JP3207851U - 前開き女性用衣料 - Google Patents
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Abstract
【課題】カップ部を有する女性用衣料において、着脱を容易に行うことができるとともに、バストカップ体が着用者のバストにフィットし着用感を向上させた前開き女性用衣料を提供する。【解決手段】前開き女性用衣料の左右の前身頃の内側には、当該左右の前身頃に対応して分割されバストカップ体を有する左右のバストカップ部20、21がそれぞれ装着されるとともに、左右のバストカップ部20、21の背面側には、当該左右のバストカップ部20、21に背面に向けて張力を作用させる伸縮素材からなる張力作用部材22が設けられ、左右のバストカップ部20、21は、左右の前身頃を連結手段により連結することで張力作用部材22に作用する張力によって左右のバストに保持され、バストカップ部20、21には、バストカップ体を着脱自在とした。【選択図】図6
Description
この考案は、ワンピース、シャツ、ニット、パーカー、ルームウエアー、ジャケット、カーディガン、カットソー、ブラウス、パジャマ、カシュクール仕立ての衣料、脇開き衣料(介護用含む)などの少なくとも女性の上半身に対応した前身頃が開いた前開き女性用衣料に関するものである。
この考案の対象衣料は、フロント開閉を前提とする女性用衣料全般であり、ワンピース、セパレーツ等その形態は任意であり、又用途もカジュアル、フォーマル、スポーツなど多種に及び、その構成素材は編地や織地など任意であり、概ねバストシルエット構成にポイントを置く女性用衣料である。
女性用衣料としては、ブラトップやブラキャミソールと呼ばれるカップ付きの女性用衣料が広く販売されている。休日など家で過ごすときにブラジャーを着用するか否かを問うアンケートでは、「大体着用する」、「偶に着用する」を含めて約6割強の女性が「ブラジャーを着用する」と回答し、2割弱の女性が「ブラトップやブラキャソール等を着用する」と回答している。また、休日など家で過ごすときにどのような部屋着を着用するかとのアンケートでは、約6割強の女性が「Tシャツやスウェット」と回答しており、「ブラトップやブラキャソール等を着用する」と回答した女性は、1割弱に留まる。さらに、夜寝るときにブラジャーを着用するかとのアンケートでは、約6割の女性が「ブラジャーを着用しない」と回答しており、1割強の女性が「ブラトップやブラキャソール等を着用する」と回答している。このように、ブラトップやブラキャミソール等のカップ付きの女性用衣料は、ブラジャーを着用せずにバストを保持することができるため、着用が容易であり、若い女性を中心として広く使用されていることが判る。
しかしながら、上記ブラトップやブラキャミソール等のカップ付きの女性用衣料は、タンクトップやTシャツ等のトップスのバスト部分にカップを縫着したものであり、頭部から被ることにより着脱されるため、着脱時にヘアスタイルが乱れたり、着脱する際に上腕を上げ下げする動作を必然的に伴い、着脱動作が煩雑であるという技術的課題を有している。特に、中高年(シニア)の女性の場合には、カップ付きの女性用衣料を着脱する際の腕の上げ下げに困難を伴う場合があり、不向きであるという技術的課題を有している。
そこで、かかる技術的課題を解決し得るカップ部を有する女性用衣料としては、例えば、実公昭52−54486号公報、特開2010−13774号公報や特開2008−144338号公報などに開示されたものが既に提案されている。
この実公昭52−54486号公報に係る肌着を着用しないで着用するブラジャー付外衣は、後身頃背部中央を縦方向に開閉自在にした外衣の前身頃の上縁部及び上部左右脇部に、下縁部を伸縮自在にすると共に、その端部に取付けた背ゴムを身体の背中に回して装着可能にしたブラジャーの上部及び左右側部を縫着することにより前記外衣の前身頃内側にブラジャーを取付け、該ブラジャーの左右のカップの突出形状に適応するように外衣の前身頃胸部を加熱成形により膨出させてなるように構成したものである。
また、上記特開2010−13774号公報に係るカップ付衣類に用いるためのカップ部材は、カップ用ポケットと、カップ用ポケットに挿入するカップとから構成され、カップ用ポケットは、衣類の前見頃に接する表布と身体側に接する裏布とを、カップ挿入口とする部分を除いて縫合又は接着したものであって、カップ用ポケットの内側には所定の範囲内にカップを掛止させるためのポケット側掛止部材が取り付けてあり、カップは、柔軟性に富み折り曲げても元の形状に復帰可能な材質で作成されたパッドであって、ポケット側掛止部材と掛止可能なカップ側掛止部材が取り付けてあり、カップ用ポケットの周囲のすべてまたは一部を衣類に縫合又は接着することによって衣類に取り付けるようにしたカップ部材であって、カップ側掛止部材のポケット側掛止部材への掛止位置をバストに合わせて所定の範囲内で調整できるように構成したものである。
さらに、この特開2010−13774号公報には、カップ付衣類として前立てを設けた前開きで袖のついたパジャマや部屋着あるいはアウターウェアが例示されている。
また、上記特開2008−144338号公報に係るバストカップ付女性用アウトウエアーは、女性用ウエアーの前身が外気に当たる外側と肌に直接触れる内側の2枚から成るバストカップ付女性用アウトウエアーであって、以後外側、内側で記する、前記内側の胸部にはカップを収める為のダーツを取り一対のカップが取り付けられ、前記胸部にはアンダーバストからウエストに掛けて巾約8cmから14cm巾の胸部安定部が設けるように構成したものである。
