JP3180092B2 - プラズマ処理システム及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理システム及びプラズマ処理方法

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JP3180092B2
JP3180092B2 JP34473698A JP34473698A JP3180092B2 JP 3180092 B2 JP3180092 B2 JP 3180092B2 JP 34473698 A JP34473698 A JP 34473698A JP 34473698 A JP34473698 A JP 34473698A JP 3180092 B2 JP3180092 B2 JP 3180092B2
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幸子 岡崎
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    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H1/00Generating plasma; Handling plasma
    • H05H1/24Generating plasma
    • H05H1/2406Generating plasma using dielectric barrier discharges, i.e. with a dielectric interposed between the electrodes
    • H05H1/2443Generating plasma using dielectric barrier discharges, i.e. with a dielectric interposed between the electrodes the plasma fluid flowing through a dielectric tube
    • H05H1/245Generating plasma using dielectric barrier discharges, i.e. with a dielectric interposed between the electrodes the plasma fluid flowing through a dielectric tube the plasma being activated using internal electrodes

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物の表面に
存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥
離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、
製膜、表面改質などのプラズマ処理に利用されるプラズ
マを発生させるためのプラズマ処理装置を具備するプラ
ズマ処理システム、及びこれを用いたプラズマ処理方法
に関するものであり、精密な接合が要求される電子部品
の表面のクリーニングに応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、大気圧下でプラズマ処理を行
うことが試みられている(例えば、特開平2−1517
1号公報や特開平3−241739号公報や特開平1−
306569号公報)。図21に従来からあるプラズマ
処理装置を示す。50は反応槽であって、その内部には
上部電極51と下部電極52が対向して配置されてい
る。また反応槽50の上面には絶縁物53が装着されて
おり、この絶縁物53を貫通する配線62にて上部電極
51と交流電源54が接続されている。尚、交流電源5
4は接地されている。また反応槽50の下面には絶縁物
55が装着されており、この絶縁物55を貫通する配線
61にて下部電極52は接地されている。また下部電極
52の上面には固体誘電体59が設けられている。さら
に反応槽50の上部にはガス導入口56が設けられてい
ると共に反応槽50の下部にはガス導出口57が設けら
れている。そして固体誘電体59の上に被処理物7を載
せ、ガス導入口56からプラズマ生成用ガスを導入する
と共に上部電極51と下部電極52の間に交流を印加し
てプラズマ生成用ガスをプラズマ化することによって、
被処理物7のプラズマ処理を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなプラズマ
処理装置では、被処理物7の特定の部分にのみプラズマ
処理を行いにくく、しかも被処理物7を一個ずつ反応槽
50の中に入れてプラズマ処理を行う、いわゆるバッチ
処理しか行うことができず、処理時間が長くかかるとい
う問題があった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、被処理物の特定の部分にのみプラズマ処理を行い
やすく、しかも被処理物を連続的に処理することができ
て処理時間を短くすることができるプラズマ処理システ
ム及びプラズマ処理方法を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のプラズマ処理システムは、外側電極1を備え絶縁性材
料にて形成した筒状の反応管2、及び反応管2の内部に
配置される内側電極3を具備して構成され、外側電極1
と内側電極3の少なくとも一方に冷却手段を設けて構成
され、反応管2に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガ
スの混合気体を導入すると共に外側電極1と内側電極3
の間に交流電界を印加することにより大気圧下で反応管
2の内部にグロー放電を発生させ、反応管2からプラズ
マジェット65を吹き出すプラズマ処理装置と、プラズ
マジェット65が吹き出される位置に被処理物7を搬送
する搬送装置23とを備えて成ることを特徴とするもの
である。
【0006】また本発明の請求項2に記載のプラズマ処
理システムは、請求項1の構成に加えて、プラズマジェ
ット65が吹き出される位置において被処理物7が保持
されるXYテーブル99またはXYZテーブルを搬送装
置23に設け、被処理物7の被処理部分13にプラズマ
ジェット65が吹き出されるようにXYテーブル99ま
たはXYZテーブルを移動させる制御装置48を具備し
て成ることを特徴とするものである。
【0007】また本発明の請求項3に記載のプラズマ処
理システムは、請求項1又は2の構成に加えて、反応管
2を二次元あるいは三次元に移動させる手段を設けて成
ることを特徴とするものである。
【0008】また本発明の請求項4に係るプラズマ処理
方法は、外側電極1を備え絶縁性材料にて形成した筒状
の反応管2の内部に内側電極3を配置し、外側電極1と
内側電極3の少なくとも一方に冷却手段を設け、反応管
2に不活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの混合気体
を導入すると共に外側電極1と内側電極3の間に交流電
界を印加することにより大気圧下で反応管2の内部にグ
ロー放電を発生させ、反応管2からプラズマジェット6
5を吹き出すと共に、プラズマジェット65が吹き出さ
れる位置に被処理物7を搬送することを特徴とするもの
である。
【0009】また本発明の請求項5に記載のプラズマ処
理方法は、請求項4の構成に加えて、プラズマジェット
65が吹き出される位置において搬送装置23に設けた
XYテーブル99またはXYZテーブルに被処理物7を
保持し、被処理物7の被処理部分13にプラズマジェッ
ト65が吹き出されるようにXYテーブル99またはX
YZテーブルを移動させることを特徴とするものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0011】図2に本発明で用いるプラズマ処理装置A
の一例を示す。反応管2は絶縁性材料(誘電体材料)で
円筒状に形成されるものであって、その下端には直径が
下側ほど小さくなるように絞り込まれたテーパー構造の
集束部20が形成されていると共に、反応管2の下端面
である集束部20の下面には吹き出し口21が設けられ
ている。このように集束部20を設けないで吹き出し口
21の口径を反応管2の直径とほぼ同じに形成した場
合、吹き出し口21から吹き出されるプラズマジェット
65の流速を上げようとすると、後述の外側電極1と内
側電極3の間隔を小さくして放電空間22の体積を小さ
くしなければならず、このために外側電極1と内側電極
3の冷却が難しくなるが、本発明のように反応管2より
も直径が絞り込まれた集束部20を設けることによっ
て、放電空間22の体積を小さくすることなくプラズマ
ジェット65の流速を上げることができ、被処理物7の
プラズマ処理を効率よく行うことができる。
【0012】図1に示すプラズマ処理装置Aの吹き出し
口21の開口面積は、直径が0.1〜5mmの真円の面
積に相当する大きさに形成されている。吹き出し口21
の開口面積が上記の範囲よりも小さすぎると、吹き出さ
れるプラズマジェット65の処理範囲が小さくなりすぎ
て、被処理物7のプラズマ処理に長時間を要することに
なり、逆に、吹き出し口21の開口面積が上記の範囲よ
りも大きすぎると、吹き出されるプラズマジェット65
の処理範囲が大きくなりすぎて、被処理物7に局所的な
プラズマ処理を施すことができなくなる恐れがある。
【0013】また反応管2の上部にはガス導入管70が
突設されている。反応管2を形成する絶縁性材料の誘電
率は放電空間22(図2に斜線で示す)の低温化の重要
な要素であって、誘電率が2000以下の絶縁性材料を
用いるのが好ましい。反応管2の絶縁性材料の誘電率が
2000を超えると、外側電極1と内側電極3の空間に
印加される電圧が大きくなる代わりに、外側電極1と内
側電極3の間の放電空間22でのプラズマの温度(ガス
温度)が上昇する恐れがある。反応管2の絶縁性材料の
誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、これ
よりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1と
内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなけれ
ばならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の放
電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間22
でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0014】反応管2を形成する絶縁性材料として具体
的には、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコ
ニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示
することができる。またマグネシア(MgO)単体ある
いはマグネシアを含む絶縁性材料で反応管2を形成する
こともでき、このことでグロー放電の安定化を図ること
ができる。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高
いので、プラズマ中のイオンが反応管2の表面(内面)
に衝突した場合、反応管2の表面から二次電子が多量に
放出されることになり、この二次電子が反応管2の表面
に形成されたシースで加速されてプラズマ生成用ガスを
電離することになり、この結果、放電の安定化が保たれ
ると推察される。
【0015】集束部20の上側部分において反応管2の
外周には金属製の外側電極1が全周に亘って設けられて
いる。外側電極1の金属材料としては熱伝導性の高いも
のであることが好ましく、このことで外側電極1の放熱
性が向上して放電の均一化を図ることができる。具体的
には外側電極1の金属材料として、銅、アルミニウム、
真鍮、耐食性の高いステンレスなどを用いることができ
る。また外側電極1は板状やメッシュ状(網状)に形成
することができる。
【0016】外側電極1の反応管2側の表面の算術平均
粗さで表した粗度は10〜1000μmに設定すること
ができ、このことで、放電空間22における放電の均一
化を図ることができる。これはミクロ的に見た場合に、
非常に微細なマイクロディスチャージの集合体が形成さ
れ、アークへの移行が阻害されるためであると考えられ
る。外側電極1の表面の粗度が10μm未満であれば、
放電しにくくなる恐れがあり、外側電極1の表面の粗度
が1000μmを超えると、放電の不均一化が生じる恐
れがある。このように外側電極1の表面を粗面化する加
工としては、サンドブラストなどの物理的手段を採用す
ることができる。尚、表面粗さをy=f(x)の形に表
した場合の算術平均粗さRa(μm)はJIS B 0
601で以下の式(1)で定義されている。
【0017】
【数1】
【0018】反応管2の内部には反応管2の中心部を上
下に貫くように内側電極(中心電極)3が配設されてい
る。内側電極3は断面略円形であって、その直径(外
径)は1〜20mmに設定するのが好ましい。内側電極
3の直径が1mm未満であれば、放電空間22の面する
内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こりに
くくなり、プラズマを充分に生成することができなくな
る恐れがあり、内側電極3の直径が20mmを超える
と、相対的に反応管2や外側電極1を大きくしなければ
ならず、装置が大型化する恐れがある。この内側電極3
は集束部20の上側から反応管2の上側に突出するまで
に設けられており、反応管2の内部において複数個の支
持具24にて支持されている。そして反応管2の内部に
おいて、外側電極1と内側電極3の間の空間が放電空間
22として内側電極3を囲うように形成されている。
【0019】上記の放電空間22の下端から吹き出し口
21までの距離、すなわち外側電極1や内側電極3の下
端から吹き出し口21までの距離であって、集束部20
の高さ寸法は、20mm以下に設定するのが好ましい。
この距離が20mmを超えると、活性の高い生きたプラ
ズマ活性種(ラジカルやイオンなど)を消滅させる前
に、プラズマジェット65を被処理物7に吹き付けるこ
とができなくなって、被処理物7に対するプラズマ処理
の能力が低下する恐れがある。従って、放電空間22の
下端から吹き出し口21までの距離を20mm以下にす
ることによって、活性の高い生きたプラズマ活性種を消
滅させる前に、吹き出し口21からプラズマジェット6
5を吹き出して被処理物7に吹き付けることができ、被
処理物7のプラズマ処理を高めることができる。放電空
間22の下端から吹き出し口21までの距離は小さいほ
ど好ましいので、下限は0である。
【0020】また外側電極1の内面と内側電極3の外面
の間の距離(放電空間22の幅寸法)は1〜10mmに
設定するのが好ましい。この距離が1mm未満であれ
ば、外側電極1と内側電極3の距離が近すぎて安定な放
電を得ることができなくなる恐れがあり、この距離が1
0mmを超えると、外側電極1と内側電極3の距離が遠
すぎて印加電力を大きくしなければならず、外側電極1
や内側電極3の温度が上昇して安定な放電を得ることが
できなくなる恐れがある。
【0021】上記の内側電極3は電極本体管25と供給
管26から構成される二重管で形成されている。電極本
体管25は上下面が閉口する中空の棒状に形成されるも
のであって、反応管2よりも上側に突出する箇所には排
出管部27が設けられている。電極本体管25よりも小
径に形成される供給管26は、電極本体管25の中心部
を貫くように電極本体管25の下部から電極本体管25
の上側に突出するまでに設けられており、電極本体管2
5の上側に突出する部分は供給部28として形成されて
いる。そして内側電極3の内部において電極本体管25
と供給管26の間には、排出管部27と連通する流路部
29として形成されている。これら電極本体管25と供
給管26は外側電極1と同様の金属材料で形成されるこ
とが好ましく、また電極本体管25の外面は外側電極1
と同様に粗面化されているのが好ましい。
【0022】放電空間22における放電の安定化のため
に、内側電極3の電極本体管25の表面は絶縁性材料
(誘電体材料)の被膜でコーティングされていることが
好ましい。またこのコーティングで用いる絶縁性材料の
誘電率は2000以下であることが好ましく、絶縁性材
料の誘電率が2000を超えると、外側電極1と内側電
極3の空間に印加される電圧が大きくなる代わりに、外
側電極1と内側電極3の間の放電空間22でのプラズマ
の温度(ガス温度)が上昇する恐れがある。絶縁性材料
の誘電率の下限値は特に限定されないが、2であり、こ
れよりも小さいと、放電を維持するために、外側電極1
と内側電極3の間に印加する交流の電圧を大きくしなけ
ればならず、このため、外側電極1と内側電極3の間の
放電空間22での電力消費量が大きくなって放電空間2
2でのプラズマの温度が上昇する恐れがある。
【0023】内側電極3のコーティングに用いる絶縁性
材料として具体的には、石英、アルミナ、イットリア部
分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック
材料などを例示することができる。さらに、アルミナ、
チタニア、SiO2、AlN、Si3N、SiC、DLC
(ダイヤモンド様炭素被膜)、チタン酸バリウム、PZ
T(チタン酸鉛ジルコネート)などの誘電体材質のもの
を例示することができる。またマグネシア(MgO)単
体あるいはマグネシアを含む絶縁性材料を用いることも
でき、このことでグロー放電の安定化を図ることができ
る。これは、マグネシアは二次電子放出係数が高いの
で、プラズマ中のイオンが内側電極3の表面のコーティ
ングに衝突した場合、コーティングの表面から二次電子
が多量に放出されることになり、この二次電子がコーテ
ィングの表面に形成されたシースで加速されてプラズマ
生成用ガスを電離することになり、この結果、放電の安
定化が保たれると推察される。このようなマグネシアを
含む絶縁性材料としては、例えば、アルミナ等のセラミ
ック粉末の中に微量(0.01〜5vol%)のマグネ
シアを添加して焼結した焼結体、及び石英などのガラス
質の表面にCVD等でMgO膜を形成したものなどを挙
げることができる。
【0024】また内側電極3の表面にコーティングする
にあたっては、絶縁性材料で円筒体(セラミック管やガ
ラス管)を形成し、これの内側に内側電極3を挿着して
密着させる方法、及びアルミナ、チタン酸バリウム、P
ZTなどの粉末をプラズマ中で分散させ、内側電極3の
電極本体管25の表面に吹き付けるようにするプラズマ
溶射法、及びシリカ、酸化スズ、チタニア、ジルコニ
ア、アルミナなどの無機質粉末を溶剤などにより分散
し、内側電極3の電極本体管25の表面にスプレーなど
で吹き付けて被覆した後、600℃以上の温度で溶融さ
せるいわゆる琺瑯被覆方法、及びゾルゲル法によるガラ
ス質膜の形成方法などを採用することができる。さらに
気相蒸着法(CVD)もしくは物理蒸着法(PVD)に
より内側電極3の電極本体管25の表面を絶縁性材料で
コーティングすることもでき、これらの方法を採用する
ことによって、極めて緻密で平滑な吸着性の乏しい絶縁
性材料の被膜で内側電極3の表面をコーティングするこ
とができ、放電の安定化をより促進することができる。
【0025】本発明の冷却手段として用いる冷媒は、イ
オン交換水や純水も使用することができるが、0℃で不
凍性を有し、且つ電気絶縁性及び不燃性や化学安定性を
有する液体であることが好ましく、冷媒の電気絶縁性能
は0.1mm間隔での耐電圧が10kV以上であること
が好ましい。この範囲の絶縁性を有する冷媒を用いる理
由は、高電圧が印加される電極からの漏電を防止するた
めである。このような性質を有する冷媒としては、パー
フルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等を例示
することができ、また純水にエチレングリコールを5〜
60重量%添加した混合液であってもよい。
【0026】本発明において外側電極1と内側電極3に
印加される交流の周波数は、1kHz〜50GHz、好
ましくは10kHz〜200MHzに設定される。交流
の周波数が1kHz未満であれば、放電空間22での放
電を安定化させることができなくなる恐れがあり、交流
の周波数が50GHzを超えると、放電空間22でのプ
ラズマの温度上昇が著しくなる恐れがある。また外側電
極1と内側電極3に交流を印加する場合、外側電極1と
電源15を接続し、内側電極3を接地するのが好まし
