JP3189652B2 - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/025Detectors specially adapted to particle spectrometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/62Detectors specially adapted therefor
    • G01N30/72Mass spectrometers

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は質量分析装置、特に
質量分析されたイオンを中性分子によるノイズ発生を回
避しつつ検出する質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】混合物試料を分析する際、混合物試料を
成分分離する前処理系と分離された試料の質量数すなわ
ち質量対電荷比を分析する質量分析系を結合させた質量
分析装置を用いることにより、より高精度な分析が可能
となる。通常、前処理系としてガスクロマトグラフや液
体クロマトグラフなどが用いられ、近年、これらの前処
理系と質量分析系を結合させた装置が開発され、使用さ
れ初めている。
【0003】前処理系のガスクロマトグラフや液体クロ
マトグラフでは、固定相を詰めたカラムに移動相と言わ
れる中性のガス(ガスクロマトグラフの場合)又は溶媒
(液体クロマトグラフの場合)と共に混合物試料を流
し、この混合物試料を固定相に対する親和力の違いによ
り分離している。このとき、分離された試料は移動相を
含むため、その後試料を質量分析するためには、前処理
系からの中性の移動相を除去する必要がある。通常、前
処理系が液体クロマトグラフの場合、溶媒は気化されて
から除去されるため、前処理系がガスクロマトグラフ、
液体クロマトグラフのどちらの場合でも移動相は試料分
離後中性ガスとなる。
【0004】通常、中性ガスの除去機構部分が前処理系
と質量分析系の間に設けられているが、その中性ガス除
去機構部分を経ても中性ガスは完全に除去されきれずに
質量分析系に進入し、質量分析系から質量分析され出射
してきたイオンと共に中性ガスも流出される。このと
き、質量分析系からイオンビームが出射する方向に沿っ
た軸上に検出器を設置した場合、中性ガスにより検出時
にノイズが発生するという問題が生じることが知られて
いる。特に、前処理系が液体クロマトグラフの場合、溶
媒が気化されてできた中性ガスがガスクロマトグラフに
比べて大量であること、また、中性ガスが液化した場合
に検出器が汚れるなどの理由により、液体クロマトグラ
フの溶媒の中性分子による検出時ノイズ発生は深刻であ
る。これらの中性物質によるノイズ発生を回避し、高感
度検出を行うため、質量分析系からでてきたイオンビー
ムを偏向電界を通すことによりイオンだけを偏向し、質
量分析系からのイオンビームの出射方向からずらして検
出器を設置しイオンのみを検出していた。
【0005】従来の基本的なイオンビームの偏向手法と
しては、図21に示したような電位差を有する平行平板
間に生成される一様電界中を通してイオンビームを偏向
させる方法や、図22に示したような平面電極と偏向方
向に沿って曲がった電極間に生成される電界中を通して
イオンビームを偏向させる方法などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の偏向電極の一例
として、図22に示したような電極配置のとき、イオン
ビームを偏向させる際、このときの電位分布及び 5〜20
00 eV のエネルギー収差をもつイオンビームの軌道の計
算結果を図23B及び図23Aに示す。このとき、正イ
オンを対象とし、偏向電極Dとイオン検出器のケースに
は同じ負の電圧 -1.4 kV を印加し、その他の電極は接
地電圧とした。
【0007】これをみると明らかなように、質量分析系
からのイオンビームにエネルギー収差がある場合、偏向
電極で生成される偏向電界では、イオンビームの幅が広
がってしまい、逆に検出効率を低下させていた。これ
は、大きく分けて次の2つの原因によると考える。
(1)質量分析系からのイオンビームの出射方向に沿っ
てイオンが進行するほど電極によリ生成される電界の偏
向方向の成分が小さくなり、従って、エネルギーの高
い、つまり、出射方向の速度が大きいイオンほど受ける
偏向力が小さくなるため、イオンのエネルギーが高いほ
ど偏向角度(質量分析系からのイオンビームの出射方向
に対する偏向後のイオンビームの角度)が小さくなりビ
ームの幅が広がる。(2)質量分析系からのイオンビー
ムの出射方向に沿ってイオンが進行するほど電極によリ
生成される電界の、質量分析系からのビームの出射方向
の成分がこの方向に大きくなり、従って、エネルギーの
高い、つまり、出射方向の速度が大きいイオンほどイオ
ンの進行方向に加速されるため、エネルギーが高いイオ
ンほど偏向角度(質量分析系からのイオンビームの出射
方向に対する偏向後のイオンビームの角度)が小さくな
り、ビームの幅が広がる。
【0008】本発明の目的は質量分析されたイオンを偏
向して検出することにより中性分子によるノイズを回避
することができる質量分析装置を提供することにある。
【0009】本発明のもう一つの目的は質量分析された
イオンを偏向して検出することにより中性分子によるノ
イズを回避することができかつその際質量分析されたイ
オンのエネルギ−収差にもとづくそのイオンの広がりを
抑えてそのイオンの高効率、高感度検出を可能にするの
に適した質量分析装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の質量分析装置に
よれば、イオンは質量分析器によって質量分析され、そ
の質量分析されたイオンはイオン偏向器によってそのエ
ネルギーが強いほど大きく偏向され、その偏向されたイ
オンはイオン集束器によって集束され、そしてその集束
