JP3204875B2 - 細胞電位測定装置 - Google Patents

細胞電位測定装置

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JP3204875B2
JP3204875B2 JP14476895A JP14476895A JP3204875B2 JP 3204875 B2 JP3204875 B2 JP 3204875B2 JP 14476895 A JP14476895 A JP 14476895A JP 14476895 A JP14476895 A JP 14476895A JP 3204875 B2 JP3204875 B2 JP 3204875B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、神経細胞の活動に伴う
電位変化などを測定するいわゆる電気神経生理の分野で
用いられる細胞電位測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、神経細胞の医学的検討や電気素子
としての適用の可能性の検討などが活発に行われてきて
いる。神経細胞が活動する際には活動電位が発生する。
この活動電位は、神経細胞のイオン透過性の変化に伴っ
て細胞膜内外のイオン濃度が変化し、これに伴って細胞
膜電位が変化することによって生じるものである。そこ
で、電極により神経細胞近傍のイオン濃度変化(すなわ
ちイオン電流)に伴う電位変化を測定することによっ
て、神経細胞の活動を検出することができる。
【0003】上記のような細胞活動による電位はの測定
は、例えば、ガラス製の細胞外電位測定用電極を細胞に
挿入して行うことができる。刺激による誘発電位を測定
する場合は、記録用のガラス電極と共に刺激用の金属電
極も挿入される。しかし、これらの電極挿入による測定
では細胞に損傷を与えるおそれがあり、長時間にわたっ
て測定することが難しい。また、複数箇所を同時に測定
することについても空間的な制限及び位置精度上の問題
がある。
【0004】そこで、絶縁性基板上に導電性物質を用い
て複数の微小電極とその引出しパターンを形成し、この
上での細胞培養を可能にした一体化複合電極が本発明者
らによって発明された(特開平6−78889号公報、
特開平6−296595号公報参照)。この一体化複合
電極を用いれば、空間的な制約を受けることなく狭い間
隔の複数箇所において同時に電位変化を測定することが
でき、しかも長時間にわたって測定することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような一
体化複合電極を最大限に活用して、測定を正確かつ効率
的に行うことができるとともに測定結果の整理の便宜を
図ることができる測定装置つまり測定システムが強く望
まれていた。本発明は、かかる要望にかなう細胞電位測
定装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による細胞電位測
定装置は、細胞の電気生理学的特性を測定するための細
胞電位測定装置であって、 A.基板上に複数の微小電極を備え、その上に細胞を置
くための細胞設置部を備え、さらに前記微小電極の引き
出し用導電パターンと、前記導電パターンの端部に接続
された電気接点とを備えた一体化複合電極と、 B.前記一体化複合電極に電気信号を付与するとともに
前記一体化複合電極からの電気信号を導出するための電
気接続手段と、 C.前記細胞に電気的刺激を与えるために前記電気接続
手段Bに接続される刺激信号付与手段と、 D.前記細胞の電気生理活動による出力信号を処理する
ために前記電気接続手段に接続される信号処理手段と、 E.前記電気接続手段は、前記電気接点に接触する接触
金具を有し前記ガラスプレートを上下から挟んで固定す
る2分割ホルダ を備えていることを特徴とする。
【0007】好ましくは、前記細胞を光学的に観察する
ための光学観察手段を備え、さらに前記細胞の培養雰囲
気を維持するための細胞培養手段を備えていることによ
り、長時間にわたる測定が可能となる。
【0008】他の好ましい構成については作用とともに
後述する。
【0009】
【作用】上記のような構成を備えた本発明の装置による
測定の概略は例えば以下のように行われる。一体化複合
電極を備えた一体化細胞設置器の細胞設置部に試料であ
る細胞がセットされ、複数の微小電極がその細胞に接触
する。光学観察手段によって得られる細胞の像を参照し
ながら、刺激信号付与手段によって電気接続手段を介し
て複数の微小電極うちの任意の一対の電極間に刺激信号
を印加する。他の各電極に得られる誘発電位の時間変化
が電気接続手段を介して信号処理手段に与えられ、必要
な信号処理を経て例えば表示装置等に出力される。な
お、刺激信号を与えない自発電位の測定も同様にして行
われる。
【0010】上記のような細胞の電気化学的測定は、細
胞が生きている状態で行う必要があるので、通常、培養
細胞が用いられ、一体化細胞設置器の細胞設置部は培地
を備えている。一体化細胞設置器は測定装置に対して着
脱自在であり、一体化細胞設置器ごと通常のインキュベ
ータに入れて細胞培養を行い、測定する際に一体化細胞
