JP3207779U - 手動階段昇降車椅子 - Google Patents

Abstract

【課題】車椅子を推進させる人が安全に且つ限られた労力で車椅子に階段を昇り降りさせることを可能にする手動階段昇降車椅子を提供する。【解決手段】車椅子１００がハンドクランクハンドル５と、シートリクライニング装置３と、ギアボックス４と、被駆動スプロケットホイールセット６とを備える。車椅子１００のシート１がシートリクライニング装置３を用いることによってリクライニングされると、車椅子１００の前輪２ａ及び後輪２ｂは、被駆動スプロケットホイールセット６を介して、ギアボックス４によってのみ駆動され、手で押されたり推進されたりすることができない。車椅子１００を推進させる人は、ハンドクランクハンドル５を回転させることによってのみ前輪２ａ及び後輪２ｂを駆動可能であり、その結果、階段を昇り降りするときに車椅子１００の自動滑りを避けることができる。【選択図】図１Ａ

Description

本実用新案は車椅子に関し、詳細には、手動階段昇降車椅子に関する。

多くの国及び地域において徐々に人口が高齢化することにより、高齢者のほとんどが、日常的な移送手段として車椅子を用いる必要があるが、このような車椅子の人々にとって、階段が障害となることが多い。こうした障害を回避するために、車椅子の人々は大抵、目的地に到着するまで長い距離を移動しなければならない。さらに悪い場合には、他の経路がなく、複数の人々の手を借りて車椅子を手動で動かさなければならず、例えば、階段を昇り降りさせなければならない。

電動車椅子は、階段の昇り降りに関する上記の問題を解決し得るが、構造が複雑且つ高価であり、多くの消費者はそれを購入する余裕がない。さらに、電動車椅子が階段を昇り降りする場合、安全性もまた大きな問題となる。

中国実用新案特許（公開番号：ＣＮ２５８０９３４Ｙ）は、障害に妨げられない、自走式の車椅子を開示した。この車椅子には、水平面上を移動し、小さな傾斜を昇降するための、左プラスチック車輪及び右プラスチック車輪、並びに多方向案内輪が設けられており、階段を昇るための４つのスパイダ車輪も設けられている。このような車椅子が階段を昇るのに用いられる場合、プルバーを引く必要があり、それに従って、左プラスチック車輪及び右プラスチック車輪、並びに多方向案内輪が、コネクティングロッドを介して、てこの作用で持ち上がり、それと同時に車椅子のシートがリクライニング位置に変化する。この時、４つのスパイダ車輪が階段の踏板と接触する。駆動力を長手方向シャフトに伝えるためには、プルバーを押し下げる必要がある。減速のためのウォームギアアセンブリを介して、より大きな駆動力を加えて、４つのスパイダ車輪の同時回転を駆動し、階段を昇り降りさせることができる。しかし、階段の踏板によって、長さ及び幅が多様であるため、スパイダ車輪が踏板の縁から滑り落ちてしまいがちであり、これは安全性の問題となる。さらに、スパイダ車輪の構造はかなり複雑であるため、生産コストが比較的高い。

ＣＮ２５８０９３４Ｙ

本実用新案の１つの目的は、車椅子を推進させる人が安全に且つ限られた労力で車椅子に階段を昇り降りさせることを可能にする手動階段昇降車椅子を提供することである。

本実用新案の一実施例によれば、シート、前輪、及び後輪と、シートに連結され、シートをリクライニングするために用いられるシートリクライニング装置と、ギアホイールを備えるギアボックスと、ギアボックスに機械的に連結されたハンドクランクハンドルと、被駆動スプロケットホイール及び凹部を備える被駆動スプロケットホイールセットであって、前輪及び後輪に連結され、凹部が被駆動スプロケットホイールのうちの２つの間に配置される、被駆動スプロケットホイールセットとを備える手動階段昇降車椅子であって、車椅子のシートがシートリクライニング装置を用いることによってリクライニングされると、ギアボックスのギアホイールが、被駆動スプロケットホイールセットの凹部に配置されるとともに、被駆動スプロケットホイールとかみ合い、その結果、前輪及び後輪がギアボックスによって駆動される、手動階段昇降車椅子が提供される。

ギアボックスが、チェーンを介してハンドクランクハンドルに連結された駆動ギアホイールをさらに備えることが好ましい。ハンドクランクハンドルは、クランクギアホイールも備え、このクランクギアホイールはチェーンに連結される。