されたイオンはイオン検出器によって検出される。
【0011】質量分析されたイオンはイオン偏向器によ
って偏向された後検出されるのに対して、中性分子はそ
の中性という性質の故にイオン偏向器によって偏向され
ない。したがって、中性分子はイオン検出器によって検
出されないことになるため、その中性分子によるノイズ
発生は回避される。
【0012】質量分析されたイオンがエネルギ−収差を
もっている場合はそのイオンはそのエネルギ−に応じて
イオン偏向器によって分散される。しかし、その分散さ
れたイオンはイオン集束器によって集束されるので、そ
の分散によるイオンの広がりはイオン集束器によって抑
制される。したがって、質量分析されたイオンは高効
率、高感度をもって検出される。
【0013】本発明では、エネルギ−の高いイオンほど
強い偏向力が与えられるようになっている。したがっ
て、分散されたイオンはその分散幅が上記偏向力によっ
て抑えられた上、更にイオン集束器によって集束される
ので、その分散によるイオンの広がりはより一層抑制さ
れる。
【0014】本発明の他の目的及び特徴は図面を参照し
てなされる以下の記述から明らかとなるであろう。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を具体的な実
施例をもって以下に説明する。
【0016】
【実施例1】まず、図1〜6を用いて第1の実施例を説
明する。図1は本発明の第1の実施例の質量分析装置全
体の概略図である。質量分析対象の混合物試料はガスク
ロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)等
の前処理系1を経て分離される。その後、試料は移動相
除去系2により前処理系1からの移動相の除去作用を受
け、イオン源3でイオン化され、質量分析系4で質量分
析される。質量分析されたイオンは偏向・収束電極系5
の偏向部A、収束部Bで各々偏向・収束され、その後イ
オン検出系8で検出され、データ処理系11で検出結果が
処理される。ここで、偏向・収束電極系5はイオンビー
ムを偏向する偏向部Aと偏向したイオンビームを収束す
る収束部Bから構成される。
【0017】まず、偏向部Aについて説明する。偏向・
収束電極系5の偏向部Aでは、イオンビームを偏向させ
たい方向(-y方向)にイオンが力を受けるように、偏
向・収束電極系5に入射したイオンビームをy方向にお
いて挟むように配置した電極6、7間に電位差を与え
て、電極6、7の間の空間に偏向電界を生成する。以
下、上記の電極6、7のうち、イオンが偏向される側に
位置する電極7を内側偏向電極、反対側に位置する電極
6を外側偏向電極と称す。
【0018】図1に示す実施例1の電極配置では、内側
偏向電極7はビームの入射方向に平行に配置され、一
方、外側偏向電極6は、ビームの入射方向(+z方向)
の座標が大きくなるほど、電極6、7間の距離が狭くな
るように斜めに配置する。このようにすると、入射方向
(+z方向)の座標が大きくなるほど、偏向方向成分の
電界が強くなり、つまり、強い偏向方向(-y方向)の
力を受けることになる。外側偏向電極6、外側偏向電極
6に接続している電極16及び電極17をア−ス電位
(0 V)とし、内側偏向電極7に負電位(-3 kV)(正イ
オンのとき)(負イオンのときは正電位)を印加し、検
出器のケースには内側偏向電極7に印加した電圧と同じ
電圧(-3 kV)を印加したときの、偏向・収束電極系5か
ら検出器8までの空間の電位分布の計算結果を図2に、
電極6、7の間に生成される電界のy方向成分(偏向電
界)の分布の計算結果を図3Aと図3Bに、電界のz方
向成分(偏向電界)の分布の計算結果を図4-Aと図4-
Bに示す。図2、図3A、図3B、図4A、図4Bは内
側偏向電極7に負電位を与えたときの計算結果である。
なお、電位、電界値の計算には差分法を用いた。
【0019】図2より、ビームの入射方向(+z方向)
の座標が大きくなるほど、電極6と7の間の等電位線の
間隔が狭くなっており、y方向の電界の大きさが次第に
大きくなっていることが分かる。
【0020】図3A、図4Aは、各々、実際に電界値を
計算し、得られたy−z平面上の電界のy方向成分、z
方向成分の分布図を示す。図3B、図4Bは、各々、図
3A、図4Aに相対電界値を示す軸を加えて三次元的な
グラフにy−z平面上の電界のy方向成分、z方向成分
の分布を示したものである。ここで、図1に示す、内側
偏向電極7の左端点aを座標の原点とし、電極7の長さ
に対する相対値でy,zの座標値を示し、また、電界の
絶対値の最大値に対する相対値で電界値も示している。
図3A、図3B、図4A、図4B中の X-X'、Y-Y' は、
各々外側偏向電極6、内側偏向電極7の位置を示す。図
3A、図3Bから、z座標が大きくなるにしたがい、-
y方向の電界(偏向電界)が大きくなっていることが分
かる。したがって、エネルギーが高く、z方向の速度が
速いイオンほど強い偏向力を受けるため、イオンビーム
にエネルギー収差がある場合でもビームの広がり(分
散)を抑えながらイオンは偏向される。
【0021】また、図4A、図4Bから、z座標が大き
くなるに従い、-z方向の電界が大きくなっていること
が分かる。したがって、出射方向の速度が大きいイオン
(エネルギーの高いイオン)ほどイオンの進行方向に減
速されるため、ビームの広がりを抑えながら偏向するこ
とができる。この場合、図3に示すように、z座標が大
きいところで−z方向の電界が大きくなるような、y方
向の電界分布の方が、ビームの広がりを抑えながら偏向
するためには効果的である。
【0022】また、内側偏向電極7は格子状あるいはワ
イヤー状の網電極で作られている。このため、内側偏向
電極7の位置まで偏向したイオンは内側偏向電極7を通
り抜けることができ、必要以上の偏向力を受けない。し
たがって、特にエネルギーの低いイオンが必要以上の偏
向力を受けてビームが広がる(分散する)のを防ぐこと
ができる。
【0023】次に、偏向・収束電極系5内の収束部Bに
