JP3191226B2 - プライマー組成物 - Google Patents

プライマー組成物

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JP3191226B2
JP3191226B2 JP25709592A JP25709592A JP3191226B2 JP 3191226 B2 JP3191226 B2 JP 3191226B2 JP 25709592 A JP25709592 A JP 25709592A JP 25709592 A JP25709592 A JP 25709592A JP 3191226 B2 JP3191226 B2 JP 3191226B2
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勅男 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は顔料分散性に優れたプラ
イマー組成物に関し、特に各種の金属又は樹脂成形品に
下塗りしてこれらの被塗物表面への塗料の付着性を向上
させることができるプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ンの成形品の表面に塗装を施したり、他の樹脂層を形設
したりして、その付加価値を高めることが行われてい
る。しかし、一般にポリオレフィンは、極性に乏しく、
一般の塗料や他の樹脂との付着性が悪い。そのため、従
来は予めポリオレフィンからなる成形品の表面を、プラ
イマーで処理して該表面への塗料の付着性及び密着性を
改善することが行われている。そこで、プライマーなし
で直接成形品等に1回塗り可能な塗料のバインダー樹脂
として、不活性溶媒中でスチレン・イソプレンブロック
共重合体の水素添加物の存在下に(メタ)アクリル酸エ
ステルとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを重
合させて得られる塗料用樹脂組成物が提案されている。
(特開昭63−51477号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の特開昭
63−51477号公報に記載された塗料用樹脂組成物
を用いても、得られる塗膜は、剥離強度が充分なもので
はなく、良好な付着性を付与することが出来なかった。
また、従来の塗料用樹脂組成物は顔料の分散性が劣り、
顔料によっては混入すると貯蔵中に増粘、凝集、沈降し
やすいという問題があった。
【0004】そこで本発明の目的は、ポリプロピレン等
のポリオレフィンやその他の樹脂成形品及び金属に塗布
して良好な付着性を有するプライマー塗膜を形成し、さ
らにその上に塗料を塗布して耐水性および鮮映性に優れ
る塗装を得ることが出来るプライマー組成物を提供する
ことにある。さらに本発明の目的は、顔料の分散性に優
れ、前記した問題のないプライマー組成物を提供するこ
とにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は、 「1. (A)スチレン・イソプレンブロック共重合体
またはその水素添加物に、モノオレフィンジカルボン酸
およびその無水物、ならびにモノオレフィンジカルボン
酸のモノアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種
の変性単量体を0.05〜20重量%含むようにグラフ
ト共重合させてなる変性共重合体、 (B)1〜50重量%のモノエポキシ化合物を付加反応
して含有するエポキシ変性ポリエステル樹脂、及び (C)有機溶媒、を含有することを特徴とするプライマ
ー組成物。 2. (A)スチレン・イソプレンブロック共重合体
が、スチレン含有量10〜60重量%の共重合体であ
る、1項に記載されたプライマー組成物。 3. 前記変性単量体が、無水マレイン酸であることを
特徴とする1項または2項に記載されたプライマー組成
物。 . (A)変性共重合体70〜95重量%に対し、 (B)ポリエステル樹脂が5〜30重量%であって、 (C)有機溶媒が(A)と(B)の合計5〜80重量%
に対して95〜20重量%である、1項ないし項のい
ずれか1項記載されたプライマー組成物。」に関する。
【0006】
【作用】前記変性単量体が、無水マレイン酸であると、
良好な効果が奏されるので好ましい。また前記ポリエス
テル樹脂はモノエポキシ化合物で変性されたものが好ま
しい。以下、本発明のプライマー組成物について、詳細
に説明する。
【0007】本発明のプライマー組成物の必須成分であ
る変性共重合体は、スチレン・イソプレンブロック共重
合体またはその水素添加物に、モノオレフィンジカルボ
ン酸およびその無水物、ならびにモノオレフィンジカル
ボン酸のモノアルキルエステルから選ばれる少なくとも
1種の変性単量体をグラフト共重合させてなるものであ
る。
【0008】 この変性共重合体の主要構成成分である
スチレン・イソプレンブロック共重合体またはその水素
添加物は、分子中に、1個以上のスチレンに由来する重