ギアボックスのギア比が１：３０〜１：４０であることが好ましい。

シートリクライニング装置による調整の後、シートが水平面に対して３５度〜４５度の角度でリクライニングされることが好ましい。

シートリクライニング装置のそれぞれが、クラッチハンドル、歯付き板、歯付き板用位置決め板、及びクラッチ歯を備えることが好ましい。クラッチハンドルは、車椅子ハンドルの下に配置される。

本実用新案では、前輪及び後輪は、ギアボックスのギア比を介して駆動可能である。ギアがギアボックスによってシフトされると、前輪及び後輪はロックされ、手で動かされたり自走したりすることができず、手でハンドクランクハンドルを回転させることによってのみ駆動可能であり、その結果、車椅子が階段を昇り降りするときに、車椅子の自動滑りを避けることができ、したがって非常に安全である。これは、ギアボックスが前輪及び後輪に連結されると、より大きなトルクを生成することができ、車椅子を推進させる人が、非常に限られた労力で車椅子を推進させて階段を昇り降りさせることができるからである。その上、車椅子を推進させる人は、単にシートリクライニング装置を用いることにより、車椅子のシートをリクライニングさせることができ、その結果、ハンドクランクハンドルを回転させることにより、車椅子が階段を昇り降りすることができる。したがって、車椅子は操縦が容易である。本実用新案による手動階段昇降車椅子はまた、構造がシンプルで生産コストが低い。

本実用新案の一実施例による、水平面上で操作されている手動階段昇降車椅子を左から見た図である。 本実用新案の一実施例による手動階段昇降車椅子を後ろから見た図である。 本実用新案の一実施例による、階段を昇り降りしている手動階段昇降車椅子を左から見た図である。 本実用新案の一実施例による、階段を降りている手動階段昇降車椅子の概略図である。 本実用新案の一実施例によるギアボックスを右から見た図である。 本実用新案の一実施例によるギアボックスを上から見た図である。 本実用新案の一実施例によるギアボックスの分解図である。 本実用新案の一実施例によるハンドクランクハンドル及びギアボックスを左から見た図である。 本実用新案の一実施例によるハンドクランクハンドル及びギアボックスを後ろから見た図である。 本実用新案の一実施例によるシートリクライニング装置のうちの１つを前から見た図である。 本実用新案の一実施例によるシートリクライニング装置を左から見た図である。 本実用新案の一実施例によるシートリクライニング装置の分解図である。 本実用新案の一実施例による手動階段昇降車椅子の斜視図である。

添付の図面を参照することにより、本実用新案が当業者により良く理解され、本実用新案の利点がより明らかになるであろう。本明細書に記載される添付の図面は、全ての可能な実施例ではなく、選択された実施例の例示のみを意図するものであり、本実用新案の範囲の限定を意図するものではない。

図１Ａ及び図１Ｂに示すように、手動階段昇降車椅子（１００）は、シート（１）、２つの前輪（２ａ）、２つの後輪（２ｂ）、２つのシートリクライニング装置（３）、ギアボックス（４）、ハンドクランクハンドル（５）、及び２組の被駆動スプロケットホイールセット（６）を含む。図１Ｃに示すように、２つの前輪（２ａ）は、シート（１）の左側及び右側にそれぞれ配置されており、２つの後輪（２ｂ）も、シート（１）の左側及び右側にそれぞれ配置されている。２つのシートリクライニング装置（３）は、シート（１）の左側及び右側にそれぞれ配置され、シート（１）と、シート（１）をリクライニングするための車椅子ブラケット（７）とに連結されている。ギアボックス（４）は、シート（１）の底部に配置されており、２つのギアホイール（８）及び１つの駆動ギアホイール（９）を含む。２つのギアホイール（８）は、ギアボックスハウジング（１０）の左側及び右側にそれぞれ配置されており、駆動ギアホイール（９）は、ギアボックスハウジング（１０）の後ろに配置されている。ハンドクランクハンドル（５）は、シート（１）の後ろに配置されており、チェーン（１１）を介して駆動ギアホイール（９）に連結されている。被駆動スプロケットホイールセット（６）は、複数の互いに連結された被駆動スプロケットホイール（１２）から構成され、シート（１）の左側及び右側に配置されている。被駆動スプロケットホイールセット（６）は、前輪（２ａ）及び後輪（２ｂ）をそれぞれ駆動するために、前輪（２ａ）及び後輪（２ｂ）に連結されている。図１Ａの拡大図に示すように、左側の被駆動スプロケットホイールセット（６）は、被駆動スプロケットホイール（１２）のうちの２つの間に配置された凹部（１３）をさらに備える。