設置器をインキュベータから取り出して測定装置にセッ
トするようにしてもよいが、一体化細胞設置器上の細胞
の培養雰囲気を維持するための細胞培養手段をさらに備
えている場合は、長時間にわたる測定が可能となる。こ
の細胞培養手段は、温度を一定に保つ温度調節手段と、
培養液を循環する手段と、空気と二酸化炭素の混合気体
(例えばCO25%)を供給する手段とから構成され
る。
【0011】好ましくは、前記一体化細胞設置器は、ガ
ラスプレート上にマトリックス状(格子状)に配置され
た複数の微小電極と、これらの微小電極の引き出し用導
電パターンと、これらの導電パターンの端部に接続され
た電気接点と、前記導電パターンの表面を覆う絶縁被膜
とを備え、前記複数の微小電極を含む領域に前記細胞設
置部が設けられている。透明ガラスプレートを基板とす
ることにより細胞の光学的観察が容易になる。したがっ
て、導電パターンや絶縁被膜も実質的に透明または半透
明であることが好ましい。また、複数の微小電極がマト
リックス状に配置されておれば、刺激信号を印加する電
極や細胞活動による電圧信号を検出する電極の位置指定
をしやすい。例えば、64個の微小電極を8列8行に配
置することが好ましい。また、各電極の表面積は、表面
抵抗をできるだけ小さくして検出感度を高める観点から
はできるだけ広いほうが良いが、電極間隔からの制約お
よび測定の分解能等を考慮して、4×102 〜4×10
4 μm2 の範囲内にあることが好ましい。
【0012】前記電気接続手段は、前記電気接点に接触
する接触金具を有し前記ガラスプレートを上下から挟ん
で固定する2分割ホルダを含んでいることが好ましく、
このような構造により前記ガラスプレートの固定及び微
小電極の外部への引出しが容易かつ確実に行われる。さ
らに、前記ホルダを固定するとともに、前記ホルダの接
触金具にコネクタを介して接続する外部接続パターンを
有するプリント配線板をさらに備えていることが好まし
く、これにより外部機器、つまり刺激信号付与手段及び
信号処理手段との接続が容易になる。刺激信号や検出信
号をできるだけ減衰及び歪みなく伝達するためには、前
記電気接点と前記接触金具との接触抵抗、及び前記接触
金具と前記コネクタとの接触抵抗がそれぞれ30ミリオ
ーム以下であることが好ましい。
【0013】前記光学観察手段は、光学顕微鏡と、これ
に接続された撮像装置及び画像表示装置を備えているこ
とが好ましい。つまり、顕微鏡で拡大された細胞の像が
撮像装置(ビデオカメラ)で撮像されて画像表示装置
(高精細度ディスプレー)に表示されることにより、細
胞と電極位置を視覚的に把握しながら測定を行うことが
容易になる。さらに好ましくは、光学観察手段が画像記
憶装置を備えておれば、測定結果の記録等に便利であ
る。
【0014】また、前記刺激信号付与手段にパルス信号
発生器を用いることにより、多くの種類の信号波形を刺
激信号として細胞に印加できることができる。前記信号
処理手段は、細胞活動による検出信号を増幅する多チャ
ンネル増幅器と、増幅された信号波形をリアルタイム表
示する多チャンネル表示装置とを備え、複数の電極から
得られた信号波形(細胞電位の時間変化)を同時に表示
できることが好ましい。
【0015】一方、D/A変換器を介して前記刺激信号
を出力するとともに、A/D変換器を介して前記細胞の
電気生理活動による出力信号を入力して処理するコンピ
ュータをさらに備えていることが好ましく、これによっ
て、刺激信号を画面上で任意の波形に設定したり、検出
信号の波形を画面に表示させるのみならず種々の加工を
施して表示し、プロッタに出力し、または記憶するとい
ったことが容易になる。さらに、このコンピュータを用
いて前記光学観察手段や前記細胞培養手段の制御を行う
こともできる。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0017】まず、本測定装置に使用する一体化細胞設
置器について説明する。この一体化細胞設置器1は、図
1に斜視図を、図2に組立図をそれぞれ示すように、ガ
ラスプレートに複数の微小電極及びその引出しパターン
が設けられた一体化複合電極2、それを上下から挟んで
固定する2分割ホルダ3,4、及び、このホルダを固定
するプリント配線板5からなる。
【0018】一体化複合電極については、特開平6−7
8889号公報等に開示されているものとほぼ同様であ
る。厚さ1.1mm、大きさ50mm角の透明パイレック
スガラスからなる基板の中央部に64個の微小電極11
が8×8のマトリックス状に形成され、各微小電極には
引出し用導電パターン12が接続されている(図3参
照)。各電極11は50μm角(面積25×102μ
2)であり、隣接する電極の中心間距離は450μm
である。また基板の4辺には、各々16個、計64個の
電気接点7が形成され(図2参照)、これらの電気接点
と基板中央部の64個の微小電極とが1対1で対応する
ように引出し用導電パターン12で接続されている。各
辺の16個の電気接点はピッチ1.27mmで並んでい
る。この一体化複合電極2の製造方法を図4の断面図に
基づいて以下に説明する。なお、図4は見易さのために
各部の縮尺を変えて描いている。
【0019】ガラスプレート13の表面に150nm厚
のITO(酸化インジウム錫)膜を塗布し、フォトレジ