ついて説明する。収束部Bでは、偏向部Aで偏向された
際、各々のエネルギーによってイオンが空間的に分離
(分散)されることを利用して、エネルギーが高いイオ
ンが分布する空間には強い収束方向の電界を、エネルギ
ーが低いイオンが分布する空間には弱い収束方向の電界
を生成し、さらに、検出器のイオン入射口付近に引き込
み電界を生成することによりイオンビームを収束するこ
とが本実施例の収束部Bの特徴である。
【0024】図1に示す電極配置の場合、内側偏向電極
7を包囲するように、外側偏向電極6に接続してz方向
に垂直に電極16を配置しているため、運動エネルギー
が高いイオンが通過すると予想できる(図5)z座標の
大きい空間(内側偏向電極7の右端b付近から電極16
に沿った空間)付近には、強い−z方向成分を持つ電界
が生成され(図2)、エネルギーが低いイオンが通過す
ると予想できる(図5)内側偏向電極7の中央付近の空
間には、弱いz方向成分を持つ電界が生成される(図
2)。更に、イオン検出器8のイオン入射口12付近に
配置される電極17と電極16の間にできる、イオン検
出器8のイオン入射口12とほぼ同じ大きさの隙間部分
に、引き込み電界が生成されている。これらの電界から
各々のエネルギー分離(分散)されたイオンビームはビ
ームの幅が狭まる方向に力を受けて収束し、イオン検出
器8のイオン入射口12に入射でき、イオンの高効率検
出が期待できる。
【0025】実際、実施例1の偏向・収束電極系5内の
偏向部A、収束部Bから検出器までの体系で、電位、電
界値を計算し、5〜2000 eV のエネルギーを持つ正イオ
ンビームを入射させて得られるイオン軌道解析結果を図
5に示す。同様に、図22に示す従来偏向電極を用いた
とき、偏向電極及び検出器のケースに図1の内側偏向電
極7と同じ電圧を与えたとき得られるイオン軌道及び電
位分布解析結果を図23A、図23Bに示す。図23A
の従来の偏向電極では、イオンビームに大きいエネルギ
ー収差がある場合、イオンのエネルギーが高いほど、つ
まりz方向に進むほど偏向力が小さくなるため(図23
B)偏向角度(質量分析系からのイオンビームの出射方
向に対する偏向後のイオンビームの角度)が小さくな
り、ビームの幅が広がっていることが分かる。一方、図
5から、本実施例の偏向・収束電極系5内を通ったイオ
ンビームは、偏向部Aでは偏向後ほぼ平行ビームとなっ
ており、ビームが広がらずに偏向作用を受ける。また、
収束部Bではエネルギーの高いイオンほど強い収束方向
(-z方向)の力を、エネルギーの低いイオンは弱い収束
方向(+z方向)の力を受け、さらに電極16と17の間
にできる引き込み電界からも収束作用を受けるため、本
実施例によれば、非常によく収束されたビームとしてイ
オン検出器8の入射口12に入射でき、高感度・高効率
なイオン検出が期待できる。
【0026】さらに、質量分析系4から出射されてくる
イオンの質量数すなわち質量対電荷比等から予想される
イオンビームのエネルギー収差に基づいて内側偏向電極
7及び検出器8のケースに印加する電圧を制御系10で
調整することもできる。このとき、エネルギー収差が増
加しても、エネルギー収差にほぼ比例させて内側偏向電
極7及び検出器のケースに印加する電圧を増加すれば、
イオンのエネルギーと電位分布の関係が相対的に同じに
なり、ほぼ同じ偏向・収束したイオン軌道を得ることが
できる。
【0027】また、本発明で重要なのは偏向・収束電極
系5内に生成される電界分布であり、同様な電界分布で
あれば、図6に示すように外側偏向電極の形を直角にす
るなど、偏向・収束電極系5内に生成される電界に影響
しない電極の外側の形状を変えてもよい。更に、図1の
外側偏向電極6も内側偏向電極7と同様に網電極にして
もよい。このとき、偏向・収束電極系5内に中性ガスが
滞留することによる、検出器方向への流入あるいは電極
の汚れを防ぐことができる。
【0028】
【実施例2】次に実施例2を図7、図8A、図8Bを用
いて説明する。実施例1では、内側偏向電極7及び検出
器8のケースに同じ電圧を印加したが、実施例2では、
各々に異なる電圧を印加する。内側偏向電極7に -3 k
V、検出器8に -2kV を印加したときの解析結果を図8
A、図8Bに示す。このとき、外側偏向電極6と内側偏
向電極7の間を通って偏向されたイオンビ−ムが検出器
8の入射口付近に生成された引込み電界によって集束さ
れて検出器8に高効率に入射していることがわかる。た
だし、内側偏向電極7に印加する電圧はエネルギー収差
をもつイオンビームがビームの幅が広がらずに偏向され
る大きさでなければならない。一方、検出器8のケース
に印加する電圧は、電極16と電極17の間のイオン検
出器の入射口付近の隙間部分に引き込み電界ができる大
きさであればよい。例えば、検出器8のケースに印加す
る電圧に制限がある場合等、電極17と検出器8の間の
距離や電極16と電極17の間にできる隙間の大きさを
調整して引き込み電界が偏向・収束電極系5内に浸透す
るように配置してもよい。したがって、本実施例によれ
ば、イオン検出器8のケースに印加制限があるような場
合でも、エネルギー収差が大きいビームを収束良く検出
できる。また、内側偏向電極7よりも低電圧(正イオン
の場合)(負イオンの場合は高電圧)を印加することに
よって偏向ビームの収束性を高めることもできる。
【0029】
【実施例3】次に実施例3を図9A、図9Bを用いて説
明する。実施例1では、外側偏向電極6と内側偏向電極
7はどちらも平板電極から構成されていたが、実施例3
ではそのどちらかあるいは両方の電極を曲面電極から構
成させる。図9Aに示すように、内側偏向電極7に対し
ては実施例1と同様、イオンビームの入射方向に平行に
設置した平板電極とする一方、外側偏向電極6は、内側
偏向電極7との距離が、イオンビームの入射方向(z方
向)の座標が増加するにつれ短くなるように設置された
曲面電極から構成されている。このとき、z座標に対す
る偏向方向(y方向)の電界の増加率が実施例1に比べ
て大きいため、特に高エネルギーイオンを急激に偏向し
