cr/Ag等の材料を用い、リフトオフやエ
ッチングなどにより形成する。
【0032】上記材料及び製法によると、例えば、基板
10の厚さは0.5mmで、発熱体の厚さは0.3μm
で、絶縁体は0.3μmの厚さで、サーミスタは0.6
μm程度の厚さになる。またこの基板の大きさは5×5
mmサイズ程度でよい。
【0033】上記説明では、スパッターやCVD、リフ
トオフ、エッチングなどの薄膜法を用いたが、これをそ
れぞれの成分を有するペーストを用いて印刷などの厚膜
プロセスにより形成してもよい。
【0034】この厚膜プロセスを用いた場合は、発熱体
11、絶縁体13、サーミスタ14、電極のそれぞれの
厚さは、0.5から100μm程度となる。
【0035】[実施例2]実施例2は前記センサー部を
他の実施例としたもので図3により説明する。図におい
ては、サーミスタ流速センサー61を上から見たもので
ある。図において、62は絶縁体であるアルミナ等から
なる基板、63は発熱体、64はサーミスタ、65は発
熱体の一方の電極、66はサーミスタの一方の電極、6
7は発熱体及びサーミスタの他方の共通電極である。
【0036】前記基板62の一面に、前記発熱体63を
コ字状に形成し、前記サーミスタ64を発熱体63のコ
字状の内側に発熱体63と間隔を隔てて形成されてい
る。前記電極65は発熱体63のコ字状の一方の端部に
形成され、電極66はサーミスタ64の一方の端部に形
成され、共通電極67は発熱体のコ字状の他方の端部と
前記サーミスタ64の他方の端部とに連接して形成され
ている。
【0037】前記発熱体63、サーミスタ64、電極6
5から67の製造方法や材料は、実施例1の製造方法や
材料と同じ方法、材料である。
【0038】[実施例3]実施例2は前記センサー部を
他の実施例としたもので図4を用いて説明する。図4に
おいて、1は発熱体で、2と9は発熱体1の電極で、3
は絶縁体で、4はサーミスタで、7,8はサーミスタに
接続された電極である。
【0039】前記発熱体1は例えば四角形状の板状で、
カーボンソリッド抵抗器や、セラミックと炭素又は金属
類を混合して成形固化した抵抗体である。厚みは0.1
mmから2mm程度であり、大きさは例えば2×4(m
m)である。サーミスタ4は、絶縁体3を介して発熱体
1の一面に形成され、その大きさは発熱体1の大きさよ
り小さくし、発熱体1の電極2,9に接触しない大きさ
とする。前記絶縁体3は発熱体1の発熱温度以上の耐熱
性を有し、熱伝導性に優れたものがよく、例えばエポキ
シ樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂等の絶縁層であ
る。前記サーミスタ4は実施例1で記載した材料、製法
により形成される。電極2,9は発熱体1の両端にそれ
ぞれ設け、電極7,8はサーミスタ4の両端のそれぞれ
に設ける。前記電極2,9,7,8の材料及び製法は、
実施例1で示したものと同じである。
【0040】上記実施例1から3に述べたサーミスタ流
速センサーは、図5に示す測定回路により流速を測定す
ることができる。図において、発熱体19、サーミスタ
20を含むサーミスタ流速センサー21と補償用温度計
22とが流体に接して配備され、それらの電極を導出す
るコネクタ24や、例えば5V程度の電源25、検知用
サーミスタ20との分圧抵抗26、補償用温度計22と
の分圧抵抗27、それにサーミスタ及び補償用温度計の
端子電圧を出力する端子28,29とで構成されてい
る。
【0041】サーミスタ流速センサーの前記測定回路
は、補償用温度計22により流体の温度を検出する。こ
の場合、端子28の電圧をチェックするだけで流体自体
の温度を測定できる。流体の温度が上がれば、補償用サ
ーミスタの温度も上がり、サーミスタの温度が上昇すれ
ばNTCタイプであればその抵抗値が下がり、端子28
の電圧が下がる。この電圧と実際の温度とを事前に校正
しておけば、容易に流体の温度を知ることができる。
【0042】サーミスタ流速センサー21では、コネク
タ24の共通電極端子241 と発熱体用電極242 間に
直流電源25が接続されていて、発熱体19を加熱し
て、サーミスタ20全体が流体よりも高い温度で発熱し
ている。発熱体の加熱量は電源から抵抗を介することで
容易に可変できる。ここに、流体の流速に応じて、発熱
体19又はアルミナ基板10,62の熱が奪われ、該発
