JP3205673B2 - 冷媒分流器 - Google Patents

冷媒分流器

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JP3205673B2 JP28045594A JP28045594A JP3205673B2 JP 3205673 B2 JP3205673 B2 JP 3205673B2 JP 28045594 A JP28045594 A JP 28045594A JP 28045594 A JP28045594 A JP 28045594A JP 3205673 B2 JP3205673 B2 JP 3205673B2
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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B41/00Fluid-circulation arrangements
    • F25B41/40Fluid line arrangements
    • F25B41/42Arrangements for diverging or converging flows, e.g. branch lines or junctions
    • F25B41/45Arrangements for diverging or converging flows, e.g. branch lines or junctions for flow control on the upstream side of the diverging point, e.g. with spiral structure for generating turbulence
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B39/00Evaporators; Condensers
    • F25B39/02Evaporators
    • F25B39/028Evaporators having distributing means

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  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮冷凍器等の冷媒流
の回路において冷媒の流れを複数の経路に分岐させる冷
媒分流器に関するものであり、特に、冷媒流量が変化す
る冷媒回路に用いられる冷媒分流器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】物質の気相状態における圧縮や膨張に伴
う熱変化と、液相−気相間での相変化に伴う熱の吸収お
よび放出を利用した冷却法に圧縮式冷凍法があり、空調
機器をはじめとして種々の冷却装置で利用されている。
圧縮式冷凍装置は、相変化する媒質すなわち冷媒を閉回
路内で循環させ、その循環経路において冷媒の圧縮、凝
縮、蒸発、膨張のサイクルを行い、冷却対象を冷却する
ものである。
【0003】その基本構成を図1に模式的に示す。ま
ず、気相状態にある冷媒は圧縮機によって圧縮される。
圧縮された冷媒は温度上昇するが、凝縮器において外部
から冷却されることにより大部分が液化する。この冷却
された液相と気相の2相状態の冷媒は、熱交換器におい
て冷却対象と熱交換し、対象を冷却する。ここでの冷却
対象は、例えば空調機器の場合は室内空気である。対象
から奪った熱は冷媒が液相から気相へと変化する際の気
化熱として吸収される。熱交換後の冷媒はほとんど全て
気相状態になっており、これが再び圧縮機で圧縮され、
凝縮器で凝縮され、循環する。
【0004】熱交換器内には冷媒を通し、冷媒と冷却対
象との熱交換を行うための伝熱管が配設されている。熱
交換は冷媒の流路が長いほど、すなわち伝熱管の総経路
が長いほど効率がよい。また、冷媒の単位体積あたりの
表面積が大きいほど、すなわち冷媒が流れる伝熱管の径
が小さいほど、熱交換効率は向上する。このため通常、
冷媒の流路を複数に分岐させ、熱交換器内に複数の伝熱
管を配する方法が採られている。近年では冷却システム
の多様化、小型化のために、伝熱管の細径化、多岐化が
著しい。
【0005】熱交換器内を流れる冷媒の経路の複数化
は、図1に示したように熱交換器に冷媒が流入する前に
冷媒分流器を設置することによりなされる。この冷媒分
流器から送り出される冷媒の経路は、熱交換器の伝熱管
の数だけ必要になる。
【0006】最も簡素な構成の冷媒分流器の例を図24
に示す。この冷媒分流器31は、内部が中空の分流器本
体32の一端に冷媒を流入させる流入管33と、他端に
冷媒を流出させる複数の流出管34が設けられている。
流出管34はそれぞれ熱交換器の伝熱管に接続される。
流入管33から流入した冷媒は本体32内部を通過した
後、複数経路に分岐して流出管34を経て熱交換器へと
流れる。
【0007】冷媒は冷媒分流器31に流入する以前に、
凝縮器において液化されているが、完全に液相になって
いるわけではなく、液相と気相とが混じり合った状態に
なっている。この2相状態のまま分流器31により分流
がなされることになるが、これは次の問題をもたらす。
【0008】液相と気相とは本来分離しがちであり、均
一に混合した状態にはなりにくい。すなわち液相は液
相、気相は気相で集合する性質があるため、冷媒分流器
31内部においても液相と気相の分布に偏りが生じる。
冷媒は分流器内部で流動するもの偏った分布のまま移
動し流出管34に至る。したがって、各流出管34には
均等量の冷媒が流れるのではなく、その取付位置によっ
て、気相が多く流れるものと液相が多く流れるものが生
じる。
【0009】この現象は冷媒の偏流と呼ばれるが、偏流
が生じると、熱交換器内の各伝熱管を流れる冷媒の量に
差が生じる。気相を多く含む冷媒が流れる伝熱管は、液
相冷媒が少ないために、全てが気化しても冷却対象から
奪った熱を気化熱として吸収できずに、温度上昇してし
まう。一方、偏流により所定量より多くの液相を含む冷
媒が流れる伝熱管においては、その伝熱管の全経路を冷
媒が通過した後も低温の液相冷媒が多量に存在すること
になる。
