JP3208517B2 - 7,8−シクロプロパタキサン類 - Google Patents

7,8−シクロプロパタキサン類

Info

Publication number
JP3208517B2
JP3208517B2 JP21471793A JP21471793A JP3208517B2 JP 3208517 B2 JP3208517 B2 JP 3208517B2 JP 21471793 A JP21471793 A JP 21471793A JP 21471793 A JP21471793 A JP 21471793A JP 3208517 B2 JP3208517 B2 JP 3208517B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
mmol
formula
ethyl acetate
hexane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21471793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06179665A (ja
Inventor
チェン シュ−ホェイ
ファリナ ヴィットリオ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bristol Myers Squibb Co
Original Assignee
Bristol Myers Squibb Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/029,819 external-priority patent/US5254580A/en
Application filed by Bristol Myers Squibb Co filed Critical Bristol Myers Squibb Co
Publication of JPH06179665A publication Critical patent/JPH06179665A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3208517B2 publication Critical patent/JP3208517B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗腫瘍活性を有する化合
物を提供する。
【0002】
【従来の技術】タキソール(taXol)は最初ウエス
タン・イエウ、タクサス・ブレビフォリア・ニュート
(タキサシエ)〔Wstern Yew,Taxus
brevifolia Nut.(Taxacea
e)〕の幹の樹皮から単離され、以下の構造((C)
2′−、7−、8−、10−および13−位を示す)を
有する。
【0003】
【化3】
【0004】米国国立癌研究所(the Nation
al Cancer Institute)(NCI)
によって後援された進行中の臨床試験において、タキソ
ールは、卵巣癌、乳癌及び他の癌の進行性症例と戦うこ
とにおいて、見込みのある結果を示した。
【0005】タキソールは他の場合には不利な条件下で
もチューブリンからの安定な微小管の組立てを促進する
点において、抗有糸***性薬物の中で特異的である。こ
の薬物は微小管に結合してそれらを解重合から安定化
し、かくしてチューブリン−微小管平衡を壊し、結果と
して有糸***を抑制する。タキソールの作用のメカニズ
ム、毒物学、臨床的効能、等はいくつかの論文、例えば
ロビンスキー(Rowinsky)らの論文、J.Na
tl.Cancer Inst.,82,1247−1
259(1990)中の「タキソール:新規な治験中の
抗微小管剤」で概説されている。
【0006】癌治療におけるその有意な有効性の発見以
来、多くの研究所がより良い薬理学的プロフィールを求
めてタキソール類縁体をデザインするプログラムを開始
した。かかるプログラムから、例えば下式のタキソテル
(taxotere)が発見された。
【0007】
【化4】
【0008】J.Med.Chem.,34,1176
−1184の「A環側鎖置換基が除去され、変異性のC
−2′立体配置を有する生物学的に活性なタキソール類
縁体」;J.Med.Chem.,34,992−99
8(1991)の「タキソール類縁体とそれらの抗有糸
***性活性との相関関係」参照。本発明は抗腫瘍活性を
有する構造的に新規なタキソール誘導体に関する。
【0009】
【発明の概要】本発明は下式Iのタキソール誘導体を提
供する。
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1 はt−ブトキシカルボニルで
あり、R2 はフェニルであり、そしてR 3 及びR 4
緒になってカルボニル基を形成する。)本発明によって
医薬製剤(組成物)及び式Iの化合物で哺乳類腫瘍を治
療する方法も提供される。
【0012】
【発明の詳細な記述】本発明は下式Iのタキソール誘導
体を提供する。
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R1 はt−ブトキシカルボニルで
あり、R2 はフェニルであり、そしてR 3 及びR 4
緒になってカルボニル基を形成する。)
【0015】式Iの化合物の合成は種々の方法によって
行うことができる。
【0016】下記の合成の記述及び具体例は専ら例示の
目的のためであり、いかなる方式においても、他の方法
で本発明の化合物を製造することを制限するものと解釈
されるべきではない。
【0017】1つの態様において、式Iの化合物はスキ
ームIの方法によって製造することができる。該スキー
ムにおいては、式IIの化合物をDASTと反応させて
式IIIの化合物を得る。ここで用いられるRは水
素、アセチルオキシまたは−ORであり、Rは水素
であるか、またはR及びRは一体となってカルボニ
ル基を形成し;R及びRは各々同一のもしくは異な
る慣用のヒドロキシ保護基である。式IIIの化合物か
らヒドロキシ保護基を除去することにより式Iの化合物
を得る。
【0018】式IIの化合物は慣用の出発物質を用いて
種々の慣用の方法によって製造することができる。例え
ば、ある態様においては、Rがアセチルオキシまたは
水素である式IVの化合物をDBU等の塩基で処理する
ことにより式Vの化合物を得ることができる。さらに
2′−ヒドロキシ基の保護によって式IIの範囲内の化
合物である、式IIの化合物が得られる。スキームI
I。別の態様においては、スキームIIIの方法によっ
て式IIの化合物を製造することができる。このスキ
ームにおいては、式IVの化合物を、7−ヒドロキシ
をエピマー化すると共に10−アセチルオキシを脱アセ
チル化する、ZnBrで処理して式IVの化合物を得
ることができる。工程(b)において遮蔽されていない
10−ヒドロキシ及ひ2′−ヒドロキシを同一のもしく
は異なる慣用のヒドロキシ保護基で保護して式IIの範
囲内の更なる化合物を得ることができる(RとR
対して異なるヒドロキシ保護基を選ぶ場合には1つの保
護基を他の保護基に影響を与えることなく除去できるの
でしばしば有利である。一般にヒドロキシ保護基に対す
る反応性は10−ヒドロキシ基に対するより2′−ヒド
ロキシ基に対する方が大きい。)。さらなる例として、
式VIの化合物をMnOで処理して式Xの化合物を得
ることができる。スキームIV。2′−ヒドロキシの保
護によって式IIの化合物が得られる。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】式IVの化合物は種々の方法によって得る
ことができる。例示として、式VIIIのアゼチジノン
を式IXの化合物〔バッカテイン(baccatin)
III誘導体〕と反応させて式VIIの化合物を得るこ
とができる。式VIIにおいてR10も慣用のヒドロキ
シ保護基であるが、式VIIIのRと異なるヒドロキ
シ保護基であることが好ましい。R10がトリエチルシ
リルである式IXの化合物は1990年5月8日にDe
nisらに付与された米国特許第4,924,011号
明細書に報告されている。R10がトリアルキルシリル
以外である式IXの他の7−ヒドロキシ保護バッカティ
ンIII化合物の合成は当業者に容易であろう。式VI
IIの一般的クラスのアゼチジノン類は既知である。そ
れらの合成またはそれらの前駆体の合成はHolton
によって、1990年12月5日に発行されたヨーロッ
パ特許出願第0,400,971A2に;オジマらによ
ってTetrahedron,48,No.34,69
85−7012(1992);Journal of
Organic Chemistry,56,1681
−1683(1991);及びTetrahedron
Letters,33,No.39,5737−57
40(1992);及びPalomoらによってTet
rahedron Letters,31,No.4
4,6429−6432(1990)に報告された。こ
れらの5つのすべての開示をそれらの全体においてここ
に参考文献として引用されている。式VIIIの範囲に
入るが上記5つの文献に具体的に開示されておらずもし
くは他に報告もされていない他のアゼチジノン類を生産
するための変法に適合させることができる方法は当業者
にとって容易であろう。さらに、ヨーロッパ特許出願第
0,400,971A2及びTetrahedron
48,No.34,6985−7012(1992)も
式VIIIのクラスのアゼチジノン類をバッカティンI
II誘導体またはそのナトリウムアルコキシド(C)1
3−ヒドロキシ基と反応させて種々の(C)13−側鎖
を有するタキソール類縁体を得る方法を記述している。
スキームVの工程(a)においては、(C)13−炭素
