JP3203105B2 - ナトリウムイオンの定量方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キレート剤の存在下に
β−ガラクトシダーゼ反応を用いるナトリウムイオンの
定量方法に関する。本発明は臨床検査等に用いられる。
β−ガラクトシダーゼ反応を用いるナトリウムイオンの
定量方法に関する。本発明は臨床検査等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】生体試料中のナトリウムイオンを、ナト
リウムイオン量と比例して活性が増加するβ−ガラクト
シダーゼ反応を用いて定量する方法において、該酵素反
応が過剰のナトリウムで飽和するのを防止するため、
0.2〜5mMのクリプトフィクス221(商標名)を
添加して用いる定量法が知られている〔クリニカルケミ
ストリー,34巻,2295頁,1988年〕。β−ガ
ラクトシダーゼ反応を用いる該定量法において、クリプ
トフィクス221の代わりにリチウムイオンまたは少量
のエチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテ
ル)−N,N,N′,N′−四酢酸(EGTA)のリチ
ウム塩を用いる方法が示されている(特表平1−503
596号公報)。
リウムイオン量と比例して活性が増加するβ−ガラクト
シダーゼ反応を用いて定量する方法において、該酵素反
応が過剰のナトリウムで飽和するのを防止するため、
0.2〜5mMのクリプトフィクス221(商標名)を
添加して用いる定量法が知られている〔クリニカルケミ
ストリー,34巻,2295頁,1988年〕。β−ガ
ラクトシダーゼ反応を用いる該定量法において、クリプ
トフィクス221の代わりにリチウムイオンまたは少量
のエチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテ
ル)−N,N,N′,N′−四酢酸(EGTA)のリチ
ウム塩を用いる方法が示されている(特表平1−503
596号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】β−ガラクトシダーゼ
を用いるナトリウムイオンの定量法で、従来用いられる
結合試薬のクリプタンド、クラウンエーテル等は高価で
あるうえ、β−ガラクトシダーゼの安定性を損なうこと
が指摘されている。さらにクリプタンドについては、ナ
トリウムイオンとの反応速度が小さいため定常状態に到
達する時間が長く、迅速な測定が難しいこともあって、
分析の精度が低いことが指摘されている。さらにこれら
公知の結合試薬およびリチウムイオンを用いる方法は、
ナトリウムイオンの定量可能濃度範囲がせまく、検量線
の直線性も非常に悪いため特殊な演算が可能な分析装置
を必要とする。
を用いるナトリウムイオンの定量法で、従来用いられる
結合試薬のクリプタンド、クラウンエーテル等は高価で
あるうえ、β−ガラクトシダーゼの安定性を損なうこと
が指摘されている。さらにクリプタンドについては、ナ
トリウムイオンとの反応速度が小さいため定常状態に到
達する時間が長く、迅速な測定が難しいこともあって、
分析の精度が低いことが指摘されている。さらにこれら
公知の結合試薬およびリチウムイオンを用いる方法は、
ナトリウムイオンの定量可能濃度範囲がせまく、検量線
の直線性も非常に悪いため特殊な演算が可能な分析装置
を必要とする。
【0004】本発明は、エチレンジアミン四酢酸等のキ
レート剤を用いることにより、安定性および精度が優れ
たナトリウムイオンの定量法を提供する。
レート剤を用いることにより、安定性および精度が優れ
たナトリウムイオンの定量法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】一般に、酵素反応におい
てエチレンジアミン四酢酸等のキレート剤が多量に存在
すると、酵素反応の阻害、酵素の安定性の低下、定量値
の再現性の低下が生じることが知られており、酵素反応
を用いた定量法に多量のキレート剤を添加することは、
定量精度の低下を招くものとされていた。本発明は、β
−ガラクトシダーゼを用いる酵素反応においては多量の
キレート剤を共存させても、酵素反応の阻害あるいは酵
素の安定性の低下が生ぜず、検量線の直線性が良好にな
り定量の精度が向上するとの、従来の当業者の常識とは
異なる新たな知見のもとに見いだされた。
てエチレンジアミン四酢酸等のキレート剤が多量に存在
すると、酵素反応の阻害、酵素の安定性の低下、定量値
の再現性の低下が生じることが知られており、酵素反応
を用いた定量法に多量のキレート剤を添加することは、
定量精度の低下を招くものとされていた。本発明は、β
−ガラクトシダーゼを用いる酵素反応においては多量の
キレート剤を共存させても、酵素反応の阻害あるいは酵
素の安定性の低下が生ぜず、検量線の直線性が良好にな