【0010】このため、伝熱管ごとに熱交換にムラが生
じ熱交換器における熱交換の効率が低下してしまう。さ
らに、低温の液相冷媒が多量に残存する伝熱管には結露
が発生するという問題も生じる。
【0011】偏流に起因するこれらの不都合を解消する
ために、冷媒分流器にいくつかの改良が加えられてい
る。
【0012】図25に示した冷媒分流器31には、本体
32内部に絞り弁35が設けられている。この分流器3
1は、冷媒を強制的に絞り弁35の小径口35aを通過
せしめ、これにより気相を細分化するとともに、高速に
なった冷媒流により本体32内部の冷媒を撹拌して冷媒
の均一化を図り、偏流を抑制するものである。
【0013】図26の冷媒分流器31の流入管33は、
本体32との接続部近傍を複数の小径管33aで構成し
たものである。この小径管33aは螺旋状に束ねられて
いる。流入管33から分流器本体32に流入する冷媒
は、小径管33aを通過することにより気相も液相も細
分化される。さらに小径管33aの螺旋状配置により、
本体32に流入した冷媒は螺旋状に回転しながら流出管
34へと向かい、その間冷媒が撹拌されて液相と気相が
均一に混合され、偏流の発生が抑制される。
【0014】このように、分流器内部での偏流の発生を
抑え、熱交換器での熱交換効率を向上させる試みはある
程度成功している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、偏流の
発生は冷媒の流量にも大きく影響される。上記の図25
や図26の冷媒分流器31は、各流出管34から均等量
の冷媒を流出させるために、本体32内部で冷媒を撹拌
することで気相と液相を均一に混合するように構成され
ている。ある程度の冷媒流量がある場合には、この撹拌
は予定通りになされ、冷媒の均一な混合がなされる。し
かし、積極的な撹拌機構が設けられているわけではな
く、冷媒の流速を利用して撹拌させるため、冷媒の流量
が少なければ、所期の撹拌効果が得られなくなる。
【0016】図25の絞り弁35を備えたものでは、流
入管33の内断面積よりも孔面積が小さい小径口35a
を通過する冷媒が高速になるため、これを通過したあと
の冷媒が撹拌される。しかし、流入管33から流入する
冷媒量が所定量から減少するに従い小径口35aを通過
する冷媒の流速も下がり、撹拌効率も低下する。逆に所
定量よりも多量の冷媒が流入すると、小径口35aを通
過した高速の冷媒流が直接流出管34に達することにな
り、流出管34の取付位置によっては流出する冷媒量に
差が生じ得る。
【0017】図26の流入管33を小径管33aで形成
したものでは、小径管33aの束を螺旋状に形成するこ
とで、本体32に流入した冷媒が旋回し、これによって
撹拌が行われる。この場合も、冷媒の流入量が低減すれ
ば、小径管33aから流入した冷媒は低速であるため
に、所期の撹拌効率は得られないことになる。
【0018】いずれの例においても、気相と液相を細分
化することで溶媒の混合を促進する効果は残存するが、
これも冷媒流量の減少にともない低減する。このよう
に、固定径の絞り弁や、冷媒流路を規制する固定された
手段を備えた冷媒分流器では、冷媒の流量変化に応じて
効果的に混合をし偏流の発生を抑制することは困難であ
る。
【0019】特に、最近では熱負荷に応じて冷媒流量を
変化させるインバータ方式の冷却装置が多用されるよう
になってきている。上述の理由により、従来の冷媒分流
器では、冷媒流量が変化するこのような冷却装置には十
分対応することができない。また、偏流の発生は分流器
の設置姿勢にも影響を受ける。上記の図25や図26の
冷媒分流器31は、流入管33が下方に流出管34が上
方になるよう設置すれば、冷媒の流れに対する各流出管
の位置の対称が保たれるが、分流器31を横置きに設置
すると流出管34の位置対称性は保たれなくなる。気相
は液相よりも軽く、横置きに設置された場合、本体32
内の上部には気相が多く含まれ、下部には液相が多く存
在することになり、上方の流出管と下方の流出管とでは
流出する冷媒量に差が生じる。
【0020】気相、液相の細分化と冷媒の撹拌が理想的
になされていればこの問題は生じないが、実際には既述
のように、撹拌が十分に行えない場合もある。そうする
と分流器31の設置姿勢は縦置きに限定され、取付場所
にも制約が加えられることになる。
【0021】本発明は、冷媒の流量や設置姿勢にかかわ
らず所望の流量比に分流を行う冷媒分流器、および安定
して均等量の分流を行う冷媒分流器を供することを目的
とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、冷媒を取り入れる流入管と冷媒を流出
させる複数の流出管を有し断面が円形で中空の本体と、
該本体の内部に設けられ冷媒通過経路となる複数の開口
を有する円盤状のマグネットロータと、前記本体の外周
に設置され前記マグネットロータを回転させるステータ
とから成り、各流出管からの冷媒流出量に起因して生じ
る物理量を検出して、検出した物理量に基づきステータ
によりマグネットロータを回転移動させてマグネットロ
ータの開口を所望の位置に停止させることで、各流出管
から流出する冷媒量比を制御するようにしている。
【0023】
【0024】
【0025】上記構成において、マグネットロータの開
口を円形に形成し、その周縁に内側に向けて突出する複
数個の凸部が設けられている。
【0026】
【0027】そして、断面が円形で中空の分流器本体の
内部に、冷媒通過経路となる複数の開口を有する円盤状
のマグネットロータを設け、このマグネットロータに近
接してこれと平行に、冷媒通過経路となる複数の開口を
有する開口板を固定設置して、マグネットロータの開口
と固定開口板の開口との重なりにより通過する冷媒に対
する絞りを形成する。本体の外周にはマグネットロータ
を回転させるステータを設置し、このステータによりマ
グネットロータを回転移動させて開口の重なり面積を変
化させることで絞りを調節する。
【0028】
【0029】可動開口板を停止させてその開口により冷
媒流路を設定すると、冷媒の分流量に差が生じるが、開
口位置を変えれば新たな冷媒流路が設定され分流量の違
いも変化する。こうして冷媒流路を変化させることによ
り、所望の流量比に分流することが可能になる。この分
