JP3208100B2 - 電気絶縁性薄膜の形成方法 - Google Patents

電気絶縁性薄膜の形成方法

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JP3208100B2 JP29859297A JP29859297A JP3208100B2 JP 3208100 B2 JP3208100 B2 JP 3208100B2 JP 29859297 A JP29859297 A JP 29859297A JP 29859297 A JP29859297 A JP 29859297A JP 3208100 B2 JP3208100 B2 JP 3208100B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁性薄膜の
形成方法に関し、さらに詳しくは、比誘電率が低い電気
絶縁性薄膜を形成することを可能にした電気絶縁性薄膜
の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子デバイスの保護層および電気
絶縁層としてシリカ等の電気絶縁薄膜が使用されてい
る。特に、樹脂と溶剤とからなる組成物を湿式塗工する
技術は一般によく知られている。例えば、特公平6−4
2477号公報には、水素シルセスキオキサン樹脂の溶
剤溶液を基材上に塗布し、溶剤を蒸発させた後、150
〜1000℃の温度条件下に加熱することによりセラミ
ック状シリカ化し、電子デバイスをシリカ薄膜で被覆す
る方法が開示されている。
【0003】また、絶縁薄膜の誘電率を下げるには絶縁
薄膜そのものを多孔質構造にすればよいことが知られて
いる。例えば、米国特許第5,548,159 号公報では、水素
シルセスキオキサン樹脂の焼結体が高集積回路の絶縁層
として使用されており、多孔質構造の絶縁薄膜が形成さ
れる旨が記載されている。しかし、該公報には多孔質構
造を形成するための具体的な方法は開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比誘
電率が低い電気絶縁性薄膜を形成することを可能にした
電気絶縁性薄膜の形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の電気絶縁性薄膜の形成方法は、(A)電気絶縁性を
有する熱硬化性の無機樹脂又は有機樹脂と、(B)前記
(A)の樹脂を溶解可能な溶剤と、(C)前記(B)の
溶剤とは沸点もしくは蒸気圧曲線の異なる溶剤または前
記(A)の樹脂に対する親和性の異なる溶剤とからなる
電気絶縁性薄膜形成用組成物を基材表面に塗布し、次い
で、前記(B)溶剤の大半を蒸発させた後、前記基材に
高エネルギー線を照射して前記(A)の樹脂を硬化さ
せ、その硬化過程又は硬化後に前記(C)の溶剤を蒸発
させることを特徴とするものである。
【0006】このように(A)の樹脂と(B),(C)
の溶剤とからなる電気絶縁性薄膜形成用組成物を基材表
面に塗布し、(B)の溶剤の大半を蒸発させた後、基材
に高エネルギー線を照射して(A)の樹脂を硬化させ、
その硬化過程又は硬化後に(C)の溶剤を蒸発させるこ
とにより、薄膜を多孔質化或いは低密度化して比誘電率
を2.7未満に低減することが可能になる。
【0007】また、上記目的を達成する本発明の他の電
気絶縁性薄膜の形成方法は、(A)電気絶縁性を有する
熱硬化性の無機樹脂又は有機樹脂と、(B)前記(A)
の樹脂を溶解可能な溶剤と、(D)前記(B)の溶剤に
可溶であって0〜800℃の温度範囲で熱又は前記
(A)の樹脂との相互作用によってガスを発生し得る物
質とからなる電気絶縁性薄膜形成用組成物を基材表面に
塗布し、次いで、前記(B)の溶剤を蒸発させた後、前
記基材に高エネルギー線を照射して前記(A)の樹脂を
硬化させ、その硬化過程又は硬化後に前記(D)の物質
からガスを発生させることを特徴とするものである。
【0008】このように(A)の樹脂と(B)の溶剤と
ガス発生源である(D)の物質とからなる電気絶縁性薄
膜形成用組成物を基材表面に塗布し、(B)の溶剤を蒸
発させた後、基材に高エネルギー線を照射して(A)の
樹脂を硬化させ、その硬化過程又は硬化後に(D)の物
質からガスを発生させることにより、薄膜を多孔質化或
いは低密度化して比誘電率を2.7未満に低減すること
が可能になる。
【0009】以上のような本発明の電気絶縁性薄膜の形
