JP3201142B2 - 光導波路の製造方法 - Google Patents

光導波路の製造方法

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JP3201142B2
JP3201142B2 JP12858494A JP12858494A JP3201142B2 JP 3201142 B2 JP3201142 B2 JP 3201142B2 JP 12858494 A JP12858494 A JP 12858494A JP 12858494 A JP12858494 A JP 12858494A JP 3201142 B2 JP3201142 B2 JP 3201142B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長0.6μmから
1.6μmの範囲にわたって損失波長特性を向上させた
光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は本発明者が先に提案した光導波路
の断面図である(特開平5−181031号)。
【0003】同図において光導波路は、基板1(SiO
2 あるいはSi)上にバッファ層(SiO2 あるいはS
iO2 に屈折率制御用添加物を少なくとも1種類添加し
たもの)2を形成し、その上に略矩形状のコアパターン
(SixOyNzあるいはSixOyNzに屈折率制御
用添加物を少なくとも1種類添加したもの)3aを形成
し、コアパターン3a全体をクラッド層(バッファ層2
と同種の材料)6で覆ったものである。この構成ではコ
アパターン3aに窒素を添加したSixOyNzを用い
ているので、窒素の含有量を調節することにより、コア
パターン3aとクラッド層(あるいはバッファ層)6と
の比屈折率差Δ(=(nw −nc )/nw )×100
%、nw =コアの屈折率、nc =クラッドの屈折率)を
最大7%程度まで大きくとることができる。この比屈折
率差Δを大きくとることにより、導波路型光部品(マッ
ハツェンダ型光フィルタ、光リング共振器、光方向性結
合器など)のサイズを大幅に小さくすることができる。
【0004】図8は図7に示した光導波路の製造工程を
示す図であり、図9は図7に示した各製造工程における
光導波路の断面を示す図である。
【0005】図8及び図9において、基板1上にバッフ
ァ層2を形成する。このバッファ層2は270℃の低温
プラズマCVD法によって形成される(S1、図9
(a))。
【0006】バッファ層2の上にコア層3を形成する。
このコア層3も270℃の低温プラズマCVD法によっ
て形成される(S2)。
【0007】このコア層3の上にスパッタリング法を用
いてマスク用のWSi層4を形成する。このWSi層4
の形成も300℃以下の低温で行われる(S3、図9
(b))。
【0008】WSi層4の上にフォトリソグラフィ法に
よってフォトレジストパターン(図示せず)を形成し、
このフォトレジストパターンをマスクにしてドライエッ
チングによってWSi層をパターニングし、WSiパタ
ーン4aを形成する(S4、図9(c))。
【0009】このドライエッチングは10-2torr以
下の真空に保たれた300℃以下のプラズマ雰囲気中の
反応容器(図示せず)内に半製品5を置き、NF3 ガス
を流して行う。次に上述したWSiパターン4aをマス
クにしてコア層3をドライエッチングし、パターニング
を行ってコアパターン3aを形成する。尚、ドライエッ
チングに用いるガスとしてはCHF3 を用いる(S5、
図9(d))。
【0010】その後コアパターン3a上のWSiマスク
パターン4aをドライエッチングにより除去する(この
工程は図示せず)。最後にコアパターン3aを覆うよう
にクラッド層6を形成する。このクラッド層6も前述し
た低温プラズマCVD法によって行う(S6、図9
(e))。
【0011】図7に示した光導波路は300℃以下の低
温で形成することができる特徴がある。これは基板1の
上面、あるいは基板1の内部、さらには基板1の下面に
電子回路素子や光能動素子が予め形成されている場合に
は、これらの素子に損傷を与えることなく光導波路を形
成することができるという利点がある。
【0012】図10は図8に示した方法で形成した光導
波路の損失波長特性を示す図であり、横軸が波長を示
し、縦軸が損失を示している。
【0013】この損失波長特性の測定に用いた光導波路
の長さは5cmであり、比屈折率差Δは2%である。同
図より波長0.6μmから波長1.34μmまでの範囲
においては極めて損失が低いことがわかる。特に光導波
路の光源として多用される半導体レーザ素子の発振波長
1.3μmにおける損失が0.12dB/cmと極めて
低い値を示している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来の光導波
路には以下のような問題点があった。
【0015】(1) 光導波路中にはOH基が多量に含まれ
ており、このOH基による吸収損失(波長1.39μm
における吸収ピーク)が非常に大きいことがわかった。
この吸収損失は波長1.35μmから1.5μm帯にか
けて損失を増大させる要因になっていた。
【0016】(2) また光導波路中にはSi−H基も多量
に含まれており、波長1.49μm付近に大きな吸収損
失をもたらしている。しかもこの吸収損失は、波長1.