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような技術的課題を有している。すなわち、上記実公昭52−54486号公報に係る肌着を着用しないで着用するブラジャー付外衣の場合は、外衣の後身頃背部中央が縦方向に開閉自在としているものの、着用する際にブラジャーの背ゴムを回避して頭から被るように着用する必要があり、依然として着脱動作が煩雑であるという技術的課題を有している。
また、上記特開2010−13774号公報に係るカップ付衣類に用いるためのカップ部材の場合には、カップ用ポケットとカップ用ポケットに挿入するカップとから構成されるものであり、カップと人体との間にカップ用ポケットを構成する生地が介在され、カップが人体にフィットせず着用感を損ねるという技術的課題を有している。
さらに、上記特開2008−144338号公報に係るバストカップ付女性用アウトウエアーの場合には、前開きの女性用衣料を前提としたものではなく、しかも女性用アウトウエアーの内側の胸部にカップを収める為のダーツを取り一対のカップが取り付けられ、かつ胸部にアンダーバストからウエストに掛けて巾約8cmから14cm巾の胸部安定部が設けられるため、胸部安定部の作用により良好な着用感を得難いという技術的課題を有している。
そこで、この考案は、上記従来技術の課題を解決するものであり、その目的とするところは、カップ部を有する女性用衣料において、着脱を容易に行うことができるとともに、バストカップ体が着用者のバストにフィットし着用感を向上させた前開き女性用衣料を提供することにある。
この考案は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採用している。すなわち、請求項1に記載された発明は、少なくとも女性の上半身に対応した前身頃が左右に分割され、且つ前記左右に分割された前身頃の合わせ部に連結自在な連結手段を有する前開き女性用衣料において、
前記左右の前身頃の内側には、当該左右の前身頃に対応して分割されバストカップ体を有する左右のバストカップ部がそれぞれ装着されるとともに、前記左右のバストカップ部の背面側には、当該左右のバストカップ部に背面に向けて張力を作用させる伸縮素材からなる張力作用部材が設けられ、前記左右のバストカップ部は、前記左右の前身頃を前記連結手段により連結することで前記張力作用部材に作用する張力によって左右のバストに保持され、
前記バストカップ部には、前記バストカップ体が着脱自在であることを特徴とする前開き女性用衣料である。
前記左右の前身頃の内側には、当該左右の前身頃に対応して分割されバストカップ体を有する左右のバストカップ部がそれぞれ装着されるとともに、前記左右のバストカップ部の背面側には、当該左右のバストカップ部に背面に向けて張力を作用させる伸縮素材からなる張力作用部材が設けられ、前記左右のバストカップ部は、前記左右の前身頃を前記連結手段により連結することで前記張力作用部材に作用する張力によって左右のバストに保持され、
前記バストカップ部には、前記バストカップ体が着脱自在であることを特徴とする前開き女性用衣料である。
請求項2に記載された発明は、前記左右に分割された前身頃は、前記左右に分割された前身頃の合わせ部に連結自在な前記連結手段と異なる補助連結手段を有する請求項1に記載の前開き女性用衣料である。
請求項3に記載された発明は、前記バストカップ体は、前記バストカップ部に設けられた前記バストカップ体の収容部の上方に設けられた開口部を介して着脱されることを特徴とする請求項1又は2に記載の前開き女性用衣料である。
請求項4に記載された発明は、前記バストカップ体は、前記バストカップ部に設けられた前記バストカップ体の開口部を介して着脱されることを特徴とする請求項1又は2に記載の前開き女性用衣料である。
請求項5に記載された発明は、前記張力作用部材の両端部は、前記左右の前身頃内面の前記合わせ部側に位置する端部にそれぞれ固定され、前記左右のバストカップ部は、前記張力作用部材に装着されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の前開き女性用衣料である。
請求項6に記載された発明は、前記前開き女性用衣料は、外側衣料と前記外側衣料の内側に配置される内側衣料とを備え、前記内側衣料は、前記左右のバストカップ部と前記張力作用部材かなる背面部とを有し、
前記内側衣料は、前記外側衣料に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の前開き女性用衣料である。
前記内側衣料は、前記外側衣料に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の前開き女性用衣料である。
請求項7に記載された発明は、前記張力作用部材は、前記左右のバストカップ部の上端部に対応した位置に左右の肩紐部をそれぞれ備え、前記左右の肩紐部の上端は、前記左右の前身頃内面の肩部に固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の前開き女性用衣料である。
請求項8に記載された発明は、前記左右の肩紐部の上端は、前記左右の前身頃と当該左右の前身頃の内側に設けられた裏当て部材との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の前開き女性用衣料である。
請求項9に記載された発明は、前記連結手段は、前記合わせ部に沿って複数配置されたボタンとボタンホールからなり、前記複数のボタンとボタンホールのうち、少なくとも1組は、前記張力作用部材によって張力が作用する前記左右のバストカップ部の下端縁に対応した位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の前開き女性用衣料である。