成方法は、低い誘電率を有する電気絶縁性薄膜を形成す
ることが可能であるため、かかる特性が要求される用
途、例えば、電子デバイス等の基材への電気絶縁性薄膜
の工業的製造法として有用である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用される(A)の無機
樹脂又は有機樹脂は、塗工後に熱により硬化し、絶縁化
されるものであり、溶剤に可溶であれば特に限定されな
い。かかる樹脂としては、例えば、アルコキシシランの
部分加水分解物、水素シルセスキオキサン樹脂等のシリ
カ前駆体樹脂などの無機系樹脂、ポリイミド系樹脂、フ
ルオロカーボン系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フ
ッ化ポリアリルエーテル系樹脂などの有機系樹脂が挙げ
られる。また、上記樹脂は1種類でも2種類以上の混合
物であってもよい。より優れた電気絶縁性を与えるに
は、硬化後にシリカとなりうるシリカ前駆体樹脂が好ま
しい。また、シリカ前駆体樹脂の中でも、ノンエッチバ
ック工程で使用しうる水素シルセスキオキサン樹脂が特
に好ましい。
【0011】ここで、水素シルセスキオキサン樹脂は、
HSiO3/2 で示される3官能性シロキサン単位を主骨
格とするポリシロキサンであり、一般式(HSi
3/2 n(式中、nは整数である。)で表されるポリ
マーである。この水素シルセスキオキサン樹脂はその分
子構造によりラダー型と呼ばれるポリシロキサンとケー
ジ型と呼ばれるポリシロキサンがあり、ラダー型ポリシ
ロキサンにおいてはその端末が、例えば、水酸基、トリ
メチルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基、ジメチ
ルハイドロジェンシロキシ基等のジオルガノハイドロジ
ェンシロキシ基により封鎖されている。かかる水素シル
セスキオキサン樹脂は、例えばトリクロロシランを加水
分解し、重縮合することにより製造される(特公昭47
−31838号公報、特開昭59−189126号公報
及び特開昭60−42426号公報参照)。
【0012】(B)の溶剤は、上記(A)の樹脂を溶解
し、化学変化を起こさないものであれば特に限定されな
い。この(B)の溶剤としては、トルエン、キシレン等
の芳香族系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂
肪族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等
の脂肪族エステル系溶剤、ヘキサメチルジシロキサン、
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等の鎖状メ
チルシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オ
クタメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7−
テトラメチルテトラシクロシロキサン等の環状シロキサ
ン、テトラメチルシラン、ジメチルジエチルシラン等の
シラン化合物のシリコーン系溶剤が挙げられる。これら
の中でもメチルイソブチルケトン又はシリコーン系溶剤
が好ましい。
【0013】(C)の溶剤は、沸点、蒸気圧曲線及び樹
脂に対する親和性の少なくとも1つが(B)の溶剤とは
異なるものであり、(B)の溶剤の沸点より高い沸点を
有するものが好ましい。この(C)の溶剤としては、ア
ミルベンゼン(202℃)、イソプロピルベンゼン(1
52℃)、1,2−ジエチルベンゼン(183℃)、
1,3−ジエチルベンゼン(181℃)、1,4−ジエ
チルベンゼン(184℃)、シクロヘキシルベンゼン
(239℃)、ジペンテン(177℃)、2,6−ジメ
チルナフタレン(262℃)、p−シメン(177
℃)、ショウ脳油(160〜185℃)、ソルベントナ
フサ(110〜200℃)、cis−デカリン(196
℃)、trans−デカリン(187℃)、デカン(1
74℃)、テトラリン(207℃)、テレピン油(15
3〜175℃)、灯油(200〜245℃)、ドデカン
(216℃)、分岐型ドデシルベンゼン、シクロヘキシ
ルベンゼン等の炭化水素系溶剤;アセトフェノン(20
1.7℃)、イソホロン(215.3℃)、ホロン(1
98〜199℃)、メチルシクロヘキサノン(169.
