JP3196002U - チップ収容箱及びチップ収容台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】チップに付着している切削油を分別して回収し、工場内や廃材集積場等の環境の悪化を防ぐことができる構造簡単なチップ収容箱及びチップ収容台車を提供する。【解決手段】底板2と底板と連続する周囲の側板とから成り、上方が開口した収容箱本体7に加工機械から排出されるチップを収容するチップ収容箱において、底板を切削油Eが1箇所に集まるように傾斜させた形状に構成し、底板の窪んだ位置に溜まり部9を設け、溜まり部と連通する排出孔を収容箱本体に設けた。排出孔には、切削油は通過させるがチップ及び夾雑物を通過させないフィルターを設け、また、側板の下部に設けられた支点13を中心に収容箱本体に対して揺動及び固定可能な門型のアーム14を収容箱本体に設けるのが好ましい。さらに、収容箱本体の底下部の4隅にボス17を設け、ボスにキャスターをそれぞれ設けてチップ収容台車としてもよい。【選択図】図1
Description
この考案は、NC旋盤やマシニングセンターあるいは切断機・破砕機等の被加工物を加工する加工機械や切断機等の加工部から排出される切粉や切削片等の破片やチップ(以下「チップ」という。)を一時的に収容し、チップに付着している水や油等の液体を簡易にチップから分別回収できるチップ収容箱及びチップ収容台車に関する。
被加工物を加工する加工機械は、ドリルや旋削工具あるいは鋸等の工具で被加工物を切削、研削あるいは切断等の加工を行って、被加工物を所定の形状に製作する。加工時には、被加工物から切粉や切削片等のチップが発生する。この加工の際には、工具の焼き付きを防止するためや、加工時に発生する摩擦熱による被加工物の変形を抑えるために切削水や切削油を加工部に供給して加工を行う。また発生したチップが切削工具や被加工物に付着して被加工物に傷や加工精度に悪影響を及ぼすことを防止するために、切削水や切削油(以下「切削油」という。)を加工部に大量に供給してチップを加工部から素早く取り除くように加工を行う。そのためにチップに切削油が付着し、切削油が含んだチップをチップコンベア等の排出装置で加工機械の外に排出させてチップ収容箱等に収容する。
チップ処理装置の従来例を示す図9において、加工機械の加工部では切削油を工具や被加工物に供給しながら加工が行われてチップが発生する。加工時に発生したチップは、加工部から直ちにチップコンベア上に載せられて搬出され、最終的にチップ収容箱に収容される。また供給された切削油は、チップコンベアを保持するコンベア枠体の側面に穿設された油抜孔等から外部に排出される。排出された切削油は、シュータに導かれて工作機外に設けた切削油タンク内の細孔や網からなるサブチップ受けにまず流入する。この時、切削油に含まれたチップはサブチップ受けに留まり、切削油のみが切削油タンク内に流入する。一方、切削油が付着した主なチップは、チップコンベア上に載置されて、コンベアの回転が反転する端部で振り落とされてチップ収容箱内に落下して収容される。チップ収容箱内にチップが所定量溜まった後は、チップ収容箱を加工機械の外へ搬出して、切削油が付着したチップを廃材集積場等で放出する。このことから、廃材集積場ではチップと切削油が混在する環境となる。
特許文献1に記載の切粉排出装置においては、工作機械に付設して加工部で排出される切粉と切削油を一時的に貯留する油槽が設けられている。この油槽は切粉を仕分けるフイルターを介して上流部と下流部に区切られ、切削油は通過するが細かな切粉はフイルターにより通過を遮られて上流部に残る。油槽の上流部に回転駆動するコンベアのバケットが侵入し、落下し貯留されている切粉をバケットに収容して油槽の外へ搬出する。コンベアの往工程のバケットが反転して下方に向いた位置には切粉収容箱が下方に設けられ、切粉を切粉収容箱内に収容する。このような構成では、切粉に付着した切削油は、切粉と共に切粉収容箱内に収容される。
特許文献2に記載の切粉処理装置においては、工作機械の加工部の下方や近くに切粉を受ける切粉受け部を設け、加工中に落下した切粉を工作機械に付設されたチップコンベア上に載せて排出する。このとき切削油は、チップコンベアの下部に設けた切削油貯留部に落下して溜められる。一方、切粉に付着した切削油は分別されることなく切粉受け箱に切粉と共に収容される。
