JP3193872B2 - 熱式空気流量計 - Google Patents

熱式空気流量計

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JP3193872B2 JP16431996A JP16431996A JP3193872B2 JP 3193872 B2 JP3193872 B2 JP 3193872B2 JP 16431996 A JP16431996 A JP 16431996A JP 16431996 A JP16431996 A JP 16431996A JP 3193872 B2 JP3193872 B2 JP 3193872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱式空気流量計に
係り、特に内燃機関の吸入空気量を測定するのに好適な
熱式空気流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車などの内燃機関の電子制
御燃料噴射装置に設けられ吸入空気量を測定する空気流
量計として、熱式のものが質量空気量を直接検知できる
ことから主流となってきている。この中で、半導体マイ
クロマシニング技術により製造された空気流量計が、コ
ストが低減でき且つ低電力で駆動することが出来ること
から特に注目されてきた。このような従来の半導体基板
を用いた熱式空気流量計が、例えば、特開昭60−14
2268号公報および特開平7−174600号公報等
に開示されている。上記公報に記載の技術は、製造コス
トはある程度低減されているが、吸入空気量の測定に際
して、流量計測レンジが狭い、ノイズが大きい、耐塵埃
信頼性が十分でない等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術には、次のよ
うな課題がある。上記特開昭60−142268号公報
に記載の従来技術を図10を参照し説明する。図10は
従来の熱式空気流量計の測定素子の平面図であり、該公
報に記載の第2図である。図において、1が熱式空気流
量計の測定素子で、シリコン等の半導体基板を異方性エ
ッチングにより形成した空洞(23a,b,c)を架橋す
る電気絶縁膜からなる2本の橋24a,24bを有し、
空気の流れの上流側が橋24a、下流側が橋24bとな
っている。2本の橋24a,24bとの間の開口した空
洞23cを挟んで発熱抵抗体5を配置しこれらの橋24
a,24bには発熱抵抗体5の側部に各々測温抵抗体4
a、4bが配置され、更に、電気絶縁膜の空洞23aの
上流側の一部に空気温度を測定する空気温度測温抵抗体
7を配設している。また、空洞23a,23b及び23
cは、電気絶縁膜の開口部を利用して半導体基板を異方
性エッチングすることから電気絶縁膜の橋24a,24
b下で連続した一体の空洞となっている。
【0004】この空気流量計では、空気温度測温抵抗体
7により定められる空気温度よりも一定温度高い温度と
なるように、発熱抵抗体5が加熱駆動される。空気流量
は、空気の熱運搬効果を利用して、流路の上流側測温体
4bと下流側測温体4aとの間に生じる温度差から計測
される。
【0005】図11は、従来の熱式空気流量計の他の例
を説明するための図であり、上記特開平7−17460
0号公報の図1記載の測定素子の平面図となっている。
測定素子1は、前記の従来例と同じように半導体基板2
上に電気絶縁膜10を形成し公知のホトリソグラフィ技
術により電気絶縁体10の23d,23eの部分をエッ
チングし、更に、この開口部23d,23eから半導体
基板2を異方性エッチングして空洞23d,23eを形
成する。この空洞23d,23eは、前記の従来例と同
じように電気絶縁膜の橋24下で連続した一体の空洞を
形成している。この従来例では、橋24上に発熱抵抗体
5とこれに近接して測温抵抗体4が空気流の上流側に配
設され、さらに、空気温度測温抵抗体7が測定素子1の
最上流に配設される。
【0006】この空気流量計では、空気温度測温抵抗体
7で検知される空気温度より測温抵抗体4が一定温度高
くなるように発熱抵抗体5を加熱(傍熱)駆動する。空気
流量は、空気の流量が増加するに従い冷却される測温抵