0〜170.5℃)、メチル−n−ヘプチルケトン(1
95.3℃)等のケトン・アルデヒド系溶剤;フタル酸
ジエチル(296.1℃)、酢酸ベンジル(215.5
℃)、γ−ブチロラクトン(204℃)、シュウ酸ジブ
チル(240℃)、酢酸2−エチルヘキシル(198.
6℃)、安息香酸エチル(213.2℃)、ギ酸ベンジ
ル(203℃)等のエステル系溶剤;ジエチル硫酸(2
08℃)、スルホラン(285℃)等の硫黄化合物系溶
剤;ハロゲン化炭化水素溶剤;アルコール系溶剤;エー
テル化炭化水素溶剤;カルボン酸無水物系溶剤;フェノ
ール系溶剤;シリコーン系溶剤等が挙げられる。なお、
かっこ内の数値は沸点である。
【0014】上記(A)の樹脂を(B),(C)の溶剤
に溶解した電気絶縁性薄膜形成用組成物を用いる場合、
(B),(C)の溶剤は樹脂の溶剤として使用されるだ
けでなく、樹脂が硬化する過程又は硬化後にガス化を起
こして系外に飛散することにより、電気絶縁性薄膜中に
空洞又は自由空間を残し、その結果、電気絶縁性薄膜が
低誘電率になる。(B)の主溶剤は大半が基材へ塗工し
た直後に蒸発するが、その一部は膜中に残存し、この残
存成分が空洞形成の役割を担う。しかし、誘電率を効率
よく低減させるには、(B)の溶剤のほかに(C)の溶
剤を添加する必要がある。この(C)の溶剤は、沸点が
(B)の溶剤よりも高い溶剤、蒸気圧曲線が(B)の溶
剤とは異なって揮発しにくい溶剤、或いは樹脂との親和
性が(B)の溶剤とは異なる溶剤の1種又は2種以上の
混合物である。このような(C)の添加溶剤は、組成物
を基材へ塗工した直後には膜中により多く残存してお
り、樹脂の硬化過程又は硬化後に揮発して系外に飛散す
る役割を担う。(C)の添加溶剤の種類は特に限定され
ないが、樹脂の硬化温度との相関で好適なものが選ばれ
る。
【0015】ガス発生源である(D)の物質は、(B)
の溶剤に対して可溶であり、かつ0〜800℃の温度範
囲で熱又は樹脂との相互作用によってガスを発生し得る
物質の1種又は2種以上の混合物である。なお、ガスの
発生とは、揮発によるガスの発生、自らの分解反応によ
るガスの発生、樹脂との化学反応によるガスの放出を含
むものである。
【0016】上記(A)の樹脂を(D)の物質と共に
(B)の溶剤に溶解した電気絶縁性薄膜形成用組成物を
用いる場合、(D)の物質は樹脂が硬化する過程又は硬
化後に、熱又は樹脂との相互作用によってガスを発生
し、更に好ましくは系外に飛散することにより、電気絶
縁性薄膜中に空洞又は自由空間を残し、その結果、電気
絶縁性薄膜の低誘電率を低下させる作用を有する。
(D)の物質からガスが発生する温度は電気絶縁性薄膜
の形成過程の温度に適合させる必要があるが、この温度
範囲は0〜800℃であり、好ましくは25〜400℃
である。(B)の溶剤の大半が基材へ塗工した直後に蒸
発し、しかる後に(D)の物質からのガス発生が起きる
ことが好ましいので、(D)の物質からのガス発生の開
始温度は(B)の溶剤の沸点よりも高いことが好まし
い。この(D)の物質のうち揮発によってガスを発生す
るものとしては、ビフェニル、ナフタレン、アントラセ
ン等の固体有機物、シリコーンオイル等のオイル状物等
が挙げられる。樹脂として水素シルセスキオキサンを用
いる場合は相溶性の点でシリコーンが好ましい。(D)
の物質のうち自らが分解してガスを発生するものとして
は、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられ
る。また、(D)の物質のうち樹脂との相互作用によっ
てガスを発生するものとしては、例えば、樹脂がSiH
基を持つ場合は、N,N,N’,N’−テトラメチル−
1,6−ヘキサンジアミン等のアミン類が挙げられる。
この場合は水素ガスが発生する。
【0017】本発明において、基材へ塗工した樹脂は、
高エネルギー線を照射することにより硬化させる。この
高エネルギー線としては、電子線、紫外線、X線等を使
用することができ、これらを単独又は複数を組み合わせ
て使用するようにしてもよい。高エネルギー線の照射に
よれば、温度を低く抑えながら樹脂を硬化させることが
できる。
【0018】また、上述のように高エネルギー線の照射
によって樹脂を低い温度で硬化させるので、樹脂として
分子量1500以下の低分子量の水素シルセスキオキサ
ン樹脂を使用することができる。このような低分子量の
水素シルセスキオキサン樹脂は、基板に対する被覆平坦
性に優れていると共に、基板上の配線等による段差への
埋め込み性が優れているものの、高温に曝されると飛散
して周辺機器を汚染し、しかも膜厚を減少させるという
欠点がある。このため、炉中等で加熱硬化を行う場合に
は、水素シルセスキオキサン樹脂の低分子成分は予め除
去されていた。しかしながら、高エネルギー線の照射に
よって低分子量の水素シルセスキオキサン樹脂の使用が
可能になるのである。
【0019】樹脂の硬化反応の雰囲気は特に限定されな
いが、窒素雰囲気や酸素雰囲気のほか、水蒸気、アンモ
ニア、一酸化窒素、オゾン等の特殊雰囲気下で行うよう
にしてもよい。高エネルギー線が電子線である場合、装
置の分類上、試料を常圧下で照射する場合と減圧下で照
射する場合がある。いずれの場合も電子線により本発明
の目的とする硬化反応を行うことが可能である。常圧の
場合は、雰囲気は特に限定されず、上記のような各種雰
囲気下で照射することができる。減圧の場合は、減圧度
は特に限定されることはなく、常圧に近い減圧状態から
超高真空状態までのあらゆる圧力下で照射することがで
きる。また、減圧下で照射する場合、特に高真空下で照
射直後に試料を減圧下に放置した場合、電気絶縁性薄膜
にダングリングボンドが生成した状態が維持されること
がある。このような場合、試料に各種ガス等を導入し、
減圧度を下げるなどの処置を施すと、ダングリングボン
ドをガス等の分子と結合又は置換させることが可能であ
り、照射後の反応を膜形成に利用することができる。
【0020】上記硬化反応における架橋様式としては、
ケイ素原子結合水素基の縮合反応による架橋やケイ素原
子結合水素基とビニル基の付加反応による架橋、或いは
従来型の無機又は有機SOGに見られるようなアルコキ
