JP3209472U - 電子装置を制御するためのバッテリーレスで作用する機器及びそれを含んだ入力装置 - Google Patents

Abstract

【課題】あらかじめ定められた作動を実行する電子装置をバッテリーレスの方式で制御するための機器を提供する。【解決手段】機器１００は、近距離無線通信（ＮＦＣ）タグ１１０と、ＮＦＣタグを含む作動ループ１２０と、作動ループを切り換える機械式スイッチ１０３とを含み、ＮＦＣタグは集積回路１０２とアンテナ１０１とを含み、集積回路は、集積回路がエネルギーを与えられた後にそれぞれのあらかじめ定められた作動を実行するために電子装置を起動するように構成され、アンテナは集積回路に電気的に接続されて、集積回路にエネルギーを与えるために電子装置からＮＦＣエネルギーを得るように構成され、機械式スイッチ１０３は、集積回路にエネルギーを与えるためにアンテナがＮＦＣエネルギーを得ることができる作動状態と、集積回路が作動しないようにアンテナがＮＦＣエネルギーを得ることができない非作動状態との間で作動ループを切り換える。【選択図】図１

Description

本発明は、概して無線で電子装置を制御するための方法及び機器に関する。より具体的には、本発明は、近距離無線通信（ＮＦＣ）に基づいて無線で電子装置を制御するためのバッテリーレスで作用する方法及び機器、並びにその用途に関する。

無線制御器は、現在の制御環境の中で非常に一般的である。必然的に伴われる基本的技術は、無線通信、マイクロ波通信、光（可視光及び赤外線の両方）通信、音波（特に、超音波）通信及び電磁誘導通信の概ね５つの種類に分けられることができる。これらの技術のいくつかは、伝導媒体での損失及び減衰により短距離通信にのみ使用され、一方でいくつかは短距離及び長距離通信の両方で使用される。従来の無線制御では、制御器は一般的に指示を生成して、それをその指示に従って特定の作業を行う受信機に送る。この構成は、指示を送信するときに制御器が電力（通常はバッテリーによって供給される）を消費することを必要とする。ここ数十年間に、無線制御器によるエネルギーの獲得を可能にするいくつかの技術が開発された。しかし、それらはバッテリーの寿命を延ばすバッテリーの補助としてのみの機能を果たし、信号変調は外部から容易には得られない多くのエネルギーを消費するので、バッテリーに完全に取って代わることはできない。

無線自動識別（ＲＦＩＤ）は、物品に取り付けられたタグを自動的に識別して追跡するためにデータを転送する無線周波数電磁界の無線非接触使用である。実際の必要性によれば、機械的に若しくは電気的に操作されるスイッチが、タグを起動又は停止するためにＲＦＩＤタグに追加されることができる。例えば、特許文献１は、ＲＦＩＤタグを使用する電子保護システムを記載する。タグを付けた物品に対して正当なアクセスが得られた時、タグで電子、物理又は仮想の停止作用が行われることができる。停止は、ＲＦＩＤタグと質問機との間での情報転送を防ぐために、回路の一部の接続を切る又は回路の一部を短絡させることができるＲＦＩＤタグの回路に配置されたスイッチによって行われることができる。

米国特許第６０２５７８０号明細書

近距離無線通信（ＮＦＣ）は、ＲＦＩＤに基づいて開発された非接触型の短距離無線通信技術である。ＮＦＣでは、通信装置は近接して、通常は１０ｃｍ程度で作用し、電力をほとんど消費しない。結果として、ＮＦＣは情報を交換及び共有するためにますます広まってきており、多くの電子装置がＮＦＣに適合した通信装置になるためにＮＦＣシステムを組み込んでいる。ＮＦＣタグは無線周波数での電磁波の形で送信されるエネルギーによって電力を与えられるので、信号を送るために電源に繋がれることを必要とせず、バッテリーレスの無線制御器としての有望な候補である。しかし、ＮＦＣに基づくバッテリーレスの無線制御器は、これまでに先行技術には見られない。したがって、バッテリーレスの方式で電子装置を無線で制御してあらかじめ定められた作動を実行するためにＮＦＣ技術を利用する、革新的な方法及び機器が必要である。

本発明は、電子装置、例えば携帯電話、タブレット型コンピュータ、又はデジタルカメラなどを、バッテリーレスの方式で無線制御する方法及び機器を提供するという本質的な目的を有する。本発明の主要な利点の１つは、通常は既存の無線制御器では不可欠であるバッテリーなどの電源を必要としないことである。本発明の機器を動かすために必要な電力は、制御される電子装置によって与えられる無線周波数での電磁波の形で送信されて、その機器によって獲得される。したがって、既存の無線制御器での限られたバッテリー寿命の問題は、完全に排除される。

本発明の別の目的は、制御機器を機械的に操作することによる電子装置の無線制御のための方法及び機器を提供することである。制御機器の操作は、電子的又は仮想的でなく機械的であるので、制御機器の作動はより正確で信頼性がある。制御機器の偶発的誤作動が低減される。加えて、標的電子装置の不正制御がより効果的に防止され、その電子装置に保存された個人の口座データなどの重要な情報がより良好に保護されることができる。

