JP3190633B2 - 圧電アクチュエ−タ - Google Patents

圧電アクチュエ−タ

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JP3190633B2
JP3190633B2 JP37091798A JP37091798A JP3190633B2 JP 3190633 B2 JP3190633 B2 JP 3190633B2 JP 37091798 A JP37091798 A JP 37091798A JP 37091798 A JP37091798 A JP 37091798A JP 3190633 B2 JP3190633 B2 JP 3190633B2
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陽子 鈴木
和夫 谷
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樹 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電素子を用い
た屈曲変位機構により駆動を行うものであって、小型化
しても安定的に駆動することができる圧電アクチュエー
タおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般的な圧電アクチュエータ
として、駆動源として圧電素子を用い、弾性体よりなる
振動体の表面に移動体を加圧接触させて駆動するものが
知られている。その一例としては、特開平7−1843
82号公報に記載の、物体を移動させるマイクロモータ
が挙げられる。これを含めて従来の圧電アクチュエータ
では、圧電素子にはPZTを、加工方法などの点から弾
性体には金属を、移動体の摺動面には耐摩耗性の優れた
摩擦材を使用して構成したものが多い。
【0003】つぎに、圧電アクチュエータの動作原理を
説明する。駆動用に分極された圧電素子を方形の振動体
の一方の面に設け、圧電素子に周期的に電界を印加す
る。これにより、圧電素子に縦振動および撓み振動して
前記振動体全体に伝搬し、印加した電界の位相差から進
行波が発生する。この進行波は、振動体の厚みにより上
下運動を横方向運動に変換することで、振動体表面に楕
円運動を起こす。この振動体に移動体を加圧接触する
と、移動体と振動体との間の摩擦力によって振動体表面
の横方向運動が移動体に伝えられ、移動体が前記横方向
に移動する。
【0004】上記圧電アクチュエータは、構造が簡単
で、アクチュエータサイズに対する発生力が大きいこ
と、応答性に優れ、非磁性材料で構成できること等
の特徴を持っている。また、上記従来の圧電アクチュエ
ータでは、振動体の上下振動振幅値が数ミクロンの極め
て小さな値であるため、移動体と接触する振動体の表
面に突起をつくり振動を効率よく直線運動に伝達するこ
と、移動体との接触圧力を大きくすること等の方策に
より、発生出力や移動速度を向上を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の圧電アクチュエータをそのまま小型化した場合、つ
ぎのような問題点が生じる。 (1) 移動体と接触する微小突起部の作成が困難であ
る。 (2) 突起部先端に高い加工精度が要求される。 (3) 圧電素子の体積が小さくなるため、発生力が小
さくなる。 (4) 振動体の曲げ剛性が圧電素子の発生力に比べて
大きいため、振動振幅と移動速度との間の変換効率が低
下する。 このため、そのまま小型化したのでは期待できる機能を
実現できないことになる。
【0006】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、小型化しても安定的に駆動することが
できる圧電アクチュエータおよびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る圧電アクチュエータは、平板状の
振動体と、この振動体に形成され、一端自由他端固定と
した変位機構部と、この変位機構部に設けた圧電素子
と、前記振動体の変位機構部に接触または近接させた移
動体と、を備えたものである。
【0008】圧電素子に電圧を印加すると、電歪効果に
より変位機構部が屈曲する。このため、変位機構部の先
端付近が移動体と接触する。或は、変位機構部と移動体
が接触している場合には、変位機構部の先端が移動体に
対して積極的に押し当てられる。この屈曲の横方向成分
が、移動体と変位機構部と間の摩擦力により伝播する。
この接触が連続的に行われることにより、移動体が移動
することになる。この圧電アクチュエータは、平板形状
の振動体に変位機構部を設け、この変位機構部との摩擦
力を駆動力として移動体を移動する構成であるから、小
で薄型にできる。また、変位機構部を薄い平板形状で構
成するから、曲げ剛性を小さくでき、振動振幅および移
動速度間の変換効率が向上する。
【0009】また、請求項2に係る圧電アクチュエータ
は、平板状の振動体と、この振動体に形成され、一端自
由他端固定とした変位機構部と、この変位機構部に設け
られ表面に電極を設けた圧電素子と、前記振動体の変位
機構部に接触または近接させた移動体と、圧電素子に所
定周波数の電力を供給する電源と、を備えたものであ
る。
【0010】上記したように、圧電素子を連続的に屈曲