く、このことで内側電極3と被処理物7の間のストリー
マー放電を抑制することができる。これは、内側電極3
と被処理物7の間の電位差がほとんど0になり、ストリ
ーマー放電が生成されにくくなるためであり、特に、被
処理物7に金属部分が含まれている場合はストリーマー
放電の生成が著しくなるので、内側電極3を接地するの
が好ましい。尚、図2のものでは内側電極3は供給管2
6の供給部28から接地されている。
【0027】また本発明において外側電極1と内側電極
3の間の放電空間22に印加される印加電力は20〜3
500W/cm3に設定するのが好ましい。放電空間2
2に印加される印加電力が20W/cm3未満であれ
ば、プラズマを充分に発生させることができなくなり、
逆に、放電空間22に印加される印加電力が3500W
/cm3を超えると、安定した放電を得ることができな
くなる恐れがある。尚、印加電力の密度(W/cm3
は、(印加電力/放電空間体積)で定義される。
【0028】本発明においてプラズマ生成用ガスとして
は、不活性ガス(希ガス)あるいは不活性ガスと反応ガ
スの混合気体を用いることができる。不活性ガスとして
は、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使
用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮す
ると、アルゴンやヘリウムを用いるのが好ましい。また
アルゴン単独ではストリーマー放電が生成し易いので、
アルゴンをヘリウムで希釈した混合ガスを用いることが
好ましく、その混合比率は放電空間22の温度とも密接
に関連するが、プラズマジェット65の温度を250℃
以下にした場合は、アルゴンを90重量%以下にするの
が好ましい。これよりもアルゴンが多くなると、ストリ
ーマー放電が生じ易くなる恐れがある。尚、アルゴンが
多いとストリーマー放電が生じ易くなるのは、アルゴン
がヘリウムに比べて準安定状態のエネルギーや寿命がヘ
リウムに比べて小さいためであると考えられる。
【0029】また上記反応ガスの種類は処理の内容によ
って任意に選択することができる。例えば、被処理物の
表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥
離、有機フィルムのエッチングなどを行う場合は、酸
素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが
好ましい。また反応ガスとしてCF4などのフッ素系ガ
スも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチング
を行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的で
ある。また金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アン
モニアなどの還元性ガスを用いることができ、その添加
量は不活性ガスに対して10重量%以下、好ましくは
0.1〜5重量%の範囲である。反応ガスの添加量が
0.1重量%未満であれば、処理効果が低くなる恐れが
あり、反応ガスの添加量が10重量%を超えると、放電
が不安定になる恐れがある。
【0030】また上記有機物の除去や無機物の還元・除
去の処理は、反応ガスを用いなくても不活性ガスのみで
行うことができる。つまり、被処理物7の表面の酸化や
フッ素化を起こさないでも上記処理が行える。これは、
プラズマ内部に存在する不活性ガスのイオンやラジカル
の運動エネルギーとガス流(プラズマが吹き出す際の流
れ)の運動エネルギーが合わさってプラズマが被処理物
7にアタックすることによる効果であり、このアタック
により被処理物7の表面の化合物の結合エネルギーを切
断して除去するためであると考えられる。
【0031】次に、上記のように形成されるプラズマ処
理装置Aを用いたプラズマ処理方法を説明する。まず、
ガス導入管70を通じて反応管2の内部にプラズマ生成
用ガスを導入する(矢印)と共に、外側電極1と内側
電極3に高周波などの交流を印加し、さらにこれと同時
に内側電極3を冷媒によって冷却すると共に外側電極1
に冷却された空気を吹き付けるなどして外側電極1を空
冷して冷却する。この後、外側電極1と内側電極3の間
に印加された交流電界により大気圧下で反応管2の放電
空間22でグロー放電を発生させ、グロー放電で反応管
2の内部に導入されたプラズマ生成用ガスをプラズマ化
し、プラズマ活性種を含むこのプラズマを図3に示すよ
うに吹き出し口21からプラズマジェット65として吹
き出して被処理物7の表面に吹きつけることによって、
プラズマ処理を行うことができる。
【0032】吹き出し口21から吹き出されるプラズマ
ジェット65の流速は、2〜30m/秒に設定するのが
好ましい。プラズマジェット65の流速が2m/秒未満
であれば、プラズマジェット65の処理能力が小さすぎ
て被処理物7をプラズマ処理するのに長時間を要するこ
とになる恐れがあり、プラズマジェット65の流速が3
0m/秒を超えると、プラズマジェット65の処理能力
が大きすぎて被処理物7が破損する恐れがある。そして
プラズマジェット65の流速が上記の範囲となるよう
に、吹き出し口21の口径や集束部20の傾斜の度合い
を調整して設定するのである。
【0033】上記のプラズマ処理において、内側電極3
を冷媒によって冷却するにあたっては、供給部28の上
端の開口から冷媒を供給管26に供給する(矢印)と
共に、供給管26の下端の開口から冷媒を内側電極3の
内部の流路部29に流入し、冷媒を流路部29に充満さ
せるようにして行うことができる。また流路部29に充
満させた冷媒は内側電極3の温度上昇により温度が高く
なり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力が低下し
た冷媒は排出管部27を通じて流路部29から排出し
(矢印)、これと同時に供給管26を通じて冷却能力
の高い冷媒を新たに流路部29に導入するようにする。
流路部29から排出された冷却能力の低下した冷媒は冷
凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い冷媒
に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のように
供給管26を通じて流路部29に導入される。このよう
に冷媒を循環させることによって、内側電極3を常に冷
却して所望の温度に保つことができる。上記のように内
側電極3の流路部29と冷凍機の間で循環させる循環手
段としてはポンプを用いることができる。
【0034】プラズマジェット65の温度は250℃以
下にするのが好ましい。このような温度にするために、
外側電極1及び内側電極3はその表面温度が350℃以
下になるように冷却されるのが好ましい。内側電極3の
表面温度が350℃を超えると、放電空間22にストリ
ーマー放電が生成されて、均質なグロー放電が生成され
ない恐れがある。尚、内側電極3の表面温度の下限値は
特に設定されず、例えば0℃以下であってもよく、冷媒
が凍結しない温度であればよい。そしてこのように反応
管2から吹き出すプラズマジェット65の温度を250
℃以下に制御するために制御手段を用いるのが好まし
い。制御手段は熱電対などの温度センサーとパーソナル
コンピュータなどで構成される温度コントローラーから
構成されるものであって、温度センサーで測定し、この
測定結果に基づいて温度コントローラーで循環手段によ
る冷媒の循環流量や冷凍機の冷却による冷媒の温度や高
周波出力を制御してプラズマジェット65の温度を25
0℃以下に制御するのである。尚、プラズマジェット6
5の温度は被処理物7やプラズマ処理の種類に応じて変
更し、被処理物7を処理することができる温度以上にす
る。
【0035】このように本発明のプラズマ処理装置は、
内側電極3を冷媒により冷却すると共に外側電極1を空
冷により冷却するので、大気圧下で周波数の高い交流で
プラズマを生成しても、外側電極1及び内側電極3の温
度上昇を抑えることができ、よってプラズマの温度(ガ
ス温度)が高くならないようにすることができて被処理
物7の熱的損傷を少なくすることができるものである。
また内側電極3を冷媒により冷却すると共に外側電極1
を空冷により冷却するので、放電空間22の局所的な加
熱を防ぐことができ、均質なグロー放電を生成してスト
リーマー放電の生成を抑えることができて被処理物7の
ストリーマー放電による損傷を少なくすることができる
ものである。これは、従来の方法では内側電極3の温度
が高いほど内側電極3からの電子の放出が高められ、局
所的な電子の放出が生じ、その部分からストリーマー放
電が生成するのに対して、本発明では内側電極3を冷媒
で冷却すると共に外側電極1を空冷することによって、
局所的な電子の放出が抑えられるためであると考えられ
る。
【0036】また外側電極1の内側あるいは内側電極3
の外側に接するなどして無機の絶縁性材料で形成される
反応管2を配置して外側電極1と内側電極3の間に電気
的絶縁性材料からなるバリア層を形成するので、より高
い放電の安定化を図ることができる。尚、上記実施の形
態では、外側電極1の内側に絶縁性材料で形成される反
応管2を接するように配置して内側電極3と反応管2の
間に放電空間22を形成するようにしたが、これに限ら
ず、内側電極3の外側に絶縁性材料で形成される反応管
2を接するように配置して外側電極1と反応管2の間に
放電空間22を形成するようにしてもよい。また外側電
極1の内側と反応管2の間及び内側電極3の外側と反応
管2の間の両方に放電空間22を形成するようにしても
よい。
【0037】またプラズマを集束部20で集めて吹き出
し口21からジェット状に吹き出すようにして、被処理
物7の小空間にプラズマ(放電)のエネルギー集中する
ので、処理効果や処理速度を極めて速くすることができ
る。また冷却手段を施しているため、温度の上昇を招く
ことなしに印加電力を増加させることができ、その結果
としてプラズマの密度を高め、処理速度を速めることが
できる。さらに処理効果の及ぶ範囲が吹き出し口21の
近傍の領域に限定することができ、被処理物7の必要部
分のみにプラズマ処理を施すことができるものであり、
処理の不要部分にプラズマの影響を与えないようにする
ことができる。また大気圧下でのプラズマの処理である
ので、被処理物7を搬送することにより連続的な処理を