熱体19等の温度が下降し、サーミスタがNTCタイプ
であればサーミスタの抵抗値の増加で分圧端子29の電
圧が上昇することになる。この際、流体の流れが速い場
合は、流体より高温の発熱体又はアルミナ基板の熱をそ
の速さに応じて奪うので、温度も下がり、より低温にな
る。
【0043】このように、上記サーミスタ流速センサー
を使用した測定回路では、特に下記でも述べるように、
感度の調節ができて、熱応答性がよく、製造面でのパラ
ツキもほとんどないので、近時コンピュータを使用した
制御回路に活用しやすくなっている。この場合、サーミ
スタの温度管理は、アナログ信号からデジタル信号に変
換して、コンピュータに導入する。
【0044】次に、この流速センサーと流速との関係を
図6に示す。このグラフは、流体を水として、水を流す
パイプに補償用温度計と流速センサーを挿入した場合
で、横軸に水の水量、縦軸に補償用温度計の検出温度で
ある水温と流速センサーのサーミスタの指示温度の差を
示す図である。水温が5℃と60℃の時の流量で、補償
用温度計22の温度はそれぞれ5℃、60℃を示し、サ
ーミスタの温度は流体の流れがない場合は、水温60℃
よりも高く設定されている。このグラフの結果、水速が
ほとんどないときは、高温の流速センサーと流体の温度
には相当の温度差があるが、水流が速くなると温度差が
ほとんどなくなることが解る。こうして、本サーミスタ
流速センサーが感度に優れた流速センサーとして、機能
することが実証される。
【0045】この結果を利用して、発熱体の発熱量を調
節することにより、流量に対する温度差の大きな領域で
使用でき、流量感度の調節が、可能であるという結果を
も享受できる。このことより、性能的に温度変化に対す
る感度の高い領域で使用できるということもいえる。
【0046】また、本実施例における応答特性につい
て、図7と図8に示して説明する。図7は、サーミスタ
流速センサー3種類を用いて、発熱体への投入電力に対
するサーミスタにより測定する温度が飽和温度の63%
(1/e)となる時間の関係を示した比較グラフであ
る。ここで、□マークは積層成膜で実施例1によるサー
ミスタ流速センサーで、○マークは実施例3による板状
発熱体と板状サーミスタを用いたサーミスタ流速センサ
ーで、●マークは実施例2で示した1枚のアルミナ基板
上に発熱体とサーミスタとを互いに一平面上に平行に配
置したサーミスタ流速センサーである。この3種はそれ
ぞれ使用態様、製造態様によりメリット・デメリットが
あるが、熱の応答特性については、実施例1で示した□
マークのサーミスタ流速センサーが瞬時に発熱体の温度
変化に対応することが理解できる。なお、従来の図14
に示すものでは、熱の応答特性としては10秒以上かか
っていた。
【0047】さらに、図8は同様にサーミスタ流速セン
サー3種を用いて、発熱体への投入電力に対するサーミ
スタで感知する流体(図では水)との温度差の関係を示
した比較図である。各マークは図7の場合と同じであ
る。この結果から、発熱体への投入電力に応じて傾斜が
大きいほど熱感度に優れているわけで、発熱体と絶縁体
とサーミスタとが3層構造を成す積層成膜が熱容量が小
さく、流体、気体の流速、流量を測定する手段に効果的
であることが実証できる。
【0048】他の実施例としては、図9に示した発明に
ついて説明する。図9(A)において、32はアルミナ
やセラミック等の基板で、その一面には半田層31が付
加されている。その基板32の他の一面には、発熱体3
3と絶縁体34とサーミスタ35が積層形式で形成さ
れ、積層型サーミスタ流速センサーを構成する。36,
37,39,40は各電極から取り出した端子である。
【0049】図9(B)には、前記積層サーミスタのセ
ンサー部を実装した図を示している。容器30の内側の
内壁には半田が付着されており、該積層型サーミスタの
半田層31を該半田で接着するものである。こうすれ
ば、容器の半田を付着した面の裏面を流体が流れるの
で、流体の流速による容器30の温度低下を即座に熱伝
導率のよい半田層31を介して発熱体33の温度下降に
至らせ、この下降温度をサーミスタ35が感知し、抵抗
値の増加を電気信号として知覚できるというものであ
る。
【0050】さらに、他の実施例として、図10につい
て説明する。図10(A)において、センサー42は実