上の水酸基を、カップリング前に、金属アルコキシドに
変換するのが有利である。その金属アルコキシドの金属
カチオンはIaまたはIIa属金属から選ばれるのが好
ましい。目的とする金属アルコキシドの形成は式IXの
化合物をリチウムジイソプロピルアミド、C1−6アル
キルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミ
ド、フェニルリチウム、水素化ナトリウム、水素化カリ
ウム、水素化リチウム等の強金属塩基と反応させること
によってなされる。例えばリチウムアルコキシドが望ま
れる場合には、式IXの化合物をテトラヒドロフラン等
の不活性溶媒中でn−ブチルリチウムと反応させればよ
い。工程(b)における式VIIの化合物からヒドロキ
シ保護基を除去することによって式IVの化合物が得ら
れる。。
【0025】本発明で用いられる慣用のヒドロキシ保護
基はヒドロキシ機能を遮蔽もしくは保護するために用い
られる基であり、当業者に周知である。好ましくは、か
かる基は分子の残余の部分を全く分解しない方法によっ
て除去し得る基である。かかる容易に除去し得るヒドロ
キシ保護基の例としては、クロロアセチル、メトキシメ
チル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2,
2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル、テトラヒ
ドロピラニル、テトラヒドロフラニル、t−ブチル、ベ
ンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、
ジフェニルメチル、トリC1−6アルキルシリル、トリ
フェニルシリル、1−エトキシエチル、アリルオキシカ
ルボニル等が挙げられる。タキソール及びその誘導体の
ヒドロキシ基のための好ましい保護基は1−エトキシエ
チル、トリエチルシリル、アリルオキシカルボニル、
2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル及びベ
ンジルオキシカルボニルである。使用し得る他の適当な
保護基はTheodora W.GreeneとPet
er G.M.Wutsによる“Protecting
Groups in Organic Synthes
is”第2版(1991、John Wiley &
Sons出版)の第2章に見い出される。この開示をこ
こに参考に引例として掲げられている。
【0026】スキームVIに示されるように、ヒドロキ
シ保護基Rを式IIIの化合物から選択的に除去
し、(C)10−ヒドロキシ上でRCOOHまたはRO
COG(式中、Gはハロゲン、1−イミダゾイル等の脱
離基である)でアシル化することにより、式XIIIの
化合物を得ることができる。R2がRCOO−または
ROCOO−である式XIIIの化合物からRを除去
することにより、式Iの範囲内の更なる化合物を得るこ
とができる。本明細書において、「アシル化」はヒドロ
キシ基のカーボネート基への誘導体化をも意味する。
【0027】ヒドロキシ基をカルボン酸によってアシル
化する手法は当分野で周知である。本発明にとって特に
有用な手法はジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、クロロギ酸アルキルとトリエチルアミン、ピリジ
ニウム塩−BuN、ジクロロリン酸フェニル、DCC
とアミノピリジン、2−クロロ−1,3,5−トリニト
ロベンゼンとピリジン、ポリリン酸エステル、クロロス
ルホニルイソシアネート、クロロシラン類、MeSO
Cl−トリエチルアミン、PhP−CCl−トリエ
チルアミン、N,N′−カルボニルジイミダゾール等を
はじめとする脱水剤を用いる手法である。これらの試薬
への言及はJorry Marchによる“Advan
ced Organic Chemistry”、第3
版、348−351頁(1985、John Wile
y & Sons出版)に見い出される。より特定的に
有利な脱水系はDCCと4−ジメチルアミノピリジン
(4−DMAP)よりなる。
【0028】
【化12】
【0029】天然のβ位に7−ヒドロキシ基を有するタ
キソール誘導体、例えば式XXXIの化合物によって表
わされる誘導体を塩化メチレン等のハロゲン化溶媒中D
ASTで処理することによって、式IIIの7,8−シ
クロプロパタキサン(7,8−cyclopropat
axane)と式XXXIIの7α−フルオロタキサン
が同時に得られることも見い出された(工程(a)の反
応をテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/ジエチ
ルエーテル等のエーテル性溶媒中で行う場合には、7α
−フルオロタキサンが通常唯一の生成物である)。式I
IIの化合物を式XXXIIの化合物から分離し、ヒド
ロキシ保護基を除去することによって式Iの化合物を
得ることができ;または、望まれる場合には、式III
とXXXIIの化合物の混合物からヒドロキシ保護基を
除去し、ついで目的とする式Iの化合物を得られた混
合物から分離することができる。スキームXI。ここで
13は水素、アセチルオキシまたは−OHであり、R
14は水素であるか、またはR13及びR14は一体と
なってカルボニル基を形成する。
【0030】スキームXIにおいては、式Iの化合物
の(C)13−側鎖をテトラブチルアンモニウムボロハ
イドライド等の還元剤で除去して式XXXVのバッカテ
ィンIII誘導体を得ることができる。スキームVの工
程(a)と同様にして、式XXXVの化合物をつづけて
式VIIIのβ−ラクタム(R及びRが式Iにお
けるそれらと異なっていてもよい)と反応させて式XX
XVIIの化合物を得、それからRヒドロキシ保護基
を除去することができる。スキームXIの方法は各工程
に実質的に悪影響を与えない7α−フルオロタキサンX
XXIIIの存在下に行うことができる。式XXXVI
IIの7α−フルオロタキサンは最後に、7,8−シク
ロプロパタキサンから分離することができる。
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【具体的態様の記述】本出願で描かれた構造式は本発明
の化合物の構造をもっともよく表わしていると信じられ
る。しかしながら、本発明の範囲内のいくつかの化合物
は他の互変異性形態として存在することができ、そこで
は水素原子は分子の他の部分へ転移し、分子の原子間の
化学結合は結果として再配列される。構造式は、存在す
る限りにおいて、すべての互変異性形態を表わしている
ことが理解されるべきである。
【0034】以下の具体的実施例は本発明の代表的化合
物の合成を例示するものであり、範囲において本発明を
限定するものと解されるべきでない。それらの方法は本
発明に包含されるが具体的に開示されていない化合物を
生産するための変法に適合させることができる。さら
に、いくらか異なった方法で同じ化合物を生産する方法
の変化も当業者にとっては明らかであろう。
【0035】すべての温度は特定されていない場合摂氏
(C)であるものとする。核磁気共鳴(NMR)スペク
トル特性は対照基準としてのテトラメチルシラン(TM
S)に対する100万あたりの部(ppm)で表わされ
る化学シフト(δ)を指称する。プロトンNMRスペク
トルデータ中の種々のシフトに対して報告された相対面
積は分子中の特定の官能タイプの水素原子の数に対応す
る。多重度に関するシフトの性質はブロードシングレッ
ト(bs)、ブロードダブレット(bd)、ブロードト
リプレット(bt)、ブロードカルテット(bq)、シ
ングレット(s)、マルチプレット(m),ダブレット
(d)、カルテット(q)、トリプレット(t)、ダブ
ル・オブ・ダブレット(dd)、ダブル・オブ・トリプ
レット(dt)及びダブル・オブ・カルテット(dq)
として報告されている。NMRスペクトルを取るために
用いる溶媒はDMSO−d(多重水素化ジメチルスル
ホキシド)、DO(重水素化水)、CDCl(重水
素化クロロホルム)及び他の慣用の重水素化溶媒であ
る。赤外(IR)スペクトルの記述は官能基同定値を有
する吸収波数(cm−1)のみを包含する。セライト
(Celite)は硅藻土に対するJohns−Man
villeProducts Corporation
の登録商標である。
【0036】ここで用いる略号は当分野で広く用いられ
る慣用の略号である。それらのいくつかは次の通りであ
る。 Ac :アセチル Ar :アリール Bn :ベンジル Bz :ベンゾイル Cbz :ベンジルオキシカルボニル DAST :ジエチルアミノサルファートリフルオライ
ド DBU :1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデク−7−エン DCI :脱着化学イオン化 FAB :高速原子衝撃 h :時間 HRMS :高分解能質量分析 min :分 MS :質量分析 NOBA :m−ニトロベンジルアルコール Ph :フェニル tBu :ターシャリーブチル TES :トリエチルシリル TROC(Troc):2,2,2−トリクロロエチル
オキシカルボニル(トリクロロエチルオキシカルボニ
ル) V/V :体積/体積 Y :収率
【0037】
【実施例】
実施例1 2′−0−ベンジルオキシカルボニル−7−エピ−ヒド
ロキシタキソール(IIa)
【0038】
【化15】
【0039】HuangらによってJ.Nat.Pro
d.,1986,49,pp665−9に記述されたも
のとして利用可能な7−エピ−ヒドロキシタキソール
(237mg,0.278mmol)を乾燥ジクロロメ
タン(5.6mL)に溶解した。この溶液に0℃でi−
PrNEt(0.145mL,0.834mmol)
を加え、ついでBnOCOCl(0.119mL,0.
