JP3176528B2 - 工作機械の制御方法および装置 - Google Patents

工作機械の制御方法および装置

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JP3176528B2
JP3176528B2 JP07783695A JP7783695A JP3176528B2 JP 3176528 B2 JP3176528 B2 JP 3176528B2 JP 07783695 A JP07783695 A JP 07783695A JP 7783695 A JP7783695 A JP 7783695A JP 3176528 B2 JP3176528 B2 JP 3176528B2
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敬三 内海
英樹 持田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主軸に装着した工具の
寸法を測定する機能を有した工作機械の制御方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に工作機械は主軸の回転によって主
として主軸の軸受部分が発熱し、主軸と主軸を回転自在
に支持する主軸装置のハウジングとの間に温度差を生じ
るので、主軸は主軸装置のハウジングに対して相対的に
伸長する。主軸の伸長を抑制するために、工作機械に
は、冷却された潤滑液を主軸の軸受部に供給する潤滑液
温度調節装置が設けられる。こうした潤滑液温度調節装
置の一例が、特開平4−63659号公報に開示されて
いる。
【0003】主軸の回転による主軸の伸長の一例を図1
2に示す。図12は、主軸の回転数と熱変形による主軸
の伸びδとの関係を表しており、横軸は時間τ、縦軸は
伸びδである。τ=0のときに主軸が10000rpm
で回転を開始すると、該主軸は軸受部の発熱により主軸
装置のハウジングに対して伸長し始める。そして主軸の
回転数と関連する一定の時間(τ1 )が経過すると、主
軸の回転による発熱と潤滑液による冷却とが均衡して、
主軸の伸長はδ=δ1 で概ね安定する。特に、精密加工
を行う工作機械では、上記主軸の伸長が安定するまでの
時間は加工を行うことができず、τ=τ1 が経過するま
で待機した後に加工が開始される。
【0004】例えば、主軸の回転数が10000rpm
から20000rpmに増加すると(τ=τ2 )、主軸
回転数の増加に応じて軸受部での発熱量が増加し、一定
の時間が経過した後に主軸の伸びがδ1 からδ2 に増加
して安定する(τ=τ3 )。同様に、主軸の回転数が2
0000rpmから30000rpmに増加すると(τ
=τ4 )、主軸回転数の増加に応じて軸受部での発熱量
が増加し、一定の時間が経過した後に主軸の伸びがδ2
からδ3 に増加して安定する(τ=τ5 )。反対に、主
軸の回転数が30000rpmから20000rpmに
低下すると(τ=τ6 )、主軸回転数の低下に応じて軸
受部での発熱量が低下し、一定の時間が経過した後に主
軸の伸びがδ3 からδ2 に減少して安定する(τ=
τ7 )。さらに、主軸の回転数が20000rpmから
10000rpmに低下すると(τ=τ8 )、主軸回転
数の低下に応じて軸受部での発熱量が低下し、一定の時
間が経過した後に主軸の伸びがδ2 からδ1 に減少して
安定する(τ=τ9 )。
【0005】潤滑液温度調節装置から主軸装置に供給さ
れる潤滑液の供給量を一定とすることにより、ある主軸
回転数における伸びδと、ある主軸回転数から他の主軸
回転数に変化したときの主軸の伸長が安定するまでの待
機時間は概ね一定の時間に納まり、この待機時間には再
現性がある。前記特開平4−63659号公報は、この
ような主軸潤滑液温度調節装置を有した主軸装置におい
て、主軸が所定時間を越えて停止した場合は、主軸装置
の過冷部を防止するため主軸が停止している期間に限っ
て主軸潤滑液温度調節装置を停止し、潤滑液の循環を中
止する技術を開示している。しかし本公報には主軸停止
に関連付けた主軸潤滑液供給制御についてのみ開示があ
るだけで、工具長測定との関係までは言及されていな
い。
【0006】また、工具マガジンに予め複数の工具を収
納し、工具マガジンとNC工作機械の主軸との間に工具
転送アームを介させず、工具マガジンとNC工作機械の
主軸との間の送り軸の相対移動により、主軸に装着され
た使用済みの工具を主軸から工具マガジンへ直接的に収
納して、その後、所望の工具を工具マガジンから主軸へ
直接的に装着するように工具交換を行う、所謂アームレ
ス方式の工具交換装置がある。更に、工具を工具ホルダ
に装着し、その工具ホルダごと工具交換するのではな
く、工具マガジンに複数個配設された工具ポットに予め
工具を単体で収納しておき、工具マガジンとNC工作機
械の主軸との間で工具単体のまま直接的に工具交換を行
う、所謂ホルダレス方式の工具交換装置がある。特に後
者の方式の工具交換装置は、成形金型のリブ溝等の複雑
な形状のワークの加工を比較的細身の工具を用いて行う
NC工作機械に適用されることが多い。こうしたアーム
レス方式およびホルダレス方式を適用した工具交換装置
の一例として、特願平6−338692号出願に記載さ
れた工具交換装置がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特願平6−33869