施例1,3で示したサーミスタ流速センサーであり、容
器41の内壁に接着剤又は上記半田層等により固定さ
れ、容器41が気体、液体の流体の速度により機械的振
動を起こして、また、取付時のハンドリングなどの時の
振動、衝撃による電極部の劣化等で、そのセンサー部と
端子間の接続線の断線、不接触を避けるため、接続線に
FPC(フレキシブル・プリント・サーキット)43を
用いて、端子44〜46に接続するものである。また図
10(B)に示すように、FPC43とセンサー部42
とは、異方性導電フィルム49を用いて接続され、容器
41に固定されたセンサー部42とFPC43とを接着
し、接続不良を防止するようにしてもよい。
【0051】さらに加えて、他の実施例として、図11
に示して説明する。この実施例は実施例1,3によるサ
ーミスタ流速センサーの応用例で、図11(A)では流
体自体の温度を測定する測温サーミスタ50と、アルミ
ナ等の基板51と、発熱体としての発熱体52と、絶縁
層を介して発熱体52に面して配備され発熱体の温度を
測定するサーミスタ53とで構成される。図11(B)
は、容器、取り出し口の様子を示した図であり、容器内
は密封して、真空にしたり、熱絶縁性樹脂を充填するこ
とで、センサー部の寿命を長くしたり、発熱体の温度を
即応正確に検知するように配置されている。測温サーミ
スタを1容器内に包含することで、傍熱形サーミスタ全
体の小型化が図られる。
【0052】またさらに、他の実施例として、図12に
示して説明する。この実施例も実施例1,3のサーミス
タ流速センサーの応用例で、図12(A)では基板56
上に測温サーミスタ55と発熱体57及びサーミスタ5
8とが配置されたものである。同一基板上に、基準とな
る補償用温度計の測温サーミスタ55が流体の温度を計
測し、その基板に面した発熱体57が発熱し、その発熱
温度をサーミスタ膜が検出する。図12(B)はこの流
速センサーを実装した図である。この場合も流量計全体
の小型化が図られる。
【0053】図19は本発明の、特に水等の比熱が大き
な液体の流量を測定するのに好ましい液体用流量センサ
ーの断面図である。このセンサーは、発熱体111、発
熱体111の上に配置した測温用のサーミスタ膜11
2、およびこれらを覆うカバー105を備えた傍熱型の
液体用流量センサーであり、熱伝導率および電気絶縁性
が高い基板109を具備し、発熱体111およびサーミ
スタ膜112は基板109上に形成されたものであり、
カバー105はこれらが形成された側と反対側の基板1
09面に接着しているとともにこの接着部分の外側にお
いて流量が測定される液体に接するものである。発熱体
111およびサーミスタ膜112は外部へ接続された電
極110を有している。
【0054】カバー105は内径13.3mmφのキャ
ップ状で、熱伝導率が良く、かつ流量が測定される液体
に対する耐食性の良い金属、例えばステンレスSUS3
16Lで構成されたものであり、またカバー105の形
状および大きさは発熱体111の形状および大きさにほ
ぼ等しい。また、図には示されていないが、カバー10
5内において、発熱体111、サーミスタ膜112およ
び基板109の上面は、熱絶縁性の物質、例えば発泡ウ
レタン、ポリエチレン、シリコン樹脂等の充填材で覆わ
れている。基板109は、図2のタイプと同様のもので
あるが、熱伝導率が156W/Km、大きさが5×3m
m、厚さが0.53mmのシリコン製のもので、両面に
厚さ1μmの酸化膜を有するものである。また、発熱体
111の大きさは3.5×1.8mmである。
【0055】この構成を有する本実施例のセンサ、およ
び基板の構成のみが本実施例のものと異なる比較用セン
サを、スパッタリングおよびリフトオフ法を用いて作製
し、比較テストを行なったところ、図15に示す結果が
得られている。ただし、比較用センサの基板は、熱伝導
率が1.1W/Kmで厚さが0.5mmのホウ硅酸ガラ
ス製のものであり、図18に示すように、ヒーター電源
部106から発熱体111に給電するとともに、サーミ
スタ抵抗測定部107においてサーミスタ膜112の抵
抗を測定し、その結果をCPU108において処理して
結果を得たものである。
【0056】図15からわかるように、ガラス基板を用
いた比較用センサの場合(図中、測定値を、「●」で示
してある)は、本実施例のもの(図中、測定値を「■」