合体ブロック〔S〕と、1個以上のイソプレンに由来す
る重合体ブロック〔I〕を共有する共重合体であり、例
えば、下記式: (式中、nは0または1である) で表わされる共重合体またはその水素添加物である。
【0009】このようなスチレン・イソプレンブロック
共重合体は、例えば、米国特許第3265765号明細
書、特開昭61−192743号公報等に記載されてい
る方法によって得られるものが挙げられる。このスチレ
ン・イソプレンブロック共重合体の具体例として、商品
名:カリフレックスTR1107、TR1117(いず
れもシェル化学社製)で市販されているものなどが挙げ
られる。
【0010】また、スチレン・イソプレンブロック共重
合体の水素添加物は、例えば、特公昭42−8704号
公報、特公昭43−6636号公報、特公昭45−20
504号公報、特公昭48−3555号公報等に記載さ
れている方法によって得られるものが挙げられる。この
スチレン・イソプレンブロック共重合体またはその水素
添加物は、得られるプライマー組成物の塗膜の強度およ
び固形分濃度の点から、テトラヒドロフラン溶媒中40
℃でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーを用
いて測定される数平均分子量が、1×10〜18×1
のものが好ましく、特に、1.5×10〜12×
10であるものが好ましい。
【0011】またスチレン・イソプレンブロック共重合
体またはその水素添加物のスチレン含有量は、得られる
プライマー組成物の塗膜の付着性および付着強度、低温
特性、べたつき等の点から、10〜60重量%であるこ
とが好ましく、特に、12〜55重量%であることが好
ましい。
【0012】本発明で用いられる変性共重合体(A)を
得るために、前記スチレン・イソプレンブロック共重合
体に、グラフト共重合される変性単量体は、モノオレフ
ィンジカルボン酸およびその無水物、ならびにモノオレ
フィンジカルボン酸のモノアルキルエステルから選ばれ
る少なくとも1種である。
【0013】該モノオレフィンジカルボン酸としては、
例えば、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グル
タコン酸、3−メチル−2−ペンテン・二酸、2−メチ
ル−2−ペンテン・二酸、2−ヘキセン・二酸等が挙げ
られる。
【0014】また、モノオレフィンジカルボン酸のモノ
アルキルエステルとしては、例えば、前記モノオレフィ
ンジカルボン酸またはその無水物が有するカルボキシル
基の一部がアルキルアルコールによりエステル化されて
なるものなどが挙げられる。このモノオレフィンジカル
ボン酸のモノアルキルエステルは、エステル化率(完全
ジエステル化率を200%とする)が、充分な貯蔵安定
性と良好な耐水性を有する塗膜が得られる点で、好まし
くは45〜100%、さらに好ましくは80〜100%
であるものが望ましい。また、モノアルキルエステルの
アルキル基としては、一般式:C2n+1で表わさ
れるものであり、例えば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基等が挙げられ
る。
【0015】本発明で用いられる変性共重合体(A)の
中でも、変性単量体として、モノオレフィンジカルボン
酸のモノアルキルエステルを有する変性共重合体は、例
えば、モノオレフィンジカルボン酸のモノアルキルエス
テルをスチレン・イソプレンブロック共重合体させる方
法;モノオレフィンジカルボン酸またはその無水物をス
チレン・イソプレンブロック共重合体にグラフト共重合
させてグラフト共重合体を調製した後、このグラフト共
重合体をアルキルアルコールと反応させてグラフト共重
合体が有するカルボキシル基の一部をエステル化する方
法によって製造することが出来る。
【0016】変性共重合体(A)におけるモノオレフィ
ンジカルボン酸およびその無水物、ならびにモノオレフ
ィンジカルボン酸のモノアルキルエステルから選ばれる
少なくとも1種の変性単量体のグラフト量、すなわち変
性共重合体(A)中の含有量は、プライマーとして成形
品に塗布して塗料の付着性が高い塗膜が得られ、また、
該塗膜と成形品との付着性も良好で、外観が良好となる
プライマー組成物が得られる点で、0.05〜20重量
%、好ましくは0.2〜18重量%である。
【0017】前記スチレン・イソプレンブロック共重合
体に、モノオレフィンジカルボン酸およびその無水物、
ならびにモノオレフィンジカルボン酸のモノアルキルエ
ステルから選ばれる少なくとも1種の変性単量体をグラ
フト共重合させる方法としては、種々の公知の方法が挙
げられる。例えば、スチレン・イソプレンブロック共重
合体を有機溶媒に溶解し、前記変性単量体およびラジカ
ル重合開始剤を添加して加熱、撹拌してグラフト共重合
反応させる方法;スチレン・イソプレンブロック共重合
体を加熱して溶融し、得られる溶融物に変性単量体およ
びラジカル重合開始剤を添加し、撹拌してグラフト共重
合反応させる方法;スチレン・イソプレンブロック共重
合体、変性単量体およびラジカル重合開始剤を予め混合