スト及びエッチングにより導電パターン12を形成す
る。この上に1.4μm厚のネガティブフォトセンシテ
ィブポリイミド膜を塗布し、同様に絶縁被膜14を形成
する。微小電極及び電気接点の部分はITO膜が露出し
ており、この部分に500nm厚のニッケルメッキ15
及び50nm厚の金メッキ16を施す。内径22mm、
外径26mm、高さ8mmの円筒状ポリスチレン枠6
(図2参照)をガラスプレートに(導電パターン8及び
絶縁被膜9を介して)シリコーン系接着剤を用いて接着
する。この円筒状ポリスチレン枠はガラスプレートの中
心、すなわち64個の微小電極の中心部と中心合わせし
た状態で固定され、このポリスチレン枠の内側が細胞設
置部に相当する。このポリスチレン枠内に1重量%クロ
ロ白金酸、0.01重量%酢酸鉛、0.0025重量%
塩酸の水溶液を満たし、20mA/cm2の電流を1分
間通電することによって微小電極部の金メッキの表面に
白金黒11aを析出させる。
【0020】次に、一体化複合電極2を上下から挟んで
固定する2分割ホルダ3,4について説明する。ホルダ
3,4は樹脂で形成され、図2に示すように、一体化複
合電極2の縁部を保持するための段部と矩形開口とが中
央部に備えられている。上部ホルダ3には一対の固定具
8と16個×4対の接触金具9が備えられている。一体
化複合電極2を挟んで固定したホルダ3,4の上面図を
図5(A)に、その側面図(B−B断面図)を図5
(B)に、そして裏側からみた斜視図を図6にそれぞれ
示す。これらの図からもわかるように、固定具8は上部
ホルダ3の対向する2辺に軸ピン8aによって枢支され
ている。また、下部ホルダ4の裏面の対向する2辺には
溝4aが形成されており、ここに固定具8の凸条8bが
嵌まることによって上下のホルダ3,4は一体化複合電
極2を挟んだ状態でしっかり固定される。
【0021】一体化複合電極2の電気接点7に対応する
ように上部ホルダ3設けられた64個の接触金具9は、
BeCuにNi及びAuメッキを施したもののような弾
力性に富む良導体金属板を加工して形成され、図7に示
すような形状をしている。つまり、ピン部9aとその基
部9b、そして、この基部9bから湾曲部9cを介して
延びる可動接触部9dからなる。このような構造によ
り、可動接触部9dは基部9bに対して弾性変位可能で
ある。上部ホルダ3には接触金具9のピン部9aが挿通
される孔と基部9bが嵌まる溝とが64(16×4)箇
所に形成されている。
【0022】図2及び図5(B)に示すように、接触金
具9が上記孔及び溝に挿入され固定された状態で、ピン
部9aが上部ホルダ3から突出している。基部9bの長
さが異なる2種類の接触金具9が交互に配置されること
により、上部ホルダ3から突出した16個のピン部9a
は千鳥状の2列に並んでいる。後述するように、これら
のピン部9aは外部との接続用のプリント配線板5に実
装されたコネクタに接続される。
【0023】一方、接触金具9の可動接触部9dは、接
触金具9が上部ホルダ3の孔及び溝に挿入され固定され
た状態で、上部ホルダ3の下面から突出している。この
状態は、図2の組立図に対して反対側から見た組立図で
ある図8に良く示されている。一体化複合電極2を挟ん
でホルダ3,4が固定された状態で、各接触金具9の可
動接触部9dが一体化複合電極2の電気接点7に接触
し、湾曲部9cの弾性変形によって所定の接触圧が接触
部に与えられている。このようにして一体化複合電極2
の微小電極11に導電パターン12を介して接続する電
気接点7は、接触金具9に対して小さい接触抵抗(30
ミリオーム以下)で電気的に接続される。
【0024】次に、プリント配線板5について説明す
る。このプリント配線板5は、一体化複合電極2とホル
ダ3,4との組立品を固定するとともに、一体化複合電
極2の微小電極11から導電パターン12、電気接点
7、そして接触金具9に至る電気接続をさらにコネクタ
を介して外部に引き出す役目を担っている。また、測定
装置へのセット等の取り扱いを容易にする働きをもして
いる。
【0025】このプリント配線板5は両面パターンのガ
ラスエポキシ基板を用いて構成されており、図8に示さ
れた裏面において、中央部に形成された円形開口の周囲
4箇所にコネクタ5aが設けられている。上部ホルダ3
の表面4箇所から2列千鳥状に突出した16個のピン部
9aがそれぞれ対応するコネクタ5aに挿入されること
により、一体化複合電極2とホルダ3,4との組立品が
プリント配線板5に固定されるとともに電気的に接続さ
れる。
【0026】プリント配線板5の両側エッジ部5bには
両面エッジコネクタ用の2.54mmピッチの電気接点
が形成され、これらの電気接点と中央部のコネクタ5a
とが引出しパターン5cで接続されている。両側コネク
タ5aの内側列は表面パターンで、外側列は裏面パター
ンでそれぞれ引き出され、それぞれのエッジ部5bに表
裏両面で32個、したがって合計64個の電気接点が形
成されている。機械的な固定を確実なものとするため
に、ビス止めによって上部ホルダ3をプリント配線板5
に固定することもできる。
【0027】以上のように構成された一体化細胞設置器
1を用いて構成した細胞電位測定装置の好適な実施例を
図9に示す。本実施例の測定装置は、上述した一体化細
