JP3174871U - 測量情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測量業務者が、CADデータを受け取ってから、当該CADで示される建物の建ち精度の計測に即時に取り掛かることが可能な測量情報抽出装置を提供する。
【解決手段】建物に関連する部材情報と、当該部材情報の属性を示す属性情報とを関連付けるオブジェクト指向型のオブジェクトCADから、所定の情報を抽出する測量情報抽出装置2を構成する。さらに、所定の抽出指示が入力されると、前記オブジェクトCADの部材情報のうち、前記建物を構成する柱又は梁の建物部材に対応する建物部材情報を検索し、当該検索した建物部材情報の建物部材における位置と形状を示す位置形状属性情報を抽出する抽出手段202と、前記抽出された位置形状属性情報に基づいて、前記建物部材の建ち精度を計測する際に当該建物部材の外表面に設置されるターゲットシールの位置を示す測量シール位置情報を算出する算出手段203とを備える。
【選択図】図2

Description

本考案は、測量情報処理装置に関し、詳しくは、測量業務者が、オブジェクト指向型のCADを受け取ってから、当該CADで示される建物の建ち精度の計測に即時に取り掛かることが可能な測量情報処理装置に関する。
従来より、建物の設計業務では、建物の形状や仕上げの仕様等の決定を担当する建築製作者(又は意匠設計者)と、建物が地震等に耐えられるか否かといった視点から建物の各部材の断面や鉄筋量等の決定を担当する構造設計者とが、共同で設計作業を行っている。
ここで、各設計担当者は、各々コンピュータを用いて業務を行っているが、同じ建物を対象に設計業務を行っているにも関わらず、各自別個に建物の情報をコンピュータに入力しているのが現状である。
即ち、建築設計者が、建築製作(意匠設計)用のCAD(Computer Aided Design)で入力した建物図面を紙もしくは電子データとして構造設計者に渡し、当該構造設計者が、改めて構造設計用のシステムに建物の情報を入力するのが現状である。そのため、建築設計者が、せっかくコンピュータに建物の情報を入力しているのにもかかわらず、構造設計者が、同じ情報を異なる形で入力しなければならない、いわば2度手間の状態となっていた。
一方、近年、主に建築設計の分野で、オブジェクト指向型のCAD、つまり、オブジェクトCADと呼ばれるソフトウェアが登場し、従来型のCADのように単なるドラフター(製図機械)を置き換えたものではなく、建物を構成する各部材を認識できるようになりつつある。即ち、従来のCADであれば、CADで作成した図を見れば柱や壁等と認識できるものの、コンピュータは、線の集まりとしてしか認識していなかった。これに対して前記オブジェクトCADでは、コンピュータが、柱は柱、梁は梁という形で認識している、という大きな違いがある。その一方で、構造設計の分野では、元々こうした建物の部材を個別に認識するようなソフトウェアとなっている。
しかしながら、建築設計者が入力したオブジェクトCADによる情報と、構造設計者が入力した構造解析用の情報とでは、建物に対する視点の違いから、依然として相互にデータをやり取りすることは難しかった。
こうした問題を解決するために、構造設計用のシステムでは、建築設計用のCADで作成した図面を下絵にして入力を補助する仕組みを実装しているものがある。この仕組みを使えば、ある程度は構造設計者の入力作業を軽減することができる。
しかしながら、この場合でも、データ入力は依然として手作業で行う必要があるため、壁やスラブの開口情報等を入力する煩雑な作業が発生したり、構造計算に比較的影響が少ないと考えられている柱の寄り(水平位置の微調整)を入力しなかったりする状況である。このため、本来は設計の後の工程で有効に利用できるはずの構造解析用の情報が、入力作業が繁雑であるがゆえに不完全にしか入力されず、有効利用することができない上、後工程でもさらに2重3重に建物情報を入力しなければならない状況も生まれている。
このように、建築設計用のCAD情報から直接かつ自動的に構造解析用情報を生成する技術が要望されている。