本発明による電子装置の無線制御のための方法及び機器はＮＦＣに基づくので、ｍｉｎｉＵＳＢポート又はＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）ポートなどの電子機器で一般的にみられる他の通信ポートは、他の用途のために依然として利用可能であり、使用されない。今日のほとんどの電子装置は多機能であるので、これは特に利点がある。

本発明のこれら及び他の目的及び利点は、本発明の第１の態様で果たされる。それは、少なくとも１つのあらかじめ定められた作動を実行する電子装置をバッテリーレスの方式で制御するための機器を提供する。その機器は、少なくとも１つのＮＦＣタグと、少なくとも１つのスイッチ装置とを含む。ＮＦＣタグは、集積回路とアンテナとを含む。集積回路は、集積回路がエネルギーを与えられた後に、それぞれのあらかじめ定められた作動を実行するために電子装置を起動するように構成される。アンテナは、集積回路に電気的に接続されて、集積回路にエネルギーを与えるために電子装置からＮＦＣエネルギーを得るように構成される。スイッチ装置は、バッテリーレスの作動ループを、集積回路にエネルギーを与えるためにアンテナがＮＦＣエネルギーを得ることができる作動状態と、集積回路が作動しないようにアンテナがＮＦＣエネルギーを得ることができない非作動状態との間で切り換えるように構成される。作動ループは、少なくとも１つのＮＦＣタグの１つと、それぞれのスイッチ装置とが一緒になって形成される。

本明細書で使用される用語「ＮＦＣエネルギー」は、ＮＦＣによって送信される無線周波数のエネルギーを指す。

本発明によれば、ＮＦＣタグは、それぞれのあらかじめ定められた作動を実行する電子装置によって読み取り可能な、タグＩＤ並びにあらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報を含有して構成されてもよい。

本発明の一実施形態では、少なくとも１つのスイッチ装置は、作動ループを作動状態と非作動状態との間で切り換えるために、集積回路のオンとオフを切り換えるための機械式スイッチとして与えられることができる。

本発明の別の実施形態では、少なくとも１つのスイッチ装置は、アンテナの形状又は大きさを変えるための機械式スイッチとして与えられることができる。例えば、集積回路が得るＮＦＣエネルギーが、それぞれのあらかじめ定められた作動を実行するために電子装置を起動するのに十分でないように、アンテナの有効長さを短くする。

本発明による機器は、電子装置に取り外し可能に取り付けられてもよい。電子装置は、例えば携帯電話、タブレット型コンピュータ、及びデジタルカメラからなる群から選択される。

あらかじめ定められた作動は、電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムの起動、ウェブサイトの閲覧、及び電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムにおける作業の実行からなる群から選択されてもよい。作業の実行は、モバイル決済の実行を含むことができ、そこでは電子装置は、ＮＦＣタグから信号を受け取らない限り決済の開始を防止する手段を備える。

本発明の一実施形態では、本発明による機器の複数のＮＦＣタグが、共通アンテナを用いるように構成されてもよい。本発明の別の実施形態では、ＮＦＣタグの各々は、それぞれのアンテナを有する。

本発明による機器のスイッチ装置は、ボタン形式であってもよい。例えば、そのボタンは、押された時に作動ループを作動状態に切り換え、押されない時に作動ループを非作動状態に切り換えることができる。

本発明の第２の態様は、あらかじめ定められた作動を実行する電子装置をバッテリーレスの方式で制御するための方法を提供する。その方法は、少なくとも１つのＮＦＣタグを提供するステップと、少なくとも１つのＮＦＣタグの１つを含むバッテリーレスの作動ループを形成するステップと、作動ループを切り換えるステップとを含み、ＮＦＣタグは集積回路とアンテナとを含み、集積回路は、集積回路がエネルギーを与えられた後にそれぞれのあらかじめ定められた作動を実行するために電子装置を起動するように構成され、アンテナは、集積回路に電気的に接続され、集積回路にエネルギーを与えるために電子装置からＮＦＣエネルギーを得るように構成され、作動ループを切り換えるステップは、集積回路にエネルギーを与えるためにアンテナがＮＦＣエネルギーを得ることができる作動状態と、集積回路が作動しないようにアンテナがＮＦＣエネルギーを得ることができない非作動状態との間で作動ループを切り換える。

本発明の一実施形態では、作動ループを切り換えるステップは、作動ループを作動状態と非作動状態との間で切り換えるために、集積回路のオンとオフを切り換えることを含む。

本発明の別の実施形態では、作動ループを切り換えるステップは、アンテナの形状又は大きさを変えることを含む。例えば、集積回路が得るＮＦＣエネルギーが、それぞれのあらかじめ定められた作動を実行するために電子装置を起動するのに十分でないように、アンテナの有効長さを短くする。