834mmol)を加えた。反応を該温度で3h攪拌し
た。ついで溶媒を真空除去し、残渣をクロマトグラフィ
ーに付して(ヘキサン中の50%酢酸エチルで溶出)、
泡状物質として目的生成物IIa 257mg(Y:8
1%)を得た。H−NMR(CDCl)δ 8.1
2−7.19(m,20H),6.88(d,J=9.
5Hz,1H),6.76(4,1H),6.20
(m,1H),5.94(dd,J=2.7Hz,J′
=9.3Hz,1H),5.69(d,J=7.5H
z,1H),5.40(d,J=2.8Hz,1H),
5.09(AB q,2H),4.86(dd,J=
3.6Hz,J′=12.3Hz,1H)、4.65
(s,2H),4.52(s,2H),3.86(d,
J=7.5Hz,1H),3.65(s,1H),2.
48−1.01(m,22H,2.48,2.12,
1.83,1.60,1.14,1.06,3Hでの各
シングレットを含む);HRMS C5558NO
16に対しての計算値(MH):988.3756,実
測値:988.3732.
【0040】実施例2 2′−O−ベンジルオキシカルボニル−7−デオキシ−
8−デスメチル−7,8−シクロプロパタキソール(I
IIa)及び化合物XIa
【0041】
【化16】
【0042】化合物11a(162.3mg,0.16
4mmol)を乾燥ジクロロメタン(3.3mL)中に
0℃で溶解した。この溶液にDAST(43,5μl,
0.328mmol)を加えた。該温度で2時間後、別
のバッチのDAST(43.5μl,0.328mmo
l)を加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、つい
で室温で一夜攪拌した。16時間後、2〜3滴の水を加
えて反応を停止し、溶媒を真空除去した。残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の40%酢酸エチ
ルで溶出)で精製し、44.6mg(Y:27.5%)
の出発物質IIaとの混合物として99.6mg(Y:
63%)の化合物IIIa及びXIaを得た。化合物X
Iaに対する化合物IIIaの比はHPLC分析によっ
て約1:1であると決定された。セミ分取用HPLC
(シリカゲル、40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)に
付し、泡状物質として化合物IIIaを得た。 化合物IIIa:H−NMR(CDCl)δ 8.
14−8.11(m,2H),7.65−7.12
(m,18H),6.86(d,J=9.6Hz,1
H),6.34(s,1H),6.24(m,1H),
5.95(dd,J=2.6Hz,J′=9.4Hz,
1H),5.61(d,J=7.7Hz,1H),5.
39(d,J=2.7Hz,1H),5.10(AB
q,2H),4.69(m,1H),4.14(AB
q,2H),4.02(d,J=7.6Hz,1H),
2.49−1.08(m,23H,2.39,2.1
4,1.86,1.20,1.16,3Hでの各シング
レットを含む);HRMS C5556NO15に対
しての計算値(MH):970.3650,実測値:9
70.3631.
【0043】実施例3 7−デオキシ−8−デスメチル−7,8−シクロプロパ
タキソール(Ia)
【0044】
【化17】
【0045】化合物IIIa(89mg,0.092m
mol)を乾燥EtOAc(2mL)に溶解し、触媒量
のパラジウム炭素(29.3mg,10%、0.027
6mmol)を加えた。反応混合物を水素雰囲気下で5
h攪拌した。ついで溶媒を蒸発し、残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィー(ヘキサン中の50%酢酸エチルで溶
出)に付して、74.3mg(Y:96.9%)の標記
生成物を得た。H−NMR(CDCl)δ 8.1
9−8.15(m,2H),7.68−7.24(m,
13H),6.94(d,J=9.0Hz,1H),
6.29(s,1H),6.23(m,1H),5.7
9(dd,J=2.5Hz,J′−8.9Hz,1
H),5.64(d,J=7.7Hz,1H),4.7
5(dd,J=2.6Hz,J′=4.9Hz,1
H),4.70(m,1H),4.17(AB q,2
H),4.04(d,J=7.6Hz,1H),3.4
5(d,J=4.9Hz,1H),2.49−1.17
(m,22H,2.39,2.18,1.79,1.2
4,1.20,3Hでの各シングレットを含む);HR
MS C4449NO13に対しての計算値(M
H):836.3249,実測値:836.3249.
【0046】実施例4 10−デアセチル−ビス−2′,10−O−トリクロロ
エチルオキシカルボニルタキソール(11b)
【0047】
【化18】
【0048】Kingstonの方法(J.Org.C
hem.1991,56,5114)によって製造した
10−デアセチル−7−エピーヒドロキシタキソール
(186mg,0.229mmol)を乾燥ジクロロメ
タン(4.6mL)に溶解した。この溶液に0℃で乾燥
ピリジン(74.2μL,0.917mmol)、つい
でトリクロロエチルクロロホーメイト(94.7μL,
0.688mmol)を加えた。1h後反応物を室温ま
で温め、ついで一夜攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣
をクロマトグラフィー(ヘキサン中の30−35%酢酸
エチルで溶出)で精製して泡状物質として206mg
(Y:77.3%)の標記生成物を得た。H−NMR
(CDCl)δ 8.18−8.14(m,2H),
7.73−7.24(m,13H),6.92(d,J
=9.6Hz,1H),6.66(s,1H),6.2
6(m,1H),6.06(dd,J=2.9Hz,
J′=9.5Hz,1H),5.74(d,J=7.4
Hz,1H),5.55(d,J=2.9Hz,1
H),4.91(dd,J=3.8Hz,J′=8.6
Hz,1H),4.78(m,4H),4.37(AB
q,2H),3.86(d,J=7.4Hz,1
H),3.70(m,1H),2.57−1.13
(m,21H,2.56,1.88,1.67,1.1
8,1.13,3Hでの各シングレットを含む);HR
MS C5152NO17Clに対しての計算値
(MH):1160.1366,実測値:1160.1
322.
【0049】実施例5 10−デアセチル−ビス−2′,10−O−トリクロロ
エチルオキシカルボニル−8−デスメチル−7−デオキ
シ−7,8−シクロプロパタキソール(IIIb)及び
化合物XIb
【0050】
【化19】
【0051】化合物IIb(124.6mg,0.10
7mmol)を乾燥ジクロロメタン(2.15mL)に
溶解した。この溶液に0℃でDAST(28.3μL,
0.214mmol)を加えた。該温度で2h後、2回
目のDAST(14.2μL,0.107mmol)を
加えた。反応混合物で0℃で1h、ついで室温で16h
攪拌した。溶媒を除去し、残渣をクロマトグラフィー
(ヘキサン中の30−35%酢酸エチルで溶出)に付し
て残余の出発物質IIb 56.8mg(45.6%)
と共にシクロプロパン誘導体IIIb及びXIbの混合
物56.5mg(Y:46.1%)を得た。HPLCに
より求めた化合物XIbに対する化合物IIIbの比は
41/59であった。上記2つの化合物をHPLC(シ
リカゲル、ヘキサン中の30%酢酸エチルで溶出)で分
離した。 化合物IIIb:H−NMR(CDCl)δ 8.
19−8.16(m,2H),7.70−7.32
(m,13H),6.91(d,J=9.5Hz,1
H),6.27(m,1H),6.11(s,1H),
6.06(dd,J=2.7Hz,J′=9.5Hz,
1H),5.66(d,J=7.6Hz,1H),5.
52(d,J=2.8Hz,1H),4.72(m,1
H),4.78(m,4H),4.18(AB q,2
H),4.03(d,J=7.5Hz,1H),2.4
8−1.21(m,20H,2.45,1.91,1.
25,1.21,3Hでの各シングレットを含む);H
RMS C5150NO16Clに対しての計算値
(MH):1142.1261,実測値:1142.1
228.