胞設置器1と、この一体化細胞設置器1にセットされた
細胞を光学的に観察するための倒立顕微鏡21を含む光
学観察手段20と、細胞への刺激信号を付与する手段及
び細胞からの出力信号を処理する手段を含むコンピュー
タ30と、細胞の培養雰囲気を維持するための細胞培養
手段40とを備えている。
【0028】光学観察手段20には、一体化細胞設置器
1がセットされる倒立顕微鏡21(オリンパス製IMT
−2−F又はIX70相当品)の他に、顕微鏡用のSI
Tカメラ(浜松ホトニクス製C2400−08相当品)
22、高精細度ディスプレー23、及び画像ファイル装
置(松下電器製TQ−2600又はFTQ−3100F
相当品)24が含まれている。但し、高精細度ディスプ
レーはコンピュータ30のディスプレーを兼用してもよ
い。尚、上記の括弧内に示した具体的な装置は一例であ
り、これらに限られるものではない。以下同様である。
【0029】コンピュータ30には、WINDOWS対
応のパーソナルコンピュータにA/D変換ボード及び測
定用ソフトウエアを搭載したものが使用される。A/D
変換ボードは図9のA/D変換器31とD/A変換器3
2を含んでいる。A/D変換器31は16ビット64チ
ャンネルであり、D/A変換器32は16ビット8チャ
ンネルである。
【0030】測定用ソフトウエアは刺激信号付与の条件
や得られた検出信号の記録条件を設定するためのソフト
ウエアを含んでいる。この測定用ソフトウエアによっ
て、コンピュータ30は細胞に刺激信号を付与する手段
と、細胞から検出された信号を処理する手段とを構成す
るだけでなく、光学観察手段(SITカメラ及び画像フ
ァイル装置)や細胞培養手段の制御をも司る。以下に、
測定用ソフトウエアの主な仕様を画面ごとに説明する。
【0031】パラメータ設定画面では、キーボード又は
マウスを用いて画面上で刺激波形を描くことにより、複
雑な刺激条件の設定が可能である。また、記録条件の設
定は、入力チャンネル数64、サンプリングレート10
kHzで数時間の連続記録に対応できるようにしてい
る。さらに、刺激信号を付与する電極や細胞からの検出
信号を取り出す電極の指定に関しては、画面上に表示さ
れた顕微鏡像をマウスやペンで指示することにより指定
できるようにしている。その他、細胞培養手段40の温
度やpH等の諸条件の設定をキーボードを用いて行うこ
とができる。
【0032】記録画面では、細胞から検出された自発活
動電位又は誘導電位をリアルタイムで最大64チャンネ
ル表示する。また、記録された自発活動電位又は誘導電
位を細胞の顕微鏡像に重ねて表示することもできる。誘
発電位測定の場合は記録波形全体を表示する。自発活動
電位測定の場合は、ウインドーディスクリミネータ又は
波形ディスクリミネータを用いたスパイク検出機能によ
って自発活動の発生が検出されたときのみ記録波形が表
示される。記録波形の表示と共に、記録時の測定パラメ
ータ(刺激条件、記録条件、温度、pH等)もリアルタ
イムで表示される。温度又はpHが許容範囲を外れたと
きの警報機能も備えられている。
【0033】データ解析画面では、FFT解析、コヒー
レンス解析、コリレーション解析が可能である。波形デ
ィスクリミネータを用いたシングルスパイク分離機能、
テンポラルプロファイル表示機能、トポグラフィー表示
機能、電流源密度解析機能等も備えている。これらの解
析結果は、画像ファイル装置に保存されている顕微鏡像
に重ねて表示することができる。
【0034】以上のようなコンピュータ30から刺激信
号が出力される場合、この刺激信号はD/A変換器32
及びアイソレータ(BAK ELECTRONICS社製BSI−2相
当品)33を経て細胞に与えられる。つまり、一体化細
胞設置器1の64個の微小電極11のうちの選択された
2点間に刺激信号が印加される。そして、各微小電極1
1とGNDレベル(培養液の電位)との間に生ずる誘発
電位は、64チャンネル分の高感度増幅器(日本光電A
B−610J相当品)34及びA/D変換器31を経て
コンピュータ30に入力される。なお、増幅器34の増
幅率は100dB、周波数帯域は0〜10kHzであ
る。但し、刺激信号による誘導電位の測定の場合はロー
カットフィルタにより100Hz〜10kHzの周波数
帯域としている。
【0035】次に、細胞培養手段40には、温度調節器
41と、培養液の循環手段42と、空気及び二酸化炭素
の混合ガスを供給する手段43とが備えられている。実
際には、Medical Systems社製のマイクロインキュベー
タPDMI−2相当品と温度コントローラTC−202
相当品、そして、CO2ボンベ等を用いて細胞培養手段
40が構成される。このマイクロインキュベータはペル
チェ素子によって0〜50℃の温度範囲に制御すること
ができ、液送速度3.0ml/min以下、給気速度
1.0l/min以下に対応しうる。あるいは、温度コ
ントローラを内蔵しているマイクロインキュベータ(オ
リンパス社製IMT2−IBSV)を用いてもよい。
【0036】以上、本発明による細胞電位測定装置の好
適な実施例を説明したが、本発明による細胞電位測定装
置は上記実施例に限定されるものではなく、例えば以下
に述べるような種々の変更実施が可能である。
【0037】上記実施例では細胞に刺激信号を与える手
