JP3187006U - 屋外設置型の建築物耐震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本考案は、木造住宅のような建築物の構造材を傷めず何回でも地震水平力を吸収して建築物の倒壊防止を図ることができる屋外設置型の建築物耐震装置を提供するものである。
【解決手段】本考案に係る屋外設置型の建築物耐震装置は、木造住宅101の屋外側で地盤103に構築した埋め込み基礎102により下部が支持され、木造住宅101の壁面と平行状態に起立配置し、1階柱111と2階柱112が連結される梁部113の外側方に上部を臨ませた耐震補強鉄柱3と、耐震補強鉄柱3の上部に一端側が連結され、前記梁部113に他端側がクッションバネ体連結具31を介して連結されて、地震発生時、前記梁部113からクッションバネ体連結具31を介して作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11と、を有する構成としたものである。
【選択図】図1

Description

本考案は、屋外設置型の建築物耐震装置に関し、詳しくは、木造住宅のような建築物の構造材を傷めず何回でも地震水平力を吸収して建築物の倒壊防止を図ることができ、既存の一般木造住宅等のような建築物の耐震補強に適用して有用な屋外設置型の建築物耐震装置に関するものである。
従来、既存の建築物、特に既存の一般木造住宅等に関する耐震補強工事においては、内外壁の補強工事を必要とするため、屋外工事のみならず屋内工事も伴うことになり、長期の工事期間と多くの補強工事費がかかり、居住者に多大の負担を強いることになる。
すなわち、既存の建築物における壁量の数値や、バランスの悪い間取りの建築物の場合、新たに耐震壁を設けたり、新たに間仕切り壁を設けたり、屋内部の壁の位置や形状により金物を大量に使用することが必要となる。
特許文献1には、軸組構造の木造建築において、屋外に水平耐力補強支柱としての屋外補強支柱を設け、該屋外補強支柱と屋内梁を締結して、軸組みとしてこれらの柱と梁で半門型又は/及び門型構造を形成した補強構造とし、屋外補強支柱の基礎部への締結を回転自在な接合した構成の木造建築物の水平耐力補強支柱の基礎締結構造が開示されている。
しかしながら、建築物の屋外に設置した耐震補強柱と、建築物の壁面と耐震補強柱との間に設置するバネ材を用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部とを組み合わせた簡略構造の基に、建築物の構造材を傷めず何回でも地震水平力を吸収して建築物の倒壊防止を図ることができるような屋外設置型の建築物耐震装置は見当たらないのが現状である。
特開2003−90135号公報
本考案が解決しようとする問題点は、建築物の屋外に設置した耐震補強柱と、建築物の壁面と耐震補強柱との間に設置するバネ材を用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部とを組み合わせた簡略構造の基に、特に木造住宅のような建築物の構造材を傷めず何回でも地震水平力を吸収して建築物の倒壊防止を図ることができるような屋外設置型の建築物耐震装置が存在しない点である。
本考案は、建築物の屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持され、建築物の壁面と平行状態に起立配置し、建築物の壁面の一部の外側に上部を臨ませた耐震補強柱と、前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記壁面の一部に他端側が連結されて、地震発生時、前記壁面の一部から作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収するバネ材を用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、を有することを最も主要な特徴とする。
請求項1記載の考案によれば、建築物の壁面と平行状態に起立配置し、建築物の壁面の一部の外側に上部を臨ませた耐震補強柱と、前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記壁面の一部に他端側が連結されて、地震発生時、前記壁面の一部から作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収するバネ材を用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、を有する構成の基に、建築物の構造材を傷めず何回でも地震水平力を吸収して建築物の倒壊防止を図ることができる屋外設置型の建築物耐震装置を実現し提供することができる。
請求項2記載の考案によれば、建築物である木造住宅の屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持され、木造住宅の壁面と平行状態に起立配置し、木造住宅を構成する1階と2階の柱が連結される横架材の外側方に上部を臨ませた耐震補強柱と、前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記横架材に他端側がクッションバネ体連結具を介して連結されて、地震発生時、前記横架材からクッションバネ体連結具を介して作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、を有する構成の基に、木造住宅の構造材を傷めず何回でも地震水平力を吸収して建築物の倒壊防止を図ることができる屋外設置型の建築物耐震装置を実現し提供することができる。
請求項3記載の考案によれば、建築物である木造住宅の屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持され、木造住宅の壁面と平行状態に起立配置し、木造住宅を構成する1階と2階の柱が連結される横架材の外側方に上部を臨ませた四角鉄柱又は円柱状鉄柱からなる耐震補強柱と、前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記横架材に他端側がクッションバネ体連結具を介して連結されて、地震発生時、前記横架材からクッションバネ体連結具を介して作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、を有し、この耐地震水平力バネ弾性吸収機構部を、中間芯板と、一対の一枚又は複数枚構造の板バネと、一対の受圧金具と、前記中間芯板、一対の一枚又は複数枚構造の板バネを連結する板バネ取り付け具とを具備するクッションバネ体と、クッションバネ体連結具とを具備する構成として、木造住宅の構造材を傷めず何回でも地震水平力を吸収して建築物の倒壊防止を図ることができる屋外設置型の建築物耐震装置を実現し提供することができる。
請求項4記載の考案によれば、請求項3記載の考案と同様な効果を奏し、特に耐地震水平力バネ弾性吸収機構部の一部に非緊結耐地震水平力伝達具を採用し構成したことにより、大地震時のみクッションバネ体、更には耐震補強柱が有効に機能し木造住宅の倒壊を防止できる屋外設置型の建築物耐震装置を実現し提供することができる。
