JP3203728B2 - 誘電体共振器およびその特性調整方法 - Google Patents

誘電体共振器およびその特性調整方法

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JP3203728B2
JP3203728B2 JP00920792A JP920792A JP3203728B2 JP 3203728 B2 JP3203728 B2 JP 3203728B2 JP 00920792 A JP00920792 A JP 00920792A JP 920792 A JP920792 A JP 920792A JP 3203728 B2 JP3203728 B2 JP 3203728B2
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dielectric
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dielectric resonator
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、誘電体内に内導体が
形成され、誘電体の外面に外導体が形成されてなる誘電
体共振器およびその特性調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘電体ブロックの内部に共振電極を形成
し、誘電体ブロックの外面にアース電極を形成した誘電
体共振器や、一方の主面にストリップラインを形成し、
他方の主面にアース電極を形成した誘電体基板を用い
て、ストリップライン同士を対向させた所謂トリプレー
ト型の誘電体共振器が、例えばマイクロ波帯における帯
域通過フィルタなどとして用いられている。
【0003】誘電体ブロックを用いた従来の一般的な誘
電体共振器の構造を分解斜視図として図28に示す。図
28において1は略六面体形状の誘電体ブロックであ
り、16,17,18で示す3つの内導体形成孔および
各内導体形成孔間に結合孔19,20を設けている。内
導体形成孔16,17,18の内面には内導体を形成
し、22で示す開放面を除く他の五面に外導体21を形
成している。23,24は所謂樹脂ピンであり、それぞ
れ樹脂部分23a,24aと信号入出力端子23b,2
4bからなる。この2つの樹脂ピン23,24を誘電体
ブロックの開放面側から内導体形成孔16,18に挿入
することによって、端子23b,24bは内導体形成孔
16,18内の内導体と容量結合する。25は誘電体ブ
ロック1および樹脂ピン23,24を保持するとともに
誘電体ブロックの開口面部分を覆うケースである。誘電
体ブロック1に樹脂ピン23,24をそれぞれ挿入し、
ケース25を被せるとともに、誘電体ブロック1の外導
体21に半田付けすることにより全体を一体化する。こ
の誘電体共振器を実装する際、ケース25の突出部25
a,25bはアース端子として作用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図28に示
したように、複数の共振器を単一の誘電体ブロックに形
成したものであっても、入出力端子やケースなど多数の
構成部品を必要とし、その組立工程も複雑となるばかり
か、完成品を回路基板に実装する際にもリード付電子部
品として実装しなければならず、同一の回路基板上に実
装される他の電子部品のように表面実装することはでき
ず、低背化も困難であった。仮に、誘電体ブロック1の
外導体21を回路基板上のアース電極に直接接続するこ
とによってケース25を用いないようにしたとしても、
開放面22が露出し、この部分で電磁界リークが生じる
ため、開口面に金属体が近接すると、その金属体による
影響を受け、また、共振器が外部の電磁界と結合して、
誘電体共振器としての所期の特性が得られなくなる。
【0005】この発明の目的は、図28に示したような
個別部品としての樹脂ピン23,24やケース25を用
いることなく、しかも回路基板上に表面実装できるよう
にした誘電体共振器を提供することにある。