させることにより、移動体を移動させることができる。
このため、電源は、圧電素子に所定周波数の電力を供給
しなければならない。所定周波数は、パルス状であって
もよい。変位機構部の屈曲回数および振動振幅により移
動体の移動量が決まるから、電源からの供給する電力に
よって移動量を制御できる。
【0011】また、請求項3に係る圧電アクチュエータ
は、任意の固定体に載置する平板状の振動体と、この振
動体に形成すると共に一端自由他端固定とし、この自由
端部が前記固定体に接触または近接する変位機構部と、
この変位機構部に設けた圧電素子と、を備えたものであ
る。
【0012】圧電素子に電圧を印加すると、圧電素子の
電歪効果により変位機構部が屈曲する。このため、変位
機構部の先端付近が固定体と接触する。或は、変位機構
部と固定体が接触している場合には、変位機構部の先端
が固定体に対して積極的に押し当てられる。この屈曲の
横方向成分が摩擦力となって、振動体自体を固定体に対
して相対移動させる。この接触が連続的に行われること
により、振動体自体が移動する。
【0013】また、請求項4に係る圧電アクチュエータ
は、移動体に加圧接触する平板状の振動体と、この振動
体に形成すると共に一端自由他端固定とし、この自由端
部が前記移動体に接触または近接する変位機構部と、こ
の変位機構部に設けた圧電素子と、を備えたものであ
る。
【0014】圧電素子の電歪効果により変位機構部を屈
曲させると、振動体に加圧接触する移動体に、変位機構
部の一部が接触する。既に接触しているときは、積極的
に押し当てられることになる。このため、変位機構部の
屈曲の横方向成分が摩擦力により移動体に伝播し、当該
移動体が搬送される。移動体は、例えばテレフォンカー
ドのようなカード状のものでも、煙草のような箱状のも
のであってもよい。
【0015】また、請求項5に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、移動体若しくは
固定体または移動体の接触面に対する変位機構部の投影
面積に対し、前記接触面に対する接触面積を小さくした
ものである。
【0016】構造上、この圧電アクチュエータは剛性が
低いため、振動体加工時に微小な残留応力が発生した
り、アクチュエータ駆動時および設置時における外力等
により塑性変形が発生する。この塑性変形は微小である
ため、完全に取り除くことは不可能であり、最も剛性の
低い変位機構部の固定端部に発生し、自由端部が変位す
ることが多い。また、この圧電アクチュエータは、変位
機構部と移動体等との摩擦力が駆動力となるため、安定
駆動には変位機構部と移動体等とが一定領域で接触する
のが好ましい。この請求項5に係る発明では、移動体等
との接触面に対する変位機構部の投影面積に対し、前記
接触面との接触面積を小さくすることで、接触面との接
触領域を指定できると共に接触圧力を大きくするように
した。このため、圧電アクチュエータを安定駆動するこ
とができる。
【0017】また、請求項6に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、前記変位機構部
の全部または固定端部を含む一部の断面を略凸形状にし
たものである。
【0018】移動対等に対する変位機構部の投影面積よ
りも、前記接触面に対する接触面積を小さくするには、
例えば、変位機構部の断面を略凸形状にすればよい。こ
れにより、変位機構部の頂部にて、前記移動体等と接触
することになる。また、固定端部を含んだ一部断面を略
凸形状にすることにより、当該固定端部の弾性が大きく
なり、変位機構部における微小塑性変形の影響を緩和す
ることができる。また、略凸形状への加工過程にて残留
応力を除去することができる。略凸形状の具体例として
は、三角形、台形、かまぼこ形などを挙げることができ
る。
【0019】また、請求項7に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、前記変位機構部
をL字形状とし、短辺を固定端部とし長辺を自由端部と
したものである。
【0020】変位機構部をL字形状にすることで、自由
端部の振動をより大きくすることができる。このため、
移動体等の移動量を大きくすることができる。
【0021】また、請求項8に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、前記変位機構部
を複数形成し、一部の変位機構部を他の変位機構部と逆
方向に形成したものである。
【0022】変位機構部を逆方向に形成し、一方向の変
位機構部と逆方向の変位機構部を切り替えて駆動する
と、移動体等を往復運動させることができる。
【0023】また、請求項9に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、前記変位機構部
を複数形成し、一部の変位機構部をX方向に、他の変位
機構部をY方向に形成したものである。
【0024】XY方向に変位機構部を形成することによ
り、移動体等をXY方向に位置決め移動させることがで
きる。XYステージなどに有用である。
【0025】また、請求項10に係る圧電アクチュエー
タは、上記圧電アクチュエータにおいて、X方向または
Y方向において変位機構部を正逆方向に形成すると共に