抗体4を傍熱する発熱抵抗体5に流す加熱電流から計測
する。
【0007】このように構成された従来例では、例えば
図10の測定素子では、前記特開平7−174600号
公報の明細書の項目(0012)に記載されているよう
に、空気流量が大流速域で出力変化が小さく、直線性が
悪くなり、計測可能な流速レンジが狭くなる問題があ
る。これを改善したのが図11に示した測定素子だが、
この従来例においては、空気の流れの方向が検知出来な
いという問題がある。更に、図10、図11の両方の従
来例に共通する問題として、空気流量を計測する上で重
要な空気流と接する検出有効面積(この従来例では測温
抵抗体4,4a,4bおよび発熱抵抗体5の空気流に接
する面積)が小さいことにより出力ノイズが大きいこ
と、 また、空気流に接する測定素子の表面に 空洞23
a,23b,23c,23d,23eが開口しており、
自動車等の過酷な条件で使用される場合、上記開口部に
塵埃等が蓄積し長期間に渡って信頼性の高い計測が出来
ない等がある。
【0008】従って、本発明の目的は、従来技術の課題
を解決し、流量計測のダイナミックレンジが広く、ノイ
ズが小さく、さらには、耐塵埃信頼性の高い熱式空気流
量計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する熱式
空気流量計は、上面を電気絶縁膜で塞がれて下面に開口
している空洞を有する半導体基板と、前記空洞上の部位
の前記電気絶縁膜上に形成された測温抵抗体および該測
温抵抗体を中に被測定流体の上下流側に振り分けられて
いる一対の発熱抵抗体と、前記空洞部上以外の部位の前
記電気絶縁膜上に形成された流体温度測温抵抗体とを有
する測定素子と、前記測温抵抗体と前記流体温度測温抵
抗体の温度差を一定に保つように前記各発熱抵抗体に加
熱電流を流す加熱制御手段と、前記各発熱抵抗体の温度
差に基づいて前記被測定流体の流れ方向を検知する方向
検知手段と、前記各発熱抵抗体の温度差または前記各発
熱抵抗体に流す電流値に基づいて前記被測定流体の流量
を検知する流量検知手段とから構成するものである。
【0010】本発明によれば、一個の測温抵抗体を一対
の発熱抵抗体で挟み、該測温抵抗体の温度を基準温度と
して一対の発熱抵抗体が成す温度差を大きく検出できる
ようにしたので、流量計測時のダイナミックレンジ及び
対ノイズの改善が図られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明による一
実施例の測定素子(熱式空気流量計用)を示す平面図であ
る。熱式空気流量計に用いられる測定素子を示してい
る。図2は、図1のA−A’断面を示す図である。図
1,2において、測定素子1は、シリコン等からなる半
導体基板2と、半導体基板2の上面に被膜形成されて後
述する空洞3の上面側を塞いでいる形になっている電気
絶縁膜10aと、電気絶縁膜10a上に形成された、測
温抵抗体4,該測温抵抗体4を中に挟みかつ近傍に隣接
して空気流9に対する上流側と下流側とに振り分けられ
て配置形成された一対の発熱抵抗体5及び6,空気温度
を計測するための空気温度測温抵抗体7,測定素子1と
しての各抵抗体からの信号を外部回路に引き出すための
端子電極8と、各抵抗体や端子電極8等を保護するため
に被覆形成されている電気絶縁膜10bと、測温抵抗体
4と発熱抵抗体5及び6とが形成されている部位を、半
導体基板2の下面側(開口部3a)より異方性エッチング
により電気絶縁膜10aの境界面まで穿ち半導体基板2
に設けられた空洞3とから構成される。
【0012】ここで、一対の発熱抵抗体5,6は、電気
絶縁膜10a上で電気的に直列に接続されて引き出され
た2つの端子電極8(,)と、中間接続点Mから引き
出された中間端子電極としての端子電極8()とを有す
る。すなわち、図1では、発熱抵抗体5,6を直列で接
続し、途中(中間接続点M)から端子電極8()を引き出
している。しかし、場合によっては、端子電極8が1個
増えて多くなる繁雑さはあるが、それぞれ独立に端子電
極8を取り出し外部回路にて直列接続することも可能で
ある。
【0013】そして、空気流9に接する面積(検出有効
面積)が広い電気絶縁膜10a上に形成された、一対の