2号出願に開示されているような工具交換装置では、主
軸の回転を停止して工具交換した後に工具長測定が実行
される。これを図13を参照して上述した主軸の伸びδ
の関連で詳細に説明すると、主軸が回転を開始してから
主軸の伸びδが安定した後に加工が開始され(τ=
τP1)、工具交換指令がNC装置から発生されると、先
ず主軸が停止され工具交換動作が開始される(τ=
τP2)。従って、軸受部からの発熱が停止するので、潤
滑液による冷却作用により主軸は収縮する。次いで、潤
滑液温度調節装置が停止して主軸装置への潤滑液の供給
が停止される(τ=τP3)。冷却された潤滑液の供給が
停止されるので、潤滑液による冷却作用が低下して主軸
の収縮の変化が小さくなる。工具交換動作が完了すると
工具長が測定される(τ=τP4)。次いで、主軸が回転
を開始すると共に潤滑液の供給が再開され(τ=
τP5)、主軸が再び伸長し始める。主軸の伸長が安定す
ると加工が開始される(τ=τP6)。工具長の測定が実
行されるとき主軸は停止しているので、主軸は収縮し続
けている。従って、このようにして測定された工具長に
は主軸の収縮に基づく誤差が含まれている。特に、金型
の表面加工の途中で工具交換する場合には、工具交換を
行った加工表面の部分に段差が形成されることとなる。
【0008】上述した従来技術の問題点に鑑み本発明
は、工具長測定時に主軸の伸縮に基づく誤差を除去する
ことを目的としている。更に本発明は、金型の表面加工
の途中で工具交換し、工具長測定を行い、測定値に基づ
いて補正をして、続きの表面加工を行う際、加工表面の
つなぎ部分に段差が形成されないようにすることを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本願発
明は、使用工具を交換した後、主軸に装着した工具の工
具長を測定する機能を有した工作機械の制御方法におい
て、前記主軸を支承した主軸装置と潤滑油温度調節装置
との間で冷却した潤滑液を循環させ、前記主軸に装着し
た工具の工具長を測定するときの前記主軸の熱変形によ
る変位が当該工具による加工開始時における前記主軸の
熱変形による変位と概ね等しくなる前記潤滑液温度調節
装置の停止時間、前記主軸を回転し始めたとき前記主軸
の熱変形による変位が概ね安定するまでのウォーミング
アップ時間、およびその変位と主軸回転速度との関係を
記憶し、工具交換のため前記主軸が停止したとき前記潤
滑液温度調節装置を停止させて潤滑液の循環を停止し、
記憶した停止時間経過後に前記潤滑液温度調節装置を起
動して潤滑液の循環を開始し、前記主軸の熱変形による
変位が当該工具による加工開始時における前記主軸の熱
変形による変位と概ね等しくなったときに当該工具の工
具長を測定し、当該工具の工具長測定後に前記主軸を起
動し、記憶した当該工具の回転速度に対応したウォーミ
ングアップ時間経過後に加工開始指令を発し、当該工具
による加工を開始させるよう制御した工作機械の制御方
法を要旨とする。
【0010】請求項2に記載の本願発明は、使用工具を
交換した後、主軸に装着した工具の工具長を測定する機
能を有した工作機械の制御装置において、前記主軸を支
承した主軸装置との間で冷却した潤滑液を循環させる潤
滑液温度調節装置と、前記主軸に装着した工具の工具長
を測定するときの前記主軸の熱変形による変位が当該工
具による加工開始時における関主軸の熱変形による変位
と概ね等しくなる前記潤滑液温度調節装置の停止時間、
前記主軸を回転し始めたとき前記主軸の熱変形による変
位が概ね安定するまでのウォーミングアップ時間、およ
びその変位と主軸回転速度との関係を記憶する記憶手段
と、工具交換のため前記主軸が停止したとき前記潤滑液
温度調節装置を停止させて潤滑液の循環を停止し、前記
記憶した停止時間経過後に前記潤滑液温度調節装置を起
動して潤滑液の循環を開始し、前記主軸の熱変形による
変位が当該工具による加工開始時における前記主軸の熱
変形による変位と概ね等しくなったときに当該工具の工
具長を測定し、当該工具の工具長測定後に前記主軸を起
動し、前記記憶手段に記憶された当該工具の回転速度に
対応したウォーミングアップ時間経過後に加工開始指令
を発する機械制御装置とを具備した工作機械の制御装置
を要旨とする。
【0011】
【0012】
【作用】工具長測定は主軸の回転を停止させて工具交換
後に実行しなければならない。すなわち、工具長測定は
主軸が停止している間に実行される。主軸が停止すると
主軸は収縮するので工具長測定中に主軸の収縮による誤
差が含まれる。しかし、主軸の伸縮は主軸の温度により
変化するので、主軸を冷却する潤滑液の供給を制御する
ことにより主軸の伸縮を制御することができる。そこ
で、第1の発明では、工具長測定時の主軸の変位が、交
換された工具による加工開始時における変位と概ね等し
くなるように、潤滑液温度調節装置を制御するようにし
ている。第2の発明では、工具長測定時の主軸の変位
が、交換前の工具による加工時における変位と概ね等し
くなるように、潤滑液温度調節装置を制御し、主軸に装
着した当該工具による加工開始時における主軸の変位と
交換前の工具による加工時における主軸の変位との差分
を補正するようにしている。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好ましい
実施例を説明する。以下の実施例では、本発明を適用す
るNC工作機械は、所謂アームレス方式またはホルダレ
ス方式の工具交換装置を備えたNC工作機械であり、工
