JP3180044U - カム軸のトルク補償装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃エンジンのカム軸に生ずるバルブ開閉に伴うトルク変動を、磁力を利用して吸収するカム軸のトルク補償装置を提供する。
【解決手段】カム6及び従動スプロケット7を有するカム軸5に一体に回転部材1が固定され、エンジンボディに固定された固定部材9が上記回転部材に対向配置される。回転部材1及び固定部材9にそれぞれ磁石2,3が配置され、カム軸5のカムによるトルク変動を上記磁石の反撥力又は吸引力により吸収する。
【選択図】図2

Description

本考案は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃エンジンのカム軸に作用するトルク変動を補償するトルク補償装置に関する。
一般に、内燃エンジンは、クランク軸の回転をタイミングチェーン又はタイミングベルトによりカム軸に伝達し、カム軸に設けられているカムにより吸気バルブ及び排気バルブを開閉作動して、シリンダ内に混合ガスを供給し、またシリンダ内から廃ガスを排出している。上記カム軸は、吸気又は排気バルブをスプリングに抗して作動するため、1回転中(1サイクル)に大きなトルク変動を生じる。
上記タイミングチェーンは、その寿命が内燃エンジンの寿命及びオーバーホール時期の原因となることも多く、高い疲労強度、高い耐摩耗性及び静音性が求められており、エンジンの直噴化等、摩耗環境はさらに厳しくなることが予測される。また、燃費の向上及び排出ガスの削減の観点から低フリクション化も求められている。
上記タイミングチェーンとして、ローラチェーン及びサイレントチェーンが用いられ、チェーンメーカは、その材料、形状等のチェーン自体の改良並びにテンショナを含めたシステムを改良して、その耐久性の向上及び低フリクション化に努力しているが、上記カム軸のトルク変動を減少して、タイミングチェーンに作用する張力負荷を減少し、タイミングチェーン、ひいては内燃エンジンの寿命向上を図ることも考えられる。
従来、カム軸のトルク補償装置として下記特許文献1に記載したものが提案されている。カム軸には、カムがスプリングに抗して又は順じてバルブを作動する際にトルクパルス(トルク変動)を発生するが、上記トルク補償装置は、カム軸に、上記カムによるトルクパルスと逆位相の別のカムを設け、該カムがスプリングに抗して又は順じて回転するトルクパルスにより、上記実際にバルブを作動するカムのトルク変動を打消すものである。
特開平4−272551号公報
上記カム軸のトルク補償装置は、バルブを作動するカムとは別のカムにスプリングで付勢されているカムフォロアを押付けるので、その分フリクションが増加すると共に、該トルク補償用カムに連動するカムフォロアの加速度運動により、求めていないトルクが発生してしまう。このため、上記トルク補償装置は、比較的高速で回転する内燃エンジンのカム軸のトルク変動を吸収するには、上記フリクションの増加によりエネルギーロスを発生し、また慣性による余分なトルクが発生し、カム軸のトルク補償装置として十分な性能を発揮することができない。
そこで、本考案は、磁力を利用してカム軸のトルク変動を吸収することにより、上述した課題を解決したカム軸のトルク補償装置を提供することを目的とするものである。
本考案は、内燃エンジンのカム軸(5)に連動して回転する回転部材(1)と、
該回転部材に近接して配置された固定部材(9)と、
前記回転部材及び固定部材に、前記カム軸のカム(6)がバルブを開閉作動することにより生ずるトルク変動を打消すように配置された磁石(2)(3)と、を備えてなる、
カム軸のトルク補償装置にある。
なお、上記磁石は、永久磁石及び電磁石を含み、更に他の磁石により磁力を生ずる磁性体をも含む。
前記カム軸(5)に従動スプロケット(7)を設け、該従動スプロケットに、クランク軸の回転がタイミングチェーンを介して伝達されてなり、
前記回転部材(1)が前記従動スプロケット(7)に一体に設けられてなる。
前記磁石(2,3)が、永久磁石である。
前記磁石(2,3)が、電磁石である。
例えば図5を参照すると、前記回転部材(1)及び固定部材(9)の一方が、一体の2個の部材であり、