【0052】実施例6 10−デアセチル−7−デオキシ−8−デスメチル−
7,8−シクロプロパタキソール(1b)
【0053】
【化20】
【0054】化合物IIIb(16.8mg,0.01
47mmol)を酢酸(0.4mL)及びメタノール
(0.6mL)に溶解した。亜鉛粉末(28.1mg,
0.44mmol)を加えた。反応混合物を45℃で
1.5h加熱した。ついで固体を濾去した。濾液を真空
濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサ
ン中の60%酢酸エチルで溶出)に付して標記生成物9
mg(Y:77.6%)を得た。H−NMR(CDC
)δ 8.18−8.15(m,2H),7.69
−7.24(m,13H),6.99(d,J=9.0
Hz,1H),6.25(m,1H),5.80(d
d,J=2.2Hz,J′=9.0Hz,1H),5.
64(d,J=7.7Hz,1H),4.97(s,1
H),4.75(d,J=2.2Hz,1H),4.7
0(m,1H),4.20(AB q,2H),4.2
1(s,1H),4.07(d,J=7.6Hz,1
H),2.40−1.16(m,20H,2.39,
1.79,1.21,1.16,3Hでの各シングレッ
トを含む);HRMS C4547NO12Kに対し
ての計算値(MH):832.2735,実測値:83
2.2741.
【0055】実施例7 10−デアセチルオキシ−10−オキソ−7−エピ−ヒ
ドロキシタキソール(Xa)
【0056】
【化21】
【0057】10−デアセチル−7−エピ−ヒドロキシ
タキソール(162mg,0.200mmol)を乾燥
ジクロロメタン(4mL)に溶解した。この溶液に室温
でMnO(521mg,6.00mmol)を加え
た。反応物を該温度で一夜攪拌した。溶媒を除去し、残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の60
%酢酸エチルで溶出)に付して標記生成物117mg
(Y:72.2%)を得た。H−NMR(CDC
)δ 8.19−8.12(m,2H),7.72
−7.25(m,13H),6.97(d,J=8.9
Hz,1H),6.21(m,1H),5.86(d,
J=7.3Hz,1H),5,78(dd,J=2.4
Hz,J′=8.9Hz,1H),4.89(m,1
H),4.80(dd,J=2.5Hz,J′=5.2
Hz,1H),4.44(d,J=11.1Hz,1
H)4.38(AB q,2H),4.01(d,J=
7.2Hz,1H),3.85(m,1H),3.61
(d,J=5.2Hz,1H),2.52−1.10
(m,20H,2.50,2.03,1.72,1.2
2,1.19,3Hでの各シングレットを含む);HR
MS C4548NO13に対しての計算値(M
H):810.3126,実測値:810.3115.
【0058】実施例8 2′−O−アリルオキシカルボニル−10−デアセチル
オキシ−10−オキソ−7−エピ−ヒドロキシタキソー
ル(IIc)
【0059】
【化22】
【0060】化合物Xa(136mg,0.140mm
ol)を乾燥ジクロロメタン(2.8mL)に溶解し
た。この溶液に0℃で乾燥ピリジン(34.1μL,
0.421mmol)及びクロロギ酸アリル(44.7
μL,0.421mmol)を加えた。反応物を室温で
一夜攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィー(ヘキサン中の40%酢酸エチルで溶
出)により精製して標記生成物102.3mg(Y:8
1.6%)を得た。H−NMR(CDCl)δ
8.17−8.13(m,2H),7.72−7.33
(m,13H),6.94(d,J=9.4Hz,1
H),6.20(m,1H),5.98(dd,J=
2.6Hz,J′=9.4Hz,1H),5.91−
5.82(m,2H),5.43(d,J=2.7H
z,1H),5.36−5.24(m,2H),4.8
9(m,1H),4.63−4.32(m,5H),
4.00(d,J=7.2Hz,1H),3.82
(m,1H),2.53−1.08(m,20H,2.
53,1.88,1.71,1.17,1.09,3H
での各シングレットを含む);HRMS C4952
NO15に対しての計算値(MH):894.333
7,実測値:894.3315.
【0061】実施例9 2′−O−アリルオキシカルボニル−10−デアセチル
オキシ−10−オキソ−8−デスメチル−7−デオキシ
−7,8−シクロプロパタキソール(IIIc)及び化
合物XIc
【0062】
【化23】
【0063】化合物IIc(102.3mg,0.11
4mmol)を乾燥ジクロロメタン(2.3mL)に溶
解した。この溶液に0℃でDAST(30.3μL,
0.229mmol)を加えた。該温度で2h後、別の
用量のDAST(15.2μL,0.115mmol)
を加えた。反応物を0℃で1h攪拌し、室温で一夜放置
した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(ヘキサン中の30−35%酢酸エチルで溶出)
に付して、出発化合物IIc 58mg(Y:56.7
%)と共に生成物IIIc及びXIc 40.5mg
(Y:40.8%)を得た。HPLCにより求めた化合
物XIcに対するIIIcの比は6:4であった。これ
らの化合物をセミ分取用HPLC(シリカゲル、ヘキサ
ン中の30%酢酸エチルで溶出)によって分離した。 化合物IIIc:H−NMR(CDCl)δ 8.
19−8.16(m,2H),7.69−7.23
(m,13H),6.92(d,J=9.4Hz,1
H),6.24(m,1H),5.98(dd,J=
2.4Hz,J′−9.5Hz,1H),5.88
(m,1H),5.77(d,J=7.6Hz,1
H),5.41(d,J=2.4Hz,1H),5.3
6−5.25(m,2H),4.70(m,1H),
4.62(m,2H),4.21(AB q,2H),
3.97(d,J=7.4Hz,1H),2.54−
1.21(m,20H,2.43,1.92,1.3
0,1.21,3Hでの各シングレットを含む);HR
MS C4950NO14に対しての計算値(M
H):876.3231,実測値:876.3228.
【0064】実施例10 10−デアセチルオキシ−10−オキソ−8−デスメチ
ル−7−デオキシ−7,8−シクロプロパタキソール
(Ic)
【0065】
【化24】
【0066】化合物IIIc(11.4mg,0.01
3mmol)を乾燥THF(0.5mL)に溶解し、溶
液を乾燥Nにより2min脱気した。触媒量のPd
(PPh(0.30mg,0.00026mmo
l)を加えた。この溶液に室温でHOAc(3.7μ
L,0.065mmol)を、ついで直後にBuSn
H(7.0μL,0.026mmol)を加えた。反応
は40minで完了した。反応混合物をCHCN(5
mL)で希釈し、ヘキサン(3×1mL)で洗浄した。
有機層を真空濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(ヘキサン中の60%酢酸エチルで溶出)によって
精製して8.2mg(Y:79.6%)の化合物Icを
得た。H−NMR(CDCl)δ 8.21−8.
15(m,2H),7.71−7.31(m,13
H),6.90(d,J=9.1Hz,1H),6.2
3(m,1H),5.81−5.74(m,2H),
4.77(dd,J=2.5Hz,J′−4.9Hz,
1H),4.69(m,1H),4.20(AB q,
2H),3.98(d,J=7.6Hz,1H),3.
47(d,J=5.0Hz,1H),2.52−1.1
4(m,20H,2.40,1.84,1.30,1.
22,3Hでの各シングレットを含む);HRMS C
4546NO12に対しての計算値(MH):79
2.3020,実測値:792.3037.