シ基やシラノール基の縮合反応による架橋等が挙げられ
る。そのため、上述した電気絶縁性薄膜形成用組成物
は、高エネルギー線による硬化反応を促進するための添
加剤等を適宜含有していてもよい。この硬化促進剤とし
ては、例えば塩化白金酸・六水和物のような白金を含む
化合物を高エネルギー線の種類によって適宜選択して使
用することができる。
【0021】
【実施例】実施例及び比較例からなる方法により実際に
電気絶縁膜を形成し、その電気絶縁膜のシリカへの転化
性及び比誘電率を測定した。シリカへの転化性は、フー
リエ変換赤外線吸収分光分析により、膜中に残存するS
i−H結合の割合(%)をスピンコート直後を100%
として測定することにより判断した。また、比誘電率は
比抵抗値10-2Ω・cmのシリコンウエハ上に形成した
試料を温度25℃、1メガヘルツの条件下で測定した。
この測定はアルミ電極を形成してサンドイッチ方式でイ
ンピーダンスアナライザを用いて行った。なお、これら
実験結果を表1にまとめて示した。
【0022】実施例1 特公昭47−31838号公報第3頁の実施例1に記載
の方法に従って水素シルセスキオキサン樹脂を合成し
た。得られた水素シルセスキオキサン樹脂をGPC(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー)を使用して分
析したところ、数平均分子量が1540であり、重量平
均分子量が7705であった。この水素シルセスキオキ
サン樹脂を特開平6−157760号公報第5頁の実施
例1に記載の方法に従って分子量分別した。得られたフ
ラクションの水素シルセスキオキサン樹脂をGPCを使
用して分析したところ、数平均分子量が5830であ
り、重量平均分子量が11200であった。GPCの測
定条件は以下の通りである。
【0023】 装置: 東ソー製、802A カラム: G3000/G4000/G5000/G6
000 キャリア溶媒: トルエン カラム温度: 30℃ 分子量標準: ポリスチレン 検知方式: 示差屈折率 サンプル: 固形分2重量%(トルエン溶媒) このフラクションをメチルイソブチルケトンに溶解し、
固形分22重量%の溶液とした。この溶液に、溶液重量
に対して1重量%のシクロヘキシルベンゼンを添加し
た。この溶液をシリコンウエハ上に、前回転500rp
mで3秒間、次いで本回転3000rpmで10秒間に
てスピンコートし、さらに室温で10分間放置し、60
40Åの膜厚を形成した。このウエハを酸素が70pp
m含まれる窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照
射装置で80Mradのドース量下に暴露した。この状
態では膜のメチルイソブチルケトンへの溶解性はスピン
コート直後よりも低下していた。
【0024】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は74%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0025】実施例2 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼンを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前
回転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rp
mで10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分
間放置し、6270Åの膜厚を形成した。このウエハを
酸素が70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧165
kVの電子線照射装置で80Mradのドース量下に暴
露した。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへの
溶解性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0026】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は74%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0027】実施例3 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分35重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼンを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前
回転500rpmで3秒間、次いで本回転2000rp
mで10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分
間放置し、13500Åの膜厚を形成した。このウエハ
を酸素が70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧16
5kVの電子線照射装置で80Mradのドース量下に
暴露した。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへ
の溶解性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0028】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は74%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0029】実施例4 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のアミルベンゼンを
添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前回転50
0rpmで3秒間、次いで本回転3000rpmで10
秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分間放置
し、6150Åの膜厚を形成した。このウエハを酸素が
70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧165kVの
電子線照射装置で80Mradのドース量下に暴露し
た。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへの溶解
性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0030】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は74%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0031】実施例5 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のビフェニルを添加
した。この溶液をシリコンウエハ上に、前回転500r
pmで3秒間、次いで本回転3000rpmで10秒間
にてスピンコートし、さらに室温で10分間放置し、6
200Åの膜厚を形成した。このウエハを酸素が70p
pm含まれる窒素下にて、加速電圧165kVの電子線
照射装置で80Mradのドース量下に暴露した。この
状態では膜のメチルイソブチルケトンへの溶解性はスピ
ンコート直後よりも低下していた。
【0032】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は74%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0033】実施例6 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量ppmのN,N,
N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン
を添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前回転5
00rpmで3秒間、次いで本回転3000rpmで1
0秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分間放置
し、6100Åの膜厚を形成した。このウエハを酸素が
70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧165kVの
電子線照射装置で80Mradのドース量下に暴露し
た。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへの溶解
性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0034】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は32%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0035】実施例7 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して50重量ppmの過酸化ベンゾ
イルを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前回
転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rpm
で10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分間
放置し、6250Åの膜厚を形成した。このウエハを酸
素が70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧165k
Vの電子線照射装置で80Mradのドース量下に暴露
した。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへの溶
解性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0036】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は35%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0037】実施例8 特公昭47−31838号公報第3頁の実施例1に記載
の方法に従って水素シルセスキオキサン樹脂を合成し
た。得られた水素シルセスキオキサン樹脂をGPCを使
用して分析したところ、数平均分子量が1540であ
り、重量平均分子量が7705であり、分子量が150
0以下の成分が41重量%であった。この水素シルセス
キオキサン樹脂を特開平6−157760号公報第5頁
の実施例1に記載の方法に従って分子量分別した。得ら
れたフラクションの水素シルセスキオキサン樹脂をGP
Cを使用して分析したところ、数平均分子量が743で
あり、重量平均分子量が1613であり、分子量が15
00以下の成分が72重量%であった。GPCの測定条
件は実施例1と同じである。
【0038】このフラクションをヘキサメチルジシロキ
サン/オクタメチルトリシロキサン(30/70)混合
溶剤に溶解し、固形分30重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼンを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前
回転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rp
mで10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分
間放置し、6350Åの膜厚を形成した。このウエハを
酸素が70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧165