段をコンピュータ及びD/A変換器で構成したが、汎用
または専用のパルス信号発生器で構成してもよい。尚、
刺激信号は、アーチファクトの影響を除くため、即ち、
直流成分が流れないようにするために、正負一対のパル
スで構成された双極性定電圧パルスとすることが好まし
い。また、過電流を流さないように定電流パルスに変換
することが好ましい。例えば、パルス幅100μsec
の正パルス、100μsecの間隔、100μsecの
負パルスで刺激信号が構成され、正負パルスのピーク電
流は30〜200μAの範囲内にあることが好ましい。
【0038】また、細胞培養手段40が測定装置に備え
られていることにより、長期にわたる連続測定が可能で
あるが、測定装置とは別に設置されたインキュベータ内
で、試料細胞を一体化細胞設置器にセットしたままで培
養し、比較的短時間の測定の際だけ一体化細胞設置器を
インキュベータから取り出して測定装置にセットするよ
うにしてもよい。この場合は細胞培養手段40が測定装
置に備えられている必要はない。
【0039】以上のような細胞電位測定装置を用いて、
実際に一体化細胞設置器上で培養された神経細胞又は組
織の活動に伴う電位変化を測定した例について以下に説
明する。神経組織としてラット大脳皮質の切片を用い、
後述する培養法実施例に示す方法で培養した。
【0040】先ず、本装置の一体化細胞設置器を用いて
測定された電圧波形と従来の汎用ガラス電極(細胞外電
位測定用電極)を用いて測定された電圧波形とを比較し
た結果について説明しておく。測定は、培養開始後14
日を経過した神経組織を試料として行った。一体化細胞
設置器を構成する一体化複合電極の隣接する2つの電極
間に刺激信号を印加し、その近くの8個の電極に誘起さ
れる誘発電位の時間変化の波形を測定した。そして比較
するために、ガラス電極を3次元マイクロマニュピュレ
ータを用いて上記8個の電極の近傍に順次移動させて同
様の電圧波形を測定した。
【0041】上記のように、8箇所について一体化複合
電極(一体化細胞設置器)を用いて測定した電圧波形と
ガラス電極を用いて測定した波形とを比較した結果、両
者の波形はいずれの箇所においてもよく近似していた。
その代表例を図10(A)及び(B)に示す。図10
(A)は一体化複合電極による測定波形を示し、図10
(B)はガラス電極による測定波形を示す。両波形を比
べると、周波数特性にやや差があることがわかる。ガラ
ス電極を用いた測定は、一体化複合電極(プラナー電
極)を用いた測定に比べ、速い電位変化に対する追従性
が若干損なわれている。この差は、ガラス電極とプラナ
ー電極の持つ電気容量の差に起因すると考えられる。
【0042】次に、一体化細胞設置器上で培養された神
経細胞の培養日数と細胞の活動による電位の分布との関
係を調べた実験結果を説明する。なお、細胞の培養に先
立って、一体化複合電極の各電極と細胞との接着性を高
める目的で、一体化複合電極の表面をコラーゲンゲルで
覆った。つまり、前述のように白金黒で被覆された各電
極表面と、その周辺の絶縁被膜表面に厚さ50μm以下
のコラーゲンゲルを形成した。そして、コラーゲンゲル
上に、かつ、微小電極上に位置するようにラット大脳皮
質の切片(厚さ500μm以下)を置いて培養した。図
11に自発電位の測定結果を、図12に刺激信号を与え
たときの誘発電位の測定結果を示す。
【0043】図11(A)に試料細胞及び微小電極の顕
微鏡像が示されており、この像に1〜7で指示されてい
る7箇所の電極で測定された自発電位の波形がそれぞれ
図11(B)及び(C)に示されている。図11(B)
は培養後6日目の波形であり、図11(C)は培養後1
0日目の波形である。顕微鏡像のスケール、測定波形の
時間及び電圧のスケールは図中に示している通りであ
る。この測定結果から例えば、培養後6日目では各電極
で測定される細胞の自発活動が弱く電極相互の同期性が
ほとんど見られないのに対し、培養後10日目になると
多数の神経細胞が同時に活動するようになり電極相互の
同期性が高まっていることがわかる。
【0044】図12(A)にも試料細胞及び微小電極の
顕微鏡像が示されている。そして、前述のコンピュータ
の測定用ソフトウエアに含まれる画像処理によって、こ
の顕微鏡像から細胞の輪郭及び各電極の位置を画面上に
描き、さらに、各電極で測定された電圧波形を重ねて表
示したものが図12(B)及び(C)に表示されてい
る。図12(B)は培養後5日目、図12(C)は培養
後10日目の誘発電位の分布をそれぞれ示している。右
上にある+,−で指示された一対の電極が刺激信号を印
加された電極である。各電極の位置を示す小四角記号の
すぐ上にその電極で測定された波形が表示されている。
これらの波形において、左端の大きく縦に振れている部
分は刺激信号に直接対応するアーチファクトであって、
その後にある電位変化が実際の細胞活動を示している。
この測定結果から例えば、培養後5日目では細胞の活動
が刺激信号を印加した電極位置の比較的近傍に限られて
いるが、培養後10日目になると細胞の活動は広い範囲
にわたって観測され、その大きさ(振幅)が大きくなる
ことがわかる。 [大脳皮質培養法実施例] (1)培地 ダルベッコ改変イーグル培地とハムF12培地の1:1
