本考案のロール製品用コンテナの一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態で例示するロール製品用コンテナは、例えばフィルム状の製品が支管に巻き取られているロール製品を複数本(本実施形態では4本)収容可能なコンテナである。
図1に示すように、ロール製品用コンテナ1は、パレット100、下金枠200、底板300、一対の(2枚の)固定側板410及び一対の(2枚の)差込側板450を有する側板400、4本の仕切板設置用支柱510、各々が第1〜第3の分割仕切板551〜553を有する一対の(2組の)仕切板550、各2本の第1及び第2の連結棒581,582及び上蓋600を有する。
パレット100は、所定の高さを有する矩形の基台であって、スキット構造のスチール製パレットである。
パレット100の四側面のうち対向する一方の2面(下金枠200の第1の連結枠210が設置される周縁に沿った2面)には、ロール製品用コンテナ1を移動させる際にフォークリフト等のフォーク(爪部)が差し込まれるリフト用孔111が形成されている。
また、パレット100の四側面のうち対向する他方の2面(下金枠200の第2の連結枠220が設置される周縁に沿った2面)は、ロール製品用コンテナ1にロール製品を搬入出するための製品搬入出装置の脚部が進入可能な開放部112に形成されている。
また、パレット100の上面の四隅位置には、パレット100上に仕切板設置用支柱510を設置する場合に支柱510の下側端部の差込部512が差し込まれる支柱挿入孔120が形成されている。
下金枠200は、パレット100の上面に側板400を設置するための金属製の枠部材である。下金枠200は、パレット100の一方の対向する辺縁に沿って設置される第1の連結枠210と、パレット100の他方の対向する辺縁に沿って設置される第2の連結枠220と、パレット100の角部に設置される4個のコーナー金具230とを有する。
第1及び第2の連結枠210,220は、パレット100の上面の縁部に沿って形成される所定の高さの垂直部を有し、パレット100の辺縁に沿って設置される固定側板410及び差込側板450の下縁部に外側から接し、その位置を所定の位置に規定する。コーナー金具230は、第1の連結枠210と第2の連結枠220とを接続するとともに、固定側板410と係合し固定側板410をパレット100に回動可能に連結する。
コーナー金具230は、図2に示すように、第1の連結枠210と平行な第1の面231と、第2の連結枠220と平行な第2の面232と、第2の面232に垂直方向に形成され、固定側板410の係合ピン414が通過する係合ピン通過溝233と、第2の面232の第1の面231と接続されている側部側の下部に水平方向に形成され、係合ピン通過溝233に連通し、固定側板410の係合ピン414が回動可能に保持される断面L字形状の係合ピン係合孔234とを有する。コーナー金具230は、隣接するコーナー金具230間において第1の面231及び第2の面232が順次対向するように、各々形成され、また設置されている。
固定側板410を下金枠200に設置する場合は、まず、固定側板410の両側の係合ピン414を対向するコーナー金具230の係合ピン通過溝233に上部より嵌入し下方に移動させる。係合ピン414が係合ピン係合孔234の位置まできたら、固定側板410の下縁部をパレット100の外側方向に水平移動し、係合ピン414を係合ピン係合孔234の中に移動させる。これにより固定側板410は、上下方向に移動不能で、固定側板410を回動中心として回動可能にコーナー金具230に設置された状態となる。
その後固定側板410の差込側板設置用スライド溝420に差込側板450を差し込み、対向設置された固定側板410の間に差込側板450を設置すれば、固定側板410は内側方向に移動不能となり、係合ピン414は係合ピン通過溝233の方向にも移動不能となる。その結果、係合ピン414はコーナー金具230に離脱不能に保持された状態となり、固定側板410も離脱不能に下金枠200に係合された状態となる。
固定側板410を下金枠200から分離する場合は、まず差込側板450を固定側板410の間から引き抜く。その結果、固定側板410の係合ピン414は係合ピン係合孔234から係合ピン通過溝233方向に移動可能となるので、固定側板410の下縁部を各々をパレット100の中央側に移動させ、係合ピン414を係合ピン通過溝233内に移動させる。
