JP3178196B2 - 嫌酸化物の検査方法と検査装置 - Google Patents

嫌酸化物の検査方法と検査装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器に充填した食品,
医薬品,化粧品、化学品等の嫌酸化物中に混入した金属
異物の検査を行なう嫌酸化物の検査方法と検査装置に関
する。詳しくは、内容品の保存性向上,変質防止等の目
的で容器内の残存酸素を吸収するために、鉄の微粒子を
主成分とする酸素吸収剤入り小袋を同封した容器内、あ
るいは鉄の微粒子を多量に含有させて酸素吸収機能を付
与した容器内の嫌酸化物中に、金属異物が混入している
か否かの検査を行なうとともに、酸素吸収剤入り小袋の
有無又は酸素吸収機能を付与した容器か否かの検査を同
時に行なう嫌酸化物の検査方法と検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、容器入りの食品にあって
は、食品中に混入した金属魂(異物)を検査するための
嫌酸化物の検査装置が用いられている。この検査装置
は、交番磁界を発生する一個の送信コイルと、この交番
磁界による磁力線が等量鎖交するように送信コイルに対
向して配置された二個の検出コイルとを有し、両コイル
間にベルトコンベアに搬送させた被検査体を通過させる
ことで、被検査体(容器入り食品)中の金属異物を検出
できるようにしている。
【0003】この食品検査装置の原理を図4乃至図6に
もとづいて説明する。これらの図で、送信コイルPには
発振器1から交番電流が供給され、コイルPから交番磁
界が発生している。二つの検出コイルSa,Sbは、鎖
交する磁束が等しくなるように送信コイルPに対向して
配置され、これらコイルSa,Sbの出力は互いに逆位
相となるように増幅器2(図6参照)に接続されてい
る。したがって、図4(A)に示すように、送信コイル
Pと検出コイルSa,Sbの間に被検査体が通過しない
場合、又は、被検査体が通過しても金属異物Wの混入し
ていない場合は、二つの検出コイルSa,Sbは電磁的
に平衡状態にあり、増幅器2の出力端には検出出力が現
れない。
【0004】この平衡状態にある検出コイルSa,Sb
に対して、金属異物Wが鉄魂のような磁性体であり、こ
の異物Wの混入した被検査体が、検出コイルSaから検
出コイルSb方向に通過した場合には、図4(B)に示
すように金属異物Wの位置に応じて二つの検出コイルS
a,Sbを通る磁束に変化が生じる。この場合、検出コ
イルSa側に磁性体の金属異物Wが位置しているので、
磁束は検出コイルSa側に引き込まれ、このコイルSa
側に大きな起電力が生じて、増幅器2(図6参照)の出
力端に検出信号が現れる。
【0005】一方、金属異物Wがステンレス魂のような
非磁性体の導体金属であると、図4(C)に示すよう
に、金属異物W内に生じた渦電流により逆向きの磁束が
発生し、等価的に磁束が金属異物Wの位置していない検
出コイルSb側に押しやられる。このため、検出コイル
Sa,Sb間に生じる起電力が不平衡となり、増幅器2
(図6参照)の出力端に検出信号が現れる。
【0006】ここで、非磁性導体金属に生じる渦電流
は、磁束の時間的変化率に比例するので、送信コイルの
出す磁束に対して検出信号の位相が90度進むが、磁性
体による磁束の引き込みにはこのような作用がないの
で、金属異物Wが導体と磁性体との場合では両者の検出
信号に90度の位相差が生じるようになる。実際の鉄片
などの金属異物Wの検出信号では、その異物Wが磁性体
であると同時に導体でもあるため、純粋な磁性体として
の位相と導体としての位相を合成したベクトルを示すよ
うになる。
【0007】また、上述のように異物が磁性体の場合と
非磁性体では、検出信号に約90度の位相差を生じるの
で、この位相差による検出感度差をなくすため、それぞ
れの位相で信号を抽出する位相検波を行なう必要があ
る。その一般的な装置の概要を図6に示す。発振器1、
送信コイルP、検出コイルSa,Sb及び増幅器2から
なる検出部で検出された金属異物Wの検出信号は、第一
及び第二の検波器112,113にそれぞれ導かれる。
この第一の検波器112には、発振器1の出力信号を第
一の位相器110で磁性体成分に合わせた同期信号が供
給されており、第二の検波器113には、発振器1の出
力信号を第二の位相器111で導体成分に合わせた同期
信号が供給される。これにより、第一及び第二の検波器
112,113では、入力される同期信号にもとづいて
検出信号が検波され、磁性体成分及び導体成分の位相に
合わせた低周波信号をそれぞれ取り出すことができる。
