JP3190828B2 - 水質浄化方法 - Google Patents

水質浄化方法

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伴治 高島
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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水質の浄化技術に
関し、特に水域に植栽した植物を利用することで水質浄
化を行なう技術に関する。
【0002】
【従来の技術】植物を利用して水質の浄化を行なう方
法、つまり植生浄化方法は、自然の持つ水質浄化機能を
利用する省エネルギー的方法であるだけでなく、植栽植
物により潤いのある景観の創出に役立ち、有望な水質浄
化方法の一つとして広く注目を集めている。しかし、一
部の地域で行なわれている試験的な実施を除き、広く普
及するまでに至っていない。それにはいくつかの理由が
考えられるが、主なものとして、第1に、施設の単位面
積当たりの浄化効率が低いために広い施設面積を必要と
すること、第2に植物の枯死・分解に伴う窒素や燐など
の富栄養化成分の回帰を防ぐために植物の回収を必要と
するので、維持管理の負担が大きいことが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような事情を背景
になされたのが本発明で、植生浄化方法における浄化効
率を高めると共に、植物の回収を行なわずとも植物の枯
死などによる富栄養化成分の回帰の問題を効果的に解消
させることができ、しかも植栽植物による景観創出性を
より一層効果的なものとすることのできる水質浄化方法
の提供を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による水質浄化方
法は、浄化対象水に水深の浅い水域を形成させ、この水
域に植栽した植物を利用して水質浄化を行なうことを基
本とし、溶存酸素を増加させた浄化対象水を水底の土壌
中に注水することで土壌中を上昇させて水域に供給する
ことを特徴としている。
【0005】この水質浄化方法は、植物による浄化機能
自体を向上させることができることに加えて、土壌トレ
ンチ的な浄化と脱窒菌による浄化とが組み合わさって機
能することにより、高い浄化効率を実現できる。植物に
よる浄化機能は、植物が窒素や燐を吸収することと、植
物の茎などに付着した微生物による有機物の分解とによ
り得られ、特に植物が根を張っている土壌中を浄化対象
水が上昇流で通水することから、植物による吸収効率を
高めることができ、それだけ浄化効率を向上させること
ができる。一方、土壌トレンチ的な浄化機能は、浄化対
象水が土壌中を上昇することで得られる。また脱窒菌に
よる浄化機能は、水底土壌の表面近くで生じる嫌気状態
を利用して生じる。すなわち高溶存酸素の浄化対象水が
土壌中を上昇する途中で植物の根による酸素の消費や土
壌微生物による酸素の消費などで徐々に嫌気化し、土壌
表面近くでは水田などにおけると同様に高い嫌気状態と
なり、この嫌気状態下で活動する脱窒菌により脱窒がな
される。そしてこの脱窒菌の活動域を浄化対象水が下方
から上昇して通過することになるので、より効率的に脱
窒を行なわせることができる。
【0006】また土壌表面近くでの脱窒菌による脱窒に
ついては、植物の枯死体が脱窒菌の活動を助ける基質と
なる。すなわち本発明の水質浄化方法では、植物が枯死
しても、その枯死体が土壌表面近くでの脱窒を助けるの
に働き、植物の枯死・分解に伴う窒素の回帰量を上回る
脱窒を行なうことができる。このため植物の回収を行な
わずに済ませることができる。
【0007】さらに本発明の水質浄化方法では、利用で
きる植物の種類を多様化させることができる。すなわち
従来の植生浄化方法では抽水植物や浮遊性植物などの水
性植物のみしか利用することができなかっが、本発明の
水質浄化方法では、高溶存酸素の浄化対象水を植物が根
を張らせる土壌中に注水するようにているので、土壌に
冠水させた条件の下でも植物に根から必要な酸素を吸収
させることができ、水性植物以外の植物でも植栽が可能
となり、利用できる植物の多様化を図れる。本発明によ
る水質浄化方法で利用可能と植物としては、水性植物の
他に例えばクリンソウ、エンコソウ、チョウジソウ、ヨ
メナなど、美しい花を咲かせる湿地性の植物を挙げるこ
とができ、このような植物を用いることで、植栽植物に
よる景観創出性をより一層効果的なものとすることがで
きる。
【0008】上記のような水質浄化方法については、水
底の土壌中に導水管を埋設し、この導水管を介して土壌
中への注水を行なうようにするのが好ましい。このよう
にすることで、より制御された状態で浄化対象水を土壌
中に注水することができ、植物の根への酸素の供給や土
壌表面での嫌気状態の形成をより好ましい条件で実現す
ることができる。
【0009】また上記のような水質浄化方法について
は、燐に対し吸着能を持つ吸着剤を水底の土壌に混入さ
せるようにすることもできる。このようにすることで、
