JP3190073B2 - 振動波モータおよび振動波モータを備えた装置 - Google Patents
振動波モータおよび振動波モータを備えた装置Info
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Description
気−機械エネルギー変換素子に電気エネルギーを供給す
ることにより、振動体を振動させ振動体の駆動面に回転
運動を生じさせ、振動体と接触した接触体と振動体とを
相対回転させる振動波モータ、特にカメラ等の光学機
器、プリンタ等の事務機器に好適な振動波モータおよび
振動波モータを備えた装置に関するものである。
タとしては、円環状の弾性体に曲げ振動を起こし、摩擦
力によりレンズ駆動用移動体を駆動させるタイプのもの
が、カメラ用AF機構などで、実用化されている。しか
し、この従来のタイプのものは、リング形状であるた
め、加圧機構を含めたユニットとしては、比較的コスト
高であり、中空を要求されないモータ用としてはコスト
上不利である。そこで中実型で、加圧系などの構成が容
易な、図2乃至図3に示すようなタイプのモータが、近
年提案された。
2乃至図4をもちいて簡単に説明する。
図、図3はモータ構成図を示す縦断面図である。
Tと称す)a1,a2により、振動体は図4に示すよう
な1次曲げの振動を発生する。
で、真ちゅう、ステンレス等の減衰の比較的小さい金属
等でできた振動体としての構成部材b1およびb2間に
PZTa1,a2を挟持固定する。
定部材gと結合する上部付近にて振動体の振動時の変位
が小さくなるような寸法にて決定する。
バネケースf、コイルバネhを介して振動体を構成する
固定部材に結合されているため、振動体の上面に加圧接
触している。
1次曲げモードはθ方向に90°の位置的位相差を持っ
た方向に2種かつ時間的に90°ずれて励振されるた
め、移動体との接触部A点(図4に図示)は楕円運動を
行う。尚、その運動方向は振動体の形状により決まりZ
軸に対して角度α傾いた面内を楕円運動する。このと
き、加圧接触している移動体は摩擦駆動される。
ような超音波モータの振幅はきわめて微小(μmオーダ
ー)のため、現実の加工精度を考慮すると以下の問題が
発生する。尚以下に示すそり量は駆動面に垂直方向につ
いて、そして振動方向は駆動面の垂線となす角により定
義する。
工されるが、図5に示すように、高精度に加工しても平
面度0.2〜0.8μm程度のそり(x)を生じてい
る。また、その変形形状はsin2θで示される殆んど
2つ折れの形状を呈している。ところでレンズのAF用
アクチュエータなどに利用されている円環型超音波モー
タでも同様にそりが見られるが、振動体に発生させる波
数は一般に多く、この棒状の超音波モータ程切実になら
ない。この理由を以下に述べる。
もので(横軸は円環を展開したθ座標)、(a)におい
て、iは1μmの振動体のそり形状を表し、静的な状態
(振動していない状態)における接触部の形状を示す。
(b)ではjは5波の0.5μmの振動変位、さらに
(c)は両者が重畳したものに、移動体dが接触してい
る様子を示す。
ではそりのピーク位置(図中B)と振動波動の位相差
0、図12が180°、図13が90°のときを示し、
いずれの状態でも移動体は波動の全ての山(波頭:図中
太線)に接触はできないが、いくつかに少なくとも1つ
の波頭に接触し、常に振動体から駆動力を得ることがで
きることがわかる。
の時間的位相差を有して励起する方式の超音波モータ
は、1波駆動に相当し、図7の状態となったとき、矢印
Cの示す波頭と移動体dとが接触せず、移動体dは駆動
力を殆んど得ることができない。したがって、きわめて
効率の悪いモータとなってしまう。
し、(b)は振動変位jを示し、この合成(i+j)を
(c)に示すように、矢印Cにおいて移動体dは波頭と
接触しない。
振動体を示している。この振動体は、振動方向(α)が
60°で、接触面のそりは0.8μmであった。また、振幅の
上限値をとる駆動周波数は64.8kHzと高く、比較的小さ
い振幅から発熱するため、大振幅は難しく、1.5μm以上
の振幅を発生させると、振動体の内部損が急増し、効率
が著しく低減し、あるいは小電力での駆動ができない。
ここで振動体の接触部における振動変位(振動振幅によ
る移動量)は図11の矢印で示されるベクトルの長さa
で表され、その軸方向の変位成分の大きさは、そのベク
トルが軸となす角、つまり振動体の駆動面の静止時にお
ける垂線となす角をαとするとa・cosαである。
が1.5μm以下(a≦1.5μm)の振動では、振動方向
α=60°で、且つ接触面のそりが0.8μm(x=0.8μm)
であるため x<a・cosα の条件を満せず、移動体が振動体の駆動波の山の頂点
(波頭)に接触しない瞬間が存在してしまう。このた
め、摩擦駆動力が移動体に伝わらず、効率よく出力する
ことができない。
示す状態のとき、速い送り速度を持つ波頭と移動体が接
触できるための条件、つまり全時間領域にわたって波頭
と移動体とが接触できるための条件は、そりの量と波動
振幅の大きさの関係で決まる。
おいて、接触・非接触を決定するのは、駆動面に垂直な
方向の成分である。これは、図4において、矢印で示す
ロータとの接触部の質点変位をaとすると、上記した垂
直方向の成分はa・cosαとなり、この成分が面のそ
り量xより大きければよいことになる。
触し、振動体と相対的に回転する接触体との接触径、駆
動周波数、モータスペックの回転数から決定される変位
a、及び、使用する加工機、振動体の部材b1の大き
さ、形状等で決まるそり量xについて、0<x<a・c
osαとなるように振動角αを決定すれば効率のよいモ
ータが実現できる。
を生じ、接触体駆動面は理想的にそりを生じていない場
合を例にして上記の説明を行なっているが、図7に示し
た波動と振動体のそりとの位相状態にて、振動体のそり
と接触体駆動面のそりが逆位相のとき、図16に示した
ように、より接触不可能であり、本発明に示す条件はき
びしくなる。
と、0<x+w<acosαとなる。
ッキングの影響等により3つ折れ(sin3θなる形
状)のそりを生じていることがあり、振動体のそりと振
動変位の位相関係が図17のようになったとき波頭部C
は接触体駆動面dとは接触できず前述同様モータ効率は
悪化する。このとき接触体駆動面が波頭と接触する条件
は、上記の関係と同様である。
チの凸凹については、その包絡線により定義する。