【0067】実施例11 7−トリエチルシリルオキシ−10−デアセチルバッカ
ティンIII(XXIX) 10−デアセチルバッカティンIII〔タクサス(イチ
イ属)・バケイタ(Taxus baccata)か
ら、628.0mg,1.150mmol〕を乾燥DM
F(6mL)に溶解し、0℃に冷却し、イミダゾール
(312.8mg,4.595mmol)及びクロロト
リエチルシラン(0.772mL,4.60mmol)
で処理した。混合物を0℃で4h攪拌し、酢酸エチル
(150mL)で希釈し、水及び塩水で徹底的に洗浄し
た。有機層を乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィー(ヘキサン中の50%酢酸エチルで溶
出)によって精製して標記生成物を泡状物質として得た
(Y:586mg,77%)。この化合物はGreen
oらによってJ,Am,Chem,Soc.,110,
5917(1988)に記述された。
【0068】
【化25】
【0069】実施例12 10−ペンタフルオロフェニルチオノカーボネート−7
−トリエチルシリルオキシバッカティンIII(XX
X) 化合物XXIX(319mg,0.485mmol)を
乾燥THF(5mL)に溶解し、−40℃に冷却し、n
−ブチルリチウム(ヘキサン中1.58M,0.384
mL,0.606mmol)で処理した。この温度で4
0min後、クロロチオノギ酸ペンタフルオロフェニル
(0.086mL,0.536mmol)を注射器によ
って手際よく加えた。反応混合物を−20℃で90mi
n攪拌し、塩化アンモニウム溶液を加えて反応を停止
し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を乾燥し、濃
縮した。反応物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン中の40%酢酸エチルで溶出)によって精製し、泡
状物質として化合物XXXを得た(Y:320mg,7
4%)。H−NMR(CDCl)δ 8.09
(d,2H) 7.56(t,1H)7.44(m,2
H) 6.78(s,1H) 5.64(d,J=6.
9Hz,1H) 4.96−4.89(m,2H)
4.49(dd,J=10.2Hz,J′=6.6H
z,1H) 4.12(AB q,2H) 3.80
(d,J=6,9Hz,1H) 2.55−0.44
(m,43H);MS:884(MH).
【0070】実施例13 10−デアセチルオキシ−7−トリエチルシリルオキシ
バッカティンIII(IXa) チオノカーボネートXXX(119mg,0.135m
mol)を乾燥トルエン(3mL)に溶解し、AIBN
(2mg)で処理した。溶液を乾燥窒素で脱気し、トリ
ブチルチンハイドライド(0.055mL,0.202
mmol)を加えた。ついで溶液を90℃で1h加熱し
た。溶媒を蒸発し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ー(ヘキサン中の40%酢酸エチルで溶出)に付して化
合物IXaを無色泡状物質として得た(Y:87mg,
99%)。H−NMR(CDCl)δ 8.07
(d,J=8.2Hz,2H) 7.56(bt,1
H) 7.44(m,2H) 5.57(d,J=6.
7Hz,1H) 4.92(d,J=9.3Hz,1
H) 4.78(bs,1H) 4.48(dd,J=
10.4Hz,J′=6.6Hz,1H) 4.09
(ABq,2H) 4.06(d,J=6.7Hz,1
H) 3.74(d,J=14.8Hz,1H) 3.
35(bd,1H) 2.44(m,1H) 2.25
(s,3H) 2.22−0.45(m,42H);M
S:642(MH
【0071】
【化26】
【0072】実施例14 (3R,4S)−4−フェニル−3−トリエチルシリル
オキシ−2−アゼチジノン(XXII) 無水ジクロロメタン(15mL)中の(L)−トレオニ
ンメチルエステル塩酸塩(1.26g,7.44mmo
l)をイミダゾール(1.01g,14.89mmo
l)及びt−ブトキシジフェニルシリルクロライド
(2.274g,7.816mmol)と室温で16h
攪拌した。反応混合物を水とジクロロメタンの間で分配
した。有機層を5%重炭酸ナトリウム水及び水で洗浄
し、乾燥し、濃縮して2.88gの粗油状物質を得、こ
れを直接次の工程で使用した。H−NMR(CDCl
)δ 7.70−7.25(m,10H) 4.44
(m,1H) 3.62(s,3H) 3.31(d,
J=3Hz,1H) 2.12(bs,2H) 1.3
−1.15(m,12H).
【0073】無水ジクロロメタン(10mL)中の上記
油状物質(548g,1.414mmol)を4Å分子
篩の存在下室温にてベンズアルデヒド(0.158m
L,1.55mmol)で処理して、その場で式XVの
化合物を得た。化合物XVを含有する溶液を−40℃に
冷却し、直ちにトリエチルアミン(0.20mL,1.
698mmol)を加え、ついでアセトキシアセチルク
ロライド(XIV)(0.182mL,1.698mm
ol)を10minかけて加えた。混合物を放置して4
時間かけて室温に至らしめ、生成物をジクロロメタンと
水の間で分配した。有機相を水及び塩水で洗浄し、乾燥
し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1:4
EtOAc/ヘキサンで溶出)に付して化合物XVI
を3R,4S:3S,4Rジアステレオマーの約10:
1の混合物として得た。
【0074】乾燥THF(2mL)中の該ジアステレオ
マー混合物(245.1mg,0.414mmol)を
酢酸(0.15mL)及びフッ化テトラブチルアンモニ
ウム(TBAF,THF中1M,1.20mL)で処理
した。溶液を室温で14h攪拌し、ついで酢酸エチルと
5%重炭酸ナトリウム水の間で分配した。有機相を乾燥
し、濃縮した。1:1酢酸エチル/ヘキサンを溶出剤と
して用いるフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーに
よって泡状物質として66mg(Y:50%)の化合物
XVII(一方のジアステレオマー)を得た。H−N
MR(CDCl)δ 7.42−7.25(m,5
H) 5.90(d,J=4.8Hz,1H) 5.0
9(d,J=4.8Hz,1H) 4.28(m,1
H) 4.01(d,J=4.8Hz,1H) 3.7
0(s,3H) 1.37(s,3H) 1.19
(d,J=6.6Hz,3H).
【0075】乾燥ジクロロメタン(100mL)中の式
XVIIの化合物(9.8g,0.0305mol)を
トリエチルアミン(9.40mL,0.0671mo
l)及びメタンスルホニルクロライド(MSCl,3.
50mL,0.0457mol)によって−78℃で処
理した。溶液を一夜放置して室温に至らしめた。反応混
合物を水とジクロロメタンの間で分配した。有機層を5
%重炭酸ナトリウム水、稀HCl水、水及び塩水で洗浄
し、濃縮して化合物XVIIIを粗製油状残渣として得
た。粗製残渣(10.0g)をジクロロメタン(250
mL)に溶解し、溶液が青色を保つまで溶液にオゾンを
通した。硫化メチル(11mL)を添加し、反応混合物
を濃縮して式XIXの化合物(粗物質)を得た。
【0076】式XIXの混合物をTHF(150mL)
に溶解し、−78℃にてヒドラジンヒドレート(10m
L)で処理した。2h後、混合物を稀HCl水及び酢酸
エチル中に注ぎ、2相を分離した。有機相をさらなる
酸、水及び塩水で洗浄し、濃縮して粗生成物を得、これ
を溶出剤として塩化メチレン中の1−5%メタノールを
用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して
4.40g(Y:71%)の式XXの化合物を得た。
H−NMR(CDCl)δ 7.38−7.24
(m,5H) 6.31(bs,1H) 5,87(b
m,1H) 5.04(d,J=4.8Hz,1H)
1.67(s,3H).
【0077】アセトニトリル(130mL)中の化合物
XX(2.39g,11.22mmol)の溶液を1M
KOH水溶液(140mL)とアセトニトリル(10
0mL)の冷却した(−5℃)混合物に滴下した。混合
物を0℃で1h攪拌し、酢酸エチル(300mL)、水
(50mL)及び飽和重曹水(50mL)で稀釈した。
有機相を分離し、水層をついで酢酸エチル(3×200
mL)で抽出した。有機相を合し、乾燥し、濾過し、濃
縮して式XXIの化合物(粗物質)を得、これをヘキサ
ン/アセトンから再結晶した(mp 184−6℃)。
収量1.53g(Y:82%)。
【0078】乾燥THF(5.0mL)中のアゼチジノ
ンXXI(580mg,3.55mmol)にイミダゾ
ール(265.5mg,3.90mmol)ついでトリ
エチルシリルクロライド(TESCl,0.654m
L,3.90mmol)を加えた。混合物を1h撹拌し
た。酢酸エチルを加え、有機層を塩水、10% HCl
水で洗浄し、乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン中の25%酢酸エチルで溶出)により670
mg(Y:68%)の化合物XXIIを泡状物質として
得た。
【0079】実施例15 (3R,4S)−1−t−ブトキシカルボニル−4−フ
ェニル−3−トリエチルシリルオキシ−2−アゼチジノ
ン(VIIIa)
【0080】
【化27】
【0081】乾燥THF(25mL)中の(3R,4
S)−4−フェニル−3−トリエチルシリルオキシ−2
−アゼチジノン(XXII)(2.200g,7.92
mmol)の攪拌した溶液にアルゴン雰囲気下0℃で
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.65mL,
9.510mmol,1.2当量)を加えた。溶液を5
min攪拌し、ついで炭酸ジ−t−ブチル(2.080
g,9.510mmol,1.2当量)及び4−ジメチ
ルアミノピリジン(193.6mg,1.581mmo
l,0.20当量)を添加した。反応混合物を0℃で6
0min撹拌した。溶液を酢酸エチル(25mL)で希
釈した。得られた溶液を塩水、10% NaHCO
10% HCl溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO)、
濃縮して粗製化合物(油状物質)を得た。さらに化合物
をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン
中の15%酢酸エチルで溶出)によって精製して白色固
体として2.4g(Y:83%)の標記β−ラクタムを
得た。H−NMR(CDCl)δ 7.28(m,
5H) 5.03(m,2H)1.39(s,9H)
0.76(t,J=7.6Hz,9H) 0.43
(m,6H).
