JP3185215B2 - 免疫測定法 - Google Patents

免疫測定法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は不溶性担体粒子を用いる発光免疫測定法に関
する。
[従来の技術] 従来、抗原抗体反応を利用した免疫測定法が種々の疾
病の早期検出法や、極微量の物質の検出法として知られ
ている。高感度な免疫測定法には種々の方法があり、抗
体又は抗原に標識物質として放射性同位体(RI)、酵
素、蛍光物質、発光物質などを結合して用いるラジオイ
ムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、蛍
光イムノアッセイ(FIA)、発光イムノアッセイ(LIA)
などに分類される。また、ラテックス等の不溶性担体粒
子に担持された抗体または抗原と、それに対応する抗原
または抗体とを反応させその反応に伴う反応混合物の透
過光の変化から抗原抗体反応の速度を測定する方法(LP
IA)が知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、かかる従来技術においては種々の問題を持
つ。たとえば、RIAはRIの取り扱いおよび廃棄に対する
制約がある。LPIAは簡便性、操作性などに優れた方法で
はあるが、検出感度の改良が望まれている。EIA、FIAな
どは取り扱いの安全性については有利であるが、検出感
度はRIAに若干劣る。また、EIAは酵素反応を伴うため取
扱いもFIAほど簡便ではない。
FIAにおける検出感度の改良法として、特開昭59−122
950号公報には蛍光性微粒子を用いた免疫測定法が述べ
られている。即ち、通常FIAで用いられる標識抗原また
は標識抗体のかわりに蛍光物質を含有させたコロイド粒
子に抗原または抗体を担持させることにより、蛍光物質
の数を増やすことができるため、高感度な検出が期待さ
れる。
しかしながら、赤血球凝集反応をはじめとして、ラテ
ックス凝集反応、ゼラチン凝集反応などのいわゆる粒子
凝集反応では非特異的な凝集を伴う非特異反応が特に多
く見られることが知られている。即ち、被測定抗原また
は抗体が試料液中に全く存在しないにもかかわらず存在
するように、また実際に存在するよりも多く存在するよ
うに観測してしまう現象である。この原因としては粒子
と固相との非特異的吸着、粒子同志の非特異的凝集、ま
た非特異的に反応する物質を含むいわゆる非特異検体に
よる反応などが知られている。そのため、粒子の凝集を
利用する方法でなくとも粒子を用いる限りにおいては、
これらの非特異的反応に注意する必要がある。
たとえば、非特異検体の例として、間節リウマチ患者
の多くには、血中にリウマトイド因子とよばれる物質が
存在する。これは一種の自己抗体で、イムノグロブリン
の内のIgG画分と反応する性質を持ったIgMまたはIgGタ
イプ抗体であり、他種動物のIgGとも交差反応を示すも
のである。従って、IgGを担持させたラテックスではリ
ウマトイド因子による非特異凝集が起きることになる。
そこで、現在、実用化されているラテックス凝集法を利
用した試薬では、IgG分子から、リウマトイド因子と反
応するFc部分をペプシン酵素処理して除去することによ
り非特異反応を低減させている。また、F(ab′)
反応する検体も少数存在するので、この場合は反応系に
免疫していないウサギから調製したF(ab′)を加
え、ラテックス試薬のF(ab′)と反応する前に吸収
することで対処している。(Mitsubishi Kasei R&D Re
view,,105(1988))。
あるいは、酢酸緩衝液などで検体を前処理することに
より、必要でない蛋白質を除くことで、非特異反応を除
く方法もある。
上記の方法で非特異反応の出現はかなり低減できるも
のの、まだ非特異反応を完全に抑えることは不可能であ
るし、粒子自体に起因する吸着は避けられない。また、
非特異反応を測定する方法も開発されているわけではな
い。そこで、RIAやEIAなど非特異反応が比較的少ないと