kVの電子線照射装置で160Mradのドース量下に
暴露した。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへ
の溶解性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0039】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は72%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.2であった。
【0040】実施例9 有機スピンオングラス(東京応用化学工業製、商品名:
OCD−TYPE7)に10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼンを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前
回転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rp
mで10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分
間放置し、6200Åの膜厚を形成した。このウエハを
酸素が70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧165
kVの電子線照射装置で80Mradのドース量下に暴
露した。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへの
溶解性はスピンコート直後よりも低下していた。次い
で、上述のウエハを石英炉中で、酸素が10ppm含ま
れる窒素気流下において400℃で1時間アニールした
後、これを取り出して室温で10分間放置した。その結
果、絶縁膜においてクラックの発生等の異常は認められ
なかった。この絶縁膜の比誘電率は2.7であった。
【0041】実施例10 特公昭47−31838号公報第3頁の実施例1に記載
の方法に従って合成した水素シルセスキオキサン樹脂
(数平均分子量1540、重量平均分子量7705)を
メチルイソブチルケトンに溶解し、固形分26重量%の
溶液とした。この溶液に、溶液重量に対して10重量%
のシクロヘキシルベンゼンを添加した。この溶液をシリ
コンウエハ上に、前回転500rpmで3秒間、次いで
本回転3000rpmで10秒間にてスピンコートし、
さらに室温で10分間放置し、6100Åの膜厚を形成
した。このウエハを酸素が70ppm含まれる窒素下に
て、加速電圧165kVの電子線照射装置で80Mra
dのドース量下に暴露した。この状態では膜のメチルイ
ソブチルケトンへの溶解性はスピンコート直後よりも低
下していた。
【0042】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は72%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0043】実施例11 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼン及び1重量%のポリオキシエチレンラウリルエー
テルを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前回
転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rpm
で10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分間
放置し、6350Åの膜厚を形成した。このウエハを酸
素が70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧165k
Vの電子線照射装置で80Mradのドース量下に暴露
した。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへの溶
解性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0044】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は73%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0045】実施例12 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分18重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼンを添加した。この溶液を、段差高が0.5μm、
段差幅及び段差間隔が0.18μmのポリシリコンウエ
ハ上に、前回転500rpmで3秒間、次いで本回転5
000rpmで10秒間にてスピンコートし、さらに室
温で10分間放置し、最深部で8310Åの膜厚を形成
した。このウエハをホットプレート上で窒素気流下に
て、150°/1分、200°/1分、250°/1分
の順番で加熱したところ、樹脂の流動化が起こり、段差
間の埋め込み及び樹脂表面の平坦化が十分に起きた。次
に、このウエハを酸素が70ppm含まれる窒素下に
て、加速電圧165kVの電子線照射装置で80Mra
dのドース量下に暴露した。この状態では膜のメチルイ
ソブチルケトンへの溶解性はスピンコート直後よりも低
下していた。次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜においてクラックの発生等
の異常は認められなかった。
【0046】実施例13 第12回国際VLSIマルチレベル連合会議予稿(Proc
eedings of Twelfth International VLSI Multilevel I
nterconnection Conference, 1995)の第116頁に記
載の方法に従ってフッ素化ポリアリルエーテル樹脂を合
成した。得られた樹脂をGPCを使用して分析したとこ
ろ、数平均分子量が2540であり、重量平均分子量が