し、得られる混合物を押出機に供給して加熱混練しなが
らグラフト共重合反応させる方法;粉末状のスチレン・
イソプレンブロック共重合体に、変性単量体およびラジ
カル重合開始剤を有機溶媒に溶解してなる溶液を含浸さ
せた後、粉末状のスチレン・イソプレンブロック共重合
体が溶解しない最高の温度まで加熱し、グラフト共重合
反応させる方法などが挙げられる。
【0018】このとき、ラジカル重合開始剤/変性単量
体の使用割合は、通常、モル比で、1/100〜3/
5、好ましくは1/20〜1/2の範囲である。反応温
度は、50℃以上、特に80〜200℃の範囲が好適で
あり、反応時間は2〜10時間程度である。反応方式
は、回分式、連続式のいずれでもよいが、グラフト共重
合を均一に行なうためには回分式が好ましい。
【0019】上記グラフト共重合に用いられるラジカル
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルペルオキシ
ド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオ
キシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−
3、1,4−ビス(t−ブチルベルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキシン
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオ
キシ)−ヘキサン等の有機ペルオキシド;t−ブチルペ
ルアセテート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチ
ルペルフェニルアセテート、t−ブチルペルイソブチレ
ート、t−ブチルペル−sec−オクトエート、t−ブ
チルペルピバレート、クミルペルピバレート、t−ブチ
ルペルジエチルアセテート等の有機ペルエステル;アゾ
ビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチロニト
リル等のアゾ化合物等が挙げられる。これらのうちで
は、有機ペルオキシドおよび有機ペルエステルが好まし
く、特に、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)−ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン、1,4−
ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等
のジアルキルペルオキシドが好ましい。
【0020】本発明のプライマー組成物は、前記変性共
重合体(A)に加えて、さらにポリエステル樹脂を含む
ものである。
【0021】ポリエステル樹脂(B)は、従来から公知
のものであり多塩基酸と多価アルコールとのエステル化
反応物又はエステル交換反応物である。具体的には、多
塩基酸、例えば(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、(無水)マレイン
酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)トリメリット
酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼ
ライン酸、ドデカンジカルボン酸、イソフタル酸ジメチ
ル、テレフタル酸ジメチル等の1分子中に2〜4個のカ
ルボキシル基又はカルボン酸メチルエステル基を有する
化合物と多価アルコール、例えばエチレングリコール、
プロピレングリコール、ネオペンチルグルコール、1,
6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ト
リシクロデカンジメタノール等の分子中に2〜6個の水
酸基を有するアルコールとをエステル化反応又はエステ
ル交換反応させることにより得られる。
【0022】ポリエステル樹脂(B)は、未変性でも使
用することが出来るが、顔料の分散性を向上させること
から油脂又は脂肪酸例えば、アマニ油、サフラワー油、
大豆油、ゴマ油、エノ油、麻実油、ブドウ核油、キリ
油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、綿実油、クルミ油、
ゴム種油、オイチシカ油、魚油及びこれらの脂肪酸;ハ
イジエン脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油(又は
脂肪酸)等の(半)乾性油脂肪酸で変性することが好ま
しい。さらに、ポリエステル樹脂(B)は、脂肪酸等で
変性する以外にモノエポキシ化合物で変性することによ
っても顔料の分散性を大巾に向上させることが出来る。
【0023】モノエポキシ化合物としては、1分子中に
1個のエポキシ基(グリシジル基も含む)を有する化合
物であって、例えば、エチレンオキサイド、ブチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、