本発明の第２の態様によれば、あらかじめ定められた作動は、電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムの起動、ウェブサイトの閲覧、及び電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムにおける作業の実行からなる群から選択されてもよい。作業の実行は、モバイル決済の実行を含むことができ、そこでは決済は、電子装置でＮＦＣタグから信号を受け取った後にのみ実行される。

本発明の第３の態様は、少なくとも１つのあらかじめ定められた作動を実行する電子装置をバッテリーレスの方式で制御するための本発明の機器の使用、及び情報を入力するための入力装置としての本発明の機器の使用に関する。

本発明の目的、特徴、利点及び技術的効果は、添付の図面を参照して、本発明の概念及び構造についての以下の記載で更に詳細に述べられる。

本発明の第１の実施形態により構成された機器の例示の作動ループを示す図である。 図１に示された第１の実施形態を作動させる工程のフローチャートである。 本発明の第２の実施形態により構成された機器の例示の作動ループを示す図である。 本発明の第３の実施形態による、それぞれのアンテナを備え、制御される電子装置と通信するＮＦＣタグの配列を示す。 本発明の第４の実施形態による、共通アンテナを備え、制御される電子装置と通信するＮＦＣタグの配列を示す。 本発明の第５の実施形態によるスマートフォンケースを示す。 本発明の第６の実施形態による、本発明の機器を使用してモバイル決済を実行する電子装置を制御するための工程のフローチャートである。 電子装置に情報を入力するための入力装置として構成された、本発明の第７の実施形態による機器を示す。ＮＦＣタグの各々は、それぞれのアンテナを有する。 図８Ａに示された機器の内部構造を示す。 電子装置に情報を入力するための入力装置として構成された、本発明の第８の実施形態による機器を示す。複数のＮＦＣタグは、共通アンテナを使用する。 図９Ａに示された機器の内部構造を示す。

本発明は、好ましい実施形態で図示及び説明されるが、本発明の装置は、多くの異なる構成、大きさ、形態及び材料で構成されることができる。そして、本発明の方法は、異なる方法で実施されることができる。

電子装置（以下、「標的電子装置」という。）を無線で制御するための本発明の装置は、ＮＦＣ技術に基づいて構成され、かつバッテリーなしで作動するように構成された機器である。その機器は、機械操作によって作動されることができ、例えばより良好な信頼性及び安全性の利点を提供する。

ＮＦＣタグの従来の適用では、ＮＦＣタグ及びＮＦＣリーダーが、ＮＦＣタグがＮＦＣリーダーからＮＦＣエネルギーを受け取ることができる送信距離内（通常は１０ｃｍ程度）であれば、ＮＦＣタグはタグ情報をＮＦＣリーダーに送る。本発明は、この原理に基づいて開発される。

図１、２を参照すると、本発明の第１の実施形態が図示されている。図１は、本発明の第１の実施形態に従って構成された機器１００を示す。この実施形態では、機器１００は、アンテナ１０１及び集積回路（ＩＣ）１０２を含有するＮＦＣタグ１１０と、機械式スイッチ１０３とを含む。アンテナ１０１、集積回路１０２、及び機械式スイッチ１０３は、直列で１つに接続され、スイッチ１０３によって閉じた作動状態と開いた非作動状態との間を切り換え可能なバッテリーレスの作動ループ１２０を形成する。

アンテナ１０１は、当分野で既知のいかなる種類、形状及び大きさにすることもでき、それは当業者の能力の範囲内である。そのため、アンテナ１０１は本発明の本質ではないので、ここでは詳細に説明されない。

従来のＮＦＣタグの集積回路が、集積回路１０２として使われてもよい。例えば、それは、変調器、エンコーダー、デコーダー、ＥＥＯＲＯＭメモリなどを含むことができる。そのような集積回路もまた当業者の知識の範囲内であるので、ここでは詳細に説明されない。

アンテナ１０１と集積回路１０２とを含むＮＦＣタグは、標的電子装置によって読み取り可能なタグＩＤ、標的電子装置によって実行されるあらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報を含有して構成される。例えば、タグＩＤ並びにあらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報は、集積回路１０２のＥＥＯＲＯＭメモリに保存される。

機械式スイッチ１０３は、直列にアンテナ１０１と集積回路１０２との間に電気的に接続される。機械式スイッチ１０３は、切り換え可能である当分野で既知のいかなる種類のものにもし得る。スイッチ１０３がオンの時、作動ループ１２０は作動状態である閉ループになる。スイッチ１０３がオフの時、作動ループ１２０は開いて非作動状態である。本発明の１つの好ましい実施形態では、機械式スイッチ１０３はボタン形式で与えられ、押された時に作動ループ１２０をオンに切り換え、解放された時に作動ループをオフに切り換えるために使用される。

作動ループ１２０はバッテリーレスの構成であり、それはいかなる形式又はいかなる種類の電源も必要としないことを意味する。作動ループ１２０が作動するために必要とされるエネルギーは、標的電子装置によって送信され、アンテナ１０１によって獲得されるＮＦＣエネルギーである。