混合培地(GIBCO Co.,LTD. 430-2500EB)に、以下の添加
物を加えて用いた。 *グルコース(glucose,GIBCO 820-5023IN) 2.85mg/L (上記培地にもともと含まれているものと合わせて、ト
ータル6mg/Lになる) *プトレシン(putrescine,SIGMA Co.,LTD. P5780) 10
0μM *プロジェステロン(progesterone,SIGMA P8783) 20nM *ハイドロコルチゾン(hydrocortisone,SIGMA H0888)
20nM *亜セレン酸ナトリウム(sodium selenite,WAKO Co.,L
TD. 198-0319) 20nM *インシュリン(insulin,SIGMA 16634) 5mg/L *トランスフェリン(transferrin,SIGMA T1147) 100mg/
L *重炭酸ナトリウム 2.438mg/L *1N HCl又は1N NaOHを適量加え、pH7.4に調整する。
【0045】以上の添加物を加え濾過殺菌した後、4℃
で保存し使用に備えた。以下、本培地を、単に「培地」
と呼ぶ。 (2)一体化複合電極上のウエルの構成 一体化複合電極上での神経細胞または神経組織の培養の
便を図るため、内径22mm、外径26mm、高さ8mmのポリス
チレン製円筒を、以下に記載する方法で接着した。 (イ)ポリスチレン製円筒(内径22mm、外径26mm、高さ
8mm)の下面に、1液性シリコン系接着剤(ダウコーニ
ング891または信越化学KE-42RTV)を必要十分量塗布す
る。 (ロ)一体化複合電極のガラス基板中心とポリスチレン
製円筒の中心が一致するよう注意しながら、両者を接着
する。 (ハ)埃の入りにくい環境で24時間放置することによ
り、接着剤を固化させる。 (ニ)70%エタノ−ルに5分漬けた後クリーンベンチ内
で風乾することによって滅菌を行い、電極表面の処理に
備える。 (3)電極表面の処理 一体化複合電極表面の細胞接着性を高めるため、以下の
方法で電極表面にコラーゲンゲルを構成した。以下の操
作は、全て無菌的雰囲気下で行った。 (イ)以下のA,B,Cの溶液を用意し、氷冷しておく。 A.0.3vol.%希塩酸コラーゲン溶液(pH3.0,新田ゼラチ
ン Cellmatrix TypeI-A) B.ダブルベッコ改変イーグル溶液とハムF12培地の
1:1混合培地(GIBCO 430-2500EB)に重炭酸ナトリウム
を加えないで、通常用いる際の10倍濃度の液を作り、
濾過滅菌したもの C.0.05N 水酸化ナトリウム溶液100mLに対し、重炭酸
ナトリウム2.2g,HEPES(GIBCO 845-1344IM)4.77gを溶か
し、濾過滅菌したもの (ロ)冷却しながら、A,B,C液を8:1:1の割合で
混合する。この際、AとBをよく混合した後にCを加
え、さらに混合する。 (ハ)あらかじめ4℃程度に冷却しておいた一体化複合
電極のウエル内に、ロ)の混合溶液1mLを分注し、電
極表面をまんべんなく覆わせた後、ガラスパスツールピ
ペットで混合溶液をできる限り取り除く。この操作によ
り、電極表面上に厚さ50μm以下の混合用液の被膜が
構成される。 (ニ)混合用液被膜を構成した一体化複合電極を37℃
で30分間暖めることにより、混合用液をゲル化させ、
コラーゲンマトリクスを構成する。 (ホ)一体化複合電極のウエル内に滅菌水1mLを加
え、約5分間放置した後取り除くことにより洗浄を行
う。 (ヘ)(ホ)の操作を、あと2回(計3回)繰り返す。 (ト)一体化複合電極のウエル内に、ダルベッコ改変イ
ーグル培地とハムFH12培地の1:1混合培地(GIBC
O 430-2500EB)に上記の添加物を加えたもの(ただしイ
ンシュリンとトランスフェリンを除く)1mLを分注
し、温度37℃、相対湿度97%以上、CO2 濃度5
%、空気濃度95%に保ったCO2 インキュベーター内
に保存し、使用に備える。 (4)神経細胞または神経組織の培養 培養形態は大まかに2種類に分けられる。すなわち、神
経細胞の分散培養と神経組織の器官培養である。以下、
各々について述べる。 (4−1)ラット大脳皮質視覚野神経細胞の分散培養法 以下の操作は、全て菌的雰囲気下で行った。 (イ)妊娠後16〜18日を経過したSDラットの胎児
の脳を摘出し、氷冷したハンクス平衡塩液(GIBCO 450-1
250EB)に浸す。 (ロ)氷冷ハンクス平衡塩液中の脳から視覚皮質を切り
出し、トル最小必須培地(GIBCO 410-1100EB)液中に移
す。 (ハ)イーグル最小必須培地液中で、視覚皮質をできる
だけ細かく、最大でも0.2mm角となるように切断す
る。 (ニ)細かく切断した視覚皮質を遠心分離用試験管に入
れ、カルシウムおよびマグネシウムを含まないハンクス
平衡塩液で3回洗浄した後、適量の同液中に分散する。 (ホ)上記(ニ)の遠心分離用試験管中に、0.25%
のトリプシンを溶解したカルシウム及びマグネシウムを
含まないハンクス平衡塩液を加え、全量を倍にする。緩
やかに攪拌しながら、37℃で15分間恒温状態に保
ち、酵素反応を行わせる。 (ヘ)前記(1−1)で示した培地(添加物含む。以
下、「培地」と略す)に、さらに10vol.%の牛胎児血
清を加えたものを、上記ホ)を経た遠心分離用試験管に