請求項10に記載された発明は、前記ボタンホールは、前記張力作用部材により張力が作用する横向きに形成されていることを特徴とする請求項9に記載の前開き女性用衣料である。
請求項11に記載された発明は、前記左右の前身頃の合わせ部は、比翼仕立てに構成され、前記ボタン及びボタンホールは、外部に露出しないことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の前開き女性用衣料である。
請求項12に記載された発明は、前記連結手段は、ファスナー又は面ファスナーの何れかからなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の前開き女性用衣料である。
尚、フロント開閉構造としての連結手段は、ボタン式、ホック式、フック式、ファスナー式且つ当該開閉部はオープンホック式、又はインナーホック式であっても良く、着脱が容易な範囲でバストカップアンダー部までの丈であっても良い。
但し、上記連結手段を構成するボタン・ホック・フック等の単体構成は、バストカップを構成する基礎衣料の安定性から最低当該バストカップを構成する基礎衣料の上部を保持することを前提とする位置にその1つが構成されていなければならないと同時に、2〜3個と複数形成されることが好ましい。
更にバストカップを構成する基礎衣料の開閉部へのフレキシブル性が高い構成(ストレッチ性が高い/良く伸びる)等のマテリアル構成によっては、身頃体の伸張性を多極化することが望ましい。
又、バストカップを構成する基礎衣料は、上記フレキシブル性(高伸張性)を持ったマテリアルとすることによって主衣料の裏地を兼ねた連帯性を形成することが出来る。
本考案の一つのポイントは、バストシルエット構成にあり、当該衣料のバストシルエットを支える基礎となるバストカップを構成する衣料を内面に複合することにある。
バストカップ構成をポイントとする基礎衣料(内側衣料)は、フロント開閉部を一体とし着脱を容易とすると同時に当該衣料のバストシルエット構成を支持するものである。
また、当該バストカップ構成をポイントとする基礎衣料は、当該衣料のバストシルエット構成を支える能力を持ったバストカップ構成であり、内側衣料を構成する身頃体は、外側衣料とは異なり人体への緩みを形成せず、反対に人体にフィットする為のストレッチ(エラスチック)構成であり、より独立体であることが好ましいが、外側衣料のシルエットを損なわない範囲でショルダー部等の連動一体化形成を採用しても良い。
更に、外側衣料のモード(ボディーフィットスタイル又はベアトップ・オフショルダー・バックレス・ホルターネック等)によっては、それに順応した基礎衣料の形態とすることが好ましい。
この考案によれば、カップ部を有する女性用衣料において、着脱を容易に行うことができるとともに、バストカップ体が着用者のバストにフィットし着用感を向上させた前開き女性用衣料を提供することができる。
以下に、この考案の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図1及び図2はこの考案の実施の形態1に係る前開き女性用衣料の一例としての前開きワンピースを示す正面構成図及び背面構成図である。
図1及び図2はこの考案の実施の形態1に係る前開き女性用衣料の一例としての前開きワンピースを示す正面構成図及び背面構成図である。
この前開きワンピース1は、図1及び図2に示すように、前身頃2及び後身頃3からなる身頃部4と、身頃部4の左右の袖ぐり部にそれぞれ縫着された半袖状の左右の袖部5、6と、身頃部4の上端部に位置する襟ぐり部に形成された襟部7と、前身頃4の左右の体側部にそれぞれ縫着された左右のポケット8、9とを備えている。なお、前開きワンピース1は、半袖状のものに限定されず、長袖や七分袖、あるいは袖部を有しない所謂ノースリーブとして構成されたものであっても良いことは勿論である。
前身頃2は、図1に示すように、左右の前身頃11、12に分割されて前面の中央部が左右に全面開放される前開き形状に構成されている。ここで、前開き女性用衣料における前開きとは、必ずしも前面の中央部が左右に開く形状に限定されるものではなく、カシュクール仕立ての衣料のように、左右の前身頃11、12が前面の中央部において左右に合わせられ、左右の体側部において連結されるものを含むものである。左右の前身頃11、12の合わせ部13、14には、図3及び図4に示すように、連結自在な連結手段の一例としてのボタン15及びボタンホール16がそれぞれ設けられている。また、本実施の形態では、左右の前身頃11、12の合わせ部13、14が比翼仕立てに構成され、ボタン15及びボタンホール16は、比翼仕立てに構成された合わせ部13、14により外部に露出しないように構成されている。
更に説明すると、右前身頃12の合わせ部14の端縁14aは、図4に示すように、左前身頃11の合わせ部13側(図中右側)に向けて短く延長されており、合わせ部13、14は、互いに重ね合わされている。右前身頃12の合わせ部14の端縁14aは、必ずしも左前身頃11の合わせ部13側(図中右側)に向けて延長する必要はなく、ボタンホール16が設けられる領域のみ左前身頃11の合わせ部13と重ね合わされるように合わせ部14の幅を狭く設定しても良い。図4は合わせ部14を前面から見た正面図である。右前身頃12の合わせ部14は、芯材14cを介在させて裏面側に折り返され三重に構成されている。また、左前身頃11の合わせ部13は、芯材13aを介在させて裏面側に折り返されやはり三重となるよう構成されている。この三重に構成された右前身頃12の合わせ部14には、その裏面側の布地14b及び芯材14cにボタンホール16が開口されており、ボタンホール16の外周には、図示しない穴かがりが施されている。ボタンホール16は、合わせ部14の表面側の布地により覆われて外部に露出していない。また、三重に構成された左前身頃11の合わせ部13には、ボタン16は、上下方向に沿って所定の間隔を隔てて配置されている。
