JP3188954U - 昇華型インクを使った布地・紙染色装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺の布地・紙に対しインクジェット方式を用い、かつ前処理剤の塗布と昇華型染料の印刷とを連続的に行う昇華型インクを使った布地・紙染色装置を提供する。また、高速に、布地・紙毎、染料毎に染色を可能とする小ロット染色ができる昇華型インクを使った布地・紙染色装置を提供する。【解決手段】長尺に形成された布地・紙を供給する布地・紙供給部2と、前記布地・紙に前処理剤を供給する前処理部3と、前処理された前記布地・紙にインクジェットにより昇華型水性インクで画像を形成する画像形成部4と、昇華型染料を前記布地・紙に定着する定着部5と、前記布地・紙を回収する布地・紙回収部7と、を少なくとも有することを特徴とする昇華型インクを使った布地・紙染色装置1とする。【選択図】図1

Description

本考案は、前処理剤の塗布と昇華型染料の印刷とを連続的に行う、昇華型インクを使った布地・紙染色装置に関する。
従来より布地にインクジェットによる印刷方法が提案されている。その一つとして、昇華型の水性インクを用いて印刷し昇華型染料を布地に定着する方法がある。しかし昇華型染料は布地の繊維に定着しづらいという問題があるため、あらかじめ布地に前処理剤として固定剤を塗布し、その後、昇華型の水性インクを用いて印刷し、加熱定着する方法がとられている。
従来はこの前処理剤としての固定剤の塗布と印刷が完全に分業されていて、別の装置で行われていた。しかし、小ロットの布地染色において布地毎、あるいは昇華型染料毎に前処理剤としての固定剤と昇華型染料を選択していきたいという要望もある。そのためには、前処理剤としての固定剤の塗布と昇華型染料の印刷とを一つの装置の中で一連の工程で行うことが生産性が高く、効率が良い。
その際に、布地への染色品質と生産性の確保の両立が課題となる。また、前処理剤としての固定剤の塗布とインクジェットによる昇華型水性インクを塗布した後の乾燥と染料の定着が困難となる問題がある。
また、水溶性の染料インクを使用するため、どうしても布地の生地の間を染料が拡散し、いわゆる滲みが発生しやすい問題がある。そのため前記固着剤と同時に前処理剤として滲み止め剤を塗布する場合もある。ここで、固定剤と滲み止め剤を兼ねることもできる。さらに、前処理剤(固定剤、滲み止め剤等)の塗布とインクジェットによる昇華型水性インクを塗布するため、前処理剤の乾燥と、昇華型水性インクの乾燥を別々に行うと乾燥エネルギーが大きくなり、また、乾燥に時間を要するため生産性が低下するという問題がある。

特許文献1は水溶性金属塩類から選択される1種または2種以上の凝集成分と、水溶性高分子及び水不溶性親水性高分子から選択される1種または2種以上の親水性成分と撥水剤及び疎水性成分とを含む水溶液を含浸させ、乾燥後の布帛にインクジェット方式によって所要の図柄を捺染し、次いで熱処理を施すことを特徴とするインクジェット染色方法を開示している。しかし、具体的にはどのような装置でこれを実現するのかについては一切開示されていない。
特許文献2はポリエチレンオキサイド化合物及びその誘導体の少なくとも1つと、トコフェロール類とを含有することを特徴とする布帛処理剤を布帛に含浸させた後乾燥させ捺染用の布帛を得、それをカットしてインクジェットプリンターで染料インクを印刷し、その後高温のスチーム蒸気処理を行い、還元洗浄、水洗浄、乾燥を行う技術を開示している。しかし、具体的にはどのような装置でこれを実現するのかについては一切開示されていない。
特許文献3は、布地に滲み止め剤であるバインダ塗布するバインダ塗布装置、昇華性インクを印刷するインクジェットプリントヘッド、インクを乾燥させるプリヒータ、布地を加熱する加熱ドラムを備える布地への画像形成装置を開示している。しかし、カチオン系水溶液又はアニオン系水溶液を塗布するものではないため、染料の定着性が十分確保できない。さらにはバインダ塗布装置の構成については開示されていない。また、バインダが液体の場合、余剰液の処理装置がないため昇華性インクを印刷した場合の滲み・混色の問題がある。