係合ピン414が係合ピン通過溝233内に配置されると、係合ピン414は係合ピン通過溝233に沿って上方に移動可能となるので、固定側板410を上方に引き上げる。その結果、最終的に係合ピン414は係合ピン通過溝233の上部より引き抜かれ、固定側板410とコーナー金具230との係合状態は解除される。すなわち、固定側板410は下金枠200から分離される。
図1に示すように、下金枠200において、第1の連結枠210とコーナー金具230とは比較的高くほぼ同じ高さに形成され、第2の連結枠220は相対的に低く形成されている。ロール製品用コンテナ1を折り畳む場合、4枚の側板400、4本の仕切板設置用支柱510、一対の仕切板550及び計4本の連結棒581、582がパレット100上に水平に載置され、その上部を上蓋600で被覆する。このとき上蓋600は、コーナー金具230に四隅を支持される状態で装着され、第1の連結枠210は、パレット100と上蓋600との間の空間の一方向の側面を閉塞する壁となる。そのため、第1の連結枠210及びコーナー金具230は、その内部に前述した部材を収容可能な高さに形成されている。
一方、第2の連結枠220側の側面が完全に閉塞されていなくとも、各部材は、パレット100と上蓋600との間の空間に離脱不能に収容可能である。そのため、第2の連結枠220は、第1の連結枠210あるいはコーナー金具230と比較して低く形成されている。
第1の連結枠210の外面中央部の上部には、図1に示すように、ゴムバンド受け金具215が設置される。ゴムバンド受け金具215は、上述のようにロール製品用コンテナ1が折り畳まれた場合に、上蓋600が容易に開かないように上蓋600に設置されたゴムバンド615が係止される部材である。
底板300は、図1に示すように、ロール製品用コンテナ1の内部収容空間の下面を規定する板部材である。底板300は、下金枠200によりその位置が規定されて、パレット100の上面に載置される。底板300の四隅のパレット100の支柱挿入孔120に対応する位置には、支柱510の差込部512をパレット100の支柱挿入孔120に差し込む際に支柱510が通過する支柱通過孔320が形成されている。床板300の材質は、本実施形態においては合板製である。
側板400は、下金枠200に沿ってパレット100の上面に立設され、パレット100上にロール製品用コンテナ1の内部収容空間を規定する板部材である。側板400は、一対の固定側板410及び一対の差込側板450を有する。一対の固定側板410は、第1の連結枠210に沿ってパレット100上に対向して立設される。また、一対の差込側板450は、一対の固定側板410の対向する各側縁部を連結するように、固定側板410と垂直に、固定側板410の間に対向して立設される。固定側板410及び差込側板450の各々は、合板製の面部材の周囲に、スチール製の枠材が補強枠として装着された構成である。
各固定側板410の側面下部両側には、外方向に突出する係合ピン414が設置されている。この係合ピン414を、係合ピン通過溝233を通過させて係合ピン係合孔234に配置することにより固定側板410はコーナー金具230に回動可能に設置され、また、係合ピン414を、係合ピン通過溝233を通過させて係合ピン係合孔234から外すことにより固定側板410がコーナー金具230から分離される。係合ピン414とコーナー金具230とを係合させる方法、あるいは係合を解除する方法は、下金枠200の説明の際に前述した通りである。
なお、ロール製品用コンテナ1を折り畳む場合で固定側板410をパレット100上に傾倒させるときは、固定側板410の係合ピン414は、コーナー金具230の係合ピン通過溝233に嵌入された状態に維持される。これにより固定側板410は、パレット100と平行な姿勢で、すなわち板面を水平にして、パレット100上に載置されることが可能となる。
固定側板410の両側縁部には、各々、固定側板410の上縁から下縁まで連続する溝であって、対向する固定側板410の間に差込側板450を設置する際に差込側板450の両側縁部が嵌入される差込側板設置用スライド溝420が形成されている。