4μmから1.6μmの範囲にわたって裾を引いてお
り、この波長範囲での損失を大幅に増大させている。
【0017】(3) 上記(1) 及び(2) による吸収損失は、
コア層3をSiH4 とN2 OとN2 ガスを用いた低温
(270℃)プラズマCVD法によって形成しているた
め、コア層3中にOH基及びSi−H基が残存した結果
によって生じているものと考えられていた。
【0018】そこでコア層3を形成する際の温度を45
0℃に上げて行ってみたが、あまり損失は減少しなかっ
た。次の対策として、図8(b)に示したコア層3を形
成した後に、高温熱処理を施すことを試みた。高温熱処
理温度として500℃、1000℃、1200℃の3種
類の試料(以下「半製品」という。)を評価した結果、
500℃の高温熱処理ではOH基による吸収損失は約8
dB程度減少させることができ、1.39μmでの損失
を7dB程度まで低くすることができた。
【0019】しかしまだOH基はコア層3中に残ってい
ることがわかった。Si−H基による吸収損失も波長
1.49μmにおいて、約10dB減少させることがで
きたが、まだ多量のSi−H基がコア層3中に残存して
いた。次に1000℃及び1200℃の温度で熱処理し
た半製品を電気炉内から取り出してみると、コア層3中
に多くのクラックが生じていることがわかり、1000
℃以上の高温熱処理は困難であることがわかった。これ
は、基板1、バッファ層(いずれもSiO2 )2とコア
層(SixNyHz)3との熱膨張係数の違い、厚いバ
ッファ層(約6μm)及びコア層(約6μm)3の成膜
による層内への残留応力による影響などが起因している
ものと考えられる。
【0020】もう一つの対策として図9(e)に示すク
ラッド層6を形成した後に、前述と同様の高温熱処理を
施した半製品を製作したが、この場合も1000℃及び
1200℃の温度で熱処理した半製品にはクラックが生
じた。しかも前述の高温熱処理を施した半製品のクラッ
クよりも多くのクラックが生じた。さらに、基板1自体
が反ってしまった。これはクラッド層(SiO2 )6を
10μm以上も形成しているため、より応力の差による
クラックが著しく発生したものと考えられる。
【0021】このように波長1.35μmから波長1.
6μmの範囲にわたって光導波路を低損失化することが
困難であった。
【0022】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、波長0.6μmから1.6μmの範囲における損失
が小さい光導波路の製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、基板上にSiOxNyHzからなるコア層
を450℃以下の低温プラズマCVD法により形成し、
フォトリソグラフィを施してコア層をパターニングして
コアパターンを形成し、コアパターンが形成された基板
を窒素を含んだ雰囲気中で1000℃〜1300℃の温
度で熱処理し、熱処理がなされたコアパターンが形成さ
れた基板の表面に450℃以下の低温プラズマCVD法
を施してSiO 2 からなるクラッド層で覆ったものであ
る。
【0024】また、本発明は基板上にSiOxNyHz
からなるコア層を450℃以下の低温プラズマCVD法
により形成し、コア層の上に保護層を形成すると共に保
護層とコア層とをフォトリソグラフィを施してパターニ
ングしてコアパターンを形成し、コアパターンが形成さ
れた基板を窒素を含んだ雰囲気中で1000℃〜130
0℃の温度で熱処理し、熱処理がなされたコアパターン
が形成された基板の表面に450℃以下の低温プラズマ
CVD法を施してSiO 2 からなるクラッド層で覆っ
ものである。
【0025】本発明は上記構成に加えて、低温プラズマ
CVD法の代わりに減圧CVD法、常圧CVD法、電子
ビーム蒸着法及びスパッタリング法のいずれかを用いて
もよい。
【0026】本発明は上記構成に加えて、バッファ層、
コア層、保護層及びクラッド層の中に屈折率制御用添加
物を少なくとも1種類含ませてもよい。
【0027】本発明は上記構成に加えて、コア層中に希
土類元素を少なくとも1種類含ませてもよい。
【0028】
【作用】上記構成によれば、コアパターンが露出した基
板に高温熱処理が施されるので、コアパターン中のOH
基及びSi−OH基を容易にコアパターン外に拡散させ
ることができ、OH基及びSi−OH基による吸収損失
を大幅に低減させることができる。この結果波長0.6
μmから1.6μmまでの広い範囲にわたって損失が低
い光導波路を実現することができる。
【0029】また光導波路は高温熱処理を施してもコア
パターンにクラックも入らず基板の反りも極めて少な
い。これはコアパターンのパターン幅が数μmから20
μm程度の範囲で狭く、またコアパターンは基板上のバ
ッファ層にまばらにしか存在しないため、熱膨張係数の
差や残留応力によるクラックの発生は生じにくいので無