中に加え、全量をさらに倍にする。先端をバーナーであ
ぶり口径を小さくしたガラスパスツールピペットで、緩
やかにピペッティングを繰り返し(最大20回程度)、
個々の細胞を単離する。 (ト)9806.65m/sec2 (すなわち1000
g)で5分間遠心分離を行った。遠心分離終了後、上清
を捨て、沈殿を5%の牛胎児血清を含む培地に懸濁す
る。 (チ)前記(ト)をあと2回(計3回)繰り返す。 (リ)最終的の得られた沈殿を、5vol.%の牛胎児血清
を含む培地に懸濁し、懸濁液中の細胞濃度を赤血球計数
板を用いて計測する。計測後、同様の培地を用いて細胞
濃度が2〜4×106個/mlになるように調整する。 (ヌ)前記(1−3)の処理を経た後CO2 インキュベ
ータ内に保存しておいた一体化複合電極を取り出し、ウ
エル内の培地(ただしインシュリンおよびトランスフェ
リンを含まない)を取り去り、新たに5vol.%の牛胎児
血清を含む培地500μLを分注する。さらに、リ)の
細胞濃度調整後の細胞懸濁液100μLを静かに加え、
再びCO2 インキュベータ内に静置する。 (ル)前記(ヌ)の操作より3日後に、培地の半量を新
しいものと交換する。交換する培地は牛胎児血清を含ま
ない培地を用いた。牛胎児血清の濃度を低くすることに
よって、神経細胞以外の細胞(例えばクリア細胞)の増
殖を抑える。 (ヲ)以後1〜2日毎に上記と同様の培地交換を行う。 (4−2)ラット大脳皮質切片培養法 (イ) 生後2日目のSDラットから、脳を取り出し、氷
冷した0.25vol.%D−グルコース入りハンクス平衡
塩液に浸す。 (ロ)氷冷した0.25vol.%D−グルコース入りHB
SS中で、脳に付着している脳膜を、大脳皮質を傷つけ
ないように注意しながら、先の鋭利なピンセットを用い
て除く。 (ハ)脳膜を除いた大脳皮質の片側の脳梁から500μ
m程度のところを、眼科手術用の微小ハサミを用いて、
脳梁にそって後頭葉側から前頭葉側に向かって切断す
る。 (ニ)続いて、眼科手術用の微小ハサミを用いて、
(ハ)の切断面に垂直に200〜300μmの厚さで大
脳皮質を切断し、切片を作る。 (ホ)さらに、眼科手術用の微小ハサミを用いて、切片
の大きさを1×1程度に調整する。 (ヘ)前述の「(3)電極表面の処理」で用意しておい
た一体化複合電極をCO 2 インキュベータから取り出
し、大きさを調整した大脳皮質切片を口径2mm以上の
ピペットで傷つけないように静かに吸い取り、一体化複
合電極の培養用ウエル中に移す。 (ト)バーナーであぶり先端を滑らかにしたパスツール
ピペットを用い、大脳皮質切片を傷つけないように注意
しながら、皮質の層構造が上面を向きかつ電極上に位置
するように調整する。 (チ)大脳皮質切片を一体化複合電極上にのせた後、培
地の量を調整し、切片の底面が培地に触れ、上面が外気
に触れる状態にする。 (リ)培地量の調整後、一体化複合電極を滅菌ペトリ皿
に入れ、培地の乾燥を防ぐために37℃の滅菌水約5m
lをペトリ皿に分注し、再びCO2 インキュベータ内に
静置する。 (ヌ)以降、培地の量に注意し、毎日1回の培地交換を
行った。培地の量については、上記(チ)と同様とす
る。
【0046】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の細胞電
位測定装置によれば、一体化細胞設置器にセットされた
生きている細胞に損傷を与えることなく、同時に複数の
箇所でその活動電位を測定することができる。そして、
任意の複数の電極から自発電位を測定できるだけでな
く、任意の電極間に刺激を与えて得られる誘発電位の測
定についても、複数の電極で同時に行うことができる。
また、コンピュータ等を用いた処理により、例えば光学
観察手段によって得られた顕微鏡像から試料細胞と電極
位置との関係を確認しながら刺激信号を与える電極を決
めたり、各電極から得られた電圧波形を細胞や電極位置
を示す像に重ねて表示するといったことも可能であり、
電気神経生理学の分野等における実験を効率的かつ正確
なものとするのに大きく寄与することができる。
【0047】さらに、一体化細胞設置器にセットされた
細胞の培養雰囲気を維持する細胞培養手段を備えること
により、試料細胞を測定装置にセットしたままで長期間
にわたる連続測定を安定した状態で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る細胞電位測定装置に
使用される一体化細胞設置器の斜視図
【図2】 一体化細胞設置器の組立図
【図3】 一体化細胞設置器を構成する一体化複合電極
の中央部に設けられた64個の微小電極及び引出しパタ
ーンを示す平面図
【図4】 一体化複合電極の断面を模式的に示す図
【図5】 一体化複合電極を上部及び下部ホルダが挟ん
で固定した状態を示す平面図及び側面断面図
【図6】 図5の一体化複合電極及び上下ホルダの斜視
【図7】 上部ホルダに備えられた接触金具の側面図
【図8】 図2と逆の方向から見た一体化細胞設置器の
組立図
【図9】 本発明の一実施例に係る細胞電位測定装置の
ブロック構成図
【図10】 本発明の装置に使用される一体化細胞設置
器を用いて測定された培養細胞の活動による電圧波形と
従来の汎用ガラス電極(細胞外電位測定用電極)を用い