また、ボタン15及びボタンホール16のうち、図中上から2番目及び3番目のボタン15a、15b及びボタンホール16a、16bは、図3に示すように、後述する張力作用部材22の左右のバストカップ部20、21の上下端縁に対応した位置にそれぞれ配置されており、当該張力作用部材22に背面側に向けて作用する張力に対抗して、これらのボタン15a、15b及びボタンホール16a、16bによる保持力を作用させている。なお、ボタン15及びボタンホール16の間隔は、必ずしも等間隔である必要はなく、張力作用部材22に対応したボタン15a、15b及びボタンホール16a、16bの間隔を他の領域に比較して狭く設定しても良い。また、ボタン15a、15b及びボタンホール16a、16bは、必要に応じて張力作用部材22の幅方向(上下方向)に対応した中間部に更に配置するなど数を増やしても良い。或いは、図15に示すように、張力作用部材22に対応した位置にボタン15a、15b及びボタンホール16a、16b以外に補助的にフックやアイ等の補助連結手段51を追加して配置させても良い。補助連結手段51の一例としてのフックは、ボタンホール16aと16bとの間及びボタンホール16bの下部に配置されている。このように、補助連結手段51を追加して配置させることにより、仮に張力作用部材22の張力によりボタン15がボタンホール16から外れた場合やボタン15が取れてしまった場合などにおいても、左右の前身頃11、12が不本意に開いてしまうことを回避することができる。また、補助連結手段を追加して配置させることにより、前開きワンピース1の左右の前身頃11、12を仮止めすることができ、張力作用部材22の張力が作用した状態であっても、ボタン15をボタンホール16に留めることが容易となる。尚、図15では、補助連結手段51としてフックを図示しており、他方の前身頃12に設けられるアイを図示していないが、補助連結手段51としてのフックを他方の前身頃12に設け、アイを前身頃11に設けても良く、補助連結手段は、フックやアイ等に限定されず、他のホック等を用いても良いことは勿論である。
また、ボタンホール16は、図4に示すように、前中心に対して平行となるように配置された縦ボタンホールとして構成されている。ボタンホール16は、横ボタンホールとして構成しても良い。その理由は、ボタンホール16を前中心に対して平行に配置した縦ボタンホールとして構成した場合には、張力作用部材22によって左右の前身頃11、12の合わせ部13、14に対して互いに離間する方向の張力が作用した際に、ボタン15がボタンホール16から離脱する虞れが生じるのを回避するためである。但し、張力作用部材22によって左右の前身頃11、12の合わせ部13、14に作用する張力の大きさ等によっては、必ずしも横ボタンホールを採用する必要はなく、左右の前身頃11、12の合わせ部13、14に作用する張力が相対的に小さい場合や、合わせ部14の生地が相対的に厚くボタン15がボタンホール16から離脱し難い場合などには、縦ボタンホールを用いても良い。
更に付言すると、前開きワンピース1の後述する外側衣料17の素材がソフトな(剛性が相対的に低い)素材からなる場合には、張力作用部材22によってボタン15がボタンホール16から離脱し易い傾向にあるため、右前身頃12の合わせ部14を比翼仕立てに構成することが望ましい。また、後述する内側衣料18の素材がソフトな(剛性が相対的に低い)素材からなる場合には、張力作用部材22によってボタン15がボタンホール16から離脱し難い傾向にあるため、右前身頃12の合わせ部14を比翼仕立てに構成する必要はなく、右前身頃12の合わせ部14を比翼のない通常のボタンホール16から構成しても良い。
なお、連結手段としては、ボタン15とボタンホール16の組み合わせ以外に、ファスナーや、ホック、フック、フック状に起毛された面状部材とループ状に密集して起毛された面状部材とを押し付けることにより接合される面ファスナーなど、他の連結自在な連結手段を用いても良い。
前身頃2及び後身頃3は、表地のみからなる一枚構成であっても、表地及び裏地、あるいは表地及び裏地や芯材等からなる二枚以上の複数枚構成としても良い。この実施の形態では、図3に示すように、左右の前身頃11、12及び後身頃3が表地のみからなる一枚構成となっている。前開きワンピース1を構成する素材は、綿、絹、毛等の天然繊維や、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維(化繊)、あるいはこれらの混紡からなる織地や編地など任意のものが選択される。
また、前開きワンピース1は、図3に示すように、当該前開きワンピース1の外側を構成する外側衣料17と、当該外側衣料17の内側に配置される内側衣料18とを備える。なお、図3は、前開きワンピース1の左前身頃11の肩部を縫着する前の展開した状態の内面を示している。外側衣料17は、内側衣料18を除いた前開きワンピース1の外部構成そのものからなる。また、外側衣料17は、例えば、動体裁断により構成されている。動体裁断は、解剖学に基づいた洋服の裁断法であり、着用者が腕の上げ下げあるいは上体の前屈や捩じり等の動作を行っても皮膚のようにストレスなく体になじむ服を目的としたものである。動体裁断により構成される外側衣料17は、左右の袖部5、6を上げても前身頃4の裾部が上方にずれあがり難く、外側衣料17の動きが内側衣料18に影響するのを抑制することができる。
