JP3176094B2 - 高含有率ポリオキシアルキレングリセリンエーテル脂肪酸エステルの製造法 - Google Patents

高含有率ポリオキシアルキレングリセリンエーテル脂肪酸エステルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオキシアルキレン
グリセリンエーテル脂肪酸エステルの製造法に関する。
さらに詳しくは、乳化剤、分散剤、洗浄剤、染色助剤、
繊維処理剤、脱墨剤、浸透剤、消泡剤、湿潤剤、帯電防
止剤、防曇剤、浮選剤、化粧品原料等に使われ、副生物
として脂肪酸アルカノールアミドのアルキレンオキシド
付加物が存在しない、すなわち高含有率のポリオキシア
ルキレングリセリンエーテル脂肪酸エステルが直接合成
できる新規な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のポリオキシアルキレングリセリン
エーテル脂肪酸エステルの製造法としては、活性水素を
持たない油脂を出発物質として直接アルキレンオキサイ
ドを付加反応させることができないため、特公昭47−
40394号公報に見られる様な、グリセリンにアルキ
レンオキシドを付加したポリエーテルに高温下で脂肪酸
とエステル化して、脱水反応を行う間接的な製造法が通
常的に採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロウや、油脂等の活性
水素を持たない原料の場合は、直接アルキレンオキシド
を付加出来ない為、別の方法が必要となっており、種々
の方法が提案されている。例えば、特公昭35−495
6号公報に、抹香鯨油の場合は鯨油のアルカリ僉化した
加水分解物にアルキレンオキシドを反応する方法が、ま
た特公昭42−13427号公報には、グリセリン脂肪
酸エステルのポリオキシアルキレンエーテルを得るた
め、グリセリンと脂肪酸のエステル化反応より得たモノ
グリセリド、ジグリセリドにアルキレンオキシドを反応
する方法が見られる。(津田磁著:モノグリセリド−製
造と応用−1958年槇書店発行)これらはいずれも、
ロウや油脂等を直接使用したものでなく、一工程の製造
法(直接合成)となり得ていないという問題点があっ
た。
【0004】一方、特開平3−69687号公報には、
油脂とアルカノールアミンの混合モル比が1:1〜1:
2の範囲でアルキレンオキシドを反応する方法が開示さ
れている。しかし、ここで製造される非イオン界面活性
剤は直接の合成法で得られるが、脂肪酸のアルカノール
アミドが副生し、この物へのアルキレンオキシド付加物
ができる。このため、目的成分であるポリオキシアルキ
レングリセリンエーテル脂肪酸エステルの含有率が低下
し、種々の用途への利用が制限されるという問題点があ
った。
【0005】本発明の目的は、前記挙げられた用途に有
用なポリオキシアルキレングリセリンエーテル脂肪酸エ
ステルを得ることにおいて、従来活性水素を持たない天
然油脂に直接アルキレンオキシドを付加させることが出
来、かつ生成物であるポリオキシアルキレングリセリン
エーテル脂肪酸エステルを高含有率で得ることができる
製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の実情に
鑑み、種々研究した結果、天然油脂とオキシアルキルア
ミン化合物の混合モル比を特定することによって、その
生成物であるポリオキシアルキレングリセリンエーテル
脂肪酸エステルの高含有率を得ることに成功したもので
ある。すなわち、天然油脂とオキシアルキルアミン化合
物の混合物にアルキレンオキシドを直接反応させてポリ
オキシアルキレングリセリンエーテル脂肪酸エステルを
製造するにおいて、天然油脂とオキシアルキルアミン化
合物の混合割合がモル比で1:0.01〜1:1未満で
あることを特徴とする高含有率ポリオキシアルキレング
リセリンエーテル脂肪酸エステルの製造法である。
【0007】本発明に使用する天然油脂とは、ヤシ油、
パーム油、オリーブ油、大豆油、菜種油、アマニ油、ヒ
マワリ油等の植物油、豚油、牛脂、骨油、獣脂等の動物
油及び魚油等が、あるいはこれら天然油脂の硬化油、半
硬化油、更にこれら油脂の精製工程で得られる精製油や
回収油等が挙げられる。
【0008】本発明に使用するオキシアルキルアミン化
合物は、アンモニアにエチレンオキシドを反応して得た
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、アンモニアにプロピレンオキシドを反応
して得たモノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノ
ールアミン、トリイソプロパノールアミン、アンモニア
にブチレンオキシドを反応して得たモノブタノールアミ
ン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン等が挙
げられる。またメチルアミン、エチルアミン、プロピル
アミン、オクチルアミン、ヤシ脂肪アミン等へのエチレ
ンオキシド付加物及び/又はプロピレンオキシド付加物
のオキシアルキルアルキルアミンが挙げられる。
【0009】本発明に使用するアルキレンオキシドはエ
チレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシ
ド等が挙げられ、単独の使用でもよいが、2種以上のア
ルキレンオキシドを使用してもよい。またアルキレンオ
キシドの量は自由に変えることができる為、用途によっ
て種々の分子量、アルキレンオキシド種を調整すること
ができる。
【0010】天然油脂(A)に対するオキシアルキルア
ミン化合物(B)の使用モル比は生成物として高含有率
のポリオキシアルキレングリセリンエーテル脂肪酸エス
テルを得るには(A):(B)=1:0.01〜1:1
未満が必要であり、好ましくは1:0.05〜1:0.