行うことができる。
【0038】図4に本発明に用いるプラズマ処理装置A
の他例を示す。このプラズマ処理装置Aは図2のものに
おいて、外側電極1を図5のものに代えて形成されるも
のであって、その他の構成は図1のものと同様に形成さ
れている。この外側電極1は金属製であって、図4に示
すように、筒状の外壁30の内側に筒状の内壁31を形
成すると共に外壁30と内壁31の間に上下が閉塞され
た流通路32を形成し、外壁30の外面の上部に流通路
32と連通する流入管34を設けると共に流入管34の
反対側の位置において外壁30の外面の下部に流通路3
2と連通する流出管35を設けるようにして形成されて
いる。また内壁31の内周面はサンドブラスト処理等の
加工で粗面化されており、その粗度は10〜1000μ
mに設定されている。そして内壁31の内周面を反応管
2の外周に接触させるようにして外側電極1を反応管2
の外側に挿着することによって、プラズマ処理装置Aが
形成されている。
【0039】このように形成されるプラズマ処理装置A
を用いてプラズマ処理をするにあたっては、図2の実施
の形態と同様に内側電極3を冷媒によって冷却しながら
行うことができるが、さらにこの実施の形態のプラズマ
処理装置Aは、外側電極1も冷媒によって冷却しながら
プラズマ処理を行うものである。つまり、流入管34を
通じて冷媒を流通路32に供給して(矢印)、冷媒を
流通路32に充満させるようにして外側電極1の冷却を
行うようにしている。また流通路32に充満させた冷媒
は外側電極1の温度上昇により温度が高くなり冷却能力
が低下してくるが、この冷却能力が低下した冷媒は流出
管35を通じて流通路32から排出し(矢印)、これ
と同時に流入管34を通じて冷却能力の高い冷媒を新た
に流通路32に導入するようにする。流通路32から排
出された冷却能力の低下した冷媒は冷凍機に導入され、
ここで冷却されて冷却能力の高い冷媒に戻される。冷却
能力が向上した冷媒は、上記のように流入管34を通じ
て流通路32に導入される。このように冷媒を循環させ
ることによって、外側電極1を常に冷却して所望の温度
に保つことができる。上記のように外側電極1の流通路
32と冷凍機の間で循環させる循環手段としては内側電
極3の循環手段と同様にポンプを用いることができる。
【0040】このプラズマ処理装置Aでは、外側電極1
と内側電極の両方を冷媒により冷却するので、外側電極
1を空冷する上記実施の形態に比べて外側電極1の冷却
の度合いを大きくすることができる。従って、大気圧下
で周波数の高い交流でプラズマを生成しても、外側電極
1と内側電極3の両方の温度上昇をより抑えることがで
き、よってプラズマの温度(ガス温度)がより高くなら
ないようにすることができて被処理物7の熱的損傷をよ
り少なくすることができるものである。また外側電極1
と内側電極3の両方を冷却することによって、放電空間
22の局所的な加熱をより防ぐことができ、より均質な
グロー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑える
ことができて被処理物7のストリーマー放電による損傷
をより少なくすることができるものである。これは、外
側電極1と内側電極3の両方を冷却することによって、
外側電極1と内側電極3の両方からの部分的な電子の放
出が抑えられるためであると考えられる。
【0041】図6に本発明で用いるプラズマ処理装置A
の他例を示す。このプラズマ処理装置Aは図5に示す外
側電極1を図4のように反応管2の外側に挿着せずに、
反応管2に一体に設けて形成されている。つまり、反応
管2を絶縁性材料で形成される上筒部2aと下筒部2b
の二体で構成し、外側電極1の上端と上筒部2aの下端
を接合すると共に外側電極1の下端と下筒部2bの上端
を接合することによって、上筒部2aと下筒部2bの間
に外側電極1を設けて反応管2と外側電極1を一体化す
るようにしている。その他の構成は図1及び図3のもの
と同様に形成されている。従って、このプラズマ処理装
置Aは外側電極1と内側電極3が絶縁物を介さずに直接
向き合うように形成されている。また外側電極1と内側
電極3は絶縁物の上筒部2aにより絶縁されている。
【0042】図7(a)(b)に本発明で用いるプラズ
マ処理装置Aの他例を示す。反応管2は絶縁性材料で断
面略四角形の矩形型筒状に形成されるものであって、そ
の下端には幅が下側ほど小さくなった集束部20が形成
されていると共に集束部20の下面の略全面に亘って吹
き出し口21が設けられている。また反応管2の上部に
はガス導入管70が突設されている。反応管2を形成す
る絶縁性材料として上記と同様のものを用いることがで
きる。
【0043】集束部20の上側部分において反応管2の
外周には金属製の外側電極1が全周に亘って設けられて
いる。外側電極1は反応管2の形状に対応した矩形状に
形成されるものであって、図5に示すものを円筒ではな
くて矩形状に形成したものである。つまり、矩形筒状の
外壁30の内側に矩形筒状の内壁31を形成すると共に
外壁30と内壁31の間に上下が閉塞された流通路32
を形成し、外壁30の外面の上部に流通路32と連通す
る流入管34を設けると共に流入管34の反対側の位置
において外壁30の外面の下部に流通路32と連通する
流出管35を設けるようにして形成されている。また内
壁31の内周面はサンドブラスト処理等の加工で粗面化
されており、その粗度は10〜1000μmに設定され
ている。そして内壁31の内周面を反応管2の外周に接
触させるようにして外側電極1を反応管2の外側に挿着
されている。
【0044】反応管2の内部には外側電極1と対峙する
ように内側電極3が配設されている。内側電極3は集束
部20から反応管2の上側に突出するまでに設けられて
おり、反応管2の内部において、外側電極1と内側電極
3の間の空間が放電空間22として内側電極3を囲うよ
うに形成されている。内側電極3は反応管2の形状に対
応した矩形状に形成される中空の電極本体管25と、電
極本体管25の上端に突設される供給管部80と排出管
部81とから構成されており、電極本体管25の内部は
供給管部80及び排出管部81と連通する流路部29と
して形成されている。この内側電極3は外側電極1と同
様の金属材料で形成されることが好ましく、また電極本
体管25の外面は外側電極1と同様に粗面化されている
のが好ましい。さらに内側電極3の短手方向の長さは、
1〜20mmに設定するのが好ましい。内側電極3の短
手方向の長さが1mm未満であれば、放電空間22の面
する内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こ
りにくくなり、プラズマを充分に生成することができな
くなる恐れがあり、内側電極3の短手方向の長さが20
mmを超えると、相対的に反応管2や外側電極1を大き
くしなければならず、装置が大型化する恐れがある。
【0045】このように形成されるプラズマ処理装置A
を用いてプラズマ処理をするにあたっては、上記の実施
の形態と同様に外側電極1及び内側電極3を冷媒によっ
て冷却しながら行うことができる。まず、ガス導入管7
0を通じて反応管2の内部にプラズマ生成用ガスを導入
する(矢印)と共に、外側電極1と内側電極3に高周
波などの交流を印加し、さらにこれと同時に外側電極1
及び内側電極3を冷媒によって冷却する。この後、外側
電極1と内側電極3の間に印加された交流電界により大
気圧下で反応管2の放電空間22でグロー放電を発生さ
せ、グロー放電で反応管2の内部に導入されたプラズマ
生成用ガスをプラズマ化し、このプラズマを吹き出し口
21からプラズマジェット65として吹き出して被処理
物7の表面に吹きつけることによって、プラズマ処理を
行うことができる。
【0046】内側電極3を冷媒によって冷却するにあた
っては、供給管部80から冷媒を電極本体管25の流路
部29に供給し(矢印)、冷媒を流路部29に充満さ
せるようにして行うことができる。また流路部29に充
満させた冷媒は内側電極3の温度上昇により温度が高く
なり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力が低下し
た冷媒は排出管部81を通じて流路部29から排出し
(矢印)、これと同時に供給管部80を通じて冷却能
力の高い冷媒を新たに流路部29に導入するようにす
る。流路部29から排出された冷却能力の低下した冷媒
は冷凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い
冷媒に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のよ
うに供給管部80を通じて流路部29に導入される。こ
のように冷媒を循環させることによって、内側電極3を
常に冷却して所望の温度に保つことができる。
【0047】外側電極1を冷媒によって冷却するにあた
っては、流入管34を通じて冷媒を流通路32に供給し
て(矢印)、冷媒を流通路32に充満させるようにし
て外側電極1の冷却を行うようにしている。また流通路
32に充満させた冷媒は外側電極1の温度上昇により温
度が高くなり冷却能力が低下してくるが、この冷却能力
が低下した冷媒は流出管35を通じて流通路32から排
出し(矢印)、これと同時に流入管34を通じて冷却
能力の高い冷媒を新たに流通路32に導入するようにす
る。流通路32から排出された冷却能力の低下した冷媒
は冷凍機に導入され、ここで冷却されて冷却能力の高い
冷媒に戻される。冷却能力が向上した冷媒は、上記のよ
うに流入管34を通じて流通路32に導入される。この
ように冷媒を循環させることによって、外側電極1を常
に冷却して所望の温度に保つことができる。尚、プラズ
マジェット65の温度が250℃以下になるように冷却
されるのが好ましく、温度を250℃以下に制御するた
めに、上記と同様の温度センサーと温度コントローラー
から構成される制御装置を用いるのが好ましい。
【0048】図8に本発明で用いるプラズマ処理装置A
の他例を示す。このプラズマ処理装置Aは図3のものに
おいて、反応管2の下端部を図8(b)(c)のように
形成したものであり、その他の構成は図3のものと同様
に形成されている。この反応管2の下端部には集束部2
0が形成されておらず、ほぼ真っ直ぐに形成されてい
る。また反応管2の下端面は平板状の閉塞部16で閉塞
されており、閉塞部16に複数個(図8のものでは四個
で略円形の閉塞部16の四等分線状に配置されてい