これら変位機構部を同一直線上からずらして形成したも
のである。
【0026】変位機構部を同一直線上からずらして形成
すれば、正逆方向に形成した変位機構部による駆動方向
がずれるから、移動体等が回転運動する。
【0027】また、請求項5に係る圧電アクチュエータ
は、上記圧電アクチュエータにおいて、前記移動体を揺
動軸を中心に軸支したものである。
【0028】移動体を軸支することにより、当該移動体
の移動が規制され、変位機構部による駆動によって移動
体が揺動することになる。
【0029】また、請求項12に係る圧電アクチュエー
タは、上記圧電アクチュエータにおいて、粗動用の変位
機構部と、粗動用の変位機構部より小さいサイズとした
微動用の変位機構部とを設けたものである。
【0030】大きなサイズの変位機構部を駆動させる
と、大きな振動が得られるから、移動体等を粗動させる
ことができる。小さなサイズの変位機構部を駆動させる
と、小さな振動になるから移動体等を微動させることが
できる。この圧電アクチュエータは、例えばハードディ
スク装置のシーク・トラッキング制御に有用である。
【0031】また、請求項13に係る圧電アクチュエー
タの製造方法は、平板状の振動体上にフォトエッチング
を用いて一端自由他端固定とした変位機構部を形成する
と共に、前記振動体の結晶方位による溶解度の差を利用
して変位機構部の表面に傾斜部を形成したものである。
【0032】また、請求項14に係る圧電アクチュエー
タの製造方法は、フォトエッチング技術と電鋳技術とを
組み合わせ、平板状の振動体上に一端自由他端固定とし
た断面略蒲鉾形状の変位機構部を形成するようにしたも
のである。
【0033】このようにな微細加工技術を用いて変位機
構部を形成すれば、残留応力や塑性変形を抑制できると
共に、容易且つ高精度に変位機構部を形成できる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
【0035】実施の形態1.図1は、本発明の第1の実
施例に係る圧電アクチュエータを示す斜視図である。こ
の圧電アクチュエータは、振動体となる駆動ブロック1
1と、圧電素子14a〜14fと、圧電素子14a〜1
4fに対し電気的に接合した電極15a〜15fと、駆
動ブロック11に対し電気的に接合した電極16とを備
えている。駆動ブロック11の内部には、U字やコの
字、或はC字形などの穴12a〜12fによって変位機
構部13a〜13fが切り出されている。この変位機構
部13a〜13fには、それぞれ圧電素子14a〜14
fが設けられている。この圧電素子14a〜14fに
は、電極15a〜15fが設けられている。また、電極
15a〜15fにはドライバー19を、ドライバー19
には信号発生器20を接続すると共に電極16を接地す
る。
【0036】つぎに、圧電素子14a〜14fの接合面
を下にして、駆動ブロック11の上側に移動体17を設
置する。移動体17と駆動ブロック11とは、当該移動
体17の自重により加圧接触する。変位機構部13a〜
13fは、駆動ブロック11に対して自由に可動する自
由端部と、駆動ブロック11に固定された固定端部とを
有する。また、変位機構部13a〜13fは、駆動ブロ
ック11の内部に存在し、駆動ブロック11に対して突
起部分を持たない。そして、駆動ブロック11上の変位
機構部13a〜13fは、その形成方向(固定端部から
自由端部の方向)が全て同じに揃えてある。
【0037】信号発生器19から出力した交流電圧をド
ライバー20に入力する。ドライバー20は、入力電圧
を増幅すると共に複数ある電極15a〜15fの一部ま
たは全部を選択して通電する。電極15a〜15fに交
流電圧を印加すると、圧電素子14a〜14fが印加電
圧に応じて屈曲を繰り返す。この屈曲により、変位機構
部13a〜13fに屈曲振動が励起される。移動体17
は、前記振動を駆動源とし、変位機構部13a〜13f
の自由端部から固定端部方向、すなわち図1の右から左
へ移動する。詳しい移動原理については、後述する。
【0038】駆動ブロック11には、ステンレス鋼材
を、圧電素子14a〜14fにはPZT薄膜を使用しす
る。駆動ブロック11と接合した電極16に通電するた
め、前記駆動ブロック11は導電体とする。ただし、圧
電素子14a〜14fと移動体17との間を導体および
絶縁体の多層構造にすれば、駆動ブロック11の表面を
絶縁体で構成できる。
【0039】また、この実施の形態では電極16を接地
したが、電極15a〜15fに印加する電圧と対極に接
続しても、圧電アクチュエータを動作させることができ
る。印加電圧に関しても、ここでは交流電圧を印加した
が、単極のパルスでも動作する。また、圧電素子14を
駆動するため電圧源を用いたが、自励振回路を使用して
も同様の機能を奏する。なお、本発明の圧電アクチュエ
ータの駆動には移動体17と変位機構部13a〜13f
との加圧接触が要求される。この実施の形態1では、移
動体17の自重により駆動ブロック11に加圧接触させ
ているが、自重によらず一定の接触圧を発生するバネ機
構等により、駆動ブロック11、特に変位機構部13a
〜13fと移動体17とを加圧接触させるようにしても
よい。また、電極15a〜15fの一部に電圧を印加す
るようにしても、圧電アクチュエータを駆動することが
できる。
【0040】[動作原理]つぎに、この圧電アクチュエ