流量比の調節を、分流量に起因して生じる物理量を測定
してこれに基づいて行うと、その物理量を所望値に合致
させるのに適した流量比での分流ができる。
【0030】
【0031】
【作用】開口を有するマグネットロータを本体内部に設
け、これを本体外周に設置したステータによって回転さ
せる構成では、マグネットロータの開口により冷媒流路
が設定される。マグネットロータの回転移動により冷媒
流路は変えられるので、各流出管から流出する冷媒の流
量が調節できる。この分流量の調節を、分流量に起因し
て生じる物理量、例えば各分流冷媒の熱交換後の温度、
に基づいて行うと、適切な流量比での分流がなされる。
【0032】また、マグネットロータの開口を円形に形
成し、その周縁に内側に向けて突出する複数個の凸部が
設けられた構成により、冷媒に与えられる回転力が増
し、冷媒が旋回混合され冷媒循環量の変化による分流の
不安定を防ぐことができる。
【0033】分流器本体内部に、開口を有するマグネッ
トロータと固定開口板とを設け、本体外周にステータを
設置した構成では、マグネットロータの開口と固定開口
板の開口の重なりによって冷媒流路が設定される。マグ
ネットロータと固定開口板とは近接して配置されている
ので、この流路は絞りとして機能する。冷媒はこの絞り
を通過することにより細分化と高速化がなされ撹拌混合
される。マグネットロータはステータによって回転移動
できるので、開口の重なりすなわち絞りの大きさを調節
でき、したがって撹拌を調節制御することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。ここに示す全ての実施例においては、
冷媒を4経路に分流する分流器の例を掲げ、このため流
出管の数を4本として示すが、本発明は4経路への分流
に限らず、任意の数の経路に冷媒を分流させる冷媒分流
器に用いられるものである。
【0035】図2に本発明第1実施例の冷媒分流器の外
観を示し、図3にその断面を模式的に示す。また、図5
に本分流器が取り付けられる冷媒回路の主要部の構成を
模式的に示した。冷媒分流器1は、両端部を除く中央部
が円筒状の本体2から成り、本体2の一端には冷媒を本
体2の内部に流入させる流入管3が接続され、他端には
冷媒を流出させる4本の流出管4が接続されている。流
出管4と本体2との接続部である流出口5は同じ直径の
円になっており、各流出口5の中心は、本体2の円筒の
中心線の延長上の点を中心とする円周上に等間隔に配置
されている。
【0036】本体2の内部には図4に示した円盤状に形
成されたフェライト製のマグネットロータ6が配置され
ている。このロータ6は、流出管4が接続されている端
部に近い位置に、本体2の円筒の中心線に対して垂直に
配置され、周辺部をベアリング(不図示)により支持さ
れており、前記中心線を軸として回転する。ロータ6の
周辺部と本体2の間隙はシール材により密閉されている
(不図示)。
【0037】ロータ6の位置に対応する本体2の外周に
は、磁力を発生しロータ6を回転させるステータ7が固
定設置されている。図5に示したように、ステータ7は
マイクロコンピュータから成るコントローラ9に接続さ
れており、コントローラ9によって磁力の発生が制御さ
れる。したがってロータ6はコントローラ9により回
転、停止が制御されることになる。
【0038】円盤状のロータ6は所定の厚さを有する
が、その厚さ方向に沿って貫通し断面が円形の4つの開
口8が設けられている。すなわち開口8はいずれも円柱
状で本体2の円筒の中心線と平行になっている。本体中
心線から各開口8の中心線までの距離は、本体中心線か
ら流出口5の中心までの距離と等しく、さらに、開口8
同士の中心間距離も等間隔に設定されている。したがっ
て、ロータ6の停止位置によっては各開口8の中心線の
延長上に流出口5の中心が存在し、開口8と流出口5と
が全て対向する状態になる。
【0039】4つの開口8は、大口径の大開口8L、小
口径の小開口8Sそれぞれ1つと、中口径の2つの中開
口8Mから構成され、図4に示したように、大開口8L
と小開口8Sのそれぞれの両隣には中開口8Mが位置す
るように配置される。大開口8Lの直径は流出口5の直
径とほぼ等しくなっており、中開口8M、小開口8Sは
流出口5よりも小さい。
【0040】一方、冷媒分流器1が取り付けられる熱交
換器11には4本の伝熱管12が配設されており、伝熱
管12の一端は分流器1の流出管4に接続されている。
図5に示すように、伝熱管12の他端近傍の外表面に
は、熱交換後の冷媒の温度を検出するための温度センサ
10がそれぞれ設けられている。温度センサ10による
検出温度はコントローラ9に送られ、冷媒分流器1の制
御に利用される。なお、図5の矢印Fは冷媒の流れを示
す。
【0041】上記のように構成された冷媒分流器1にお
いて、図1の凝縮器で液化された冷媒は、液相と気相の
2相状態で流入管3から分流器本体2に流入する(図3
矢印A)。本体2内部では冷媒はロータ6によりその流
路を遮られるが、ロータ6に設けられた開口8を通過し
て流出口5に向かう。この際、ロータ6と本体2との間
はシールされているため、冷媒がその間隙を通過するこ
とはなく、流入した冷媒は4つの開口8のいずれかを通
過することになる。流出口5から流出(図3矢印B)し
た冷媒は、流出管4を経て、熱交換器11の伝熱管12
を流れる。
【0042】伝熱管12を通過中に冷媒は冷却対象と熱
交換し対象から熱を奪う。奪った熱は液相状態にある冷
媒の気化熱として吸収され、これにより冷媒はほとんど
気相状態になる。熱交換後の冷媒は熱交換器11を出
て、1つの流路に集められ、図1の圧縮機へと流れここ
にて圧縮され、次いで凝縮器で冷却、凝縮されて、再び
冷却回路を循環する。
【0043】冷却装置運転開始時には、ロータ6は開口
8が流出口5に対向する位置に停止している。ロータ6
は流出口5に近接して配置されているので開口8を通過
した冷媒はほぼ直進し、対向する流出口5から流出管4
へと流出する。大開口8Lに対向した流出口からは多量
の冷媒が流出し、小開口8Sに対向した流出口からは少
量の冷媒が流出する。したがって運転開始時には各流出
管5から流出する冷媒量には差が生じ、伝熱管12を流
れる冷媒量も均等ではない。