具ホルダを使用せずに回転切削工具が主軸先端に直接装
着されるように構成されている。アームレスまたはホル
ダレス方式の工具交換装置では、工作機械のX軸、Y
軸、Z軸の送り装置を駆動、制御して主軸先端を工具交
換位置に移動させ、主軸の動作により主軸先端に装着さ
れた工具を工具マガジンに返還し、次いで工具マガジン
に準備されている複数の工具から、当該加工プロセスに
適した工具を選択、装着して工具交換が実施される。
【0014】図1は本発明を適用するNC工作機械のブ
ロック図であり、このNC工作機械は、X軸、Y軸、Z
軸の送りモータKを制御するNC装置Jと、主軸Bを回
転自在に支持する主軸装置Aと、主軸を回転させる主軸
モータCと、主軸モータCの回転を制御する主軸モータ
制御手段Fと、前記主軸装置Aに潤滑液を供給すると共
に主軸から戻る潤滑液を受け、かつ、前記主軸装置へ供
給される潤滑液の温度を調節する潤滑液温度調節装置D
と、前記主軸Bの回転数との関連において前記潤滑液温
度調節装置Dを制御可能な潤滑液温度調節装置制御手段
Gと、前記主軸先端から工具T先端までの工具長を測定
する工具長測定手段E、Hとを具備している(Eはタッ
チセンサである)。主軸Bの先端に装着された工具T
は、前記NC装置JによりX軸、Y軸、Z軸の送りモー
タKを制御することにより、工具マガジン(図示せず)
に準備された複数の工具との間で工具交換される。工具
交換が終了すると、前記工具長測定手段E、Hにより前
記主軸B先端に装着された工具Tの工具長が測定され
る。前記潤滑液温度調節装置制御手段Gは、前記工具長
を測定する際の前記主軸の熱変形による変位が、当該工
具による加工開始時における変位と概ね等しくなるよう
に潤滑液温度調節装置Dを制御する。記憶装置Iには、
潤滑液温度調節装置の停止時間、主軸を回転し始めたと
き前記主軸の熱変形による変位が概ね安定するまでのウ
ォーミングアップ時間およびその変位と主軸回転数との
関係をテーブルにして予め記憶しておく。この主軸モー
タ制御部F、潤滑液温度調節装置制御G、工具長測定部
H、記憶装置Iを統括管理しNC装置Jとの間でデータ
の授受を行う機械制御装置Mがある。
【0015】好ましい実施例によるNC工作機械のハー
ドウェア構成図である図2を参照すると、NC工作機械
の主軸装置10は、先端に工具14が工具ホルダを介さ
ずに直接的に装着された主軸12を具備している。主軸
12は軸受10a、10bにより主軸装置10のハウジ
ングに回転自在に支持されており、ACサーボモータよ
り成る駆動モータ16が、主軸12を回転させる。な
お、本明細書では、主軸12の回転軸線をZ軸と定義
し、Z軸に垂直で互いに垂直に交差する2つの軸線方向
にX軸およびY軸を定義する。
【0016】主軸装置10には潤滑液温度調節装置(L
TR)18が備えられている。潤滑液温度調節装置18
は、管路18aを介して主軸装置10に潤滑液を供給
し、主軸装置10内の主軸12および軸受10a、10
bを潤滑、冷却する。軸受10a、10bの領域を通過
した潤滑液は、管路18bを介して潤滑液温度調節装置
18に戻る。潤滑液温度調節装置18は内部に冷却装置
(図示せず)を有しており、主軸12および軸受10
a、10bの領域を通過する際に加熱された潤滑液を所
定の温度に冷却することができる。こうして所定温度に
冷却された潤滑液が再び主軸装置10に供給される。
【0017】図2の工作機械はNC装置22と機械制御
装置24とを具備している。NC装置22はデジタルコ
ンピュータより成る周知の工作機械用の数値制御装置で
あり、双方向バス22fにより相互に接続されたCPU
(マイクロプロセッサ)22aと、ROM(リードオン
リメモリ)22bと、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)22cと、入力ポート22dと、出力ポート22e
とを具備する。NC装置22に種々の加工条件を入力す
るために、作業員が入力操作する入力ボード22gが入
力ポート22dに接続されている。出力ポート22eに
は、この工作機械の送り装置を駆動するACサーボモー
タ等より成るX軸モータ26a、Y軸モータ26b、Z
軸モータ26cが、モータドライバ28a、28b、2
8cを介して接続されている。更に、入出力ポート22
d、22eは、以下に説明する機械制御装置24の出力
ポート24eと入力ポート24dとに接続されている。
入力ボード22gは、テープリーダやカードリーダ等の
読取装置やCAD、CAM等のコンピュータシステム等
の入力装置と接続してもよい。
【0018】NC装置22は、ワークを所望形状に加工
するために、入力ボード22g等の入力装置から入力さ
れる加工データまたは加工条件に従ってX軸モータ26
a、Y軸モータ26b、Z軸モータ26cを駆動、制御
する。また、既述の通り、このNC工作機械はアームレ
スまたはホルダレス方式の工具交換装置を備えており、
加工条件に従い加工に適した工具を自動的に選択、交換
するように構成されている。NC装置22は、当該加工
プロセスに適した工具を自動的に選択、交換するために
X軸モータ26a、Y軸モータ26b、Z軸モータ26
cを駆動、制御する。つまり、NC装置22は自動工具
交換装置の制御部をも構成している。
【0019】機械制御装置24は、NC装置22と同様
にデジタルコンピュータより成り、双方向バス24fに
より相互に接続されたCPU24aと、ROM24b