ータの動作原理について説明する。図2は、本発明の圧
電アクチュエータの駆動原理を示す説明図である。電極
15に正の電圧を印加すると、圧電素子14が移動体1
7側に屈曲する。電圧をとりされば、圧電素子14は元
の形状に復帰する。圧電素子14が変形すると、これに
伴い変位機構部13も屈曲し、変位機構部13の自由端
部先端が移動体17に接触する。自由端部先端の横方向
成分(図中右から左方向)の力が摩擦力を媒介して移動
体に伝達され、当該移動体が同方向に微小移動する。従
って、圧電素子14に電圧を周期的に印加することで前
記微小移動が繰り返されるから、移動体17を連続的に
移動させることができる。なお、同図では、変位機構部
13と移動体17との接触部分を平面的に表したが、必
ずしも平面的に接触する必要はなく、点接触であっても
構わない。また、移動体17と駆動ブロック11とが加
圧接触しているといったが、ミクロ的に見て接触してい
ても或は近接していても上記原理によって移動体17が
移動することにかわりない。
【0041】[変位機構部の変形例]変位機構部13の
形状は、上記図1に示したような単純梁形状でなくても
よい。図3〜図8に、変位機構部の変形例を示す。図3
は、長手方向に直交する断面が三角形の変位機構部を示
す部分斜視図である。この変位機構部13によれば、峰
部分で移動体17(または固定体18:実施の形態3参
照、以下同じ)と線接触することになる。図4は、長手
方向に直交する断面が蒲鉾形状の変位機構部を示す部分
斜視図である。この変位機構部13によれば、頂部分で
移動体17と線接触あるいは非常に小さな面積で接触す
ることになる。
【0042】図5は、長手方向に直交する断面が台形の
変位機構部を示す部分斜視図である。この変位機構部1
3によれば、台形の短辺側面で移動体17と接触するこ
とになる。図6は、長手方向に直交する断面が自由端側
で三角形、固定端側で台形の変位機構部を示す部分斜視
図である。この変位機構部によれば、断面三角形の峰部
分で移動体17と線接触することになる。この形状の場
合、断面が三角形の場合に比べて前記移動体17に接触
する面積が小さく、接触圧が大きくなる。しかし、駆動
力が発生する自由端部分が移動体17と接触するので、
安定な動作が期待できる。
【0043】図7は、長手方向に直交する断面が自由端
側で蒲鉾形、固定端側で台形の変位機構部を示す部分斜
視図である。この変位機構部13によれば、断面蒲鉾形
の頂部分で移動体17と線接触することになる。この形
状によっても、上記同様に安定な動作が期待できる。図
8は、長手方向に直交する断面が自由端側で台形、固定
端側で四角形(または台形)の変位機構部を示す部分斜
視図である。この変位機構部13によれば、台形の短辺
側面で移動体17と接触することになる。この形状によ
っても、上記同様に安定な動作が期待できる。
【0044】変位機構部13を上記図3〜図8に示した
形状にすれば、塑性変形をした場合でも、前記移動体1
7に対する接触領域が限定されているため接触面積の変
化が小さい。このため、動作の変化が起こりにくい。ま
た、接触面積が小さくなるため、移動体17に対する接
触圧が大きくなる。以上から、接触領域の限定および接
触圧の増大により、本発明の圧電アクチュエータをより
安定的に駆動できる。
【0045】また、変位機構部13は単純梁形状でなく
てもよく、図9に示すように、固定端部を斜めにした形
状であってもよい。これにより、曲げ振動のみでなくね
じり振動も励起し、自由端で大きな振動振幅が得られや
すい。
【0046】また、変位機構部13を、長辺部分131
と短辺部分132とからなるL字形状にしてもよい。図
10(a)および(b)に示すように、短辺部分132
の長さを変更したり、同図(c)および(d)に示すよ
うに、短辺部分132における固定形態を変更すること
により、変位機構部13の固有振動数を異なるものにす
ることができる。短辺部分は曲げ振動およびねじり振動
が発生し、自由端部で大きな変位(振動振幅)が得られ
やすい。この変位機構部13を有する駆動ブロックの下
方斜視図を、図11に示す。このように、圧電素子14
は、長辺部分131の下面に設けられる。この駆動ブロ
ック11上に移動体Wを載せると、当該移動体Wを移動
させることができる。また、変位機構部13をL字形状
にし、且つ、上記図3〜図8に示すような形状にしても
よい(図示省略)。さらに、上記図3〜図8に示す変位
機構部13の固定端部を斜めに形成するようにしてもよ
い(図示省略)。
【0047】[変位機構部の製造方法]つぎに、変位機
構部13の製造方法について説明する。断面形状が直線
で囲まれる変位機構部(図3参照)は、異方性エッチン
グやハーフエッチングなどの化学処理を利用することに
より、機械加工などに比べて比較的容易に形成すること
ができる。特に異方性エッチングでは、材質を選定する
だけで斜面の角度を決定できるため、斜面角度の管理が
容易である。
【0048】図12は、異方性エッチングによるシリコ
ン変位機構部13の製造工程を示す断面図である。シリ
コン(Si)を異方性エッチングして変位機構部13を
製造するには、まず、変位機構部13の素材であるシリ
コン(100)面21を整面し(同図(a))、当該シ
リコン21を酸化させ、その両面に二酸化シリコン(S