視することができる。さらにSiOxNyHzのコアパ
ターンは窒素雰囲気中で熱処理され、コアパターン中の
窒素の拡散も少ないので、コアパターンの屈折率変化も
小さい。
【0030】コアパターンの上にSiO2 の保護層が設
けられている場合には、高温熱処理によるOH基及びS
i−H基のコア層外への拡散、放出はパターニングした
コア層の両側面で行われる。但しSiO2 からなる保護
層の厚さが薄いので保護層を通して若干のOH基及びS
i−H基の拡散、放出が行われる。この保護層により、
コアパターンの上部の構造不整による散乱損失を大幅に
減少させることができる。またコアパターン中の窒素の
コアパターン外への拡散を抑圧する効果があり、熱処理
前後によるコアパターンの屈折率変化を小さくすること
ができる。
【0031】低温プラズマCVD法の代わりに、種々の
方法を用いて成膜することができ、製造方法の自由度が
高いため光導波路を経済的に製造することができる。例
えば減圧CVD法や常圧CVD法はより安価な装置を用
いて行うことになるので、経済的である。また、電子ビ
ーム蒸着法やスパッタリング法ではSi3 4 とSiO
2 を用いて成膜するので、コアパターン中にOH基及び
Si−H基がほとんど入らない。また、高真空で成膜す
ることができるので、より緻密で均質な層を形成するこ
とができる。
【0032】バッファ層、コア層、保護層及びクラッド
層の材料や屈折率の選択範囲を広げることができるの
で、基板の反りの抑制や比屈折率差Δを高くすることが
容易となる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0034】図1は本発明の光導波路の製造方法の一実
施例を示す工程図であり、図2は図1に示した各製造工
程における光導波路の断面を示す図である。図3は図1
に示した方法により製造された光導波路の平面図であ
る。尚、従来例と同様の部材には同一の符号を用いた。
【0035】図1及び図2において、S10〜S13の
工程は図8に示した工程S1〜S5と同様である。従来
例との相違点は、コア層をパターニングした後に高温熱
処理を施す点である。
【0036】まずプラズマCVD法を用いて基板1上に
バッファ層2を形成する(S10、図2(a))。
【0037】バッファ層2の上にコア層3を形成する。
このコア層3の上にスパッタリング法を用いてマスク用
のWSi層4を形成する(S11、図2(b))。
【0038】WSi層4の上にフォトリソグラフィ法に
よってフォトレジストパターン(図示せず)を形成し、
このフォトレジストパターンをマスクにし、ドライエッ
チングによってWSi層をパターニングしてWSiパタ
ーン4aを形成する(S12、図2(c))。
【0039】WSiパターン4aをマスクにしてコア層
3をドライエッチングし、パターニングを行ってコアパ
ターン3aを形成する(S13、図2(d))。
【0040】コアパターン3a上のWSiマスクパター
ン4aをドライエッチングにより除去した後に高温熱処
理を施す(S14、図2(e))。
【0041】高温熱処理終了後、コアパターン3a上に
プラズマCVD法を施してクラッド層6を形成すること
により光導波路が得られる(S15、図2(f))。
【0042】次に作用について説明する。
【0043】コアパターン3aの3面(上面、左側面、
右側面)が露出した状態で高温熱処理を施すので、コア
パターン3a中に残存しているOH基及びSi−H基の
成分をコアパターン3a外に拡散、放出させることが容
易である。このためOH基及びSi−OH基による吸収
損失を大幅に低減させることができる。
【0044】ところでステップS11の工程が終了した
段階で高温熱処理を施すことにより、コアパターン3a
中にクラックが発生することが懸念される。しかし光導
波路は図3に示すようにコアパターン3aの幅Wが狭く
(数μmから20数μm程度)、かつコアパターン3a
はバッファ層2上の表面にまばらに存在しており、コア
パターン3aとバッファ層2とが接している部分の面積
が極めて少ないので、熱膨張係数の違いや残留応力によ
ってクラックが発生することがない。
【0045】ステップS14の高温熱処理工程終了後、
クラッド層6の形成を行うが、コアパターン3aやバッ
ファ層2は高温熱処理によって緻密な層に変わるので、
クラッド層6とコアパターン3a及びバッファ層2との
間の密着性が高くすることができる。これも高温熱処理
による効果の一つでもある。
【0046】次に具体的な数値について述べるが限定さ
れるものではない。
【0047】基板1には直径3インチ(約7.6c
m)、厚さ1mmの石英ガラスを用い、バッファ層2に
はSiH4 、N2 Oガス、O2 ガスを用いて約270℃
の低温プラズマCVD法によりSiO2 膜を形成した。
このSiO2 膜の厚さは約6μmである。
【0048】コア層3にはSiH4 、N2 O、N2 ガス