一方、内側衣料18は、図3、図5に示すように、大別して、左右の前身頃11、12の内側に左右に分割されてそれぞれ配置される左右のバストカップ部20、21と、左右のバストカップ部20、21に人体の背面に向けた張力を作用させる伸縮素材からなる張力作用部材22とから構成されている。左右のバストカップ部20、21は、伸縮性を有する表地と裏地とから二重に構成されている。また、張力作用部材22は、一枚構成となっている。内側衣料18は、前開きワンピース1を構成する外側衣料17の上部のうち、左右の袖部5、6と襟部7を除いた形状と略同一形状に形成されている。内側衣料18は、左右のバストカップ部20、21の前中心側の端縁20a、21aと、張力作用部材22の上端縁22aと、左右の袖ぐり部20b、21bの全周が、外側衣料17内面の対応する部位に縫着されている。また、左右のバストカップ部20、21及び張力作用部材22の下端縁には、帯状の伸縮性テープ29bが全周にわたり縫着されている。なお、内側衣料18の伸縮性テープ29bが縫着された下端縁は、外側衣料17に縫着されておらずフリーな状態となっている。
また、内側衣料18は、左右のバストカップ部20、21に左右のバストカップ体25、26が着脱自在となるよう装着されている。内側衣料18の左右のバストカップ部20、21は、上述したように、表地と裏地とから二重に構成され、当該表地と裏地の外周端縁が全周にわたり互いに縫着されている。また、左右のバストカップ部20、21は、図5乃至図7に示すように、表地と裏地とが肩部から左右のバストカップ体25、26の上端縁に沿って、左右の前身頃11、12の外側端から肩部に向けて斜め上方に傾斜した状態で互いに縫着61、62されているとともに、表地と裏地とが左右のバストカップ体25、26の背面側の端縁に沿って縦方向に互いに縫着63、64されている。その結果、左右のバストカップ部20、21の着用者のバストに対応した位置には、左右のバストカップ体25、26の形状に対応した形状となるように、左右のバストカップ体25、26を収容する袋状の収容部65、66が設けられている。また、縫着部65、66の肩側の端部は、内側衣料18を構成する表地と裏地とが互いに縫着されておらず、左右のバストカップ体25、26を着脱するための開口部67、68が設けられている。なお、図3において、開口部67、68は、内側衣料18の外側(人体の肌と反対側)に配置されている。
収容部65、66は、図7に示されるように、内側衣料18を構成する裏地69を収容部65、66の形状に対応した形状に形成し、当該収容部65、66の上端縁をすべて開口させて構成しても良い。図7中、符号69aは裏地69の上端縁を縫着したステッチを示している。
なお、左右のバストカップ体25、26の着脱を容易とするためには、袋状の収容部65、66の開口部67、68を左右のバストカップ体25、26の上端部に設けるのではなく、図8に示すように、袋状の収容部65、66を左右のバストカップ体25、26に対応した形状として、当該袋状の収容部65、66の上端縁65a、66aを縫着し、当該袋状の収容部65、66の裏地側(人体と接触する側)に縦方向に沿ったスリット状の開口部80を設け、当該開口部80を介して左右のバストカップ体25、26を着脱するように構成しても良い。なお、開口部80は、横方向に沿ったスリット状の開口部から形成しても勿論良い。
また、スリット状の開口部68は、内側衣料18を構成する表地と裏地のうち、左右のバストカップ体25、26の着脱を容易とするため、人体と接触する裏地に設けても良いが、これに限定されるものではなく、人体と接触しない表地に設けても良い。
左右のバストカップ体25、26は、左右のバストカップ部20、21の保形性を高めるとともに、必要に応じてバストの補正効果を発揮させるためのものである。左右のバストカップ体25、26は、図9に示すように、女性のバストの形状に合わせて或いは女性のバストを人体の中央上部に移動させるようにモールド成型によって三次元形状に形成されたウレタンや不織布等からなるカップ本体25a、26aと、カップ本体25a、26aの表裏を覆う表布25b、26b及び裏布25c、26cと、カップ本体25、26の外周を縁取る縁取りテープ25d、26dとから構成されている。
張力作用部材22は、図3に示すように、左右のバストカップ部20、21の背面側に縫着され、外側衣料17の後身頃3の上部と略同一形状に形成されている。
内側衣料18の背面部を構成する張力作用部材22は、図3及び図5に示すように、ブラジャーの体側部から背面部に掛けて設けられる伸縮性を有するバック布と比較して、面積が大幅に大きく女性の背面の全体を覆うように形成されている。そのため、内側衣料18の張力作用部材22は、ボタン15及びボタンホール16を連結することにより、左右のバストカップ部20、21に対して女性のバストにフィットする張力を作用させる場合であっても、肌当たりはソフトなものとなる。よって、内側衣料18は、長時間着用しても肌を圧迫することを抑制することができ、良好な着用感を発揮することができる。また、内側衣料18の張力作用部材22は、通常のブラジャーのようにフックやアイ等からなる締結具を有していないため、着用したままの状態で横になった場合であっても人体を圧迫することがなく、着用感に優れたものである。また、内側衣料18は、図3に示すように、左右のバストカップ部20、21の合わせ部13、14側に位置する端縁20a、20bが、左右の前身頃11、12の内側に左右に分割された状態で全幅にわたりそれぞれ縫着34、35されている。そのため、前開きワンピース1を着用する際は、左右のバストカップ部30、31に張力作用部材22の張力が作用することがなく、前開きワンピース1を着用してボタン15及びボタンホール16によって左右の前身頃11、12を連結したときに初めて張力作用部材22の張力が作用するので、前開きワンピース1の着用が容易となる。