請求項5記載の考案によれば、木造住宅の隅柱の位置において、隅柱の外方に配置した1本の耐震補強柱と、前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、前記斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部とを備える構成の基に、X方向の地震水平力を前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部のクッションバネ体により、地震水平力と一定の角度をもった地震水平分力を前記斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部により各々吸収することができ、木造住宅の倒壊をより確実に防止することが可能な屋外設置型の建築物耐震装置を実現し提供することができる。
図1は本考案の実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置の木造住宅の外壁面領域への設置状態を示す概略構成図である。 図2は本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置の部分拡大概略縦断面図である。 図3は本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置の部分拡大概略横断面図である。 図4は本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置におけるクッションバネ体の概略拡大図である。 図5は本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置において円柱状の耐震補強鉄柱を使用した場合の構成例を示す概略横断面図である。 図6は5態様のクッションバネ体についての圧縮試験の内容及びその試験結果を示す説明図である。 図7は中間芯板の両面に片面1枚ずつ板バネを配置したクッションバネ体、及び中間芯板の両面に片面2枚ずつ板バネを配置したクッションバネ体についての試験の様子を示す説明図である。 図8は中間芯板の両面に片面3枚ずつ板バネを配置したクッションバネ体、及び中間芯板の両面に片面4枚ずつ板バネを配置したクッションバネ体についての試験の様子を示す説明図である。 図9は中間芯板の両面に各3枚ずつ板バネを配置し、かつ、かえし片を設けない構成のクッションバネ体についての試験の様子を示す説明図である。 図10は5態様のクッションバネ体についての圧縮試験における荷重−変位の関係を示すグラフである。 図11は5態様のクッションバネ体についてのショックアブソーバ圧縮試験(最大点試験力、最大点変位)の内容及びその試験結果を示す説明図である。 図12は本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置の施工法を示すフローチャートである。 図13は本考案の実施例2に係る屋外設置型の建築物耐震装置部分拡大概略横断面図である。 図14は本考案の実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置部分拡大概略横断面図である。 図15は本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置の施工法を示すフローチャートである。 図16は本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置において円柱状の耐震補強鉄柱を使用した場合の構成例を示す概略横断面図である。
本考案は、建築物の屋外に設置した耐震補強柱と、建築物の壁面と耐震補強柱との間に設置するバネ材を用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部とを組み合わせた簡略構造の基に、特に木造住宅のような建築物の構造材を傷めず何回でも地震水平力を吸収して建築物の倒壊防止を図ることができるような屋外設置型の建築物耐震装置を実現し提供するという目的を、建築物である木造住宅の屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持され、木造住宅の壁面と平行状態に起立配置し、木造住宅を構成する1階と2階の柱が連結される横架材の外側方に上部を臨ませた耐震補強柱と、前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記横架材に他端側がクッションバネ体連結具を介して連結されて、地震発生時、前記横架材からクッションバネ体連結具を介して作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、を有する構成により実現した。
以下、本考案の実施例に係る屋外設置型の建築物耐震装置について図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
本考案の実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1について図1乃至図4を参照して説明する。
本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1は、図1乃至図3に示すように、建築物である既存の木造住宅101の屋外側で、木造住宅101の基礎102の横側方向に位置する地盤103に構築した例えば鉄筋コンクリート構造の埋め込み基礎2により下部が支持され、木造住宅101の壁面と平行状態に起立配置し、例えば2階建の場合における木造住宅101を構成する1階柱111と2階柱112とが連結される横架材である梁部(又は胴差し)113の外側方に上部を臨ませた耐震補強柱としての例えば四角鉄柱からなる耐震補強鉄柱3と、前記耐震補強鉄柱3の上部に一端側が連結され、前記梁部113に他端側が連結されて、地震発生時、前記梁部113から作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11と、を有している。
前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11は、中間芯板12、一対の板バネ14、14、一対の受圧金具18、18、及び板バネ取り付け具21からなるクッションバネ体20と、前記クッションバネ体20における一対の受圧金具18、18のうちの他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)と、横架材である前記梁部113の側面との間に配置されるクッションバネ体連結具31と、を有している。
前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11について以下に詳述する。