いわれる方法で得た測定値と比べて値が解離するものを
非特異反応と呼んでいるが現状である。
従って、前記特開昭59−122950号公報などの蛍光性微
粒子を用いる免疫測定法を高感度検出法として実用化す
るためには、これら非特異反応を抑制する方法または検
出する手段を開発、併用することが重要な要件となる。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、不溶性担体粒子を標識することにより高感度化し
ながら、かつ粒子の非特異的反応を検出できる新しい発
光免疫測定法を開発した。
即ち、本発明の要旨は、 (1)(a)(i)蛍光またはリン光を発する第一の色
素および(ii)抗体または抗原を不溶性担体粒子に担持
してなる、免疫測定用の第一の色素標識粒子と (b)(i)前記第一の色素とは発光波長、励起
波長または発光寿命の異なる、蛍光またはリン光を発す
る第二の色素および(ii)第一の粒子に担持された抗体
または抗原が試料中の抗原または抗体と特異的に結合す
る部位を含まない物質を不溶性担体粒子に担持してな
る、非特異反応または吸着の検出用の第二の色素標識粒
子とを (c)被測定抗原または抗体を含む試料液と反応
させ、抗原抗体反応に伴う第一の色素標識粒子によるシ
グナルの変化および非特異反応に伴う第二の標識粒子に
よるシグナル変化を測定することによって、抗原抗体反
応中の非特異反応を検出することを特徴とする免疫測定
法(但し、被測定抗原または抗体と特異的に結合する物
質を固定化した反応容器を使用する方法を除く) に存する。
以下、本発明を詳細に説明をする。
本発明で用いる標識色素は、蛍光またはリン光を発す
る色素である。本発明では2種の色素をそれぞれ不溶性
担体粒子に担持させ、第一の色素粒子を免疫測定用に、
第二の色素標識粒子を非特異反応または吸着の検出用に
用いるため、第一、第二の色素は共存する系で独立に測
定できることが必要である。従って、本発明で用いる第
一、第二の色素に求められる条件としては、 たとえば、 1)発光のピーク波長が互いに離れていること。
2)励起光の波長が互いに離れていること。
3)発光の寿命が互いに離れていること。
などが挙げられる。
1)の例としては、たとえば希土類キレート化合物で
元素としてユーロピウム(Eu)とサマリウム(Sm)を用
いると2種の抗原または抗体を同時に測定できることが
Clinical Chemistry,33,48(1987)に示唆されている
が、Eu(発光極大615nm)とテルビウム(Tb)(発光極
大545nm)の組み合わせの方が発光のピーク波長より離
れている(約70nm)。希土類キレート化合物は発光スペ
クトルがシャープなため分離計測には適しているが、バ
ックグラウンドや互いの色素の共存の影響を補正するな
どして測定できる組み合せであれば、他の蛍光、リン光
性色素でも問題はない。通常、フルオレセインイソチオ
シアネート(発光極大520nm)、テトラメチルローダミ
ンイソチオシアネート(発光極大570nm)、フィコビリ
プロテイン(フィコシアニン:発光極大650nm、フィコ
エリスリン:発光極大580nm)などの蛍光色素の組み合
わせが使用できることが多い。
2)の場合も多くの発光性色素で、励起光の異なるも
のが知られているが、通常、励起光も発光と同様に幅広
いスペクトルを示すので励起の最大値から多少離れてい
ても発光を観測することが可能なものが多い。従って、
実際には、1)と2)の組み合せ、つまり、発光のピー
ク波長が互いに離れていて、かつ、励起光の波長も互い
に離れている色素の組み合わせによって、より正確な測
定を行うことができる。これらの組み合わせとしては、
EuとTbの組み合わせ等が挙げられる。
3)の例としては、フルオレセインやローダミンなど
の通常の蛍光色素(寿命数−数10nsec)と希土類キレー
ト化合物(寿命数10μsec−数msec)の組み合わせや、
上記フルオレセインやローダミン等の通常の短寿命の蛍