張力作用部材22は、伸縮性を有するものであれば特に限定されるものではないが、横方向にのみ伸縮性を有し、縦方向に伸縮性を有しない素材からなるものであっても良いが、縦方向及び横方向など2方向に伸縮性を有する伸縮性の生地を用いるのが望ましい。なお、左右のバストカップ部20、21は、例えば、張力作用部材22と同一の素材により形成される。
張力作用部材22の人体の胸部における周囲長は、前開きワンピース1の着用時に、左右の前身頃11、12をボタン15及びボタンホール16により連結することで、当該張力作用部材22に作用する張力によって左右のバストカップ体25、26を女性の左右のバストに保持可能となるように、前開きワンピース1の人体の胸部における周囲長よりも所定の長さだけ短く設定されている。
更に説明すると、前開きワンピース1の外側衣料17は、通常、JIS規格に基いて、トップバストの対応範囲(周囲長)が72〜80cmのものがSサイズ、79〜87cmのものがMサイズ、86〜94cmのものがLサイズとして設定されている。
内側衣料18は、前開きワンピース1の着用時に張力作用部材22の張力が作用した状態で、左右の前身頃10、11の合わせ部13、14を含む当該内側衣料18のアンダー寸法がブラジャーのJIS規格寸法に適合するように外側衣料17と比較して短く設定されている。例えば、外側衣料17のSサイズに対して、内側衣料18は、ブラジャーのJIS規格寸法でのアンダーが60〜65cmの範囲、外側衣料17のMサイズに対して、内側衣料18は、ブラジャーのJIS規格寸法でのアンダーが70〜75cmの範囲、外側衣料17のLサイズに対して、内側衣料18は、ブラジャーのJIS規格寸法でのアンダーが80〜85cmの範囲となる様ある程度の許容幅を持たせた状態で、内側衣料18の胸囲長が短くなるように設定されている。その際、当然のことながら、合わせ部13、14の合わせ幅が考慮される。
ここで、内側衣料18の素材がソフトな(剛性が相対的に低い)素材からなる場合には、当該内側衣料18の寸法にもよるが、張力作用部材22によってボタン15がボタンホール16から離脱し難い傾向にあるため、右前身頃12の合わせ部14を比翼仕立てに構成する必要はなく、右前身頃12の合わせ部14を比翼のない通常のボタンホール16から構成しても良い。
なお、前開きワンピース1のバストアンダー部には、図1に示すように、外側衣料17と内側衣料18とのサイズ差を吸収して目立たなくなるため、フレアーを周方向に沿って形成したフレアー部Fを設けても良い。
上記の如く構成される内側衣料18は、図3に示すように、左右の肩紐部32、33の上端部が前開きワンピース1の肩部内面の上端に縫着されているとともに、左右のバストカップ部20、21の人体中央部側の端縁20a、21aが前開きワンピース1の外側衣料17における合わせ部13、14の内面に上下方向に沿って縫着34、35されることで、外側衣料17に固定されている。
また、内側衣料18は、図10及び図11に示すように、左右のバストカップ体25、26のずれを防止するために、当該左右のバストカップ体25、26を面状ファスナー71、72やホック51、52(図12参照)等の着脱具を介して、内側衣料18に対して着脱自在に構成しても良い。
さらに、内側衣料18は、外側衣料17に固定せずに、縫着部34、35等に対応した位置に配置される図示しない面状ファスナーやホック等の着脱具を介して、外側衣料17に対して着脱自在に構成しても良い。この場合には、内側衣料18を外側衣料17から取り外して、人体に直接接触する内側衣料18のみ洗濯等を行うことができ、衛生上の観点から好ましい。
以上の構成において、この実施の形態に係るカップ付き女性用衣料では、次のようにして、カップ部を有する女性用衣料において、着脱を容易に行うことができるとともに、バストカップ体が着用者のバストにフィットし着用感を向上させた前開き女性用衣料を提供することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係る前開きワンピース1は、図1に示すように、外側衣料17の左右の前身頃11、12における合わせ部13、14に設けられたボタン15を外して、左右の前身頃11、12を前開きインナー1の前面中央部から左右に開いた状態で、図3に示すように、外側衣料17の袖ぐり部から左右の袖部5、6に腕を通す。そして、前開きワンピース1は、図4に示すように、外側衣料17の左右の前身頃11、12を合わせ部13、14において合わせた状態で、合わせ部13、14に設けられたボタン15を前中心においてボタンホール16に連結することにより、左右の前身頃11、12を連結させて着用される。その際、内側衣料18の左右のバストカップ部20、21は、外側衣料17の左右の前身頃11、12を合わせ部13、14において接合することにより互いに女性の左右のバストに対応した所定の位置に配置される。このとき、左右のバストカップ体25、26は、内側衣料18の左右のバストカップ部20、21に設けられた袋状の収容部65、66に収容されているため、左右のバストカップ体25、26は、内側衣料18の左右のバストカップ部20、21及び張力作用部材22が有する張力によって着用者の左右のバストにフィットした状態で装着される。
このように、前開きワンピース1は、当該前開きワンピース1の左右の袖部5、6に腕を通すとともに、外側衣料17の左右の前身頃11、12を合わせ部13、14に設けられたボタン15及びボタンホール16で接合することにより着用できるため、自宅等においてブラジャーを着用する必要がなく、部屋で寛ぐ際などのリラクゼーションを目的としたルームリラックスウエアとして、或いはジムや温泉、病院等のように下着の着脱を必要とする施設においても、気軽且つ手軽に着脱することができる。