車椅子（１００）が階段を昇り降りする必要がある場合、シート（１）はシートリクライニング装置（３）を介してリクライニング可能である。図１Ｃに示すように、シート（１）がリクライニングされると、ギアボックス（４）のギアホイール（８）が、被駆動スプロケットホイールセット（６）の凹部（１３）にそれぞれ配置され、（図１Ｃの拡大図に示すように）被駆動スプロケットホイール（１２）とかみ合い、その結果、前輪（２ａ）及び後輪（２ｂ）がギアボックス（４）によって駆動される。したがって、前輪（２ａ）及び後輪（２ｂ）はロックされ、手で押されたり自走したりすることができない。前輪（２ａ）及び後輪（２ｂ）は、階段の昇り降りのために、前輪（２ａ）及び後輪（２ｂ）を駆動するトルクを増加させるように、手でハンドクランクハンドル（５）を回転させることによってのみ駆動可能である。

図２は、本実用新案の一実施例による、階段を降りている手動階段昇降車椅子の概略図である。この例では、シートが本実用新案のシートリクライニング装置によってリクライニングされていることから、車椅子のシートに座っている人が前傾してしまうことがない。

本実用新案では、前及び後ろの４つの車輪は、ギアボックスのギア比を介して駆動可能である。ギアがギアボックスによってシフトされることで、４つの車輪はロックされ、手で動かされたり自走したりすることができず、手でハンドクランクハンドルを回転させることによってのみ駆動可能であり、その結果、車椅子が階段を昇り降りするときに車椅子の自動滑りを避けることができ、したがって非常に安全である。

車椅子が階段を降りているときに、車椅子のシートに座っている人の重心が前傾してしまうのを防ぐために、シートリクライニング装置による調整の後、シートが水平面に対して３５度〜４５度の角度でリクライニングされることが好ましい。

車椅子を推進させる人が、車椅子に階段を昇り降りさせるためにハンドクランクハンドルを回転させ易いように、ハンドクランクハンドルがシートの後ろに配置されていることが好ましい。

ギアボックスによって前輪及び後輪に伝えられるトルクを増加させる一方で、高速な階段の昇り降りを提供するために、ギアボックスのギア比が１：３０〜１：４０であることが好ましい。

前輪及び後輪がアンチスリップタイヤを含むことが好ましい。

本実用新案の一実施例によれば、図３Ａ及び図３Ｂに示すように、ギアボックス（４）が２つのギアホイール（８）及び駆動ギアホイール（９）を含む。２つのギアホイール（８）は、ギアボックスハウジング（１０）の左側及び右側にそれぞれ配置されており、駆動ギアホイール（９）は、ギアボックスハウジング（１０）の後ろに配置されている。図３Ｃに示すように、ギアボックス（４）は、ウォーム（１４）及びウォームギアセット（１５）をさらに備える。ウォーム（１４）、駆動ギアホイール（９）及びウォームギアセット（１５）は互いに連結され、ウォームギアセット（１５）は２つのギアホイール（８）に連結されている。したがって、駆動ギアホイール（９）が駆動されると、２つのギアホイール（８）も駆動される。この構造の１つの利点は、従来の車椅子のように、階段を昇り降りするときに、車椅子の前輪及び後輪が自動滑りしてしまうことがないように、ギアボックスを強化できる点である。さらに、ギアボックスのトルクは増加可能である。

本実用新案の一実施例によれば、図４Ａ及び図４Ｂに示すように、ハンドクランクハンドル（５）がクランクギアホイールをさらに備える。クランクギアホイールは、チェーン（１１）を介して駆動ギアホイール（９）に連結される。ハンドクランクハンドル（５）が回転されると、駆動力が駆動ギアホイールに伝わり、ギアボックスを駆動させることができる。

本実用新案の一実施例によれば、図５Ａ及び図５Ｂに示すように、シートリクライニング装置（３）のそれぞれが、クラッチハンドル（１６）、歯付き板（１７）、歯付き板用位置決め板（１８）、及びクラッチ歯（１９）を備える。クラッチハンドル（１６）はクラッチ歯（１９）に連結され、歯付き板用位置決め板（１８）は車椅子ブラケット（７）に連結され、歯付き板（１７）は歯付き板用位置決め板（１８）に固定される。歯付き板用位置決め板（１８）は溝（２０）を含み、クラッチ歯（１９）は凸部（２１）を含み、この凸部（２１）は、歯付き板用位置決め板（１８）の溝（２０）内に隠すことができ、シート（１）に連結されている。クラッチハンドル（１６）は、車椅子ハンドルの下に配置可能である。クラッチハンドル（１６）が下方に押されると、シートの傾きを調整するために、クラッチ歯（１９）が歯付き板（１７）の歯に沿って下方に動くことができる。利点は、車椅子に座っている人によって重い負荷がかかっている場合であっても、歯付き板（１７）の歯に沿ったクラッチ歯（１９）の複数のわずかな動きを介して、車椅子を推進させる人が依然として容易にシート（１）の傾きを調整できる点である。