前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11は、四角板状で、前記耐震補強鉄柱3よりも梁部113側に垂直状に配置されるとともに、両面における両隅部領域に地震水平力の作用方向と直交する垂直方向の複数条(例えば4条)の直線溝13を各々形成した例えば厚鋼板からなる中間芯板12と、薄板バネ鋼からなり、側面視四角形状の平坦部15と、この平坦部15の両側縁から斜め方向に突出させた一対の突出係合片部16、16と、を具備し、全体として底辺なしの例えば略台形状に形成されるとともに、前記一対の突出係合片部16、16の突出端16a、16aを前記中間芯板12の両隅部領域における直線溝13に係合させる状態で、前記中間芯板12の両面に配置され、前記中間芯板12の両面に弾性変位用の空間17を形成する一対の板バネ14、14と、コ字状に形成され、前記中間芯板12の両面に配置する一対の板バネ14、14の各平坦部15の外側に各々突出片が接合固着される一対の受圧金具18、18と、前記中間芯板12、一対の板バネ14、14の各平坦部15、一対の受圧金具18、18の各平坦受片を貫通する状態で、かつ、前記一対の板バネ14、14の各平坦部15が中間芯板12側に弾性変位可能であり、前記一対の板バネ14、14の突出端16a、16aが前記直線溝13に係合しつつ滑り変位可能な状態に配置する例えば4本のネジ棒、8個のナットからなる板バネ取り付け具21と、を具備するクッションバネ体20を有している。
このクッションバネ体20は、前記耐震補強鉄柱3の上部に、前記一対の受圧金具18、18のうちの一方の受圧金具18の前記平坦受片(耐震補強鉄柱3の方向に向いた部分の平坦受片)が固着作業により固着されるようになっている。
前記板バネ14は、錆や劣化を防ぐためにステンレス板材を用いて構成している。
前記クッションバネ体連結具31は、図2、図3に拡大して示すように、前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に底片(又は垂直片)を接合させつつ配置し、突出片を前記梁部113側に向けて突出配置した第1T型連結材32と、前記梁部113及び前記1階柱111、2階柱112に底片(又は垂直片)を例えばスクリューネジ(木ネジ)37を用いて固着し、突出片を前記第1T型連結材32の突出片と隙間をもって対向配置した第2T型連結材33と、前記第1T型連結材32、第2T型連結材33を挟み込むようにして重合配置した2枚の連結平板34、34と、前記第1T型連結材32、第2T型連結材33、2枚の連結平板34、34を一体に連結固着する例えば4本のボルト35、4個のナット36と、を具備している。
なお、本考案においては、前記クッションバネ体連結具31の他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)と、前記第1T型連結材32の底片(又は垂直片)を固着構成して実施することもできる。
図4は、前記中間芯板12の両面に片面2枚ずつ合計4枚の板バネ14、14を配置した構成からなるクッションバネ体20の基本的な構成例を示している。
図4に示すクッションバネ体20の場合、各板バネ14、14における前記中間芯板12の前記直線溝13に係合させる突出端16a、16aに、かえし片(折曲片)16b、16bを設けた構成とするとともに、このかえし片16b、16bを設けた各板バネ14、14にかえし片16b、16bのない板バネ14、14を各々重合した構造としたものである。
前記かえし片16bを設けるのは、板バネ14の突出端16aの前記直線溝13に対する滑動安定性を考慮したものである。
本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1によれば、例えば木造住宅101を構成する1階柱111と2階柱112とが連結される横架材である梁部113の外側方に上部を臨ませた1本の耐震補強鉄柱3と、この耐震補強鉄柱3の上部に一端側が固着された前記クッションバネ体20と、このクッションバネ体20の他端側と前記梁部113との間に、第2T型連結材33の底片(又は垂直片)を梁部113及び前記1階柱111、2階柱112に固着しつつ第1T型連結材32の底片(又は垂直片)を前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に接合して配置するようにした前記クッションバネ体連結具31とからなる簡略構成の基に、地震発生時、前記木造住宅101を構成する梁部113から作用する例えば図3に示すX方向の地震水平力が、前記クッションバネ体連結具31を介して前記クッションバネ体20に伝達され、これにより、前記クッションバネ体20の一対の板バネ14,14が前記直線溝13、13に係合しつつ弾性変位し、地震水平力を吸収して前記木造住宅101の倒壊防止を図ることができる。
なお、本考案においては、前記第1T型連結材32の底片(又は垂直片)を前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に接合する構成の他、第1T型連結材32の底片(又は垂直片)を前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に固着する構成とすることもできる。
すなわち、大地震の揺れでも地震エネルギーを吸収することができ、前記木造住宅101の構造材を傷めず何回でも地震力に対応して前記木造住宅101の倒壊防止を図ることができる。
更に詳述すると、前記クッションバネ体20の一対の板バネ14,14は、地震水平力を受けると一対の平坦部15、15が各々圧縮され、これに伴い一対の突出係合片部16、16が各々中間芯板12の両隅部領域における複数条の直線溝13に順に係合しつつ図3においてY方向に往復滑動する状態で弾性変形し地震水平力を吸収して木造住宅101の倒壊防止を図ることができる。
具体的数値例を挙げると、図1に示すように、例えは、木造住宅101における床面積100mの場合では、1次設計で概ね2.0tの水平力がかかり、1階柱111の傾きを1/120以下とするため、1階柱111の高さhを330cmとすると変形量(水平変形量)δは2.75cmとなる。
このような変形量δについては、前記クッションバネ体20の一対の板バネ14,14の弾性変形により吸収するものである。
次に、2次設計では約10.0tの地震水平力を考慮することになり、傾きは木造住宅101の倒壊までとなる。このような大きな地震水平力については、耐震補強鉄柱3自体により負担させる。
また、地震水平力については、木造住宅101の二階床合成を考慮のうえ、木造住宅101各箇所に対する本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の配置個数を設定するものである。
更に、前記埋め込み基礎2の地盤103内への埋め込み深さについては、施工現場の地盤調査、若しくは現地での実物試験等により決定するものである。
木造住宅101に作用する地震の揺れは往復運動となるため、一対の板バネ14,14における一対の突出係合片部16、16の、前記中間芯板12の直線溝13に対する摩擦を伴う往復滑動により若干の制震作用を発揮させることも期待できる。