特許文献4はポリエステル生地に対してセルロースを主成分とする滲み防止剤で処理を施した後、昇華型分散染料にてインクジェットでプリントし、発色促進のための熱プレス処理を施し、後洗浄処理を施すことにより、先に施された滲み防止剤中のセルロースを除去する技術を開示している。 しかし、この熱プレスはポリエステル生地をカットして50〜60秒程度の時間熱を印加しており、長尺の布地を連続的に処理できず、装置が大掛かりになり、自動化が困難であり、染色の生産性が劣る欠点がある。また、後洗浄処理は水洗機の中を通すため大量の水が必要であり、後の乾燥が困難になるという問題がある。
特許文献5は少なくとも昇華型分散染料、溶媒、分散剤、界面活性剤、および水からなるダイレクト昇華インクジェット用インクを用いて、布帛に画像を直接インクジェットヘッドで印刷し、乾燥してから発色工程を経る画像形成方法において、布帛を非接触式加熱方式の発色機を通して該工程を完了させることを特徴とするダイレクト昇華インクジェット用インクによる布帛への画像形成方法を開示している。しかし、この装置では固定剤や滲み止め剤といった染料を定着等する機構がないため、染料の混色や滲みが発生したり、洗濯等で染料が抜け落ちる欠点がある。この装置が、あらかじめ固定剤や滲み止め剤により処理された布地を用いることを想定しているものである場合には、無処理の生地から染色された最終の布までを生産するものではない。
特開平11−269783号公報 特開2000−178878号公報 特開2006−265813号公報 特開2009−235584号公報 特開2010−59591号公報
前処理剤の塗布と昇華型染料の印刷とを連続的に行う、昇華型インクを使った布地・紙(布地又は紙)染色装置を提供する。また、昇華型水性インクを使うインクジェット方式において、インクの滲みを抑えた文字・画像を配した着色布・紙の省エネルギーな製造装置(布地・紙染色装置)を提供する。
上記課題を解決するために、長尺に形成された布地・紙を供給する布地・紙供給部と、前記布地・紙に前処理剤を塗布する前処理部と、前処理された前記布地・紙にインクジェットにより昇華型水性インクで画像を形成する画像形成部と、昇華型染料を前記布地・紙に定着する定着部と、前記布地・紙を回収する布地・紙回収部と、を少なくとも有することを特徴とする昇華型インクを使った布地・紙染色装置とするとよい。
また、前記前処理部が、前処理剤としてカチオン系水溶液又はアニオン系水溶液を塗布する前処理剤塗布装置を有する昇華型インクを使った布地・紙染色装置とするとよい。
また、前記前処理剤塗布装置と前記画像形成部との間に前記前処理剤の余剰液を除去し乾燥する余剰液除去・乾燥装置をさらに設け、前記前処理剤塗布装置で布地・紙に塗布された前処理剤を完全に乾燥させない程度に余剰液を除去し乾燥するようにした昇華型インクを使った布地・紙染色装置とするとよい。
また、前記定着部と前記布地・紙回収部の間に、前記布地・紙に中和剤としてアニオン系水溶液又はカチオン系水溶液を塗布し中和する中和部と、前記布地・紙を水で洗浄する洗浄部と、前記布地・紙から前記洗浄に用いた水を乾燥する乾燥部をこの順で更に設けた昇華型インクを使った布地・紙染色装置とするとよい。
長尺の布地・紙に対しインクジェット方式を用い、かつ前処理剤の塗布と昇華型染料の印刷とを連続的に行う昇華型インクを使った布地・紙染色装置が提供できる。また、小ロットの布地・紙への染色が自動的に、高速に、省エネルギーで、滲みなく、発色が安定し、定着性に優れた布地・紙染色装置が提供できる。
本考案に係る昇華型インクを使った布地・紙染色装置の全体の概略を示した説明図である。 本考案に係る昇華型インクを使った布地・紙染色装置の定着部の概略を示した説明図である。
以下本考案を実施するための形態について説明する。
図1は本考案の昇華型インクを使った布地・紙染色装置の図である。昇華型インクを使った布地・紙染色装置1は布地・紙供給部2、前処理部3、画像形成部4、定着部5、布地・紙回収部7からなり、さらに品質改善のため洗浄・乾燥部6を設けている。布地・紙26として染色前の布地・紙を巻出しローラ22にセットし、所定の布地・紙搬送経路に布地・紙を通し巻取りローラ72に固定する。駆動装置73によって布地・紙26を搬送する。以下、簡単のため布地・紙(布地又は紙)のうち布地に限定して説明する。