たいときに有効である。
【0030】また、図9Bに示すように、内側偏向電極
7と外側偏向電極6の双方を曲面電極から構成してもよ
い。但し、外側偏向電極6と内側偏向電極7と間の距離
がイオンビームの入射方向(z方向)の座標が増加する
につれ短くなるように設置されている。実施例1で-z
方向の電界成分(入射方向と逆方向)が主にz座標が大
きいところに生成されていたのに対して、実施例3で
は、-z方向の電界成分(入射方向と逆方向)はz座標
全体的に生成され、z座標が増加するにつれ-z方向の
電界成分(入射方向と逆方向)も増加する。したがっ
て、低エネルギーイオンから高エネルギーイオンまでの
イオンビーム全体の偏向角度を増加させるのに有効であ
る。
【0031】
【実施例4】次に実施例4を図10A、図10Bを用い
て説明する。実施例3では、内側偏向電極7と外側偏向
電極6に対して、そのどちらかあるいは両方の電極を曲
面電極から構成させた。実施例4では、実施例3のよう
に、z座標に対する偏向方向(y方向)の電界の増加率
を大きくする為に、複数の平面電極を組み合わて外側偏
向電極6又は内側偏向電極7を構成する。
【0032】図10Aでは、内側偏向電極7に対しては
実施例1と同様、イオンビームの入射方向に平行に設置
した平板電極とする一方、外側偏向電極6に対して、二
つの平面電極をイオンビーム入射方向に対して角度を変
えて接続している。ただし、外側偏向電極6を構成する
二枚の平面電極のうち、イオンビームの偏向部Aへの入
射方向に対する下流側に接続される電極の方が、ビーム
の入射方向に対する電極の設置角度が大きくなるように
二つの平面電極を接続する。このとき、z座標に対する
偏向方向(y方向)の電界の増加率が大きいため、特に
高エネルギーイオンを急激に偏向したいときに有効であ
り、複数の平面電極を角度を変えて接続するので製作が
容易である。
【0033】また、図10Bに示すように、外側偏向電
極6に対して、複数の平面電極6A、6B、6Cを用い
て、各々の電極から内側偏向電極7までの距離を、z座
標の増加とともに次第に短くして、ビームの偏向部Aへ
の入射方向と平行に設置してもよい。実施例4による
と、曲面電極を使わないため、実施例3に比べて電極作
成が容易であり、実施例3とほぼ同様な効果が得られる
ことが期待できる。
【0034】
【実施例5】次に実施例5を図11を用いて説明する。
実施例1〜4では、収束部Bに対して、偏向部Aで偏向
された際、各々の運動ネルギーによってイオンが空間的
に分離されることを利用して、運動エネルギーが高いイ
オンが分布する空間には強い収束方向の電界を、運動エ
ネルギーが低いイオンが分布する空間には弱い収束方向
の電界を生成し、さらに、検出器のイオン入射口付近に
引き込み電界を生成することによりイオンビームを収束
させていた。
【0035】本実施例では、収束部Bに対して、図11
に示すように、偏向部Aに生成される偏向電界によって
ほぼ平行ビームとして偏向されたビームに垂直な面を対
称面として、電界分布がほぼ鏡面対称になるように、収
束部Bの内に電極26、27を配置する。以後、これら
の電極26、27を各々、外側収束電極、内側収束電極
と称す。このとき、電極7が網電極で構成されているの
と同様に電極27も網電極から構成される。電極6及び
電極26は必ずしも網電極である必要はないが、特に、
電極6を網電極にすると、偏向・収束電極系5内に中性
ガスが滞留することによる、検出器方向への流入あるい
は電極の汚れを防ぐことができる。
【0036】本実施例の収束部Bの電極配置によると、
収束部Bの電界分布は、y座標が大きいところほど−z
方向の電界成分が大きく、y座標が小さくなるほどz方
向の電界成分が小さくなる(図13B)。低エネルギー
イオンは、偏向部Aに生成される電界によってz座標が
小さいところで偏向され、電極7と電極27の間をビー
ムの内側に向かって力を受け、y座標の小さいところで
収束部B内に生成される電界内に入射し、−z方向の力
を受ける。
【0037】一方、高エネルギーイオンは、z方向の速
度が速いため、偏向部A内のz座標が大きいところで偏
向される。その後、電極7と電極27の接続部分周辺を
通るためこの間はあまり力を受けず、すぐy座標の大き
いところで収束部Bの電界内に入射するため、大きい−
z方向の力を受ける。
【0038】したがって、エネルギーの大きいイオンほ
ど大きい−z方向の収束力を受け、エネルギーの小さい
イオンほど小さい−z方向の収束力を受ける。この電界
分布が、偏向部Aに生成される偏向電界によってほぼ平
行ビームとして偏向されたビームに垂直な面を対称面と
して、ほぼ鏡面対称となるような電界分布であるため、
この中を通過するイオンビームも鏡面対称的な軌道をた
どり、イオンビームが非常に良く収束する。
【0039】
【実施例6】次に実施例6を図12、13A、13B、
14A、14Bを用いて説明する。ここでは、検出器と
してマルチプライヤーを、偏向・収束電極系5として実
施例5に示した鏡面対称な又はそれに近い配置の電極を
用いたとき、二次電子を発生させるマルチプライヤー内
の第一電極(-1.3 kV)に印加する電圧と同じ電圧を内
側偏向電極7、内側収束電極27及びマルチプライヤー
のケースに印加する。但し、外側偏向電極6、外側収束
電極26及び電極17はア−ス電圧(0 V)とした。こ
のとき、電極系全体の電位分布を計算した結果を図13
Bに示す。図13Bの解析結果にもとづき、エネルギー
収差が5〜2000 eV であるイオンビームを偏向・収束電
極系5に入射したときのイオン軌道を解析した結果を図
13Aに示す。
【0040】図13Aから分かるように、エネルギー収
差が大きいイオンビームを偏向後、非常に良く収束され
ているのが分かる。このとき、マルチプライヤーの第一
電極と同じ電圧を内側偏向電極7、内側収束電極27及
びマルチプライヤーのケースに印加しているので、電源
を増設する必要が無い。
【0041】また、偏向・収束電極系5において鏡面対
称な電極を用いるとき、厳密に偏向部Aと収束部Bが鏡