図5は、本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1において、前記耐震補強鉄柱3に替えて円柱状鉄柱からなる耐震補強鉄柱3Aを用いた例を示すものである。
この場合には、前記一対の受圧金具18、18のうちの一方の受圧金具18の平坦受片を、連結具22を用いて前記耐震補強鉄柱3Aの上部に固着している。この他の構成は、図1乃至図3に示す場合と同様である。
このように、本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1を構成した場合においても、上述した場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
次に、前記クッションバネ体20について実行した圧縮試験及びショックアブソーバ試験の結果について説明する。
圧縮試験及びショックアブソーバ試験に供した試験品であるクッションバネ体20としては、中間芯板12の両面に片面1枚ずつ板バネ14、14を配置した合計2枚配置、中間芯板12の両面に片面2枚ずつ重合させた合計4枚配置、中間芯板12の両面に片面3枚ずつ重合させた合計6枚配置、中間芯板12の両面に片面4枚ずつ重合させた合計8枚配置の各構成からなるものを使用した。
また、上述した4態様の各クッションバネ体20においては、いずれも前記中間芯板12に直接接合させる各板バネ14、14(これを一枚目の板バネ14、14と称する)の各突出端16a、16aにのみかえし片(折曲片)16b、16bを設け、二枚目、三枚目、又は、四枚目の各板バネ14、14はかえし片(折曲片)16b、16bを設けない構造のものを使用した。
更に、中間芯板12の両面に各3枚ずつ合計6枚を配置した構成とし、一枚目の板バネ14、14にかえし片16bを設けない構成としたクッションバネ体20についても試験を実施した。
すなわち、合計5態様のクッションバネ体20について試験を実施したものである。
図6は、5態様のクッションバネ体20についての圧縮試験の内容及びその試験結果を示している。
図7は前記中間芯板12の両面に片面1枚ずつ板バネ14、14を配置したクッションバネ体20についての試験の様子「図1 試験の様子(板バネ1枚)の文字を付して示す」、及び中間芯板12の両面に片面2枚ずつ板バネ14、14を配置したクッションバネ体20についての試験の様子「図2 試験の様子(板バネ2枚)の文字を付して示す」を示す説明図である。
図8は前記中間芯板12の両面に片面3枚ずつ板バネ14、14を配置したクッションバネ体20についての試験の様子「図3 試験の様子(板バネ3枚)の文字を付して示す」、及び中間芯板12の両面に片面4枚ずつ板バネ14、14を配置したクッションバネ体20についての試験の様子「図4 試験の様子(板バネ4枚)の文字を付して示す」を示す説明図である。
図9は前記中間芯板12の両面に各3枚ずつ板バネ14、14を配置し、かつ、かえし片16bを設けない構成のクッションバネ体20についての試験の様子「図5 試験の様子(板バネ3枚かえしなし)の文字を付して示す」を示す説明図である。
図10は5態様のクッションバネ体20についての圧縮試験における荷重(1kN−10kN)−変位(mm)の関係を示すグラフである。
上述した図6、図10に示す試験結果により、中間芯板12の両面に配置する板バネ14、14の枚数が多いほど圧縮変位は小さく、また、図9に示すような中間芯板12の両面に各3枚ずつ板バネ14、14を配置し、かえしなしの構成の場合には、特に9kN、10kNというような大きな圧縮力に対する圧縮変位は他の構成に比べ大幅に小さいことが明らかになった。
この結果、本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1を設置する木造住宅101の構造や設置箇所に応じて、板バネ14の配置枚数を選定したクッションバネ体20を適宜選定すればよく、また、特に大きな地震水平力を考慮する場合には、図9に示すような中間芯板12の両面に各3枚ずつ板バネ14、14を配置し、かえし無しの構成のクッションバネ体20を選定すればよいことが明確となった。
次に、図11は上述した5態様のクッションバネ体20についてのショックアブソーバ圧縮試験(最大点試験力、約11kN−約60kNにわたる最大点変位(mm))の内容及びその試験結果を示すものである。
図11に示す試験結果により、中間芯板12の両面に配置する板バネ14、14の枚数が多いほど大きなショックに耐えることが明らかとなった。また、図9に示すような中間芯板12の両面に各3枚ずつ板バネ14、14を配置し、かえしなしの構成のクッションバネ体20の場合には、約60kNもの大きなショックに耐えることが明らかとなった。
次に、本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の施工方法について図12を参照して概説する。
まず、既存の木造住宅101の屋外側で、この木造住宅101の基礎102の横側方向に位置する地盤103に例えば鉄筋コンクリート構造の埋め込み基礎2を構築する。
次に、埋め込み基礎2内に耐震補強鉄柱3の下部を埋設しその下部を支持するとともに、木造住宅101の壁面と平行状態に起立配置し、木造住宅101を構成する1階柱111と2階柱112とが連結される横架材である梁部113の外側方に上部を臨ませ、コンクリートを固化して耐震補強鉄柱3を垂直配置に固定する。
次に、中間芯板12、一対の板バネ14、14、一対の受圧金具18、18、及び板バネ取り付け具21からなるクッションバネ体20を用意し、一対の受圧金具18、18のうちの一方の受圧金具18の平坦受片(耐震補強鉄柱3の方向に向いた部分の平坦受片)を耐震補強鉄柱3の上部側面に固着作業により固着する。
次に、前記クッションバネ体20における一対の受圧金具18、18のうちの他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)と前記第1T型連結材32の底片(又は垂直片)とを接合しつつ、前記第2T型連結材33の底片(又は垂直片)を前記梁部113の側面に連結固着し、耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11を前記耐震補強鉄柱3の上部側面と前記梁部113の側面との間に水平配置に取り付け、完了とする。
本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の施工方法によれば、上述したように木造住宅101の外部補強工事の態様であるため、木造住宅101の内部作業がほとんどなく、これにより、居住者の居住を維持しながら屋外設置型の建築物耐震装置1を施工することができ、また、木造住宅101の既設基礎についての補強は一般的に不要となり、全体として居住者の精神的、金銭的な負担が少ない極めて有用な施工方法とすることができる。
また、一般的に木造住宅101の地震による倒壊部は、ほとんど1階部分であるために、1階の上部(梁部113)を補強することにより、地震による倒壊を防止することが可能となる。