【0044】少時経過後、ロータ6を90゜回転させる
制御信号をコントローラ10からステータ7に送り、ロ
ータ6を回転させる。90゜の回転により大開口8Lが
対向していた流出口には中開口8Mが対向し、小開口8
Sが対向していた流出口にはもう1つの中開口8Mが対
向する。これにより、運転開始時に生じた不均等な冷媒
流とは異なる、新たな不均等な冷媒流出が生じる。少時
経過後、ロータ6を同方向にさらに90゜回転させる。
この回転により最初大開口8Lが対向していた流出口に
は小開口8Sが対向し、同様に小開口8Sが対向してい
た流出口には大開口8Lが対向する。この状態では運転
開始時の不均等を相殺する不均等な冷媒流出が生じてい
る。
【0045】ロータ6の90゜ずつの回転をさらに2回
行うと、ロータ6は運転開始時から1回転したことにな
り、この間に各流出口5から流出した冷媒量は等しくな
る。このように各流出管4から流出する冷媒量は、開口
8の停止位置にかかわらずいかなる時点においても均等
ではない。しかし、ロータ6の各位置での停止時間を一
定にし、上記のようにロータ6を90゜ずつ回転させる
ことを繰り返すうちに、時間平均すると各流出管4から
の冷媒流量は均等になる。ロータ6の停止時間を数秒か
ら数十秒に設定すれば、実質上十分に均等な冷媒分流が
達成される。
【0046】ところで、一般に熱交換器内部での伝熱管
の配設は対称的にはなされていない。また、例えば空調
装置の場合、冷却対称である空気を送風して冷媒との熱
交換を行っているが、熱交換機内での送風量にも部位に
よって偏りがある。したがって、冷媒の分流が均等にな
されていて各伝熱管を流れる冷媒量に差がなくても、伝
熱管ごとに熱交換効率に差が生じる。
【0047】これが甚だしい場合には、ある伝熱管では
冷媒が全て気化しても奪った熱を気化熱として吸収する
ことができずに温度上昇を起こし、他の伝熱管では液相
の冷媒が多量に残ったまま熱交換器から流出するという
不都合が生じる。これは冷却効率の著しい低下を招くの
みならず、低温の伝熱管への結露により装置や設置環境
への悪影響を及ぼす。
【0048】このような熱交換の偏りが熱交換器11に
ある場合には、分流器1の各流出管4への冷媒流量を均
等にするのではなく、逆に積極的に流量比を変化させて
熱交換の偏りを補う。図5に示したように、本実施例の
熱交換器では各伝熱管12の冷媒流出端近傍に温度セン
サ10が付設されており、熱交換後の冷媒温度を検出す
ることができる。検出された各伝熱管12の温度は、コ
ントローラ9によるロータ6の回転の制御に用いられ
る。
【0049】冷却装置の運転開始後は各停止位置でのロ
ータ6の停止時間を均等にし冷媒を均等量に分流する
が、4本の伝熱管12のうちある一つの温度が他のもの
に比べて上昇した場合には、大開口8Lがその伝熱管1
2に接続された流出管4の流出口5に対向する時間を長
くする。これにより、その伝熱管12にはそれまで以上
の冷媒が流れることになり、冷媒流量不足に起因する温
度上昇が解消されると共に、熱交換器11の熱交換効率
が向上する。
【0050】逆に、一つの伝熱管12が他のものに比べ
温度が低い場合には、その伝熱管12に対応する流出口
5に小開口8Sを対向させる時間を長くし、その伝熱管
12を流れる冷媒量を減少させる。その結果、熱交換に
寄与しない過剰な冷媒の流出が抑制され、熱交換器11
の熱交換効率が向上する。2本の伝熱管12の温度が他
の2本と異なる場合にも、同様に、大開口8Lおよび小
開口8Sの対向する時間を適宜調節することにより、適
切な流量比に分流して、熱交換器11で均等な熱交換を
行うことができる。
【0051】冷媒流路としてロータ6に設けられた開口
8は、上記実施例では口径を大開口8L、中開口8M、
小開口8Sの三段階に設定しているが、これに限らず、
例えば図6のように、1つの大開口8Lと3つの中開口
8Mとしてもよい。この場合も90゜ごとに停止させる
ロータ6の停止時間を一定にすれば、時間平均して均等
な冷媒分流がなされる。また、特定の流出口に対し大開
口8Lが対向する時間を他の流出口と比べ相対的に長く
または短くすることで、その流出口から流出する冷媒量
を相対的に多くまたは少なくすることができる。したが
って、任意の流量比への分流が可能である。
【0052】さらに、ロータ6に設けられた開口8が1
つであっても流量制御は可能である。ただしこの場合
は、流出口5に開口8が対向するか否かで流量に大きな
差が生じるため、ロータ6の回転を頻繁に行う必要があ
ろう。
【0053】冷媒分流器1内部での冷媒の流路を設定す
る本法は、ロータ6の設置位置とその厚さにより、流路
設定の効率が変わる。ロータ6を流出口5が設けられた
本体2端からあまりに離して設置すれば、開口8を通過
後の冷媒流は流出口5に向かって直進せず、全ての開口
8を通過した冷媒が混じり合い、流出口5から流出する
冷媒を所望の流量比に設定することが難しくなる。した
がって、本実施例では図3に示したように流出口近傍に
ロータ6を設置している。
【0054】また、開口8を通過後の冷媒流を直進させ
るためにはロータ6の厚さは厚いほどよい。これがあま
りに薄いと開口8を通過後の冷媒は直進せずに混じり合
い、流出口5からの冷媒流出量を所望の比に設定できな
い。しかし、厚すぎるとマグネットロータ6が重くな
り、これを駆動させるステータ7としてより大型のもの
が必要になる上、多くの駆動電力を要する。本実施例で
は、ロータ6の厚さは、ロータ6から流出口5までの距
離とほぼ同じに設定している。
【0055】このように、本実施例では、分流器1内部
の冷媒流路をロータ6に設けた大きさの異なる開口8に
より設定し、流路をロータ6の回転によって調節するの
で、均等な分流に加え、任意の比率での冷媒分流が可能
である。したがって、熱交換器において送風量の偏り等
に起因して伝熱管ごとに熱交換効率に差がある場合で
も、それに対応して適切な流量比に冷媒を分流すること
ができる。その結果、熱交換器全体としての熱交換効率
が向上する。また、過剰な冷媒が流れることにより熱交
換後に多量の液相が残存することで伝熱管に結露が発生
する不都合も解消される。
【0056】さらに、分流器1を縦置きだけでなく横置
きに設置することも可能である。横置きに設置すると、