脱燐機能を高めることができ、浄化効率をさらに向上さ
せることができる。
【0010】
【実施の形態】以下本発明の一実施形態を説明する。本
実施形態で用いる水質浄化システムは、図1及び図2に
示すような構造とする。具体的には、例えば50cm弱
程度の深さに掘った穴の底に遮水シート1を全面的に敷
き詰めて漏水を防止する。遮水シート1の上には160
mm程度の厚みで湛水層2を設ける。湛水層2は、第1
層2a、第2層2b、及び第3層2cからなる3層構造
とし、第1層2aと第2層2bの間に生物膜形成用の管
材3を埋設する。第1層2aは、ゼオライトやバーミュ
キュライトなどのアンモニア態窒素(NH4 + )に対し
吸着能を持つ鉱物の粗粒を用いて形成し、第2層2b
は、2〜3cm程度の大きさの珪石と目の粗い木炭との
重量比9:1の混合物を用いて形成し、第3層2cは、
第2層2bと同様な珪石と目の細かい木炭との重量比
7:3の混合物を用いて形成する。そしてこの湛水層2
の上に150mm程度の厚みで土壌層4を設ける。
【0011】土壌層4は、穴から掘り出した土壌に改質
材を重量比8:2で混ぜ合わせたものを用いて形成す
る。改質材は、花崗土(真砂土)、酸化鉄、ケイ酸カル
シウム、リン酸カルシウム、木酢液コーティングの木炭
粉、及びエチレン・ジアミン・テトラ酢酸を含む組成と
する。この改質材が含む木炭粉は、植物の根の成長を促
進させるのに働き、またケイ酸カルシウムとリン酸カル
シウムは燐の吸着に機能し、エチレン・ジアミン・テト
ラ酢酸はキレート剤で、鉄とキレートを形成し、植物に
よる窒素の吸収を促進させるのに機能する。
【0012】また土壌層4には、導水管5と給気管6を
適当な間隔で埋設する。導水管5は、外部から導水した
浄化対象水を土壌層4にその底部近辺から上方に向けて
注水できるような構造とする。また給気管6は、外部か
ら供給する空気を土壌層4中の浄化対象水と接触させる
ことができるように、通気性は持つが水は通さない構造
とする。具体的には、メッシュ構造の筒を不織布で覆っ
た構造とする。
【0013】以上のような水質浄化システムで水質浄化
を行なうには、自然曝気や強制曝気により溶存酸素量を
十分に高めた浄化対象水を落差などの利用で導水管5に
供給する。導水管5からは浄化対象水が土壌層4中に上
昇流となるようにして注水される。土壌層4に注水され
た浄化対象水は、上記のように予め高められている溶存
酸素と給気管6により供給される空気とで土壌層4を上
昇する間に植物7の根に酸素を供給してその生育を助け
ると共に、土壌層4による土壌トレンチ的な浄化作用や
植物7による窒素や燐の吸収、さらに土壌層4による燐
の吸着を受けて浄化される。この間に浄化対象水中の溶
存酸素濃度が徐々に減少し、土壌層4の表層においては
高い嫌気状態となる。そのため土壌層4の表層では脱窒
菌が活発に活動して脱窒作用が行なわれ、さらに窒素が
減少させられる。そしてこのようにして窒素や燐の除
去、それに有機物の除去がなされて浄化されつつ土壌層
4を透過した浄化対象水は、土壌層4の上で10cm程
度の水深の水域を形成し、植物7の茎などに付着した微
生物による浄化作用をさらに受けつつ外部に放流され
る。
【0014】一方、湛水層2では、土壌層4に比べ極め
て緩やかに浄化対象水が循環することになり、上方では
好気的であるが下方の層では嫌気状態を形成している。
そしてこのような条件の下で、管材3における生物膜に
よる浄化作用がなされ、また嫌気条件によりアンモニア
態となった窒素が第1層2aにおけるゼオライトやバー
ミュキュライトなどにより吸着除去される。なおこの湛
水層2は、その機能が土壌層4などの機能に対し補助的
なものであり、必ずしも設ける必要はない。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、植
生浄化における施設単位面積当たりの浄化効率を改善で
きると共に、植物の回収問題を解消させることができ、
しかも植栽植物の多様化を図ることもでき、植生浄化の
有用性を大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態で用いる水質浄化システムの構造を
模式的に示す断面図。
【符号の説明】
4 土壌層 5 導水管 7 植物

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化対象水に水深の浅い水域を形成さ
    せ、この水域に植栽した植物を利用して水質浄化を行な
    う水質浄化方法において、溶存酸素を増加させた浄化対
    象水を水底の土壌中に注水することで土壌中を上昇させ
    て水域に供給するようにしたことを特徴とする水質浄化
    方法。
  2. 【請求項2】 水底の土壌中に埋設した導水管を介して
    土壌中への注水を行なうようにした請求項1に記載の水
    質浄化方法。
  3. 【請求項3】 燐の吸着剤を水底の土壌に混入させるよ
    うにした請求項1又は請求項2に記載の水質浄化方法。
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