と、RAM24cと、入力ポート24dと、出力ポート
24eとを具備する。機械制御装置24の出力ポート2
4eには、主軸装置10の主軸駆動モータ16(モータ
ドライバは省略されている)と、潤滑液温度調節装置1
8とが接続されており、機械制御装置24は、NC装置
22と相互に関連しながら主軸駆動モータ16および潤
滑液温度調節装置18とを制御する。更に、機械制御装
置24の入力ポート24dには、以下に説明するよう
に、主軸12に装着された工具14の工具長を測定する
ためのタッチセンサ20が接続されている。
【0020】次に、図3から図5に示すフローチャート
を参照して、加工プロセスを説明する。以下のフローチ
ャートでは当該工具を用いて行う加工プロセスがiで代
表されている。例えば、工作機械を起動させて第1番目
に選択された工具で実施される加工プロセスはi=1で
示され、第2番目に選択される工具で実施される加工プ
ロセスがi=2で示される。
【0021】先ず、ステップS10において、使用する
工具、主軸の回転数、X軸、Y軸、Z軸の各送り量と送
り速度等の加工データまたは加工条件がNC装置22に
入力されると共に、種々のパラメータの初期値設定が行
われる。これは、既述のように、入力ボード22g、読
取装置またはコンピュータシステムから行われる。ステ
ップS12で、当該加工プロセスで使用される工具に適
した回転数ni が、主軸モータ制御手段としての機械制
御装置24により読み取られNとされる。すなわち、回
転数ni に対応するデータがNC装置22から機械制御
装置24に送信されNとされる。
【0022】ステップS14で、回転数Nに対する主軸
12の熱変形による変位が安定するまでのウォーミング
アップ時間または待機時間であるt22N が読み取られT
2 とされる。同様に、ステップS16で、回転数Nに対
する潤滑液温度調節装置18の停止時間t1Nが読み取ら
れT1 とされる。ステップS18で、回転数Nに対応す
る主軸12の熱膨張による伸びδを演算するための係数
N 、bN が読み取られ各々A、Bとされる。上記のプ
ロセスは、回転数Nに対応するデータt21N 、t1N、a
N 、bN を機械制御装置24のROM24b内に記憶さ
せ、回転数Nをパラメータとして選択、呼び出して、R
AM24cに記憶させるようにして構成することができ
る。ステップS20において回転数Nに対応した主軸1
2の伸びδが演算される。この実施例では、伸びδは一
次式δ=A・N+Bにより演算される。係数aN 、bN
は実験により適宜に決定することができる。更に、主軸
12の伸びδは二次以上の多項式その他の関数にて演算
してもよい。
【0023】ステップS22においてフラグFTCに1
が立てられ、図6に示す工具交換サブルーチンが開始す
る。この実施例では、工具交換サブルーチンは加工プロ
セスメインルーチンと並列的に実行されている。FTC
=1となると、ステップS64の条件が達成されて、工
具交換サブルーチンが実質的に開始する。ステップS6
6において主軸モータ16が停止し、ステップS68で
潤滑液温度調節装置が停止する。すなわち、ステップS
22でNC装置22から機械制御装置24への工具交換
指令が送信され、ステップS66、S68において機械
制御装置24が主軸モータ16と潤滑液温度調節装置1
8を停止させる。i=1の場合、主軸モータ16と潤滑
液温度調節装置18は作動していないので、ステップS
66、S68をジャンプするようにプログラムしてもよ
い。ステップS70において工具交換が実行される。こ
れは、NC装置22においてX軸モータ26a、Y軸モ
ータ26b、Z軸モータ26cを適宜に駆動、制御して
実行される。工具交換が終了するとステップS72にお
いてフラグFTCを0として工具交換サブルーチンが完
了する。メインルーチンは、ステップS28においてフ
ラグFTCが0となるのを、つまり、工具交換が完了す
るのを待機している。
【0024】工具交換サブルーチンが実行されている
間、ステップS24においてTがT1とされ、ステップ
S26においてフラグFTに1が立てられ、図8に示す
タイムカウントサブルーチンが開始する。この実施例で
は、タイムカウントサブルーチンもまた同様に加工プロ
セスメインルーチンと並列的に実行されている。FT=
1となるとステップS90の条件が達成されて、タイム
カウントサブルーチンが実質的に開始する。ステップS
92においてtを0とする。ステップS94においてt
に1を加え、ステップS96においてtとTを比較して
t≧Tとなるまで、ステップS94を繰り返す。ステッ
プS96の条件が達成されると、ステップS98におい
てフラグFTを0としてタイムカウントサブルーチンが
終了する。メインルーチンは、ステップS32において
フラグFTが0となるまで待機している。ステップS2
6から開始するタイムカウントサブルーチンは、潤滑液
温度調節装置18を停止させておく時間をカウントする
ためのものである。ROM24bに入力されるt1Nの値
はtがt+1となるのに必要な時間を考慮して実際の停
止時間に対応する数値が入力される。また、i=1の場
合には潤滑液温度調節装置18が作動してないので、ス
テップS26をジャンプするようにプログラムしてもよ
い。
【0025】ステップS28において条件が達成される
と、つまり、工具交換が完了すると、ステップS30に
おいてフラグFTMに1が立てられ、図7に示す工具長
測定サブルーチンが開始する。工具長測定サブルーチン