気相は液相よりも軽いため、上方に設けられた流出口か
らは、多くの気相状態の冷媒が流出し液相状態の冷媒流
出が減少する。これは、その流出口に接続された流出管
および伝熱管の冷媒流量が減少することを意味する。本
実施例の分流器1では、開口8の位置により流出する冷
媒流量を制御するので、上方に設けられた流出口に対し
大開口8Lが対向する時間を長くすることで、その冷媒
流出量不足を補うことができる。したがって、分流器1
を横置きに設置しても冷媒流量に関して何の問題も生じ
ない。冷媒分流器を縦置きだけでなく横置きにも設置し
得るということは、分流器の熱交換器への取り付けに自
由度が増すということであり、全体として装置の小型化
がなされる。
【0057】本発明の第2の実施例の冷媒分流器の断面
図を図7に示す。この分流器は、第1実施例と同様、中
央部が円筒状の本体2の内部に開口8を有するマグネッ
トロータ6を配置し、本体外周にロータ6を磁力によっ
て回転させるステータ7を固定設置してあり、さらに、
本体2の内部に開口板13が固定設置されている。本体
2の一端には流入管3が接続され、他端には4本の流出
管4が接続されている。
【0058】ロータ6は薄い円盤状に形成されており、
流入管3の近傍に配置され、その外周部をベアリング
(不図示)によって支持されて本体2の円筒の中心線に
関して回転可能になっている。本体2とロータ6との間
隙はシール材によって密閉されている。固定開口板13
も薄く形成され、ロータ6よりも流入管3側で、ロータ
6に近接してかつ平行に設置されている。ロータ6の回
転はステータ7を介して図5のコントローラ9によって
制御される。ただし、本実施例では熱交換器11の伝熱
管12の温度を検知する温度センサ10は設けられてい
ない。
【0059】ロータ6には図8に示したように、冷媒を
通過させる扇型状の開口8が4つ形成されている。固定
開口板13にも冷媒を通過させる開口14が設けられて
いる。開口14は図9に示したように、同心円をなす円
の円周に沿って細い帯状に形成され、扇型状の4群を構
成している。各群の中心角は、ロータ6の扇型状の開口
8の中心角よりも僅かに大きく設定されている。ロータ
6の停止位置によって、開口8が開口14に完全に対向
して全開になることもあれば、開口14が開口8とごく
僅かしか重ならないこともあるが、開口14がロータ6
によって完全に閉じられることはない。
【0060】ロータ6と固定開口板13は近接して配置
されているので、開口8と開口14との重なりが冷媒の
流路を構成する。この重なりが大きければこの部位での
冷媒流路は広くなるし、重なりが小さければこの部位で
の冷媒流路は狭くなる。したがって、固定開口板13の
開口14とロータ6の開口8とは協同して、冷媒流に対
する絞りを形成する。この絞りの大きさは、ロータ6を
回転移動させることで調節可能である。
【0061】単位時間当たりの流入冷媒量が一定の場
合、開口14と開口8とで形成される絞りの大きさによ
り、この絞りを通過する冷媒の速度は変化する。ロータ
6の開口8が固定開口板13の開口14に完全に対向し
て開口14が全開になっている時、すなわち絞りが全開
の時には、比較的低速で冷媒はこの絞りを通過し、開口
8と開口14の重なりが小さい時、すなわち絞りが絞り
込まれた状態の時には、冷媒は比較的高速で通過する。
【0062】このような構成において、流入管3から分
流器本体2に流入した冷媒は、開口14と開口8による
絞りを通過した後、流出口5から流出管4に流出してい
く。冷媒はその後、熱交換器11内の伝熱管12を通過
中に冷却対象と熱交換して気化し、1経路に集められ、
圧縮機を経て凝縮器にて冷却液化されて、冷媒回路を再
循環する。
【0063】既述のように、流入管3から本体2に流入
する冷媒は液相と気相の2相状態であり、偏流が生じ易
くなっているが、絞りの大きさを調節することによって
偏流は抑制される。まず、冷媒流入量が多い場合は絞り
を大きく開く。開口14はそれぞれ細い帯状に形成され
ているので、これを通過する際に気相と液相は細分化さ
れる。さらに、たとえ絞り全開であっても、冷媒通過経
路の面積は本体2の断面積の数分の1の大きさに過ぎ
ず、冷媒は絞りを通過することによりかなり高速にな
る。このため絞り通過後の冷媒は十分に撹拌されること
になる。したがって固定開口板13通過後の冷媒は均一
に混合される。
【0064】一方、流入する冷媒量が少ない場合には、
ステータ7によってロータ6を回転させて、開口8の開
口14への重なりを減少させ、絞りを小さくする。単位
時間当たりの流入量が少ないということは、冷媒流が低
速であるということであって本来撹拌作用の低減をもた
らすが、絞りを小さくすることで冷媒流が高速化される
ので、撹拌作用は保たれる。また、絞り全開時に比べて
固定開口板13の各開口14を通過する冷媒流路が小さ
くなるので、気相と液相の細分化が促進される。よっ
て、冷媒流量が少ない場合でも絞り通過後の冷媒は十分
に均一に混合撹拌される。
【0065】このように本実施例の冷媒分流器1によれ
ば、流入する冷媒の量に応じて、絞りの大きさを可変調
節できるので、常に冷媒の撹拌混合が適切になされる。
したがって、偏流の発生は抑制され、均等量の冷媒分流
が達成される。
【0066】さらに、冷媒流入量が多い時には絞りを大
きくするので、過度の冷媒圧が発生することはなく安全
であり、冷媒を循環させるための負荷を低減できる。ま
た、絞り通過後の冷媒が高速になり過ぎ、流出口5に直
接到達して流出管4からの冷媒流出量に差が生じるとい
う不都合も防止される。
【0067】本実施例は可変絞りによって、冷媒を常に
均一に撹拌することで偏流の発生を抑え均等量の冷媒分
流を行うものであり、撹拌のために本体2内に適度な空
間が必要である。このため、ロータ6と固定開口板13
は流出口5から離れた冷媒流入部付近に設置するのが望
ましい。また、開口8と開口14によって絞りを形成す
るものであるから、ロータ6と固定開口板13とを近接
させて両者間の間隙を小さくするのが好ましい。もし、
この間隙が大きければ、開口14を通過した冷媒はこの
間隙を通り開口8全体を通過し得ることになって、絞り
の効果が減殺される。
【0068】本実施例においては、冷媒の流路に対して