発熱抵抗体5,6には、測温抵抗体4の温度が空気流9
の流路先端に配置された空気温度測温抵抗体7の温度よ
り一定温度高くなるように、加熱(傍熱)電流が流されて
いる。
【0014】また、空気流9の方向は、空洞3上の部位
にあって電気絶縁膜10a上のほぼ中央の位置に形成さ
れた測温抵抗体4を中にして、被測定流体の上下流側に
振り分けられている、望ましくは、測温抵抗体4に対し
て対称に形成されている発熱抵抗体5および6の、各温
度(温度に対応した各抵抗値)を比較することにより検知
される。つまり、発熱抵抗体5,6は、被測定流体の空
気流が零のときは、測温抵抗体4の温度とほぼ同じ温度
を示し、温度差が生じない。
【0015】空気流がある場合、図1の空気流9の方向
(順流)では、主に上流側に配置された発熱抵抗体5の方
が、下流側に配置された発熱抵抗体6より、空気流9に
よる冷却効果が大きいことから、加えて、発熱抵抗体
5,6は直列接続であり同じ加熱電流が流れて両方の発
熱量がほぼ同一であることから、上流側の発熱抵抗体5
の温度が発熱抵抗体6の温度より低い値となる。また、
空気流が図1の矢印方向と反対(逆流)のときには、今度
は下流側の発熱抵抗体6の温度方が上流側の発熱抵抗体
5の温度より低くなる。このように、発熱抵抗体5,6
の各温度(各抵抗値)を比較することにより空気流9の方
向が検知できる。
【0016】一方、空気流量の計測は、上記の発熱抵抗
体5,6の温度差が空気流量の増大に対して大きくなる
ことを利用して、温度差より空気流の方向と空気流量を
同時に計測する。あるいは、測温抵抗体4を空気温度測
温抵抗体7より一定温度高く制御するために、発熱抵抗
体5,6に流す加熱(傍熱)電流値が、空気流量の増大に
ともない増加することを利用して計測する。
【0017】ところで、発熱抵抗体5,6は、空洞3上
の電気絶縁膜10a上に形成されており、本実施例の発
熱抵抗体面積(2個の発熱抵抗体の面積)は、従来例の発
熱抵抗体面積(1個の発熱抵抗体の面積)に比較して広い
(検出有効面積が広い)構成とすることになるので、空気
流量信号が大きく取り出せて、ダイナミックレンジが広
く取れる。かつ、空気流の局所的な乱れに対して平均的
な出力になる、換言すれば出力に対するノイズ比(N/
S)が小さくなることから、ノイズに強い構成となって
いる。
【0018】更に、図1に示すように、空気温度測温抵
抗体7は基板2の先端に位置し、空気流9の流路に突き
出て配置されており、空気流9が順流または逆流のいず
れの場合においても、発熱抵抗体5,6の加熱された空
気流の影響を受けない位置に配設されており、精度の高
い空気流量の計測が可能となっている。
【0019】図3は、図1の測定素子を実装した本発明
による一実施例の熱式空気流量計を示す断面図である。
例えば、自動車等の内燃機関の吸気通路に実装した熱式
空気流量計の実施例を示す断面図である。熱式空気流量
計は、図のように、測定素子1と支持体13と外部回路
14とを含み構成される。そして吸気通路11の内部に
ある副通路12に測定素子1が配置される。外部回路1
4は支持体13を介して測定素子1の端子電極8に電気
的に接続されている。ここで、通常では被測定流体とし
ての吸入空気は空気流9で示された方向に流れており、
ある内燃機関の条件によって空気流9とは逆の方向(逆
流)に吸入空気が流れる。
【0020】図4は、図3の測定素子部を示す拡大図で
ある。図3の測定素子1および支持体13の拡大図であ
る。図5は、図4のB−B’断面を示す図である。図6
は、図4のC−C’断面を示す図である。図4〜図6に
おいて、測定素子1は、空気温度測温抵抗体7の表裏面
が空気流9に直接晒されるように支持体13b上に固定
され、更に、端子電極15および信号処理回路を有しア
ルミナ等の電気絶縁基板上に形成された外部回路14
が、同じく支持体13b上に固定されている。
【0021】この測定素子1と外部回路14は、端子電
極8および15間を金線16等でワイヤボンディングに
より電気的に接続された後、前記の金線16、電極端子
8、15や外部回路14を保護するために支持体13a
により密封保護される。このように実装された測定素子
1では、図4〜6に示すように、空洞3は、下面が支持