前記回転部材及び固定部材の他方が、前記2個の部材の間に配置された真中部材であり、
前記2個の部材の前記真中部材に対面する側面に前記磁石を配置し、
前記真中部材の前記2個の部材に対面する両面に前記磁石を配置してなる。
なお、上記2個の部材は、軸方向に間隔を在して配置された円板状の部材でも、径方向に間隔を在して配置されたドラム状部材でもよく、真中部材は、上記2個の円板状部材の間に配置される円板状部材でも、上記2個のドラム状部材の間に配置されるドラム状部材でもよい。
例えば図7を参照すると、前記回転部材又は固定部材に配置された磁石が、各1個についてN極とS極を対面する側にて隣接して配置され、該磁石と対面する前記固定部材又は回転部材の磁石との間で閉じた磁気回路を形成してなる。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより実用新案登録請求の範囲に記載の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本考案によると、カム軸に作用するバルブ開閉に伴うトルク変動を、磁力によりトルク補償して上記トルク変動を小さくすることができ、カム軸へ伝達する最大トルクを減少してカム軸への動力伝達装置の負荷を小さくすることができる。
また、該トルク補償装置は、磁力によるため、互いに接触することがなく、フリクションによるエネルギーロスがなく、かつ経年変化が発生せず、また従来のカム及びバネによるトルク補償装置のように往復運動機構が存在しないため、カム軸の回転速度による補償装置の発生トルクへの影響が少なく、エンジンのカム軸のトルク補償装置として有効に機能する。
請求項2に係る本考案によると、カム軸に動力伝達するタイミングチェーンの張力負荷を減少するので、タイミングチェーンの疲労強度に対して有利になり、かつ摩耗伸びを減少して、タイミングチェーン自体の耐久性を向上すると共に、テンショナ及びバイブレーションダンパーを含めてタイミングチェーンシステムの耐久性を向上して、エンジンオーバーホールまでの寿命限界を長期化することができる。
また、タイミングチェーンの屈曲によるフリクション、ガイド及びテンショナ等とフリクションを減少し、かつタイミングチェーン自体及びスプロケットのサイズダウン及び伝達効率の高いサイレントチェーンの採用を可能とし、伝達に伴うエネルギーロスを減少して、エンジンの燃費向上及び静粛性の向上にも寄与することができる。
請求項3に係る本考案によると、永久磁石の吸引力又は反撥力を利用するので、構造が簡単で安価にかつコンパクトに構成できる。
請求項4に係る本考案によると、電磁石を用いて、例えばベクトル制御等により発生トルクの大きさ及びタイミングを調整して、カム軸のトルク変動を高い精度で吸収することが可能となる。
請求項5に係る本考案によると、2個の一体的な部材と、その間に位置する真中部材とで回転部材及び固定部材を構成するので、補償トルクを発生する磁石のスラスト力を打消して、該スラスト力による軸受等でのフリクションの発生を防止することができる。
請求項6に係る本考案によると、対面する磁石との間で閉じた磁気回路を形成するので、磁気の漏洩が小さく、高い効率にて磁石によるトルク補償を行うことができる。
本考案に係るトルク補償装置の基本を示す図で、(a)は回転部材を回転した状態を示す正面図、(b)はその1サイクルのトルク変動を示す図。 (a)は、本考案によるカム軸のトルク補償装置の概略を示す斜視図、(b)はそのトルクを示す図。 (a)は試験装置での発生トルクを示す図、(b)は、内燃エンジンにトルク補償装置を適用した状態を示す図。 (a)〜(e)は、トルク補償装置の磁石の異なる組合せを示す側面図。 (a)〜(f)は、3個の円板による異なる磁石の組合せを示す側面図。 円板に4個の磁石を配置した実施の形態を示す図。 磁石の配置の異なる実施の形態を示す側面図。 電磁石を用いた実施の形態を示す正面図。 遠心力を利用した実施の形態を示す正面図。
以下、図面に沿って本考案の実施の形態について説明する。まず、図1に沿って、磁石によるカム軸の補償装置の原理について説明する。カム軸に固定されている回転部材(回転盤、ロータ)1の周方向1箇所に永久磁石2を固定すると共に、該回転部材1に対向する固定部材(ステータ)に1個の永久磁石3を固定する。上記両永久磁石は、同じ極が対面するように配置され、互に反撥するように構成されている。