固定開口板13とロータ6とをこの順序で配設している
が、順序を逆にしてロータ6を流入管3側に固定開口板
13を流出管4側に配設してもよい。さらに、固定開口
板13の開口14は同心円上に細い帯状に形成されたも
のを示したが、図10に示したように多数の小孔の集合
として形成してもよく、上記実施例と同様の効果が得ら
れる。
【0069】本発明の第3の実施例の冷媒分流器の断面
を図11に示す。この分流器1も第1、第2実施例と同
様に、中央部が円筒状の本体2から成る。本体2の一端
には流入管3が、他端には4本の流出管4が接続されて
いる。
【0070】本体2の内部にはマグネットロータ6が配
置される。ロータ6は、図12に示したように、薄い円
盤状に形成され、その中心を通る軸16に垂直に固定さ
れている。ロータ6には扇型状の開口8が形成されてお
り、片面には冷媒を撹拌するための羽根15が4枚付設
されている。
【0071】図11に示したように、本体2の内部には
支持アーム17が設置されており、ロータ6は、軸16
の両端をこの支持アーム17で支持され、羽根15を流
出管側に向け、軸16が本体2の円筒の中心線と一致す
るように配置される。軸16の両端は支持アーム17と
の接触面積が小さくなるように鋭く形成されており、ロ
ータ6は軸16を中心として容易に回転する。本体2の
内壁とロータ6の外周との間には間隙が存在する。
【0072】ロータ6の配置位置に対応する本体2の外
周にはステータ7が固定設置されている。ステータ7は
図5のコントローラ9からの制御を受けて磁力を発生さ
せ、ロータ6を回転させる。ロータ6はステータ7を介
して、コントローラ9によって、回転、停止、回転速度
を制御される。
【0073】このように構成された分流器1において、
気相と液相の2相状態の冷媒が流入管3から本体2に流
入し、ロータ6の開口8またはロータ6と本体2の間隙
を通過し、流出口5へと流れる。コントローラ9の制御
によりロータ6が回転している時には、ロータ6を通過
した冷媒は羽根15によって撹拌されるが、ロータ6の
回転速度によってその撹拌効率は調節される。
【0074】流入する冷媒量が多い時には、冷媒がある
程度の流速をもっており、冷媒流自身による撹拌作用が
ある。したがってロータ6の回転を遅くして羽根による
撹拌を減弱させても十分に撹拌がなされ、気相と液相が
均一に混合する。流入冷媒が少ない時には、冷媒流は低
速になっており、冷媒自身による撹拌作用はほとんど生
じない。この場合にはロータ6を高速で回転させ、羽根
15によって強く撹拌する。そうすると流入時に分離し
ていた気相と液相が均一に混合され、均等量の冷媒が流
出管4から流出するすることになる。
【0075】冷却回路を流れる冷媒の単位時間当たりの
流量は圧縮機の単位時間圧縮量によって決定される。常
時一定量の冷媒を循環させる従来からの方式の冷却装置
に本実施例の分流器1を用いる場合には、ロータ6を常
時一定の速度で回転させる。インバータ方式の冷却装置
では、冷媒流量は冷媒停止状態から最大流量までの間を
ほぼ直線的に連続的に変化するが、この場合は、インバ
ータ制御の信号をコントローラ9で受けるようにし、こ
れに基づいてコントローラ9でロータ6の回転速度を調
節する。これにより、均等量への冷媒分流を常時行うこ
とが可能である。
【0076】本実施例は、ロータ6に設けられた羽根1
5によって冷媒を積極的に撹拌することで偏流の発生を
抑え均等量の冷媒分流を行うものであり、撹拌のために
本体2内に適度な空間が必要である。このため、ロータ
6は流出口5から離れた冷媒流入部付近に設置するのが
望ましい。羽根15の形状や枚数は任意に設定すればよ
い。
【0077】また、軸16によってロータ6を支持する
のではなく、第1、第2実施例の如くロータ6の周辺を
ベアリングによって支持してもよい。この場合、ロータ
6と本体2の内壁間の間隙は密封する必要はない。
【0078】第2実施例の可変絞りと、第3実施例の積
極的撹拌を組み合わせることができる。本発明の第4の
実施例では、図7に示した第2実施例において、薄いロ
ータに代えて図13の厚い円盤状ロータ6を用いる。他
の構成は第2実施例と同一であり重複する説明は省略す
る。
【0079】図13に示したロータ6はフェライト製マ
グネットから成り、厚い円盤状に形成されている。ロー
タ6には冷媒を通過させる扇型状の開口8が設けられ、
ロータ6回転時にはその直径に平行な開口8の内断面8
aによって通過する冷媒を押し、冷媒を撹拌する。
【0080】冷媒流入量が一定量以上ある時には、固定
開口板13の開口14とロータ6の開口8との重なりに
よって形成される絞りによって冷媒を細分化、高速化し
て均一に混合する。その際、流入冷媒量に応じてコント
ローラ9によりロータ6を回転移動させ絞りの大きさを
調節することは、第2実施例で説明したとおりで、冷媒
の流入量に応じてロータ6を回転して、絞りが所望の大
きさになる位置で停止させる。
【0081】単位時間当たりの冷媒流入量が著しく低下
している時には、絞りによる冷媒の混合ではなく、ロー
タ6の回転による積極的撹拌を行い冷媒を混合する。冷
媒は固定開口板13の開口14を通過した後ロータ6の
開口8を通過するが、この時ロータ6が回転しているた
め、開口8の内断面8aに強く押される。内断面8aに
押された冷媒は、ロータ6の流入管3側には近接して固
定開口板13が設けられているため逆流せず、障害物の
ない流出口5側に旋回しながら進む。このためロータ6
を通過した冷媒は撹拌されることになる。
【0082】また、固定開口板13の開口14は細い帯
状に形成されているので、これを通過する際に冷媒の気
相と液相は細分化されている。開口14による細分化と
ロータ6による撹拌の作用が相俟って、冷媒は均一に混
合されて偏流の発生は抑制される。したがって、本実施
例によれば冷媒流入量が著しく少ない場合でも確実に冷
媒の撹拌と混合がなされ、常時安定して均等量の分流を
行うことができる。
【0083】本実施例によれば、冷媒流入量が少ない時
にのみロータ6を連続回転させるので、冷却装置運転時
に常時ロータ6を回転させる実施例3に比べて、消費電
力の低下が図れる。
【0084】本発明の第5の実施例の冷媒分流器の断面
図を図14に示す。この分流器は、第1実施例と同様、