一対の固定側板410の各々が前述したようにコーナー金具230間に回動可能に立設された状態において、固定側板410の両側縁部において対向配置される差込側板設置用スライド溝420に差込側板450の両側縁部を上方より嵌入し、最下部までスライド移動することにより、一対の差込側板450が、一対の固定側板410の間に、固定側板410の両側縁部を接続するように設置される。その結果、1対の固定側板410及び1対の差込側板450の4枚の側板400がパレット100の周縁に沿って立設された状態となり、パレット100上にロール製品用コンテナ1の内部収容空間が形成される。
差込側板450の外面の両側上部には、各々、隣接する固定側板410の上角部に係合させることにより差込側板450の上角部と固定側板410の上角部とを連結する側板止め金具456が設置されている。側板止め金具456により固定側板410と差込側板450とが係合されることにより、差込側板450は固定側板410に対して相対的に上下移動不能となり、また、固定側板410及び差込側板450はともに内外方向に傾倒不能となり、4枚の側板400がパレット100の周縁に沿って適切に立設された状態が維持される。
また、固定側板410の外面中央部の上部には、図1に示すように、ゴムバンド受け金具412が設置される。ゴムバンド受け金具412は、ロール製品用コンテナ1が組み立てられた状態で上蓋600が装着された場合に、上蓋600が容易に開かないように、上蓋600に設置されたゴムバンド615が係止される部材である。
仕切板設置用支柱510は、ロール製品の支管端部を保持する支管受け561〜564が形成されている仕切板550をロール製品用コンテナ1の内部収容空間に設置するための支柱である。支柱510は、ロール製品用コンテナ1の内部収容空間内、すなわち、4枚の側板400により囲まれたパレット100上の空間内の、パレット100の四隅位置となる位置に4本設置される。
各支柱510は、図2に示すように、スチール製の角パイプで構成される本体511を有し、その下端部がパレット100の支柱挿入孔120に挿入される差込部512に形成されている。支柱510は、差込部512が底板300の支柱通過孔320を通過してパレット100の支柱挿入孔120に挿入されることにより、パレット100に対して立設される。
支柱510の差込部512の上部には、本体511の表面から外側に突出し支柱510の断面サイズを大きくしている(支柱510を太くしている)ストッパ515が形成されている。支柱510の差込部512をパレット100の支柱挿入孔120に挿入した場合、ストッパ515は底板300の支柱通過孔320の周囲、あるいは、パレット100の上面の支柱挿入孔120の周囲に当接し、支柱510のそれ以上の支柱挿入孔120への挿入が規制される。これにより、支柱510の上下方向の設置位置を所定の位置に規定するとともに、支柱510が受けるロール製品等の荷重をパレット100の上面においても受ける(負担する)ことができ、負荷を分散させることができる。
パレット100の四隅に設置される4本の支柱510において、第1の連結枠210に沿った方向に隣接する各2本の支柱510の各対向する面には、図2及び図3に示すように、仕切板550を設置するための断面U字形状の縦溝であるスライド溝520が設置されている。仕切板550(第1〜第3の分割仕切板551〜553の各々)は、両側縁部が対向配置されたスライド溝520に嵌入され、スライド溝520内を上部から最下部までスライド移動されることにより、隣接する支柱510間に設置される。
また、4本の支柱510において、第1の連結枠210に沿った方向に隣接する2本の支柱510の各対向する面、すなわち、仕切板設置用スライド溝520が形成されているのと同じ面の上部には、第1の連結棒581の嵌合部583が嵌合される第1の連結棒嵌合部531が設置されている。第1の連結棒嵌合部531は、図示のごとく、所定の径の金属製棒状部材を挿入可能な上下に開口した筒状部である。第1の連結枠210に沿った方向に隣接する2本の支柱510の各第1の連結棒嵌合部531に、第1の連結棒581の両端部の嵌合部583が嵌合されることにより、その2本の支柱510の上部は第1の連結枠210に沿った方向において第1の連結棒581により連結される。
また、4本の支柱510において、第2の連結枠220に沿った方向に隣接する2本の支柱510の各対向する面の上部には、第2の連結棒582の嵌合部583が嵌合される第2の連結棒嵌合部532が設置されている。第2の連結棒嵌合部532は、図示のごとく、所定の径の金属製棒状部材を挿入可能な上下に開口した筒状部である。第2の連結枠220に沿った方向に隣接する2本の支柱510の各第2の連結棒嵌合部532に、第2の連結棒582の両端部の嵌合部583が嵌合されることにより、2本の支柱510の上部は第2の連結枠220に沿った方向において第2の連結棒582により連結される。