そして、カム軸と共に回転部材1が回転し、回転側永久磁石2が固定側永久磁石3に近づくと、両磁石が互に反撥して、回転部材1にトルクを負荷し、該反撥による負荷(逆)トルクは、回転側永久磁石2が固定側永久磁石3に近づくに従って徐々に大きくなり、かつ両磁石の重なり量が1/2となる部分で最大となり、該重なり量が増えるに従って徐々に小さくなる。両磁石が対向する(完全に重なる)位置にあっては、上記反撥力によるトルクは0になり、該対向する位置を越えて回転部材1が回転すると、上記両磁石2,3の反撥力は、回転部材1の回転を助勢する方向のトルクを生じる。該助勢(順)トルクは、両磁石の重なり量が小さくなるに従って徐々に増加し、重なり量が1/2部分で最大となり、それから回転側磁石2が固定側磁石3から離れるに従って徐々に減少する。
即ち、回転側磁石2が固定側磁石3に対して近づき、対向し、そして離れることにより、図1(b)に示すように、カム軸の1サイクルに近似サインカーブからなるトルクが負荷されそして助勢される。カム軸には、バルブをスプリングに抗して作動するための、同様に近似サインカーブからなるトルクが作用して、上記磁石によるトルクが、実際のカム作動によるトルクを打消すタイミングになるように設定される。上記原理を説明した図1のものは、1個の回転側永久磁石と1個の固定側永久磁石を用いて、DOHC(ダブル、オーバーヘッドカム)による1気筒エンジンに適用することを想定したものであるが、直列4気筒エンジンに適用する場合、カム軸の回転部材(ロータ)に4個の永久磁石が等角度(90度)間隔で配置され、かつ固定側永久磁石も4個等角度間隔で配置される。また、SOHC(シングル、オーバーヘッドカム)の場合は、1本のカム軸に吸気バルブ用カム及び排気バルブ用カムが形成されており、上記両磁石が上記両カムの作動を打消すように配置することによりSOHC方式のカム軸にも適用可能である。
図2は、本カム軸のトルク補償装置を、1気筒エンジンのDOHC方式に適用した実施の形態の概略を示す図である。カム軸5にはカム6が形成されていると共に、従動スプロケット7が一体に固定されている。該従動スプロケット7には、エンジンクランク軸からの回転が図示しないタイミングチェーンを介して1/2に減速されて伝達されている。前記従動スプロケット7の側面にはドラム状の回転部材1が固定されており、回転部材1は非磁性体からなり、該回転部材の内周面1箇所に永久磁石2が固着されている。一方、固定部材であるエンジンボディにはドラム状の固定部材9が一体に固定されており、該固定部材9は非磁性体からなり、該固定部材の外周面1箇所に永久磁石3が固着されている。
上記回転部材1と固定部材9とは同芯状にかつ側面視互に重なるように配置され、また回転側磁石2と固定側磁石3とは同じ極が対面するように配置されている。例えば、回転側磁石2が、その内周側がS極で外周側がN極であると、固定側磁石3はその外周側がS極で内周側がN極になる。図中10は、カムフォロアであり、カム6の周面に接触して追従し、かつスプリングに抗してバルブを開放位置に作動すると共に、スプリングに順じてバルブを閉塞位置に作動する。該カム6によるカム軸5のトルク変動を打消すように、上記両磁石2,3が配置されている。
従って、エンジン回転に伴うカム軸5の回転により、カム6が回転し、ロッカアーム、プッシュロッド等を含めたカムフォロア10によりバルブを開閉する。この際、カム軸5は、図2(b)に示すように、バルブスプリングにより変動トルクCを受けるが、上記磁石2,3による補償トルクDが上記変動トルクCと逆向きに作用し、カム軸5の入力トルクEは、変動の小さな平準化された値となる。これにより、タイミングチェーンを介してのカム軸5の入力トルクE、特にその最大値は小さくなり、タイミングチェーンの耐久性を向上する。また、タイミングチェーンのダウンサイジングやテンショナやバイブレーションダンパー等の抑え装置によるチェーン張力を低下して、それによる損失を減少し、エンジン燃費の向上にも寄与し得る。更に、タイミングチェーンに、ローラチェーンに比して伝達効率の高いサイレントチェーンの採用を可能として、燃費及びチェーンの耐久性の向上も図ることが可能となる。更に、上記トルク補償装置は、離間して配置される回転側磁石及び固定側磁石を用いるので、フリクションは生じず、フリクションロスを発生することはない。