【0006】また、この発明の目的は、開口部付近にお
ける内外間の電磁界リークを抑制して、前述した電磁界
リークによる問題を解消した誘電体共振器を提供するこ
とにある。
【0007】さらに、この発明の目的は、所定の共振器
特性を容易且つ高精度に調整し得る誘電体共振器の特性
調整方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る誘電体共振器は、略六面体形状の誘電体内に、内面に
内導体を形成した複数の内導体形成孔を設け、前記誘電
体の外面に外導体を形成してなる誘電体共振器におい
て、前記内導体形成孔の少なくとも一方の開口面に、内
導体形成孔の他の部分よりも内径が大きく、且つ、内導
体形成孔を中心とした、浅底状の窪みを形成するととも
に、当該窪みよりも奥側の内導体形成孔に所定幅の内導
体非形成部を設け、さらに外導体の一部に前記内導体と
容量結合する信号入出力電極を設け、さらに前記外導体
を前記信号入出力電極の近傍を除き前記略六面体形状の
誘電体の外面全面に形成したことを特徴とする。
【0009】請求項2に係る誘電体共振器の特性調整方
法は、内面に内導体を形成した内導体形成孔を誘電体に
設け、この誘電体の外面に外導体を形成してなる誘電体
共振器の特性調整方法であって、前記内導体形成孔の少
なくとも一方の開口面に、内導体形成孔を中心とした窪
みを予め形成しておくとともに、当該窪みよりも奥側の
内導体形成孔を当該窪みよりも径が小さく、かつ全長に
わたって略同一の径としておき、前記窪みから奥側へ、
その内表面を削除するとともに、その奥側への削除量に
より共振器の周波数および共振器間の結合度を調整する
ことを特徴とする。
【0010】
【0011】請求項3に係る誘電体共振器は、略六面体
形状の誘電体内に、内面に内導体を形成した複数の内導
体形成孔を設け、前記誘電体の外面に外導体を形成して
なる誘電体共振器において、前記内導体形成孔の内径を
略一定にするとともに、前記内導体形成孔の開口面付近
で且つ開口面より奥まったところの所定位置に所定幅の
内導体非形成部を設けて、当該内導体非形成部により形
成される容量によって、隣接する共振器間の結合度およ
び、前記共振器の共振周波数を所定値に調整し、外導体
の一部に前記内導体と容量結合する信号入出力電極を設
け、さらに前記外導体を前記信号入出力電極の近傍を除
き前記略六面体形状の誘電体の外面全面に形成したこと
を特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】この発明の請求項1記載の誘電体共振器では、
誘電体共振器の内導体形成孔の少なくとも一方の開口面
に、内導体形成孔の他の部分よりも内径が大きく、且
つ、内導体形成孔を中心とした、浅底状の窪みが形成さ
れているとともに、当該窪みよりも奥側の内導体形成孔
に所定幅の内導体非形成部が設けられている。そのた
め、その窪みから奥側へ、内導体形成孔内表面の内導体
の削除幅のみによって、共振器の共振周波数および共振
器間の結合度が調整できる。しかも内導体の開放部は内
導体形成孔の開口面より内側に生じ、誘電体共振器の内
外間の電磁界リークが改善され、安定した共振器特性が
得られる。
【0019】請求項2記載の誘電体共振器の特性調整方
法では、内導体形成孔の少なくとも一方の開口面に、内
導体形成孔の開口部を中心として予め窪みが形成され、
窪みから奥側へ、その内表面を削除するとともに、その
奥側への削除量により共振器の周波数および共振器間の
結合度が調整される。このように窪み形成部付近の内導
体が削除されることによって、内導体形成孔開口部の内
縁部が削除されることがなく、内導体および誘電体の一
部を高精度に削除することができる。その結果、共振器
特性を高精度に調整して、所期の共振器特性を容易且つ
短時間に得ることができる。
【0020】
【0021】請求項3記載の誘電体共振器では、内導体
非形成部の形成位置と幅がそれぞれ定められることによ
り、共振器の共振周波数および共振器間の結合度が所定
値を満たす。また、内導体形成孔の開口面付近で且つ開
口面より奥まったところの内導体の一部に開放部が形成