9である。天然油脂1モルに対してオキシアルキルアミ
ン化合物をモル比で1モル未満の混合系でアルキレンオ
キシドを反応すると、天然油脂由来の脂肪酸残基は反応
エネルギーのより必要とするアミド化反応よりも、水酸
基と結合の弱いエステル結合間で選択的に移動が進み、
エステル交換反応のみ行われるため、天然油脂由来の脂
肪酸とオキシアルキルアミン化合物の反応物である脂肪
酸アミドは副生しないため、これのアルキレンオキシド
付加物も副生しない。これはNMR分析のケミカルシフ
ト174.5ppmとIR分析の1660cm-1のアミ
ド結合ピークが共に存在しないことによって確認され
る。この副生物である脂肪酸アミドのアルキレンオキシ
ド付加物が存在しないことにより、ポリオキシアルキレ
ングリセリンエーテル脂肪酸エステルの含有率が必然的
に高まり優れた性能が得られる。しかし、天然油脂1モ
ルに対しオキシアルキルアミン化合物をモル比で1モル
以上の混合系でアルキレンオキシドを反応した場合は、
オキシアルキルアミン化合物が過剰となるため、エステ
ル交換反応だけでなく、アミド化反応も追随して行われ
るようになるため、脂肪酸アミドが副生し、これのアル
キレンオキシド付加物が多くなる。この結果ポリオキシ
アルキレングリセリンエーテル脂肪酸エステルの含有率
が減少し、性能的に好ましくない。また0.01モル未
満では反応が困難となるので好ましくない。
【0011】本発明の製造方法を実施するに当って、反
応温度は、アルキレンオキシドの付加反応及びエステル
交換反応が速やかに行なわれる温度であれば良いが、具
体的には120〜180℃が好適である。またこの反応
に使用する触媒は通常アルキレンオキシドの付加反応に
おいて使われるアルカリ性物質、アルカリ金属の水酸化
物、炭酸塩、及び有機酸塩等で例えば、ナトリウムメチ
ラート、カリウムメチラート、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸カリ
ウム等が挙げられる。この触媒の量は生成物に対して
0.01〜0.3重量%程度使用するのがアルキレンオ
キシドの反応性を早めるため好ましい。更に圧力は常圧
で行うよりも、10kg/cm2 G以下の加圧下で行う
のがより好ましい。
【0012】天然油脂にエチレンオキシドを付加反応し
たものは低級アルコールや水に透明に溶解し、その水溶
液は表面張力低下能に優れている。またプロピレンオキ
シドを付加反応したものは鉱物油や低級アルコールに透
明に溶解し、油性向上剤の性能に優れている。更にブチ
レンオキシドを付加したものは、鉱物油に溶解し、低温
でも粘度の低い液状でスベリ性があるため、潤滑油のベ
ース油として優れている。一方天然油脂にエチレンオキ
シドが付加されないでオキシアルキルアミンのみにエチ
レンオキシドが付加したものだけでは、アルコールへの
溶解や水溶液とならず、油脂分は分離する。又、脂肪酸
アルカノールアミドにエチレンオキシドを反応したもの
は水やエタノールに溶解し表面張力低下能を有している
ということが公知であるが、本発明の生成物と、天然油
脂のモル数以上のオキシアルキルアミン化合物を用い、
脂肪酸アルカノールアミドが副生する混在系でアルキレ
ンオキシドを付加したものとの異なる点は、物性、生成
物のケン化価、ケン化後の脂肪酸量の分析、グリセリン
に対する脂肪酸のモル比率、さらに、NMR分析のケミ
カルシフトから、エステル結合とアミド結合のモル数量
と位置分析とが、またIR分析のアミド結合の有無の分
析等により、明らかにすることができる。
【0013】
【作用】本発明における反応は、天然油脂のモル数より
少ないモル比のオキシアルキルアミン化合物を反応させ
るもので、エステル交換反応とアルキレンオキシドの付
加反応が競合して同時に行なわれ、油脂のアルキレンオ
キシド付加物とオキシアルキルアミンのアルキレンオキ
シド付加物の混合物が得られる。さらに詳しく示せば、