9390であった。この樹脂ををメチルイソブチルケト
ンに溶解し、固形分26重量%の溶液とした。この溶液
に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベン
ゼンを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前回
転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rpm
で10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分間
放置し、6070Åの膜厚を形成した。このウエハを酸
素が70ppm含まれる窒素下にて、加速電圧165k
Vの電子線照射装置で120Mradのドース量下に暴
露した。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへの
溶解性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0047】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜の溶解性は更に低下してい
た。また、絶縁膜においてクラックの発生等の異常は認
められなかった。この絶縁膜の比誘電率は2.4であっ
た。
【0048】実施例14 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼンを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前
回転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rp
mで10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分
間放置し、6270Åの膜厚を形成した。このウエハを
10-6Torrの真空下にて、加速電圧8kVの電子線
照射装置で5mC/cm2 の線量を10秒間暴露した
後、試料を真空中から通常大気圧空気下に取り出して1
0分間放置した。この状態では膜のメチルイソブチルケ
トンへの溶解性はスピンコート直後よりも低下してい
た。
【0049】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は75%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0050】実施例15 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼンを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前
回転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rp
mで10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分
間放置し、6310Åの膜厚を形成した。このウエハを
オゾンが10ppm含まれる空気下にて、高圧水銀ラン
プからの強度160W/cmの紫外線に10分間暴露し
た。この状態では膜のメチルイソブチルケトンへの溶解
性はスピンコート直後よりも低下していた。
【0051】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は71%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0052】実施例16 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液に、溶液重量に対して10重量%のシクロヘキシルベ
ンゼンを添加した。この溶液をシリコンウエハ上に、前
回転500rpmで3秒間、次いで本回転3000rp
mで10秒間にてスピンコートし、さらに室温で10分
間放置し、6280Åの膜厚を形成した。このウエハを
オゾンが10ppm含まれる空気下にて、250℃に加
熱されたホットプレート上で、高圧水銀ランプからの強
度160W/cmの紫外線に10分間暴露した。この状
態では膜のメチルイソブチルケトンへの溶解性はスピン
コート直後よりも低下していた。
【0053】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合
の割合は70%であり、水素シルセスキオキサン樹脂が
シリカへ転化したことが判った。また、絶縁膜において
クラックの発生等の異常は認められなかった。この絶縁
膜の比誘電率は2.4であった。
【0054】比較例1 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液をシリコンウエハ上に、前回転500rpmで3秒
間、次いで本回転3000rpmで10秒間にてスピン
コートし、さらに室温で10分間放置し、6070Åの
膜厚を形成した。このウエハを石英炉中で、酸素が10
ppm含まれる窒素気流下において400℃で1時間ア
ニールした後、これを取り出して室温で10分間放置し
た。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合の割合
は75%であり、水素シルセスキオキサン樹脂がシリカ
へ転化したことが判った。また、絶縁膜にクラックの発
生が認められた。この絶縁膜の比誘電率は2.8であっ
た。
【0055】比較例2 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分35重量%の溶液とした。この溶
液をシリコンウエハ上に、前回転500rpmで3秒
間、次いで本回転2000rpmで10秒間にてスピン
コートし、さらに室温で10分間放置し、13200Å
の膜厚を形成した。このウエハを石英炉中で、酸素が1
0ppm含まれる窒素気流下において400℃で1時間
アニールした後、これを取り出して室温で10分間放置
した。その結果、絶縁膜中に残存するSi−H結合の割
合は75%であり、水素シルセスキオキサン樹脂がシリ