iO2)22を形成するようにする(同図(b))。つ
ぎに、シリコン21にフォトレジスト23を塗布し、フ
ォトマスク24を通じて、露光および現像を行う(同図
(c))。続いて、二酸化シリコンをエッチングし、フ
ォトレジスト23を完全に除去することで、エッチング
マスク(SiO222)を形成する(同図(d))。そ
して、異方特性を有するエッチング液を用いることで前
記Si21を異方性エッチングし、これによって前記エ
ッチングマスクで被覆されていない部分を取り除く(同
図(e))。
【0049】エッチング液には、例えば エチレンジアミン:カテコール:水=17cc:8c
c:3cc の割合で混合したものを用いる。これにより、シリコン
の最も原子密度の高い(111)面に対するエッチング
速度が、他の(100)面などのエッチング速度の数分
の1となり、極めて遅いエッチングが可能になる。この
ため、上記異方性エッチングにより、シリコンの(11
1)面が斜面となる変位機構部13を形成することがで
きる(同図(f))。また、シリコンを用いる場合、
(111)面と(100)面との斜面角度が54.7゜
であることから、製造過程において結晶方位による斜面
角度管理が可能になる。
【0050】つぎに、断面形状に円弧などの曲線が含ま
れる変位機構部(図4参照)は、電鋳技術等を利用する
ことにより機械加工などに比べて比較的容易に形成する
ことができる。図13は、ニッケルメッキ材料にて変位
機構部13の作製を示す電鋳工程である。電鋳技術は、
厚メッキのみならず、エッチングのパターン形成技術や
剥離技術などを含むものである。
【0051】まず、母材となるステンレス鋼25の表面
を整面し(同図(a))、その母材25の表面にフォト
レジスト23を塗布する(同図(b))。つぎに、フォ
トレジスト23の上にフォトマスク24をセットして露
光および現像を行い(同図(c))、エッチングマスク
(フォトレジスト23)を形成する(同図(d))。こ
のようにして作成した型に電気メッキ処理を施すと、フ
ォトレジスト23の存在しない部分にニッケル電着層2
6が形成され、ニッケル電着層26がフォトレジスト2
3の表面に張り出してくる(同図(e))。
【0052】この張り出し部分の断面形状は曲面にな
り、この頂部が移動体17との接触部分となる。最後
に、ニッケル電着層26をフォトレジスト23および母
材25から剥離させ、変位機構部13を製造する(同図
(f))。ここでは、ステンレス鋼とニッケルとの剥離
性が良好であるため、剥離処理を行わないようにした
が、通常は電気メッキ処理の前段階として前記型に酸化
物や硫化物などの皮膜を形成し、電着層との接着性を弱
める処理が必要になる。なお、上記エッチングや電鋳の
他、レーザビーム、電子ビーム加工により変位機構部の
形状を加工してもよい。
【0053】[圧電アクチュエータの変形例]つぎに、
上記変位機構部を用いた圧電アクチュエータの変形例を
実施の形態2〜実施の形態8にて説明する。 実施の形態2.図14は、この発明の実施の形態2に係
る圧電アクチュエータを示す構成図である。この圧電ア
クチュエータは、任意方向への移動を可能にしたもので
あり、実施の形態1の圧電アクチュエータと異なるの
は、変位機構部13を前後左右方向に設けた点である。
その他の基本的な構成は実施の形態1と同様であるから
説明を省略する。この圧電アクチュエータでは、4つの
変位機構部13a〜13dを、それぞれ前後左右方向に
向けて駆動ブロック11に形成する。すなわち、各変位
機構部13が一方向の移動を担当するようにする。ま
た、逆向きに設けた一組の変位機構部13aおよび変位
機構部13c(または一組の変位機構部13bおよび変
位機構部13d)は、各々同一直線上からずらして配置
する。
【0054】つぎに、この圧電アクチュエータの動作を
説明する。信号発生器19からドライバー20を経て、
電極15a〜15dに交流電圧を印加する。ドライバー
20は電圧を増幅すると共に変位機構部13a〜13d
の向きに応じて、スイッチングの役割を果たす。具体的
に説明すると、ドライバー20は、移動体17を図中右
方向に移動する場合、変位機構部13aの電極15aの
みに電圧を印加し、移動体17を図中左方向に移動する
場合、その逆向きの変位機構部13cの電極15cのみ
に電圧を印加する。さらに、図中後方向に移動体を移動
する場合、手前に自由端が配置された変位機構部13b
の電極15bにのみを、逆に図中手前方向に移動体を移
動する場合、後方向に自由端が配置された変位機構部1
3dの電極15dのみに電圧を印加する。
【0055】また、移動体17を、変位機構部13に沿
った方向以外へ移動させることもできる。例えば、図中
後方向から右へ30゜の向きに移動体17を駆動させる
場合、変位機構部13aの電極15aおよび変位機構部
13bの電極15bの両方に電圧を印加する。この印加
電圧は一定ではなく、変位機構部13aの電極15aに
印加する電圧が1とすると、変位機構部13bの電極1
5bに印加する電圧が1.7になるように制御する。こ
れにより、移動体17の駆動方向を制御可能となる。
【0056】また、反対方向に設けた変位機構部13a
および変位機構部13c(または変位機構部13bおよ
び変位機構部13d)を同時に駆動すると、移動体17
が回転運動する。これは、変位機構部13aと変位機構