【0082】実施例16 (3R,4S)−1−ベンゾイル−4−フェニル−3−
トリエチルシリルオキシ−2−アゼチジノン(VIII
b)
【0083】
【化28】
【0084】乾燥CHCl(25mL)中の(3
R,4S)−4−フェニル−3−トリエチルシリルオキ
シ−2−アゼチジノン(XXII)(1.000g,
3.601mmol)の攪拌した溶液にアルゴン雰囲気
下0℃でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.6
89mL,3.961mmol,1.1当量)を加え
た。溶液を5min攪拌し、塩化ベンゾイル(0.45
9mL,3.961mmol,1.1当量)及び4−ジ
メチルアミノピリジン(96.5mg,0.790mm
ol,0.20当量)を加えた。反応混合物を室温で1
h攪拌し、ついで酢酸エチル(25mL)で希釈した。
得られた溶液を塩水、10% NaHCO、10%
HCl溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮して
粗製化合物を油として得た。化合物をついでシリカゲル
フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の15%酢
酸エチルで溶出)で精製して油状物質として1.04g
(Y:80%)の標記β−ラクタムを得た。H−NM
R(CDCl)δ 8.07−8.00(m,2H)
7.59−7.45(m,3H) 7.37−7.3
1(m,5H) 5.41(d,J=6.1Hz,1
H) 0.83−0.77(m,9H) 0.54−
0.42(m,6H).
【0085】実施例17 10−デアセチルオキシタキソール(IVa) 乾燥ジクロロメタン(3.5mL)中の10−デアセチ
ルタキソール(XXIII)(140mg,0.173
mmol)を0℃においてピリジン(0.028mL,
0.346mmol)及びトリクロロエチルクロロホー
メイト(0.0724mL,0.260mmol)で処
理した。この温度で1h後、冷浴を除去し、混合物を室
温で一夜攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル
カラム上のクロマトグラフィー(ヘキサン中の30−5
0%酢酸エチルで溶出)に付して泡状物質として92.
3mg(Y:46%)の化合物XXIVを得た。溶出を
続け、泡状物質として化合物XXVを16%の収率で得
た。
【0086】乾燥ジクロロメタン(2mL)中の化合物
XXIV(92.3mg,0.079mmol)を1,
1,2−トリフルオロ−2−クロロトリエチルアミン
(0.0384mL,0.238mmol)で処理し
た。溶液を一夜攪拌し、溶媒を蒸発させ、残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の25%酢酸エチ
ルで溶出)で精製して白色固体として42.8mg
(Y:47%)の化合物XXVIを得た。
【0087】ジエノンXXVI(39mg,0.034
mmol)をメタノール(0.5mL)及び酢酸(0.
5mL)に溶解した。亜鉛末(66.4mg,1.02
mmol)を加え、混合物の温度を40℃で1h保持し
た。不溶物を濾去した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(ヘキサン中の60%酢酸エチル
で溶出)に付して泡として22mg(Y:81.5%)
の化合物XXVIIを得た。
【0088】酢酸エチル(0.7mL)中のジエノンX
XVII(22mg,0.028mmol)を10%パ
ラジウム炭(14.7mg)の存在下1気圧よりやや大
なる水素圧下室温で5.5h水素化した。触媒を濾去
し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1:1酢
酸エチル/ヘキサンで溶出)で精製して泡状物質として
15mg(Y:68%)の化合物IVaを得た。
【0089】
【化29】
【0090】実施例18 N−デベンゾイル−N−t−ブチルオキシカルボニル−
10−デアセチルオキシタキソール(IVb)
【0091】
【化30】
【0092】化合物IXa(100mg,0.156m
mol)をアルゴン下フラスコに入れ、乾燥THF
(1.5mL)に溶解した。−40℃に冷却後直ちに、
n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.45M,0.11
9mL,0.170mmol)を滴下し、ついでTHF
(0.5mL)中の(3R,4S)−1−tert−ブ
トキシカルボニル−4−フェニル−3−トリエチルシリ
ルオキシ−2−アゼチジノン(VIIIa)(94.2
mg,0.25mmol)を2minかけて滴下した。
混合物を直ちに0℃まで温め、45min攪拌し、つい
で飽和塩化アンモニウム(3mL)で反応を停止した。
混合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥し、濃縮した。シリ
カゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の30%酢酸エ
チルで溶出)に付して泡状物質としてN−デベンゾイル
−N−t−ブチルオキシカルボニル−10−デアセチル
オキシ−2′,7−ビス−O−(トリエチルシリル)タ
キソールを得た(Y:125mg,76mg)。この化
合物(100mg,0.098mmol)を直ちにアセ
トニトリル(2mL)に−5℃で溶解し、塩酸(0.0
37mL,36%,12M)で処理した。混合物を−5
℃で2h攪拌し、重曹水で反応を止め、酢酸エチルで抽
出し、乾燥した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルクロマト
グラフィー(ヘキサン中の75%酢酸エチルで溶出)に
付して泡状物質として標記化合物を得た(Y:80.5
mg,80%)。H−NMR(CDCl)δ 8.
10(d,J=8.2Hz,2H) 7.64−7.2
9(m,8H) 6.11(bt,1H) 5.68
(d,J=6.9Hz,1H) 5.43(bd,1
H) 5.25(bd,1H) 4.93(d,J=
7,7Hz,1H) 4.60(bs,1H) 4.3
0−4.18(m,3H) 4.02(d,J=7.7
Hz,1H) 3.80(d,J=15.8Hz,1
H) 3.46−3.40(m,2H) 2.62
(m,1H) 2.35(s,3H) 2.35−2.
25(m,2H) 1.89−1.65(m,5H)
1.63(s,3H) 1.35(s,9H) 1.1
9(s,3H) 1.16(s,3H).
【0093】実施例19 2′−O−(ベンジルオキシカルボニル)タキソール
(XXXIa)
【0094】
【化31】
【0095】無水CHCl(4mL)中のタキソー
ル(150mg,0.176mmol)及びN,N−ジ
イソプロピルエチルアミン(93μL,0.534mm
ol,3当量)の室温での攪拌溶液に室温でクロロギ酸
ベンジル(75μL,0.525mmol,3当量)を
加えた。反応混合物を室温で3h攪拌した。反応混合物
を容積で2mLに濃縮し、生成物を、溶出剤として1:
1のEtOAc/ヘキサンを用いて、シリカゲルカラム
で精製して白色粉末として150mg(0.152mm
ol,Y:86%)の標記化合物XXXIaを得た。 mp,140−150℃(分解);[α] 20 −5
3.5°(c−0.2,95% EtOH);H−N
MR(300 MHz、アセトン−d)δ ppm;
1.18(3H,s,17−H),1.92(3H,
s,16−H),1.66(3H,s,19−
),1.96(3H,s,18−H),2.16
(3H,s,10−OAc),2.5(3H,s,4−
OAc),3.53(1H,d,J=5.89Hz,7
−OH,DOで交換),3.85(1H,d,J=
7.19Hz,3−H),3.9(1H,s,1−O
H,DOで交換),4.17(2H,ABq,20−
),4.25(1H,m,7−H),4.97(1
H,d,J=9.56Hz,5−H),5.19(2
H,ABq,OCH),5.54(1H,
d,J=5.5Hz,2′−H),5.68(1H,
d,J=7.13Hz,2−H),6.01(1H,d
d,J=5.5,9.05Hz,3′−H),6.17
(1H,bt,J=9.0Hz,13−H),6.42
(1H,s,10−H),7.28−7.69(16
H,m),7.87(2H,“d”,J=8Hz,3′
−NHCOPh),8.14(2H,“d”,J=8H
z,2−COPh),8.55(1H,d,J=9.