されているため、電磁界リークが抑制される。しかも、
結合孔を設ける必要がないため、全体を容易に小型化す
ることができる。また、信号入出力電極は外導体の一部
に設けられ、内導体と容量結合するため、個別部品とし
ての信号入出力端子は不要であり、回路基板上に表面実
装することによって、外導体を回路基板上のアース電極
に接続するとともに、信号入出力電極を回路基板上の信
号ラインに接続することができる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【実施例】この発明の第1の実施例に係る誘電体共振器
の構造およびその特性調整方法を図1〜図6に基づいて
説明する。
【0029】図1は誘電体共振器の斜視図である。図1
において5,6は、略六面体形状の誘電体ブロックに設
けた内導体形成孔である。この内導体形成孔5,6の内
面には予め内導体を形成している。誘電体ブロックの外
面(六面)には外導体4を形成している。外導体4の一
部には9,10で示す信号入出力電極を形成している。
【0030】図2は図1における内導体形成孔6を通る
垂直断面図である。内導体形成孔6の内面には3で示す
内導体を2つの開口部間にわたって全面に形成してい
る。このような誘電体ブロックから所定の特性を有する
誘電体共振器を得る場合、内導体の一部に内導体の非形
成部(以下開放部という。)を設けるとともに、共振周
波数や結合度の調整を行うために、内導体形成孔5,6
の一方の開口部付近の内導体を削除する。図4は削除後
の状態を示す斜視図、図3はその垂直断面図である。図
3においてA,Bで示すように、内導体形成孔の開口部
付近の内導体を削除することによって、その部分を開放
部とする。図5は図4に示した誘電体共振器を信号入出
力電極形成面を下にした状態で、中央の水平面で切断分
離した図である。例えば内導体2の開放部には、内導体
2の先端部と外導体4間に先端容量Csが生じ、また内
導体2の先端部付近と信号入出力電極9間に外部結合容
量Ceが生じる。このようにして図3に示した寸法Sに
よって先端容量を調整し、このことによって共振器の共
振周波数および共振器間の結合度を調整する。
【0031】図6は図1〜図5に示した誘電体共振器の
等価回路図である。図6においてR1は内導体2による
共振器、R2は内導体3による共振器である。Csはそ
れぞれの内導体の開放部に形成される先端容量である。
また、Ceは信号入出力電極9,10と内導体の開放部
との間に形成される外部結合容量である。
【0032】次に、内導体形成孔内における開口部形成
位置の異なる第2の実施例に係る誘電体共振器の構造を
図7に示す。図7において(A)は誘電体ブロックの中
央水平断面図、(B)は誘電体ブロックの短絡面側から
みた正面図である。このように内導体形成孔内に設けた
内導体2,3の開放部を内導体形成孔の開口部より奥ま
った箇所に設け、その開放部に先端容量Csを形成す
る。このことにより電磁界リークをさらに抑制すること
が可能となる。
【0033】次に、短絡面の一部に導体および誘電体の
削除部を設けることによって共振周波数および結合度を
調整した第3の実施例に係る誘電体共振器の構造を図8
に示す。図8は短絡面側から見た正面図であり、C,D
は短絡面の導体および誘電体の削除部である。図8にお
いてS1の領域で導体および誘電体を部分的に削除する
ことによって内導体形成孔5による共振器の共振周波数
が低下する。同様にS2の領域で導体および誘電体を部
分的に削除すれば、内導体形成孔6による共振器の共振
周波数が低下する。一方、S12の領域において導体お
よび誘電体を部分的に削除すれば両共振器間の結合度が
低下する。ここで導体および誘電体の削除による結合係
数の変化例を図9および図11に示す。図9のように、
2つの結合孔の中間位置に幅dの導体削除部を設け、そ
の面積Sを変化させたときの結合係数の変化を計測し
た。図9においてa=2.0mm、b=4.0mm、c
=5.0mmである。図11において横軸は導体削除面
積S、縦軸はS=0の場合の結合係数をKo、導体削除