で示してある)に比べ、流量変化に対する水温との温度
差が著しく小さく、流量変化に対する感度が著しく悪い
ことがわかる。したがって、基板としては、ガラス基板
は不適当であり、熱伝導率の良いシリコン基板が好まし
いことがわかる。なお上述の比較用センサにおいて、キ
ャップを付けずに直接流水内に挿入して測定した場合
は、図15の「○」で示す結果となり、これを比較用セ
ンサの場合と比べると、キャップを付けることが著しく
測定感度に影響を与えることがわかる。なお、カバーを
付けないで水中にセンサを置いておくと、数時間のうち
に水分がセンサの配線部分から侵入し、センサが破損す
るため、カバーは必要である。
【0057】また、キャップの内径が7.7mmφで断
熱性の充填材を有する場合、キャップの内径が13.3
mmφで断熱性の充填材を有する場合、およびキャップ
の内径が7.7mmφで断熱性の充填材を有しない場合
のそれぞれについて同様の測定を行なったところ、図1
6に示す結果が得られている。この結果、カバーはでき
るだけセンサの寸法に近いほうがよく、かつ熱伝導率の
悪い充填材で覆われていた方が良いことがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、流速センサーを面状や膜状としたことにより、
サーミスタ流速センサーそのものが小型で、熱応答性・
熱追従性及び熱感度に優れ、測定精度の高い、安価なも
のになる。
【0059】また、サーミスタは最大数百μA程度の電
流を付加すればよく、長時間の使用に耐え、劣化の恐れ
がない。
【0060】さらに、本発明によれば、流速センサーは
熱感度・熱応答性がよく、気体などの熱容量の小さな流
体の流量測定にも適する。
【0061】また、この発明によれば、発熱体とサーミ
スタとを面状としているので、薄型化している。
【0062】さらに、この発熱体とサーミスタを密封す
る容器内に封入し、該容器の外面に配線用の接続端子を
設け、発熱体及びサーミスタと該接続端子がFPC等で
接続されているため、耐振動性、耐衝撃性に優れてい
る。
【0063】また、熱伝導率および電気絶縁性が高い基
板を具備し、発熱体および測温素子をこの基板上に形成
するとともに、カバーをこれらが形成された側と反対側
の基板面に接着させ、この接着部分において流量が測定
される液体に接するようにしたため、水等の比熱の大き
な液体の流量についても応答性良く正確な測定を行なう
ことができるとともに、液体とセンサー本体とがカバー
により隔離されているため、腐食に対する安定性も向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による流速センサーを用い
た流量計の構成図である。
【図2】 本発明の一実施例による流速センサーのセン
サー部を示す外観図と構成図である。
【図3】 本発明の一実施例による流速センサーのセン
サー部の構造図である。
【図4】 本発明の一実施例による流速センサーのセン
サー部の構造図である。
【図5】 本発明の一実施例の応用を示した回路図であ
る。
【図6】 本発明の一実施例による特性を示したグラフ
である。
【図7】 本発明の一実施例による特性を示したグラフ
である。
【図8】 本発明の一実施例による特性を示したグラフ
である。
【図9】 本発明の他の実施例による流速センサーの構
造図である。
【図10】 本発明の他の実施例による流速センサーの
構造図である。
【図11】 本発明の他の実施例による流量計の構造図
である。
【図12】 本発明の他の実施例による流量計の構造図
である。
【図13】 従来の流速センサーを用いた流量計の構造
図である。
【図14】 従来の流速センサーの外観図である。
【図15】 図19のセンサーについて比較テストを行
なった結果を示すグラフである。
【図16】 図19のセンサーについて他の比較テスト
を行なった結果を示すグラフである。
【図17】 従来の熱式流量計を示すブロック図であ
る。
【図18】 図19のセンサーを用いて水温との温度差
を測定する様子を示す図である。
【図19】 本発明の、水等の比熱が大きな液体の流量
を測定するのに好ましい実施例に係る液体用流量センサ
ーの断面図である。
【符号の説明】
1,11,63,111:発熱体、2:電極、3:絶縁
体、4,14,64:サーミスタ、5:電極、10,1