部13cとが同一直線上に配置されていないためであ
る。特に、変位機構部13aの先端と変位機構部13c
の先端とを同一円上に位置させれば、効率的な回転を得
ることができる。以上から、この圧電アクチュエータ
は、移動体17を平面上で360゜任意方向に駆動する
ことができる。なお、上記変位機構部に代えて、図3〜
図10に示した形状の変位機構部を用いることもでき
る。ただし、移動体17を回転移動させる必要のない場
合、反対方向に設けた変位機構部13aおよび13c、
または13bおよび13dを同一直線上に配置しても3
60゜任意方向への移動機能のみ実現できる。
【0057】実施の形態3.図15は、この発明の実施
の形態3に係る圧電アクチュエータを示す構成図であ
る。この圧電アクチュエータでは、移動体17の代わり
に固定体18を用い、圧電アクチュエータ自体を固定体
上で移動させるようにしたものである。駆動ブロック1
1には、4つの変位機構部13a〜13dが形成されて
おり、これら各変位機構部13a〜13dが圧電素子1
4a〜14dを有している。圧電素子14a〜14d
は、電極15a〜15dを通じてドライバー20に接続
されている。ドライバー20は、信号発生器19から駆
動信号を得る。これら変位機構部13その他の基本構造
は、実施の形態1の圧電アクチュエータと同様であるか
ら、詳細な説明は省略する。
【0058】電極15a〜15dに交流電圧を印加する
と、圧電素子14a〜14dがその印加電圧に応じて屈
曲を繰り返す。この圧電素子14a〜14dの屈曲によ
り、変位機構部13a〜13dに曲げ運動が励起され、
振動を起こす。この振動が駆動源となり、固定体18上
を圧電アクチュエータ自体が図中右方向へ移動する。な
お、実施の形態2のように、変位機構部13をそれぞれ
前後左右方向に設ければ、圧電アクチュエータ自体を3
60゜任意方向へ移動および回転させることができる
(図示省略)。なお、上記変位機構部に代えて、図3〜
図10に示した形状の変位機構部を用いることもでき
る。
【0059】実施の形態4.図16は、この発明の実施
の形態4に係る圧電アクチュエータを示す構成図であ
る。この圧電アクチュエータは、L字形状の変位機構部
13を用いて構成したものであって、二組の変位機構部
列13F、13Rを互いに逆方向に形成したものであ
る。変位機構部13にはそれぞれ圧電素子(図示省略)
が設けられており、その基本構成は実施の形態1と同様
であるから詳細な説明は省略する。この圧電アクチュエ
ータの構成によれば、移動体17を往復運動させること
が可能になる。また、変位機構部13は、駆動ブロック
11上に正逆それぞれ2列設けられているので、移動体
17の駆動力を十分に確保できる。
【0060】信号発生器およびドライバー(図示省略)
は、変位機構部13の電極(図示省略)に接続されてい
る。変位機構部13の動作原理は、上記と同様である。
ドライバーは、正方向または逆方向の変位機構部に設け
た各圧電素子に電力を供給することで、移動体17の往
復運動を制御する。なお、変位機構部13は、上記図3
〜図9に示した形状のものを用いてもよい。
【0061】実施の形態5.図17は、この発明の実施
の形態5に係る圧電アクチュエータを示す構成図であ
る。この圧電アクチュエータは、XY方向にL字形状の
変位機構部13を設けた構成である。駆動ブロック11
のXY方向には、変位機構部13X、13Yが2つずつ
設けられている。変位機構部13の裏側には圧電素子
(図示省略)が設けられており、圧電素子には電極が設
けられている。圧電素子は、信号発生器およびドライバ
ー(図示省略)から電力供給を受ける。一方向の変位機
構部13Xに電力を供給することで、移動体17をX方
向に移動することができる。また、他方向の変位機構部
13Yに電力を供給することで、移動体17をY方向に
移動することができる。ドライバーは、各圧電素子に印
加する電圧を調整することにより、前記移動体17の移
動量を制御できる。このため、任意方向の位置決めが可
能になる。例えば、この圧電アクチュエータは、XYス
テージとして用いることができる。なお、上記変位機構
部に代えて、図3〜図9に示した形状の変位機構部を用
いることもできる。また、X方向もしくはY方向のう
ち、同一直線上にない相反する向きの変位機構部13を
同時に駆動すると、上記発明の実施の形態2と同様、回
転移動機能を実現できる。
【0062】実施の形態6.図18は、この発明の実施
の形態6に係る圧電アクチュエータを示す構成図であ
る。この圧電アクチュエータでは、駆動ブロック11内
に、直線上2列に形成した微動用の変位機構部13S
と、直線上2列に形成した粗動用の変位機構部13Lと
を有し、各変位機構部列13S、13Lの制御量を異な
るものとした。微動用の変位機構部13Sは粗動用の変
位機構部13Lに比べてサイズが小さいため、微細な移
動制御が可能になる。変位機構部13の基本構成は、実
施の形態1と同様であるから詳細な説明は省略する。ド
ライバー(図示省略)は、微動用の変位機構部13Sと
粗動用の変位機構部13Lとを切り換えて駆動する。粗
動用の変位機構部13Lは、固定端部から自由端部まで
が長いため、大きく振動する。このため、移動体17の
移動量を大きくできるが、微細な位置決めが困難にな
る。一方、微動用の変位機構部13Sは、固定端部から
自由端部までが短いため、振動が小さい。このため、移