カへ転化したことが判った。また、絶縁膜にクラックが
発生した。この絶縁膜の比誘電率は2.8であった。
【0056】比較例3 実施例1で得られたフラクションをメチルイソブチルケ
トンに溶解し、固形分22重量%の溶液とした。この溶
液をシリコンウエハ上に、前回転500rpmで3秒
間、次いで本回転3000rpmで10秒間にてスピン
コートし、さらに室温で10分間放置し、6040Åの
膜厚を形成した。このウエハを酸素が70ppm含まれ
る窒素下にて、加速電圧165kVの電子線照射装置で
80Mradのドース量下に暴露した。この状態では膜
のメチルイソブチルケトンへの溶解性はスピンコート直
後よりも低下していた。
【0057】次いで、上述のウエハを石英炉中で、酸素
が10ppm含まれる窒素気流下において400℃で1
時間アニールした後、これを取り出して室温で10分間
放置した。このウエハ上に形成された絶縁膜中に残存す
るSi−H結合の割合は69%であり、水素シルセスキ
オキサン樹脂がシリカへ転化したことが判った。また、
絶縁膜においてクラックの発生等の異常は認められなか
った。この絶縁膜の比誘電率は2.8であった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
(A)電気絶縁性を有する熱硬化性の無機樹脂又は有機
樹脂と、(B)前記(A)の樹脂を溶解可能な溶剤と、
(C)前記(B)の溶剤とは沸点もしくは蒸気圧曲線の
異なる溶剤または前記(A)の樹脂に対する親和性の異
なる溶剤、或いは(D)前記(B)の溶剤に可溶であっ
て0〜800℃の温度範囲で熱又は前記(A)の樹脂と
の相互作用によってガスを発生し得る物質とからなる電
気絶縁性薄膜形成用組成物を基材表面に塗布し、しかる
後、前記基材に高エネルギー線を照射して前記(A)樹
脂を硬化させ、その硬化過程又は硬化後に前記(C)の
溶剤または(D)の物質からガスを発生させることによ
り、薄膜を多孔質化或いは低密度化しているので、比誘
電率の低い電気絶縁性薄膜を形成することができる。
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 基 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダ ウコーニング・シリコーン株式会社 研 究開発本部内 (72)発明者 小林 昭彦 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダ ウコーニング・シリコーン株式会社 研 究開発本部内 (72)発明者 峰 勝利 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダ ウコーニング・シリコーン株式会社 研 究開発本部内 (56)参考文献 特開 平8−330300(JP,A) 特開 平2−206120(JP,A) 特開 平7−78820(JP,A) 特開 平10−92804(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/312 H01L 21/316

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)電気絶縁性を有する熱硬化性の無
    機樹脂又は有機樹脂と、(B)前記(A)の樹脂を溶解
    可能な溶剤と、(C)前記(B)の溶剤とは沸点もしく
    は蒸気圧曲線の異なる溶剤または前記(A)の樹脂に対
    する親和性の異なる溶剤とからなる電気絶縁性薄膜形成
    用組成物を基材表面に塗布し、次いで、前記(B)溶剤
    の大半を蒸発させた後、前記基材に高エネルギー線を
    射して前記(A)の樹脂を硬化させ、その硬化過程又は
    硬化後に前記(C)の溶剤を蒸発させることを特徴とす
    る電気絶縁性薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 (A)電気絶縁性を有する熱硬化性の無
    機樹脂又は有機樹脂と、(B)前記(A)の樹脂を溶解
    可能な溶剤と、(D)前記(B)の溶剤に可溶であって
    0〜800℃の温度範囲で熱又は前記(A)の樹脂との
    相互作用によってガスを発生し得る物質とからなる電気
    絶縁性薄膜形成用組成物を基材表面に塗布し、次いで、
    前記(B)の溶剤を蒸発させた後、前記基材に高エネル
    ギー線を照射して前記(A)の樹脂を硬化させ、その硬
    化過程又は硬化後に前記(D)の物質からガスを発生さ
    せることを特徴とする電気絶縁性薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 薄膜の比誘電率が2.7未満である請求
    項1又は2に記載の電気絶縁性薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記基材が電子デバイスである請求項1
    乃至3のいずれか1項に記載の電気絶縁性薄膜の形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記高エネルギー線が電子線、紫外線、
    X線からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求
    項1乃至4のいずれか1項に記載の電気絶縁性薄膜の形
    成方法。
  6. 【請求項6】 前記高エネルギー線として電子線を常圧
    下で照射する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電
    気絶縁性薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記高エネルギー線として電子線を減圧
    下で照射する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電
    気絶縁性薄膜の形成方法。
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