このような問題を解決する発明として、特開2008−158793号公報(特許文献1)には、構造解析用情報の生成対象とする建物の建築設計用のCAD情報であり、少なくとも複数の柱又は複数の壁の形状、寸法、及び位置を示す情報が含まれた建築設計用CAD情報を入力する入力手段を備えた建物の構造解析用情報生成装置が開示されている。前記構造解析用情報生成装置は、更に、前記建築設計用CAD情報に含まれる前記複数の柱又は複数の壁の形状、寸法、及び位置を示す情報に基づいて前記建物の通り芯を示す情報を生成する基礎情報生成手段と、前記基礎情報生成手段によって生成された通り芯を示す情報を構造解析用情報として記録する記録手段とを備える。これにより、建築設計用のCAD情報に基づいて構造解析用情報を簡易に生成することが出来るとしている。
又、特開2004−206193号公報(特許文献2)には、建物設計者が入力した建築構成部材に関するデータをメーカーが使用するデータコードに変換する機能を持つ建築構成部材設計・製作情報一元化CADシステムが開示されている。前記建築構成部材設計・製作情報一元化CADシステムは、更に、建築構成部材タイプを選択入力し、予め用意されたライブラリ群から前記選択入力された建築構成部材タイプに応じたライブラリを抽出する建築構成部材タイプ選択入力手段と、前記抽出されたライブラリに基づいて建築構成部材に関するデータを選択入力し、前記建物設計者が使用する建物設計データの一部として建築構成部材データを記録する建築構成部材データ入力手段とを備える。そして、前記建築構成部材設計・製作情報一元化CADシステムは、前記入力された建築構成部材データに基づいて、メーカーデータテーブルを検索するメーカーデータテーブル検索手段と、前記メーカーデータテーブルの検索結果に基づいて、前記建築構成部材データをメーカーが使用するデータコードに変換してメーカーデータを作成するメーカーデータ変換手段と、前記作成されたメーカーデータを出力するメーカーデータ出力手段とを備える。これにより、建築構成部材の製作図作成コストの低減、製作図作成のミスの低減、設計段階での正確なコストコントロールおよび事業計画スケジュール内における構成部材の早期決定による工程遅延リスクの低減を図ることが出来るとしている。
又、特開2010−44447号公報(特許文献3)には、複数レイヤーを持つ建築CADファイルをバイナリーデータファイルとして読み込んでプレカットCAD用のプレカット伏図を生成するプレカットCADデータの変換方法が開示されている。前記プレカットCADデータの変換方法は、前記建築CADファイルのいずれかのレイヤーの所定位置に図面の縮尺率データが記載され、下記の手順で断面が正方形で所定角材規格の柱部分を認識する。第一の手順は、前記柱部分の正方形の一辺長さに対して規定値の範囲の長さを持つ水平および垂直方向の全ての直線を全てのレイヤーで検出する。次に、第二の手順は、前記水平方向の直線のひとつを選択し、前記水平方向の直線の両端座標それぞれから前記所定角材規格の縦寸法及び横寸法の半分以下の距離にある点を直線の両端座標のいずれかを持つ前記垂直方向の直線を2本抽出する。更に、第三の手順では、前記手順において抽出した垂直方向の直線の中から直線長さが前記所定角材規格の縦寸法及び横寸法に対して規定値の範囲の長さである直線を2本選択する。そして、第四の手順では、前記手順で選択されたふたつの垂直方向の直線両端座標から柱の断面正方形の一辺の長さの半分以下の距離にある点を直線の両端座標のいずれかを持つ前記水平方向の直線を選択する。これにより、建築業界では汎用性のない建築CADで作成されたファイルを、建築業界で汎用性のあるテキスト形式などのプレカット伏図デ−タに変換することにより、高価な所定のタイプの建築CADを使うことなくテキスト形式などのプレカット伏図デ−タを生成できて、建築業界のコストダウンに寄与出来るとしている。
特開2008−158793号公報 特開2004−206193号公報 特開2010−44447号公報