面対称でなくてもよい。図14Aに偏向部Aと収束部B
が厳密な鏡面対称からずれた場合の例を示す。これは、
厳密な鏡面対称よりも収束部のy方向の長さが短く、z
方向に平行にマルチプライヤー近くに位置する電極17
が対称的配置の場合よりy座標が大きい側に設置されて
いるため、図13の電極配置のときに比べて電界分布の
対称性がずれている(特に、電極7と電極27間)。こ
のとき、各々の電極に対し、図13のときと同じ電圧を
印加したとき得られる電位分布の計算結果を図14B
に、それにもとづいて計算したエネルギー収差が5〜20
00 eVであるイオンビームを偏向・収束電極系5に入射し
たときのイオン軌道解析結果を図14Aに示す。
【0042】このような鏡面対称な電極配置からずれた
場合でも非常に良く収束できることがわかる。基本的
に、完全な鏡面対称でなくても、エネルギーが大きいイ
オンほど強い偏向及び集束力を、エネルギーが小さいイ
オンほど弱い偏向及び集束力を受けてビームの幅が最も
狭まる位置に検出器又はマルチプライヤーの入射口が来
るように配置すればよい。ここでは、偏向・収束電極系
5に鏡面対称な電極及び鏡面対称に近い電極配置の場合
を説明したが、偏向・収束電極系5は実施例1から4に
示したような電極配置でもよい。偏向・収束電極系5及
び検出器又はマルチプライヤーを設置するスペースによ
ってどれのタイプの電極にするかを選択することができ
る。
【0043】
【実施例7】次に実施例7を図15、16A、16B、
17A、17Bを用いて説明する。ここでは、図12の
実施例6において、マルチプライヤーのケースを接地さ
せる場合、第一電極14の入口部分に張られた網電極2
0の面積を、イオンがマルチプライヤーに入射する面に
投影した位置に、前記電極の網電極とほぼ同じ大きさ
に、マルチプライヤーケースを開口させる。これによっ
て、開口部分に引き込み電界が生成されるため、マルチ
プライヤーのケースを接地してもイオンは弾きかえされ
ずに、検出される。ただし、偏向・収束電極系5として
実施例5に示したほぼ鏡面対称な電極を用いた場合、内
側偏向電極7及び内側収束電極27には実施例6と同
様、マルチプライヤーの第一電極14と同じ電圧を印加
する。このとき、電極系全体の電位分布を計算した結果
を図16Bに、それにもとづき、エネルギー収差が5〜
2000 eVであるイオンビームを偏向・収束電極系5に入射
したときのイオン軌道を解析した結果を図16Aに示
す。
【0044】図16Aから分かるように、エネルギー収
差が大きいイオンビームを偏向後、よく収束されたイオ
ンビームが、開口部分に引き込み電界が生成されるため
弾きかえされずに、第一電極14の入口部分に張られた
網電極20に到達される。ここで、第一電極14の入口
部分に張られた網電極20に到達したイオンは網電極2
0を通過し、全て検出されると評価し、第一電極14の
入口部分に張られた網電極20までの軌道だけを計算し
た。このときも、マルチプライヤーの第一電極と同じ電
圧を内側偏向電極7及び内側収束電極27に印加してい
るので、電源を増設する必要が無い。
【0045】また、これまで、偏向・収束電極系5にイ
オンが入射した方向に対し垂直な向きに検出器8を設置
した場合(以後、垂直配置と称す)を検討してきたが、
図17Aに示すように、検出器8又はマルチプライヤー
を偏向・収束電極系5にイオンが入射した方向に対して
斜めに配置してもよい(以後、斜め配置と称す)。この
とき、各々の電極に対し、図16のときと同じ電圧を印
加したとき得られる電位分布の計算結果を図17Bに、
それにもとづいて計算したエネルギー収差が5〜2000 e
V であるイオンビームを偏向・収束電極系5に入射した
ときのイオン軌道解析結果を図17Aに示す。この場
合、偏向後のビームの進行方向に向けてケースの開口部
を向けているので、開口部に生成された引き込み電界に
よりビームはよく収束作用をうけ、検出器8を斜め配置
しても高効率に偏向ビームを検出できる。
【0046】また、図17において、電極17がなくて
も、偏向ビームが開口部に生成された引き込み電界によ
り、よく収束され、高効率に第一電極に入射する計算結
果が得られている。ここでは、偏向・収束電極系5に鏡
面対称な電極及び鏡面対称に近い電極配置の場合及び図
17のように検出器を斜め配置する場合を説明したが、
偏向・収束電極系5は実施例1から4に示したような電
極配置でもよい。偏向・収束電極系5及び検出器8又は
マルチプライヤーを設置するスペースによって電極のタ
イプを選択すればよい。
【0047】
【実施例8】次に実施例8を図18を用いて説明する。
実施例8では、実施例1〜7における質量分析系4とし
て、イオントラップ型質量分析器21を用いる。イオン
トラップ型質量分析器21は、環状のリング電極28
と、それを挟むように向かい合わせて配置された二つの
エンドキャップ電極29及び30から構成される。
【0048】前処理系1、前処理系の移動相除去系2を
通過後、イオントラップ型質量分析器21の電極間空間
に注入される質量分析対象の中性試料は、イオン生成用
電子銃22からエンドキャップ電極29の中心口31を
通って電極間空間に入射してきた電子と衝突しイオン化
される。
【0049】運転用主電源23により、エンドキャップ
電極29及び30とリング電極28間に供給される直流
電圧Uと高周波電圧Vcosωtによって電極間空間に生成
される四重極電界内での、質量対電荷比m/zのイオン
軌道が、安定(振動振幅が一定値を越えず、電極間空間
内を振動)か不安定(振動振幅が増大し、電極間空間よ
り出射)かは、イオンが図19に示した安定領域、ある
いは不安定領域のどの(a,q)点に相当するかで決ま
る。
【0050】a=8eZU/(mr0 2Ω2), q=4eZV/
(mr0 2Ω2) (1)eは素電荷を、m/Zはイオンの
質量対電荷比、つまり質量数を、roはリング電極の内
径を表す。
【0051】質量分析対象のイオンの質量対電荷比の範
囲(マスレンジ)にもとづいて、運転用主電源23が電