音波モータの一実施例を示す。
波モータは、図2,3に示す超音波モータと基本的には
同様の構造であり、ロータRの接触面のそり量(x)
は、0.2μm〜0.8μm程度の範囲でバラツキを有してい
る。一方、振動体は電源条件、モータでの発熱等から、
ロータRとの接触部にて得られる変位(振幅運動による
移動量)を1.5μm〜2.5μmo−p程度が限界であった。
なおo、pは片振幅を示す。
°である。ここで、振動方向(α)は、振動体の振動方
向が駆動面の静止時における垂線となす角でる。 また、
振動体の接触部の振動での振幅運動による移動量aは、
振動子の形状及び振動体にかける電圧若しくは電圧の周
波数等で変化する値で、測定若しくは計算によって求め
ることが可能な値である。
α=39°とし、acosαの値(Z方向成分)は1.
2μm〜1.9μmとなる。このことから、そり量
(x)は、acosαより小なる条件を満足することに
なる。
出力を効率よく取り出すことができた。
て、現実的に(理想平面ではこのようなことはないか
ら)、出力を大きく取り出すためには、振動方向αを小
さくすればする程よいといえる。
1点鎖線で示すたわみ関数のロータ接触部付近の傾きが
大きく、つまり、角度βが大きくなるような形状を与え
ればよい。
は、t,μを小とすることにより実現できる。また、振
動体同一形状でもロータとの接触径により異なる。例え
ば図1に示すα2 はαより大きく、外径側で接触させた
方が通常有利である。
動体形状の例である。
し、剛性を下げると共に、上部の質量を大きくし、βを
大きくしたものである。
くびれ部における軸方向の長さHを長くし、βを大きく
したものである。
由から、ロータと当接する振動体の駆動面が平面状のも
のについて説明したが、駆動面がテーパ状であっても同
様の効果が得られる。
体の実施例を示している。
5°、振動方向は48°であるため、α=3°であり、
駆動面の平面度が0.5μmであることから、振動振幅
0.6μmでも良好なモータ効率が得られた。
ある装置を駆動する場合の構成を示す。
で、回転出力を歯車1に伝達し、歯車3と噛み合う歯車
をもった装置を駆動させる。移動体2および装置の回転
位置、回転速度を検出するために、光学式エンコーダス
リット板5が歯車3と同軸に配置されフォトカプラ4で
位置・速度を検出する。
ば、振動体における駆動面の加工精度等によって、接触
体と駆動面とが接触されないという状態がなくなり、モ
ータの効率を向上させることができるという効果が得ら
れる。
図。
ータとの接触状態を示す図。
り、振動変位と、これらの合成とロータとの接触状態を
示す図。
変位と、これらの合成とロータとの接触状態を示す図。
そり、振動変位と、これらの合成とロータとの接触状態
を示す図。
用した装置の断面図。
体構造体 c…ピン付ボルト d…振動体 e…ベアリング f…バネケース g…振動体固定部材 h…コイルバネ α…振動方向 A…移動体との接
触位置 x…そり量 a…振動振幅 B…そりのピーク β…たわみ角 C…振動の波頭
Claims (2)
- 【請求項1】 振動体に挟持された電気−機械エネルギ
ー変換素子に駆動用の電気信号を印加することにより、
該振動体の端面である駆動面に複数の異なる方向の屈曲
振動を所定の時間的位相差を有して励起し、これらの複
数の屈曲振動の合成により振動の1波駆動によって該振
動体の駆動面に回転運動を生じさせ、該駆動面に端面に
て加圧接触する接触体と前記振動体とを相対回転させる
ものであって、前記駆動面の端面には固有のそりが存在
し、前記回転運動は前記駆動面の質点について振動方向
を有すると共に振動振幅を有する振動波モータにおい
て、 該振動体に励起される屈曲振動の該接触体との接触部に
おける前記振動方向について該振動体の駆動面の静止時
における垂線となす角度をα、該振動体の接触部の振動
での振幅運動による移動量をa、該接触体との接触面に
おける該振動体の端面のそり量をxとすると、0<x<
a・cosαとなる条件aで駆動することを特徴とする
振動波モータ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の振動波モータを駆動源
として有し、該振動波モータにより駆動される被駆動部
材を有することを特徴とする振動波モータを備えた装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22710291A JP3190073B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 振動波モータおよび振動波モータを備えた装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22710291A JP3190073B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 振動波モータおよび振動波モータを備えた装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0568383A JPH0568383A (ja) | 1993-03-19 |
JP3190073B2 true JP3190073B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=16855515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22710291A Expired - Lifetime JP3190073B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 振動波モータおよび振動波モータを備えた装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3190073B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-06 JP JP22710291A patent/JP3190073B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0568383A (ja) | 1993-03-19 |
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