更に、施工業者にとっても、本実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の施工方法は基本的には人力作業がほとんどであるため、木造住宅101の周囲の敷地が狭小である場合においても容易に施工できる利点がある。
加えて、木造住宅101の間取りのバランスの悪い場合でも、耐震補強鉄柱3の配置によってバランスを良くすることができること、既設の木造住宅101の中央部は、建具等の開口部が多いため耐震壁が無い場合が多いが、このような場合にも耐震補強鉄柱3を木造住宅101の屋外に部分設置すれば倒壊から免れ得ること、等の利点が存する。
(実施例2)
次に、本考案の実施例2に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Aについて図13を参照して説明する。
本実施例2に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Aは、基本的構成は実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の場合と略同様であるため、同一要素には同一の符号を付しその詳細説明は省略する。
本実施例2に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Aは、図13に示すように、耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11Aとして、前記クッションバネ体20と前記梁部113の側面とを連結固着する手段に、実施例1のクッションバネ体連結具31に替えて、非緊結耐地震水平力伝達具41を用いたことが特徴であり、この他の構成は実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の場合と同一である。
前記非緊結耐地震水平力伝達具41は、前記クッションバネ体20における一対の受圧金具18、18のうちの他方の受圧金具18から前記梁部113に向けて配置した耐地震水平力受け金具部42と、前記梁部113の側面にスクリューネジ37を用いて固定し、前記耐地震水平力受け金具部42側に向けて突出させたL形状の耐地震水平力伝達金具部51と、を有している。
前記耐地震水平力受け金具部42は、前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に底片(又は垂直片)を接合配置し突出片を前記梁部113側に向けて突出配置したT型連結材43と、前記T型連結材43と前記水平力伝達金具部51との間に配置したコの字形連結材44と、このコの字形連結材44の他端側に固着し、前記耐地震水平力伝達金具部51側に突出させた四角板状の受片45と、T型連結材43の突出端側と、この突出端側と隣り合うコの字形連結材44の一端側とを挟み込むようにようにして重合配置した2枚構成の連結平板46(図14には1枚のみ示す)と、前記2枚構成の連結平板46、T型連結材43及びコの字形連結材44を一体に連結固着する例えば4本のボルト、4個のナットからなる構成のネジ止め式の締結金具47と、を具備している。
なお、前述したように、本考案においては、前記第1T型連結材32の底片(又は垂直片)を前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に接合する構成の他、第1T型連結材32の底片(又は垂直片)を前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に固着する構成とすることもできる。
前記受片45の突出端側と、耐地震水平力伝達金具部51の突出端側とは、図13等に示すように、摺動可能に重なり合う状態に固着配置されている。
これにより、前記梁部113に地震水平力が作用したときのみ、この地震水平力を前記耐地震水平力伝達金具部51から耐地震水平力受け金具部42の前記受片45に伝達し、更に耐地震水平力伝達金具部51を介して前記クッションバネ体20に伝達するように構成している。
本実施例2に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Aによれば、既述したような実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の場合と基本的には略同様な作用、効果を発揮する。
特に、耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11Aとして前記非緊結耐地震水平力伝達具41を採用したことにより、前記梁部113に例えば震度4を超えるような大きな地震水平力が作用したときのみ、この地震水平力を前記耐地震水平力伝達金具部51から耐地震水平力受け金具部42の前記受片45に伝達し、更に耐地震水平力伝達金具部51を介して前記クッションバネ体20に伝達して、大きな地震水平力をクッションバネ体20の弾性変形により吸収するようにしているので、旧建築基準に基づいた木造住宅101の場合においても大地震時のみ屋外設置型の建築物耐震装置1A、更には耐震補強鉄柱3が有効に機能し倒壊を防止できるという格別の効果を発揮させることが可能となる。
(実施例3)
本考案の実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bについて図14を参照して説明する。
本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bにおいて、実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の場合と同一要素には同一の符号を付しその詳細説明は省略する。
本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bは、建築物である既存の木造住宅101における角部の隅柱121の屋外側において、前記実施例1の場合と同様な埋め込み基礎2により下部が支持され、構造の基に隅柱121と平行状態に起立配置し、横架材である梁部(又は胴差し)113の端部が連結される位置の隅柱121の側面外側方に上部を臨ませた耐震補強柱としての例えば四角鉄柱からなる耐震補強鉄柱3と、前記耐震補強鉄柱3の図15において木造住宅101のY方向外面と平行状態の側面の上部に一端側が連結され、前記隅柱121の耐震補強鉄柱3とする対向する側面に他端側が連結されて、地震発生時、前記隅柱121から作用する地震水平力(X方向)に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた実施例1の場合と同様な耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11と、前記耐震補強鉄柱3における耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11が連結される側面に直角配置で隣り合う側面の上部に一端側が連結され、前記隅柱121から所定距離離れた梁部113の側面に他端側が連結された斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11Bと、を有している。