る。)の吹き出し口21が穿孔されている。また反応管
2の内部には電極本体管25と供給管26からなる内側
電極3が反応管2の中心部を上下に貫くように配設され
ているが、内側電極3の電極本体管25の下端は閉塞部
16の上面の略中央部に当接されている。そして図5に
示す外側電極1を図4と同様に反応管2の下部の外側に
挿着することによって、プラズマ処理装置Aが形成され
ている。この時、外側電極1の下端面と反応管2の下端
面はほぼ同じ高さに設定されており、従って、外側電極
1と内側電極3の間に形成される放電空間22の下端か
ら吹き出し口21までの距離はほぼ0になっている。従
って、活性の高い生きたプラズマ活性種を消滅させる前
に、吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き出
して被処理物7に吹き付けることができ、被処理物7の
プラズマ処理を高めることができる。
【0049】このように形成されるプラズマ処理装置A
を用いてプラズマ処理をするにあたっては、図4の実施
の形態と同様に、ガス導入管70を通じて反応管2の内
部にプラズマ生成用ガスを導入すると共に、外側電極1
と内側電極3に高周波などの交流を印加し、さらにこれ
と同時に外側電極1と内側電極3を冷媒によって冷却
し、この後、外側電極1と内側電極3の間に印加された
交流電界により大気圧下で反応管2の放電空間22でグ
ロー放電を発生させ、グロー放電で反応管2の内部に導
入されたプラズマ生成用ガスをプラズマ化し、このプラ
ズマを図8(a)に示すように各吹き出し口21から同
時にプラズマジェット65として吹き出して被処理物7
の表面に吹きつけることによって、複数のプラズマジェ
ット65でプラズマ処理を行うことができる。外側電極
1と内側電極3の冷却は図3のものと同様にして行われ
る。
【0050】このプラズマ処理装置Aでは、プラズマジ
ェット65が吹き出される吹き出し口21を複数個設け
たので、被処理物7の複数箇所を同時に局所的に処理す
ることができるものである。
【0051】図9に本発明で用いるプラズマ処理装置A
の他例を示す。このプラズマ処理装置Aの反応管2は、
上記と同様の絶縁性材料で断面略四角形の矩形型筒状に
形成されるものであって、その上面は断面略半円状の曲
面部17として形成されていると共に反応管2の下面は
平板状の底面部18として形成されている。底面部18
には反応管2の長手方向に並ぶ複数個の吹き出し口21
が二列に穿設されている。また曲面部17には上側に突
出する複数本のガス導入管70が接続されている。さら
に反応管2の各側壁部19の外面には外側電極1が全長
に亘って設けられている。
【0052】外側電極1は矩形板状に形成されるもので
ある。つまり、外壁30の内側に内壁31を形成すると
共に外壁30と内壁31の間に上下が閉塞された流通路
32を形成し、外壁30の外面の上部に流通路32と連
通する流入管34を設けると共に外壁30の外面の下部
に流通路32と連通する流出管35を設けるようにして
形成されている。また内壁31の内周面はサンドブラス
ト処理等の加工で粗面化されており、その粗度は10〜
1000μmに設定されている。そして内壁31の内周
面を反応管2の外周に接触させるようにして外側電極1
を反応管2の外側に挿着されている。
【0053】反応管2の内部には外側電極1と対峙する
ように内側電極3が配設されており、外側電極1の内面
と内側電極3の外面の間において反応管2の内部には放
電空間22が形成されているが、外側電極1の下端は反
応管2の底面部18の下面とほぼ同じ高さに形成されて
おり、且つ内側電極3の下端は反応管2の底面部18の
上面に当接されているので、放電空間22の下端と吹き
出し口21の間の距離はほぼ0に形成されている。従っ
て、活性の高い生きたプラズマ活性種を消滅させる前
に、吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き出
して被処理物7に吹き付けることができ、被処理物7の
プラズマ処理を高めることができる。
【0054】内側電極3は反応管2の形状に対応して反
応管2の長手方向と同方向に長い矩形状に形成される中
空の電極本体管25と、電極本体管25に突設される供
給管部80及び排出管部81とから構成されており、電
極本体管25の内部は供給管部80及び排出管部81と
連通する流路部29として形成されている。内側電極3
の長手方向の端部は反応管2の長手方向の端面から外側
に突出されており、内側電極3の一方の端部には冷媒が
供給される供給管部80が突設されていると共に内側電
極3の他方の端部には冷媒が排出される排出管部81が
突設されている。この内側電極3は外側電極1と同様の
金属材料で形成されることが好ましく、また電極本体管
25の外面は外側電極1と同様に粗面化されているのが
好ましい。
【0055】さらに内側電極3の短手方向の長さは、1
〜20mmに設定するのが好ましい。内側電極3の短手
方向の長さが1mm未満であれば、放電空間22の面す
る内側電極3の表面積が小さくなり過ぎて放電が起こり
にくくなり、プラズマを充分に生成することができなく
なる恐れがあり、内側電極3の短手方向の長さが20m
mを超えると、相対的に反応管2や外側電極1を大きく
しなければならず、装置が大型化する恐れがある。また
反応管2の内部で内側電極3の上方には整流板101が
設けられており、ガス導入管70を通じて反応管2の内
部に供給されたプラズマ生成用ガスの流れを整流板10
1で整えて放電空間22に供給することができるように
形成されている。その他の構成は上記実施の形態と同様
に形成されている。
【0056】このように形成されるプラズマ処理装置A
を用いてプラズマ処理をするにあたっては、上記の図7
に示す実施の形態と同様に外側電極1及び内側電極3を
冷媒によって冷却しながら行うことができる。まず、ガ
ス導入管70を通じて反応管2の内部にプラズマ生成用
ガスを導入する(矢印)と共に、外側電極1と内側電
極3の間に高周波などの交流電圧を印加し、さらにこれ
と同時に外側電極1及び内側電極3を冷媒によって冷却
する。この後、外側電極1と内側電極3の間に印加され
た交流電界により大気圧下で反応管2の放電空間22で
グロー放電を発生させ、グロー放電で反応管2の内部に
導入されたプラズマ生成用ガスをプラズマ化し、このプ
ラズマを図10に示すように、各吹き出し口21からプ
ラズマジェット65として同時に吹き出して被処理物7
の表面に吹きつけることによって、プラズマ処理を行う
ことができる。
【0057】このプラズマ処理装置Aでは、プラズマジ
ェット65が吹き出される吹き出し口21を複数個設け
たので、被処理物7を水平面で移動させるようなテーブ
ルを用いることなく、図10に示すように、プラズマ処
理装置Aの下側に被処理物7をベルトコンベアなどの搬
送装置23で搬送して通過させることによって、被処理
物7の広範囲の複数箇所を同時に局所的に処理すること
ができ、装置を簡素化することができるものである。従
って、電子部品のような部品に金属や樹脂がハイブリッ
ドで複合された被処理物7においても、アーク(ストリ
ーマー放電)が生じることなく個別にプラズマ処理する
ことができるものである。
【0058】図1に上記の図4のプラズマ処理装置Aを
用いたプラズマ処理システムの概要を示すが、プラズマ
処理装置Aとしては上記何れのものを用いても良い。7
1はボンベであって、プラズマ生成用ガスが種類毎に分
けて複数本のボンベ71に貯蔵されている。この実施の
形態では三本のボンベ71を用いており、そのうち一本
はヘリウムガスを、他の一本はアルゴンガスを、さらに
他の一本はO2やH2やCF4などの反応性を有するガス
(プラズマ活性種)をそれぞれ貯蔵している。各ボンベ
71は接続管72を介して一つのミキサー103にそれ
ぞれ接続されている。各接続管72には一次バルブ7
3、一次圧力計74、二次バルブ75、二次圧力計7
6、供給量制御器77が設けられている。一次バルブ7
3は制御装置48を構成する後述のコンピュータなどの
コンピュータ14により開閉が制御可能に形成されてお
り、プラズマ処理装置Aで異常な温度が感知された場合
にコンピュータ14からの指示により閉まって接続管7
2の導通を遮断するものである。供給量制御器77はミ
キサー103に供給されるプラズマ生成用ガスの量を調
整するものである。ミキサー103は各ボンベ71から
供給される複数種のプラズマ生成用ガスを混合するもの
である。上記のミキサー103はガス配管78を介して
反応管2のガス導入管70に接続されている。ガス配管
78の途中には逆火防止弁79が設けられており、プラ
ズマ処理装置Aで火災が起きた場合に、ガス配管78を
通じて火がミキサー103に到達しないようにこの逆火
防止弁79で火を遮断するのである。
【0059】82は冷媒を冷却する冷凍機であって、送
出管83と返送管84を介してタンク85に接続されて
いる。タンク85には導出管86の一端が接続されてお
り、導出管86の途中には循環手段4であるポンプ87
が設けられている。導出管86の他端には分岐器88が
設けられており、分岐器88には供給管接続管89と流
入管接続管90が接続されている。供給管接続管89は
プラズマ処理装置Aの内側電極3の供給管26に、また
流入管接続管90はプラズマ処理装置Aの外側電極1の
流入管34にそれぞれ接続されている。尚、このシステ
ムのプラズマ処理装置Aは図3の同様のものであるが、
外側電極1の流入管34と流出管35の上下の位置関係
は逆に形成されている。
【0060】91は流出管接続管であって、その一端が
プラズマ処理装置Aの外側電極1の流出管35に、他端
は混合器92にそれぞれ接続されている。93は排出管
部接続管であって、その一端は内側電極3の電極本体管
25の排出管部27に、他端は上記の混合器92にそれ
ぞれ接続されている。混合器92は導入管100により
上記のタンク85に接続されており、導入管100の途
中には冷媒の導入管100に流れる冷媒の温度を測定す
る熱電対温度計94が設けられている。この熱電対温度
計94はプラズマ処理装置Aの制御装置48を構成する
ものである。
【0061】15は高周波発生器等で形成される電源で
あり、給電線95を介してプラズマ処理装置Aの外側電
極1に電気的に接続されており、また給電線95の途中
には自動同調カップラー96が設けられている。自動同
調カップラー96は回路のインピーダンスの整合を自動
的に図るものである。97は制御装置48を構成する赤
