JP3192079U - 保温用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】日々の生活で安全な常時使用が可能であって、比較的安価で維持管理が容易な保温用シートを提供する。【解決手段】保温用シート1は、化学繊維の布下地シート10の繊維間隙に羊原毛20を絡みつけたものである。【選択図】図1

Description

本考案は、羊原毛を用いた保温用シートに関するものである。
身体の部分的な冷えを解消することは、健康で快適な生活を送る上で必要なことである。冷えを解消するための健康用品としては、カイロが一般に知られており、空気に触れて発熱する発熱組成物を通気性シートから成る袋体の中に入れて使用する使い捨てカイロが広く普及している。使い捨てカイロは手袋などの内部に入れて手などの部分的な冷えを効果的に解消することができる(例えば、下記特許文献1参照)。
実開平6−20418号公報
使い捨てカイロは手軽に持ち運び又は被着することできる利点があるが、繰り返し使用ができないため、日々の生活で常時使用するにはコストがかかる。また、身体の一部を局所的に加熱する場合に、体温よりも温度が上がりすぎて常時使用すると低温火傷になる可能性がある。また、市販の使い捨てカイロは、形や広さがある程度決められているので、個人的に必要な身体の一部を温めるのに使い難い問題がある。
一方、発熱体を用いること無く身体の部分的な冷えを解消するには、手袋、靴下、腹巻き、首巻きなどの防寒具を用いることが一般的になされている。羊毛(ウール)の織物や編み物で作られた手袋などの防寒具は、高い保温性を有しており、体温を利用して効果的に身体の一部を温めることができる。しかしながら、羊毛の織物や編み物で作られた防寒具は、高価であると共に洗濯によって縮みなどが生じ易く維持管理が難しいといった問題がある。
本考案は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、日々の生活で安全な常時使用が可能となる保温用シートを提供すること、比較的安価で維持管理が容易であると共に様々な使用形態が可能で長期の継続使用に対しても高い保温効果が得られる保温用シートを提供すること、等が本考案の目的である。
このような目的を達成するために、本考案による保温用シートは、化学繊維の布下地シートの繊維間隙に羊原毛を絡みつけたものであり、全体的に羊原毛をシート状に保持したものである。ここで用いられる布下地シートは織物であることが羊毛を絡みつける適当な繊維間隙を得る上で好ましい。布下地シートへの羊原毛の絡みつけは、布下地シートの上に適量の羊原毛を載せて針で刺すことで行うことができる。
このような特徴を有する保温用シートは、羊原毛が良好な保温性を有し、シートを適当な大きさや形に切断して、冷えを感じる身体の一部に直接又は間接的に当てるだけで、その部分を適当な温度で温めてくれる。また、この保温用シートは、羊原毛が化学繊維の布下地に保持されているので、羊原毛の偏りが生じることが無く、また、水洗いした場合の縮みや変形が生じることが無い。
羊原毛は、適度な油脂成分を含むものであり、羊原毛自体が水分を吸収し難いので、本考案による保温用シートは、長時間身体に当てている場合のも汗を吸収することがなく、温め効果を長時間持続させることができる。
本考案の保温用シートを平面視した説明図である。 本考案の保温用シートを側面視した説明図である。 本考案の保温用シートの使用例を示した説明図である。 本考案の保温用シートの使用例を示した説明図である。
以下、本考案の実施形態を図面を参照して説明する。図1及び図2は本考案の一実施形態に係る保温用シートの構成を示している。図1が平面視した説明図であり、図2が側面視した説明図である。
本考案の保温用シート1は、布下地シート10の繊維間隙に羊原毛20を絡みつけてシート状に形成したものである。布下地シート10は化学繊維の布地であって、布形態は、織物状、編み物状、不織布、フェルトなど、どのようなものであってもよいが、絡みつかせた羊原毛20が容易に脱落しない程度の密な繊維間隙を有することが必要になる。この点で繊維間隙を一定にすることができる織物状の布下地シート10を用いることが好ましい。ここでの化学繊維は、合成繊維,再生繊維,半合成繊維などであり、その材料としては、ポリエステル,ナイロン,アクリル,ビニロン,レーヨン,キュプラ,アセテート等を用いることができる。
羊原毛20は、刈り取り後無処理のもの、或いは刈り取り後に適度のスカーティングや洗浄を行ったものである。羊原毛20は、洗浄を行った場合であっても適度の油脂成分が残っているものが好ましい。また、適当な長さ(数センチから数十センチ)に切断したものが好ましい。
羊原毛20を布下地シート10の繊維間隙に絡みつかせるには、布下地シート10の上に適当な量の羊原毛20を載せて、その上から針で突くことで羊原毛20の繊維端部を布下地シート10の繊維間隙に押し込む。この作業を効率よく行うためにはミシンを用いることが好ましい。布下地シート10の上に羊原毛20を載せて、糸が付いていないミシン針で連続的に突くことで、簡易に羊原毛20を布下地シート10の繊維間隙に絡ませて、保温用シート1を形成することができる。
図3及び図4は、本考案の保温用シートの使用例を示した説明図である。図3に示した例は、(a)に示すように、矩形状の保温用シート1を展開した収容体30内に収めて収容体30を破線に沿って折り畳むことで、(b)に示すように保温用シート1を内部に収めた収容体30を得たものである。この収容体30には装着ひも31が四隅に取り付けられており、この装着ひも31を身体の必要な箇所に結びつけることで、腹当て、膝当て、肘当て、膝掛け、首巻きなどとして用いることができる。ここでの収容体30は布地で作ることができ、図示の例に限らず、楕円形や菱形など、様々な形状のものにすることができる。図示の例では、収容体30を折り畳んで保温用シート1を取り囲む例を示しているが、これに限らず、収容体30にポケット部分を作ってその中に保温用シート1を収めるようにしても良い。
図4に示した例は、保温用シート1を様々な形に切り出して使用する例である。図4において、足形状に切り出して、保温用シート1を靴の中敷き40として用いる例を示している。この例に限らず、手形状に切り出して手袋内に収めて使用することもできる。
このような特徴を有する本考案の保温用シート1は、比較的安価に入手できる羊原毛20を用いることで、低コストで製造することが可能である。羊原毛20は、布下地シート10の繊維間隙に絡みつかせて適度な密度でシート状に保持することで高い保温性を発揮することできる。羊原毛20の分散密度は、用途に応じて適宜設定することができる。高い密度で羊原毛20を分散させることで保温性を高めることができるが、密度をある程度低くすることで心地よい温め効果を得ることもできる。
また、本考案の保温用シート1は、適度に油脂成分が残った羊原毛20を用いることで、水分吸収を抑えることができる。これによって、長時間の被着に対しても汗が吸収されることが無く、高い保温効果を維持することができる。また、体温より高い温度に加熱されることが無いので、長時間の被着に対しても低温火傷を起こすような心配が無く安全である。
更に、本考案の保温用シート1は、布下地シート10に羊原毛20を絡みつかせているので、長時間被着した場合にも羊原毛20の偏りが生じない。また、水洗いした場合にも縮みや変形が生じることが無く、最適な形状を常に維持することができる。
1:保温用シート
10:布下地シート
20:羊原毛
30:収容体
40:中敷き

Claims (3)

  1. 化学繊維の布下地シートの繊維間隙に羊原毛を絡みつけたことを特徴とする保温用シート。
  2. 前記布下地シートが織物であることを特徴とする請求項1記載の保温用シート。
  3. 前記羊原毛が前記繊維間隙に針で刺して絡みつけられていることを特徴とする請求項1又は2記載の保温用シート。
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