極に与える電圧は、イオントラップ電極の大きさや印加
する高周波電圧の周波数f(=2πΩ)などから制御部
25で決定される。
【0052】本実施例では、運転用電圧として、直流電
圧は印加せずに高周波電圧だけをリング電極28に印加
する。このとき、図19の安定領域図では、a=0の直
線に相当し、安定領域内のa=0の直線上の0≦q≦0.9
08の範囲内の点に相当するイオンは全て安定に捕捉され
る。
【0053】(1)式から明らかなように、イオンの質
量数(質量対電荷比m/Z)が異なると、イオンのq値
及び四重極電界中を振動する際の周波数が異なることを
利用して、安定に捕捉されたイオンのうち、目的の質量
対電荷比を持つイオンだけを取り出して質量分離(質量
分散)する、というのがイオントラップ型質量分析器に
おける質量分析の原理である。
【0054】目的の質量対電荷比をもつイオンだけを取
り出す方法は主に二通りある。1)(1)式に基づい
て、リング電極に印加する高周波電圧の振幅Vを徐々に
変化させ、各イオンの相当する安定領域内の点をその安
定領域(a=0の直線上の0≦q≦0.908)から外に出す
ことによって、徐々に異なる質量対電荷比をもつイオン
の軌道を不安定にして電極間空間から出射させる方法
(通常出射法)。2)取り出したい質量対電荷比をもつ
イオンの固有振動周波数と同じ周波数の補助交流電界を
生成して、質量分析対象の質量対電荷比をもつイオンの
振動振幅を増幅させて電極間空間から出射させる方法
(共鳴出射法)。
【0055】特に、共鳴出射法による場合、分析対象の
質量対電荷比m/Zをもつイオンの固有振動周波数と同
じ周波数の補助交流電界を生成する方法は幾つか存在す
るが、最も一般的な方法は、エンドキャップ電極29、
30に各々半位相ずれた、ある特定の周波数をもつ補助
交流電圧を印加することによって、四重極電極間空間に
四重極電界に加えてある特定の周期で振動する補助電界
が生成され、各イオンの質量対電荷比に応じてイオンが
補助交流電界に共鳴して出射する。このとき、主高周波
電圧の振幅を走査することによって(1)式より各イオ
ン種の q 値が走査され、各イオン種のもつ固有振動数
も走査される。したがって、ある特定の周波数の補助交
流電圧を印加し、主高周波電圧の振幅を走査すると、共
鳴出射するイオンの質量対電荷比も走査されることにな
る。図18に補助交流電圧印加用電源24も同時に示
す。
【0056】以上のような方法によって、次々と質量分
離されたイオンは、イオントラップの出射口32を通っ
て、イオントラップ型質量分析器21の外に出る。この
とき、イオンビームはイオントラップ型質量分析器の回
転対称軸にほぼ沿って出射する。
【0057】安定領域内のa=0,q=0.897 の点に相
当する一価で質量数が100(amu)のイオンに対し、振幅
2 V、10 V、20 V の共鳴電圧をエンドキャップ電極に図
17のように印加して補助電界を生成させたとき、100
(amu)のイオンが共鳴出射した際の運動エネルギーを
計算した結果を各々図20A、図20B、図20Cに示
す。これらは、四重極電極間の空間に均等に分布させた
1550個のイオンを対象に計算した結果得られた出射エネ
ルギー分布図である。これによると、イオンは、イオン
トラップ出射時にかなりのエネルギー分散を持つことが
分かる。
【0058】また、共鳴電圧の振幅が大きくなるほどそ
のエネルギー分散幅が大きくなり、イオン共鳴出射時の
エネルギー分散幅が共鳴電圧の振幅に依存することが分
かった。また、共鳴出射時のイオンの速度の幅が、質量
対電荷比にあまり依存しないことから、出射時のイオン
のエネルギー分散の幅は、イオンの質量対電荷比にほぼ
比例する計算結果が同様に得られている。例えば、図2
0Bより、マスレンジが50〜650(amu)で、10Vの共鳴
電圧を印加してイオンを質量分離するとき、質量分析系
4を出射時のイオンのエネルギー分散幅がイオンの質量
が50(amu)のとき約137.5 eV、650(amu)のとき約178
7.5 eVとなり、50〜650(amu)のマスレンジ内での一連
の質量分離走査時で非常にエネルギー分散幅が大きくな
る。
【0059】なお、通常出射の場合も質量数が 100(am
u)で約 30 eV のエネルギ−幅をもち、これは質量対電
荷比に比例することが同様に数値解析により分かった。
【0060】質量分析器が通常の二次元四重極型の場合
は、イオンの質量によらずほぼ同一のエネルギ−でイオ
ンを質量分析部に入射させるので、イオンの質量数に関
係なくエネルギ−分散幅は非常に小さい。また、セクタ
−型質量分析器である場合は、通常二重集束(方向とエ
ネルギ−の集束)を行っているので、同様にエネルギ−
分散幅は非常に小さい。以上のような理由で、前述した
エネルギ−分散幅が非常に大きいという問題はイオント
ラップ型質量分析器を用いる場合の特有の問題であると
言える。
【0061】したがって、質量分析系4としてイオント
ラップ型質量分析器を用いる場合、本発明の偏向・収束
電極系5は特に有効であることが分かる。このとき、偏
向・収束電極系5は、実施例1〜6に示した電極の何れ
のタイプにしてもよい。検出器あるいはマルチプライヤ
ーもこれまでに示した配置の何れでもよい。
【0062】また、図18において、内側偏向電極7に
印加する電圧を制御系10で決定する手段として、図2
0A、図20B、図20Cの計算結果でイオンの出射エ
ネルギーの分散幅が補助交流電圧の振幅(イオンを共鳴
出射する場合)とイオンの質量対電荷比に依存している
ことから、補助交流電圧の振幅(イオンを共鳴出射する
場合)とイオンの質量対電荷比に対応するエネルギー分
散幅に基づいて内側偏向電極7に印加する電圧を決めて
もよい。このとき、質量分析対象イオンの質量対電荷比
の走査を制御する、イオントラップ型質量分析器用制御
系25と連動して、マスレンジ内で質量分離しているイ
オンの質量対電荷比に応じて、各イオンのエネルギー分
散幅に対応した電圧を内側偏向電極7に印加してもよ