外線温度計であり、プラズマ処理装置Aの外側電極1の
温度と被処理物7の処理部分の温度を測定するものであ
る。14はマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサ
ー、CPU、パーソナルコンピュータなどのコンピュー
タであって、プラズマ処理装置Aの制御装置48を構成
するものである。またコンピュータ14は上記の熱電対
温度計94と赤外線放射温度計97と入力線98で電気
的に接続されており、熱電対温度計94と赤外線放射温
度計97での温度測定結果が入力線98を介して入力さ
れるようになっている。またコンピュータ14は予めプ
ログラミングされた手順に従って、被処理物7を搬送す
るベルトコンベア等の搬送装置23の搬送動作、プラズ
マ処理装置Aの下側に配設されるXYテーブル99の駆
動動作、一次バルブ73の開閉動作、ポンプ87による
冷媒の流量調整動作、電源15における高周波発生量調
整動作や周波数調整動作、プラズマ処理の時間などを自
動的に制御するものである。尚、外側電極1及び自動同
調カップラー96からの回路と外側電極1が接続される
部分は、腐食するとインピーダンスの不整合が生じるの
で、耐腐食性の材料、例えば金メッキ等を施すのが好ま
しい。
【0062】図11、12に図1のプラズマ処理システ
ムの具体例を示す。箱状に形成されるシステム本体11
0内の下部には、電源15、冷凍機82、ポンプ87、
タンク85、一次バルブ73、ミキサー103が収納さ
れている。またシステム本体110内の上部には自動同
調カップラ96が収納されている。111はシステム本
体110の上面に取り付けられた排気ファンである。そ
してシステム本体110内の中部に搬送装置23が設け
られており、また搬送装置23の上方にプラズマ処理装
置Aが配置されている。尚、コンピュータ14及びボン
ベ71はシステム本体110の外部に配置されている。
【0063】搬送装置23は、XYテーブル99と導入
レール112と導出レール113とで構成されている。
導入レール112はシステム本体110の内部からシス
テム本体110の一方の側面に設けた入口114を介し
てシステム本体110の外部へと突出して設けられてい
る。図13に示すように導入レール112は一対のレー
ル材115を水平面で略平行に並べて形成されており、
一対のレール材115の間の略中央部において、導入レ
ール112の内側端部の下側と外側端部の下側にはロー
ル116がそれぞれ設けられている。このロール116
には導入ベルト117が掛架されており、導入ベルト1
17は導入モータ118の駆動により一方向に進行駆動
されるように形成されている。導入ベルト117は導入
レール112一対のレール材115の間において、シス
テム本体110の内部に向かう方向に進行するものであ
る。また導出レール113はシステム本体110の内部
からシステム本体110の他方の側面に設けた出口12
0を介してシステム本体110の外部へと突出して設け
られている。上記入口114と出口120は互いに対向
する位置に形成されている。図13に示すように導出レ
ール113は一対のレール材115を水平面で略平行に
並べて形成されており、一対のレール材115の間の略
中央部において、導出レール113の内側端部の下側と
外側端部の下側にはロール116がそれぞれ設けられて
いる。このロール116には導出ベルト121が掛架さ
れており、導出ベルト121は導出モータ122の駆動
により一方向に進行駆動されるように形成されている。
導出ベルト121は導出レール113の一対のレール材
115の間において、システム本体110の外部に向か
う方向に進行するものである。
【0064】XYテーブル99は、下レール123と上
レール124と移動台125とで構成されている。下レ
ール123は導入レール112及び導出レール113と
略平行方向(入口114と出口120を結ぶ方向と略平
行方向)に長く形成されており、導入レール112及び
導出レール113の奥側に配置されている。下レール1
23の上には走行台126が下レール123の長手方向
に走行自在に取り付けられており、走行台126の上に
上レール124が設けられている。上レール124は導
入レール112及び導出レール113と略直交方向(入
口114と出口120を結ぶ方向と略直交方向)に長く
形成されており、導入レール112と導出レール113
の間からプラズマ処理装置Aの下側に至る長さに形成さ
れている。そして上レール124の上に移動台125が
上レール124の長手方向に沿って走行自在に取り付け
られている。
【0065】移動台125は上レール124の上を走行
する走行部127と、走行部127の上に突設される脚
部128と、脚部128の上に設けられた平板状のセッ
ト台129とで構成されており、セット台129の上面
は導入レール112及び導出レール113の上面とほぼ
同じ高さに配置されている。そしてセット台129が導
入レール112及び導出レール113の間に位置する状
態とプラズマ処理装置Aの下側に位置する状態との間で
移動するように、移動台125が上レール124の上を
走行して移動するのである。そしてXYテーブル99に
は上記下レール123と上レール124と移動台125
を走行させるために、モーターなどの駆動装置が内蔵さ
れている。
【0066】プラズマ処理装置Aはシステム本体110
の内部に立設された支持台130の先端に取り付けられ
ており、導入レール112及び導出レール113の奥側
で、下レール123及び上レール124のほぼ真上に配
置されている。図14、15に示すように、支持台13
0の先端には挟持具131が設けられており、挟持具1
31で反応管2の略中央部が挟持されている。またプラ
ズマ処理装置Aは上下面が開口するシールドケース13
2で覆われており、シールドケース132の下面の開口
からは反応管2の集束部20が、シールドケース132
の上面の開口からは供給管26の供給部28がそれぞれ
突出されている。またシールドケース132の側面には
外側電極1の流入管34と流出管35が突出されてい
る。尚、プラズマ処理装置Aは図4のものとほぼ同等に
形成されている。
【0067】このプラズマ処理システムには、流入防止
手段5を設けて形成されている。流入防止手段5は放電
空間22における放電及びプラズマ生成用ガスの供給を
停止してプラズマ処理を行っていない時に、有機物や湿
気などの微量の不純物を含有する反応管2の外部の空気
が、吹き出し口21から反応管2へ流入するのを防止す
るものである。流入防止手段5は蓋体6とこれを上下駆
動させるシリンダーなどの駆動装置33で構成されてお
り、駆動装置33のロッド46の上端に蓋体6が設けら
れている。そして蓋体6が吹き出し口21と対向するよ
うに反応管2の下側に配置されている。蓋体6の上面に
は反応管2の下端部の集束部20が挿入される収納凹部
41が凹設されている。収納凹部41はすり鉢状であっ
て断面略逆台形状に形成されており、収納凹部41の内
周面には溝部42が全周に亘って凹設されていると共
に、溝部42にはパッキン102が挿着されている。
【0068】上記のプラズマ処理装置Aでプラズマ処理
を行う場合は、駆動装置33のロッド46を下動させて
蓋体6を下動させることによって吹き出し口21を開放
させ、吹き出し口21からプラズマジェット65を吹き
出しようにする。またプラズマ処理を停止している場合
は、駆動装置33のロッド46を上動させて蓋体6を上
動させ、蓋体6の収納凹部41に反応管2の集束部20
を収納すると共にパッキン102を集束部20の外周面
に密着させ、吹き出し口21を蓋体6で閉塞するように
する。
【0069】プラズマ処理装置Aの停止時に、吹き出し
口21を開放したままにしておくと、反応管2の外部の
空気が吹き出し口21から反応管2内に侵入し、外部の
空気に含有されている有機物や湿気などの微量の不純物
が反応管2の内面や内側電極3の外面に付着することに
なるが、反応管2の内面や内側電極3の外面に付着した
不純物は、プラズマ処理装置Aの運転再開時(プラズマ
処理の再開時)に放電により再脱着して、プラズマのラ
ジカルの生成に悪影響(反応に寄与するラジカルを死活
させる)を与えることがあり、このためにプラズマの生
成が遅くなったりして通常のプラズマ生成量で運転を再
開するまでに時間がかかることがあった。そこでこの実
施の形態のプラズマ処理装置Aでは、プラズマ処理装置
Aの停止時に反応管2の吹き出し口21を閉塞する蓋体
6を設けることによって、プラズマ処理装置Aの停止時
に、外部の空気が吹き出し口21から反応管2へ流入す
るのを防止し、運転再開時にプラズマの生成を速く効率
よく行うことができるようにしたものである。
【0070】上記の流入防止手段5として蓋体6の代わ
りに、湿気や不純物が少ない(含有しない)乾燥空気を
用いることができる。つまりプラズマ処理装置Aの停止
時に吹き出し口21を開放した状態で、ガス導入管70
から反応管2の内部に乾燥空気を供給し続けると共に反
応管2の内部に供給した乾燥空気を吹き出し口21から
吹き出し続けるようにするのである。このように反応管
2に乾燥空気を供給し続けると共に供給した乾燥空気を
吹き出し口21から吹き出し続けるようにすることによ
って、吹き出し口21から外部の空気が反応管2の内部
に侵入するのを防止することができ、運転再開時にプラ
ズマの生成を速く効率よく行うことができるものであ
る。
【0071】また運転停止時に反応管2の内部に吸着し
た空気中の微量の不純物を除去することによっても、上
記の悪影響を緩和することができる。運転停止時に反応
管2の内部に吸着した空気中の微量の不純物を除去する
手段としては、例えば、反応管2を加熱するヒーターを
設けるのがよい。
【0072】上記のプラズマ処理システムで被処理物7
のプラズマ処理を行うにあたっては、次のようにする。
まずポンプ87で冷媒を冷凍機82とプラズマ処理装置
Aの間で循環させる。つまり、冷凍機82から送出管8
3を介して冷却された冷媒をタンク85に導入し、タン
ク85から導出管86を介して分岐器88に冷媒を供給
し、分岐器88で冷媒を供給管接続管89と流入管接続
管90に分岐して導入し、供給管接続管89から冷媒を
プラズマ処理装置Aの供給管26に供給すると共に流入
管接続管90から流入管34に冷媒を供給する。供給管
26に供給された冷媒は内側電極3の流路部29を通っ
て排出管部27から排出され、排出管部接続管93を介