ここで布地とは繊維を板状に加工したものをいい、作り方によって織物、編み物(メリヤス)、レース、フェルト、不織布などに分類され、染色可能なものであれば作り方を問わない。
使われる繊維は、大きくは天然繊維と化学繊維に分類される。天然繊維としては植物繊維、動物繊維、鉱物繊維、食物繊維があげられる。化学繊維としては合成繊維、半合成繊維、再生繊維、ガラス繊維、炭素繊維、人造鉱物繊維があげられる。特に本考案では、綿、麻、絹、カシミヤ等の動物繊維、レーヨン、キュプラ、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの繊維が染色して使用するのに好適である。
織物の織り方としては平織り、綾織り、しゅす織(サテンなど)などがあげられ、いずれも好適に使用可能である。
巻出し布地21から巻きだされた布地・紙26は前処理剤を塗布する前処理部3に送られる。なお、前処理剤とは染料を布地に定着させる固定剤や、滲みを防止する滲み防止剤などの昇華型インクを印刷する前に布地に塗布する処理剤をいう。
前処理部3は前処理剤塗布装置31と余剰液除去・乾燥装置8からなる。前処理剤塗布装置31は前処理剤を布地に塗布する装置であり、余剰液除去・乾燥装置8は布地に浸透した前処理剤の一部を除去し乾燥する装置である。
前処理剤塗布装置31は例えば、スリット状のノズルから液を吐出する方式のもの、円形ノズルのディスペンサーの使用などが良い。しかし前処理剤が布地に塗布できればいかなる方式のものも使用可能である。
余剰液除去・乾燥装置8は布地から前処理剤の一部を除去・乾燥できればいかなる方式のものも使用可能である。図1では、余剰液除去・乾燥装置8として吸液ローラ35、加熱乾燥装置33等からなる構成を示している。
吸液ローラ35は連泡タイプのスポンジローラが使用できる。この場合ローラ軸を減圧することによってスポンジ部の液を吸いこむような使用方法ができる。また、独立気泡タイプのローラも使用できる。この場合、一時的に吸液しその後、液をローラ外側から機械的に絞り出すような使用方法ができる。
加熱乾燥装置33はヒータ34を内蔵したローラ状のものがよいが、表面がフッ素系樹脂でコートされているものがさらに良い。フッ素系樹脂としてはPTFE,PFAなどが好適に使用できる。加熱温度は前処理剤を乾燥し得る温度で良く、例えば80℃〜240℃が好ましい。
前処理剤は昇華型染料を生地に定着する(固定剤)ため、また滲み防止(滲み防止剤)を目的として使用され、使用する布地に応じてカチオン系水溶液又はアニオン系水溶液が使用できる。
カチオン系水溶液としては各社から固定剤(フィックス剤)として販売されているものが使用可能である。例えば、カプラミン700、カプラミン1000、スーパーカプロンKF、シルクフィックス3A、スープラフィックスDFC、ダイヤフィックス、センカフィックス157等のセンカフィックスシリーズ、センカフィックスJOY−2、センカフィックスJOY−30、チェーエルカットCF−2、センカアイフィックス54(以上全てセンカ株式会社製)等が使用可能である。
アニオン系水溶液としては各社から固定剤(フィックス剤)として販売されているものが使用可能である。例えば、ウールファスター、カチオンフィックス3A、ナイロンフィックスTH、ナイロンフィックス501、ナイロンフィックスSZ−2(以上全てセンカ株式会社製)等が使用可能である。
ここで余剰液除去・乾燥装置8により布地から前処理剤を完全に乾燥せず、一部の乾燥にとどめる方が好ましい。完全に乾燥する場合に比べ、搬送時の布地の皺の発生が少なくなり、完全に乾燥しないため投入エネルギーが少なく、また、短時間で次の工程に移ることができるからである。我々の検討では、液がたれない程度に前処理剤を除去・乾燥すれば、懸念される染料の滲みや混色の発生はほとんど認められないため、染色品質が低下する問題もない。
また、前処理剤の塗布と昇華型染料の印刷とを連続的に行うことによって、初めて前処理剤を完全に乾燥させずに次の工程に移ることができるようになり、前処理剤の塗布と昇華型染料の印刷を別の装置とする場合に比べて工程時間の短縮と大幅な省エネが実現できる。
インクは昇華型染料を含んだものである。昇華型水性インクとしては例えば株式会社サンリュウの昇華インクが使用できる。具体的にはHANAE−D(ポリエステル用)、HANAE−III(ポリエステル用)、HANAE−F(ポリエステル用)、HANAE−A(絹用)(全て株式会社サンリュウ製)などが好適に使用できる。