これら第一及び第二の検波器112,113の検波出力
信号は、それぞれ適宜ノイズ圧縮除去フィルタなどを経
由したあとに、第一及び第二の判定器114,115で
設定されたレベルと比較され、異物混入の有無が判定さ
れる。
【0008】食品等の中に混入している金属異物の検査
に用いることのできる装置としては、例えば次のような
ものがある。特開昭60−78378号では、被検査体
中に水分や塩分が含まれている場合に、この被検査体の
材質に応じて、検波器に供給される発振器からの同期信
号の位相を自動的に切り替えて、マテリアル・エフェク
トの影響を軽減できるようにした金属検出装置が提案さ
れている。
【0009】また、特開昭64−65485号では、被
検査体の材質に応じて検出コイルに接続される同調回路
のコンデンサを切り換えて、検出コイルで得られる検出
信号の位相を変化させるようにした金属検出装置が提案
されており、さらに、コンデンサの切換え時に発生する
ノイズの影響を低減させるために検波器の後段に設けら
れるフィルタの特性を切り換えられるようにしている。
【0010】また、特開平3−279888号では、被
検査体を搬送するコンベアの振動にもとづく金属魂の誤
検出を防止するために、振動によって生じた検出出力信
号であると判定された場合に、検出信号の出力を停止で
きるようにした金属検査装置が提案されている。
【0011】また、特開平5−87942号では、被検
査体の品種の違いにかかわらず安定して金属魂を検出で
きるようにするため、品種に応じて送信コイルから出力
される磁界の強さを変えられるようにした金属検査装置
が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、容器入りの
食品,医薬品,化粧品,化学品等の嫌酸化物には、従来
から容器内の嫌酸化物の酸化を防ぎ品質の保存性向上,
変質防止等を図る目的で、鉄の微粒子を主成分とする酸
素吸収剤入り小袋が封入されている。そして、このよう
な酸素吸収剤入り小袋を封入された嫌酸化物において
は、酸素吸収剤入り小袋の有無の検査と金属異物の検査
は二台の金属検査装置を個別に用い、まず最初の金属検
査装置で金属異物の検査を行なった後、酸素吸収剤入り
小袋を封入し、その後、別の金属検査装置によって酸素
吸収剤の有無を検査していた。
【0013】また最近になって、酸素吸収剤の誤食防止
および酸素吸収機能の向上(プラスチック容器等の容器
壁を通過して容器内に入り込んでくる酸素の吸収)を目
的に、容器自体に鉄の微粒子を多量に含有させて酸素吸
収機能を付与した容器(例えば、特開平2−30885
2号)が開発されている。この酸素吸収機能を付与した
容器を用いた嫌酸化物の検査においては、容器が酸素吸
収機能を付与したものであるか否かの確認検査を行なう
とともに、嫌酸化物中に金属異物が含まれているか否か
の検査を行なう必要がある。
【0014】しかし、上述した従来の検査装置では、金
属異物と鉄微粒子の判別を行なえないため、金属異物と
鉄の微粒子である酸素吸収剤の有無を同時に検出するこ
とができなかった。また、金属異物混入の有無の検査
も、酸素吸収剤である鉄微粒子の影響で磁界が大きく乱
されることから行なうことができなかった。
【0015】本発明は、このような従来の技術が有する
課題を解決するために提案されたものであり、鉄微粒子
からなる酸素吸収剤としての小袋を容器内に封入した嫌
酸化物においては、酸素吸収剤の有無と金属異物混入の
有無を同時に検査し、また、酸素吸収機能を付与するた
め鉄微粒子を容器に含有させた容器を用いた嫌酸化物に
おいては、容器が酸素吸収剤を含有した容器であるか否
かの確認と金属異物混入の有無を同時に検査できるよう
にした嫌酸化物の検査方法と検査装置の提供を目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】まず、本発明の基本的な
考え方について説明する。酸素吸収剤である小袋入りの
鉄微粒子は、補助剤で相互に絶縁されているのでほぼ純
粋な磁性体としての性質を示し、導体としての性質はほ
とんど示さない。また、酸素吸収機能を付与した容器に
あっては、基体であるプラスチック材中に鉄微粒子が分
散独立して含有されているので、この場合にも酸素吸収
剤としての鉄微粒子は電気的に絶縁され、ほぼ純粋な磁
性体としての性質を示し、導体としての性質は示さな
い。これに対し、金属異物は、酸素吸収剤の粒子の大き
さに比べてはるかに大きな塊であるので磁性体であると
同時に交流磁界においては導体としての性質を示す。