支柱510は、各々、前述したように差込部512がパレット100の支柱挿入孔120に挿入されることによりパレット100上に立設されるが、そのような方法により単独で立設したのみでは若干の倒れ、傾斜等が生じ、支柱510の間隔が拡がる場合がある。これに対して、各支柱510の上部を第1の連結棒581及び第2の連結棒582により連結することにより、各支柱510の間隔は所望の間隔に維持され、また、各支柱510はパレット100の上面に安定して立設された状態となる。
仕切板550は、ロール製品の支管端部を支持する支管受け(支管保持孔)561〜564が形成された部材であり、ロール製品をロール製品用コンテナ1の内部収容空間に保持するための部材である。仕切板550は、ロール製品用コンテナ1の内部収容空間内、すなわち、4枚の側板400により囲まれたパレット100上の空間内の、第2の連結枠220に沿った方向の両側に対向して2枚が設置され、ロール製品の両側端部から突出する支管端部を、ロール製品の両側において支持し、ロール製品をロール製品用コンテナ1の内部収容空間に保持する。
各仕切板550は、パレット100上に立設された4本の支柱510のうち、第1の連結枠210に沿った方向に隣接して設置された2本の支柱510の対向する仕切板設置用スライド溝520に両側縁部が嵌入されることにより設置される。
各仕切板550は上下方向に第1〜第3の分割仕切板551〜553に3分割されており、その境界部分において上下よりロール製品の支管端部を挟んでこれを保持する構成となっている。第1〜第3の分割仕切板551〜553の各々は、合板製の面部材の周囲の両側端にスチール製の枠、上下端に樹脂枠が補強枠として装着された構成である。
第1〜第3の分割仕切板551〜553は、図1に示すように、第1の分割仕切板551、第2の分割仕切板552及び第3の分割仕切板553の順に固定側板410の間に設置される。すなわち、第1の分割仕切板551は、最も下に配置され、第2の分割仕切板552は、第1の分割仕切板551の上に配置され、第3の分割仕切板553は最上部に配置される。
第1〜第3の分割仕切板551〜553を有する仕切板550には、図1に示すように、各分割仕切板551〜553の境界部分に、4本のロール製品の支管端部を保持する4つの支管受け(支管保持孔)561〜564が形成されている。すなわち、第1の分割仕切板551と第2の分割仕切板552との境界部分に第1の支管受け561及び第2の支管受け562が形成され、第2の分割仕切板552と第3の分割仕切板553との境界部分に第3の支管受け563及び第4の支管受け564が形成されている。
換言すれば、第1の分割仕切板551には、上縁に、第1の支管受け561と第2の支管受け562の下半分を形成する半円状の凹部が形成されており、第2の分割仕切板552には、下縁に、第1の支管受け561と第2の支管受け562の上半分を形成する半円状の凹部が形成されており、上縁には、第3の支管受け563と第4の支管受け564の下半部を形成する半円状の凹部が形成されており、第3の分割仕切板553には、下縁に、第3の支管受け563と第4の支管受け564の上半分を形成する半円状の凹部が形成されている。
ロール製品の軸方向両側に突出している支管端部が各々支管受け561〜564に挟持されると、ロール製品の支管は軸方向及び径方向に移動不能となり、対向配置される仕切板550により堅持された状態となる。すなわち、対向配置される一対の仕切板550に各々第1〜第4の支管受け561〜564が形成されることにより、後述するように、ロール製品の支管端部を、対向配置される各第1〜第4の支管受け561〜564で保持することが可能となる。
第1〜第4の支管受け561〜564の各々の内周部には、ロール製品用コンテナ1の移動時あるいは搬送時にロール製品の支管の軸方向のズレ(移動)を防止するため、及び、衝撃や振動を吸収するための支管受けゴム570が装着されている。
各支管受け561〜564の内径は、収容対象のロール製品の支管の外径とほぼ同じである。