すなわち、斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11Bは、木造住宅101のY方向外面に対し、水平方向に角度θをもった斜め配置としている。
ここで、地震発生時に前記隅柱121から所定距離離れた梁部113に作用する地震水平力をFとすると、斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11Bは、地震発生時、前記隅柱121から所定距離離れた梁部113から地震水平分力F1(=F/sinθ)を受け、この耐地震水平分力F1に対応して弾性変位し耐地震水平分力F1を吸収するように構成している。
前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11は、実施例1の場合と同様なクッションバネ体20と、クッションバネ体連結具31とを有している。
前記斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11Bは、図14に示すように、木造住宅101のY方向外面に対し、水平方向に角度θをもって配置される実施例1の場合と同様なクッションバネ体20と、前記耐震補強鉄柱3の側面と前記クッションバネ体20の耐震補強鉄柱3側の受圧金具18(耐震補強鉄柱3の方向に向いた部分の受圧金具)とを固着作業により連結するクッションバネ体柱側連結具61と、前記クッションバネ体20の木造住宅101側の受圧金具18(他方の受圧金具18)とを非緊結状態で結合する非緊結耐地震水平分力伝達具71と、を有している。
前記非緊結耐地震水平分力伝達具71は、前記クッションバネ体20における一対の受圧金具18、18のうちの他方の受圧金具18(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の受圧金具)から前記梁部113に向けて水平方向に角度θをもって配置される耐地震水平分力受け金具部72と、前記梁部113の側面にスクリューネジ37を用いて固定し、前記耐地震水平力受け金具部72側に向けて突出させたL形状の耐地震水平力伝達金具部81と、を有している。
前記耐地震水平分力受け金具部72は、前記他方の受圧金具18の平坦受片に(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に接合させて突出片を前記梁部113側に向けて突出配置したT型連結材73と、前記クッションバネ体20側の一辺が受圧金具18の平坦受片と平行状態で、反対側の他辺を前記耐地震水平力伝達金具部81と平行状態となる傾斜辺とした平板状の基板部74aと、この基板の長さ方向中央部に沿って垂直に突設した突片74bと、基板部74aの他辺側に接合されるとともに、突出端辺74dが前記耐地震水平力伝達金具部81と対向配置される受片74cとを具備し、前記T型連結材73と前記耐地震水平力伝達金具部81との間に配置される耐地震水平分力受具74と、T型連結材73の突出片と、耐地震水平分力受具74の突片74bとを挟み込むようにようにして重合配置した2枚構成の連結平板75と、例えば4本のボルト、4個のナットからなる構成のネジ止め式の締結金具76と、を具備している。
なお、前述したように、本考案においては、前記第1T型連結材32の底片(又は垂直片)を前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に接合する構成の他、第1T型連結材32の底片(又は垂直片)を前記他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)に固着する構成とすることもできる。
これにより、前記梁部113に地震水平力Fが作用したときのみ、この地震水平力Fの地震水平分力F1が耐地震水平力伝達金具部81、耐地震水平分力受け金具部72の耐地震水平分力受具74を介して前記クッションバネ体20に伝達するように構成している。
本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bによれば、既述したような実施例1に係る屋外設置型の建築物耐震装置1の場合と基本的には略同様な作用、効果を発揮する。
また、前記隅柱121のX方向外方に配置した1本の耐震補強鉄柱3と、前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11と、前記斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11Bとを備える構成の基に、X方向の地震水平力Fを前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11のクッションバネ体20により、地震水平力Fと角度θをもった地震水平分力F1を前記斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11Bにより各々吸収することができ、木造住宅101の倒壊をより確実に防止することが可能となる。
木造住宅101に対する本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bの設置箇所は、図14に示す場合に限らず、2箇所、3箇所、4箇所等、種々選定できることはもちろんである。
次に、本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bの施工方法について図15を参照して概説する。
まず、既存の木造住宅101の屋外側で、この木造住宅101の隅柱121の位置の基礎102の横側方向に位置する地盤103に例えば鉄筋コンクリート構造の埋め込み基礎2を構築する。
次に、埋め込み基礎2内に耐震補強鉄柱3の下部を埋設しその下部を支持するとともに、木造住宅101の壁面と平行状態に起立配置し、木造住宅101を構成する隅柱121の外側方に上部を臨ませ、コンクリートを固化して耐震補強鉄柱3を垂直配置に固定する。
次に、中間芯板12、一対の板バネ14、14、一対の受圧金具18、18、及び板バネ取り付け具21からなるクッションバネ体20を用意し、一対の受圧金具18、18のうちの一方の受圧金具18の平坦受片を耐震補強鉄柱3の上部側面に固着作業により固着する。
次に、前記クッションバネ体20における一対の受圧金具18、18のうちの他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)と、前記梁部113の側面とを、クッションバネ体連結具31を用いて、前記一対の受圧金具18、18のうちの他方の受圧金具18の平坦受片(横架材である前記梁部113の方向に向いた部分の平坦受片)にクッションバネ体連結具31の底片(又は垂直片)を接合しつつ、耐地震水平分力受具74の受片74cと梁部113の側面とをスクリューネジ37のねじ込み作業により連結固着し、耐地震水平力バネ弾性吸収機構部11を前記耐震補強鉄柱3の上部側面と前記隅柱121の側面との間に水平配置に取り付ける。