回転部材1及び固定部材9を、外径が60[mm]の円板とし、その外周に等角度(90度)で4個のネオジム磁石を配置した試験装置により試験した。上記磁石は、15×10×t5[mm]のものを、固定側及び回転側にそれぞれ4個ずつ、合計8個用い、異極同士が対面するようにかつ磁石のクリアランスが0.5[mm]になるように配置した。該試験装置による磁石は、先の説明とは相違して、吸引力を利用しており、その最大発生トルクは、1.8[N・m]であった。
該磁石によるトルク補償装置を、4気筒のディーゼルエンジン(SOHC方式の1000[cc])に搭載したことによるシミュレーションを図3に示す。上記試験装置で発生した補償トルクを図3(a)に示し、それを上記エンジンのカム軸に搭載した場合の各トルクを図3(b)に示す。なお、図3(a),(b)において、縦軸は、カム軸のトルクであり、横軸はクランク軸の回転角である。従って、カム軸の回転角は、横軸の1/2となる。
試験装置による補償トルクは、最大を1.8[N・m]とする近似サインカーブであり、該補償トルクの作用しない状態での上記エンジンの通常カムトルクCは、最大7.6[N・m]であって、近似サインカーブからなる。それに、上記補償トルクDを作用すると、それらが合成されたカム軸の入力トルクEは、最大5.8[N・m]となり、通常カムトルクCに比して24[%]減少する。
図4は、磁石の異なる態様を示す図であり、左右の一方が回転部材であり、他方が固定部材である。(a)は、異なる磁極が対面するように配置され、吸引力により補償トルクを発生する。(b)は、同極(例えばN極)同士が対面するように配置され、磁石の反撥により補償トルクを発生する。(c)は、一方を永久磁石(永久磁石を磁石と表記する)とし、他方を鉄等の磁性体とするものであり、磁石の数が少なくて足りる。(d)は、電磁石と磁石を用いるものであり、対面する極は、同極でも異極でもよい。(e)は、一方に電磁石を配置し、他方に磁性体を配置したものである。なお、図4では、回転側及び固定側に円板を用いて、両磁石(又は磁性体)が軸方向に対面しているが、例えば図2に示すように、ドラム状の回転部材及び固定部材を用いて、両磁石が径方向に対面するようにしてもよいことは勿論である。
図5は、3枚の円板を用いた実施の形態を示す図である。両外側の2個の円板が一体に固定され、真中の円板との間で相対回転するように連結されている。例えば、両外側の円板が回転側であれば、真中の円板が固定側であり、両外側の円板が固定側であれば、真中の円板が回転側である。(a)は、両外側円板に電磁石が用いられ、真中の円板の両面に電磁石が配置される。対面する極は同極でも異極でもよい。(b)は、両外側円板に電磁石(又は磁性体)が配置され、真中の円板の両面に磁性体(又は電磁石)が配置される。(c)は、両外側円板に磁石(又は電磁石)が配置され、真中の円板に電磁石(又は磁石)が配置される。(d)は、両外側円板に磁石(又は磁性体)が配置され、真中円板に磁性体(又は磁石)が配置される。(e)は、両外側円板にS極(又はN極)が配置され、真中円板の両面にN極(又はS極)が配置され、磁石の吸引力により補償トルクを発生する。(f)は、外側円板の一方にS極(又はN極)が配置され、他方にN極(S極)が配置され、真中円板の一方側面にS極(又はN極)が配置され、他方側面にN極(又はS極)が配置される。即ち、同極が対面する側に配置され、磁石の反撥力により補償トルクを発生する。
3枚の円板を用いることにより、磁力に発生するスラスト方向の荷重が打消されて、回転部材に作用することがなく、該スラスト力による軸受等に発生するフリクションをなくすことができる。なお、図5は、回転部材及び固定部材を円板として、軸方向に磁極が対面する実施の形態を示してあるが、回転部材及び固定部材をドラム状として、磁極が径方向で対面するようにしてもよいことは勿論である。例えば、カム軸に固定されるスプロケット(図2の符号7参照)にドラム状の回転部材を固定し、その外径側及び内径側にそれぞれエンジンボディに固定される外径側固定部材及び内径側固定部材を配置し、ドラム状回転部材の外周面及び内周面にそれぞれ磁石(又は電磁石、磁性体)を配置し、外径側固定部材の内周面及び内径側固定部材の外周面にそれぞれ磁石(又は電磁石、磁性体)を配置してもよい。また、固定側を1個のドラム状部材として、その内径側及び外径側に回転側のドラム状部材を配置してもよい。