体13bにより大部分が塞がれており、また上面が電気
絶縁膜10により、空気流9に対してほぼ隔離(閉塞)さ
れている。従って、上記したような本実施例を採用すれ
ば、従来例のように空洞3が空気流9に対して開口して
いる部分がなくなるので、自動車等の内燃機関の空気流
量を計測する際に問題となる塵埃等が、空洞部あるいは
開口部に蓄積することがなく信頼性の高い計測が可能と
なる。
【0022】また、自動車等の内燃機関では、内燃機関
の熱により図3に示す吸気通路11および支持体13の
温度が上昇し、さらに、この熱が測定素子1に伝わり、
空気流量の計測に誤差を生じさせ温度特性を悪くするこ
とがある。これに対して、本実施例では、図4に示すよ
うに、空気温度測温抵抗体7は、支持体13より最も遠
い場所に配設され、更に、支持体13から突き出して配
置されている。このように配設するにとにより、空気流
9により表裏面ともに晒され放熱が十分されることか
ら、上記吸気通路11および支持体13の温度上昇によ
る影響を殆ど受けない温度特性の優れた構成となってい
る。
【0023】更には、図5のB−B’断面図に示したよ
うに、空気流9に対して支持体13bの先端形状を流線
型にしたことにより、空気流9が測定素子1に至った位
置においても、空気流の乱れがなく一様に流れることか
ら、更にノイズの少ない計測が可能となる。
【0024】次に、図7、図8および図9を参照し、本
発明による熱式空気流量計の動作について説明する。図
7は、本発明による一実施例の熱式空気流量計を示す回
路構成図である。図1に示す各抵抗体4,5,6,7な
どからなる測定素子1と、測定素子1からの信号を処理
するための外部回路14(加熱制御手段と方向検知手段
と流量検知手段としての回路)との構成を示したもので
ある。
【0025】図中、17a,17b,17c,17dは
差動増幅噐、18は発熱抵抗体5,6に加熱(傍熱)電流
を流すためのトランジスタ、19は電源、22a,22
b,22cは抵抗、20は、発熱抵抗体5,6に流す加
熱電流に比例する抵抗22aの電位より得られた空気流
量に対応する信号出力Cから、差動増幅噐17dより得
られる空気流の方向信号Fに基づいて、プラス(順流)ま
たはマイナス(逆流)に変換した出力信号Gを得るため
の、切り替え回路である。
【0026】ここで、測温抵抗体4、空気温度測温抵抗
体7、抵抗22b,22cよりなるブリッジ回路は、測
温抵抗体4の温度(抵抗値)が空気温度に対応する空気温
度測温抵抗体7の温度(抵抗値)よりある一定値(例えば
150℃)高くなるよう各抵抗値が設定される。測温抵
抗体4の温度が、設定値より低い場合にはブリッジ回路
の中点の電位HとI間に差が生じ、差動増幅噐17aの
出力Jによりトランジスタ18がオンし、発熱抵抗体
5,6に加熱電流が流れる。発熱抵抗体5,6により傍
熱された測温抵抗体4の温度が設定値に達すると、差動
増幅噐17aの出力Jによりトランジスタ18がオフ
し、加熱電流が遮断される。このように、測温抵抗体4
の温度が設定値に一定になるようにフィードバック制御
されており、このときの発熱抵抗体5,6に流す加熱電
流値(抵抗22aの電位Cに対応)が空気流量となる。
【0027】一方、空気流の方向は、発熱抵抗体5,6
の温度差より検出する。図9には、発熱抵抗体5,6と
測温抵抗体4の温度分布を、空気流が順流および逆流の
場合について摸式的に示している。図において、前記し
たように測温抵抗体4はある一定の基準温度に設定され
ている。発熱抵抗体5,6は直列接続されており同じ加
熱電流が流れる構成であることから、空気流が順流の場
合には、上流側の発熱抵抗体5がより空気流により熱を
奪われることから温度が低くなる。一方、空気流が逆流
の場合には、逆に発熱抵抗体6の温度が低くなる。つま
り、図9に示したように、発熱抵抗体5,6の温度(抵
抗値)を比較することにより、空気流の方向が検知でき
る。これについて、以下、さらに詳説する。
【0028】図9は、図1の測定素子のA−A’断面お
よび動作原理を示す図である。図9に示したように、一
個の測温抵抗体4を一対の発熱抵抗体5,6で挟むよう
にし測温抵抗体4の温度を基準温度に設定する本発明の