【0017】図5は、酸素吸収剤として使用される磁性
体(鉄)微粒子試料と、食品等の嫌酸化物中に混入する
金属異物の試料としての鉄塊とステンレス塊を空芯の単
層ソレノイドコイル中に出し入れしたときのインダクタ
ンスの変化を測定した周波数に対するインダクタンス特
性を示している。渦電流の大きさは試料直径の四乗と周
波数の二乗に比例するので、導体では周波数の上昇にと
もなってインダクタンスが低下し、渦電流の無いもので
はインダクタンスの変化は無い。同図から、次のことを
読み取ることができる。 (1)鉄微粒子は、周波数とは無関係に一定した正のイ
ンダクタンスの変化を示しており、渦電流は無く導体の
性質を示さず、純粋な強磁性体とみなせることを示して
いる。 (2)ステンレスは、周波数の上昇にともなってインダ
クタンスも負方向に変化しているので、渦電流があり、
非磁性体の金属であることを示している。 (3)鉄塊は、低周波数で正のインダクタンス変化を示
しているが、周波数の上昇にともなって低下し、300
KHz以上では負のインダクタンスとなっている。これ
は低い周波数では強磁性体であるが、同時に導体として
の性質もあり、300KHz以上ではさらに導体の性質
が強く、磁性体とはみなせないことを示している。
【0018】本発明は、このような、酸素吸収剤として
の鉄微粒子が有する非導体(絶縁体)的性質かつ強磁性
体としての性質と、金属異物としての鉄塊あるいはステ
ンレス塊が有する導体かつ非磁性体的な性質を利用して
いる。すなわち、本発明の嫌酸化物の検査方法は、酸素
吸収剤を封入してある容器内、あるいは容器中に酸素吸
収剤を含有した容器内に充填してある嫌酸化物を検査す
る方法であって、交番磁界中に被検査体を通過させ、こ
のときの検出信号中に含まれている磁性体成分信号を抽
出し、この磁性体成分信号の大きさにもとづいて酸素吸
収剤の有無の検査、又は酸素吸収剤を含有する容器の確
認を行なうとともに、前記検出信号から磁性体成分信号
を除去して導体成分信号を抽出し、この導体成分信号の
大きさにもとづいて嫌酸化物中の金属異物の有無の検査
を行なう方法としてある。
【0019】具体的には、検出信号を飽和しない程度に
増幅したものを磁性体成分の位相で検波し、得られた低
周波信号から酸素吸収剤の存在を検査するとともに、低
周波信号を、発振器から分岐した元の交番電圧で振幅変
調し、変調された信号を磁性体成分の位相に合わせ、元
の検出信号から差引くことによって導体成分の信号だけ
を抽出し、これを導体成分の位相で検波することで金属
異物の有無の検査を行なう方法としてある。
【0020】これら信号の位相関係をベクトルで示すと
図3のようになる。図3(A)は、一般のプラスチック
容器に入った食品中の鉄の異物を検出した場合を示し、
磁性体成分Efeの導体成分Ecoが合成されたベクトルと
して検出信号Eoが得られる。図3(B)は、酸素吸収
剤小袋を封入した容器内又は酸素吸収機能を有する磁性
体微粒子を含有した容器内に、鉄異物を検出した場合を
示し、鉄異物の磁性体成分Efeに小袋又は容器の磁性体
成分Epaが加え合わせられた磁性体信号成分Efe+Epa
と、鉄異物の導体成分信号Ecoが合成されたベクトルと
して検出信号E1が得られる。図3(C)は、検出信号
E1から磁性体成分信号(Efe+Epa)を差し引いて、
導体成分信号Ecoを取り出している。
【0021】また、本発明の嫌酸化物の検査装置は、容
器内に酸素吸収剤を封入してある容器内、あるいは容器
中に酸素吸収剤を含有した容器内に充填してある嫌酸化
物を検査する装置であって、交番磁界発生手段と、被検
査体による磁束変化を検出する検出手段と、前記検出手
段の検出信号から磁性体信号成分を抽出する第一の検波
手段と、前記検出手段の検出信号から磁性体成分を除去
して導体信号成分を抽出する抽出手段と、前記導体信号
成分を検波する第二の検波手段とで構成され、前記第一
の検波手段と第二の検波手段の両方からの信号にもとづ
いて、磁性体微粒子と金属異物の有無の検査を同時に行
なうようにしてある。そして、具体的には、前記抽出手
段を、上記検出信号から磁性体成分信号を取り出す検波
手段と、この検波手段からの検波信号を交番磁界発生手
段の交番電圧と同周波数で変調する変調手段と、上記検
出信号からこの変調手段の出力信号を差し引く減算器と
で構成してある。
【0022】
【作用】本発明によれば、酸素吸収機能を付与するため
に、容器内に鉄微粒子からなる酸素吸収剤小袋を封入し
た嫌酸化物、あるいは、容器中に鉄微粒子を含有させた
容器内の嫌酸化物に、金属異物が混入しているか否かの