特許文献3に記載の切削油の吸引式収集装置においては、被加工物を加工する加工部から切削油及び切粉を吸引部材により吸引収集して、切粉と切削油を収容する網カゴからなる分別部に集める。さらに加工部から収集された切粉と切削油は、収集装置内に設けられたタービンで発生した負圧によりフイルターを通して切削油と切粉を強制的に分別して、切削油を下部に設けてある切削油収容部に収集する。分別部に切粉が所定量溜まるとセンサがその量を検知する。網カゴ内に満杯なった切粉を排出するために、分別部に設けた網カゴを取り出して切粉を機外へ排出する装置である。この装置では、チップコンベアの代わりにタービンの負圧を利用して切粉と切削油を吸引回収し、かつ切削油と切粉を強制的に分別する大掛かりな切削油と切粉の収集装置である。
加工機械の加工部から排出される切粉や切削片等のチップには、切削油が付着している。そしてチップを収容したチップ収容箱の底には切削油が時間の経過に従って溜まる。しかし、チップ収容箱においてチップと切削油を分別して切削油を抜き取ることは困難か、あるいは大掛かりで高価な装置が必要であった。チップ収容箱やチップ収容台車に収容したチップは、切削油が付着した状態で廃材集積場等に放出していた。そのために、廃材集積場の環境は悪く、特に夏場においては油が腐敗し、環境を悪化させる原因になっていた。またチップを外部へ排出するために工場内を台車が移動する際に誤って切削油を床に落とし、工場内の作業環境を悪化させることもあった。一方、加工時に大量に必要とする切削油の消費量を少なくするためには、チップと切削油を分別して、加工機械で使用している切削油をその場で回収できるようにして、加工機械で再利用する必要がある。加工機械の近くに設けてチップを収容するチップ収容箱やチップ収容台車において、チップと切削油を簡易な手段で分別できることが課題となっていた。
この考案の目的は、上記課題を解決することにより、加工機械の近くに配置したチップ収容箱またはチップ収容台車に、加工機械から発生するチップを収容し、収容したチップと切削油をその場で分別し、チップに付着している切削油の回収を可能にして切削油の無駄を防ぐことができると共に、切削油を除いたチップをチップ収容箱またはチップ収容台車等に収容して廃材集積場まで搬送して、一挙にチップを放出できるチップ収容箱及びチップ収容台車を提供することにある。
請求項1の考案は、底板と該底板と連続する周囲の側板とから成り、上方が開口した収容箱本体に加工機械から排出されるチップを収容するチップ収容箱において、前記底板を切削油が1箇所に集まるように傾斜させた形状に構成し、該底板の窪んだ位置に溜まり部を設け、前記溜まり部と連通する排出孔を前記収容箱本体に設けたチップ収容箱である。
請求項2に記載の考案は、請求項1の記載のチップ収容箱において、前記底板と前記側板との固定は、溶接で固定されているチップ収容箱である。
請求項3に記載の考案は、請求項1または2記載のチップ収容箱において、前記溜まり部の排出孔には、切削油は通過させるがチップ及び夾雑物を通過させないフイルターが設けられているチップ収容箱である。
請求項4に記載の考案は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップ収容箱において、前記側板の下部に設けられた支点を中心に収容箱本体に対して揺動及び固定可能な門型のアームを前記収容箱本体に設けたチップ収容箱である。
請求項5に記載の考案は、請求項4に記載のチップ収容箱において、前記アームに前記収容箱本体に対する最大揺動角を規定する連結バーを設けたチップ収容箱である。
請求項6に記載の考案は、請求項4または5記載のチップ収容箱において、前記アームと収容箱本体に孔を穿設し、該孔に挿入することで前記アームを収容箱本体に固定する固定バーを設けたチップ収容箱である。
請求項7に記載の考案は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のチップ収容箱において、前記収容箱本体の底下部の4隅にボスをそれぞれ設けたチップ収容箱である。