内部にマグネットロータ19を配置し、本体外周にロー
タ19を磁力によって回転させるステータ7を固定設置
している。本体2の一端には流入管3が接続され、他端
には4本の流出管4が接続されており、該本体2の胴部
分(ロータ19設置部分)には、ロータ19の摺動を防
止してロータ19を回転可能に支持する凸部2aが設け
られている。
【0085】ロータ19は図14のA−A断面図である
図15に示すように円柱状に形成され、その外周に冷媒
通過経路となる溝20が設けられており、ステータ7の
磁力によって本体2の中心線を回転軸として回転する。
【0086】このような構成において、流入管3から分
流器本体2に流入した冷媒は、ロータ19の溝20を通
って流出管4に流出していく。ロータ19の溝20を冷
媒が通過するときに、ロータ19が回転しているため冷
媒には回転力(遠心力)が与えられ、冷媒は旋回混合さ
れながら流出するので、複数の流出管4に均等に配分さ
れ流出される。
【0087】また、本発明の第5の実施例の第1変形例
の冷媒分流器の断面図を図16に示す。この分流器は、
第5実施例と同様、内部にマグネットロータ21を配置
し、本体外周にロータ21を磁力によって回転させるス
テータ7を固定設置している。本体2の一端には流入管
3が接続され、他端には4本の流出管4が接続されてお
り、該本体2の胴部分(ロータ21設置部分)には、ロ
ータ21の摺動を防止してロータ21を回転可能に支持
する凸部2aが設けられている。
【0088】ロータ21は図16のB−B断面図である
図17に示すように円柱状に形成され、その内側に円形
の開口22が設けられ、開口22の周縁に内側に向けて
複数個の凸部23が設けられており、ステータ7の磁力
によって本体2の中心線を回転軸として回転する。
【0089】このような構成において、流入管3から分
流器本体2に流入した冷媒は、ロータ21の開口22を
通って流出管4に流出していく。ロータ21の開口22
を冷媒が通過するときに、ロータ21が回転しているた
め冷媒には開口22の凸部23により回転力(遠心力)
が与えられ、冷媒は旋回混合されながら流出するので、
複数の流出管4に均等に配分され流出される。
【0090】さらに、本発明の第5の実施例の第2変形
例の冷媒分流器の断面図を図18に示す。この分流器
は、第5実施例と同様、内部にマグネットロータ24を
配置し、本体外周にロータ24を磁力によって回転させ
るステータ7を固定設置している。本体2の一端には流
入管3が接続され、他端には4本の流出管4が接続され
ており、該本体2の胴部分(ロータ24設置部分)に
は、ロータ24の摺動を防止してロータ24を回転可能
に支持する凸部2aが設けられている。
【0091】ロータ24は図18のC−C断面図である
図19に示すように円柱状に形成され、その内側に複数
個の円形の開口25が円周状に並べられて設けられてお
り、ステータ7の磁力によって本体2の中心線を回転軸
として回転する。
【0092】このような構成において、流入管3から分
流器本体2に流入した冷媒は、ロータ24の複数個の開
口25を通って流出管4に流出していく。ロータ24の
複数個の開口25を冷媒が通過するときに、ロータ24
が回転しているため冷媒には開口25により回転力(遠
心力)が与えられ、冷媒は旋回混合されながら流出する
ので、複数の流出管4に均等に配分され流出される。
【0093】そして、本発明の第5の実施例の第3変形
例の冷媒分流器のマグネットロータを図20乃至図22
に示す。このロータ26は円柱状に形成され、その内側
に複数個例えば4個の円形の開口27が円周状に並べら
れて設けられており、ロータ26は第5実施例と同様、
分流器本体2の内部に配置されている。
【0094】開口27の冷媒入口(冷媒の流入側)は図
21に示すようにロータ26の中心部に位置し、冷媒出
口(冷媒の流出側)は図22に示すようにロータ26の
周縁近傍に位置するように設けられている。
【0095】このような構成において、流入管3から分
流器本体2に流入した冷媒は、ロータ26の複数個の開
口27を通って流出管4に流出していく。ロータ26の
複数個の開口27を冷媒が通過するときに、ロータ26
が回転しているため冷媒には開口27により回転力(遠
心力)が与えられ、冷媒は旋回混合されながら流出する
ので、複数の流出管4に均等に配分され流出される。
【0096】以上5つの実施例により本発明の冷媒分流
器について説明したが、第3実施例における羽根15を
付設したロータに代えて、第4実施例で示した厚いロー
タを用いて撹拌を行ってもよい。この際、ロータ外周と
本体内壁の間隙は密閉する必要はない。また、いずれの
実施例においても回転開口板としてフェライト製のマグ
ネットロータを用いたものを示したが、これに限らず磁
力によって回転するものであれば他の開口板を用いるこ
とができる。たとえば、図23に示したように、合成樹
脂製の開口板6’に棒状マグネット18取り付けてこれ
をロータとして用いてもよい。
【0097】冒頭に述べたように本発明の分流器は冷媒
流路を4経路に分岐するものに限らない。例えば6経路
に分岐させるためには、第1実施例の場合では6つの流
出口を同一円周上に等間隔で形成し、ロータのそれらに
対向する位置に開口を形成すればよい。他の実施例の場
合には、ロータや固定開口板を修飾することなくそのま
ま利用できる。さらに、流出管の本体への取り付けも同
一円周上にする必要はなく自由にすることができる。
【0098】本発明の冷媒分流器は、回転可能な開口板
を分流器本体内に配置し外部からの制御で分流器内の冷
媒の流れを積極的に調節することにより、冷媒の均等量
への分流あるいは所望の流量比への分流を行うことを特
徴とするもので、冷媒流量が変化するインバータ方式の
冷却装置にも適用でき、次のような効果を表す。
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【発明の効果】請求項1の冷媒分流器では、冷媒をマグ
ネットロータの複数の開口を流れさせることによって分
流器内部に複数の冷媒流路を設定し、冷媒流路に対向す
る流出管から冷媒を流出させる。これらの流路はマグネ
ットロータの回転移動によって変えることができる。複
数の開口の大きさを一律にせず異なる大きさの開口を設