作動ループ１２０が作動状態である時、アンテナ１０１は標的電子装置によって送信されたＮＦＣエネルギーを得て、集積回路１０２にエネルギーを与える。エネルギーを与えられた集積回路１０２は、タグＩＤ並びにあらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報を含む信号を、アンテナを介して標的電子装置に送信する。信号を受信すると、標的電子装置は受信した信号を読み込み、信号に含まれる情報に従ってあらかじめ定められた作動を実行する。

作動ループ１２０が非作動状態である時、アンテナ１０１はＮＦＣエネルギーを得る能力がなく、集積回路１０２はエネルギーを与えられない。そのため、ＮＦＣタグと標的電子装置の間で電子通信が起こらない。

この実施形態では、機械式スイッチ１０３はアンテナ１０１と集積回路１０２との間に配置されるが、スイッチ１０３のオン及びオフを切り換えることが作動ループ１２０を開閉するならば、スイッチ１０３をいかなる場所に構成することも可能であることに注意されたい。例えば、スイッチ１０３は、集積回路１０２のいずれかの２つの構成要素（変調器、エンコーダーなど）の間に配置されることができる。

図２は、あらかじめ定められた作動を実行する電子装置をバッテリーレスの方式で制御するために図１に示された機器を作動させる工程のフローチャートを示す。その工程は、ステップ２０１から始まる。ユーザーはあらかじめ定められた作動を実行するために標的電子装置を起動させたい時、作動ループ１２０を閉じるためにステップ２０２で機械式スイッチ１０３を機械的にオンにする。これは、作動ループ１２０が作動状態に切り換えられることを意味する。ステップ２０３で、アンテナ１０１は、標的電子装置によって送信されたＮＦＣエネルギーを得て集積回路１０２にエネルギーを与える。次にステップ２０４で、集積回路１０２は、タグＩＤ並びにあらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報を含む信号を、アンテナを介して標的電子装置に送る。ステップ２０５で、標的電子装置が信号に含まれた指示及び情報に従ってあらかじめ定められた作動を行った後に、ステップ２０６で、ユーザーは機械式スイッチ１０３をオフにし、ステップ２０７で工程が終了する。

図３は、本発明の第２の実施形態を示し、それはアンテナ３０１の有効長さを変え、それによって作動ループ３２０を作動状態と非作動状態との間で切り換え可能に制御するために、機械式スイッチ３０３がアンテナ３０１のＡ点とＢ点の間に配置された点を除いて、図１、２に記載された第１の実施形態と類似する。ＮＦＣ技術では、アンテナ３０１は、集積回路３０２にエネルギーを与えるための十分なＮＦＣエネルギーを得るために、十分に長い有効長さを必要とする。アンテナ３０１の有効長さが短くされて十分なＮＦＣエネルギーを得る能力がなくなれば、集積回路３０２はエネルギーを与えられなくなり、したがって作動ループ３２０は非作動状態に切り換えられる。この実施形態では、スイッチ３０３がＡ点とＢ点を接続するように切り換えられた場合、アンテナ３０１の有効長さが短くされて集積回路３０２がアンテナ３０１から十分なエネルギーを受け取ることができないという結果になり、したがって作動ループ３２０は非作動状態に切り換えられる。スイッチ３０３がＡ点とＢ点の接続を切るように切り換えられた場合、全有効長さが回復され、集積回路３０２は十分にエネルギーを与えられて標的電子装置に信号を送信し、標的電子装置は起動されて信号に従ってあらかじめ定められた作動を実行する。それに続くこの実施形態での機器を作動させる工程は、図２に示される工程と概して同一である。

図３に示される構成に加えて、アンテナ３０１の形状又は大きさがスイッチ３０３を機械的に切り換えることによって変えられる機器のいずれの他の構成も、アンテナ３０１の形状又は大きさの変更によって、ＮＦＣエネルギーの獲得が作動ループ３２０を作動状態と非作動状態との間で切り換えることを可能にすることをもたらすならば、本発明の範囲内であることに注意されたい。

上記の第１及び第２の実施形態に加えて、同様に作動状態と非作動状態との間で作動ループを切り換える多くの他の方法がある。例えば、スイッチは、作動ループを開いた非作動状態に切り換えるためにアンテナにおいて間隙を作り、作動ループを閉じた作動状態に切り換えるためにその間隙を再接続するように構成されてもよい。これらの構成もまた、本発明の範囲内である。

本発明の第３の実施形態によれば、図４に記載されるように複数の作動ループ４２０が構成されて並べて配置される。各作動ループ４２０が、標的電子装置４３０によって実行されるそれぞれのあらかじめ定められた作動に対応する。この実施形態では、本発明の機器４００は４つの作動ループ４２０を含む。それぞれの作動ループ４２０が、アンテナ４０１及び集積回路４０２を含むＮＦＣタグ４１０と、機械式スイッチ４０３とを有する。機械式スイッチ４０３は、第１及び第２の実施形態と同じ方法でＮＦＣタグ４１０に電気的に接続されることができる。