もまた同様に加工プロセスメインルーチンと並列的に実
行されている。FMT=1となるとステップS74にお
いて条件が達成されて、工具長測定サブルーチンが実質
的に開始する。ステップS76において主軸12の先端
に装着された工具14の先端を工具長測定位置、すなわ
ち、タッチセンサ20の鉛直上方に移動させる。つい
で、ステップS78において主軸12を下動させる。こ
れは、NC装置22にてX軸モータ26a、Y軸モータ
26b、Z軸モータ26cを適宜に駆動、制御して実行
される。工具14の先端がタッチセンサ20の検知部に
接触すると、タッチ信号が機械制御装置24に送信され
る。このときのZ座標(Z1 )がNC装置22から機械
制御装置24に送信される。
【0026】本明細書において、工具長は主軸12の端
面から主軸の先端に装着された工具の先端までの長さL
と定義する。Lは、主軸12の先端に工具14を装着し
ない状態で、予め主軸12の端面をタッチセンサ20に
接触させて主軸端のZ座標(Z0 )を測定してL=Z0
−Z1 から求められる。既述の通り、この工作機械では
工具は工具ホルダを使用することなく直接的に主軸12
の先端に装着されているので、上記工具長は装着状態に
より一定せず実際に主軸に装着させるまで決定すること
ができない。そこで、NC装置22の加工プログラムに
は、当該加工プロセスで使用される工具の工具長は、仮
の工具長(L0 )として予め入力されており、工具14
が主軸12の先端に装着された時点でこれを測定して仮
の工具長(L0 )を補正するように構成されている。す
なわち、ステップS84において、LとL0 との差が工
具長補正値ΔLとして算出され、ΔLにて上記の加工プ
ログラム中の仮の工具長L0 が補正される。更に、ステ
ップS86において工具長補正値ΔLに主軸12の熱変
形による伸び量δを加えてZ軸方向の全補正量ΔZを算
出する。ステップS88においてフラグFTMに0を立
てて工具長測定サブルーチンが終了する。
【0027】ステップS32においてFT=0となる
と、すなわち、停止時間が経過すると、ステップS34
において潤滑液温度調節装置18が起動し、主軸装置1
0への潤滑液の供給が開始する。ステップS36におい
てFTM=0となると、すなわち、工具長の測定が完了
すると、ステップS38において主軸モータ16が起動
する。主軸モータ16が起動した後、ステップS40に
おいてTをT2 とし、ステップS42においてフラグF
Tに1が立てられ、タイムカウントサブルーチンが開始
される。T2 は主軸12の回転が回転するときの発熱に
よる主軸12の変位が安定するまでの待機時間に対応し
ている。ステップS44において主軸12の変位が安定
するまで待機した後、ステップS46において実際に加
工が開始される。
【0028】ステップS48において加工終了の条件が
達成されると、ステップS50において加工プロセスは
全て終了する。ステップS48において加工条件が達成
されていないと、ステップS52において工具交換条件
が達成されているか否かが判定される。工具交換条件が
達成されていないとステップS48に戻る。つまり、ス
テップS48で加工条件が達成されるか、或いはステッ
プS52において工具交換条件が達成されるまで加工プ
ロセスが継続される。
【0029】ステップS52において工具交換条件が達
成されると、ステップS54においてiがi+1とされ
て次の工具による加工プロセスに移行する。例えば、従
前の加工プロセスが第1番目の工具で実行されている場
合にはi=2となり、ステップS54から第2番目の工
具による加工プロセスが開始される。このとき、i=1
のときの工具とi=2のときの工具は同種の工具であっ
てもよいし、異なる工具であってもよい。例えば、細身
のエンドミルにて金型の表面をフライス加工する場合に
は、切刃が磨耗することから加工プロセスの途中で新し
い同種の工具と交換する必要がある。
【0030】ステップS56において従前の主軸回転数
NがNNとされ、ステップS58において当該加工プロ
セスにおける主軸回転数ni がNとして読み込まれる。
ステップS60においてNとNNとが、すなわち、前回
の主軸回転数と今回の主軸回転数とが比較される。Nと
NNとが同一の回転数の場合には、ステップS62にお
いて待機時間t21N が読み取られてT2 とされ、ステッ
プS16にジャンプする。NとNNとが異なる回転数の
場合には、ステップS14にジャンプして待機時間t
22N が読み取られてT2 とされる。
【0031】既述のように、T2 は主軸12の熱変形に
よるZ軸方向の伸びの変化が安定するまでのウォーミン
グアップ時間または待機時間である。T2 の読取値をN
とNNとを比較することによりT2 の読み込み値をt
21N とt22N とに分けるのは、NとNNとが同一である
場合には短時間で主軸12の伸びが安定するのに対し
て、NとNNとが異なる場合には主軸12の伸びが安定
するまでに、NとNNの差およびNの値が影響するため
である。つまり、 (i)NとNNの差が小さければ主軸12の伸びは比較
的短時間で安定する。 (ii)NとNNの差が大きくともNの値が大きければ、
つまり当該加工プロセスで主軸が高速回転する場合に
は、軸受10a、10bでの発熱量も大きいので主軸1
2の伸びは比較的短時間で安定する。
【0032】従って、主軸12の待機時間T2 を決定す
るためには、Nの値と、NとNNとの差ΔNの両者を勘
案しなければならない。T2 は、例えば以下の表の如