り定量の精度が向上するとの、従来の当業者の常識とは
異なる新たな知見のもとに見いだされた。
【0006】すなわち、本発明により、試料中のナトリ
ウムイオンをβ−ガラクトシダーゼを用いて定量する方
法において、特定のキレート剤の存在下にβ−ガラクト
シダーゼ反応を行うことを特徴とする方法を提供するこ
とができる。
ウムイオンをβ−ガラクトシダーゼを用いて定量する方
法において、特定のキレート剤の存在下にβ−ガラクト
シダーゼ反応を行うことを特徴とする方法を提供するこ
とができる。
【0007】本発明においてキレート剤としては、1,
2−シクロヘキサンジアミン−N,N,N′,N′−四
酢酸(CyDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ジ
エチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢
酸(DTPA)、1,3−ジアミノプロパン−2−オー
ル−N,N,N′,N′−四酢酸(DPTA−OH)、
エチレンジアミン−N,N′−二プロピオン酸二塩酸塩
(EDDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレン
スルホン酸)〔EDTPO〕、イミノ二酢酸(ID
A)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ニ
トリロ三酢酸(NTP)およびこれらの組み合わせから
選ばれる少なくとも一種のキレート剤を示し、通常1〜
500mMの濃度で用いられる。より好ましくは、Cy
DTAを2〜400mM、EDTAを25〜400m
M、TTHAを25〜400mM、DTPAを10〜4
00mMの濃度で用いることができる。
2−シクロヘキサンジアミン−N,N,N′,N′−四
酢酸(CyDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ジ
エチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢
酸(DTPA)、1,3−ジアミノプロパン−2−オー
ル−N,N,N′,N′−四酢酸(DPTA−OH)、
エチレンジアミン−N,N′−二プロピオン酸二塩酸塩
(EDDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレン
スルホン酸)〔EDTPO〕、イミノ二酢酸(ID
A)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ニ
トリロ三酢酸(NTP)およびこれらの組み合わせから
選ばれる少なくとも一種のキレート剤を示し、通常1〜
500mMの濃度で用いられる。より好ましくは、Cy
DTAを2〜400mM、EDTAを25〜400m
M、TTHAを25〜400mM、DTPAを10〜4
00mMの濃度で用いることができる。
【0008】ナトリウムイオンを含む試料とは、水性媒
体に混和する試料であればどのようなものでもよいが、
全血、細胞等、原子吸光法、炎光光度法等では測定しに
くい生体中の試料についても測定できる。
体に混和する試料であればどのようなものでもよいが、
全血、細胞等、原子吸光法、炎光光度法等では測定しに
くい生体中の試料についても測定できる。
【0009】本発明におけるβ−ガラクトシダーゼを用
いてナトリウムイオンを定量する方法とは、固相および
液相、好ましくは水性媒体中でβ−ガラクトシダーゼと
β−ガラクトシダーゼの基質を反応させ、反応液中で減
少するβ−ガラクトシダーゼの基質量、又は増加するβ
−ガラクトシダーゼ反応の生成物量を測定することによ
りβ−ガラクトシダーゼ活性を測定し、該活性に対応す
るナトリウムイオン量を算出する方法である。
いてナトリウムイオンを定量する方法とは、固相および
液相、好ましくは水性媒体中でβ−ガラクトシダーゼと
β−ガラクトシダーゼの基質を反応させ、反応液中で減
少するβ−ガラクトシダーゼの基質量、又は増加するβ
−ガラクトシダーゼ反応の生成物量を測定することによ
りβ−ガラクトシダーゼ活性を測定し、該活性に対応す
るナトリウムイオン量を算出する方法である。
【0010】水性媒体とは、緩衝液、生理食塩水等水を
含有する液体を示し、緩衝液としては、トリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液、リン酸緩衝
液、酢酸緩衝液、コハク酸緩衝液、シュウ酸緩衝液、フ
タル酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、グリシン緩衝液、バルビ
タール緩衝液またはグッド(GOOD)の緩衝液等があ
げられる。
含有する液体を示し、緩衝液としては、トリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液、リン酸緩衝