06Hz,NH,DOで交換);MS(FAB−NO
BA/Nal+KI):m/e 988(M+H)
1010(M+Na),1026(M+K);IR
(KBr)ν max:3448,1748(C=
O),1726(CONH),1250(C−O)cm
−1;UV(MeOH:HO,1:1)λmax:1
98(ε 7.3×10),230nm(ε 2.7
×10).HRMS C5558NO16に対して
の計算値(MH):988.3756.実測値:98
8.3766.Anal. C5557NO16・H
Oに対する計算値:C,65.67;H,5.92;
N,1.40. 実測値:C,65.99;H,5.6
4;N,1.33.
【0096】実施例20 2′−O−ベンジルオキシカルボニル−7−デオキシ−
8−デスメチル−7,8−シクロプロパタキソール(I
IIa)
【0097】
【化32】
【0098】DAST(18.7μL,0.141mm
ol)を乾燥ジクロロメタン(0.5mL)に溶解し、
この溶液を0℃に冷却した。ジクロロメタン(1mL)
中の化合物XXXIa(71mg,0.072mmo
l)の溶液を加え、得られた溶液を0℃で30min及
び室温で4h保持した。反応を終結させるため反応混合
物に水(0.15mL)を加え、得られた混合物を濃縮
して残渣を得た。残渣をシリカゲルカラム上でクラマト
グラフィー(ヘキサン中の40%酢酸エチルで溶出)に
付して白色無定形固体として化合物IIIaと2′−O
−ベンジルオキシカルボニル−7−α−フルオロタキソ
ールの1:1混合物61mg(Y:85.7%)を得
た。
【0099】実施例21 7−デオキシ−8−デスメチル−7,8−シクロプロパ
タキソール(Ia)
【0100】
【化33】
【0101】化合物IIIaと2′−O−ベンジルオキ
シカルボニル−7α−フルオロタキソールの1:1混合
物(89mg)を酢酸エチル(3mL)に溶解し、パラ
ジウム炭(10% Pd,29mg,0.027mmo
l)の存在下で1気圧よりやや大なる水素圧下に混合物
を攪拌した。12h後、溶媒を除去し、残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(ヘキサン中の40%酢酸エチル
で溶出)で精製して、7−α−フルオロタキソールと共
に、白色固体として標記化合物67.7mg(Y:88
%)を得た。化合物Iaを7α−フルオロタキソールを
分離するために以下のHPLC法を用いることができ
る。 方法1: 機器 ポンプ:PEシリーズ4 カラム:Shandon Hypercarb(黒鉛化
カーボン)、7μ、100×4.6mm、#59864
750〔セミ分取用(preparative)サイズ
のカラムについての情報はKeystone Scie
ntific,Bellefonte,PAから得るこ
とができる〕 インジェクター:PE ISS−100 検出器:HP−1040M 条件 移動相:85:15 塩化メチレン:ヘキサン 80:19:1 塩化メチレン:ヘキサン:イソプロピ
ルアルコールでは分離損失なし 流速 :2.5mL/min 検出器:254nm 希釈液:試料を塩化メチレンに溶解 方法2:溶出剤として1:1の酢酸エチル及びヘキサン
及び10mL/minの流速を用いるDYNAMAX−
60A(Si 83.121−C)セミ分取用HPLC
カラム(30cm×2.5cm)を用いた場合、7α−
フルオロタキソールの保持時間は15.59minであ
り、化合物Iaの保持時間は16.65minであっ
た。
【0102】実施例22 N−デベンゾイル−N−t−ブトキシカルボニル−2′
−O−トリエチルシリル−7−デオキシ−8−デスメチ
ル−7,8−シクロプロパタキソール(XXXVII
a)
【0103】
【化34】
【0104】化合物1aと7α−フルオロタキソール
(572mg,3:2混合物)の混合物を乾燥ジクロロ
メタン(7mL)中のテトラブチルアンモニウムボロハ
イドライド(286mg,1.111mmol)で室温
で一夜処理した。過剰のボロハイドライドを酢酸(0.
4mL)で分解し、溶媒を蒸発させて粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラム上で精製して(ヘ
キサン中の50%酢酸エチルで溶出)、7−デオキシ−
8−デスメチル−7,8−シクロプロパバッカティンI
II(XXXVa)と7α−フルオロバッカティンII
I(XXXIVa)の混合物271mg(Y:69%)
を白色の泡状物質として得た。
【0105】乾燥THF(1mL)中の化合物XXXV
a及びXXXIVa(130mg)の溶液を−40℃に
冷却し、アルゴン下n−ブチルリチウム(ヘキサン中
1.63M,0.164mL,0.260mmol)を
滴下した。15min後、乾燥THF(0.5mL)中
の1−t−ブトキシカルボニル−(3R,4S)−シス
−3−トリエチシリルオキシ−4−フェニルアゼチジノ
ン(VIIIa)(203mg,0.530mmol)
の溶液を加え、混合物を0℃に温めた。反応を0℃で9
0min続け、飽和塩化アンモニウム水で停止させた。
反応混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を乾
燥し、濾過し、真空濃縮して粗製油を得た。この油をシ
リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の40%酢酸
エチルで溶出)で精製して、N−デベンゾイル−N−ブ
トキシカルボニル−2′−O−トリエチルシリル−7α
−フルオロタキソール(XXXVIa)と共に、白色の
泡状物質として143mgの標記化合物を得た。
【0106】実施例23 N−デベンゾイル−N−t−ブトキシカルボニル−7−
デオキシ−8−デスメチル−7,8−シクロプロパタキ
ソール(Id)
【0107】
【化35】
【0108】アセトニトリル(1mL)中の化合物XX
XVIaとXXXVIIa(100mg)の混合物の溶
液に−5℃でHCl水溶液(0.0192mL,0.3
0mmol,36%溶液)を加えた。反応混合物を10
min撹拌し、酢酸エチル(.5mL)で希釈した。有
機相を水で洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮して残渣を得
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中
の40%酢酸エチルで溶出)で精製して、N−デベンゾ
イル−N−t−ブトキシカルボニル−7α−フルオロタ
キソールと共に、泡状物質として73mgの標記生成物
を得た。
【0109】実施例24 生物学的研究 本発明の7,8−シクロプロパタキサン類はヒト結腸癌
細胞HCT−116及びHCT−116/VM46に対
して生体外細胞毒性活性を示した。HCT−116/V
M46細胞はテニポサイド(teniposide)耐
性について以前に選ばれた細胞であり、タキソールに対
する耐性を含む多剤耐性表現型である。D.A.Scu
dieroら、Evaluation of solu
bletetrazolium/formazan a
ssay for cellgrowth and d
rug sontitivity in cultur
e using human and other t
umor celllines(ヒト及び他の腫瘍細胞
株を用いる培養物における細胞増殖及び薬物感受性につ
いての可溶性テトラゾリウム/ホルマザンアッセイの評
価)、Cancer Res.48:4827−483
3,1988で報告されているように、HCT−116
ヒト結腸細胞を用いてXTT(2,3−ビス(2−メト
キシ−4−ニトロー5−スルホフェニル)−5−〔(フ
ェニルアミノ)カルボニル〕−2H−テトラゾリウムヒ
ドロキシド)アッセイによって細胞毒性を評価した。細
胞を96穴微量力価プレート中4000cells/w
ellで播種し、24時間後に薬物を加え、連続的に稀
釈した。細胞を37℃で72時間培養し、その時点でテ
トラゾリウム色素、XTTを加えた。生細胞中のデヒド
ロゲナーゼ酵素は、450nmで光を吸収し、分光測光
的に定量することができる形態にXTTを還元する。吸
光度が大なるほど生細胞の数が大となる。結果を、細胞
増殖(すなわち、450nmでの吸光度)を未処理コン
トロール細胞の増殖の50%に抑制するのに要する薬物
濃度であるIC50として表す。このアッセイによって
評価した化合物のIC50を下表1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】マウス ip M109モデル Wil1iam RoseによってEvaluatio
n of Madison 109 Lung Car
cinoma as a Model forScre
ening Antitumor Drug(抗腫瘍性
薬物をスクリーニングするためのモデルとしてのマジソ
ン109肺癌の評価)、CancerTreatmen
t Reports,65,No.3−4(1981)
に記述されているようにして、M109肺癌の2%(w
/v)ブライ(brei)0.5mLをBalb/c×
DBA/2 F、ハイブリッドマウスに腹腔内移植し
た。移植5及び8日後に研究下の化合物を種々の用量で
腹腔内注射することによりマウスを処置した。腫瘍移植
後約75−90日までマウスの生存を毎日調べた。各実
験につき1群のマウスを未処置で残し、コントロール群
とした。化合物処理(T)マウスの中間生残時間をコン
トロール(C)マウスの中間生残時間と比較した。各化
合物で処置したマウス群についての2つの値の比に10
0を乗じて、代表的化合物についてのパーセンテージ
(すなわちT/C%)として表1に示した。
【0112】
【表2】
【0113】本発明の化合物は哺乳類において腫瘍抑制
活性を有する。かくして、本発明の別の面は式Iの化合
物に感受性の哺乳類腫瘍を抑制する方法に関する。本発