して混合器92に導入される。一方、流入管34に供給
された冷媒はプラズマ処理装置Aの外側電極1の流通路
32を通って流出管35から排出され、流出管接続管9
1を介して混合器92に導入される。この後、冷媒は混
合器92から導入管100を介してタンク85に導入さ
れ、返送管84を介して冷凍機82に返送される。
【0073】上記のように冷媒を循環させた後、プラズ
マ処理装置Aにプラズマ生成用ガスを導入する。つま
り、一次バルブ73と二次バルブ75を開いた状態にし
てボンベ71から接続管72を介してミキサー103に
各種のプラズマ生成用ガスを供給し、ミキサー103で
プラズマ生成用ガスを混合した後、ガス配管78を介し
てガス導入管70に混合したプラズマ生成用ガスを供給
し、ガス導入管70から反応管2の放電空間22にプラ
ズマ生成用ガスを導入するのである。
【0074】上記のようにプラズマ生成用ガスを放電空
間22に導入した後、電源15で発生させた高周波電圧
を外側電極1に印加し、放電空間22に高周波電界を印
加する。尚、内側電極3は接地されている。そして放電
空間22に高周波電界を印加することによって、放電空
間22に導入されたプラズマ生成用ガスがプラズマ化さ
れて反応管2の吹き出し口21からプラズマジェット6
5として吹き出すようにする。このようにして生成した
プラズマジェット65が一定の出力になると、搬送装置
23を駆動させ、前工程を終了した被処理物7をシステ
ム本体110に導入し、プラズマ処理装置Aでプラズマ
処理を被処理物7に施した後、次工程へと搬送する。
【0075】コンピュータ14には、プラズマ処理され
る被処理物7の被処理部分13の位置が予め入力されて
いる。このことを被処理物7が図18に示すようなIC
搭載回路基板である場合について説明する。8は回路基
板であって、その四隅には位置合わせマーカー40が設
けられている。また回路基板8の表面にはICなどの電
子部品43が搭載されるダイ部44が設けられており、
このダイ部44には複数個のボンディングパッド45が
ダイ部44の各辺に沿って並べて形成されている。また
回路基板8の表面には複数個のボンディングパッド9が
電子部品43を囲むように並べて形成されている。さら
に回路基板8の表面には一対のランド47が形成されて
おり、ランド47にはチップ抵抗などの電子部品43が
半田49にて接合されている。
【0076】このようなIC搭載回路基板であって、電
子部品43を囲むボンディングパッド9の表面処理をプ
ラズマ処理で行う場合は、図18に示すように、電子部
品43を囲むような線に沿って被処理部分13が形成さ
れるが、この被処理部分13の開始点aと終点b及び複
数の通過点c、d、eの位置が(X,Y)座標で表され
てコンピュータ14に入力されている。つまり、所定の
位置に位置合わせされたIC搭載回路基板の位置合わせ
マーカー40を基準としてIC搭載回路基板上にX軸と
Y軸からなる直角座標を想定し、開始点aの位置を(X
1,Y1)、終点bの位置を(X5,Y5)、通過点
c、d、eの位置をそれぞれ(X2,Y2)、(X3,
Y3)、(X4,Y4)として座標で表してコンピュー
タ14に入力している。また上記コンピュータ14には
被処理物7の被処理部分13の処理時間として、プラズ
マ処理装置Aからプラズマを吹き出す時間が予め入力さ
れている。
【0077】そして上記のプラズマ処理システムでIC
搭載回路基板である被処理物7の被処理部分13をプラ
ズマ処理するにあたっては、まず、前処理を終えた被処
理物7を導入レール112の外側端部の上に供給すると
共に導入ベルト117に被処理物7の下面を接触させ、
導入ベルト117の進行によって被処理物7を入口11
4からシステム本体110の内部に導入する。システム
本体110の内部に導入された被処理物7は、導入レー
ル112と導出レール113の間に位置する移動台12
5のセット台129の上面に導入レール112から供給
されて載置される。次に、移動台125を上レール12
4の上で走行させることによって、図19のように被処
理物7をプラズマ処理装置Aの下側に配置する。
【0078】次に、プラズマ処理装置Aの反応管2の吹
き出し口21からプラズマジェット65を吹き出させな
がら、プラズマジェット65の下方で被処理物7を水平
面でXYテーブル99の駆動にて移動させる。つまり、
下レール123の長手方向に沿って上レール124を移
動させると共に、下レール123の長手方向に沿って移
動台125を移動させることによって、移動台125の
セット台129に載置された被処理物7を水平面で移動
させることができる。そしてプラズマ処理装置Aから吹
き出されるプラズマジェット65が、開始点aから通過
点c、d、eをこの順で通過して終点bに到達するよう
に、コンピュータ14に予め入力された各点の座標に基
づいてXYテーブル99を水平面で移動させるように制
御することによって行われる。次に、処理時間が経過す
るとコンピュータ14からプラズマ処理装置Aに信号が
送られてプラズマジェット65の吹き出しが終点bの位
置で停止される。
【0079】この後、上レール124を下レール123
の上で走行させると共に移動台125を上レール124
の上で走行させることによって、移動台125を導入レ
ール112と導出レール113の間に位置させる。次
に、導出ベルト121の進行によって被処理物7を導出
レール113の上を進行させ、出口120からシステム
本体110の外部に導入し、次工程に搬送する。このよ
うにして複数枚のIC搭載回路基板を順次送りながら連
続的にプラズマ処理を行うことができ、しかもコンピュ
ータ14に予めプログラミングされた手順に従って所望
の箇所を自動的にプラズマ処理することができる。
【0080】上記のようなプラズマ処理システムを用い
ることによって、プラズマ処理が電子部品43の周囲の
ボンディングパッド9にのみ限定されて施されることに
なり、プラズマ処理の不要な他の部分、例えば、電子部
品43、48や半田49や樹脂の部分にプラズマ処理の
影響が少なくなってダメージを小さくすることができ
る。特に、樹脂や半田などの耐熱性に乏しい部分を有す
る被処理物7には有効である。さらに250℃以下のプ
ラズマジェット65では、ICチップなどの電子部品4
3、48のチャージアップダメージがほとんど生じない
ようにすることができる。また上記のプラズマ処理シス
テムは、開始点aと終点b及び複数の通過点c、d、e
の座標の値を代えることによって、例えば、電子部品4
3の搭載前におけるダイ部44のボンディングパッド4
5の表面処理やランド47の表面処理などに簡単に処理
内容を変更することができる。
【0081】また本発明により、フラックスを用いない
で半田接合を行うこともできる。本来、フラックスは半
田の表面に生じた酸化物層が接合に悪影響を及ぼすた
め、これを除去する役割をするものであるが、フラック
スが基板に残存するために、洗浄を施す必要がある。こ
れに対して本発明において、水素及びフッ素含有ガスを
混合したプラズマにより該酸化物層を除去することによ
り、全くフラックスを用いないで半田接合を行うことが
できる。
【0082】上記のようにプラズマ処理を行っている
間、冷媒の温度が熱電対温度計94で常に測定されてい
ると共に外側電極1及び被処理物7の温度が赤外線温度
計97で測定されており、これら測定結果はコンピュー
タ14に入力されている。そして冷媒や外側電極1の温
度が高すぎれば、ポンプ87による冷媒の流量や冷凍機
82による冷媒の冷却能力を上げるようにコンピュータ
14で制御し、また冷媒の温度が低すぎれば、ポンプ8
7による冷媒の流量や冷凍機82による冷媒の冷却能力
を下げるようにコンピュータ14で制御する。また冷媒
や外側電極1や被処理物7の温度が異常に高くなれば、
一次バルブ73を閉めて反応管2へのプラズマ生成用ガ
スの供給を遮断したり、また電源15での高周波の発生
を遮断したり、搬送装置23での被処理物7の搬送を停
止したりするようにコンピュータ14で制御する。
【0083】尚、上記の実施の形態では、水平面で移動
するXYテーブル99を用いたが、これの代わりに、水
平面及び垂直方向に移動するXYZテーブルを用いるよ
うにしても良く、このことで反応管2の吹き出し口21
と被処理物7の距離もプラズマ処理中に制御手段48の
コンピュータ14で制御して調節することができる。
【0084】図20に上記のプラズマ処理装置Aを用い
た他のプラズマ処理システムを示す。10は支持アーム
であって、前支持片36と後支持片37とで構成されて
いる。前支持片36の先端にはプラズマ処理装置Aを把
持するための把持部38が設けられており、プラズマ処
理装置Aは把持部38に把持させて設けられている。ま
た前支持片36は後支持片37に出没自在に取り付けら
れており、このことで支持アーム10は伸縮自在に形成
されている。また後支持片37は支柱39に上下動自在
及び支柱39の周方向に回転自在に取り付けられてお
り、このことで支持アーム10は支柱39に対して上下
動可能及び回転動可能に形成されている。
【0085】11は設置台であって、被処理物7を載せ
て搬送することができるベルトコンベアなどの搬送機で
形成されている。またこの設置台11としては水平移動
可能なテーブルなどで形成することもできる。12はカ
メラ等で形成される検知器であって、制御装置48を構
成するものであり、設置台11の上方に配設されてお
り、被処理物7の位置合わせマーカー40を認識して被
処理物7の水平位置を検出するものである。14は前述
したコンピュータであって、制御装置48を構成するも
のであり、上記支持アーム10、支柱39、検知器1
2、設置台11に電気的に接続されている。そしてコン
ピュータ14及び支持アーム10とで、反応管2を二次
元あるいは三次元に移動させる手段、つまり反応管2を
水平面と垂直方向に移動させる手段が構成されている。
【0086】上記コンピュータ14には、図18に示す
被処理物7の被処理部分13の位置が上記と同様に予め
入力されている。このように形成されるプラズマ処理シ
ステムでIC搭載回路基板の被処理部分13をプラズマ
処理するにあたっては、まず、設置台11で搬送されて
いるIC搭載回路基板の位置合わせマーカー40が検知
器12に検知されると、その検知信号がコンピュータ1
4に送られ、コンピュータ14がこの検知信号に基づい
て設置台11に停止信号を送って設置台11を停止さ
せ、IC搭載回路基板をプラズマ処理装置Aの下方の所
定の位置にセットする。