請求項8に記載の考案は、請求項7に記載の前記ボスにおいてキャスターをそれぞれ設けたチップ収容台車である。
この考案によるチップ収容箱及びチップ収容台車は、収容箱本体の底板を切削油が1箇所に集まるように傾斜した形状に構成したことにより、自然に切削油を溜まり部に集めることができる。加工機械から排出されるチップをチップ収容箱やチップ収容台車に収容するだけで、箱内に堆積したチップに付着した切削油がチップの隙間を通過して底板の最下部である窪みの溜まり部に集まる。1日程度で溜まり部に溜められたチップに付着した切削油は、溜まり部に連通する排出孔のバルブを開いて切削油容器や切削油タンク等に切削油を回収することができる。また、加工機械のそばに置いたチップ収容箱またはチップ収容台車に溜まった切削油は、加工機械に使用していた切削油をその場で回収して再利用できる。
底板の溜まり部に集められた切削油を排出孔から抜き取ることで、油切れが行われたチップは、再利用可能な原料は工場外へ乾いたクリーンな状態で搬出できる。また、チップ収容箱またはチップ収容台車の下部に設けられた支点を中心に収容箱本体に対して揺動可能なアームを設けた場合には、アームのハンドルをフォークリフト等で釣り上げることにより、チップ収容箱またはチップ収容台車が上昇及び前傾してチップを一挙に放出できる。チップは既に切削油切れが行われているので、切削油がチップに混入することなく放出できる。またチップ収容箱や台車の工場内の移動時に誤って床面を切削油で汚すこともなく、工場の作業環境を良い状態に維持できる。
このチップ収容箱及びチップ収容台車の排出孔に切削油は通すがチップや夾雑物が通過できないフイルターを設けた場合には、細かなチップも切削油から分別でき、清浄な切削油だけを排出孔から回収でき、チップは収容箱本体に留まる。さらにチップ収容箱を清掃する際には、収容箱本体の底板を含む内部には分別用の網や細孔板等の突起物が設けていない開放の状態に形成されているので、チップや夾雑物あるいは油滓等を容易に取り除くことができ、清掃作業が極めて容易である。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの考案の実施例1であるチップ収容箱を示す側面図、図2は図1に示すチップ収容箱の背面図、図3は図1に示すチップ収容箱の平面図である。
チップ収容箱1は、鋼製の底板2とこれと連続して周囲を閉鎖する4面の鋼製の側板3、4、5、6からなる収容箱本体7から構成されている。収容箱本体7の底板2の後部には、チップCから離脱した切削油Eの溜まり部9となる最底部が形成され、チップCに付着した切削油Eが溜まり部9の1箇所に集められる。集められた切削油Eを溜まり部9から排出する排出孔10は、溜まり部9と連通する底板または側板5の下方位置に穿設されている。この排出孔10には、バルブ12を設けた継手11が接続されている。
収容箱本体7は、加工機械Mから排出されたチップCを上方から容易に投入できるように、上方が広く開口している。収容箱本体7の側板3は、上方の前部に大きく傾斜し、他の側板4〜6は、底板2に対して僅かに上方が広く傾斜している。この収容箱本体7は、前部の側板3の傾斜角度が大きく傾斜しているので、収容箱本体7を前方向に傾けた時には、チップを放出し易い形状になっている。また、収容箱本体7は、その中に投入されたチップCや切削油Eの外部への洩出を防止するため、底板2及びそれと連続する4枚の側板3〜6の互いの接続部は密接した構造になるように溶接されている。さらに収納箱本体の外底部の四隅には、ボス17がそれぞれ設けられ、チップ収容箱を安定して床に設置できる座を形成している。ボス17の高さは、チップ収容箱を床等に設置した場合には、後述する排出孔10に接続する継手11が床等と直接接触しないように、収容箱本体7の中央の底面と床との間には空間が形成されるような大きさである。