液、酢酸緩衝液、コハク酸緩衝液、シュウ酸緩衝液、フ
タル酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、グリシン緩衝液、バルビ
タール緩衝液またはグッド(GOOD)の緩衝液等があ
げられる。
【0011】本発明におけるβ−ガラクトシダーゼとは
酵素番号〔EC.3.2.1.23〕に属する酵素であ
ればよく、動物、微生物または植物から採取したβ−ガ
ラクトシダーゼあるいはそれらを遺伝子工学により改変
し製造した酵素が含まれる。
酵素番号〔EC.3.2.1.23〕に属する酵素であ
ればよく、動物、微生物または植物から採取したβ−ガ
ラクトシダーゼあるいはそれらを遺伝子工学により改変
し製造した酵素が含まれる。
【0012】β−ガラクトシダーゼの基質とは、合成品
あるいは天然物のいずれでもよく、例えば、β−D−ガ
ラクトシド、アリール−β−D−ガラクトシド、アルキ
ル−β−D−ガラクトシド、3,6−ジヒドロキシフル
オラン−β−D−ガラクトシド、ニトロフェニル−β−
D−ピラノグリコシド、ニトロフェニル−β−D−ガラ
クトシド、2−ニトロフェニル−β−ガラクトピラノシ
ド、ラクチノール、ラクトース、4−メチルウムベリフ
ェリル−β−D−ガラクトシド等があげられる。またβ
−ガラクトシダーゼの活性化剤として、硫酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム等を用いても
よい。
あるいは天然物のいずれでもよく、例えば、β−D−ガ
ラクトシド、アリール−β−D−ガラクトシド、アルキ
ル−β−D−ガラクトシド、3,6−ジヒドロキシフル
オラン−β−D−ガラクトシド、ニトロフェニル−β−
D−ピラノグリコシド、ニトロフェニル−β−D−ガラ
クトシド、2−ニトロフェニル−β−ガラクトピラノシ
ド、ラクチノール、ラクトース、4−メチルウムベリフ
ェリル−β−D−ガラクトシド等があげられる。またβ
−ガラクトシダーゼの活性化剤として、硫酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム等を用いても
よい。
【0013】反応液中で減少するβ−ガラクトシダーゼ
の基質量の変化は、前述の例えば、ニトロフェニルエス
テル等の基質の減少を吸光光度法等で測定することによ
り求めることができる。
の基質量の変化は、前述の例えば、ニトロフェニルエス
テル等の基質の減少を吸光光度法等で測定することによ
り求めることができる。
【0014】反応液中で生成するβ−ガラクトシダーゼ
反応生成物の量は、例えば前述の基質から、β−ガラク
トシダーゼ反応により生成するガラクトース、アグリコ
ン部、3,6−ジヒドロキシフルオラン、ニトロフェノ
ール等を比色法、吸光光度法、蛍光光度法、酸化還元測
定法、高速液体クロマトグラフィー法等で測定すること
により求めることができる。また、該酵素反応をガラク
トースデヒドロゲナーゼ等と共役させて、生成する還元
型補酵素量を定量してもよい。
反応生成物の量は、例えば前述の基質から、β−ガラク
トシダーゼ反応により生成するガラクトース、アグリコ
ン部、3,6−ジヒドロキシフルオラン、ニトロフェノ
ール等を比色法、吸光光度法、蛍光光度法、酸化還元測
定法、高速液体クロマトグラフィー法等で測定すること
により求めることができる。また、該酵素反応をガラク
トースデヒドロゲナーゼ等と共役させて、生成する還元
型補酵素量を定量してもよい。
【0015】以下に本発明の測定法を説明する。好まし
くは、pH5.0〜10.0に調整された緩衝液(50
〜1000mM溶液)中に、キレート剤および試料を加
える。該反応液にβ−ガラクトシダーゼの基質およびβ
−ガラクトシダーゼを添加してβ−ガラクトシダーゼ反
応を行うが、β−ガラクトシダーゼおよびβ−ガラクト
シダーゼの基質の添加方法は任意である。例えば、最初
から上述のβ−ガラクトシダーゼの基質(250μM〜
60mM)を加えているときは、後から上述のβ−ガラ
クトシダーゼ(25U/l〜30KU/l)を添加し、
最初からβ−ガラクトシダーゼ(250U/l〜60K
U/l)を加えているときは、後からβ−ガラクトシダ
ーゼの基質(250μM〜60mM)を添加する。β−
ガラクトシダーゼ反応は8〜50℃で行う。反応液中で
減少するβ−ガラクトシダーゼの基質量を上述の方法に
より測定するかまたは、反応液中で増加するβ−ガラク
トシダーゼ反応の生成物量を上述の方法により測定し、
β−ガラクトシダーゼ反応で消費された基質量を測定す
る。当該酵素反応においては、反応で消費された基質量
と試料中のナトリウム量が対応するので、当該測定法に
よりナトリウムの定量を行うことができる。
くは、pH5.0〜10.0に調整された緩衝液(50
〜1000mM溶液)中に、キレート剤および試料を加
える。該反応液にβ−ガラクトシダーゼの基質およびβ