い。
【0063】また、質量分析対象イオンのマスレンジの
最大値に応じて内側偏向電極7に印加する電圧を決めて
もよい。例えば、全て1価の正イオンに対して、マスレ
ンジが50〜650(amu)のとき、650(amu)のイオンの出
射エネルギーが約1787.5 eVであるのに応じて、そのエ
ネルギーあるいはそれよりも多少大きいエネルギーを持
つイオン(例えば1800 eV〜2000 eV 程度)が偏向さ
れ、その後収束性が高くなるような電圧を内側偏向電極
7に印加する。
【0064】このように、ある定められた質量対電荷比
の範囲(マスレンジ)内で質量数分離の走査をする場
合、エネルギー収差が最大となる、マスレンジ内の質量
対電荷比が最大値のとき、イオンビームが広がらずに偏
向、収束されて高感度・高効率にイオンが検出されるよ
うな電圧を内側偏向電極7に印加しておけば、そのマス
レンジ内の全てのイオンに対して、イオンビームが広が
らず、偏向、収束され、高感度・高効率にイオンが検出
され、偏向電圧の調整等が不要である。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、質量分析されたイオン
を偏向して検出することにより中性分子によるノイズを
回避することができかつその際質量分析されたイオンの
エネルギ−収差にもとづくそのイオンの広がりを抑えて
そのイオンの高効率、高感度検出を可能にするのに適し
た質量分析装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく実施例1を示す質量分析装置
の全体概略図である。
【図2】本発明にもとづく実施例1の偏向・収束電極系
及びイオン検出系の一部の断面図である。
【図3A】本発明にもとづく実施例1の偏向・収束電極
系の偏向部での電界(偏向方向成分)の二次元分布図で
ある。
【図3B】本発明にもとづく実施例1の偏向・収束電極
系の偏向部での電界(偏向方向成分)の三次元分布図で
ある。
【図4A】本発明にもとづく実施例1の偏向・収束電極
系の偏向部での電界(ビームの入射方向成分)の二次元
分布図である。
【図4B】本発明にもとづく実施例1の偏向・収束電極
系の偏向部での電界(ビームの入射方向成分)の三次元
分布図である。
【図5】本発明にもとづく実施例1の偏向・収束電極系
及びイオン検出系までのイオン軌道解析結果を示す図で
ある。
【図6】本発明にもとづく実施例1の偏向・収束電極系
及びイオン検出系の一部までの電位分布図である。
【図7】本発明にもとづく実施例2を示す質量分析装置
の全体概略図である。
【図8A】本発明にもとづく実施例2の電圧印加時にお
けるイオンビーム軌道計算結果を示す図である。
【図8B】本発明にもとづく実施例2の電圧印加時にお
ける電位分布図である。
【図9A】本発明にもとづく実施例3を示す質量分析装
置の偏向電極の断面図である。
【図9B】本発明にもとづく実施例3を示す質量分析装
置の偏向電極の変形例の断面図である。
【図10A】本発明にもとづく実施例4を示す質量分析
装置の偏向電極の断面図である。
【図10B】本発明にもとづく実施例4を示す質量分析
装置の偏向電極の変形例の断面図である。
【図11】本発明にもとづく実施例5を示す質量分析装
置の偏向・収束電極系の断面図である。
【図12】本発明にもとづく実施例6を示す質量分析装
置の全体概略図である。
【図13A】本発明にもとづく実施例6を示す質量分析
装置の偏向・収束電極系及びイオン検出系までのイオン
軌道解析結果を示す図である。
【図13B】本発明にもとづく実施例6を示す質量分析
装置の偏向・収束電極系及びイオン検出系までの電位分
布図である。
【図14A】本発明にもとづく実施例6の変形例を示す
質量分析装置のの偏向・収束電極系までのイオン軌道解
析結果を示す図である。
【図14B】本発明にもとづく実施例6の変形例を示す
質量分析装置のの偏向・収束電極系までの電位分布図で
ある。
【図15】本発明にもとづく実施例7を示す質量分析装
置の全体概略図である。
【図16A】本発明にもとづく実施例7の偏向・収束電
極系及びイオン検出系までのイオン軌道解析結果を示す
図である。
【図16B】本発明にもとづく実施例7の偏向・収束電
極系及びイオン検出系までの電位分布図である。
【図17A】本発明にもとづく実施例7の偏向・収束電
極系及びイオン検出系までのイオン軌道解析結果を示す
図である。
【図17B】本発明にもとづく実施例7の偏向・収束電
極系及びイオン検出系までの電位分布図である。
【図18】本発明にもとづく実施例8を示す質量分析装
置の全体概略図である。
【図19】イオントラップ型質量分析器のイオントラッ
プ内をイオンが安定軌道をたどるための(a,q)の範
囲を表す安定領域図である。
【図20A】イオントラップ出射時の、共鳴出射点が q
=0.879 で印加共鳴電圧の振幅が2V の場合の 100(am
u)イオンのエネルギー分布図である。
【図20B】イオントラップ出射時の、共鳴出射点が q
=0.897 で印加共鳴電圧の振幅が10V の場合の 100(am
u)イオンのエネルギー分布図である。
【図20C】イオントラップ出射時の、共鳴出射点が q
=0.897 で印加共鳴電圧の振幅が20Vの場合の 100(am
u)イオンのエネルギー分布図である。
【図21】従来の偏向電極装置の例1を示す図である。
【図22】従来の偏向電極装置の例2を示す図である。
【図23A】従来の偏向電極装置の例2によるイオン軌
道解析結果を示す図である。
【図23B】従来の偏向電極装置の例2による電位分布
図である。
【符号の説明】
1…前処理系、2…前処理系の移動相除去系、3…イオ
ン源、4…質量分析系、5…偏向・収束電極系、6…外
側偏向電極、7…内側偏向電極、8…イオン検出系、9
…偏向電極用電源、10…制御系、11…データ処理
系、12…イオン検出器の入射口、13…マルチプライ
ヤー、14…マルチプライヤー内の第一電極、15…マ
ルチプライヤー用電源、16…電極、17…電極、18