収容箱本体7の側板4及び6の後部の下方には、支点13,13が設けられ、この支点13を中心に収容箱本体7に対して揺動角θまで揺動可能な状態に門型のアーム14が設けられている。図2のA―A矢視断面図である図4に示すように、左右のアーム14、14は側板4と6に固定された支点13,13にそれぞれ揺動可能に保持されている。収容箱本体7に対してアーム14を固定する場合は、上方の位置決めを規定するストッパー19が側板4と6に設けられている。左右のアーム14、14の略中間位置には、アームの揺動を阻止して収容箱本体7に固定するために、出入可能な固定バー15と係合する孔16がそれぞれ穿設されている。図5に示すように、収納箱本体7の側板4及び6にも、孔16がそれぞれ設けられている。アーム14を上方の固定位置に位置させると、アーム14の孔16と側板4及び6の孔16の位置は重なり、固定バー15をそれらの孔16に挿入可能となる。
アーム14を収容箱本体7に固定する場合は、固定バー15をアーム14と収容箱本体の各孔16内を通すことで、アーム14は揺動が阻止されて収容箱本体7に固定される。加工機械から排出されるチップCを収容箱本体7内に収容する時は、各孔16に固定バー15を差し込むことで、収容箱本体7にアーム14を固定した状態となる。アーム14の下方で、側板4と6に設けられた支点13の位置より上方には、左右のアームを繋ぐ連結バー14bが設けられている。またアーム14の上方には、左右のアームを連結するハンドル14aが設けられている。
チップ収容箱1は、収容箱本体7内のチップCを廃材集積場で放出する場合は、アーム14と収容箱本体7から固定バー15を引き抜き、アーム14が収容箱本体7の下部に設けられた支点13を中心に揺動可能な状態にする。図7に示すように、フォークリフトのフォークF等をアーム14のハンドル14aの下部に差し込んで上方に持ち上げることで、チップ収容箱1は上昇し、かつ前傾して、収容箱本体7内に収容されているチップCを一挙に放出できる状態になる。この収容箱本体7の前傾の角度は、上記連結バー14bが側板5に衝合する位置の適宜な角度まで傾けることができる。すなわち連結バー14bは、収容箱本体7の前傾角の最大値θmaxを決定し、必要以上に主要箱本体7が前傾するのを規制する働きをするとともに、収容箱本体の前後の揺れを防いでチップの放出動作を容易にする。
図1〜3で示すように、収容箱本体7の底板2の後部最底部には溜まり部9が形成されている。溜まり部9は、底板2の窪み部であり切削油Eの貯留空間となる。溜まり部9の最底部に連通するように設けられた排出孔10は、収容箱本体7の底板または側板5に形成されている。排出孔10には継手11が接続されて溜まり部9は外部とつながる。この継手11にはバルブ12が設けられ、このバルブ12を開くことにより、空間8に溜まっている切削油Eを外部へ放出することができる。本実施例では、排出孔10の形成位置は、底板2の後部で、底板または側板5の下部に設けられているが、加工機械の構造や配置状態によっては、底板の最も低い位置となる溜まり部9を左右や前部の側板に設けることもできる。
図3で示すように排出孔10には、チップや夾雑物は通さないが切削油のみを通すフイルター20をビス等の適宜な手段(図示せず)で取り付けることができる。このフイルター20を設けることで、細かなチップや夾雑物と切削油との分別をチップ収容箱内で確実に行うことができる。
また図3に示すように、収容箱本体7の内部の底板2は、鉄板を切断し折り曲げ加工して、後部に設けた溜まり部9の1箇所に切削油Eが集まるように前後及び中心部に傾斜した構造に形成されている。また底板2と収容箱本体7の側板3,4,5,6とを溶接することによって収容箱本体7を水密構造にしている。収容箱本体7の左右と後部の側板4、5及び6は、底板2に向かって僅かに傾斜して底部が小さくなるように形成されている。一方、前部の側板3は全部に大きく傾斜してチップCが容易に排出できるように形成されている。本実施例では、底板2の傾斜形成を前後及び中心部に傾斜した構造にしたが、切削油Eが1箇所に集まる形状ならば、どのような傾斜に形成してもよい。
一方、底板2の外底部の四隅部に設けられた各ボス17の高さを調整することで、底板の傾斜を実現してもよい。例えば、前部のボス17,17を後部のボス17,17より少し高くすることで、底板の前後の傾斜が実現できる。