天然油脂のモル数より少ないモル比のオキシアルキルア
ミン化合物の混合物系では、油脂の一部のエステル結合
で、脂肪酸が移動し、ここで生成する天然油脂ゆらいの
一部の水酸基にアルキレンオキシドが付加する。続い
て、ここに得られたアルキレンオキシド付加物は分子内
でのエステル交換反応が進み、新たに生成する天然油脂
ゆらいの水酸基にアルキレンオキシドが付加する。ま
た、反応は混合系である為、さらに原料油脂と前記の生
成物間でエステル交換反応とアルキレンオキシドの付加
反応が行なわれ、連続した反応系を持ち、ポリアルキレ
ンオキシド付加物へと反応が進む。この様にして、天然
油脂へのアルキレンオキシド付加反応が繰り返し行なわ
れ、最終的にはグリセリンの水酸基と脂肪酸のエステル
結合は残らず油脂のエステル結合間にアルキレンオキシ
ドが入ったポリエーテル鎖長を有する天然油脂のアルキ
レンオキシド付加物が得られる。本発明にて得た前記の
合成物は、グリセリン残基のモル数と脂肪酸残基(ケン
化後の抽出法による脂肪酸分析量による)のモル数の比
は常にほぼ一定の1:3であり、ケン化価の分析とNM
R及びIRの分析から、油脂に対してオキシアルキルア
ミンの使用モル数の少ない領域で行う本発明の製造法
は、脂肪酸アミドの誘導体を含まず、油脂のアルキレン
オキシド付加物を高い含有率で得られるという特徴を有
している。このようなことから疎水基である油脂由来の
脂肪酸が多くあるため、従来の一段反応によるものでは
得られない界面活性剤としての性能が発現される。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はそれらによって何ら限定されるもので
ない。尚、実施例中の%とは重量%を意味する。
【0015】実施例1 5Lのオートクレーブにパーム油840g(1モル)
と、トリエタノールアミン14.9g(0.1モル)及
び100%KOH4gを仕込み、450rpmの撹拌速
度の混合条件下で145℃まで昇温した後、エチレンオ
キシド2200g(50モル)を温度130〜150
℃、圧力2kg/cm2 Gの条件下で少しづつ反応させ
た。エチレンオキシドの付加反応終了後、80℃に冷却
し、氷酢酸にてPH6に中和した。淡黄色粘調液状の反
応生成物を収率99.0%で得た。この生成物はケン化
価55.0(理論値55.1)で、ケン化後の抽出法に
よる脂肪酸分析量は25.7%(理論値26.3%)で
あり、理論通りに反応が進んでいることがわかる。グリ
セリン残基1モルに対する脂肪酸のモル比率は3であっ
た。また、物性は水溶性で洗浄力がすぐれ、しかも低起
泡性であり、洗浄剤の原料として好適のものである。上
記分析値や界面活性性能を有することと、NMR分析に
よるエステル結合の位置分析から、この生成物は天然油
脂の水酸基と脂肪酸のエステル結合間にアルキレンオキ
シドのポリエーテル鎖が入ったものであることがわか
る。またNMR分析のケミカルシフト174.5ppm
のアミド結合ピークとIR分析の1660cm-1のアミ
ド結合ピークが共に存在しないことにより、副生物とし
ての脂肪酸アルカノールアミドのエチレンオキシド付加
物が存在しなかったことがわかる。
【0016】実施例2 5Lのオートクレーブに牛脂860g(1モル)と、ト
リイソプロパノールアミン19.1g(0.1モル)に
NaOH6gを溶解して仕込み、450rpmの撹拌速
度の混合条件下で140℃まで昇温した後、プロピレン
オキシド2320g(40モル)を温度125〜140
℃、圧力3.5kg/cm2 Gの条件下で少しずつ反応
させた。プロピレンオキシド付加反応終了後、80℃に
冷却し、塩酸にてPH6に中和し、さらに脱塩精製し
た。淡黄色液状の反応生成物を収率98.0%で得た。
この生成物はケン化価52.4(理論値52.6)で、
ケン化後の抽出法による脂肪酸分析量は25.2%(理
論値25.7)であり、グリセリン残基1モルに対する