ければ流出量比の調節ができる。また、たとえ全開口が
同じ大きさであっても、開口の数を流出管の数よりも少
なくすれば、冷媒流路に対向しないしたがって流出量が
激減する流出管が常に存在することになり、冷媒流路に
対向しない時間を流出管ごとに変えることで、分流量の
比を任意に設定できる。 また、分流量比の設定調節が容
易なので、分流器を横置きに設置しても所望の流量比を
実現でき、これによって熱交換器への取り付け姿勢の自
由度が増す。したがって熱交換器を含めた装置の小型化
を図ることができる。
【0105】請求項2の冷媒分流器では、冷媒の流路と
なる円形に形成されその周縁に内部に向かって突出する
凸部を設けた開口が設けられたマグネットロータを分流
器本体内に配置し回転させるので、冷媒に与えられる回
転力(遠心力)を増すことができ、旋回混合効果を向上
させることが可能であり、分流器内部での冷媒の流路の
設定や、分流器内部の冷媒の撹拌を容易に行うことがで
き、冷媒を旋回により撹拌することでは、偏流の発生を
抑制し、冷媒の均等量の分流が達成される。
【0106】
【0107】請求項3の冷媒分流器では、マグネットロ
ータの開口と固定開口板の開口の重なりによって絞りが
形成され、マグネットロータの回転移動によってこの絞
りの大きさが変えられる。したがって冷媒の流入量が少
ない時にも、絞りを小さくすることで通過する冷媒流を
高速化することができ、冷媒を十分に撹拌することがで
きる。また、絞りを小さくすれば冷媒の気相と液相が細
分化が促進されて2相の均一な混合が容易になる。これ
らの作用が相俟って、冷媒流入量が少なくても冷媒が均
一に混合されて偏流の発生が抑制され、均等量の分流を
行うことができる。
【0108】冷媒流入量が多い時には絞りを大きくして
も撹拌が十分になされるから、均等量の冷媒分流ができ
る。しかも、絞りを大きくすることで冷媒流を必要以上
に高速化することがないので、高速な冷媒流が流出管に
直接到達して均等量の分流がなされなくなるという不都
合は生じない。さらに、絞りを大きくすれば分流器内部
に過剰な圧力が加わることもなく、安全であり、冷却装
置全体にかかる負荷も低減される。
【0109】このように、冷媒流量にかかわらず常に安
定して均等量の冷媒分流ができるので、インバータ方式
の冷却装置に用いて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮式冷凍装置の基本構成を模式的に示すブロ
ック図。
【図2】本発明第1実施例の冷媒分流器の外観を示す斜
視図。
【図3】第1実施例の冷媒分流器の正面断面図。
【図4】第1実施例のロータの平面図。
【図5】第1実施例の冷媒分流器と熱交換器の構成主要
素を示すブロック図。
【図6】第1実施例のロータの変形例の平面図。
【図7】本発明第2実施例の冷媒分流器の正面断面図。
【図8】第2実施例のロータの平面図。
【図9】第2実施例の固定開口板の平面図。
【図10】第2実施例の固定開口板の変形例の平面図。
【図11】本発明第3実施例の冷媒分流器の正面断面
図。
【図12】第3実施例のロータの平面図。
【図13】本発明第4実施例のロータの斜視図。
【図14】本発明第5実施例の冷媒分流器の正面断面
図。
【図15】図14のA−A断面図。
【図16】本発明第5実施例の第1変形例の冷媒分流器
の正面断面図。
【図17】図16のB−B断面図。
【図18】本発明第5実施例の第2変形例の冷媒分流器
の正面断面図。
【図19】図18のC−C断面図。
【図20】本発明第5実施例の第3変形例のマグネット
ロータの正面断面図。
【図21】第5実施例の第3変形例のマグネットロータ
を冷媒流入側から見た平面図。
【図22】第5実施例の第3変形例のマグネットロータ
を冷媒流出側から見た平面図。
【図23】本発明のロータの変形例の斜視図。
【図24】従来例の冷媒分流器の正面断面図。
【図25】絞り弁を備えた従来例冷媒分流器の正面断面
図。
【図26】流入管を小径管の束で形成した従来例冷媒分
流器の正面断面図。
【符号の説明】
1 冷媒分流器 2 分流器本体 3 流入管 4 流出管 5 流出口 6 ロータ 7 ステータ 8 ロータの開口 9 コントローラ 10 温度センサ 11 熱交換器 12 伝熱管 13 固定開口板 14 固定開口板の開口 15 撹拌羽根

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を取り入れる流入管と冷媒を流出さ
    せる複数の流出管を有し断面が円形で中空の本体と、該
    本体の内部に設けられ冷媒通過経路となる複数の開口を
    有する円盤状のマグネットロータと、前記本体の外周に
    設置され前記マグネットロータを回転させるステータと
    から成り、各流出管からの冷媒流出量に起因して生じる
    物理量を検出して、検出した物理量に基づきステータに
    よりマグネットロータを回転移動させてマグネットロー
    タの開口を所望の位置に停止させることで、各流出管か
    ら流出する冷媒量比を制御することを特徴とする冷媒分
    流器。
  2. 【請求項2】 前記マグネットロータの開口を円形に形
    成し、その周縁に内側に向けて突出する複数個の凸部が
    設けられたことを特徴とする請求項1の冷媒分流器。
  3. 【請求項3】 冷媒を取り入れる流入管と冷媒を流出さ
    せる複数の流出管を有し断面が円形で中空の本体と、該
    本体の内部に設けられ冷媒通過経路となる複数の開口を
    有する円盤状のマグネットロータと、該マグネットロー
    タに近接してマグネットロータと平行に前記本体の内部
    に固定設置され冷媒通過経路となる複数の開口を有する
    固定開口板と、前記本体の外周に設置され前記マグネッ
    トロータを回転させるステータとから成り、マグネット
    ロータの開口と固定開口板の開口との重なりにより通過
    する冷媒に対する絞りを形成し、ステータによりマグネ
    ットロータを回転移動させて開口の重なり面積を変化さ
    せることで絞りを調節することを特徴とする冷媒分流
    器。
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