後の結合係数をKaとした場合の結合係数の変化比を示
す。このように短絡面における内導体形成孔間の導体削
除面積によって結合係数を調整することができる。また
ここで共振周波数の調整例を図10および図12に示
す。図10のように内導体形成孔から一定距離離れた箇
所に幅fで長さgの導体削除部を設け、長さgを変化さ
せたときの共振周波数を計測した。図10においてa=
2.0mm、e=3.0mm、f=0.5mmである。
図12において横軸は長さg、縦軸はg=0の場合の共
振周波数を基準とした共振周波数の変化量を示す。この
ように短絡面における内導体形成孔周囲の導体削除によ
って共振周波数を調整することができる。
【0034】図8〜図12に示した例は、短絡面におい
て、導体及び誘電体の一部を削除したが、内導体非形成
部側の開口面の導体および誘電体を削除すれば、容量C
sが減少し、共振周波数を高い方向に調整することがで
きる。
【0035】また、図8〜図12に示した例では2段の
誘電体共振器を例としたが、3段以上の誘電体共振器に
ついても同様に適用することができる。この場合、図1
3に示すように、短絡面において内導体形成孔の開口部
間S12,S23,・・・Sn-1 n の領域の導体および
誘電体を部分削除することによって共振器間の結合度を
調整し、S1,S2,S3・・・・Snの領域の導体お
よび誘電体を部分削除することによって各共振器の共振
周波数を調整することができる。
【0036】次に、信号入出力電極の形状の異なる第5
の実施例に係る誘電体共振器の構造を斜視図として図1
4に示す。図14において16,17,18は内導体形
成孔であり、その内面に内導体および開放部を形成して
いる。誘電体ブロックの外面には外導体4を設けるとと
もに、図における上面にのみ信号入出力電極9,10を
形成している。電極9は内導体形成孔16内の内導体と
容量結合し、電極10は内導体形成孔18内の内導体と
容量結合する。この誘電体共振器を回路基板上に実装す
る際、図における上面を回路基板に対向させて表面実装
する。
【0037】次に、第6の実施例に係る誘電体共振器の
構造およびその特性調整方法を図15〜図19に基づい
て説明する。
【0038】図15は誘電体共振器の分解斜視図であ
る。図15において1a,1bはそれぞれ誘電体基板で
ある。誘電体基板1a,1bの一方の主面にはそれぞれ
断面半円形状の2条の溝を形成するとともに、その内面
に内導体を形成している。2b,3bは誘電体基板1b
側に設けた内導体である。誘電体基板1a,1bの溝の
一方の開口部には窪み7a,8a,7b,8bをそれぞ
れ形成している。誘電体基板1aの内導体形成面に対向
する主面および4側面には外導体4aを設け、誘電体基
板1bの内導体形成面に対向する主面および4側面には
外導体4bを設けている。また、誘電体基板1aの外導
体4aの形成領域内の一部に信号入出力電極9,10を
形成している。
【0039】図16は図15に示した2枚の誘電体基板
を、内導体同士を対向させて接合してなる特性調整前の
誘電体共振器である。このように断面半円形状の溝の組
み合わせによって断面円形の内導体形成孔5,6を構成
する。また、一方の開口面に形成した窪みの組み合わせ
によって図のようなステップ状の窪み7,8を構成す
る。なお、図16に示した誘電体共振器は、特性調整
後、同図の上面が実装用の基板面に接して表面実装す
る。
【0040】図17は図16に示した誘電体共振器の内
導体形成孔6を通る断面図である。
【0041】但し、図の煩雑化を避けるため、誘電体基
板の接合面の線は省略している(以降の説明で参照する
図についても同様)。
【0042】図18および図19は内導体の一部に開放
部を形成するとともに共振器特性を調整した二つの例で
ある。図18においてAは3a,3bの一部を窪み形成
部付近において削除した箇所である。具体的には11に
示すような形状の砥石を取りつけたリュータ等の研削工
具を用いる。このようにして内導体の一部を削除するこ
とによって、その削除部を開放部とする。この内導体の
削除部分Aは開口面Fより奥まった箇所に形成されるた