画像形成部4では図示しないコンピュータからの画像データに基づいて昇華型水性インクをインクジェットヘッド41から布地・紙26に吐出して画像を形成する。昇華型水性インク中の溶剤(水)蒸気は排気装置42により排出する。
昇華型水性インクで画像を形成するのにインクジェットヘッド41を用いるが、これは、布地と非接触で印刷できるため、凹凸を有する布地や、さまざまな厚みの布地に対応できるからである。また、可変データの印刷も可能なため、小ロットの印刷に適しているからである。
一方、インクジェット用インクは他のスクリーン等の印刷用インクよりも溶剤(水)の含有量が多いため乾燥しづらく、発色のための加熱に工夫が必要となる。
布地・紙26は最初に前処理剤塗布装置31により前処理剤を塗布されるが、この前処理剤は後でインクジェットヘッド41によって印刷される染料と化学結合し、定着し、また横流れを防止し、いわゆる滲みを防止する効果がある。昇華型染料を含有したインクは定着部5によって加熱され、前記の前処理剤と結合し定着する。このとき所定の温度で所定の時間以上の加熱が必要であるため加熱装置に工夫が必要である。
図1又は2に示す定着部5では、加熱手段53を内蔵した加熱用金属ローラ52と耐熱性ベルト54の間を前記インクで画像形成された布地・紙26を通し、乾燥と昇華型染料の定着を行う。加熱用金属ローラ52周辺の部材の極端な加熱を防止するため排熱装置55により熱を排出する。 なお、定着部5は昇華型染料を布地に定着するための加熱する手段であれば図1又は2で示した形態のものに限らない。
加熱用金属ローラ52は、昇華型染料や前処理剤の付着を防止するため表面がフッ素系樹脂でコートされている方が好ましい。フッ素系樹脂としてはPTFE,PFAなどが好適に使用できる。加熱温度は前処理剤や染料インクを乾燥し、染料を発色させ得る温度で良く、例えば130℃〜240℃が好ましい。
前記した、耐熱性ベルト54は布地・紙26を加熱用金属ローラ52に密着させるために設けられる。耐熱性ベルト54の材料はある程度の耐熱性が必要であるが、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムなどの通気性のないフィルムの他、アラミド繊維で編まれた通気性のある耐熱布が好適に使用できる。布地・紙26からの蒸気を排出するためには通気性のある耐熱布の方がより好ましい。
加熱用金属ローラ52と耐熱性ベルト54により布地・紙26を挟み込み加熱用金属ローラ52と布地・紙26を一定距離接触させる。その接触距離と布地の搬送速度から決定される加熱用金属ローラ52と布地・紙26の接触時間は0.1秒から15秒が好ましく、1秒から10秒とするとさらに良い。接触時間が短いと発色が困難になり、それでも発色させようとするとローラ温度を上げて、布地の熱による劣化を発生させる恐れがあるからである。接触時間をこれ以上に長くしようとすると生産性が落ち、又は装置を大型化しなければならないからである。しかしながら、これらは一例であって布地を加熱させることができればいかなる加熱装置でも使用できる。
定着部5において、布地・紙26は回転可能な加熱用金属ローラ52に巻きつくように渡される。布地・紙26と加熱用金属ローラ52は実質的に速度差を設けない。これによって布地・紙26が加熱用金属ローラ52と擦れることによる滲み、汚れ、加熱用金属ローラ52の摩耗の防止が図られる。
加熱用金属ローラ52の表面はフッ素系樹脂でコートする。これによって、昇華型染料の加熱用金属ローラ52への転写が最小限に抑えられ、また後で述べるクリーニング装置57によるクリーニングが好適に行われる。
定着部5において、布地・紙26の外側には耐熱性ベルト54が布地・紙26に接触して張られる。これによって布地・紙26は安定的に加熱用金属ローラ52に接触し、また保温効果もあるため昇華型染料の発色・定着が安定的に確実に行われる。
耐熱性ベルト54は通気性のある耐熱布がより好ましい。布地・紙26からの蒸気をスムーズに排出し、乾燥効率をあげるためである。
布地・紙26と耐熱性ベルト54は実質的に速度差を設けないのが望ましい。これによって布地・紙26が耐熱性ベルト54と擦れることによる滲み、汚れ、耐熱性ベルト54の摩耗の防止が図られる。