構成にしたことにより、発熱抵抗体5および6が成す温
度差を十分に大きくして検出できる。これに対して、図
10に示した従来例では、逆に一個の発熱抵抗体を一対
の測温抵抗体で挟んでおり、中心の発熱抵抗体が基準温
度に設定される構成であることから、図9の従来例の温
度分布に示すように、一対の測温抵抗体の温度は基準温
度より共に低くなり、従って、温度差があまり大きくな
らない。本発明のように、温度差を大きく検出できるこ
とは、信号レベルが大きくなり、広いダイナミックレン
ジが得られ、かつ、対ノイズ特性に関して有利になる。
【0029】図7に戻り、外部回路14では、発熱抵抗
体5,6の両温度(両抵抗値)の比較を、直列接続された
各抵抗体の両端の電位により行う。上流側の発熱抵抗体
5の温度に対応するのは図7のA−B点間の電位差であ
り、下流側の発熱抵抗体6の温度に対応するのはB−C
間の電位差である。従って、差動増幅噐17bの出力D
が発熱抵抗体5の温度に、差動増幅噐17cの出力Eが
発熱抵抗体6の温度に各々対応し、差動増幅器17dに
より出力DおよびEを比較することにより、空気流の方
向が出力Fとして検知できる。上記した空気流量に対応
した抵抗22aの出力信号Cと、空気流の方向信号であ
る差動増幅器17dの出力Fで作動する切り替え回路2
0とにより、空気流の方向を加味した空気流量信号G
(順流は正逆流は負)が出力される。
【0030】図8は、本発明による他の実施例の熱式空
気流量計を示す回路構成図である。別の方式の抵抗体
4,5,6,7と信号処理のための外部回路14を示し
たものである。図7の構成と異なるのは、切り替え回路
20の代わりに除算回路21を設けたことである。この
方式は、空気流の方向および流量として、発熱抵抗体
5,6の温度差そのものを出力しようとするものであ
る。図9に示したように、発熱抵抗体5,6の温度差
(ΔT)は、その正負により空気流の方向が検知できると
共に、絶対値は空気流量に対応するものである。従っ
て、発熱抵抗体5,6の温度差(ΔT)は抵抗値差(ΔR)
と同等なので、この抵抗値差(ΔR)が出力される構成に
すれば、空気流量が計測される。
【0031】即ち、図8において、差動増幅噐17dに
は、図7での動作と同じように発熱抵抗体5,6の両端
の電位が入力され、その電位差がFとして除算回路21
に出力される。電位差Fは、発熱抵抗体5,6の抵抗値
差(ΔR)と発熱抵抗体5,6に流れる加熱電流値の積と
なっているので、電位差Fを加熱電流値に対応する抵抗
22aの電位Cで除算することにより、抵抗値差(ΔR)
が除算回路21の出力Gとして得られる。この出力Gの
正負から空気流の方向が、そしてまた、出力Gの絶対値
から空気流量が計測される。
【0032】次に、本発明による熱式空気流量計の測定
素子の具体例について、図1,2を参照して説明する。
まず、シリコン半導体基板2上に電気絶縁体10aとし
て、熱酸化あるいはCVD等の方法で、約0.5ミクロ
ンの厚さの二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を形成する、更
に、抵抗体4,5,6,7として、スパッタ等の方法
で、約0.2ミクロンの厚さの白金を形成する。その
後、公知のホトリソグラフィ技術により、所定の形状に
レジストを形成した後、イオンミリング等の方法により
白金をパターニングする。
【0033】次に、端子電極8を金メッキ等で形成した
後、端子電極8以外の部分を保護膜として、先と同様に
約0.5ミクロンの厚さの電気絶縁体10bを形成す
る。最後に、シリコン基板2の裏面より二酸化ケイ素等
をマスク材として、異方性エッチングすることにより空
洞3を形成し、チップに切断することにより、測定素子
1が得られる。
【0034】ここで、空洞3上の電気絶縁膜10は、従
来例の検出有効面積(約0.2mm×1mm:特開平7
−174600号公報の明細書「0028」項に記載)に
対して、本実施例では1.5mm×1.5mmの検出有
効面積とし、従来例の約10倍の大きさにした。また、
測温抵抗体4を囲むように発熱抵抗体5,6を形成した
ことから、発熱抵抗体の占有面積が大きくとれる。
【0035】このことにより、空洞3上の発熱抵抗体