【0087】次に、コンピュータ14からの信号でプラ
ズマ処理装置Aを作動させると共にプラズマジェット6
5を吹き出させながらプラズマ処理装置Aを被処理部分
13の上方で移動させる。プラズマ処理装置Aは、開始
点aから通過点c、d、eをこの順で通過して終点bに
到達するように移動するが、この移動はコンピュータ1
4が予め入力された各点の座標に基づいて支持アーム1
0を伸縮させたり支持アーム10を支柱39に対して回
転させたりして支持アーム10や支柱39を制御するこ
とによって行われる。また支持アーム10を支柱39に
対して上下動させても良い。次に、処理時間が経過する
とコンピュータ14からプラズマ処理装置Aに信号が送
られてプラズマジェット65の吹き出しが終点bの位置
で停止される。このようにして複数枚のIC搭載回路基
板を設置台11で順次送りながら連続的にプラズマ処理
を行うことができる。
【0088】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、外側電極を備え絶縁性材料にて形成した筒状の
反応管、及び反応管の内部に配置される内側電極を具備
し、外側電極と内側電極の少なくとも一方に冷却手段を
設けて構成され、反応管に不活性ガスまたは不活性ガス
と反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極と内側
電極の間に交流電界を印加することにより大気圧下で反
応管の内部にグロー放電を発生させ、反応管からプラズ
マジェットを吹き出すプラズマ処理装置と、プラズマジ
ェットが吹き出される位置に被処理物を搬送する搬送装
置とを備えるので、冷却手段で外側電極あるいは内側電
極を冷却手段で冷却することによって、大気圧下で周波
数及び出力の高い交流でプラズマを生成しても、外側電
極あるいは内側電極の温度上昇を抑えることができ、プ
ラズマの温度が高くならないようにすることができて被
処理物の熱的損傷を少なくすることができるものであ
り、また均質なグロー放電を生成してストリーマー放電
の生成を抑えることができ、被処理物のストリーマー放
電による損傷を少なくすることができるものであり、し
かもプラズマジェットを局所的に吹き出すことによっ
て、被処理物の特定の部分にのみプラズマ処理を行いや
すくなるものである。さらにプラズマジェットが吹き出
される位置に被処理物を搬送することによって、連続的
に被処理物をプラズマ処理することができ、処理時間を
短くすることができるものである。
【0089】また本発明の請求項2に記載の発明は、プ
ラズマジェットが吹き出される位置において被処理物が
保持されるXYテーブルまたはXYZテーブルを搬送装
置に設け、被処理物の被処理部分にプラズマジェットが
吹き出されるようにXYテーブルまたはXYZテーブル
を移動させる制御装置を具備するので、制御装置の制御
でXYテーブルまたはXYZテーブルを移動させること
によって、被処理物の所望の箇所に自動的にプラズマ処
理を施すことができ、プラズマ処理の効率を高めること
ができるものである。
【0090】また本発明の請求項3に記載の発明は、反
応管を二次元あるいは三次元に移動させる手段を設ける
ので、反応管を二次元あるいは三次元に移動させてプラ
ズマ処理を行うことによって、被処理物の所望の箇所に
プラズマ処理を施すことができ、プラズマ処理の効率を
高めることができるものである。
【0091】また本発明の請求項4に記載の発明は、外
側電極を備え絶縁性材料にて形成した筒状の反応管の内
部に内側電極を配置し、外側電極と内側電極の少なくと
も一方に冷却手段を設け、反応管に不活性ガスまたは不
活性ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電
極と内側電極の間に交流電界を印加することにより大気
圧下で反応管の内部にグロー放電を発生させ、反応管か
らプラズマジェットを吹き出すと共に、プラズマジェッ
トが吹き出される位置に被処理物を搬送するので、冷却
手段で外側電極あるいは内側電極を冷却手段で冷却する
ことによって、大気圧下で周波数及び出力の高い交流で
プラズマを生成しても、外側電極あるいは内側電極の温
度上昇を抑えることができ、プラズマの温度が高くなら
ないようにすることができて被処理物の熱的損傷を少な
くすることができるものであり、また均質なグロー放電
を生成してストリーマー放電の生成を抑えることがで
き、被処理物のストリーマー放電による損傷を少なくす
ることができるものであり、しかもプラズマジェットを
局所的に吹き出すことによって、被処理物の特定の部分
にのみプラズマ処理を行いやすくなるものである。さら
にプラズマジェットが吹き出される位置に被処理物を搬
送することによって、連続的に被処理物をプラズマ処理
することができ、処理時間を短くすることができるもの
である。
【0092】また本発明の請求項5に記載の発明は、プ
ラズマジェットが吹き出される位置において搬送装置に
設けたXYテーブルまたはXYZテーブルに被処理物を
保持し、被処理物の被処理部分にプラズマジェットが吹
き出されるようにXYテーブルまたはXYZテーブルを
移動させるので、制御装置の制御でXYテーブルまたは
XYZテーブルを移動させることによって、被処理物の
所望の箇所に自動的にプラズマ処理を施すことができ、
プラズマ処理の効率を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図2】同上のプラズマ処理装置Aの一例を示す断面図
である。
【図3】同上の一部を拡大した断面図である。
【図4】同上の他のプラズマ処理装置を示す断面図であ
る。
【図5】同上の外側電極の一例を示す斜視図である。
【図6】同上のさらに他のプラズマ処理装置を示す断面
図である。
【図7】同上のさらに他のプラズマ処理装置を示し、
(a)は側面図、(b)は断面図である。
【図8】同上のさらに他のプラズマ処理装置を示し、
(a)は断面図、(b)は一部の断面図、(c)は底面
図である。
【図9】同上のさらに他のプラズマ処理装置を示し、
(a)は一部が破断した側面図、(b)は断面図であ
る。
【図10】同上の使用状態を示す断面図である。
【図11】同上のプラズマ処理システムの一例を示す概
略の断面図である。
【図12】同上の断面図である。
【図13】同上の断面図である。
【図14】同上のプラズマ処理装置の一例を示す断面図
である。
【図15】同上の断面図である。
【図16】同上の流入防止手段を示す断面図である。
【図17】同上の流入防止手段を示す拡大した断面図で
ある。
【図18】同上の被処理物を示す平面図である。
【図19】同上のプラズマ処理の方法を示す概略の平面
図である。
【図20】同上の他のプラズマ処理システムを示す概略
図である。
【図21】比較例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外側電極 2 反応管 3 内側電極 7 被処理物 13 被処理部分 23 搬送装置 48 制御装置 65 プラズマジェット 99 XYテーブル A プラズマ処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05H 1/52 H05H 1/52 (72)発明者 岡崎 幸子 東京都杉並区高井戸東2−20−11 (72)発明者 小駒 益弘 埼玉県和光市下新倉843−15 (56)参考文献 特開 平9−232293(JP,A) 特開 平4−368800(JP,A) 特開 平7−24579(JP,A) 特開 平3−241739(JP,A) 特開 平5−82478(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/509 C23F 4/00 H01L 21/304 645 H05H 1/24 H05H 1/52

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側電極を備え絶縁性材料にて形成し
    筒状の反応管、及び反応管の内部に配置される内側電極
    を具備し、外側電極と内側電極の少なくとも一方に冷却
    手段を設けて構成され、反応管に不活性ガスまたは不活
    性ガスと反応ガスの混合気体を導入すると共に外側電極
    と内側電極の間に交流電界を印加することにより大気圧
    下で反応管の内部にグロー放電を発生させ、反応管から
    プラズマジェットを吹き出すプラズマ処理装置と、プラ
    ズマジェットが吹き出される位置に被処理物を搬送する
    搬送装置とを備えて成ることを特徴とするプラズマ処理
    システム。
  2. 【請求項2】 プラズマジェットが吹き出される位置に
    おいて被処理物が保持されるXYテーブルまたはXYZ
    テーブルを搬送装置に設け、被処理物の被処理部分にプ
    ラズマジェットが吹き出されるようにXYテーブルまた
    はXYZテーブルを移動させる制御装置を具備して成る
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理システ
    ム。
  3. 【請求項3】 反応管を二次元あるいは三次元に移動さ
    せる手段を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のプラズマ処理システム。
  4. 【請求項4】 外側電極を備え絶縁性材料にて形成し
    筒状の反応管の内部に内側電極を配置し、外側電極と内
    側電極の少なくとも一方に冷却手段を設け、反応管に不
    活性ガスまたは不活性ガスと反応ガスの混合気体を導入
    すると共に外側電極と内側電極の間に交流電界を印加す
    ることにより大気圧下で反応管の内部にグロー放電を発
    生させ、反応管からプラズマジェットを吹き出すと共
    に、プラズマジェットが吹き出される位置に被処理物を
    搬送することを特徴とするプラズマ処理方法。
  5. 【請求項5】 プラズマジェットが吹き出される位置に
    おいて搬送装置に設けたXYテーブルまたはXYZテー
    ブルに被処理物を保持し、被処理物の被処理部分にプラ
    ズマジェットが吹き出されるようにXYテーブルまたは
    XYZテーブルを移動させることを特徴とする請求項4
    に記載のプラズマ処理方法。
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