このような構成の第1〜第4の支管受け561〜564は、図4(A)及び(B)に示すように、4本のロール製品Rをロール製品用コンテナ1に収容した場合に、各ロール製品Rが相互に干渉しないような適切な配置で設置される。
また、ロール製品用コンテナ1においてロール製品Rは、図5(A)及び(B)に示すように、製品下部を製品搬入出装置の製品受け治具(リフトツメ)により支持した状態で、ロール製品用コンテナ1の側面方向から、搬入(収容)及び搬出(取り出し)が行われる。従って、各製品の間は、これらの搬入及び搬出の際に、搬入出対象のロール製品R及び製品搬入出装置の製品受け治具と他のロール製品Rが干渉(接触)しないように、所定の間隔に維持される。換言すれば、第1〜第4の支管受け561〜564は、各ロール製品Rの間にそのような間隔が維持されるような適切な配置で設置される。
また、各仕切板550(第1〜第3の分割仕切板551〜553)の高さ、すなわち、第3の分割仕切板553の上縁の高さは、図4(B)に示すように、ロール製品用コンテナ1が組み立てられた状態において上蓋600がロール製品用コンテナ1に装着された場合に、その上蓋600の下面(内側の面)に当接する高さとする。仕切板550の高さをこのように規定することにより、上蓋600を装着した後には仕切板550の上縁部が上蓋600により押さえられることとなり、ロール製品用コンテナ1の搬送時等において振動や揺れが生じたとしても、仕切板550(第1〜第3の分割仕切板551〜553)の上下方向への移動が防止される。
第1の連結棒581及び第2の連結棒582は、前述したようにパレット100上に立設された4本の支柱510の上部を相互に連結する部材である。第1の連結棒581及び第2の連結棒582は、金属製で円柱状の棒状部材であり、各々その両端部は、第1の連結棒嵌合部531あるいは第2の連結棒嵌合部532に嵌合可能な所定の長さ、略直角に屈曲されており、嵌合部583に形成されている。第1の連結棒581及び第2の連結棒582は、両端部の嵌合部583が各々支柱510の第1の連結棒嵌合部531及び第2の連結棒嵌合部532に嵌合されることにより、隣接する支柱510の上部を順次連結する。
上蓋600は、パレット100上に立設された側板400により形成されるロール製品用コンテナ1の内部収容空間の上部開口を閉塞する部材である。上蓋600も、底板300及び側板400同様に、合板製の面部材の周囲に、スチール製の枠材が補強枠として装着された構成である。上蓋600の上部四隅には、ロール製品用コンテナ1を段積みするための段積み金具610が取り付けられている。
上蓋600の一方向側の側面であって、ロール製品用コンテナ1が組み立てられたときには固定側板410の上部に配置され、ロール製品用コンテナ1が折り畳まれたときには第1の連結枠210の上部に配置されることとなる側面には、ゴムバンド615が設置されている。ゴムバンド615は、ロール製品用コンテナ1が組み立てられたときには固定側板410の外面中央上部に設置されたゴムバンド受け金具412に、また、ロール製品用コンテナ1が折り畳まれたときには第1の連結枠210の外面中央上部に設置されたゴムバンド受け金具215に各々係止され、いずれの場合も上蓋600が容易に開かないようにされる。
以上、ロール製品用コンテナ1の各部の説明である。
次に、このような構成のロール製品用コンテナ1の使用方法について説明する。
まず、折り畳まれたロール製品用コンテナ1を組み立て、ロール製品を搬送可能な状態に収容する方法について説明する。
まず、折り畳まれたロール製品用コンテナ1に対して、上蓋600の両側で、下金枠200のゴムバンド受け金具215に係止されているゴムバンド615を取り外し、上蓋600を取り外す。
上蓋600を外したら、パレット100上に載置されている各部材、すなわち4本の支柱510、2本の第1の連結棒581、2本の第2の連結棒582、各々が第1〜第3の分割仕切板551〜553を有する2組の仕切板550、2枚の差込側板450及び2枚の固定側板410を取り出す。なお、固定側板410の係合ピン414がコーナー金具230の係合ピン通過溝233に嵌入されているときは、固定側板410を上方に引き上げ係合ピン414を係合ピン通過溝233から抜き取り固定側板410を下金枠200から分離する。