図6は、1個の回転部材1の円周上に4個の磁石2を90度毎に配置した実施の形態を示す。これにより、1回転で4周期のトルク変動が得られる。大きな補償トルク変動(最大トルク)を得たい場合、回転側及び固定側にそれぞれ4個の磁石を配置して、4個分の磁石の吸引力又は反撥力によるトルク変動が得られる。大きなトルクを必要としない場合、回転側及び固定側のどちらかの磁石を1個〜3個とすることにより、必要補償トルクに設定することができる。また、どちらの磁石を不均等(90度から外れる位置)に配置することにより、発生トルクカーブを調整することが可能である。
図7は、磁石の配置に係る実施の形態を示す。対面する磁石にN,S極を配置したものであり、一方の外側円板11に、外径側にS極(又はN極)、内径側にN極(又はS極)を配置し、それと対面する真中の円板12の外径側にN極(又はS極)、内径側にS極(又はN極)を配置する。他方の外側円板13の外径側にN極(又はS極)、内径側にS極(又はN極)を配置し、それと対面する真中円板12の外径側にS極(又はN極)、内径側にN極(又はS極)を配置する。これにより、両外側円板11,13と真中円板12とは、それぞれ外径側及び内径側で対面する異極により吸引力を発生して補償トルクを発生し、かつそれぞれの円板11,12,13の1個の磁石が内径側及び外径側で異極となって、対面する磁石との間で閉じた磁気回路を形成し、磁気の漏洩が小さい。なお、磁石(永久磁石)で説明したが、電磁石でも同様であることは勿論であり、またドラム状の部材でも同様に適用される。
図8は、電磁石を用いたトルク補償装置の概略を示す図である。本トルク補償装置は、エンジンボディに固定されるドラム状の固定部材9とカム軸5に固定される回転部材1を有する。固定部材9には等間隔(120度)毎に鉄心3aが設けられており、これら鉄心にコイル3bが巻回されて電磁石3が構成されている。回転部材1は、長方形状の多数の積層板1aからなり、これら積層板の先端部分には永久磁石2が埋込まれている。従って、電磁石3を用いた本トルク補償装置は、ブラシレスDCモータと同様な構成からなる。また、回転部材に近接して、磁気センサー等からなる回転センサーが設けられており(図示せず)、回転部材1の回転位置が高い精度で検出される。
そして、上記3個の電磁石3のコイル3bはそれぞれコントローラに接続されており、これら3個の極がそれぞれ1回転分の1/3ずつ時間遅れをもたせた交流を流すことにより、180度間隔で固定された永久磁石2,2にプラス方向及びマイナス方向のトルクを付与する。コントローラは、回転部材1の回転位置の検出に基づき、適正なタイミングで各極に流れる電流を例えばベクトル制御により調整し、回転部材1に所望のタイミング及び大きさのプラス方向及びマイナス方向のトルクを付与する。これにより、カム軸5のトルク変動を吸収し、かつカム軸の回転速度の相違に基づくバルブ慣性によるトルク変動をも適正に吸収することが可能となる。
図9は、カム軸の回転速度に応じて磁力を調整するトルク補償装置を示す。エンジンボディに固定されるドラム状の固定部材9とカム軸5に固定される円筒状の回転部材1とを有する。固定部材9の内周面には所定数、例えば1個の永久磁石3が固定されている。回転部材1には半径方向に孔15が形成されており、該孔には永久磁石2が径方向に移動自在に嵌合されており、該磁石は、カム軸5との間に張設されたスプリング16により内径方向に付勢されている。上記孔15には所定径方向長さの溝15aが形成されており、該溝に前記磁石3に固定されたピン17が嵌合し、磁石3の移動範囲が規制されている。