光色素とエオシンなどのリン光色素の組み合わせ、Euキ
レート化合物(寿命数100μsec)とTbキレート化合物
(寿命数10μsec−数msec)の組み合わせなど考えられ
る。
色素標識をおこなう不溶性担体粒子としては反応させ
る時に用いる液体媒体に実質適に不溶性で0.01−10μ
m、好ましくは0.05−3μmの平均粒径を有するものが
用いられる。
担体粒子の材質は、ポリスチレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体のような乳化重合により得られる有機高分
子のラテックス、あるいはシリカ、シリカ−アルミナの
あような無機酸化物、リポソームのような脂質重合物、
赤血球のような生体成分、ゼラチン、あるいは金コロイ
ドのような金属コロイド粒子等が用いられる。
不溶性担体粒子への標識色素の担持方法には、化学的
に結合させる方法、粒子を重合して作成する際に色素を
加えて粒子内部に閉じ込める方法、あらかじめ、タンパ
ク質やペプチドなどと色素を結合させておいてからその
タンパク質、ペプチドを粒子に担持する方法がある。た
とえば、特開昭54−101439号公報には、希土類キレート
をTOPO(トリ−n−オクチルホスフィンオキシド)との
協同抽出法を利用して有機高分子のラテックスの内部に
閉じ込める方法が述べられている。これに従って作成し
た標識粒子は標識強度、安定性共に良好であった。
本発明の第一の標識担体粒子は、上記の第一の標識色
素と被測定抗原または抗体と同種または相対する抗原ま
たは抗体を担持している。第二の標識担体粒子には第一
の色素とは共存下で測定できる第二の色素と被測定抗原
または抗体とは特異的に結合する部位を含まない物質を
担持している。
不溶性担体粒子に抗原または抗体あるいは被測定抗原
または抗体とは特異性に結合する部位を含まない物質担
持させる(感作する)方法は、既に多くの方法が提案さ
れている。例えば、担体に対し感作したい物質を物理的
に吸着させる方法、カップリンク剤により化学的に変性
させた後に化学結合させる方法、また、スペーサー分子
をはさんで結合させることもよく知られている。抗体を
感作した上に抗原を結合させて抗原感作粒子とすること
もできる。また重合による粒子作成時に抗原を混入して
粒子内に取り込む方法、他のタンパク質に化学結合法を
用いて結合させた後でそのタンパク質を物理的または化
学的に感作する方法などがある。
不溶性担体粒子に抗原または抗体あるいは被測定抗原
または抗体とは特異的に反応する部位を含まない物質を
感作するのと同様に、固相に抗原、抗体を担持させる方
法もそれぞれの固相にあわせて、種々の方法が応用され
ている。この場合も物理吸着による方法と化学結合によ
る方法がある。
抗体としては、通常IgGが用いられているが、ペプシ
ン、パパインなどの消化酵素あるいはジチオスレイトー
ル、メルカプトエタノールなどの還元剤を用いて、F
(ab′)、Fab、Fab′などに低分子化したものを用い
ても良い。また、IgGだけでなくIgMあるいはこれをIgG
と同様の処理により低分子化したフラグメントを用いて
も良い。また、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗
体のいずれも適用できる。
モノクローナル抗体の適用については、B型肝炎ウイ
ルス表面抗原のように、繰り返し構造を持つタンパク質
に対してはモノクローナル抗体は1種以上で使用でき
る。また繰り返し構造がなくても認識エピトープの異な
る2種以上のモノクローナル抗体を組み合わせて使用す
れば適用できる。
一方、抗原としてはたとえばタンパク質、ポリペプチ
ド、ステロイド、多糖類、脂質、花粉、遺伝子工学的に
産生された組換え蛋白質、薬物等種々のものが挙げられ
る。
第二の標識粒子に感作されるものには、被測定抗原ま
たは抗体と特異的に反応する部位を含まない免疫グロブ
リン画分、それらの誘導体または他の蛋白質、または担
体粒子の安定化のために粒子表面を覆う界面活性剤やポ