次に、別のクッションバネ体20と、クッションバネ体柱側連結具61とを用意し、クッションバネ体20の一対の受圧金具18、18のうちの一方の受圧金具18の平坦受片(耐震補強鉄柱3の方向に向いた部分の平坦受片)をクッションバネ体柱側連結具61を介在しつつ耐震補強鉄柱3の上部側面に固着作業により固着する。
次に、前記非緊結耐地震水平分力伝達具71を構成する耐地震水平力伝達金具部81を前記梁部113の側面にスクリューネジ37を用いて固定する。
次に、前記非緊結耐地震水平分力伝達具71を構成する耐地震水平分力受け金具部72を用意し、前記クッションバネ体20の他方の受圧金具18の平坦受片(耐震補強鉄柱3の方向に向いた部分の平坦受片)にT型連結材73の底片(又は垂直片)を接合させつつ、耐地震水平分力受具74の受片74cが前記耐地震水平力伝達金具部81と対向し、かつ、前記梁部113に向けて水平方向に角度θをもつように配置して完了とする。
本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bの施工方法によれば、実施例1の場合と同様、木造住宅101の外部補強工事の態様であるため、木造住宅101の内部作業がほとんどなく、これにより、居住者の居住を維持しながら屋外設置型の建築物耐震装置1Bを施工することができ、また、木造住宅101の既設基礎についての補強は一般的に不要となり、全体として居住者の精神的、金銭的な負担が少ない極めて有用な施工方法とすることができる。
また、一般的に木造住宅101の地震による倒壊部は、ほとんど1階部分であるために、隅柱121及び梁部113を補強することにより、地震による倒壊を確実に防止することが可能となる。
更に、施工業者にとっても、本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bの施工方法は基本的には人力作業がほとんどであるため、木造住宅101の周囲の敷地が狭小である場合においても容易に施工できる利点がある。
図16は、本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bにおいて、前記耐震補強鉄柱3に替えて円柱状鉄柱からなる耐震補強鉄柱3Aを用いた例を示すものである。
この場合においては、前記クッションバネ体20の一対の受圧金具18、18のうちの一方の受圧金具18の平坦受片(耐震補強鉄柱3の方向に向いた部分の平坦受片)を、連結具22を用いて前記耐震補強鉄柱3Aの上部に固着作業により固着し、また、別のクッションバネ体20の一方の受圧金具18の平坦受片(耐震補強鉄柱3の方向に向いた部分の平坦受片)を、クッションバネ体柱側連結具61aを用いて前記耐震補強鉄柱3Aの上部に固着作業により固着している。この他の構成は、図14に示す場合と同様である。
このように本実施例3に係る屋外設置型の建築物耐震装置1Bを構成した場合においても、上述した場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
本考案に係る屋外設置型の建築物耐震装置は、上述したような木造住宅に適用するのみならず、軽量鉄骨構造の建築物等の耐震装置として広範に応用可能である。
1 屋外設置型の建築物耐震装置
1A 屋外設置型の建築物耐震装置
1B 屋外設置型の建築物耐震装置
2 埋め込み基礎
3 耐震補強鉄柱
3A 耐震補強鉄柱
11 耐地震水平力バネ弾性吸収機構部
11A 耐地震水平力バネ弾性吸収機構部
11B 耐地震水平力バネ弾性吸収機構部
12 中間芯板
13 直線溝
14 板バネ
16 突出係合片部
16a 突出端
16b かえし片
17 空間
18 受圧金具
20 クッションバネ体
21 板バネ取り付け具
22 連結具
31 クッションバネ体連結具
32 第1T型連結材
33 第2型連結材
34 連結平板
35 ボルト
36 ナット
37 スクリューネジ
41 非緊結耐地震水平力伝達具
42 耐地震水平力受け金具部
43 T型連結材
44 コの字形連結材
45 受片
46 連結平板
47 締結金具
51 耐地震水平力伝達金具部
61 クッションバネ体柱側連結具
61a クッションバネ体柱側連結具
71 非緊結耐地震水平分力伝達具
72 耐地震水平分力受け金具部
73 T型連結材
74 耐地震水平分力受具
74a 基板部
74b 突片
74c 受片
74d 突出端辺
75 連結平板
76 締結金具
81 耐地震水平力伝達金具部
101 木造住宅
102 基礎
103 地盤
111 1階柱
112 2階柱
113 梁部
121 隅柱
F 地震水平力
F1 地震水平分力
h 1階柱の高さ
δ 変形量
θ 角度

Claims (5)

  1. 建築物の屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持され、建築物の壁面と平行状態に起立配置し、建築物の壁面の一部の外側に上部を臨ませた耐震補強柱と、
    前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記壁面の一部に他端側が連結されて、地震発生時、前記壁面の一部から作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収するバネ材を用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、
    を有することを特徴とする屋外設置型の建築物耐震装置。
  2. 建築物である木造住宅における屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持され、木造住宅の壁面と平行状態に起立配置し、木造住宅を構成する1階と2階の柱が連結される横架材の外側方に上部を臨ませた耐震補強柱と、
    前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記横架材に他端側がクッションバネ体連結具を介して連結されて、地震発生時、前記横架材からクッションバネ体連結具を介して作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、
    を有することを特徴とする屋外設置型の建築物耐震装置。
  3. 建築物である木造住宅における屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持されて、木造住宅の壁面と平行状態に起立配置し、木造住宅を構成する1階と2階の柱が連結される横架材の外側方に上部を臨ませた四角鉄柱又は円柱状鉄柱からなる耐震補強柱と、
    前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記横架材に他端側が連結されて、地震発生時、前記横架材から作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、