5,6の空気流量信号のダイナミックレンジおよび対ノ
イズが、従来例に比較して大幅に改善した。なお、空洞
3を大きくした場合でも、本実施例の測定素子1の大き
さは、約2.5mm×5mmであり、従来例(約3mm
×3mm:特開平7−174600号公報の明細書「0
028」項に記載)の約1.4倍に過ぎない。また、従来
例のように空気流9に晒される開口部がないことにより
耐塵埃信頼性が向上した。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、測温抵抗体4の上下流
に一対の発熱抵抗体5,6を半導体基板に形成した検出
有効面積の大きい空洞3上の電気絶縁体10に形成し、
且つ、発熱抵抗体5,6を直列接続し上記発熱抵抗体
5,6の温度差および加熱電流から、空気流の方向と流
量を計測する構成としたことにより、空気流量の計測時
のダイナミックレンジおよび対ノイズの改善が図られ
る。
【0037】また、空気流9に対して開口している所が
ない構成にすることから、耐塵埃信頼性が向上し、更に
は、空気温度測温抵抗体7を空気流に突き出す構成とす
ることにより、温度特性の改善を図った熱式空気流量計
が提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の測定素子(熱式空気流
量計用)を示す平面図である。
【図2】図1のA−A’断面を示す図である。
【図3】図1の測定素子を実装した本発明による一実施
例の熱式空気流量計を示す断面図である。
【図4】図3の測定素子部を示す拡大図である。
【図5】図4のB−B’断面を示す図である。
【図6】図4のC−C’断面を示す図である。
【図7】本発明による一実施例の熱式空気流量計を示す
回路構成図である。
【図8】本発明による他の実施例の熱式空気流量計を示
す回路構成図である。
【図9】図1の測定素子のA−A’断面および動作原理
を示す図である。
【図10】従来の熱式空気流量計の測定素子を説明する
平面図である。
【図11】従来の他の熱式空気流量計の測定素子を説明
する平面図である。
【符号の説明】
1…測定素子、2…半導体基板、3…空洞、3a…開口
部、4…測温抵抗体、5,6…発熱抵抗体、7…空気温
度測温抵抗体、8,15…端子電極、9…空気流、10
a,10b…電気絶縁膜、11…吸気通路、12…副通
路、13,13a,13b…支持体、14…外部回路、
16…金線、17a,17b,17c,17d…差動増
幅器、18…トランジスタ、19…電源、20…切り替
え回路、21…除算回路、22a,22b,22c…抵
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/68 - 1/699 G01P 5/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面を電気絶縁膜で塞がれて下面に開口し
    ている空洞を有する半導体基板と、前記空洞上の部位の
    前記電気絶縁膜上に形成された測温抵抗体および該測温
    抵抗体を中に被測定流体の上下流側に振り分けられてい
    る一対の発熱抵抗体と、前記空洞部上以外の部位の前記
    電気絶縁膜上に形成された流体温度測温抵抗体とを有す
    る測定素子と、 前記測温抵抗体と前記流体温度測温抵抗体の温度差を一
    定に保つように前記各発熱抵抗体に加熱電流を流す加熱
    制御手段と、前記各発熱抵抗体の温度差に基づいて前記
    被測定流体の流れ方向を検知する方向検知手段と、前記
    各発熱抵抗体の温度差または前記各発熱抵抗体に流す電
    流値に基づいて前記被測定流体の流量を検知する流量検
    知手段とから構成することを特徴とする熱式空気流量
    計。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記一対の発熱抵抗体
    は、前記電気絶縁膜上で電気的に直列に接続されて引き
    出された2つの端子電極と、中間接続点から引き出され
    た中間端子電極とを有することを特徴とする熱式空気流
    量計。
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