を用いて270℃の低温プラズマCVD法により、Si
OxNyHz膜を形成した。その膜の屈折率は約1.4
85(波長0.63μmにおいて)、膜厚は約5μmで
あった。コアパターン3aの上にスパッタリング装置を
用いて厚さ約1μmのWSi膜4を形成した。その後フ
ォトリソグラフィによりWSi膜4の上に膜厚約1μm
のフォトレジストパターンを形成した。次にこのフォト
レジストパターンをマスクにしてドライエッチングを施
し、WSi膜4をパターン化した。ついでWSiパター
ン4aをマスクにしてコア層3をパターン化してコアパ
ターン3aを形成した。その後コアパターン3aの上の
WSi膜4をドライエッチングにより除去した。次に電
気炉内に第1の半製品5aを入れ、電気炉内にN2 ガス
を流しながら(N2 ガス流量約5リットル/分)、約
1.5時間で500℃まで上げ、その後、500℃の温
度で3時間保ち、3時間かけて室温まで下げた。また第
2の半製品5bについては、約1.5時間かけて100
0℃まで温度を上げ、その後3時間保温した後約4時間
かけて室温まで下げた。さらに第3の半製品5cとし
て、約1.5時間かけて1200℃まで上げ、3時間1
200℃に保温した後、約4時間かけて室温まで下げ
た。以上の3種類の半製品上5a,5b,5cにSiO
2 のクラッド層6を約10μm、低温(270℃)プラ
ズマCVD法によって形成することにより光導波路が得
られた。
【0049】図4は図1に示した方法によって製造した
光導波路の損失波長特性と従来の製造方法による光導波
路の損失波長特性を示す図であり、横軸が波長を示し、
縦軸が損失を示している。さらに同図において破線が従
来の光導波路の損失波長特性を示し、一点鎖線が500
℃で熱処理した光導波路の損失波長特性を示し、実線が
1200℃で熱処理した光導波路の損失波長特性をそれ
ぞれ示している。
【0050】同図より明らかなように、従来の光導波路
の損失波長特性よりも本発明の製造方法による光導波路
の方が損失が少ないことがわかる。すなわち、500℃
で熱処理することにより、OH基による吸収損失は10
dB近くも低減することができた。またSi−H基によ
る吸収損失も10dB近く低減することができた。しか
し、まだSi−H基による吸収損失の低減は十分ではな
い。これに対して1200℃で熱処理するとOH基によ
る吸収損失は略完全に除去することができ、またSi−
H基による吸収損失も20dB以上も減少させることが
できた。尚、図4には1000℃で熱処理した結果につ
いては図示しなかったが、この場合にはOH基による吸
収損失は略完全に除去することができ、Si−H基によ
る吸収損失も18dB程度低減することができた。この
ことから熱処理温度としては1000℃から1300℃
の範囲が好ましいといえる。熱処理時の雰囲気ガスとし
て、N2 以外にO2 を用いてみたが、この場合にはコア
層の屈折率が大きく変化してしまい好ましくないことが
わかった。さらに熱処理時間についても高温に保温する
時間を1時間から5時間の範囲で変化させて光導波路を
試作し、損失波長特性を評価した結果、保温時間が長い
程OH基及びSi−H基による吸収損失を低くできるこ
とがわかった。但し、上述した時間よりもさらに長い時
間保温すると、コア層の屈折率が変化しやすくなってし
まい不都合が生じてしまうので、上述した保温時間範囲
が適切と考えられる。昇温速度及び降温速度についても
保温時間と同様な結論が言える。
【0051】図5は本発明の光導波路の製造方法の他の
実施例の製造工程を示す図であり、図6は図5に示した
各製造工程における光導波路の断面を示す図である。
【0052】同図において、ステップS20〜S22に
示す工程は図1に示したステップS10〜S13に示す
工程と同様である。
【0053】図1に示した実施例との相違点は、コアパ
ターン3aの上に保護層7(7a)を形成する工程と保
護層7をパターニングする工程S23とが付加された点
である。この保護層7(7a)はSiO2 あるいはSi
2 にB,P,Ti,Al,F等の屈折率制御用添加物
を含んだもの、さらには屈折率がコア層3の屈折率(n
w =1.480〜1.50)よりも低い値(1.450
〜1.475)のSiOxNyHzを用いる。そしてこ
の保護層7(7a)の厚さは0.1μmから2μmの範
囲から選ばれる。但し保護層7があまり厚くなると高温
熱処理の際にコアパターン3a中のOH基及びSi−H
基が拡散してコアパターン3a外へ放出しにくくなる。
なお、この保護層7はステップS25の工程で示したよ
うに試作した光導波路のクラッド層6の一部として作用
させることができる。この保護層7(7a)の効果につ
いてはすでに前述した通りであるが、それ以外に次のよ
うな効果もある。すなわち、ステップS23に示した工
程においてWSiのマスクパターンをマスクにして保護
層7(7a)及びコア層3をドライエッチングしてパタ