リマーなどがある。たとえば、第一の標識粒子に、被測
定抗原をウサギに免疫して得た抗血清から精製したF
(ab′)を感作する場合は、第二の標識粒子には、免
疫していないウサギから精製したF(ab′)を感作す
ることが望ましい。あるいは、第一の標識粒子に、遺伝
子組み換え技術を用いて製造した抗原を感作する場合は
第二の標識粒子には、培養液中に存在する他の蛋白質を
感作すると、抗原中に存在する不純物に由来する非特異
反応を検出することが可能となる。
不溶性担体粒子に、標識色素と感作したい物質を担持
する順序には特に制限はないが、標識色素を担持した
後、感作したい物質を担持するのが好ましい。
第一の標識粒子と第二の標識粒子の使用量には特に制
限はないが、一般に、反応液中で、0.0001−1重量%、
好ましくは0.001−0.1重量%のものが用いられる。第一
の標識粒子と第二の標識粒子の使用する比にも特に制限
はないが、第二の粒子には、第一の粒子の非特異的反応
を抑える働きも考えられるので、通常、第一の粒子と等
量またはそれ以上を用いることが好ましい。使用量の比
較は、第一と第二の担体粒子の粒径が異なる場合は、表
面積で換算することが通常行われる。
特異的免疫反応に伴う第一の色素標識粒子によるシグ
ナルの変化および非特異的免疫反応に伴う第二の色素標
識粒子によるシグナルの変化を測定するには公知の方法
を採用できる。例えば、反応チューブ、ガラスビーズ、
ラテックスやゼラチンなどの微粒子、磁性体を含有した
ポリスチレンやセルロースなどの微粒子、メンブレン、
フィルターなどを固相として用い、サンドイッチ法、阻
害法などにより、固相と被測定抗原または抗体を介して
結合した各色素標識粒子を測定することによりシグナル
の増加を計測する方法と、固相と結合しなかった、残り
の各色素標識粒子を測定することによりシグナルの減少
を計測する場合がある。
測定する時は、そのまま測定しても良いし、SDSやTwe
en20などの界面活性剤を用いて結合した標識粒子を固相
から離して液中に浮遊させた状態で測定することもでき
る。
上清測定の場合、第一の標識粒子の蛍光強度の減少量
が被測定抗原との特異的反応量と固相との非特異的反応
量の和をあらわし、第二の標識粒子の蛍光強度の減少量
が固相との非特異的反応量をあらわす。
固相結合量の測定の場合、第一の標識粒子の蛍光強度
の増加量が被測定抗原との結合による特異的反応量と固
相との非特異的反応量の和をあらわし、第二の標識粒子
の蛍光強度の増加量が固相との非特異的反応量をあらわ
す。
シグナル変化の測定法としては、上記のように固相と
の結合したものを測定する代わりに、抗原抗体反応によ
り凝集した色素標識粒子を過して未反応の粒子を分離
して得られる凝集粒子のシグナル変化を測定してもよ
い。
固相に結合した標識粒子と、結合していない標識粒子
とを分離する際、通常は、上記のように洗浄を何度か繰
り返すことが行われるが、磁性体を含有した固相の場合
は磁力を用いれば、分離を比較的簡便に行うことができ
る。また、フィルター等で過することにより簡便に分
離する方法も知られている。
磁性体を含有した固相を用いた場合の抗原測定を操作
例として以下に述べる。
被測定抗原に対する1次抗体を固定化しておいた、磁
性体を含有した固相(以下、Mg固相とする。)、第一の
標識粒子および第二の標識粒子を混合懸濁後、被測定抗
原を含む標準液または試料液と反応緩衝液を加え、一定
時間インキュベートする。磁石を用いてMg固相及びMgを
固相を含む反応凝集物を沈殿させ、上清サンプルと沈殿
サンプルに分離する。
上清サンプルからは、固相と反応しなかった、残りの
各色素標識粒子のシグナルが得られ、該シグナルの変化
は蛍光強度の減少として測定される。
沈殿サンプルからは、固相と反応した各色素標識粒子
のシグナルが得られ、該シグナルの変化は、蛍光強度の
増加として測定される。
その他、特願平1−329093号公報には、長寿命の発光
色素を担持した微粒子の免疫反応に従う凝集を発光偏光
度の変化として検出する方法が述べられている。この方
法に従えば、反応液を分離することもなく簡便に測定す
ることが可能である。
[実施例] 以下、実施例をもとにして、より詳細な説明を行う
が、本発明はその要旨をこえない限り、実施例に測定さ
れるものではない。
[実施例1] 希土類キレートのEu−TTAテノイルトリフルオロアセ
トン化合物1×10-4モルと、TOPO(前述)2×10-4モル
をアセトン40gに溶解した後、粒径0.22μmのポリスチ
テンラテックス(Dow社)3gを水40mlに懸濁させたもの
を混合し、エバポレーターによりアセトンを除去するこ
とにより、ラテックス粒子にEuキレート化合物をTOPOと
協同抽出しEu標識粒子を作製した。
同様に、希土類キレート化合物のTb−PTAピバロイル
トリフルオロアセトン化合物5×10-5モルと、TOPO11×
10-4モルを粒径0.497μmのポリスチレンラテックス(D
ow社)3gに含有させることによりTb標識粒子を作製し
た。
Eu標識ラテックスにウサギ抗HBs(B型肝炎ウィルス
表面)抗原F(ab′)を感作した後、BSAで処理する
ことにより粒子を安定化させた。
Tb標識ラテックスに正常ウサギF(ab′)を感作し
た後、BSAで処理することにより粒子を安定化させた。
平均粒径1.5μmの磁性体含有ポリスチレンタテック
ス(以下Mgラテックスとする。ローヌプーラン社)にウ
サギ抗HBs抗原F(ab′)を感作した後、BSAで処理す
ることにより粒子を安定化させた。
Eu標識ラテックス0.02%、Tb標識ラテックス0.2%、M
gラテックス0.2%の混合懸濁液を作製しラテックス試薬
とした。
抗原として、遺伝子組換え法で産生されたHBs抗原を
トリス緩衝液で希釈して0、17.5、35、70、140、280U/
mlの標準液を作製した。
抗原溶液60μl、BSA含有トリス緩衝液460μl、上記
ラテックス試薬80μlを加えた後、撹拌し、10分間免疫
反応を行わせた。
次に、磁石を用いてMgラテックス及びMgラテックスを
含む反応凝集物を沈殿させ、上清サンプルとする。残り
の沈殿は数回水で洗浄し、最後に0.1%SDS溶液に分散さ
せ、沈殿サンプルとする。
日立蛍光分光光度系F−4010を用いて、 励起光345nm、蛍光616nm(Eu) 励起光296nm、蛍光546nm(Tb) の蛍光を、上記上精、沈殿の両サンプルについて測定し
た、結果を表1、図1に示した。
抗原溶液中の抗原濃度が高くなるにつれて、Euの蛍光
強度は、上清サンプルでは小さく、沈殿サンプルでは大
きくなることがわかる。それに対して、Tbの蛍光強度
は、上記抗原溶液のような標準溶液では、非特異的な凝
集を生じることは少なく、しかも常にほぼ一定した小さ
な値を示していることがわかる。
[実施例2] 実施例1で用いたラテックス試薬(Eu標識、Tb標識、
Mgラテックス混合懸濁液)を用いる。
試料溶液として、正常ヒト血清(EIA法にてHBs抗原陰
性が確認されているもの)、非特異検体(LPIA法にて非
特異的凝集を示しEIA法にてHBs抗原陰性が確認されてい
るもの)、HBs抗原陽性検体(ミドリ十字社HBs抗原。LP
IA法にて陽性を確認した)を使用した。
実施例1と同様の反応、及び分離操作を行い、上清、
沈殿の両サンプルを作製し、EuとTbの蛍光濃度をそれぞ
れ測定した。結果を、表2、図2に示した。
HBs抗原のカットオフ値を10U/mlとすると、実施例1
の結果から、Euの測定値が、上清では136.9以下、沈殿
では7.404以上がHBs抗原陽性となる。また、非特異反応
のモニターであるTbの測定値は、同様に実施例1の結果
から、上清では45.0以下、沈殿では5.0以上が非特異反
応が起こっていると考えられる。
従って、Euの測定値からHBs抗原陽性となった時は、T
bの測定値を考慮することにより、真の陽性であるか、
判定を保留するかを判断する。判定保留の場合、通常
は、確認用抗体で試料液中の抗原を吸収する操作により
陽性であるかどうか判定することが行われる。
以上の判定を本実施例の各種検体にあてはめてみる
と、沈殿サンプルで、非特異検体のうちの1例でHBs抗
原陽性と判定されてしまったが、残りの検体では、陽性
検体の場合はEuの測定から抗原陽性、Tbの測定から非特
異反応なしということがわかる。陰性検体の場合はEuの
測定値が陰性を示すか、あるいはEuの測定値が陽性の領
域に入った時はTbの測定値も非特異反応を示している。
従って、Euの測定から陰性と判定された時はTbの測定値
を併せて考慮することにより、真の陽性をより正確に判
定できる。(表3参照) [発明の効果] 本発明の方法によれば、高感度な免疫測定が可能なだ
けでなく、粒子の非特異反応をも検出可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、HBs抗原濃度に対する蛍光強度の変化を示す図
であり、図中、○は上清サンプルのEuキレート化合物の
蛍光強度、●は沈殿サンプルのEuキレート化合物の蛍光
強度、△は上清サンプルのTbキレート化合物の蛍光強
度、▲は沈殿サンプルのTbキレート化合物の蛍光強度を
示す。 図2は、試料溶液として正常ヒト血清、非特異(HBs抗
原陰性)検体およびHBs抗原陽性検体を使用した、上清
サンプルおよび沈殿サンプルの蛍光強度を示す図であ
り、○、●、△および▲は図1と同義を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−81566(JP,A) 特開 平3−216554(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 501 G01N 33/531

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)(i)蛍光またはリン光を発する第
    一の色素及び(ii)抗体又は抗原を不溶性担体粒子に担
    持してなる、免疫測定用の第一の色素標識粒子と (b)(i)前記第一の色素とは発光波長、励起波長ま
    たは発光寿命の異なる、蛍光またはリン光を発する第二
    の色素および(ii)第一の粒子に担持された抗体または
    抗原が試料中の抗原または抗体と特異的に結合する部位
    を含まない物質を不溶性担体に担持してなる、非特異反
    応または吸着の検出用の第二の色素標識粒子とを (c)被測定抗原または抗体を含む試料液と反応させ、
    抗原抗体反応に伴う第一の色素標識粒子によるシグナル
    の変化および非特異反応に伴う第二の色素標識粒子によ
    るシグナルの変化を測定することによって、抗原抗体反
    応中の非特異反応を検出することを特徴とする免疫測定
    法(但し、被測定抗原または抗体と特異的に結合する物
    質を固定化した反応容器を使用する方法を除く)。
  2. 【請求項2】第二の色素標識粒子が、下記(i)〜(ii
    i)から選択される物質を不溶性担体に担持したもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の免疫測定法。 (i)被測定抗原または抗体と特異的に反応する部位を
    含まない免疫グロブリン画分およびそれらの誘導体、 (ii)第一の色素標識粒子に遺伝子組み換え技術を用い
    て製造した抗原を担持する場合は、培養液中に存在する
    他の蛋白質、 並びに(iii)不溶性担体粒子の安定化のために粒子表
    面を覆う界面活性剤およびポリマー。
  3. 【請求項3】被測定抗原または抗体と特異的に反応する
    磁性体を含有した微粒子を固相として用い、該固相に結
    合した色素標識粒子と結合していない色素標識粒子とを
    磁力を用いて分離し、上清サンプルまたは沈殿サンプル
    のシグナルの変化を測定することを特徴とする請求項1
    または2に記載の免疫測定法。
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