次に、4本の支柱510をパレット100の4隅に設置する。支柱510は、支柱510の下端部の差込部512を、底板300の支柱通過孔320を通過させてパレット100に形成された支柱挿入孔120に挿入することによりパレット100上に設置する。この際、4本の支柱510は、第1の連結枠210に沿って隣接する2本の支柱510間では、仕切板設置用スライド溝520及び第1の連結棒係合部531が形成されている面が相互に対向するように、また、第2の連結枠220に沿って隣接する支柱510間では、第2の連結棒係合部532が形成されている面が相互に対向するように、各々設置する。
4本の支柱510を設置したら、第1の連結枠210に沿って隣接する支柱510間の対向する第1の連結棒係合部531間に、第1の連結棒581を設置する。すなわち、第1の連結棒581の両端部の嵌入部583を、対向配置される第1の連結棒係合部531の孔に各々嵌入する。これにより、第1の連結枠210に沿って隣接する2本の支柱510の上部が第1の連結棒581により連結され、その支柱510の間隔が一定に保たれる。
次に、第2の連結枠220に沿って隣接する支柱510間のうち、ロール製品が搬入出されない側面側の支柱510に対して、第2の連結棒係合部532間に第2の連結棒582を設置する。これにより、ロール製品用コンテナ1の一方の側面において、第2の連結枠220に沿って隣接する2本の支柱510の上部が第2の連結棒582により連結され、その支柱510の間隔が一定に保たれる。
次に、第1の連結枠210に沿って隣接する支柱510間の対向する仕切板設置用スライド溝520に、仕切板550の第1の分割仕切板551を設置する。第1の分割仕切板551は、その両側縁部を対向する仕切板設置用スライド溝520に嵌入し、最下部までスライド移動させることにより支柱510間に設置する。
パレット100の両側において第1の分割仕切板551を設置したら、図5(A)及び(B)に示すように、ロール製品用コンテナ1の一方の側面から(第2の連結棒582が設置されていない方の側面から)、製品搬入出装置によりロール製品Rを搬入する。最初のロール製品Rは、下段の奥側の第1の支管受け561に支管端部が載置されるように搬入し、次のロール製品Rは、下段の手前側の第2の支管受け562に支管端部が載置されるように搬入する。
第1及び第2の支管受け561,562にロール製品Rを収容したら、第1の分割仕切板551の上に、第2の分割仕切板552を設置する。第2の分割仕切板552は、第1の分割仕切板551と同様に、支柱510の仕切板設置用スライド溝520に両側縁部を嵌入し、最下部までスライド移動させることにより設置される。第2の分割仕切板552を第1の分割仕切板551の上に設置することにより、第1及び第2の支管受け561,562は完全に円形の支管保持孔に形成され、収容されたロール製品Rの支管端部は上下方向に移動不能に保持された状態となる。
パレット100の両側において第2の分割仕切板552を設置したら、続いてロール製品用コンテナ1の一方の側面から、製品搬入出装置により3本目及び4本目のロール製品Rを搬入する。3本目のロール製品Rは、上段の奥側の第3の支管受け563に支管端部が載置されるように搬入し、4本目のロール製品Rは、上段の手前側の第4の支管受け564に支管端部が載置されるように搬入する。
第3及び第4の支管受け563,564にロール製品を収容したら、第2の分割仕切板552の上に、第3の分割仕切板553を設置する。第3の分割仕切板553も、両側縁部を支柱510の仕切板設置用スライド溝520に嵌入し下方にスライド移動させることにより設置する。第3の分割仕切板553を第2の分割仕切板552の上に設置することにより、第3及び第4の支管受け563,564は完全に円形の支管保持孔に形成され、収容されたロール製品の支管端部は上下方向に移動不能に保持された状態となる。
4本のロール製品の収容が終了したら、一対の固定側板410を、前述した方法により第1の連結枠210に沿ってコーナー金具230間に設置する。続いて、固定側板410の対向する差込側板設置用スライド溝420に差込側板450を嵌入し、固定側板410の間に差込側板450を設置する。差込側板450と固定側板410とは、側板止め金具456によりその上角部が順次結合され、4枚の側板400の立設状態が維持される。
4枚の側板400を設置したら、その上部開口を上蓋600で被覆し、ゴムバンド615をゴムバンド受け金具412に係合させる。これにより、ロール製品のロール製品用コンテナ1への収容作業は完了し、以後、ロール製品用コンテナ1は、適宜、保管あるいは輸送等される。