【0024】
【化1】
【0025】(RはC〜C30の直鎖状アルキル基)
などのα−オレフィンオキサイド;ブチルグリシジルエ
ーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのグリシジル
エーテル類;カージュラE(シェル化学株式会社製、商
品名、第3級脂肪酸であるバーサティック酸のグリシジ
ルエステル)、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレートなどのグリシジルエステル:などが挙げら
れ、このうち特にカージュラE、
【0026】
【化2】
【0027】(RはC〜C30の直鎖状アルキル基)
などが好ましい。
【0028】モノエポキシ化合物によるポリエステル樹
脂の変性は、酸価を有するように調製したポリエステル
樹脂中のカルボキシル基とモノエポキシ化合物中のエポ
キシ基との付加反応によって行われる。この付加反応を
促進するため触媒を使用することが好ましく、このよう
な触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミンなどの第3級アミン類;ピリジン、イソ
キノリン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N−
(β−ヒドロキシエチル)アミンなどの塩基性化合物;
臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルア
ンモニウムなどの第4級アンモニウム塩;SnCl
BF、AlCl、ルイス酸、HBrなどのプロトン
酸;等が挙げられる。
【0029】ポリエステル樹脂へのモノエポキシ化合物
の付加は、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液または分散
液に、触媒とともにモノエポキシ化合物を混合し、撹拌
しながら約90〜130℃に加熱することによって行な
われる。モノエポキシ化合物は、この付加反応生成物中
に1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%、さらに
好ましくは5〜20重量%含有するようにすることが好
ましい。1重量%以下では貯蔵安定性が向上せず、50
重量%以上であると耐水性、付着性が低下する傾向があ
る。本発明のプライマー組成物は、前記変性共重合体
(A)及びポリエステル樹脂(B)に加えて、さらに有
機溶媒(C)を含むものである。
【0030】用いられる有機溶媒としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化
水素;シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロ
ヘキサン等の脂環式炭化水素;エタノール、イソプロパ
ノール等の脂肪族アルコール;アセトン、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢
酸エチル等のエステル系溶媒;トリクロルエチレン、ラ
ヒクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン
等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらは1
種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。これらの
中でも、芳香族系炭化水素が好ましく、特にアルキル基
置換芳香族系炭化水素が好ましい。
【0031】本発明のプライマー組成物における変性共
重合体(A)とポリエステル樹脂(B)の配合割合は、
(A)70〜95重量%に対して(B)5〜30重量
%、好ましくは(A)80〜90重量%に対して(B)
10〜20重量%である。また、有機溶媒(C)の配合
割合は(A)と(B)の合計5〜80重量%に対して
(C)95〜20重量%の範囲である。
【0032】本発明のプライマー組成物は、上記
(A)、(B)及び(C)成分を主成分とするが、さら
に顔料、導電性粉末、顔料分散剤、可塑剤、界面活性
剤、たれ防止剤、塗面調整剤、耐候性改良剤などから選
ばれた1種もしくは2種以上を配合することが出来る。
使用される顔料としては、通常の塗料に配合されている
着色顔料、防食顔料、体質顔料、金属感顔料などが使用
できるが、例えば着色顔料としてチタン白、カーボンブ
ラックなど、防食顔料として亜鉛末、亜鉛化鉛、クロム
酸鉛、クロム酸亜鉛など、体質顔料としてアスベスト、
タルク、クレーなど、金属感顔料としてアルミニウム
粉、雲母状酸化鉄などの顔料を配合することが好まし
い。
【0033】導電性粉末は、本発明のプライマー組成物
を塗布した塗膜上に中塗り塗料もしくは上塗り塗料を静
電塗装機で容易に塗装可能にする。導電性粉末として
は、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック
などの導電性カーボン粉末;ニッケル、アルミニウム、