ところで、上述したオブジェクトCADは、建物の設計業務における測量業務、例えば、建物の建ち精度(建て方精度)の測量業務に対しても頻繁に使用されるが、やはり、前記オブジェクトCADの情報と、前記測量業務に必要となる情報とでは、建物に対する視点の違いから、全く異なるという現状がある。そのため、前記オブジェクトCADが、建物を構成する柱や梁などの建物部材を認識出来るデータ構造であるにも関わらず、未だに、測量業務者は、前記オブジェクトCADから、手作業などで前記建物の建ち精度に関連する情報を抽出し、当該建ち精度を計測する際に必要となる測量情報を算出(計算)しているという実情がある。
例えば、測量業務者が、所定の建物におけるオブジェクトCADを構造設計者などから受け取った場合に、先ず、DXF(Drawing Exchange Format)などのCADソフトウェアを用いて、当該オブジェクトCADを所定の図面に表示したり、紙に印刷したりする。そして、測量業務者は、前記オブジェクトCADから、柱や梁などの建物部材の情報を確認し、当該建物部材の建ち精度を計測する際に必要となる測量情報、例えば、当該建物部材の縦寸法及び横寸法から、当該建物部材に設置されるターゲットシールの位置情報(3次元座標値)まで、手作業などで算出する。更に、測量業務者は、前記算出された情報を、所定の記録紙又はコンピュータのデータベースに入力・保存する。この後に、測量業務者は、漸く、前記オブジェクトCADにおける現場の建物に赴き、当該建物の建ち精度の計測に取り掛かることが出来るのである。
ここで、前記オブジェクトCADにおける建物部材の情報の確認作業から前記測量情報の算出作業までに要する時間は、最短で1日−2日掛かるという問題がある。又、上述した確認作業、算出作業には手間が掛かり、測量業務者に大きな負担となるという問題がある。更に、前記確認作業、算出作業は、基本的に、人の目視、手作業を伴うため、確認ミス、算出ミスが発生する可能性があるという問題がある。もちろん、このような問題に対して、前記特許文献1−3に記載の発明では、解決することが出来ない。
そこで、本考案は、前記問題を解決するためになされたものであり、本考案者が鋭意研究を行った結果、画期的なアイデアに基づきなされたものである。即ち、本考案は、オブジェクト指向型のCADを受け取ってから、当該CADで示される建物の建ち精度の計測に即時に取り掛かることが可能な測量情報抽出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本考案に係る測量情報抽出装置は、建物に関連する部材情報と、当該部材情報の属性を示す属性情報とを関連付けるオブジェクト指向型のオブジェクトCADから、所定の情報を抽出する測量情報抽出装置であって、以下の構成を採用する。
即ち、前記測量情報抽出装置は、所定の抽出指示が入力されると、前記オブジェクトCADの部材情報のうち、前記建物を構成する柱又は梁の建物部材に対応する建物部材情報を検索し、当該検索した建物部材情報の属性情報を抽出する抽出手段と、前記抽出された属性情報に基づいて、前記建物部材の建ち精度を計測する際に必要となる測量情報を算出する算出手段とを備える。
これにより、前記オブジェクトCADから、前記建物部材情報の属性情報が自動的に抽出され、前記測量情報が自動的に算出されるため、測量業務者は、当該オブジェクトCADを構造設計者などから受け取った後、従来よりなされていた当該オブジェクトCADの建物部材の確認作業や手作業による前記測量情報の算出作業をすることなく、即時に、建物が存在する現場に赴き、当該建物の建ち精度の計測業務(測量業務)に取り掛かることが可能となる。
又、前記抽出手段は、前記検索した建物部材情報の属性情報のうち、当該建物部材情報の建物部材における位置と形状を示す位置形状属性情報を抽出し、前記算出手段は、前記建物部材の縦寸法・横寸法、部材長、測量座標系における測量芯位置情報、前記測量座標系における測量回転角、断面形状、配置フロア、前記測量座標系におけるターゲットシールの位置を示す測量シール位置情報のいずれかを含む測量情報を算出するよう構成出来る。