め、開口面Fから内部に対する電磁界リークが抑制さ
れ、また共振器は共振器周囲の電磁界の影響を殆ど受け
ない。そのため、開口面Fの近傍に金属体が存在して
も、その金属体による影響を受けて特性が乱れることも
ない。図18に示したようなリュータを用いて調整を行
うような場合、リュータの挿入深さによって内導体3
a,3bの削除量を制御し、これによって先端容量を調
整する。先端容量が変われば共振器周波数および隣接す
る共振器との結合度が変化するため、内導体形成孔に対
するリュータの挿入深さ調整によって所定の共振器特性
が得られる。図18に示すように、内導体の開放部に形
成される先端容量は大きいため、共振器間の結合度を大
きくして、容易に広帯域化することができる。
【0043】図19は他の調整特性方法を示す。図19
においてBは窪み形成部付近において内導体とともに誘
電体を削除した箇所である。このように内導体とともに
誘電体を研削するために、内導体形成孔の内径より大き
なくり抜き径を有する砥石を備えたリュータ11を用い
る。従ってリュータを内導体形成孔の中心軸に合わせて
窪み形成部から軸方向に挿入していくことによって、内
導体と共に誘電体を一定量ずつ容易に研削することがで
きる。
【0044】次に、第7の実施例に係る誘電体共振器の
断面図を図20に示す。図20においてA,Bは内導体
の削除箇所を示す。このように、内導体形成孔の開口面
付近で且つ開口面より奥まった所で、内導体の一部を研
削することによって、開口面より奥まったところに内導
体の開放部が形成される。従って電磁界リークによる問
題が解消される。このような開放部の形成および調整を
行うためには、比較的小径の砥石を取りつけたリュータ
を用い、開放部から斜めに挿入し、中ぐり作業を行えば
よい。その際、誘電体の一部を共に研削し、その深さに
よっても先端容量を調整することができる。
【0045】次に、第8の実施例に係る誘電体共振器の
構造およびその特性調整方法を図21,図22に基づい
て説明する。
【0046】図21は誘電体共振器の内導体形成孔部分
における断面図である。その基本的な構造は図15およ
び図16に示したものと略同様であるが、第6の実施例
と異なり、内導体形成孔の一方の開放部に絞り部13を
形成している。図21に示すように、内導体形成孔の内
面には内導体3a,3bを形成し、誘電体共振器の外面
には外導体4a,4bを設けている。さらに絞り部11
の内面にも内導体から外導体に連続する導体膜を形成し
ている。
【0047】図22は開放部の形成および調整方法の例
を示す図である。図22においてAは内導体および誘電
体の削除箇所である。このように絞り部13の内導体形
成孔側で内導体の一部を削除したことにより、内導体の
開放部が開口面より奥まった箇所に形成される。そのた
め、電磁界リークが抑制される。このような開放部を形
成し、特性調整を行うためには、内導体形成孔の開放部
のうち絞り部の形成していない開口部からリュータの砥
石を挿入し、その挿入深さによって研削量を調整する。
砥石の挿入量に対する先端容量の変化割合は砥石の先端
形状により異なる。特性調整の能率および精度を考慮し
て、図23または図24に示すような形状の砥石を用い
てもよい。
【0048】次に、第9の実施例に係る誘電体共振器の
構造および調整方法を図25〜図27に基づいて説明す
る。
【0049】図25は誘電体共振器を構成する一方の基
板である。図25において1bは誘電体基板である。誘
電体基板1bの一方の主面には断面半円形の2条の溝を
形成し、その内面に内導体2b,3bを形成している。
但し、溝の一部には絞り部の片側を形成している。誘電
体基板1bの内導体に対向する他の主面および4側面に
は外導体4bを形成している。この基板と同一形状の基
板を互いに対向させて接合することによって誘電体共振
器を構成する。
【0050】図26はその断面図である。図26におい
て15a,15bは内導体形成孔の一部において絞り部
を構成する。このような絞り部を内導体形成孔の一部に
有する誘電体共振器において、内導体に開放部を形成す
るとともに、特性調整を行うために、図27に示すよう