09:基板、13:絶縁体、105:カバー、107:
サーミスタ抵抗測定部、108:CPU、110:電
極、112:サーミスタ膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 与生 埼玉県浦和市沼影1−17−17三井金属鉱 業株式会社部品加工事業本部サーミスタ 事業部内 (72)発明者 山岸 喜代志 埼玉県上尾市原市1333−2三井金属鉱業 株式会社総合研究所内 (72)発明者 薮崎 素弘 埼玉県上尾市原市1333−2三井金属鉱業 株式会社総合研究所内 (72)発明者 井上 眞一 埼玉県上尾市原市1333−2三井金属鉱業 株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−85723(JP,A) 特開 平6−82286(JP,A) 特開 平4−218777(JP,A) 特開 平5−93639(JP,A) 特開 平3−31724(JP,A) 特開 平5−248909(JP,A) 特開 昭61−186819(JP,A) 実開 平2−146323(JP,U) 特公 平2−56612(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 5/10 - 5/12 G01F 1/68 - 1/699

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項01】 発熱体と、該発熱体の温度を検出する
    サーミスタを具備したサーミスタ流速センサーであっ
    て、 Ni−Cr合金又はサーメット材料からなる前記発熱体
    と、スピネル型遷移金属酸化物、炭化シリコンおよびシ
    リコンより選択されるNTC材料からなる前記サーミス
    タとを面状とすることを特徴とするサーミスタ流速セン
    サー。
  2. 【請求項02】 請求項1に記載のサーミスタ流速セン
    サーにおいて、 前記発熱体および前記サーミスタがスパッター、CVD
    等の成膜法により形成されるサーミスタ流速センサー。
  3. 【請求項03】 請求項1に記載のサーミスタ流速セン
    サーにおいて、 前記発熱体と前記サーミスタがそれぞれの成分を含有す
    るペーストを印刷する等の厚膜プロセスにより形成され
    るサーミスタ流速センサー。
  4. 【請求項04】 請求項1乃至3のいずれかに記載のサ
    ーミスタ流速センサーにおいて、基板の一面に前記発熱
    体を配置し、該発熱体の上に絶縁層を介して前記サーミ
    スタが積層されることを特徴とするサーミスタ流速セン
    サー。
  5. 【請求項05】 請求項2乃至4のいずれかに記載のサ
    ーミスタ流速センサーにおいて、前記発熱体と前記サー
    ミスタに接続される電極が前記成膜法又は前記厚膜プロ
    セスにより形成されるサーミスタ流速センサー。
  6. 【請求項06】 請求項1乃至5のいずれかに記載のサ
    ーミスタ流速センサーにおいて、前記発熱体と前記サー
    ミスタを密封する容器内に封入し、該容器の外面に配線
    用の接続端子を設けたことを特徴とするサーミスタ流速
    センサー。
  7. 【請求項07】 請求項6に記載のサーミスタ流速セン
    サーにおいて、前記発熱体および前記サーミスタと前記
    接続端子がFPCで接続されることを特徴とするサーミ
    スタ流速センサー。
  8. 【請求項08】 請求項6又は7に記載のサーミスタ流
    速センサーにおいて、前記基板又は前記発熱体を前記容
    器の内壁面に固定したことを特徴とするサーミスタ流速
    センサー。
  9. 【請求項09】 請求項8に記載のサーミスタ流速セン
    サーにおいて、前記基板又は前記発熱体が半田層を介し
    て前記容器の前記内壁面に固定されたことを特徴とする
    サーミスタ流速センサー。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載のサ
    ーミスタ流速センサーにおいて、気体または液体の流量
    または流体速度を測定することを特徴とするサーミスタ
    流速センサー。
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