以上構成に基づき、本トルク補償装置は、エンジン停止時、カム軸5の回転も停止し、回転側磁石2はスプリング16に引張られて、固定側磁石3から離れた位置に位置決めされる。エンジンが回転し、カム軸5が回転すると、一体に回転側磁石2も回転し、該磁石2に遠心力が作用する。回転側磁石2は、該遠心力と上記スプリング16の張力とが釣合った位置に設定される。カム軸5の回転が低速の場合、遠心力は小さく、スプリング張力により回転側磁石2は、固定側磁石3から比較的に離れた位置になる。カム軸5の回転が高速の場合、回転側磁石2に作用する遠心力は大きく、回転側磁石2は、固定側磁石3に近づいた位置になる。
これにより、カム軸5の回転が低速の場合は、磁石による補償トルクは比較的小さいが、カム軸5の回転が高速となって、比較的大きなバルブ慣性力も作用する場合、それに対応して補償トルクも大きくなり、適正にカム軸の変動トルクを吸収することが可能となる。なお、上記永久磁石2,3は、同極が対面しても異極が対面するように配置してもよく、また一方の永久磁石に代えて磁性体を配置してもよい。
なお、上記説明では、カム軸に回転部材を一体に固定してあるが、可変バルブ機構(VVT)を有するものにも適用可能であり、この場合、カム軸と従動スプロケットとの間に可変バルブ機構が介在し、カム軸と従動スプロケットとの角度が可変となる。また、クランク軸からカム軸への動力伝達は、タイミングチェーンに限らず、タイミングベルト又はギヤによるものにも同様に適用可能である。
1 回転部材
2 磁石
3 磁石
5 カム軸
6 カム
7 従動スプロケット
9 固定部材

Claims (6)

  1. 内燃エンジンのカム軸に連動して回転する回転部材と、
    該回転部材に近接して配置された固定部材と、
    前記回転部材及び固定部材に、前記カム軸のカムがバルブを開閉作動することにより生ずるトルク変動を打消すように配置された磁石と、を備えた、
    ことを特徴とするカム軸のトルク補償装置。
  2. 前記カム軸に従動スプロケットを設け、該従動スプロケットにクランク軸の回転がタイミングチェーンを介して伝達されてなり、
    前記回転部材が前記従動スプロケットに一体に設けられてなる、
    請求項1記載のカム軸のトルク補償装置。
  3. 前記磁石が、永久磁石である、
    請求項1又は2記載のカム軸のトルク補償装置。
  4. 前記磁石が、電磁石である、
    請求項1又は2記載のカム軸のトルク補償装置。
  5. 前記回転部材及び固定部材の一方が、一体の2個の部材であり、
    前記回転部材及び固定部材の他方が、前記2個の部材の間に配置された真中部材であり、
    前記2個の部材の前記真中部材に対面する側面に前記磁石を配置し、
    前記真中部材の前記2個の部材に対面する両面に前記磁石を配置してなる、
    請求項1ないし4のいずれか記載のカム軸のトルク補償装置。
  6. 前記回転部材又は固定部材に配置された磁石が、各1個についてN極とS極を対面する側にて隣接して配置され、該磁石と対面する前記固定部材又は回転部材の磁石との間で閉じた磁気回路を形成してなる、
    請求項1ないし5のいずれか記載のカム軸のトルク補償装置。
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JP2019002447A (ja) * 2017-06-13 2019-01-10 株式会社豊田中央研究所 トルク変動抑制装置
JP2019124249A (ja) * 2018-01-12 2019-07-25 株式会社豊田中央研究所 位相調整機構及びそれを用いたトルク制御装置
US10598250B2 (en) 2017-02-13 2020-03-24 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Torque control mechanism, damper device phase adjustment mechanism, and torque control mechanism and torque variation suppressing apparatus using the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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