検査と、酸素吸収剤小袋の封入の有無あるいは酸素吸収
機能を付与した容器か否かの検査を同時に行なう。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面にもと
づいて詳細に説明する。図1のブロック図に、この本発
明による嫌酸化物の検査装置の一実施例を示し、図2に
各部の波形を示す。これらの図で、検出部は、従来と同
様に発振器1、送信コイルP、二つの検出コイルSa,
Sb及び前置増幅器2によって構成されており、前置増
幅器2は従来のものに比べて増幅度を数分の1から数十
分の1程度に低く設定してあり、酸素吸収剤の磁性によ
って検出信号が飽和しないようにしてある。なお、発振
器1、送信コイルPは、交番磁界発生手段を構成してい
る。また、検出コイルSa,Sbと前置増幅器2は、被
検査体による磁束変化を検出する検出手段を構成してい
る。
【0024】前置増幅器2の出力である検出信号(c)
は第一の検波器3に送られている。この検波器3には、
図2に示すような発振器1の出力信号(a)を位相器4
で磁性体成分に合わせた同期信号(b)(図2には図示
せず)が供給されており、この検波器3において増幅器
2の出力が検波されることで、磁性体成分に比例した低
周波の磁性体信号(d)が取り出される。この磁性体成
分信号(d)は第一判定部10に送られ、ここで、あら
かじめ設定されている所定のレベルと比較され磁性体成
分信号(d)が鉄微粒子によるものかの判定が行なわれ
る。これによって、容器内に酸素吸収剤が封入されてい
るか、あるいは、容器が酸素吸収機能を付与されたもの
か否かの検査が行なわれる。
【0025】一方、検波器3の出力である磁性体信号
(d)は変調器5に送られ、この変調器5において発振
器1の交番電圧(a)で変調される。この変調信号は、
第二の位相器6で磁性体成分に等しい位相に合わせら
れ、この出力信号である再生磁性体成分信号(e)が減
算器をなす差動増幅器7に送られる。この差動増幅器7
には、前置増幅器2の出力である検出信号(c)が供給
されており、この検出信号(c)から再生磁性体成分信
号(e)が差し引かれることにより、検出信号(c)中
の導体成分信号(f)を取り出すことができる。ここ
で、検波器3、位相器4、位相器6、変調器5、差動増
幅器7は、導体成分信号抽出手段を構成している。
【0026】この導体成分信号(f)は、発振器1の出
力信号(a)を位相器8で導体成分に合わせた同期信号
(g)が供給されている第二の検波器9に送られ、この
検波器9で同期検波されることで、低周波の導体信号
(h)となる。この検波器9の出力(h)は、適宜ノイ
ズフィルタに通されたあと、第二判定部11において、
あらかじめ設定されている所定のレベルと比較され、金
属異物の混入の有無が検査される。
【0027】ここで、出力信号(a)は、100HKz
以上、好ましくは300〜1000KHzの高周波を用
いる。また、同期信号(b)は、鉄微粒子からなる小袋
又は鉄微粒子を含有する容器と、容器内における金属異
物の合成信号である。ただし、金属異物の有無による外
見的な差は見られない。検出信号(c)における金属異
物の位相は、10KHz以下の周波数では鉄微粒子のそ
れとほとんど差がなく、10〜100KHzでは周波数
の増加にもとなって位相差が大きくなり、100KHz
以上では非磁性体のステンレスに近い位相となり、10
00KHz以上ではその差はほとんど無視でき、磁性体
とは見なせない。変調器で作り出された磁性体成分信号
(d)は、前記同期信号(b)と外見は同じであるが、
高周波の位相が磁性体成分のみである。導体成分信号
(f)は、金属異物が混入しているときの検出信号
(c)から再生磁性体成分信号(e)を差し引いた信号
の波形であり、位相は非磁性体の成分のみである。
【0028】この実施例によれば、小袋入りの酸素吸収
剤及び容器含有の酸素吸収剤の磁性体成分は100分の
1程度に圧縮され、判別動作を阻害することなく、また
異物の導体成分の減衰もなく、良好に金属異物の検出を
行なえた。
【0029】なお、本実施例では磁性体成分信号を第一
検波器3の出力(d)としたが、酸素吸収剤による検出
信号はきわめて大きいので、前置増幅器2の出力(c)
を直接整流して磁性体成分信号を求めても差し支えな
い。また、導体成分信号は、十分大きな増幅度を有し、
酸素吸収剤による信号で飽和しないだけのダイナミック
レンジを有する増幅器を前置増幅器として用い、この増
幅器の出力(c)を、鉄微粒子の位相に対して正確に9
0度ずれた位相の信号で検波しても抽出することができ
る。また、第一検波器3の出力である磁性体信号を直接