動体17の移動量は小さくなるが、その分、微細な位置
決めが可能になる。
【0063】なお、同図の微動用の変位機構部13Sと
粗動用の変位機構部13Lとを一組として、それぞれを
逆向きに設ければ移動体17を往復運動させることがで
きる(図示省略)。このような圧電アクチュエータの応
用例としては、例えばハードディスクのヘッドの位置制
御を挙げることができる。この場合、移動体17に磁気
ヘッドを取り付け、前記粗動用の変位機構部13Lによ
りシーク動作を行い、微動用の変位機構部13Sにより
フォローイング動作を行うようにする。このようにすれ
ば、粗動用の変位機構部13Lによってシーク動作を短
時間で行うことができ、微動用の変位機構部13Sによ
り微細な追従が可能になる。なお、上記変位機構部13
に代えて、図3〜図9に示した形状の変位機構部を用い
ることもできる。
【0064】実施の形態7.図19は、この発明の実施
の形態7に係る圧電アクチュエータを示す構成図であ
る。この圧電アクチュエータは、微動用の変位機構部1
3Sと粗動用の変位機構部13Lとにより移動体17を
揺動させるようにした点に特徴がある。変位機構部13
の基本構成は実施の形態1と同様であるから詳細な説明
を省略する。移動体17は、サスペンションアーム17
1により支持されており、固定端(図示省略)を中心と
して揺動することができる。移動体17は駆動ブロック
11上に配置する。駆動ブロック11には、微動用の変
位機構部13Sと粗動用の変位機構部13Lとの組が互
いに逆方向に形成されている。この一組の変位機構部1
3により、移動体17の粗動および微動を行う。微動用
の変位機構部13Sは、粗動用の変位機構部13Lに比
べてサイズが小さく、それだけ微細な制御が可能にな
る。
【0065】ドライバー(図示省略)は、微動用の変位
機構部13Sと粗動用の変位機構部13Lとを切り換え
つつ、各変位機構部の駆動を行う。粗動用の変位機構部
13Lは移動体17を大きく移動させることができ、微
動用の変位機構部13Sは移動体17の微細な位置決め
を可能とする。なお、同図では、変位機構部13を設け
た駆動ブロック11を矩形としているが、大きな揺動を
行うときには、サスペンションアーム長を半径とした弧
形状の駆動ブロック11にする。なお、上記変位機構部
に代えて、図3〜図9に示した形状の変位機構部を用い
ることもできる。
【0066】実施の形態8.図20は、この発明の実施
の形態8に係る圧電アクチュエータの応用例を示す構成
図である。同図は、圧電アクチュエータを搬送装置とし
て用いた場合であって、互いに逆を向いた変位機構部を
有する駆動ブロック11を対向配置し、この駆動ブロッ
ク11間に保持部材30を介在させた構成としている。
この保持部材30により駆動ブロック11間に与圧が加
えられる。変位機構部13の基本構成は、実施の形態1
と同様であるから説明を省略する。この駆動ブロック1
1間にカードCを差し込むと、変位機構部13Rの駆動
によりカードCを一方向(図中R方向)に搬送すること
ができる。これと逆を向いた変位機構部13Fを駆動す
れば、前記カードCを逆方向(図中F方向)に搬送でき
る。また、ドライバー(図示省略)の制御によって、カ
ードCの位置決めを容易に行うことができる。
【0067】この圧電アクチュエータを用いることで、
搬送装置の構造を簡略化できると共に非常に薄型にする
ことができる。この搬送装置は、例えばICカード端末
や電話機等多くの分野で応用可能である。なお、上記変
位機構部に代えて、図3〜図9に示した形状の変位機構
部を用いることもできる。また、簡単な構造であるか
ら、周囲の部品との一体化も可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の圧電ア
クチュエータによれば、従来の圧電アクチュエータに不
可欠であった、駆動対象物と接触する突起部分が不要と
なる。また、変位機構部の剛性が低いため、屈曲振動を
励起するエネルギーが小さくても大きな振動振幅を得ら
れ、伝達効率の高い運動変換系を実現できる。さらに、
微細加工技術を用いて部品の加工を行う。この結果、小
型にしても安定した駆動が得られ、薄型化が可能にな
る。また、極めて少ない部品で直進運動機能、往復運動
機能、360゜任意方向への運動機能および回転運動機
能を実現できる。さらに、エッチングプロセス処理等に
より構成部品を製造できるため、高精度化できると共に
組立および調整作業が簡略化され、安価に大量生産でき
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る圧電アクチュエー
タを示す斜視図である。
【図2】本発明の圧電アクチュエータの駆動原理を示す
説明図である。
【図3】長手方向に直交する断面が三角形の変位機構部
を示す部分斜視図である。
【図4】長手方向に直交する断面が蒲鉾形状の変位機構
部を示す部分斜視図である。
【図5】長手方向に直交する断面が台形の変位機構部を
示す部分斜視図である。
【図6】長手方向に直交する断面が自由端側で三角形、
固定端側で台形の変位機構部を示す部分斜視図である。
【図7】長手方向に直交する断面が自由端側で蒲鉾形、
固定端側で台形の変位機構部を示す部分斜視図である。
【図8】長手方向に直交する断面が自由端側で台形、固