図6はこの考案の実施例2であるチップ収容台車1’を示す側面図である。以下実施例1と共通する部材には同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。収納箱本体7の底下部の四隅には、ボス17がそれぞれ設けられている。このボス17には、チップ収容台車1’を移動可能にするキャスター18が回転可能に取り付けられている。収容箱本体7にアーム14を固定するための固定バー15を、アーム14と収容箱本体に設けられた孔16に挿入してアーム14を収容箱本体7に固定する。この固定した状態のアーム14の上部に設けられたハンドル14aを押すことで、チップ収容台車1’を所定の位置に移動できる。ボス17にそれぞれ設けられたキャスター18を除いて、他の部材の構成は実施例1と同様である。
図7と図8を参照してチップ収容箱1及び収容台車1’の作用を説明する。チップ収容箱1または収用台車1’を加工機械Mのそばに配置し、機械加工時に排出されるチップCはチップコンベヤLを介して機械の外に搬送され、チップコンベヤが巻回する端部の下方に置かれた収容箱本体7にチップCが投入される。時間の経過に従ってチップCに付着した切削油Eは、チップ同士の隙間、底板2と側板3〜6との隙間等に沿って底板2に落下する。その後、落下した切削油Eは、底板2の前後及び中央部の傾斜に倣って後部中心位置に形成された溜まり部9に集まって溜まる。
以上のように底板2の板の形状を、溜まり部9の1箇所に集中する傾斜状にすることで、チップCと切削油Eの分別が自然に効率よく行える。チップと切削油の分別用の網や突起等の部材を設けることなく、底板2の傾斜形状がチップと切削油を分別して、切削油を1箇所に集める機能を果たす。収容箱本体7内のチップCが満杯近く溜まった後の所定時間例えば1日程度が経過すると、切削油Eは底板2の溜まり部9に溜まる。そして、底板2に収容されたチップCから切削油が分別された後は、チップは再生用素材等として工場外へ排出可能となる。一方、溜まり部9内に溜まった切削油Eは、排出孔10に接続された継手11のバルブ12を開くことで回収されて加工機械Mに再利用可能となる。この切削油の回収を、図示しないポンプ等を使って加工機械Mの切削油タンク内等に自動的に回収できることは勿論である。
収容箱本体7にチップCを収容し、時間の経過に従って切削油EとチップCを分別して切削油を回収した後は、チップ収容箱1またはチップ収容台車1’を廃材集積場まで搬出する。搬送されたチップ収容箱1またはチップ収容台車1’の収容箱本体7に固定されたアーム14を、固定バー15をアーム14と収容箱本体7の孔16から引き抜いて、アーム14を揺動可能状態にする。その後、アーム14の上部のハンドル14aにフォークリフトのフォークF等を差し込み、チップ収容箱1またはチップ収容台車1’を上昇させる。チップ収容箱1またはチップ収容台車1’を上昇すると共に前方に傾く。チップ収容箱1またはチップ収容台車1’を完全に上昇させた状態では、アーム14に設けられた連結バー14bが収容箱本体7に当接する最大揺動角θmaxまで前傾して停止する。そして、収容箱本体7の上方の開放部からチップCを収容箱本体7から一挙に放出する。この時は、切削油Eは既にチップCから分別して抜き取られているので、廃材集積場を切削油で汚染することはない。
上記の実施例では、底板2を前後左右に傾斜させた状態に切断折り曲げ加工して溶接しているが、前後のキャスター18の高さやボス17の厚さを異ならせて底板2の傾斜状態を形成してもよい。またアーム14は、固定バー15をアーム14と収容箱本体7の孔16から抜くことで揺動可能に構成したが、収容箱本体7にアーム14を固定した状態や構造でも、台車とチップの重心位置とアーム14のハンドル14aとの位置関係から回転モーメントが発生し、収容箱本体7にアーム14を固定した状態でハンドル14aを上昇しても、箱または台車が上昇して前傾するのでチップCを収容箱本体7から放出できる。
この考案によるチップ収容箱及びチップ収容台車は、収容箱本体内の底板を切削油が溜まり部の1箇所に集まるように傾斜させ、この溜まり部に連通する排出孔を底板又は側板に設けたものであるから、切削油の付着したチップが収容箱本体内に投入されると、チップは底板に堆積する一方、切削油は底板の傾斜を伝って溜まり部の滞留空間部に自然に溜まり、この滞留空間部に溜まった切削油を排出孔から継手を介して回収することができる。底板を1箇所に傾斜させただけの簡単な構造によって、チップと切削油を分別してチップに付いた切削油を回収できる。またチップの切削油切れを行えることで、チップ収容箱や台車の搬送時に誤って加工機械の周囲や工場内に切削油を落とす環境を防ぐとともに、収容箱本体の清掃も極めて容易にできる安価なチップ収容箱及びチップ収容台車を提供することができる。