耐熱性ベルト54の表面はフッ素系樹脂でコートするのが望ましい。これによって、昇華型染料の耐熱性ベルト54への転写が最小限に抑えられ、また後で述べるクリーニング装置56によるクリーニングが好適に行われる。
加熱用金属ローラ52はクリーニング装置57と当接するのが望ましい。加熱用金属ローラ52表面に付着した昇華型染料その他の汚れをクリーニング装置57で除去し、布地・紙26への汚れを防止するためである。
耐熱性ベルト54はクリーニング装置56を当接するのが望ましい。耐熱性ベルト54表面に付着した昇華型染料その他の汚れをクリーニング装置56で除去し、布地・紙26への汚れを防止するためである。しかし、前記したようにこれらは好ましい形態ではあるが、布地を加熱できれば、必ずしもこの形態に限定されない。
洗浄・乾燥部6は中和部9、洗浄部10、乾燥部11からなる。布地・紙26に、中和部9で中和剤を吹きかけ、続いて洗浄部10で水洗浄し、さらに続いて乾燥部11で布地を乾燥する。
中和部9では、まず布地・紙26に中和剤吐出装置61により中和剤を吹きかけ布地・紙26に残留した前処理剤を中和する。中和剤吐出装置61は、ノズル式のディスペンサーが好適に用いられる。しかし、中和剤を布地に吐出するものであればいかなる方式のものでも良い。
前処理剤にカチオン系水溶液を使用した場合には、中和剤としてはアニオン系水溶液が好ましい。
アニオン系水溶液としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水溶液が使用できる。
前処理剤にアニオン系水溶液を使用した場合には、中和剤としてはカチオン系水溶液が好ましい。
カチオン系水溶液としては、クエン酸、アコニット酸、イソクエン酸、ケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸等の水溶液が使用できる。
洗浄部10では、高温蒸気吐出装置62により布地・紙26に高温の水蒸気を吹きかけ布地・紙26中の処理材及び中和剤及びこれらの反応によって生成した化学物質を洗い流す。洗浄後の洗浄液は排気・排水装置63によって図示しないタンク等に排出される。洗浄部10を構成する高温蒸気吐出装置62は水を加熱して高温蒸気としてノズルから吐出されるものである。しかし、洗浄機能のあるものであれば、他の方式のものも使用可能である。
乾燥部11では、吸液ローラ64により布地・紙26中の液を吸い取り、ヒータ66を内蔵した加熱乾燥装置65により残存する液を蒸発させ、排気装置67により蒸気を機外に排出する。乾燥部11を構成する吸液ローラ64は連泡タイプのスポンジローラが使用できる。この場合ローラ軸を減圧することによってスポンジ部の液を吸いこむような使用方法ができる。また、独立気泡タイプのローラも使用できる。この場合、一時的に吸液しその後、液をローラ外側から機械的に絞り出すような使用方法ができる。
乾燥部11を構成する加熱乾燥装置65はヒータ66を内蔵したローラが良く、表面がフッ素系樹脂でコートされているものがさらに良い。フッ素系樹脂としてはPTFE,PFAなどが好適に使用できる。加熱温度は中和剤などの液を乾燥し得る温度で良く、例えば80℃〜240℃が好ましい。しかし、乾燥する機能のあるものであれば、前記した吸液ローラや加熱乾燥装置に限定されない。
布地・紙26に染料が定着された後、前処理剤が布地中に残存していると、布地・紙26の白化のごとき問題が発生し、また布地がその後人体に触れるようなケースではかぶれ等の問題が発生する可能性があるため、中和剤吐出装置61により、前処理剤を中和するのが有効となる。通常、前処理剤は酸性又はアルカリ性のため、中和のため、それぞれアルカリ又は酸の中和剤を用いる。中和した後には化学反応で塩ができるため、それを高温蒸気吐出装置62により洗い流す。その後、吸液ローラ64で液を吸いとり、加熱乾燥装置65で乾燥すると、滲みなく染料が布地・紙26に定着し、また酸等の不純物の残存のない、染料で染色された布が完成する。
画像形成され乾燥した布地・紙26は布地・紙回収部7で巻取りローラ72により巻きとられる。 駆動装置73は布地・紙26を巻取るための駆動源である。これ以外にも図示しないがインクジェットヘッド41により良好な画像を形成するため、布地・紙26を一定速度で搬送する駆動源を設けている。