−ガラクトシダーゼを添加してβ−ガラクトシダーゼ反
応を行うが、β−ガラクトシダーゼおよびβ−ガラクト
シダーゼの基質の添加方法は任意である。例えば、最初
から上述のβ−ガラクトシダーゼの基質(250μM〜
60mM)を加えているときは、後から上述のβ−ガラ
クトシダーゼ(25U/l〜30KU/l)を添加し、
最初からβ−ガラクトシダーゼ(250U/l〜60K
U/l)を加えているときは、後からβ−ガラクトシダ
ーゼの基質(250μM〜60mM)を添加する。β−
ガラクトシダーゼ反応は8〜50℃で行う。反応液中で
減少するβ−ガラクトシダーゼの基質量を上述の方法に
より測定するかまたは、反応液中で増加するβ−ガラク
トシダーゼ反応の生成物量を上述の方法により測定し、
β−ガラクトシダーゼ反応で消費された基質量を測定す
る。当該酵素反応においては、反応で消費された基質量
と試料中のナトリウム量が対応するので、当該測定法に
よりナトリウムの定量を行うことができる。
【0016】本発明方法を実施する際、反応液の濁りの
発生防止等のため、必要に応じてトリトンX−100等
の界面活性剤を加えることができる。また必要に応じ
て、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミ
ン(HSA)、ヒト免疫グロブリン、卵白アルブミン等
のタンパク質、ジメチルスルホキシド等の可溶化剤、ジ
チオスレイトール等の抗酸化剤、硫酸マグネシウム等の
活性化剤を添加することも可能である。
発生防止等のため、必要に応じてトリトンX−100等
の界面活性剤を加えることができる。また必要に応じ
て、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミ
ン(HSA)、ヒト免疫グロブリン、卵白アルブミン等
のタンパク質、ジメチルスルホキシド等の可溶化剤、ジ
チオスレイトール等の抗酸化剤、硫酸マグネシウム等の
活性化剤を添加することも可能である。
【0017】以下に本発明の実施例を示すが本発明はこ
れに限定されるものではない。
れに限定されるものではない。
【0018】
実施例1 (1)ナトリウム検量線用標準液の作成 塩化ナトリウム(和光純薬工業製)を蒸留水で希釈し、
0,10,20,25,50,75,100,115,
120,125,130,135,140,145,1
50,155,160,165,170,175,18
0,200mMのナトリウム検量線標準液を調製した。 (2)ナトリウムの定量 サンプルカップにナトリウム検量線標準液又は、血清を
添加(1回測定につき4μl)した後、第1試薬とし
て、DL−ジチオスレイトール(シグマ社製)5mM、
硫酸マグネシウム(関東化学製)11mM、β−ガラク
トシダーゼ(シグマ社製)4000U/l、EDTA・
4H(同仁化学製)30.7mMを含むトリス塩酸緩衝
液(PH7.75)440mM(1回測定につき、30
0μl)を加え37℃で5分間反応させた。次に第2試
薬として、2−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラ
ノシド(東京化成製)15mMを含む蒸留水(1回測定
につき、100μl)を加え、37℃で反応させた。1
分間に生成するp−ニトロフェニル量を、405nmの
可視部の吸光度を測定(日立7250自動分析装置)す
ることにより求めた。得られた検量線を図1に示す。
0,10,20,25,50,75,100,115,
120,125,130,135,140,145,1
50,155,160,165,170,175,18
0,200mMのナトリウム検量線標準液を調製した。 (2)ナトリウムの定量 サンプルカップにナトリウム検量線標準液又は、血清を
添加(1回測定につき4μl)した後、第1試薬とし
て、DL−ジチオスレイトール(シグマ社製)5mM、
硫酸マグネシウム(関東化学製)11mM、β−ガラク
トシダーゼ(シグマ社製)4000U/l、EDTA・
4H(同仁化学製)30.7mMを含むトリス塩酸緩衝
液(PH7.75)440mM(1回測定につき、30
0μl)を加え37℃で5分間反応させた。次に第2試
薬として、2−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラ
ノシド(東京化成製)15mMを含む蒸留水(1回測定
につき、100μl)を加え、37℃で反応させた。1
分間に生成するp−ニトロフェニル量を、405nmの
可視部の吸光度を測定(日立7250自動分析装置)す
ることにより求めた。得られた検量線を図1に示す。
【0019】実施例2 (2)EDTAを用いたナトリウムイオンの定量 10、20、25、50、100、200、300、4
00、410、450mMの各種濃度のEDTAを用い
る以外は、実施例1と同様の方法により、ナトリウムイ
オンの検量線を得た。得られた検量線の1次関数の回帰
式による相関係数を求め第1表に示した。