標的電子装置４３０は、ＮＦＣリーダー４３１を含むことができる。ＮＦＣリーダー４３１が機器４００から信号を受け取った時、標的電子装置４３０はタグＩＤの照合に関して応答して、そしてその信号に対する応答を送ることができる。標的電子装置４３０及びＮＦＣリーダー４３１は共に当業者の知識及び能力の範囲内であり、本発明の本質ではないので詳細に説明されない。

それぞれの作動ループ４２０は、第１及び第２の実施形態に従って構成される。各作動ループ４２０のＮＦＣタグ４１０は、独自のタグＩＤ、標的電子装置４３０によって実行されるそれぞれのあらかじめ定められた作動に関連する指示及び情報を含有する。作動ループ４２０の１つが、スイッチ４０３を機械的に切り換えることによって作動状態に切り換えられた時、対応するＮＦＣタグ４１０は、標的電子装置に信号を送る。その信号は、この特定のタグのＩＤ、標的電子装置４３０によって実行されるそれぞれのあらかじめ定められた作動に関連する指示及び情報を含有することができる。ＮＦＣタグ４１０から信号を受け取ると、標的電子装置４３０は、受け取った指示及び情報に従ってあらかじめ定められた作動を実行する。標的電子装置４３０は、あらかじめ定められた作動を実行する前に、タグＩＤの照合を行ってもよい。ユーザーは、標的電子装置４３０を起動して１つの対応するあらかじめ定められた作動を実行する時に、作動ループ４２０の１つについてスイッチ４０３を切り換えることができる。

この実施形態の機器は４つの作動ループ４２０を含むが、機器は４つより多い又は少ない作動ループ４２０を含むことができ、それは本発明の範囲から外れないことが理解される。

図５は、本発明の第４の実施形態を示す。それは、複数の作動ループが共通アンテナ５０１を使用するように構成される点で相違することを除いて、第３の実施形態と同じである。この実施形態では、機器５００は４つの集積回路５０２を含み、そのそれぞれが４つの機械式スイッチ５０３のそれぞれ１つに電気的に接続される。そして、４つのスイッチ５０３は共通アンテナ５０１に接続される。各集積回路５０２は、独自のタグＩＤ、標的電子装置５３０によって実行されるあらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報を含有する。標的電子装置５３０を制御する機器５００の作動は、第３の実施形態を参照することができる。集積回路５０２のいずれか１つが、それぞれのスイッチ５０３を用いてオンに切り換えられて、共通アンテナ５０１によって得られたＮＦＣエネルギーによってエネルギーを与えられる。次にエネルギーを与えられた集積回路５０２は、標的電子装置５３０に信号を送る。その信号は、この特定の集積回路５０２のＩＤ、標的電子装置５３０によって実行されるあらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報を含有する。信号を受け取ると、信号に含有された指示及び情報に従って、標的電子装置５３０はあらかじめ定められた作動を実行する。同様に、ユーザーは、標的電子装置５３０を起動して１つの対応するあらかじめ定められた作動を実行する時に、スイッチ５０３の１つを切り換えることができる。

この実施形態の機器は、４つの集積回路５０２及びそれに応じて４つのスイッチ５０３を含むが、必要であれば、機器は４つより多い又は少ない集積回路５０２及び４つより多い又は少ないスイッチ５０３を含むことができ、それは本発明の範囲から外れないことが理解される。

本発明の方法及び機器は、多くの態様で幅広い用途に適用される。例えば、機器は、電子装置に取り外し可能に取り付けられた付属品である。電子装置は、例えば携帯電話、タブレット型コンピュータ、及びデジタルカメラからなる群から選択される。

本発明の第５の実施形態では、標的電子装置はＮＦＣ機能を備えたスマートフォンであり、図６に示されるように、機器はスマートフォンのフォンケース６００に取り付けられる。スマートフォンは、当分野で周知のいずれのタイプでもよく、したがってここでは詳細に説明されない。ＮＦＣタグ６１０は、フォンケースの内面に取り外し可能に取り付けられ、アンテナ６０１及び集積回路６０２を含む。さらに機械式スイッチ６０３も含まれる。機械式スイッチ６０３は、第１及び第２の実施形態と同じ方法でＮＦＣタグに電気的に接続される。図６に示されるように、スイッチ６０３はフォンケース６００の左側面に配置される。スイッチ６０３はまた、例えばフォンケース６００の右、上若しくは下側面又は背面などの他の位置に配置されてもよいことが理解される。好ましくは、フォンケース６００のＮＦＣタグ６１０とスマートフォンの内蔵ＮＦＣリーダーとの間の適切な信号伝達を確保するために、アンテナ６０１はスマートフォンの内蔵ＮＦＣアンテナの近くに配置される。