て測定された電圧波形との比較の一例を示す図
【図11】 本発明の装置を用いて測定された培養細胞
の自発電位の測定結果を示す図
【図12】 本発明の装置を用いて測定された培養細胞
の誘発電位の測定結果を示す図
【符号の説明】
1 一体化細胞設置器 2 一体化複合電極 3 上部ホルダ 4 下部ホルダ 5 プリント配線板 11 微小電極 12 導電パターン 20 光学観察手段 21 倒立顕微鏡 22 SITカメラ 24 画像記憶装置 30 コンピュータ 31 A/D変換器 32 D/A変換器 33 アイソレータ 34 多チャンネル増幅器 40 細胞培養手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/483 G01N 27/46 341M (72)発明者 竹谷 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 光亦 忠泰 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−78889(JP,A) 特開 平3−246457(JP,A) 特開 昭51−94893(JP,A) 特開 平7−59554(JP,A) 実開 昭50−51668(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 A61B 5/04 G01N 1/28 G01N 27/28 341 G01N 27/416 G01N 33/483

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞の電気生理学的特性を測定するための
    細胞電位測定装置であって、 A.基板上に複数の微小電極を備え、その上に細胞を置
    くための細胞設置部を備え、さらに前記微小電極の引き
    出し用導電パターンと、前記導電パターンの端部に接続
    された電気接点とを備えた一体化複合電極と、 B.前記一体化複合電極に電気信号を付与するとともに
    前記一体化複合電極からの電気信号を導出するための電
    気接続手段と、 C.前記細胞に電気的刺激を与えるために前記電気接続
    手段Bに接続される刺激信号付与手段と、 D.前記細胞の電気生理活動による出力信号を処理する
    ために前記電気接続手段に接続される信号処理手段と、 E.前記電気接続手段は、前記電気接点に接触する接触
    金具を有し前記ガラスプレートを上下から挟んで固定す
    る2分割ホルダ を備えていることを特徴とする細胞電位
    測定装置。
  2. 【請求項2】前記細胞を光学的に観察するための光学観
    察手段をさらに備えている請求項1に記載の細胞電位測
    定装置。
  3. 【請求項3】前記細胞の培養雰囲気を維持するための細
    胞培養手段をさらに備えている請求項1または2に記載
    の細胞電位測定装置。
  4. 【請求項4】細胞培養手段が、温度を一定に保つ温度調
    節手段と、培養液を循環する手段と、空気と二酸化炭素
    の混合気体を供給する手段とからなる請求項3に記載の
    細胞電位測定装置。
  5. 【請求項5】前記複数の微小電極として64個の電極が
    8列8行に配置されている請求項1に記載の細胞電位測
    定装置。
  6. 【請求項6】前記微小電極のそれぞれの電極面積が4×
    102〜4×104μm2の範囲内にある請求項1に記載
    の細胞電位測定装置。
  7. 【請求項7】 前記電気接続手段は、前記ホルダを固定
    すると共にコネクタを介して前記ホルダの接触金具に接
    続している外部接続パターンを有するプリント配線板を
    さらに備えている請求項に記載の細胞電位測定装置。
  8. 【請求項8】前記電気接点と前記接触金具との接触抵
    抗、及び前記接触金具と前記コネクタとの接触抵抗がそ
    れぞれ30ミリオーム以下である請求項に記載の細胞
    電位測定装置。
  9. 【請求項9】前記光学観察手段が、光学顕微鏡と、これ
    に接続された撮像装置及び画像表示装置を備えている請
    求項に記載の細胞電位測定装置。
  10. 【請求項10】前記光学観察手段が、さらに画像記憶装
    置を備えている請求項に記載の細胞電位測定装置。
  11. 【請求項11】前記刺激信号付与手段がパルス信号発生
    器である請求項1に記載の細胞電位測定装置。
  12. 【請求項12】前記信号処理手段が、前記細胞の電気生
    理活動による出力信号を増幅する多チャンネル増幅器
    と、増幅された信号波形をリアルタイム表示する多チャ
    ンネル表示装置とを備えている請求項1に記載の細胞電
    位測定装置。
  13. 【請求項13】D/A変換器を介して前記刺激信号を出
    力するとともに、A/D変換器を介して前記細胞の電気
    生理活動による出力信号を入力して処理し、かつ、前記
    光学観察手段及び前記細胞培養手段の制御を行うコンピ
    ュータを備えている請求項に記載の細胞電位測定装
    置。
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