また、左右のバストカップ体25、26は、左右のバストカップ部20、21に設けられた袋状の収容部65、66に収容されており、左右のバストカップ部20、21には、張力作用部材22によって人体の背面側に向けた張力が作用するため、左右のバストカップ体25、26が着用者のバストにフィットし着用感を向上させることができる。
また、この実施の形態に係る前開きワンピース1は、シニアの女性が着用する場合であっても、従来のブラキャミやブラトップ等と異なって着用時に上腕を上げ下げする動作が不要であり、腕の上げ下げに困難を伴う場合がある中高年(シニア)の女性であっても容易に着用することができる。
また、前開きワンピース1は、左右の前身頃11、12をボタン15及びボタンホール16を介して連結することにより、左右の前身頃11、12に対応して左右に分割された左右のバストカップ体25、26が一体的に連結されるとともに、左右のバストカップ体25、26には、内側衣料18の伸縮性素材からなる左右のバストカップ部20、21及び張力作用部材22によって張力が作用する。そのため、左右のバストカップ部20、21は、女性の左右のバストにフィットし、良好な着用感を得ることができる。
なお、前開きワンピース1は、左右の前身頃11、12が上下方向に沿った全面にわたり開口している必要はなく、少なくとも女性の上半身に対応した前身頃が左右に分割されていれば良い。この場合には、前開きワンピース1の着脱が容易となる。
また、前記実施の形態では、前開き女性用衣料として前開きワンピースに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前開きシャツ、ニット、パーカー、ルームウエアー、ジャケット、カーディガン、カットソー、ブラウス、パジャマなどの少なくとも女性の上半身に対応した前身頃が開いた前開き女性用衣料に広く適用できるものである。
実施の形態2
図13はこの考案の実施の形態2に係る前開き女性用衣料の一例であるカップ付きパーカーを示すものである。
図13はこの考案の実施の形態2に係る前開き女性用衣料の一例であるカップ付きパーカーを示すものである。
このカップ付きパーカー1は、図13に示すように、前身頃2及び後身頃3からなる身頃部4と、身頃部4の左右の袖ぐり部にそれぞれ縫着された長袖状の左右の袖部5、6と、身頃部4の上端部に位置する襟ぐり部に縫着されたフード7と、前身頃4の左右の腹部にそれぞれ縫着された左右のポケット8、9とを備えている。なお、前開きインナー1は、長袖状のものに限定されず、半袖や七分袖、あるいは袖部を有しない所謂ノースリーブとして構成されたものであっても良い。また、カップ付きパーカー1は、フード7を備えないものでも勿論良い。
前身頃2は、左右の前身頃11、12に分割されて前面の中央部が開閉される前開き形状に構成されている。左右の前身頃11、12の合わせ部13、14には、連結自在な連結手段の一例としてのファスナー15a及びボタン穴16aがそれぞれ設けられている。
また、カップ付きパーカー1は、図13に示すように、当該カップ付きパーカー1の外側を構成する外側衣料17と、当該外側衣料17の内側に配置される内側衣料18とを備える。
一方、内側衣料18は、図14に示すように、左右の前身頃11、12の内側に左右に分割されてそれぞれ配置される左右のバストカップ部20、21と、左右のバストカップ部20、21の背面側に縫着された張力作用部材22とを備えている。また、左右のバストカップ部20、21の外面(人体の肌側でない面)には、左右のカップ体25、26の外周縁が縫着されている。内側衣料18は、左右のバストカップ部20、21、背面部22及び左右の肩紐部23、24の各部を構成する縦方向及び横方向など2方向に伸縮性を有する素材により形成されている。また、内側衣料18には、左右のバストカップ部20、21及び張力作用部材22の端縁に、伸縮性を有する縁取りテープ27が縫着されている。縁取りテープ27としては、例えば、人体に接触する面の肌当たりが良好となるように起毛された伸びの良いゴムテープが用いられる。
内側衣料18は、左右のバストカップ部20、21の前中心側の端縁20a、21aと、張力作用部材22の上端縁22aと、左右の袖ぐり部20b、21bの全周が、外側衣料17内面の対応する部位に縫着されている。
以上の構成において、この実施の形態2に係る前開き女性用衣料では、次のようにして、カップ部を有する女性用衣料において、着脱を容易に行うことができるとともに、バストカップ体が着用者のバストにフィットし着用感を向上させることが可能となっている。
また、この実施の形態に係る前開き女性用衣料では、次のようにして、部屋で寛ぐ際などのリラクゼーションを目的としたルームリラックスウエアとして、或いはジムや温泉、病院等のように下着の着脱を必要とする施設においても、気軽且つ手軽に着脱することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態2に係るカップ付きパーカー1は、図13に示すように、外側衣料17の左右の前身頃11、12における合わせ部13、14に設けられたファスナー15a、16aを外して、左右の前身頃11、12をカップ付きパーカー1の前面中央部から左右に開いた状態で、内側衣料18の内側に設けられた開口部に左右の腕を通すとともに、外側衣料17の袖ぐり部から左右の袖部5、6に腕を通す。そして、カップ付きパーカー1は、外側衣料17の左右の前身頃11、12を合わせ部13、14において合わせた状態で、合わせ部13、14に設けられたファスナー15a、16aを装着することにより、左右の前身頃11、12を接合して着用される。その際、内側衣料18の左右のバストカップ部20、21は、外側衣料17の左右の前身頃11、12を合わせ部13、14において接合することにより互いに女性の左右のバストに対応した所定の位置に配置される。このとき、左右のバストカップ部20、21の背面側には、左右のバストカップ部20、21と同様に2方向に伸縮性を有する素材からなる張力作用部材22が縫着されているため、左右のバストカップ部20、21は、内側衣料18の背面部22が有する張力によって着用者のバストにフィットされる。