標的電子装置によって実行されるあらかじめ定められた作動の１つの例は、そこにインストールされたアプリケーションプログラムの起動である。例えば、あらかじめ定められた作動は、スマートフォンの内蔵カメラで写真を撮ることにすることができる。これは、ユーザーが自分の写真を撮りたいが、内蔵カメラがスマートフォンの背面にある場合に特に有用である。フォンケース６００なしでは、自分の写真を撮る時にスマートフォンの背面をユーザーに向けなければならないので、ユーザーはスマートフォンのタッチスクリーンに表示された写真を撮るための仮想のボタンを見ることができず、写真を撮ることが困難である。フォンケース６００がスマートフォンに取り付けられた場合、スイッチ６０３はフォンケース６００の左側面に配置されるので、スマートフォンの背面のカメラと対向しながらユーザーはスイッチ６０３を見ることができ、したがってスイッチ６０３を正確に操作することができる。これは、自分の写真を撮ることをかなり簡単にする。

あらかじめ定められた作動は、例えば、特定のウェブサイトの閲覧、標的電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムにおける作業の実行など、標的電子装置によって実行されることができる多数のアプリケーションのいずれにもし得ることが理解される。本発明の機器の特に重要な用途は、例えばスマートフォンなどの携帯用電子機器（ＰＥＤ）によるモバイル決済の実行である。現在、グーグルウォレットなどのＰＥＤベースの決済システムでは、ＰＥＤは、それ自身をＮＦＣタグとして装って、外部のＮＦＣリーダーと通信をするために、特定のアプリケーションプログラムを起動する。擬似のＮＦＣタグは、口座情報などの重要かつ秘密の情報を含有する。ユーザーが決済を実行したいとき、ＮＦＣタグ疑似プログラムを起動してＰＥＤをリーダーに提示し、リーダーは擬似のＮＦＣタグに含有される情報を確認して支払工程を開始する。擬似のＮＦＣタグとリーダーとの間で安全の承認が行われるが、擬似のＮＦＣタグに含有される重要かつ秘密の情報が、第三者の不正内蔵プログラム又はウイルスによって、ＮＦＣタグ疑似プログラムの不正起動を介して盗まれるかもしれないという危険が依然としてある。

上述の危険は、本発明によって排除される。ＰＥＤを起動して決済を実行するために本発明の機器を用いる全工程が、図７に記載される。第５の実施形態の機器がこの実施形態において使用され、ＰＥＤとしてスマートフォンが選択される。本発明によれば、決済の開始を防止するように設計されたバックグラウンドプログラムがＰＥＤにあらかじめインストールされる。このバックグラウンドプログラムは、本発明の機器のＮＦＣタグからの指示を受けなければ、ＮＦＣタグ疑似プログラムの起動を防止するように構成され、そのため決済操作及びユーザーの秘密情報へのアクセスを禁止する。そして、本発明の機器のＮＦＣタグからの信号をＰＥＤで受け取り、かつＮＦＣタグと決済システムのＩＤが一致するならば、決済操作及び秘密情報へのアクセスを許可する。これは、安全かつ信頼性のある決済を確実なものにすると共に、秘密情報の漏洩を排除する。

この実施形態では、機械式スイッチは、第１の実施形態について述べられたのと同じ方法で、機器のＮＦＣタグに電気的に接続される。つまり、アンテナ、集積回路、及び機械式スイッチは、直列に接続される。図７に記載されるように、ＰＥＤによって安全な決済を行う工程は、ステップ７０１から開始する。ユーザーが決済を行いたい場合、ステップ７０２で機械式スイッチを切り換えて作動ループをオンに切り換え、それによって作動ループを作動状態に切り換える。ステップ７０３で、アンテナは、ＰＥＤによって送信されたＮＦＣエネルギーを得て集積回路にエネルギーを与える。次にステップ７０４で、集積回路は、タグＩＤ、決済に関連した指示及び情報を含む信号を、アンテナを介してＰＥＤに送る。ステップ７０５でＰＥＤがその信号を受け取った後、ステップ７０６でＮＦＣ決済システムの起動を防止することを停止するためにバックグラウンドプログラムが起動される。次にステップ７０７で、ＮＦＣ決済システムが起動して、ユーザーからの指示に従って決済を実行する。決済が完了した後、ステップ７０８でユーザーは機械式スイッチをオフにし、ステップ７０９で工程が終了する。

スイッチがユーザーによって機械的に操作された時にのみ決済が実行されるので、決済操作の不正な開始及びＰＥＤの擬似のＮＦＣタグに含有される秘密情報への不正アクセスがより有効に防止され、より安全な決済システムを与える。

あるいは、機械式スイッチは、第２の実施形態について述べられたのと同じ方法で、機器のＮＦＣタグに電気的に接続されてもよい。この場合、作動ループは、スイッチが開いた時の作動状態とスイッチが閉じた時の非作動状態との間で切り換え可能である。したがって、ステップ７０２においてユーザーは決済を実行するために機械式スイッチを開け、決済が完了した後に、ステップ７０８においてユーザーは機械式スイッチを閉じる。

本発明の機器の別の用途は、標的電子装置に情報を入力するための非接触入力装置である。この用途では、本発明の機器の各スイッチ装置は好ましくはボタン形式であり、押してそれぞれの作動ループを作動状態にし、解放してそれぞれの作動ループを非作動状態にする。