脂肪酸のモル比率は3であった。また、物性は水に溶け
ないが、鉱物油やエチルアルコールに溶けて滑り性があ
るため、潤滑油の添加剤として好適のもので、この生成
物を添加した潤滑油は更に清浄分散性を付与することが
でき、油性向上の効果が得られた。またNMR分析のケ
ミカルシフト174.5ppmのアミド結合ピークとI
R分析の1660cm-1のアミド結合ピークが共に存在
しないことにより、副生物としての脂肪酸アルカノール
アミドのプロピレンオキシド付加物が存在しなかったこ
とがわかる。
【0017】実施例3 5Lオートクレーブにナタネ油943g(1モル)、モ
ノエタノールアミン54.9g(0.9モル)及び10
0%炭酸カリウム8gを仕込み、450rpmの撹拌速
度の混合条件下で155℃まで昇温した後、エチレンオ
キシド1100g(25モル)を温度130〜140
℃、圧力2.0kg/cm2 Gの条件下で少しづつ反応
させた。エチレンオキシド付加反応終了後、温度を12
0〜140℃、圧力3.0kg/cm2 Gの条件下でプ
ロピレンオキシド2030g(35モル)とブチレンオ
キシド72g(1モル)をブロック反応させた。その
後、80℃に冷却し、氷酢酸にてPH6.5に中和し
た。淡黄色液状の反応生成物を収率98.2%で得た。
この生成物はケン化価40.3(理論値40.1)で、
ケン化後の抽出法による脂肪酸分析量は21.5%(理
論値21.5)であり、グリセリン残基1モルに対する
脂肪酸のモル比率は3であった。また物性は水溶性で透
明に溶解する。5%濃度の水溶液の曇点は40℃であ
り、又0.1%濃度の水溶液の表面張力は41.6ダイ
ン/cm(20℃)で、浸透性の優れたものであった。
又消泡性が強く消泡剤として好適であった。またNMR
分析のケミカルシフト174.5ppmのアミド結合ピ
ークとIR分析の1660cm-1のアミド結合ピークが
共に存在しないことにより、副生物としての脂肪酸アル
カノールアミドのアルキレンオキシド付加物が存在しな
かったことがわかる。
【0018】実施例4 パーム油とトリエタノールアミンをそれぞれ豚脂880
g(1モル)とジエタノールモノメチルアミン95.2
g(0.8モル)に変更した以外は実施例1と同一の条
件として、エチレンオキシド352g(8モル)を付加
反応した。反応終了後80℃に冷却し、氷酢酸でPH
6.5に中和して、淡黄色液状の反応生成物を収率9
9.2%で得た。この生成物はケン化価126.0(理
論値126.9)で、ケン化後の抽出法による脂肪酸分
析量は63.1%(理論値63.5)であり、グリセリ
ン残基1モルに対する脂肪酸のモル比率は3であった。
またNMR分析のケミカルシフト174.5ppmのア
ミド結合ピークとIR分析の1660cm-1のアミド結
合ピークが共に存在しないことにより、副生物としての
脂肪酸アルカノールアミドのエチレンオキシド付加物が
存在しなかったことがわかる。また物性は水に対し乳化
分散すると共にエマルジョンの乳化剤として好適のもの
であった。さらに冷間圧延油として使用した場合、乳化
性は長期間の安定化が測れ、潤滑性も長期の安定化を可
能とする。また、圧延工程で発生する微粉鉄によるオイ
ルスカムの発生を防止し、鋼板や圧延ロールへの汚れ付
着を除去する効果がある。
【0019】実施例5 実施例2の条件で、精製ヤシ油640g(1モル)とト
リエタノールアミン74.6g(0.5モル)に100
%KOH4gを溶解して仕込むに変更した以外は同一の
条件で、プロピレンオキシド1740g(30モル)と
エチレンオキシド2200g(50モル)を混合し、ラ
ンダム付加反応した。反応終了後80℃に冷却し、塩酸
にてPH6.5に中和し、さらに脱塩精製した。淡黄色
液状の反応生成物を収率99.4%で得た。この生成物
はケン化価35.8(理論値36.2)でケン化後の抽
出法による脂肪酸分析量は13.0%(理論値12.