次に、輸送等されたロール製品用コンテナ1からロール製品を取り出し、その後、ロール製品用コンテナ1を折り畳む方法について説明する。
ロール製品用コンテナ1の輸送等が終了し、ロール製品用コンテナ1からロール製品を取り出す際には、まず、上蓋600のゴムバンド615と固定側板410のゴムバンド受け金具412との係合を解除し、上蓋600を取り外す。上蓋600を開けたら、側板止め金具456による仕切板450と固定側板410との連結を解除し、まず、一対の差込側板450を固定側板410間から引き抜き、さらに前述した用法により固定側板410をコーナー金具230から離脱分離させる。
4枚の側板400をパレット100上から取り除いたら、ロール製品用コンテナ1の一方の側面の第2の連結棒582を取り除く。これにより、製品搬入出装置により、ロール製品用コンテナ1の側面方向からロール製品の取り出しが可能となる。
ロール製品を取り出す際には、まず、図5(A)及び図5(B)に示すように、ロール製品の両側の仕切板550の最上部の第3の分割仕切板553を取り除く。そして、まず、上段の手前側の第4の支管受け564に収容されているロール製品を、例えば製品搬入出装置のリフトツメにより支持し、一旦持ち上げて引く動作により第4の支管受け564からロール製品Rを取り出す。次いで、上段の奥側の第3の支管受け543に収容されているロール製品Rを取り出す。
上段のロール製品を取り出したら、ロール製品の両側の第2の分割仕切板552を取り除き、第3及び第4のロール製品と同様に下段の第1及び第2のロール製品を取り出す。
全てのロール製品の取り出しが終了したら、最下部の第1の分割仕切板551も取り外し、残っている方の第2の連結棒582及び、2本の第1の連結棒581を取り外し、さらに4本の支柱510を各々パレット100から引き抜き取り外す。
これら全ての部材をパレット100あるいは下金枠200から取り外したら、固定側板410を、係合ピン414が係合ピン通過溝233に嵌入した状態でパレット100上に折り畳む。そしてその上に、2枚の差込側板450、2組の仕切板550、4本の支柱510、各2本の第1及び第2の連結棒581,582を載置し、上蓋600をコーナー金具230に支持される状態で被せ、上蓋600のゴムバンド615を第1の連結枠210のゴムバンド受け金具215に係止させる。これにより、ロール製品用コンテナ1は折り畳まれた状態とされ、小さい容積で回送等に付すことが可能となる。
このように、本実施形態のロール製品用コンテナ1においては、ロール製品の支管端部を支持する支管受け561〜564が形成された仕切板550は、ロール製品用コンテナ1の側板400に設置されるのではなく、側板400とは別個独立にパレット100上に立設した支柱510に対して設置されている。従って、ロール製品をロール製品用コンテナ1に搬入出する際には、側板400を取り外すことができる。その結果、ロール製品を、例えばフォークリフト等のリフトツメを有する製品搬入出装置により、ロール製品用コンテナ1の側面側から搬入出することができる。また、ロール製品の収容や取り出しを容易に効率よく行うことができ、ひいては、ロール製品の収容や保管、輸送等も効率よく行うことができる。
なお、本考案は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本考案の範囲内で種々に改変することができる。
例えば、本実施形態のロール製品用コンテナ1は、上下2段で各段2個の合計4個の支管受けを有し、4本のロール製品を収容可能なものであった。しかしながら、支管受けの各段の数、段数等は任意に変更してよく、収容可能なロール製品の数も任意に変更可能である。
また、ロール製品用コンテナが収容対象とするロール製品は、例えば磁気テープ、液晶用フィルム、金属箔、各種フィルムシート、織物などが支管の回りに巻回してあるものであれば任意の製品でよく、何ら限定されるものではない。
また、前述した実施形態において、パレットの材質はスチール製としたが、例えば樹脂製等他の材質でもよい。また、底板、側板、仕切板あるいは上蓋の面材は、前述した実施形態においては合板製としたが、プラスチック段ボール板、合成樹脂板(発泡合成樹脂板を含む)、薄い金属板あるいは繊維板等でもよく、適宜任意の材料を用いてよい。また、その面材を囲む枠材は、前述した実施形態においてはスチール製としたが、その他の任意の金属材料を用いてよい。