このように、カップ付きパーカー1は、当該カップ付き前開きインナー1の左右の袖部5、6に腕を通すとともに、外側衣料17の左右の前身頃11、12を合わせ部13、14に設けられたファスナー15a及び16aで接合することにより着用できるため、着脱を容易に行うことができる。
また、カップ付きパーカー1は、左右の前身頃11、12をボタン15及びボタンホール16を介して接合することにより、左右の前身頃11、12に対応して左右に分割された左右のバストカップ部20、21が一体的に接合されるとともに、左右のバストカップ部20、21には、内側衣料18の伸縮性素材からなる張力作用部材22によって張力が作用する。そのため、左右のバストカップ部20、21は、女性の左右のバストにフィットし、良好な着用感を得ることができる。
1:前開きワンピース1、2:前身頃、3:後身頃、4:身頃部、5、6:袖部、11、12:左右の前身頃、13、14:合わせ部、15:ボタン、16:ボタンホ−ル、17:外側衣料、18:内側衣料、20、21:左右のバストカップ部、22:張力作用部材。
Claims (12)
- 少なくとも女性の上半身に対応した前身頃が左右に分割され、且つ前記左右に分割された前身頃の合わせ部に連結自在な連結手段を有する前開き女性用衣料において、
前記左右の前身頃の内側には、当該左右の前身頃に対応して分割されバストカップ体を有する左右のバストカップ部がそれぞれ装着されるとともに、前記左右のバストカップ部の背面側には、当該左右のバストカップ部に背面に向けて張力を作用させる伸縮素材からなる張力作用部材が設けられ、前記左右のバストカップ部は、前記左右の前身頃を前記連結手段により連結することで前記張力作用部材に作用する張力によって左右のバストに保持され、
前記バストカップ部には、前記バストカップ体が着脱自在であることを特徴とする前開き女性用衣料。 - 前記左右に分割された前身頃は、前記左右に分割された前身頃の合わせ部に連結自在な前記連結手段と異なる補助連結手段を有する請求項1に記載の前開き女性用衣料。
- 前記バストカップ体は、前記バストカップ部に設けられた前記バストカップ体の収容部の上方に設けられた開口部を介して着脱されることを特徴とする請求項1又は2に記載の前開き女性用衣料。
- 前記バストカップ体は、前記バストカップ部に設けられた前記バストカップ体の開口部を介して着脱されることを特徴とする請求項1又は2に記載の前開き女性用衣料。
- 前記張力作用部材の両端部は、前記左右の前身頃内面の前記合わせ部側に位置する端部にそれぞれ固定され、前記左右のバストカップ部は、前記張力作用部材に装着されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の前開き女性用衣料。
- 前記前開き女性用衣料は、外側衣料と前記外側衣料の内側に配置される内側衣料とを備え、前記内側衣料は、前記左右のバストカップ部と前記張力作用部材かなる背面部とを有し、
前記内側衣料は、前記外側衣料に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の前開き女性用衣料。 - 前記張力作用部材は、前記左右のバストカップ部の上端部に対応した位置に左右の肩紐部をそれぞれ備え、前記左右の肩紐部の上端は、前記左右の前身頃内面の肩部に固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の前開き女性用衣料。
- 前記左右の肩紐部の上端は、前記左右の前身頃と当該左右の前身頃の内側に設けられた裏当て部材との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の前開き女性用衣料。
- 前記連結手段は、前記合わせ部に沿って複数配置されたボタンとボタンホールからなり、前記複数のボタンとボタンホールのうち、少なくとも1組は、前記張力作用部材によって張力が作用する前記左右のバストカップ部の下端縁に対応した位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の前開き女性用衣料。
- 前記ボタンホールは、前記張力作用部材により張力が作用する横向きに形成されていることを特徴とする請求項9に記載の前開き女性用衣料。
- 前記左右の前身頃の合わせ部は、比翼仕立てに構成され、前記ボタン及びボタンホールは、外部に露出しないことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の前開き女性用衣料。
- 前記連結手段は、ファスナー又は面ファスナーの何れかからなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の前開き女性用衣料。
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CN113142694A (zh) * | 2021-06-01 | 2021-07-23 | 北京沃创易文化有限公司 | 一种前开身式紧身上衣 |
-
2016
- 2016-09-23 JP JP2016004628U patent/JP3207851U/ja active Active
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