ーン化させる。その後保護層7(7a)の上のWSiを
ドライエッチングにより除去するが、このとき、保護層
7(7a)の上表面はWSiのエッチングガス(N
3 )によって荒れてしまう。もし保護層7(7a)が
なければコアパターン3aの上面が荒れ、光導波路の散
乱損失が増加してしまうが、この構成では保護層7(7
a)によってコアパターン3aの上面が保護されている
ので、上述のような散乱損失の増加は生じない。
【0054】本実施例ではコア層3にSiOxNyHz
を用いたが、これに限定されるものではなくSiOxN
yHzにGe,P,F,B等の屈折率制御用添加物を少
なくとも1種類含んでいてもよい。またバッファ層2、
保護層7(7a)及びクラッド層6もSiO2 以外に、
SiO2 に上述したような屈折率制御用添加物を少なく
とも1種類含んでいてもよい。さらに基板1にはSiO
2 のようなガラス基板の他にSiのような半導体基板を
用いてもよい。またクラッド層6の表面は必ずしも図1
に示したような平坦でなく、凹凸を有していてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0056】コアパターンが露出した基板に高温熱処理
を施すので、クラックが生じたり、基板が反ったりせず
に、光導波路中に含まれていたOH基及びSi−H基を
大幅に減少させることにより波長0.6μmから1.6
μmの広い範囲にわたって低損失特性を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の製造方法の一実施例を示す
工程図である。
【図2】図1に示した各製造工程における光導波路の断
面を示す図である。
【図3】図1に示した方法により製造された光導波路の
平面図である。
【図4】図1に示した方法によって製造した光導波路の
損失波長特性と従来の製造方法による光導波路の損失波
長特性を示す図である。
【図5】本発明の光導波路の製造方法の他の実施例の製
造工程を示す図である。
【図6】図5に示した各製造工程における光導波路の断
面を示す図である。
【図7】本発明者が先に提案した光導波路の断面図であ
る。
【図8】図7に示した光導波路の製造工程を示す図であ
る。
【図9】図7に示した各製造工程における光導波路の断
面を示す図である。
【図10】図8に示した方法で形成した光導波路の損失
波長特性を示す図である。
【符号の説明】
1 基 板 2 バッファ層 3 コア層 3a コアパターン 6 クラッド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にSiOxNyHzからなるコア
    層を450℃以下の低温プラズマCVD法により形成
    し、フォトリソグラフィを施してコア層をパターニング
    してコアパターンを形成し、該コアパターンが形成され
    た基板を窒素を含んだ雰囲気中で1000℃〜1300
    ℃の温度で熱処理し、該熱処理がなされたコアパターン
    が形成された基板の表面に450℃以下の低温プラズマ
    CVD法を施してSiO 2 からなるクラッド層で覆った
    光導波路の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上にSiOxNyHzからなるコア
    層を450℃以下の低温プラズマCVD法により形成
    し、該コア層の上に保護層を形成すると共に該保護層と
    コア層とをフォトリソグラフィを施してパターニングし
    てコアパターンを形成し、該コアパターンが形成された
    基板を窒素を含んだ雰囲気中で1000℃〜1300℃
    の温度で熱処理し、該熱処理がなされたコアパターンが
    形成された基板の表面に450℃以下の低温プラズマC
    VD法を施してSiO 2 からなるクラッド層で覆った
    導波路の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記低温プラズマCVD法の代わりに減
    圧CVD法、常圧CVD法、電子ビーム蒸着法及びスパ
    ッタリング法のいずれかを用いた請求項1又は2記載の
    光導波路の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記コア層、上記保護層及び上記クラッ
    ド層の中に屈折率制御用添加物を少なくとも1種類含ま
    せた請求項1から3のいずれか一項記載の光導波路の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記コア層の中に希土類元素を少なくと
    も1種類含ませた請求項1から4のいずれか一項記載の
    光導波路の製造方法。
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