に、内導体形成孔の一方の開口面からリュータなどを用
いて、絞り部の内面に形成している内導体を削除する。
図27においてAはその削除部分を示す。このようにし
て、開口面から奥まった箇所に内導体の開放部が形成さ
れるため、電磁界リークが抑制される。また、リュータ
などによる研削範囲が絞り部に限定されるため、調整作
業が容易になり、調整精度も向上する。
【0051】なお、第6〜第9の実施例では2枚の誘電
体基板を重合わせたものを例としたが、第6〜第9の実
施例のような構造および特性調整方法は、第1〜第5の
実施例のように単一の誘電体ブロックに内導体形成孔を
設けた一体型誘電体共振器についても同様に適用するこ
とができる。また、第1〜第5の実施例のような構造お
よび特性調整方法は、第6〜第9の実施例のように2枚
の誘電体基板を重合わせて、内部に内導体形成孔を設け
た誘電体共振器についても同様に適用することができ
る。
【0052】さらに、実施例ではコムライン型の誘電体
共振器を例としたが、インターディジタル型でも同様に
適用することができる。
【0053】
【発明の効果】この発明の請求項1,2,3に係る誘電
体共振器によれば、内導体形成孔内の内導体非形成部の
幅によって、隣接共振器間の結合度および共振器の共振
周波数が所定値を満たすようにでき、広範囲にわたって
任意のフィルタ特性が得られる。また、信号入出力電極
が外導体の一部に設けられるため、特別な個別の信号入
出力端子を用いることなく回路基板上に表面実装するこ
とができる。しかも、内導体形成孔の開口面には導体が
存在し、開放面とはなっていないため電磁界リークが少
なく、そのままの状態で回路基板上に実装しても電磁界
リークによる影響が少ない。
【0054】
【0055】請求項3,5に係る誘電体共振器によれ
ば、内導体の開放部が内導体形成孔の開口面より奥まっ
た箇所に形成されているため、電磁界リークによる影響
が少ない。そのため、共振器と共振器近傍の他の物体や
回路との結合がなく、安定した共振器特性が得られる。
【0056】請求項に係る誘電体共振器の特性調整方
法によれば、内導体および誘電体の削除箇所が限定さ
れ、研削工具を内導体形成孔の軸方向に移動させるだけ
で内導体の一部に開放部を設けるとともに、その移動量
によって先端容量を容易に調整することができる。しか
も、全体の研削量が多いにも拘らず先端容量は徐々に低
下するだけであるため、研削加工に要求される寸法精度
は高くなく、所定の共振周波数および結合量を有する誘
電体共振器を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る誘電体共振器の製造途中の
斜視図である。
【図2】第1の実施例に係る誘電体共振器の製造途中の
断面図である。
【図3】第1の実施例に係る誘電体共振器の断面図であ
る。
【図4】第1の実施例に係る誘電体共振器の斜視図であ
る。
【図5】第1の実施例に係る誘電体共振器の分解斜視図
である。
【図6】第1の実施例に係る誘電体共振器の等価回路図
である。
【図7】第2の実施例に係る誘電体共振器の構造を示す
図であり、(A)は水平断面図、(B)は正面図であ
る。
【図8】第3の実施例に係る誘電体共振器の正面図であ
る。
【図9】第3の実施例に係る誘電体共振器の特性測定の
ための導体削除例を示す正面図である。
【図10】第3の実施例に係る誘電体共振器の特性測定
のための導体削除例を示す部分正面図である。
【図11】第3の実施例に係る誘電体共振器の結合係数
変化の測定結果を示す図である。
【図12】第3の実施例に係る誘電体共振器の共振周波
数変化の測定結果を示す図である。
【図13】第4の実施例に係る誘電体共振器の正面図で
ある。
【図14】第5の実施例に係る誘電体共振器の斜視図で
ある。
【図15】第6の実施例に係る誘電体共振器の分解斜視
図である。
【図16】第6の実施例に係る誘電体共振器の斜視図で
ある。
【図17】第6の実施例に係る誘電体共振器の断面図で
ある。
【図18】第6の実施例に係る誘電体共振器の断面図で
ある。
【図19】第6の実施例に係る誘電体共振器の断面図で