定端側で四角形(または台形)の変位機構部を示す部分
斜視図である。
【図9】変位機構部の変形例を示す説明図である。
【図10】変位機構部の変形例を示す説明図である。
【図11】変位機構部を有する駆動ブロックの下方斜視
図である。
【図12】異方性エッチングによるシリコン変位機構部
の製造工程を示す断面図である。
【図13】異方性エッチングによるニッケル変位機構部
の電鋳工程を示す断面図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係る圧電アクチュ
エータを示す構成図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係る圧電アクチュ
エータを示す構成図である。
【図16】この発明の実施の形態4に係る圧電アクチュ
エータを示す構成図である。
【図17】この発明の実施の形態5に係る圧電アクチュ
エータを示す構成図である。
【図18】この発明の実施の形態6に係る圧電アクチュ
エータを示す構成図である。
【図19】この発明の実施の形態7に係る圧電アクチュ
エータを示す構成図である。
【図20】この発明の実施の形態8に係る圧電アクチュ
エータの応用例を示す構成図である。
【符号の説明】
11 駆動ブロック 12 穴 13 変位機構部 14 圧電素子 15 電極 16 電極 17 移動体 18 固定体 19 信号発生器 20 ドライバー 21 シリコン(100)面 22 二酸化シリコン 23 フォトレジスト 24 フォトマスク 25 ステンレス鋼 26 ニッケル電着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 樹 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツルメンツ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−277624(JP,A) 特開 平4−29576(JP,A) 実開 平5−67194(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00 H01L 41/09 H01L 41/22

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の振動体と、 この振動体に形成され、一端自由他端固定とした複数の
    変位機構部と、前記 変位機構部に設けた複数の圧電素子と、前記振動体と対向配置され、 前記振動体の変位機構部に
    接触または近接させた移動体と、 を備えたことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 任意の固定体に対向配置され、載置する
    平板状の振動体と、 この振動体に形成すると共に一端自由他端固定とし、こ
    の自由端部が前記固定体に接触または近接する複数の
    位機構部と、前記 変位機構部に設けた複数の圧電素子と、 を備えたことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 移動体に対向配置され、加圧接触する
    板状の振動体と、 この振動体に形成すると共に一端自由他端固定とし、こ
    の自由端部が前記移動体に接触または近接する複数の
    位機構部と、前記 変位機構部に設けた複数の圧電素子と、 を備えたことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記変位機構部の固定端での振動振幅よ
    り大きい振動振幅が得られる前記変位機構部の一部の領
    域のみと、前記移動体もしくは前記固定体とが接触する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の
    圧電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記移動体もしくは前記固定体と接触す
    る前記変位機構部の領域の断面が略凸曲面を有すること
    を特徴とする請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記変位機構部の圧電素子設置面に対す
    る投影形状をL字形状とし、その短辺を固定端部とし長
    辺を自由端部としたことを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか一つに記載の圧電アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 前記移動体を揺動軸を中心に軸支したこ
    とを特徴とする請求項1または4から6のいずれか一つ
    に記載の圧電アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 粗動用の変位機構部と、粗動用の変位機
    構部より小さいサイズとした微動用の変位機構部とを設
    けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記
    載の圧電アクチュエータ。
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