9)であり、グリセリン残基1モルに対する脂肪酸のモ
ル比率は3であった。またNMR分析のケミカルシフト
174.5ppmのアミド結合ピークとIR分析の16
60cm-1のアミド結合ピークが共に存在しないことに
より、副生物としての脂肪酸アルカノールアミドのアル
キレンオキシド付加物が存在しなかったことがわかる。
またこの生成物の物性は、鉱物油、水、アルコールに透
明に溶解する。5%濃度の水溶液の曇点は76.8℃
で、0.1%濃度での水溶液の表面張力は41.0ダイ
ン/cm(20℃)であり、更にこの生成物は化粧品原
料として洗浄性とリンス性を有し、シャンプー用原料と
して好適のものである。
【0020】比較例1 実施例1の条件で、トリエタノールアミンを用いない場
合を比較の為、行なった。同条件で、エチレンオキシド
を少量反応機内に導入してみたが、20時間たっても反
応圧が下がらず、エチレンオキシドを付加反応させるこ
とが出来なかった。
【0021】比較例2 ナタネ油943g(1モル)とモノエタノールアミン6
1.0g(1.0モル)及び100%炭酸カリウム8g
を仕込み、155℃まで昇温した後、実施例3と同じ条
件でエチレンオキシド1100g(25モル)とプロピ
レンオキシド2030g(35モル)とブチレンオキシ
ド72g(1モル)をブロック反応させた。この生成物
はケン化価31.8(理論値40.0)で、ケン化後の
抽出法による脂肪酸分析量は17.2%(理論値21.
5)であり、グリセリン残基1モルに対する脂肪酸のモ
ル比率は2.4であった。またNMR分析のケミカルシ
フト174.5ppmのアミド結合ピークとIR分析の
アミド結合ピークが共に認められ、脂肪酸モノエタノー
ルアミドのアルキレンオキシド付加物が生成していた。
分析値から油脂由来の脂肪酸0.6モルが脂肪酸アミド
に消費され、ポリオキシアルキレングリセリンエーテル
脂肪酸エステルの含有量が減少した。このため、物性は
水溶性であるが、浸透性と消泡性について実施例3の場
合より劣るものであった。
【0022】比較例3 パーム油(1モル)とモノエタノールアミン(2モル)
を用い、触媒KOH4gを加え、140〜160℃に昇
温し、2時間後実施例1と同じ条件でエチレンオキシド
(50モル)を付加反応した。この生成物はケン化価2
3.0(理論値53.2)で、ケン化後の抽出法による
脂肪酸分析量は10.9%(理論値25.4)であり、
グリセリン残基1モルに対する脂肪酸のモル比率は1.
3であった。またNMR分析のケミカルシフト174.
5ppmのアミド結合ピークとIR分析の1660cm
-1のアミド結合ピークが共に認められ、NMR分析のケ
ミカルシフト174.5ppmのピーク比から脂肪酸モ
ノエタノールアミドのエチレンオキシド付加物はモル比
1:1のときに比べ約2.8倍量生成していた。分析値
から油脂由来の脂肪酸1.7モルが脂肪酸アミドに消費
され、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドが主成分の組
成であった。このため、物性は水溶性であるが、油汚れ
に対し洗浄性が弱く、しかも高起泡性であるため、洗浄
剤の原料としては不適当である。
【0023】
【発明の効果】本発明で得られる高含有率のポリオキシ
アルキレングリセリンエーテル脂肪酸エステルは、天然
油脂にアルキレンオキシドを直接付加して得られるもの
であり、疎水基を末端とするカサバリのある特殊な分子
構造の混合系で、末端水酸基が少ないため界面活性剤と
して使用すると、乳化性、洗浄性、分散性、泡切れ性、
等の特殊な機能を発現すると共に、熱安定性に優れた物
性が得られるという特徴を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 69/587 C07C 69/587 // B01F 17/42 B01F 17/42 C09K 3/16 102 C09K 3/16 102E C10M 173/00 C10M 173/00 C11C 3/00 C11C 3/00 C11D 1/74 C11D 1/74 D21C 5/02 D21C 5/02 C10N 30:00 40:24 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/26 C07C 69/003 C07C 69/28 C07C 69/58 C07C 69/587 B01F 17/42 C11D 1/74

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然油脂とオキシアルキルアミン化合物
    の混合物にアルキレンオキシドを直接反応させ、ポリオ
    キシアルキレングリセリンエーテル脂肪酸エステルを製
    造する方法において、天然油脂とオキシアルキルアミン
    化合物の混合割合がモル比で1:0.01〜1:1未満
    であることを特徴とする高含有率ポリオキシアルキレン
    グリセリンエーテル脂肪酸エステルの製造法。
JP23738491A 1991-08-22 1991-08-22 高含有率ポリオキシアルキレングリセリンエーテル脂肪酸エステルの製造法 Expired - Fee Related JP3176094B2 (ja)

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