く、Nの回転数域をパラメータとして、NとNNの差に
応じたt22N の値を機械制御装置24のROM24cに
予め記憶させておき、NとNNの値に応じて読み込むこ
とにより決定することができる。但し、以下の表では、
ΔNはNとNNの差の絶対値で表示されている。即ち、
以下の表でΔN=|N−NN|である。 ──────────────────────────── Nの回転数域 3000〜 ・・・・・ 25000 〜 (RPM) 10000 30000 ───────────────────────────── 2000 t22N(11) ・・・・・ t22N(1b) 3000 ・ ・ 4000 ・ ・ ΔN ・ ・ ・ (RPM) ・ ・ ・ ・ ・ ・ 10000 ・ ・ 15000 ・ ・ 20000 t22N(a1) ・・・・・ t22N(ab) ─────────────────────────────
【0033】更に、上記の表の行と列の分割数は精度と
の関連で決定されるので、場合によってはNとNNとの
差ΔNを無視してNの回転数域のみを考慮するようにし
てもよい。
【0034】次に、図9、10を参照して、上記のよう
に構成された実施例の作用を説明する。図9は加工プロ
セスと伸びとの関係を示す線図であり、横軸は時間τ、
縦軸は伸びδである。工作機械が起動すると、先ず、フ
ローチャートのステップS10からステップS22にお
いて、加工条件が入力され、初期値が設定され、主軸回
転数Nが読み込まれ、回転数Nに対して潤滑液温度調節
装置18の停止時間T1と、主軸12の変位が安定する
までの待機時間T2 が読み込まれ、主軸12の熱変形に
よる伸びδが演算される。i=1の場合には主軸12は
停止していたのでNN=0の状態にあり待機時間はt
22N が読み込まれる。ステップS22で工具交換指令が
NC装置22から発生すると図6の工具交換サブルーチ
ンが実行される。これと並列的にメインルーチンは加工
プロセスを続行し、ステップS26からタイムカウント
サブルーチンが実行される。
【0035】ステップS28で条件が達成され工具交換
が完了すると、ステップS30から工具長測定サブルー
チンが開始する。既述のようにi=1の場合には潤滑液
温度調節装置18の起動を待機させる必要がないので、
ステップS32の条件は達成されており、ステップS3
4で潤滑液温度調節装置18が起動する。工具長測定サ
ブルーチンはメインルーチンと並列的に実行されている
での、ステップS26から開始される潤滑液温度調節装
置18の停止時間が経過した後は、工具長が測定されて
いる間に潤滑液温度調節装置18が作動することとな
る。既述したように、i=1の場合にはステップS26
をジャンプしてもよい。
【0036】ステップS36の条件が達成され工具長測
定が完了すると、ステップS38で主軸モータ16が起
動する。このときが図9のτ=0に対応する。主軸モー
タ16が起動すると、軸受10a、10bからの発熱に
より主軸12は熱変形してZ軸方向に伸びる。加工プロ
セスは、この主軸12の変位が安定するまで待機しなけ
ればならない。ステップS40、S42において主軸1
2の変位が安定するのを待機するためのタイムカウント
サブルーチンが開始され、ステップS44において図9
のτ=0からτ=τ11に相当する待機時間が経過するま
で待機する。
【0037】ステップS44において条件が達成され上
記待機時間が経過するとτ=τ11から加工が開始され
る。τ=τ12において工具交換指令が発生されると、ス
テップS52において条件が達成される。ステップS5
4においてi=2となり第2番目の工具による加工プロ
セスが開始する。ステップS58において新たな加工プ
ロセスの主軸回転数niが読み込まれNとされる。ステ
ップS60において従前の主軸回転数NNと、新たな加
工プロセスの主軸回転数Nとが比較される。図9に示す
例では工具交換の前後を通して主軸は30000rpm
で回転するので、N=NNでありステップS62におい
て待機時間t21N が読み込まれT2 とされ、ステップS
16へジャンプする。ステップS16で潤滑液温度調節
装置18の停止時間t1Nが読み込まれてT1 とされ、ス
テップS20において主軸12の伸びδが演算される。
【0038】ステップS22でフラグFTCに1が立て
られ、ステップS64(図6)の条件が達成され工具交
換サブルーチンが開始する。工具交換サブルーチンが開
始すると主軸モータ16が停止し(ステップS66)、
潤滑液温度調節装置18が停止し(ステップS68)、
工具交換動作が開始する(ステップS70)。工具交換
動作が完了するとステップS72においてフラグFTC
に0が立てられ工具交換サブルーチンが完了する。これ
らの動作はNC装置22と機械制御装置24との相互作
用により一連のシーケンスとして順次に短時間の内に実
行される。
【0039】ステップS68において潤滑液温度調節装
置18が停止すると、軸受10a、10bには潤滑液が
供給されず、潤滑液による主軸12と軸受10a、10
bの冷却作用が停止する。一方、潤滑液は主軸装置10
の一部の構成要素しか冷却していないので、潤滑液の供
給が停止されると主軸12は、その周囲に配設された高
温の構成要素からの熱伝導により温度が上昇する。従っ
て、図9でτ=τ12のときに潤滑液温度調節装置18が
停止すると、主軸12のZ軸方向の伸びδは時間と共に
増加する。
【0040】工具交換サブルーチンが実行されている