図６は、本実用新案の一実施例による手動階段昇降車椅子の斜視図である。この斜視図によって、被駆動スプロケットホイールセット（６）の凹部（１３）、被駆動スプロケットホイール（１２）の位置、及びそれらの連結関係を視覚化することができる。

本実用新案を、図面、実施例及び／又は実例によって例示並びに説明してきたが、本実用新案の原理及び精神から逸脱することなく、当業者が実施例に変更を加えてもよいことが理解されよう。したがって、本実用新案の範囲は、添付の実用新案登録請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されるものであることが理解されよう。

１ シート
２ａ 前輪
２ｂ 後輪
３ シートリクライニング装置
４ ギアボックス
５ ハンドクランクハンドル
６ 被駆動スプロケットホイールセット
７ 車椅子ブラケット
８ ギアホイール
９ 駆動ギアホイール
１０ ギアボックスハウジング
１１ チェーン
１２ 被駆動スプロケットホイール
１３ 凹部
１４ ウォーム
１５ ウォームギアセット
１６ クラッチハンドル
１７ 歯付き板
１８ 歯付き板用位置決め板
１９ クラッチ歯
２０ 溝
２１ 凸部
１００ 手動階段昇降車椅子

Claims (11)

1. シート（１）、前輪（２ａ）、及び後輪（２ｂ）と、
   前記シート（１）に連結され、前記シート（１）をリクライニングするために用いられるシートリクライニング装置（３）と、
   ギアホイール（８）を備えるギアボックス（４）と、
   前記ギアボックス（４）に機械的に連結されたハンドクランクハンドル（５）と、
   被駆動スプロケットホイール（１２）及び凹部（１３）を備える被駆動スプロケットホイールセット（６）であって、前記前輪（２ａ）及び前記後輪（２ｂ）に連結され、前記凹部（１３）が前記被駆動スプロケットホイール（１２）のうちの２つの間に配置される、被駆動スプロケットホイールセット（６）とを備える手動階段昇降車椅子であって、
   前記車椅子の前記シート（１）が前記シートリクライニング装置（３）を用いることによってリクライニングされると、前記ギアボックス（４）の前記ギアホイール（８）が、前記被駆動スプロケットホイールセット（６）の前記凹部（１３）に配置されるとともに、前記被駆動スプロケットホイール（１２）とかみ合い、その結果、前記前輪（２ａ）及び前記後輪（２ｂ）が前記ギアボックス（４）によって駆動される、手動階段昇降車椅子。
2. 前記ギアボックス（４）が駆動ギアホイール（９）をさらに備え、前記駆動ギアホイール（９）はチェーン（１１）を介して前記ハンドクランクハンドル（５）に連結される、請求項１に記載の車椅子。
3. 前記ハンドクランクハンドル（５）がクランクギアホイールを備え、前記クランクギアホイールは前記チェーン（１１）に連結される、請求項２に記載の車椅子。
4. 前記ギアボックス（４）のギア比が１：３０〜１：４０である、請求項１に記載の車椅子。
5. 前記ギアボックス（４）がウォームギアセット（１５）及びウォーム（１４）をさらに備える、請求項１に記載の車椅子。
6. 前記ギアボックス（４）が前記シート（１）の底部に配置される、請求項１に記載の車椅子。
7. 前記シートリクライニング装置（３）による調整の後、前記シート（１）が水平面に対して３５度〜４５度の角度でリクライニングされる、請求項１に記載の車椅子。
8. 前記シートリクライニング装置（３）のうちの２つは、前記シート（１）の左側及び右側にそれぞれ配置される、請求項１に記載の車椅子。
9. 前記シートリクライニング装置（３）のそれぞれが、クラッチハンドル（１６）、歯付き板（１７）、歯付き板用位置決め板（１８）、及びクラッチ歯（１９）を備える、請求項１に記載の車椅子。
10. 前記クラッチハンドル（１６）が車椅子ハンドルの下に配置される、請求項９に記載の車椅子。
11. 前記前輪（２ａ）及び前記後輪（２ｂ）がアンチスリップタイヤを含む、請求項１に記載の車椅子。