    を有し、
    前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部は、
    四角形状で、両面における両隅部領域に地震水平力の作用方向と直交する方向の複数条の直線溝を各々形成した中間芯板と、四角形状の平坦部と、この平坦部の両側縁から斜め方向に突出させた一対の突出係合片部と、を具備し、全体として底辺なしの略台形状に形成され、前記一対の突出係合片部の突出端を前記中間芯板の両隅部領域における直線溝に係合させて、前記中間芯板の両面に配置され、前記中間芯板の両面に弾性変位用の空間を形成する一対の一枚又は複数枚構造の板バネと、コ状に形成され、前記中間芯板の両面に配置する一対の板バネの各平坦部の外面に各々突出片が固着され平坦受片を板バネの平坦部の外側に配置した一対の受圧金具と、前記中間芯板、一対の板バネの各平坦部を貫通する状態で、かつ、前記一対の板バネの各平坦部が中間芯板側に弾性変位可能で、前記一対の板バネの突出係合片部が前記直線溝に係合しつつ滑り変位可能な状態に配置する板バネ取り付け具と、を具備し、前記耐震補強柱の上部に、前記一対の受圧金具のうちの一方の受圧金具の平坦受片が固着されるクッションバネ体と、
    前記クッションバネ体における一対の受圧金具のうちの他方の受圧金具の平坦受片と前記横架材の側面との間に配置されるクッションバネ体連結具と、
    により構成されることを特徴とする屋外設置型の建築物耐震装置。
  4. 建築物である木造住宅における屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持され、木造住宅の壁面と平行状態に起立配置し、木造住宅を構成する1階と2階の柱が連結される横架材の外側方に上部を臨ませた四角鉄柱又は円柱状鉄柱からなる耐震補強柱と、
    前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記横架材に他端側が連結されて、地震発生時、前記横架材から作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、
    を有し、
    前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部は、
    四角形状で、両面における両隅部領域に地震水平力の作用方向と直交する方向の複数条の直線溝を各々形成した中間芯板と、四角形状の平坦部と、この平坦部の両側縁から斜め方向に突出させた一対の突出係合片部と、を具備し、全体として底辺なしの略台形状に形成され、前記一対の突出係合片部の突出端を前記中間芯板の両隅部領域における直線溝に係合させて、前記中間芯板の両面に配置され、前記中間芯板の両面に弾性変位用の空間を形成する一対の一枚又は複数枚構造の板バネと、コ状に形成され、前記中間芯板の両面に配置する一対の板バネの各平坦部の外面に各々突出片が固着され平坦受片を板バネの平坦部の外側に配置した一対の受圧金具と、前記中間芯板、一対の板バネの各平坦部を貫通する状態で、かつ、前記一対の板バネの各平坦部が中間芯板側に弾性変位可能で、前記一対の板バネの突出係合片部が前記直線溝に係合しつつ滑り変位可能な状態に配置する板バネ取り付け具と、を具備し、前記耐震補強柱の上部に、前記一対の受圧金具のうちの一方の受圧金具の平坦受片が固着されるクッションバネ体と、
    前記クッションバネ体における一対の受圧金具のうちの他方の受圧金具の平坦受片から前記横架材に向けて配置した耐地震水平力受け金具部と、一端が前記横架材に固着されるとともに、前記耐地震水平力受け金具部と対向配置した耐地震水平力伝達金具部と、を具備し、前記横架材に地震水平力が作用したときのみ、この地震水平力を前記耐地震水平力伝達金具部から耐地震水平力受け金具部を介して前記クッションバネ体に伝達する非緊結耐地震水平力伝達具と、
    により構成されることを特徴とする屋外設置型の建築物耐震装置。
  5. 建築物である木造住宅における屋外側で地盤に構築した埋め込み基礎により下部が支持され、木造住宅の隅柱と平行状態に起立配置し、前記隅柱の外側方に上部を臨ませた四角鉄柱又は円柱状鉄柱からなる耐震補強柱と、
    前記耐震補強柱の上部に一端側が連結され、前記隅柱に他端側が連結されて、地震発生時、前記横架材から作用する地震水平力に対応して弾性変位し地震水平力を吸収する板バネを用いた耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、
    前記耐震補強柱における耐地震水平力バネ弾性吸収機構部が連結される側面に直角配置で隣り合う側面の上部に一端側が連結され、前記隅柱から所定距離離れた梁部の側面に他端側が連結され木造住宅の壁面に対して斜め配置される斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部と、
    を有し、
    前記耐地震水平力バネ弾性吸収機構部は、
    四角形状で、両面における両隅部領域に地震水平力の作用方向と直交する方向の複数条の直線溝を各々形成した中間芯板と、四角形状の平坦部と、この平坦部の両側縁から斜め方向に突出させた一対の突出係合片部と、を具備し、全体として底辺なしの略台形状に形成され、前記一対の突出係合片部の突出端を前記中間芯板の両隅部領域における直線溝に係合させて、前記中間芯板の両面に配置され、前記中間芯板の両面に弾性変位用の空間を形成する一対の一枚又は複数枚構造の板バネと、コ状に形成され、前記中間芯板の両面に配置する一対の板バネの各平坦部の外面に各々突出片が固着され平坦受片を板バネの平坦部の外側に配置した一対の受圧金具と、前記中間芯板、一対の板バネの各平坦部を貫通する状態で、かつ、前記一対の板バネの各平坦部が中間芯板側に弾性変位可能で、前記一対の板バネの突出係合片部が前記直線溝に係合しつつ滑り変位可能な状態に配置する板バネ取り付け具と、を具備し、前記耐震補強柱の上部に、前記一対の受圧金具のうちの一方の受圧金具の平坦受片が固着されるクッションバネ体と、前記クッションバネ体における一対の受圧金具のうちの他方の受圧金具の平坦受片と前記横架材の側面との間に配置されるクッションバネ体連結具と、
    を具備し、
    前記斜め耐地震水平力バネ弾性吸収機構部は、
    木造住宅壁面に対し、水平方向に一定の角度をもって配置される別のクッションバネ体と、前記耐震補強柱の側面と前記クッションバネ体の耐震補強柱側の受圧金具とを連結するクッションバネ体柱側連結具と、前記クッションバネ体の木造住宅側の受圧金具とを非緊結状態で結合する非緊結耐地震水平分力伝達具と、
    を具備することを特徴とする屋外設置型の建築物耐震装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018193672A (ja) * 2017-05-12 2018-12-06 大成建設株式会社 増設基礎構造

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