間、加工プロセスメインルーチンは停止することなくス
テップS26において潤滑液温度調節装置18を再び起
動させるためのタイムカウントサブルーチンを開始させ
る。ステップS28において条件が達成され工具交換が
終了すると、ステップS30でフラグFTMに1を立て
て、図6の工具長測定サブルーチンを開始させる。工具
長サブルーチンが開始したときも、タイムカウントサブ
ルーチンは並列的に実行されており、潤滑液温度調節装
置18は停止している。潤滑液温度調節装置18の停止
時間は、主軸12の先端に装着された工具14の工具長
を測定する際の主軸12の伸びδが実際に加工するとき
の伸びに一致するように決定される。図9において潤滑
液温度調節装置18の停止時間はT1 =τ13−τ12に相
当する時間が設定されている。
【0041】停止時間(τ13−τ12)が経過すると、ス
テップS32の条件が達成され、ステップS34におい
て潤滑液温度調節装置18が起動する。潤滑液温度調節
装置18が起動し潤滑液が主軸10に供給されると、回
転していない主軸12は潤滑液により冷却されZ軸方向
に収縮する。潤滑液が供給されてから一定の時間が経過
すると(図9では、τ=τ14)、主軸12のZ軸方向の
伸びδは、今回、つまり、i=2での加工プロセスでの
伸びと同じ値となる。このときに工具長を測定すること
により、主軸12の熱変形による誤差を排除することが
可能となるので、τ=τ14において工具長が測定され
る。工具長測定動作が開始されてから実際にタッチセン
サ20の検知端に工具14の先端が接触して、機械制御
装置24にタッチ信号が送信される時間は常に概ね一定
しているので、潤滑液温度調節装置18を起動する時刻
を予め実験的に決定することにより、τ=τ14のときに
主軸12のZ軸方向の伸びδが当該工具での加工プロセ
スにおける伸びと同じ値とすることができる。
【0042】タッチ信号を検知して工具長測定が完了す
るとステップS88でフラグFTMに0が立てられてス
テップS36の条件が達成され、τ=τ15のときに主軸
モータ16が起動する(ステップS38)。図9ではτ
=τ14とτ=τ15は時間的に離れているが、実際上は実
質的にτ14=τ15とすることができる。主軸12が回転
することにより、軸受10a、10bからの発熱により
主軸12の温度が上昇して再びZ軸方向に伸びる。主軸
モータ16が起動した後ステップS40、S42におい
て主軸12の伸びδが安定するまでの待機時間のための
タイムカウントサブルーチンが開始する。待機時間T2
=τ16−τ15経過しステップS44の条件が達成される
と、ステップS46で加工が再び開始される。
【0043】図9を参照して説明した実施例では、工具
交換の前後で主軸が同一の回転数で回転する場合を説明
したが、以下の記載では工具交換の前後で主軸回転数が
変化する場合の作用を図10を参照して説明する。図1
0は、工具交換の前後で主軸回転数が30000rpm
から20000rpmに低下している場合の加工プロセ
スと伸びとの関係を示す線図であり横軸は時間τ、縦軸
は伸びδである。
【0044】図10の実施例では、τ=0からτ=τ22
まで、すなわち、ステップS10からステップS52ま
でのプロセスは図9の実施例と同様である。ステップS
52で工具交換条件が達成されたときに、図10の実施
例では、新たな加工プロセスでは主軸回転数が3000
0rpmから20000rpmに低下しているので、N
≠NNである。従って、ステップS60での判定はNo
となり、ステップS14へジャンプしてt22N が読み込
まれT2 とされる。既述したように、N≠NNの場合に
は従前の加工プロセスでの主軸回転数NNと当該の加工
プロセスでの主軸回転数Nの差ΔNと、主軸回転数Nの
値とを考慮してt22N が決定される。
【0045】τ=τ22において工具交換サブルーチンが
開始すると、主軸モータ16が停止し(ステップS6
6)、次いで潤滑液温度調節装置18が停止する(ステ
ップS68)。τ=τ23のときに、潤滑液温度調節装置
18の停止時間(τ23−τ22)が経過して、ステップS
32の条件が達成され潤滑液温度調節装置18が起動す
る。これにより、主軸12は冷却されZ軸方向に収縮す
る。主軸12のZ軸方向の伸びδが従前の加工プロセス
での伸びと一致するτ=τ24のときに工具長が測定され
るように、潤滑液温度調節装置18の停止時間を設定す
る。工具交換の前後の主軸回転数の相違による主軸の伸
びの差δ0 は、従前の伸びδと当該加工プロセスでの伸
びδの差から求められる。δ0 を考慮してZ軸方向の全
補正量ΔZを決定する。
【0046】τ=τ25のときにステップS38において
主軸モータ16が起動される。主軸モータ16が起動し
た後、ステップS40、42において主軸12の変位が
安定するまでの待機時間T2 のタイムカウントサブルー
チンが開始する。図10の実施例では、主軸12の回転
数は30000rpmから20000rpmに低下し、
軸受10a、10bでの発熱は小さいので、主軸12の
伸びの変化が安定するまでの時間は図9の場合よりも長
くなり、従って、この場合にはt22N はt21Nよりも大
きな時間となる。τ=τ26のときに待機時間(τ26−τ
23)が経過してステップS44の条件が達成され、ステ
ップS46において加工が開始される。
【0047】更に、図11の実施例では、潤滑液温度調
節装置18の停止時間を図10に示した実施例よりも短