ある。
【図20】第7の実施例に係る誘電体共振器の断面図で
ある。
【図21】第8の実施例に係る誘電体共振器の断面図で
ある。
【図22】第8の実施例に係る誘電体共振器の断面図で
ある。
【図23】砥石の形状を示す図である。
【図24】砥石の形状を示す図である。
【図25】第9の実施例に係る誘電体共振器を構成する
一方の誘電体基板の斜視図である。
【図26】第9の実施例に係る誘電体共振器の断面図で
ある。
【図27】第9の実施例に係る誘電体共振器の断面図で
ある。
【図28】従来の誘電体共振器の分解斜視図である。
【符号の説明】
1−誘電体ブロック 1a,1b−誘電体基板 2,2a,2b,3,3a,3b−内導体 4,4a,4b−外導体 5,6,16,17,18−内導体形成孔 7,7a,7b,8,8a,8b−窪み 9,10−信号入出力電極 11−リュータ 13,14,15−絞り部 A,B−削除部(内導体非形成部) C,D−削除部 F−開口面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 英幸 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 北市 幸裕 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 毛利 久志 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平3−124101(JP,A) 特表 昭59−500198(JP,A) ソ連国特許発明637896(SU,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略六面体形状の誘電体内に、内面に内導体
    を形成した複数の内導体形成孔を設け、前記誘電体の外
    面に外導体を形成してなる誘電体共振器において、 前記内導体形成孔の少なくとも一方の開口面に、内導体
    形成孔の他の部分よりも内径が大きく、且つ、内導体形
    成孔を中心とした、浅底状の窪みを形成するとともに、
    当該窪みよりも奥側の内導体形成孔に所定幅の内導体非
    形成部を設け、さらに外導体の一部に前記内導体と容量
    結合する信号入出力電極を設け、さらに前記外導体を前
    記信号入出力電極の近傍を除き前記略六面体形状の誘電
    体の外面全面に形成したことを特徴とする誘電体共振
    器。
  2. 【請求項2】内面に内導体を形成した内導体形成孔を誘
    電体に設け、この誘電体の外面に外導体を形成してなる
    誘電体共振器の特性調整方法であって、 前記内導体形成孔の少なくとも一方の開口面に、内導体
    形成孔を中心とした窪みを予め形成しておくとともに、
    当該窪みよりも奥側の内導体形成孔を当該窪みよりも径
    が小さく、かつ全長にわたって略同一の径としておき、
    前記窪みから奥側へ、その内表面を削除するとともに、
    その奥側への削除量により共振器の周波数および共振器
    間の結合度を調整することを特徴とする誘電体共振器の
    特性調整方法。
  3. 【請求項3】略六面体形状の誘電体内に、内面に内導体
    を形成した複数の内導体形成孔を設け、前記誘電体の外
    面に外導体を形成してなる誘電体共振器において、 前記内導体形成孔の内径を略一定にするとともに、前記
    内導体形成孔の開口面付近で且つ開口面より奥まったと
    ころの所定位置に所定幅の内導体非形成部を設けて、当
    該内導体非形成部により形成される容量によって隣接
    する共振器間の結合度および、前記共振器の共振周波数
    を所定値に調整し、外導体の一部に前記内導体と容量結
    合する信号入出力電極を設け、さらに前記外導体を前記
    信号入出力電極の近傍を除き前記略六面体形状の誘電体
    の外面全面に形成したことを特徴とする誘電体共振器。
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