00、410、450mMの各種濃度のEDTAを用い
る以外は、実施例1と同様の方法により、ナトリウムイ
オンの検量線を得た。得られた検量線の1次関数の回帰
式による相関係数を求め第1表に示した。
【0020】
【表1】
【0021】第1表によれば、25〜400mMのED
TAを用いたときに相関係数が0.95を越え信頼でき
る定量値が得られることが示された。
TAを用いたときに相関係数が0.95を越え信頼でき
る定量値が得られることが示された。
【0022】実施例3 (3)CyDTAを用いたナトリウムイオンの定量 1、2、10、50、100、200、300、40
0、410、450mMの各種濃度のCyDTAを用い
る以外は実施例2と同様の方法により、ナトリウムイオ
ンの検量線の1次関数の回帰式による相関係数を求め第
2表に示した。
0、410、450mMの各種濃度のCyDTAを用い
る以外は実施例2と同様の方法により、ナトリウムイオ
ンの検量線の1次関数の回帰式による相関係数を求め第
2表に示した。
【0023】
【表2】
【0024】第2表によれば、2〜400mMのCyD
TAを用いたときに相関係数が0.95を越え、信頼で
きる定量値が得られることが示された。
TAを用いたときに相関係数が0.95を越え、信頼で
きる定量値が得られることが示された。
【0025】実施例4 (2)TTHAを用いたナトリウムイオンの定量 10、20、25、50、100、200、300、4
00、410、450mMの各種濃度のTTHAを用い
る以外は、実施例2と同様の方法により、ナトリウムイ
オンの検量線の1次関数の回帰式による相関係数を求め
第3表に示した。
00、410、450mMの各種濃度のTTHAを用い
る以外は、実施例2と同様の方法により、ナトリウムイ
オンの検量線の1次関数の回帰式による相関係数を求め
第3表に示した。
【0026】
【表3】
【0027】第3表によれば、25〜400mMのTT
HAを用いたときに相関係数が0.95を越え、信頼で
きる定量値が得られることが示された。
HAを用いたときに相関係数が0.95を越え、信頼で
きる定量値が得られることが示された。
【0028】実施例5 DTPA、DPTA−OH、EDDP、EDTPO、I
DA、HIDA、NTPまたは比較対照としてのEGT
A各30mMをEDTAの代わりに用いる以外は実施例
2と同様の方法にして、各キレート剤のナトリウムイオ
ンの検量線の1次関数の回帰式による相関係数を求め
た。結果を第4表に示した。
DA、HIDA、NTPまたは比較対照としてのEGT
A各30mMをEDTAの代わりに用いる以外は実施例
2と同様の方法にして、各キレート剤のナトリウムイオ
ンの検量線の1次関数の回帰式による相関係数を求め
た。結果を第4表に示した。
【0029】
【表4】
【0030】第4表によれば、上記キレート剤を用いた
ナトリウムイオンの検量線の相関係数は、対照と比較す
ると高い値を示した。
ナトリウムイオンの検量線の相関係数は、対照と比較す
ると高い値を示した。
【0031】
【発明の効果】本発明の、特定のキレート剤を用いるこ
とにより、正確、簡便かつ安定でナトリウムイオンの測
定濃度領域も広いナトリウムイオンの定量方法が提供さ
れる。
とにより、正確、簡便かつ安定でナトリウムイオンの測
定濃度領域も広いナトリウムイオンの定量方法が提供さ
れる。
【図1】ナトリウムイオンの検量線。
─●─ EDTA添加 ─○─ EDTA無添加
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/25 - 1/52 BIOSIS(DIALOG)
Claims (2)
- 【請求項1】 試料中のナトリウムイオンをβ−ガラク
トシダーゼを用いて定量する方法において、2〜400
mMの1,2−シクロヘキサンジアミン−N,N,
N′,N′−四酢酸、25〜400mMのエチレンジア
ミン四酢酸、25〜400mMのトリエチレンテトラミ
ン六酢酸および10〜400mMのジエチレントリアミ
ン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸からなる群から
選ばれる少なくとも一種のキレート剤の存在下にβ−ガ
ラクトシダーゼ反応を行うことを特徴とする方法。 - 【請求項2】 β―ガラクトシダーゼ、2〜400mM
の1,2−シクロヘキサンジアミン−N,N,N′,
N′−四酢酸、25〜400mMのエチレンジアミン四
酢酸、25〜400mMのトリエチレンテトラミン六酢
酸および10〜400mMのジエチレントリアミン−
N,N,N′,N″,N″−五酢酸からなる群から選ば
れる少なくとも一種のキレート剤およびβ―ガラクトシ
ダーゼの基質を含有することを特徴とするナトリウムイ
オン測定用試薬。
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