銀、銅などの導電性金属粉末;酸化亜鉛、酸化錫、酸化
タングステン、ニッケルコート雲母などの半導体粉末;
などが挙げられる。導電性粉末の配合量は、中塗りもし
くは上塗り塗料の静電塗装を可能にするために、本発明
の塗料被膜の体積固有抵抗値を10Ω・cm以下、特
に10Ω・cm以下になるようにすることが好まし
い。
【0034】本発明のプライマー組成物は、上記の顔料
や導電性粉末の分散性およびその後の貯蔵安定性が優れ
ているために、顔料や導電性粉末をそのまま混合、分散
することが出来る。また、予め顔料を顔料分散性に優れ
るポリエステル樹脂(B)で分散してから他の成分と混
合することによってプライマー組成物を調製することが
出来る。本発明のプライマー組成物の調製は、例えば上
記各成分をボールミル、ロール、アトライター、ディゾ
ルバーなどを用いて混合、分散することによって行なわ
れる。
【0035】本発明のプライマー組成物は、金属、プラ
スチック、ガラス、木材、無機質材料などの部材に直
接、またはこれらの部材に下塗り塗料またはさらに中塗
り塗料を塗装した塗膜面などに塗装して、他の塗膜との
付着性などを向上させる。本発明のプライマー組成物の
塗装方法は特に制限されず、例えば、スプレー塗装、静
電塗装、浸漬塗装、カーテンフローコーター、流し塗
り、ハケ塗り等によって塗装できる。塗装膜厚は通常3
〜50μの範囲が好ましく、塗膜の乾燥は常温で放置す
るかまたは加熱することによって行なわれ、加熱温度
は、被塗物、被塗面および本発明のプライマー組成物の
いずれかが変形、劣化しない程度の温度以下であれば特
に限定されない。本発明のプライマー組成物は、付着
性、剥離強度および耐水性に優れる特徴を生かして、金
属、プラスチック等のプライマーとしての用途以外に
も、接着剤等の用途に適用可能なものである。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
より何等限定されるものではない。
【0037】製造例1 変性共重合体の製造 反応器に、スチレン90gおよびベンゼン140gを仕
込み、40℃に昇温した後、sec−ブチルリチウム
0.003モルを加えて、温度を40℃に保持して、全
スチレンを重合させた。次に、反応器に新たにイソプレ
ン420gを加え、さらに40℃で全イソプレンを重合
させた。その後、さらに、スチレン90gを新たに加
え、40℃で全スチレンを重合させてスチレン・イソプ
レン・スチレンブロック共重合体を得た。得られたスチ
レン・イソプレン・スチレンブロック共重合体のスチレ
ン含有量およびヨウ素を測定したところ、それぞれ30
重量%、272gI/100gであった。ついで、得
られたスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体をシクロヘキサンに溶解して、濃度が10重量%の溶
液を調製した。この溶液に、スチレン・イソプレン・ス
チレンブロック共重合体1g当たり0.5gの割合の量
のニッケル触媒を担持したケイソウ土を加えて、35K
g/cmの水素圧下に145〜155℃で13時間反
応させ、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重
合体の水素添加物を得た。得られたスチレン・イソプレ
ン・スチレンブロック共重合体の水素添加物の数平均分
子量およびヨウ素価を測定したところ、それぞれ4.6
×10、3.6gI/100gであった。上記で得
られたスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物250重量部およびトルエン500重量
部を撹拌装置を備えた容量151の加圧反応器に仕込
み、、撹拌しながら加熱して145℃まで昇温して、ス
チレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素
添加物をトルエンに溶解させた。次に、無水マレイン酸
23gをトルエン100mlに溶解してなる溶液と、ジ
−t−ブチルパーオキシド8gをトルエン50mlに溶
解してなる溶液を、同時に4時間かけて滴下した。滴下
終了後、温度を145℃に保って2時間反応させた。反
応終了後、反応混合物に大過剰のアセトンを加えて、生
成した変性共重合体を析出、瀘別し、アセトンで繰返し
洗浄した後、減圧乾燥して変性共重合体を得た。得られ
た変性共重合体の無水マレイン酸の含有量(グラフト
量)を測定したところ、4.2重量%であった。
【0038】製造例2 カージュラE変性ポリエステル
の製造 反応器に、トリメチロールプロパン59重量部、トリメ
チロールエタン70重量部、無水フタル酸490重量
部、カージュラE(シェル化学株式会社製 バーサティ
ック酸のグリシジルエステル)600重量部及びキシレ
ン60重量部を仕込み、190〜200℃で90分間反
応を行ない、さらに温度を220℃まで45分間かけて
昇温し、同温度で60分間反応を行なった。ついで、反
応生成物を石油系溶剤で不揮発分70重量%に調整し
て、ガードナー粘度(25℃)Y〜Z、酸価6のカー