く設定することにより、τ=τ34のときに主軸12の伸
びδは、従前の加工プロセスでの主軸回転数ではなく、
当該加工プロセスでの主軸回転数による伸びと一致す
る。このときに工具長を測定できるように、潤滑液温度
調節装置18の停止時間をt22N を決定してもよい。こ
の場合には、従前の加工プロセスでの主軸回転数と当該
加工プロセスでの主軸回転数の差はあるがδ0 =0とな
る。
【0048】
【発明の効果】本発明では、工具長測定時の主軸の変位
が、交換された工具による加工開始時における変位また
は交換前の工具による加工時における変位と概ね等しく
なるように潤滑液温度調節装置を制御するので、測定さ
れた工具長に主軸の伸縮に基づく誤差を除去することが
可能となる。従って、本発明をNC工作機械に適用する
ことにより、金型の表面加工の途中で工具交換し、工具
長測定を行い、測定値に基づいて補正をして、引き続き
表面加工を行う際、加工表面のつなぎ部分に段差が形成
されることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NC工作機械のブロック図である。
【図2】本発明の実施例によるNC工作機械のハードウ
ェア構成図である。
【図3】加工プロセスのフローチャートである。
【図4】加工プロセスのフローチャートである。
【図5】加工プロセスのフローチャートである。
【図6】工具交換のフローチャートである。
【図7】工具長測定のフローチャートである。
【図8】タイムカウントのフローチャートである。
【図9】工具交換の前後で主軸回転数が変化しない場合
の工具交換および工具長測定中の主軸の伸びを示す線図
である。
【図10】工具交換の前後で主軸回転数が変化する場合
の工具交換および工具長測定中の主軸の伸びを示す線図
である。
【図11】工具交換の前後で主軸回転数が変化する場合
の工具交換および工具長測定中の主軸の伸びを示す線図
である。
【図12】主軸の回転数と主軸の伸びとの関係を示す線
図である。
【図13】従来技術による工具交換、工具長測定中の主
軸の伸びを示す線図である。
【符号の説明】
10…主軸装置 12…主軸 14…工具 16…主軸モータ 18…潤滑液温度調節装置 20…タッチセンサ 22…NC装置 24…機械制御装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 15/00 - 15/28 B23Q 11/00 - 11/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用工具を交換した後、主軸に装着した
    工具の工具長を測定する機能を有した工作機械の制御方
    において、 前記主軸を支承した主軸装置と潤滑油温度調節装置との
    間で冷却した潤滑液を循環させ、前記主軸に装着した工具の工具長を測定するときの前記
    主軸の熱変形による変位が当該工具による加工開始時に
    おける前記主軸の熱変形による変位と概ね等しくなる前
    記潤滑液温度調節装置の停止時間、前記主軸を回転し始
    めたとき前記主軸の熱変形による変位が概ね安定するま
    でのウォーミングアップ時間、およびその変位と主軸回
    転速度との関係を記憶し、 工具交換のため前記主軸が停止したとき前記潤滑液温度
    調節装置を停止させて潤滑液の循環を停止し、 記憶した停止時間経過後に前記潤滑液温度調節装置を起
    動して潤滑液の循環を開始し、 前記主軸の熱変形による変位が当該工具による加工開始
    時における前記主軸の熱変形による変位と概ね等しくな
    ったときに当該工具の工具長を測定し、 当該工具の工具長測定後に前記主軸を起動し、記憶した
    当該工具の回転速度に対応したウォーミングアップ時間
    経過後に加工開始指令を発し、当該工具による加工を開
    始させるよう制御した ことを特徴とする工作機械の制御
    方法。
  2. 【請求項2】 使用工具を交換した後、主軸に装着した
    工具の工具長を測定する機能を有した工作機械の制御装
    において、 前記主軸を支承した主軸装置との間で冷却した潤滑液を
    循環させる潤滑液温度調節装置と、 前記主軸に装着した工具の工具長を測定するときの前記
    主軸の熱変形による変位が当該工具による加工開始時に
    おける前記主軸の熱変形による変位と概ね等しくなる前
    記潤滑液温度調節装置の停止時間、前記主軸を回転し始
    めたとき前記主軸の熱変形による変位が概ね安定するま
    でのウォーミングアップ時間、およびその変位と主軸回
    転速度との関係を記憶する記憶手段と、 工具交換のため前記主軸が停止したとき前記潤滑液温度
    調節装置を停止させて潤滑液の循環を停止し、前記記憶
    手段に記憶された停止時間経過後に前記潤滑液温度調節
    装置を起動して潤滑液の循環を開始し、前記主軸の熱変
    形による変位が当該工具による加工開始時における前記
    主軸の熱変形による変位と概ね等しくなったときに当該
    工具の工具長を測定し、当該工具の工具測定後に前記
    主軸を起動し、前記記憶手段に記憶された当該工具の回
    速度に対応したウォーミングアップ時間経過後に加工
    開始指令を発する機械制御装置と、 を具備したことを特徴とする工作機械の制御装置。
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