明はまた1以上の医薬上許容される、不活性のもしくは
生理的に活性な、担体、賦形剤、稀釈剤もしくは補助薬
と組み合わせて式Iの化合物を含有する医薬製剤(組成
物)も提供する。タキソールもしくはその関連誘導体の
製剤化(可能な用量の決定も含む)のための例は多くの
文献、例えば米国特許第4960790号及び第481
4470号に記述されており、かかる例に従って本発明
の化合物を製剤化することができる。例えば、これらの
新規化合物は錠剤、丸薬、粉末混合物、カプセル剤、注
射可能剤、溶液、坐剤、乳剤、分散剤、食料プレミック
スの形態で、及び他の適当な形態で投与することができ
る。該化合物を含有する、好都合には非毒性医薬有機担
体もしくは非毒性医薬無機担体と混合させた医薬製剤は
該化合物を、投薬形態当り、通常約0.01mg〜25
00mgもしくはそれ以上、好ましくは50−500m
g含有する。代表的な医薬上許容される担体は、例え
ば、マンニトール、尿素、デキストラン、ラクトース、
ポテト及びとうもろこしスターチ、ステアリン酸マグネ
シウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコール、
エチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、炭酸カ
ルシウム、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピ
ル、安息香酸ベンジル、炭酸ナトリウム、ゼラチン、炭
酸カリウム、ケイ酸及び他の慣用的に用いられる許容さ
れる担体である。医薬製剤はまた乳化剤、保存剤、湿潤
剤等、たとえばソルビタンモノラウレート、トリエタノ
ールアミンオレエート、ポリオキシエチレンモノステア
レート、グリセリルトリパルミテート、スルホコハク酸
ジオクチルナトリウム等の非毒性補助物質を含有するこ
とができる。
【0114】本発明の化合物はまた凍結乾燥し、必要に
応じ、他の医薬上許容される賦形剤と組み合わせて非経
口投与、注射投与に適した製剤とすることができる。か
かる投与については、製剤を水(通常、食塩水)または
水とポリエチレングリコール、エタノール等の有機溶媒
との混合物中で再構成することができる。
【0115】本発明の化合物は哺乳類腫瘍を治療するた
めのタキソールと実質的に同様な方法で用いることがで
きる。ヒト癌患者におけるタキソールの投与のモード、
用量及ひスケジュールについては精力的な研究がなされ
た。例えばAnn.Int.Med.,111,273
−278(1989)参照。本発明化合物について、投
与されるべき用量は、単一投与であろうと多重投与であ
ろうと毎日の用量であろうと、用いられる特定の化合物
(化合物の効能が変化するので)、選ばれた投与ル−
ト、受容者の大きさ及び患者の症状によってもちろん変
化する。投与されるべき用量は明確な境界線を有しない
が、通常有効な量、または目的とする薬理的及び生理的
効果を達成するために、活性薬物を代謝的に放出する投
薬製剤に製剤した、薬理学的に活性のない形態での、モ
ル基準で活性成分と等しい量である。投与用量は一般に
体重に関して0.8−8mg/kgの範囲、または患者
について50−275mg/mの範囲である。癌治療
の分野に習熟した腫瘍学者は、不必要な実験なしに、例
えばタキソールやその誘導体についてのこれまでの研究
を参照することによって、本発明の化合物の有効な投与
のための適切なプロトコルを確認することができるであ
ろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴィットリオ ファリナ アメリカ合衆国コネチカット州 06107 ウエスト ハートフォード セッジウ イック ロード 54 (56)参考文献 特表 平8−504425(JP,A) 特表 平8−506568(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 305/00 - 305/14 A61K 31/00 - 31/337 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式Iの化合物 【化1】 (式中、R1 はt−ブトキシカルボニルであり、R2
    フェニルであり、そしてR 3 及びR 4 一緒になってカ
    ルボニル基を形成する。)
JP21471793A 1992-07-01 1993-06-30 7,8−シクロプロパタキサン類 Expired - Fee Related JP3208517B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US90726192A 1992-07-01 1992-07-01
US907,261 1992-07-01
US642393A 1993-01-19 1993-01-19
US006,423 1993-01-19
US08/029,819 US5254580A (en) 1993-01-19 1993-03-11 7,8-cyclopropataxanes
US029,819 1993-03-11

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000377135A Division JP2001199974A (ja) 1992-07-01 2000-12-12 7,8−シクロプロパタキサン類

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06179665A JPH06179665A (ja) 1994-06-28
JP3208517B2 true JP3208517B2 (ja) 2001-09-17

Family

ID=27358128

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21471793A Expired - Fee Related JP3208517B2 (ja) 1992-07-01 1993-06-30 7,8−シクロプロパタキサン類
JP2000377135A Pending JP2001199974A (ja) 1992-07-01 2000-12-12 7,8−シクロプロパタキサン類

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000377135A Pending JP2001199974A (ja) 1992-07-01 2000-12-12 7,8−シクロプロパタキサン類

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP3208517B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW480262B (en) 1995-04-28 2002-03-21 Daiichi Seiyaku Co A taxol derivative having an antitumor activity and a pharmaceutical composition comprising the same
AU4966597A (en) * 1996-11-19 1998-06-10 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Taxol derivatives
EP1498120A1 (en) * 2003-07-18 2005-01-19 Aventis Pharma S.A. Semi-solid formulations for the oral administration of taxoids
EP1913958B1 (en) * 2006-08-03 2009-12-23 Sanofi-Aventis Antitumor compositions containing acetylcyclopropyl docetaxel and trastuzumab
FR2922107B1 (fr) * 2007-10-10 2010-02-26 Aventis Pharma Sa Nouvelles compositions a base de taxoides

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001199974A (ja) 2001-07-24
JPH06179665A (ja) 1994-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5254580A (en) 7,8-cyclopropataxanes
US5294637A (en) Fluoro taxols
RU2125998C1 (ru) 6,7-модифицированные паклитакселы и промежуточные соединения
US5395850A (en) 6,7-epoxy paclitaxels
EP0600517B1 (en) 6,7-Modified paclitaxels
JP3410518B2 (ja) デオキシパクリタキセル類
US5478854A (en) Deoxy taxols
EP0577083B1 (en) 7,8-cyclopropataxanes with antitumor action
JP3208517B2 (ja) 7,8−シクロプロパタキサン類
KR100292331B1 (ko) 플루오로탁솔
RU2131874C1 (ru) Фторотаксолы, промежуточные соединения, фармацевтическая композиция и способ лечения

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees