JP3183898B2 - デミスタを備える吹上げ型清浄化装置 - Google Patents

デミスタを備える吹上げ型清浄化装置

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JP3183898B2
JP3183898B2 JP03033791A JP3033791A JP3183898B2 JP 3183898 B2 JP3183898 B2 JP 3183898B2 JP 03033791 A JP03033791 A JP 03033791A JP 3033791 A JP3033791 A JP 3033791A JP 3183898 B2 JP3183898 B2 JP 3183898B2
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章夫 杉田
三郎 右高
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気清浄化室と気水分
離器が一体に設けられた吹上げ型清浄化装置に関するも
ので、特に気水分離器内に水分凝縮用のデミスタを設け
た吹上げ型清浄化装置に係る。
【0002】
【従来の技術】近年、人体の安全を守るための医療や精
密度を要する半導体等の産業には無菌及び無塵の環境が
要求されている。従来、室内をこの様な環境とするため
には、フィルターを仕様するシステムによって除菌や除
塵が行われていた。
【0003】しかし、フィルターシステムでは、塵埃等
の体積による性能の低下、フィルター等による空気中の
粉塵の帯電、室内で発生する有毒ガス等の除去が不可能
なため喚起装置が必要等のように種々の問題があった。
この問題を解決するために、特公昭57−55117号
として、室外に設けられた還流型の空気清浄化装置が提
案されている。
【0004】即ち、この装置は、図5に示すように、空
調室内の空気を導管、ファンにより清浄化サイクロン2
0内に空気を導入し、ここで、冷水を噴霧ノズル21か
ら噴霧して加湿する。この液滴によって気体中の雑菌や
塵埃等の微細粒子を水分中に溶解或いは懸濁させて除去
することができる。これを清浄化サイクロン20中央下
部に開口した排出管22から下段の気水分離サイクロン
23に送られ、除滴される。気水分離サイクロン23を
出た空気は、適当な温度に加温され、湿度と温度の調節
を行った後、再び室内に循環される。なお、噴霧された
水分や気液分離サイクロン23で除去された水分は、水
タンク24に回収され、再び噴霧ノズル21に送られ
る。
【0005】以上の様な還流型の空気清浄化装置では、
循環気体に液体を噴霧して直接空気の温度制御を行うも
ので、この液体を噴霧することによって気体中の雑菌や
塵埃等の微細粒子を除去することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
還流型の空気清浄化装置では、清浄化用と気水分離用の
2種のサイクロンを設ける必要がある。このため、従来
のフィルターを用いた空気清浄化装置に比べて、装置を
設置するために広い面積が必要である。また、各サイク
ロンにはそれぞれ次工程への排出管を設けるために、高
さ方向のスペースが必要である。このような制約を受け
るために、前記還流型の空気清浄化装置を設けることが
できず、種々の問題のあるフィルターを用いた装置を設
けるしかない場合が多い。
【0007】本発明は、上記のような従来技術の欠点を
解決するために提案されたもので、その目的は、清浄冷
却用と気水分離用の2種の装置を一体化したものとする
ことによって、限られたスペースに設置することがで
き、しかも、フィルターを用いた装置に比べて清浄効果
の高い吹上げ型清浄化装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
デミスタを備える吹上げ型清浄化装置は、天板に排出口
が設けられた円筒状の空気清浄化室と、前記空気清浄化
室上部に該空気清浄化室と一体に形成されて且つ前記空
気排出口を介して前記空気清浄化室と連結された気水分
離器とからなるデミスタを備える吹上げ型清浄化装置に
おいて、前記空気清浄化室内には、噴霧ノズルが設けら
れるとともに、その側壁内面に沿って冷媒が流れる直膨
コイルが配設され、前記空気清浄化室の側壁下部には、
空気導入口が設けられ、前記気水分離器内には、前記空
気清浄化室の排出口近傍にバッフル板が配設されるとと
もに、前記バッフル板より上部にデミスタが設けられ、
前記気水分離器の側壁には、空気排出口が設けられ、前
記噴霧ノズルには、空気を浄化するために滅菌フィルタ
ーを通過した水を供給する噴霧水循環手段が接続されて
いること、を特徴とする。また、請求項2記載のデミス
タを備える吹上げ型清浄化装置は、請求項1記載のデミ
スタを備える吹上げ型清浄化装置の前記気水分離器内に
設けられた前記デミスタの上方に、清浄化空気の温度制
御のためのヒータが配設されていることを特徴とする。
【0015】
【作用】上記のような構成を有する本発明の作用は次の
通りである。即ち、請求項1記載のデミスタを備える吹
上げ型清浄化装置によると、清浄化を要する空気が空気
清浄化室下部の空気導入口から空気清浄化室内に導入さ
れた後、上昇方向に旋回して流れつつ空気清浄化室内の
側壁内面に沿って配設された冷媒が流れる直膨コイルに
よって冷却される。この時、空気清浄化室内では、噴霧
水循環手段に連結された噴霧ノズルから滅菌フィルター
を通過した液滴が噴霧され、直膨コイルによって冷却さ
れる空気はこの液滴によって塵埃や細菌等が除去されて
清浄化空気となる。そして、空気清浄化室の上部の排出
口から気水分離器へ送られた空気は、該排出口近傍に配
設されたバッフル板に当たって均一に拡散された後、バ
ッフル板より上部に設けられたデミスタを通過して余分
な水分が凝縮除去されて空気排出口から排気される。
【0017】一方、請求項2記載のデミスタを備える吹
上げ型清浄化装置によると、請求項1記載の装置の気水
分離室にヒータを設けることによって、清浄化された空
気の温度制御が行われる。
【0018】
【実施例】以下本発明を図1乃至図4に示した実施例に
もとづき説明する。図1乃至図3は、請求項1の発明の
一実施例を示すものである。
【0020】即ち、本実施例の吹上げ型清浄化装置は、
円筒状の空気清浄化室1とその天板上に設けられた気水
分離器2とによって構成される。空気清浄化室1の側壁
下部には、その接線方向に開口した空気導入口3が、天
板には、その中心に開口した空気排出口4が設けられて
いる。この空気排出口4によって、空気清浄化室1と気
水分離器2とは連通されている。空気清浄化室1の側壁
内面には、一定温度の冷媒が流れる直膨コイル5が側壁
に添って螺旋状に配設され、図示しない冷媒冷却・循環
手段に接続されている。また、空気清浄化室1内の中心
部には、上下方向垂直に給水管7が配設され、その周囲
には複数の噴霧ノズル6が設けられている。一方、空気
清浄化室1の下部には、噴霧水の循環手段として水槽8
が空気清浄化室1と一体に設けられている。この水槽8
には、滅菌フィルタ9及びその下部に吸込管10が配設
され、この吸込管10からポンプ11を介して空気清浄
化室1内の給水管7に接続されている。
【0021】一方、気水分離器2には、空気清浄化室1
と連通される空気排出口4の上方に、この開口部を十分
に覆うことのできる大きさのバッフル板12が設けら
れ、更に、その上方に、水分凝縮用のデミスタ13が設
けられている。更に、気水分離器2には、デミスタ13
上方の一側面から天板にかけてテーパ部14が設けら
れ、その対面の一部には空気の排出口15が設けられて
いる。この排出口15は、空調を行う室内に接続されて
いる。
【0022】以上の様に構成される本実施例のデミスタ
を備える吹上げ型清浄化装置の作用は、以下の通りであ
る。即ち、清浄化するための空気は図示しない導管、フ
ァンにより空気清浄化室1の下部の空気導入口3から導
入され、更に、空気清浄化室1内で旋回しながら吹上げ
られる。この時、空気清浄化室1下部の水槽8から滅菌
フィルタ9を通過した滅菌冷却水が吸込管10、ポンプ
11を介して給水管7の噴霧ノズル6から空気清浄化室
1内に噴霧される。従って、導入空気は、直膨コイル5
内の冷媒及び噴霧された液滴とによって、速やかに熱交
換を行って冷却水と略等しい温度となり、過剰の水分は
凝縮奪水され、これに伴って空気中の雑菌や塵埃等の微
細粒子が水分中に溶解或いは懸濁される。この雑菌や塵
埃等の微細粒子を含有した水分は下部の水槽8に戻り、
滅菌フィルタ9で濾過され雑菌や塵埃等の微細粒子が除
去された後に、再度清浄用水として利用される。
【0024】空気清浄化室1で清浄化された空気は、噴
霧された水分の飛沫を含んで、その湿度は過飽和の状態
となる。この空気が更に吹き上げられて、空気清浄化室
1天板に設けられた空気排出口4からその上部の気水分
離器2まで上昇する。この空気は、気水分離器2での入
り口でバッフル板12に当たり、均一に拡散される。拡
散された空気はバッフル板12周囲より上昇し、デミス
タ13を通過するときに空気中の余分な水分が凝縮除去
され、飽和空気となってテーパ部14に添って排出口1
5から排気される。この時にも、除去された水分によっ
て空気中に残留する雑菌や塵埃等の微細粒子は溶解或い
は懸濁されて下部の水槽8に戻る。
【0025】この場合、空気清浄化室1内で噴霧される
水分は滅菌フィルタ9を通過しているため、デミスタ1
3内で雑菌が繁殖することがなく、目詰まりは起こらな
い。
【0026】以上のように、本実施例のデミスタを備え
る吹上げ型清浄化装置では、空気の流れを吹上げ型とし
て次工程への流路を短縮し、また、清浄化用と気水分離
用の2種の装置を一体化した装置のためコンパクト化す
ることができ、しかも、装置下部にはテーパ部を設けな
い形状とするため、限られたスペースに清浄効果の高い
装置を設置することができる。なお、本発明は上述した
実施例に限定されるものではなく、具体的な各部材の形
状、或いは各々の取付け位置及び方法は適宜変更可能で
ある。
【0028】例えば、図4に示すように、気水分離器の
内部のデミスタ13上部に再熱ヒータ16を設けること
も可能である。即ち、無菌及び無塵の室内では、求めら
れる温度条件に合わせて清浄化装置から排出される清浄
空気も温度制御する必要がある。そのために、従来はメ
ンテナンスのしにくい天井裏等のダクトに再熱ヒータを
設けている。このため、メンテナンス用歩廊や天井裏ス
ペースを多く必要とし、限られたスペースに設置するこ
とを難しくしていた一つである。これを解決するため
に、吹上げ型清浄化装置の気水分離器2内部でデミスタ
15上部に再熱ヒータ16を設けて清浄空気の温度制御
することによって、メンテナンスが容易となり、しかも
設置場所の問題も解決することができる。
【0029】また、気水分離器から排出される清浄空気
は飽和湿度に限定されず、乾燥空気との混合によってそ
の湿度の調節を行うことも可能である。更に、空気清浄
化室内の温度と室温との温度差による飽和湿度の違いを
利用して湿度の調節を行うこともできる。一方、気水分
離気内に直膨コイルを設けることなく、単に、吹き上げ
られた空気に水を噴霧することによって温度調節を行
い、清浄化することもできる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、空気清浄化室上部に気水分離器が一体に設けられて
いるため、空気を清浄化するための装置全体をコンパク
ト化することができ、僅かなスペースで空気清浄化効果
の高い装置を設置することができる。また、直膨コイル
によって冷却される空気に噴霧される液滴は、滅菌フィ
ルターを通過した水であるため、前記気水分離器内に設
けられたデミスタ内で雑菌が繁殖することがなく、デミ
スタの目詰まりが回避される。
【0032】また、請求項2の発明によれば、温度制御
のための再熱ヒータを気水分離気内に設けることによっ
て、メンテナンスが簡単になり、しかもその取り付け場
所を考慮することなく設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデミスタを備える吹上げ型清浄化装置
の一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1のA−A線の横断面図。
【図3】図1のB−B線の横断面図。
【図4】本発明の他の実施例を示す縦断面図。
【図5】従来の還流型の空気清浄化装置を示す側面断面
図。
【符号の説明】
1 空気清浄化室 2 気水分離器 3 空気導入口 4 空気排出口 5 直膨コイル 6 噴霧ノズル 7 給水管 8 水槽 9 滅菌フィルタ 10 吸込管 11 ポンプ 12 バッフル板 13 デミスタ 14 テーパ部 15 排出口 16 再熱ヒータ 20 清浄化サイクロン 21 噴霧ノズル 22 排出菅 23 気水分離用サイクロン 24 水タンク
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F24F 3/044 F24F 3/044 F25B 39/02 F25B 39/02 A (56)参考文献 特開 昭62−61615(JP,A) 特開 昭48−49075(JP,A) 特開 昭59−98714(JP,A) 特開 昭60−175518(JP,A) 特公 昭42−15359(JP,B1) 化学大辞典編集委員会編「化学大辞典 9(縮刷版)」(昭和49−3−10)p. 215 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 47/00 - 51/10 B04C 9/00 F24F 3/044 F25B 39/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天板に排出口が設けられた円筒状の空気
    清浄化室と、前記空気清浄化室の上部に該空気清浄化室
    と一体に形成されて且つ前記排出口を介して前記空気清
    浄化室と連結された気水分離器とからなるデミスタを備
    える吹上げ型清浄化装置において、 前記空気清浄化室内には、噴霧ノズルが設けられるとと
    もに、その側壁内面に沿って冷媒が流れる直膨コイルが
    配設され、 前記空気清浄化室の側壁下部には、空気導入口が設けら
    れ、 前記気水分離器内には、前記空気清浄化室の排出口近傍
    にバッフル板が配設されるとともに、前記バッフル板よ
    り上部にデミスタが設けられ、 前記気水分離器の側壁には、空気排出口が設けられ、 前記噴霧ノズルには、空気を浄化するために滅菌フィル
    ターを通過した水を供給する噴霧水循環手段が接続され
    ていること、 を特徴とするデミスタを備える吹上げ型清浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記気水分離器内に設けられた前記デミ
    スタの上方に、清浄化空気を温度制御するためのヒータ
    が配設されていることを特徴とする請求項1記載のデミ
    スタを備える吹上げ型清浄化装置。
JP03033791A 1991-02-25 1991-02-25 デミスタを備える吹上げ型清浄化装置 Expired - Lifetime JP3183898B2 (ja)

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