…マルチプライヤーケースの開口、19…マルチプライ
ヤーケース、20…マルチプライヤー内第一電極の入口
部のメッシュ電極、21…イオントラップ型質量分析
器、22…イオン生成用電子銃、23…イオントラップ
型質量分析器運転用電源、24…補助電源、25…イオ
ントラップ用制御系、26…外側収束電極、27…内側
収束電極、28…リング電極、29…電子銃側のエンド
キャップ電極、30…検出器側のエンドキャップ電極、
31…電子の入射口、32…イオンの検出口。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 義昭 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株式会社 日立製作所 計測器事業部内 (56)参考文献 特開 平4−32145(JP,A) 特開 昭61−107650(JP,A) 特開 昭62−44947(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/22 H01J 49/06 H01J 49/26 - 49/42

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンを質量分析する質量分析器と、その
    質量分析されたイオンを偏向するイオン偏向器と、その
    偏向されたイオンを集束するイオン集束器と、その集束
    されたイオンを検出するイオン検出器とを備え、前記イ
    オン偏向器は前記イオンの進行につれて強く偏向させる
    ように偏向電界を発生させるイオン偏向電界発生器を有
    ることを特徴とする質量分析装置。
  2. 【請求項2】前記イオン集束器は、エネルギ−が大きい
    イオンほど収束力が大きくなるように集束電界を発生さ
    せる集束電界発生器を有することを特徴とする請求項1
    に記載された質量分析装置。
  3. 【請求項3】 前記イオン検出器を、そのイオン入射口が
    前記偏向電界により偏向された後のイオンが進行する方
    向に向けられるように配置することを特徴とする請求項
    1に記載された質量分析装置。
  4. 【請求項4】 前記イオン検出器を、そのイオン入射口が
    前記質量分析されたイオンが前記イオン偏向器に入る前
    に進行する方向に対して垂直な方向を向くように配置す
    ることを特徴とする請求項1に記載された質量分析装
    置。
  5. 【請求項5】 前記質量分析器は前記イオンを安定に捕捉
    する3次元四重極電界を形成し、その捕捉されたイオン
    をその質量数に応じて前記3次元四重極電界から出射さ
    せるイオントラップ型質量分析器であることを特徴とす
    る請求項1に記載された質量分析装置。
  6. 【請求項6】 前記イオン偏向器は2個の電極を含み、該
    2個の電極は前記質量分析されたイオンがその間に入射
    するように互いに対向して配置され、前記2個の電極間
    には、その間に入射したイオンを前記2個の電極のうち
    の一方の電極の方へ偏向させるように電位差が与えら
    れ、前記質量分析器は前記イオンを安定に捕捉する3次
    元四重極電界を形成し、その捕捉されたイオンをその質
    量数に応じて前記3次元四重極電界から出射させるイオ
    ントラップ型質量分析器であり、前記電位差は前記質量
    数に応じて決定されていることを特徴とする請求項1に
    記載された質量分析装置。
  7. 【請求項7】 前記イオン偏向器は2個の電極を含み、該
    2個の電極は前記質量分析されたイオンがその間に入射
    するように互いに対向して配置され、前記2個の電極間
    には、その間に入射したイオンを前記2個の電極のうち
    の一方の電極の方へ偏向させるように電位差が与えら
    れ、前記質量分析器は前記イオンを安定に捕捉する3次
    元四重極電界を形成し、その捕捉されたイオンをその質
    量数に応じて前記3次元四重極電界から出射させるイオ
    ントラップ型質量分析器であり、前記3次元四重極電界
    に重畳される補助電界を形成させる電圧を発生させる手
    段を有し、その補助電界により前記イオンをその質量数
    に応じて共鳴させて前記三次元四重極電界から出射さ
    せ、前記電位差は前記補助電界形成用電圧の大きさに応
    じて決定されていることを特徴とする請求項1に記載さ
    れた質量分析装置。
  8. 【請求項8】 前記イオン偏向器は2個の電極を含み、該
    2個の電極は前記質量分析されたイオンがその間に入射
    するように互いに対向して配置され、前記2個の電極間
    には、その間に入射したイオンを前記2個の電極のうち
    の一方の電極の方へ偏向させるように電位差が与えら
    れ、前記質量分析器は前記イオンを安定に捕捉する3次
    元四重極電界を形成し、その捕捉されたイオンをその質
    量数に応じて前記3次元四重極電界から出射させるイオ
    ントラップ型質量分析器であり、前記電位差は質量分析
    されるイオンの質量数の最大値に応じて決定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載された質量分析装置。
  9. 【請求項9】 前記イオン偏向器は2個の電極を含み、該
    2個の電極はその間に前記質量分析されたイオンが入射
    するように互いに対向する内側平面を有し、該内側平面
    間の間隔は前記質量分析されたイオンの入射側よりもそ
    の反対側が狭くされており、前記2個の電極のうちの一
    方は前記偏向されたイオンが通り得るように網状に形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載された質量
    分析装置。
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