ジュラ変性ポリエステル樹脂溶液を得た。
【0039】実施例1 製造例1で得られた変性共重合体をトルエンで希釈した
固形分10重量%溶液900重量部及び製造例2で得ら
れたポリエステル樹脂の70重量%溶液14.3重量部
に、チタン白(テイカ社製、商品名 R−603)80
重量部とカーボンブラック(三菱化成社製 商品名 H
A−100)2重量部を加えてシエーカで60分間分散
して得られた顔料ペースト996.3重量部からなる組
成物をトルレンで希釈して固形分18.3重量%のプラ
イマー組成物を得た。このプライマー組成物を表面処理
を施した鋼板及びトリクレンで脱脂処理したプロピレン
・エチレン共重合体の射出成型品に、スプレーガンを用
いて乾燥膜厚が11μmになるように塗布してプライマ
ー塗膜を形成した。ついで、その上に上塗塗料(関西ペ
イント社製 ソフレックス#1200ホワイト)を乾燥
膜厚60μmになるように塗布し、120℃で30分間
焼付処理を行なった。その後、仕上り外観、付着性試
験、耐水性、耐衝撃性及び鮮映性の試験を行なった。ま
た、プライマー組成物の顔料沈降性についても試験を行
なった。試験結果を後記表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1で用いたポリエステル樹脂の代わりに、ヤシ油
変性短油アルキド樹脂を用いる以外は実施例1と同様に
してプライマー組成物を調整し、試験に供した。結果を
表1に示す。
【0041】比較例1 実施例1で用いた顔料をポリエステル樹脂に分散して配
合せず、変性共重合体とシエカーで直接混合分散を行な
う以外は実施例1と同様にしてプライマー組成物を調製
し、試験に供した。結果を表1に示す。性能試験は下記
の方法に従って評価した。
【0042】貯蔵安定性:プライマー組成物を密閉容器
に入れ、30℃で10日間貯蔵した後の状態を調べた。
( )内は粒ゲージで測定した値である。 ○ 全く異常なし △ 顔料が少し凝集し、沈降が認められる 仕上り外観:昼光色螢光灯500ルックス以上の明るさ
の下で被検査面から50cmはなれた位置から肉眼で外
観検査を行なった。
【0043】付着性:JISK5400 に記載されて
いる碁盤目試験の方法に準じて、碁盤目を付けて試験片
を作製し、粘着テープ(ニチバン株式会社製、セロハン
テープ)を試験片の碁盤目上に張り付けた後、これを速
やかに90゜の方向に引っ張って剥離させ、碁盤目10
0個の内で剥離されなかった碁盤目の個数を数え、付着
性の指標とした。
【0044】耐衝撃性:JIS K 5400−197
9 6.13.3B法に準じて、−20℃の雰囲気下に
おいて、重さ50gのおもりを50cmの高さから落下
して塗膜の損傷を調べた。 ○ 異常なし △ ワレ、はがれが少し発生
【0045】鮮映性:鮮明度光沢度計(東京光電株式会
社製、pgd−4型)を用いて評価した。
【0046】
【発明の効果】本発明のプライマー組成物は、金属なら
びに樹脂成形品との付着性に優れるため、これらの基材
の表面に下塗りして充分な密着性を有するプライマー塗
膜を形成することが出来る。さらに本発明のプライマー
組成物は、顔料の分散安定性に優れ、貯蔵中に顔料の凝
集、沈降が起こらないため、これを基材に塗布してなる
塗膜及びさらにその上に塗料を塗布してなる塗膜の仕上
り外観が顕著に改善される。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 151/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン・イソプレンブロック共
    重合体またはその水素添加物に、モノオレフィンジカル
    ボン酸およびその無水物、ならびにモノオレフィンジカ
    ルボン酸のモノアルキルエステルから選ばれる少なくと
    も1種の変性単量体を0.05〜20重量%含むように
    グラフト共重合させてなる変性共重合体、 (B)1〜50重量%のモノエポキシ化合物を付加反応
    して含有するエポキシ変性ポリエステル樹脂、及び (C)有機溶媒、 を含有することを特徴とするプライマー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)スチレン・イソプレンブロック共
    重合体が、スチレン含有量10〜60重量%の共重合体
    である、請求項1に記載されたプライマー組成物。
  3. 【請求項3】 前記変性単量体が、無水マレイン酸であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載されたプラ
    イマー組成物。
  4. 【請求項4】 (A)変性共重合体70〜95重量%に
    対し、 (B)ポリエステル樹脂が5〜30重量%であって、 (C)有機溶媒が(A)と(B)の合計5〜80重量%
    に対して95〜20重量%である、請求項1ないし
    いずれか1項記載されたプライマー組成物。
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