1 チップ収容箱
1’ チップ収容台車
2 底板
3〜6 側板
7 収容箱本体
9 溜まり部
10 排出孔
11 継手
12 バルブ
13 支点
14 アーム、14a ハンドル、14b 連結バー
15 固定バー
16 孔
17 ボス
18 キャスター
19 ストッパー
20 フイルター
C チップ
E 切削油
F フォーク
L チップコンベヤ
M 加工機械
θ 揺動角
1’ チップ収容台車
2 底板
3〜6 側板
7 収容箱本体
9 溜まり部
10 排出孔
11 継手
12 バルブ
13 支点
14 アーム、14a ハンドル、14b 連結バー
15 固定バー
16 孔
17 ボス
18 キャスター
19 ストッパー
20 フイルター
C チップ
E 切削油
F フォーク
L チップコンベヤ
M 加工機械
θ 揺動角
Claims (8)
- 底板と該底板と連続する周囲の側板とから成り、上方が開口した収容箱本体に加工機械から排出されるチップを収容するチップ収容箱において、前記底板を切削油が1箇所に集まるように傾斜させた形状に構成し、該底板の窪んだ位置に溜まり部を設け、前記溜まり部と連通する排出孔を前記収容箱本体に設けたことを特徴とするチップ収容箱。
- 前記底板と前記側板との固定は、溶接で固定されていることを特徴とする請求項1に記載のチップ収容箱。
- 前記溜まり部の排出孔には、切削油は通過させるがチップ及び夾雑物を通過させないフイルターが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ収容箱。
- 前記側板の下部に設けられた支点を中心に収容箱本体に対して揺動及び固定可能な門型のアームを前記収容箱本体に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップ収容箱。
- 前記アームに前記収容箱本体との最大揺動角を規定する連結バーを設けたことを特徴とする請求項4に記載のチップ収容箱。
- 前記アームと収容箱本体に孔を穿設し、該孔に挿入することで前記アームを収容箱本体に固定する固定バーを設けたことを特徴とする請求項4または5に記載のチップ収容箱。
- 前記収容箱本体の底下部の4隅にボスをそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のチップ収容箱。
- 前記ボスにキャスターをそれぞれ設けことを特徴とする請求項7に記載のチップ収容台車。
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018130806A (ja) * | 2017-02-16 | 2018-08-23 | Dmg森精機株式会社 | チップコンベア |
DE102015015520B4 (de) | 2014-11-28 | 2021-11-04 | Suzuki Motor Corporation | Drehstabfederungsstruktur |
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- 2014-09-17 JP JP2014004936U patent/JP3196002U/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102015015520B4 (de) | 2014-11-28 | 2021-11-04 | Suzuki Motor Corporation | Drehstabfederungsstruktur |
JP2018130806A (ja) * | 2017-02-16 | 2018-08-23 | Dmg森精機株式会社 | チップコンベア |
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