に変調器5に入力した例を示したが、両者の間に適宜フ
ィルター等を挿入し、ノイズの混入を防止することもで
きる。また、磁性体成分の圧縮除去を差動増幅器7によ
って行なっているが、位相器6の出力を磁性体成分と逆
位相とし、増幅器7を加算増幅器としても本実施例と等
価になる。さらに、検出部は送信コイルPと一対の検出
コイルSa,Sbを対向して配したが、検出コイルS
a,Sbを送信コイルPの両側に同軸状に配してもよ
い。またさらに、検出コイルSa,Sbの代わりにホー
ル素子からなる半導体センサを用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、容器内に酸素吸収剤の小袋が封入されたもの、ある
いは、酸素吸収機能を付与した容器内の金属異物の検出
を高感度で行なうことができる。また、上記金属異物の
混入検査と同時に、容器内の酸素吸収剤小袋の有無ある
いは酸素吸収機能を付与した容器か否かの検査を行なう
ことができる。さらに、本発明装置によれば、金属異物
の混入検査と同時に、容器内の酸素吸収剤小袋の有無あ
るいは酸素吸収機能を付与した容器か否かの検査を一台
の検査装置で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属検査装置の一実施例を示すブ
ロック図である。
【図2】図1の金属検査装置の各部の波形を示す波形図
である。
【図3】本発明の基本的な動作を説明するための磁性体
成分と導体成分のベクトル図である。
【図4】金属検査装置の基本的な動作原理を説明するた
めの図である。
【図5】周波数に対する異なる材質のインダクタンス特
性を示すグラフである。
【図6】従来の金属検査装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 発振器 2 前置増幅器 3 第一検波器 4,6,8 位相器 5 変調器 7 差動増幅器 9 第二検波器 10 第一判定部 11 第二判定部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素吸収剤を封入してある容器内、ある
    いは容器中に酸素吸収剤を含有した容器内に充填してあ
    る嫌酸化物を検査する方法であって、 交番磁界中に被検査体を通過させ、このときの検出信号
    中に含まれている磁性体成分信号を抽出し、この磁性体
    成分信号の大きさにもとづいて酸素吸収剤の有無の検
    査、又は酸素吸収剤を含有する容器の確認を行なうとと
    もに、前記検出信号から磁性体成分信号を除去して導体
    成分信号を抽出し、この導体成分信号の大きさにもとづ
    いて嫌酸化物中の金属異物の有無を検査することを特徴
    とした嫌酸化物の検査方法。
  2. 【請求項2】 検出信号を飽和しない程度に増幅したも
    のを磁性体成分の位相で検波し、得られた低周波信号か
    ら酸素吸収剤の存在を検査するとともに、低周波信号
    を、発振器から分岐した元の交番電圧で振幅変調し、変
    調された信号を磁性体成分の位相に合わせ、元の検出信
    号から差引くことによって導体成分の信号だけを抽出
    し、これを導体成分の位相で検波することで金属異物の
    有無の検査を行なう請求項1記載の嫌酸化物の検査方
    法。
  3. 【請求項3】 酸素吸収剤を封入してある容器内、ある
    いは容器中に酸素吸収剤を含有した容器内に充填してあ
    る嫌酸化物を検査する装置であって、 交番磁界発生手段と、被検査体による磁束変化を検出す
    る検出手段と、前記検出手段の検出信号から磁性体信号
    成分を抽出する第一の検波手段と、前記検出手段の検出
    信号から磁性体成分を除去して導体信号成分を抽出する
    抽出手段と、前記導体信号成分を検波する第二の検波手
    段とで構成され、 前記第一の検波手段と第二の検波手段からの信号にもと
    づいて、磁性体微粒子と金属異物の有無の検査を同時に
    行なうことを特徴とした嫌酸化物の検査装置。
  4. 【請求項4】 前記抽出手段を、上記検出信号から磁性
    体成分信号を取り出す検波手段と、この検波手段からの
    検波信号を交番磁界発生手段の交番電圧と同周波数で変
    調する変調手段と、上記検出信号からこの変調手段の出
    力信号を差し引く減算器とで構成してある請求項3記載
    の嫌酸化物の検査装置。
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