図８Ａ、８Ｂは、本発明の第７の実施形態を示す。無線キーパッド８００は４つのボタン８０３で構成され、ボタン８０３の各々が無線キーパッドのそれぞれのＮＦＣタグと共に作動ループを形成し、１〜４の間のそれぞれの番号を示す。例えば、ボタン８０３の左上のものが押される時、個別の作動ループが作動状態に切り換えられ、そして番号「１」を示す信号が個別のＮＦＣタグから標的電子装置に送られる。右上、左下、及び右下のボタンは、それぞれが数字２、３、及び４を示すように構成される。図８Ａは４つのボタン８０３の位置の配置を示し、図８Ｂはキーパッド８００の内部構造を示す。４つのＮＦＣタグの各々が、それぞれのアンテナ８０１を含む。それぞれのボタン８０３が、第１の実施形態について述べられたように、それぞれのＮＦＣタグに電気的に接続される。つまり、ボタン８０３、それぞれのアンテナ８０１、及びそれぞれの集積回路８０２は、直列に接続される。したがって、ボタン８０３の１つが押された時、それぞれの集積回路８０２が閉じ、それぞれの作動ループは、それが示す番号を表示するために切り換えられる。４つのアンテナ８０１はキーパッド８００のアンテナ領域８０４に配置され、４つのボタン８０３はキーパッド８００のボタン領域８０５に配置される。

この実施形態のキーパッドは４つのボタン８０３を含むが、当業者はキーパッドが４つより多い又は少ないボタン８０３を含むことができることを理解し、それは本発明の範囲から外れない。上記の入力装置は、様々な作動を制御するための制御器として構成されることができることもまた理解される。

図９Ａ、９Ｂは、本発明の第８の実施形態を示す。それは、４つのボタン９０３が共通アンテナ９０１を共有するように構成される点で相違することを除いて、図８Ａ、８Ｂに記載された第７の実施形態と構造的に同じである。図９Ａは４つのボタン９０３の位置の配置を示し、図９Ｂはキーパッド９００の内部構造を示す。共通アンテナ９０１はキーパッド９００のアンテナ領域９０４に配置され、４つのボタン９０３はキーパッド９００のボタン領域９０５に配置される。キーパッド９００の操作は、上述されたキーパッド８００の操作と同じである。第７の実施形態と第８の実施形態を比べると、第８の実施形態での「共通アンテナ」の構成は、第７の実施形態での「個別アンテナ」の構成よりもかなり小さなスペースを必要とすることが明確に理解される。

いくつかの好ましい実施形態に従って本発明の本質を十分に説明したが、本発明は実施形態及び図面の構造並びに機能に限定されるべきでない。その基本的な原理が変更、変化、又は修正されない限り、細部の変形であり得ると言える。本発明の範囲を外れない、当業者の一般的知識によって容易に得られる多くの変形及び修正は、本発明の範囲に該当する。

１００ 第１の実施形態の機器
１０１ アンテナ
１０２ 集積回路
１０３ 機械式スイッチ
１１０ ＮＦＣタグ
１２０ 作動ループ
３００ 第２の実施形態の機器
３０１ アンテナ
３０２ 集積回路
３０３ 機械式スイッチ
３１０ ＮＦＣタグ
３２０ 作動ループ
４００ 第３の実施形態の機器
４０１ アンテナ
４０２ 集積回路
４０３ 機械式スイッチ
４１０ ＮＦＣタグ
４２０ 作動ループ
４３０ 標的電子装置
４３１ ＮＦＣリーダー
５００ 第４の実施形態の機器
５０１ アンテナ
５０２ 集積回路
５０３ 機械式スイッチ
５３０ 標的電子装置
６００ 第５の実施形態のスマートフォン用のフォンケース
６０１ アンテナ
６０２ 集積回路
６０３ 機械式スイッチ
８００ 第７の実施形態の無線キーパッド
８０１ アンテナ
８０２ 集積回路
８０３ ボタン
８０４ アンテナ領域
８０５ ボタン領域
９００ 第８の実施形態の無線キーパッド
９０１ アンテナ
９０２ 集積回路
９０３ ボタン
９０４ アンテナ領域
９０５ ボタン領域

Claims (18)