このような構成とすることで、長尺の布地・紙に対しインクジェット方式を用い、かつ前処理剤の塗布と昇華型染料の印刷とを連続的に行う昇華型インクを使った布地・紙染色装置が提供できる。また、小ロットの布地・紙への染色が自動的に、高速に、省エネルギーで、滲みなく、発色が安定し、定着性に優れた布地・紙染色装置が提供できる。
ここまで簡単のため布地に限定して説明してきた。しかし、本考案は布地に限定されず、紙への染色にも適用できることは言うまでもない。ここで紙とは植物などの繊維をからませながら薄く平らに整形したものをいう。
紙の種類としては大きく和紙と洋紙、および合成紙に分類される。和紙はコウゾ・ミツマタ・ガンピなどを原料としたした日本独自のもので、洋紙は主に木材を主原料とした紙である。合成紙は、合成樹脂を主原料として製造された紙である。いずれの紙も本装置により好適に染色される。
合成樹脂以外の紙の原料は主に木材と非木材に分類される。木材としては針葉樹、広葉樹のいずれも使用される。針葉樹は紙の強度が上がり、広葉樹は表面の平滑性が上がるため、これらを用途に応じて適宜配合して所望の特性の紙とされる。非木材としては前記のコウゾ・ミツマタ・ガンピの他、麻、竹、藁、亜麻、木綿、サトウキビ、マニラアサ、ケナフ、バナナ、アブラヤシ等が使用される。いずれを原料とした紙も本装置により好適に染色される。なお、前処理剤や中和剤に関しては公知のものが使用できる。
1 布地・紙染色装置
2 布地・紙供給部
3 前処理部
4 画像形成部
5 定着部
6 洗浄・乾燥部
7 布地・紙回収部
8 余剰液除去・乾燥装置
9 中和部
10 洗浄部
11 乾燥部
21 巻出し布地・紙
22 巻出しローラ
26 布地・紙
31 前処理剤塗布装置
32 排気装置
33 加熱乾燥装置
34 ヒータ
35 吸液ローラ
41 インクジェットヘッド
42 排気装置
51 加熱装置
52 加熱用金属ローラ
53 加熱手段
54 耐熱性ベルト
55 排熱装置
56 クリーニング装置
57 クリーニング装置
59 ローラ
60 ローラ
61 中和剤吐出装置
62 高温蒸気吐出装置
63 排気・排水装置
64 吸液ローラ
65 加熱乾燥装置
66 ヒータ
67 排気装置
71 巻取り布地・紙
72 巻取りローラ
73 駆動装置

Claims (4)

  1. 長尺に形成された布地・紙を供給する布地・紙供給部と、前記布地・紙に前処理剤を塗布する前処理部と、前処理された前記布地・紙にインクジェットにより昇華型水性インクで画像を形成する画像形成部と、昇華型染料を前記布地・紙に定着する定着部と、前記布地・紙を回収する布地・紙回収部と、を少なくとも有することを特徴とする昇華型インクを使った布地・紙染色装置。
  2. 前記前処理部が、前処理剤としてカチオン系水溶液又はアニオン系水溶液を塗布する前処理剤塗布装置を有することを特徴とする請求項1に記載の昇華型インクを使った布地・紙染色装置。
  3. 前記前処理剤塗布装置と前記画像形成部との間に前記前処理剤の余剰液を除去し乾燥する余剰液除去・乾燥装置をさらに設け、前記前処理剤塗布装置で布地・紙に塗布された前処理剤を完全に乾燥させない程度に余剰液を除去し乾燥するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の昇華型インクを使った布地・紙染色装置。
  4. 前記定着部と前記布地・紙回収部の間に、前記布地・紙に中和剤としてアニオン系水溶液又はカチオン系水溶液を塗布し中和する中和部と、前記布地・紙を水で洗浄する洗浄部と、前記布地・紙から前記洗浄に用いた水を乾燥する乾燥部をこの順で更に設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の昇華型インクを使った布地・紙染色装置。
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CN113696615A (zh) * 2021-08-02 2021-11-26 佛山市顺德金纺集团有限公司 全棉织物的活性染料印花冷染染色直印***及染色方法

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