1. 少なくとも１つのあらかじめ定められた作動を実行する電子装置をバッテリーレスの方式で制御するための機器であって、
   少なくとも１つの近距離無線通信（ＮＦＣ）タグと、
   少なくとも１つのスイッチ装置と
   を含み、前記ＮＦＣタグは、集積回路とアンテナとを含み、前記集積回路は、前記集積回路がエネルギーを与えられた後にそれぞれの前記あらかじめ定められた作動を実行するために前記電子装置を起動するように構成され、前記アンテナは、前記集積回路に電気的に接続され、前記集積回路にエネルギーを与えるために前記電子装置からＮＦＣエネルギーを得るように構成され、前記スイッチ装置は、バッテリーレスの作動ループを、前記集積回路にエネルギーを与えるために前記アンテナが前記ＮＦＣエネルギーを得ることができる作動状態と、前記集積回路が作動しないように前記アンテナが前記ＮＦＣエネルギーを得ることができない非作動状態との間で切り換えるように構成され、前記作動ループは、前記少なくとも１つのＮＦＣタグの１つと、それぞれの前記スイッチ装置とが一緒になって形成される、機器。
2. 前記ＮＦＣタグは、それぞれの前記あらかじめ定められた作動を実行する前記電子装置によって読み取り可能な、タグＩＤ並びに前記あらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報を含有して構成される、請求項１に記載の機器。
3. 前記少なくとも１つのスイッチ装置は、前記作動ループを前記作動状態と前記非作動状態との間で切り換えるために、前記集積回路のオンとオフを切り換えるための機械式スイッチとして与えられる、請求項１に記載の機器。
4. 前記少なくとも１つのスイッチ装置は、前記アンテナの形状又は大きさを変えるための機械式スイッチとして与えられ、例えば、前記集積回路が得る前記ＮＦＣエネルギーが、それぞれの前記あらかじめ定められた作動を実行するために前記電子装置を起動するのに十分でないように、前記アンテナの有効長さを短くする、請求項１に記載の機器。
5. 前記機器は、前記電子装置に取り外し可能に取り付けられ、前記電子装置は、例えば携帯電話、タブレット型コンピュータ、及びデジタルカメラからなる群から選択される、請求項１に記載の機器。
6. 前記あらかじめ定められた作動は、前記電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムの起動、ウェブサイトの閲覧、及び前記電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムにおける作業の実行からなる群から選択される、請求項１に記載の機器。
7. 前記作業の実行はモバイル決済の実行を含み、前記電子装置は、前記ＮＦＣタグから信号を受け取らない限り前記決済の開始を防止する手段を備える、請求項６に記載の機器。
8. 複数の前記ＮＦＣタグが共通アンテナを用いるように構成されるか、又は前記ＮＦＣタグの各々はそれぞれのアンテナを有する、請求項１に記載の機器。
9. 前記スイッチ装置はボタン形式である、請求項１に記載の機器。
10. あらかじめ定められた作動を実行する電子装置をバッテリーレスの方式で制御するための方法であって、
    少なくとも１つの近距離無線通信（ＮＦＣ）タグを提供するステップと、
    前記少なくとも１つのＮＦＣタグの１つを含むバッテリーレスの作動ループを形成するステップと、
    前記作動ループを切り換えるステップと
    を含み、前記ＮＦＣタグは集積回路とアンテナとを含み、前記集積回路は、前記集積回路がエネルギーを与えられた後にそれぞれの前記あらかじめ定められた作動を実行するために前記電子装置を起動するように構成され、前記アンテナは、前記集積回路に電気的に接続され、前記集積回路にエネルギーを与えるために前記電子装置からＮＦＣエネルギーを得るように構成され、前記作動ループを切り換えるステップは、前記集積回路にエネルギーを与えるために前記アンテナが前記ＮＦＣエネルギーを得ることができる作動状態と、前記集積回路が作動しないように前記アンテナが前記ＮＦＣエネルギーを得ることができない非作動状態との間で前記作動ループを切り換える、方法。
11. 前記ＮＦＣタグは、それぞれの前記あらかじめ定められた作動を実行する前記電子装置によって読み取り可能な、タグＩＤ並びに前記あらかじめ定められた作動に関連した指示及び情報を含有して構成される、請求項１０に記載の方法。
12. 前記作動ループを切り換えるステップは、前記作動ループを前記作動状態と前記非作動状態との間で切り換えるために、前記集積回路のオンとオフを切り換えることを含む、請求項１０に記載の方法。
13. 前記作動ループを切り換えるステップは、前記アンテナの形状又は大きさを変えることを含み、例えば、前記集積回路が得る前記ＮＦＣエネルギーが、それぞれの前記あらかじめ定められた作動を実行するために前記電子装置を起動するのに十分でないように、前記アンテナの有効長さを短くする、請求項１０に記載の方法。
14. 前記電子装置に前記ＮＦＣタグを取り外し可能に取り付けるステップを更に含む、請求項１０に記載の方法。
15. 前記あらかじめ定められた作動は、前記電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムの起動、ウェブサイトの閲覧、及び前記電子装置にインストールされたアプリケーションプログラムにおける作業の実行からなる群から選択される、請求項１０に記載の方法。
16. 前記作業の実行はモバイル決済の実行を含み、前記決済は、前記電子装置で前記ＮＦＣタグから信号を受け取った後にのみ実行される、請求項１５に記載の方法。
17. 少なくとも１つのあらかじめ定められた作動を実行する電子装置をバッテリーレスの方式で制御するための請求項１から８のいずれか１つに記載の機器の使用。
18. 情報を入力するための入力装置としての請求項１から８のいずれか１つに記載の機器の使用。

Images