又、前記抽出手段は、前記位置形状属性情報として、前記建物部材を構成する鉄骨の規格を示す鉄骨規格情報、前記オブジェクトCADの座標系における前記建物部材の位置情報、回転位置情報、回転角、当該建物部材の前記オブジェクトCADの座標系を測量座標系に変換するための変換値を示すオフセットを抽出する。そして、前記算出手段は、前記抽出された鉄骨規格情報により、前記建物部材の縦寸法及び横寸法と、当該建物部材の長手方向に垂直な断面形状とを算出し、前記抽出された位置情報と、前記オフセットとにより、前記建物部材の芯の位置を示す測量芯位置情報を算出し、前記抽出された回転位置情報と、前記回転角又は位置情報とにより、前記建物部材の測量回転角を算出し、更に、前記算出された建物部材の縦寸法及び横寸法と、前記断面形状と、前記測量芯位置情報と、前記測量回転角と、幾何学的な関係式とにより、前記建物部材の断面形状の外表面に設置されるターゲットシールの測量シール位置情報を算出するよう構成出来る。
又、前記算出手段は、所定の鉄骨規格情報と、当該鉄骨規格情報に対応する鉄骨の横寸法及び縦寸法とを関連付ける鉄骨寸法テーブルに基づいて、前記抽出された鉄骨規格情報と、当該鉄骨寸法テーブルの鉄骨規格情報とを照合し、当該照合した鉄骨規格情報に対応する横寸法及び縦寸法を取得することで、前記建物部材の横寸法及び縦寸法を算出するよう構成出来る。
又、前記算出手段は、所定の鉄骨規格情報と、当該鉄骨規格情報に対応する鉄骨の断面形状情報を関連付ける鉄骨断面形状テーブルに基づいて、前記抽出された鉄骨規格情報と、当該鉄骨断面形状テーブルの鉄骨規格情報とを照合し、当該照合した鉄骨規格情報に対応する断面形状情報を取得することで、前記建物部材の断面形状を算出するよう構成出来る。
又、前記抽出手段は、前記オブジェクトCADにおける建物の各階毎のZ軸方向の座標値と、前記建物部材情報の建物部材の下端部の座標値に対応するZ軸方向の始点座標値とを抽出する。そして、前記算出手段は、前記建物部材情報のZ軸方向の始点座標値と、所定の階のZ軸方向の座標値とを、階の低い順番で比較し、前記建物部材情報のZ軸方向の始点座標値が、前記階のZ軸方向の座標値よりも大きい場合には、当該建物部材情報のZ軸方向の始点座標値と、次の階のZ軸方向の座標値とを比較し、前記建物部材情報のZ軸方向の始点座標値が、前記階のZ軸方向の座標値よりも小さい場合には、当該階を、前記建物部材が配置される配置フロアとして算出するよう構成出来る。
更に、前記算出されたターゲットシールの測量シール位置情報を、三次元測量機により計測された当該ターゲットシールの実測シール位置情報が記憶される測量情報記憶手段に保存する保存手段を備えるよう構成出来る。
本考案に係る測量情報抽出装置によれば、測量業務者が、オブジェクト指向型のCADを受け取ってから、当該CADで示される建物の建ち精度の計測に即時に取り掛かることが可能となる。
本考案に係る測量情報抽出装置を含む建ち精度管理システムの一例を示した概略構成図である。 本考案に係る測量情報抽出装置を含む建ち精度管理システムの機能ブロック図である。 本考案に係る測量情報の抽出・算出の実行手順を示すためのフローチャートである。 本考案に係るプログラムの実行手順を示すためのフローチャートである。 本考案に係る建ち精度の計測の実行手順を示すためのフローチャートである。 本考案に係るオブジェクトCAD(データ構造)の一例を示す図である。 本考案に係る断面形状の種類に応じたターゲットシールの測量シール位置情報の一例を示す図である。 本考案に係る測量情報テーブルの一例を示す図である。
以下に、添付図面を参照して、本考案に係る測量情報抽出装置の実施形態について説明し、本考案の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本考案を具体化した一例であって、本考案の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は、本考案に係る測量情報抽出装置を含む建ち精度管理システムの一例を示した概略構成図である。
本考案に係る測量情報抽出装置2は、図1に示すように、例えば、建ち精度管理システム1を構成する一の装置である。前記建ち精度管理システム1には、前記測量情報抽出装置2の他に、会社の事務所などに設置されるサーバーコンピュータ3と、建設現場に携帯される携帯端末装置4と、当該建設現場に設置され、当該携帯端末装置4に有線又は無線で接続される三次元測量機5とから基本的に構成されている。又、前記測量情報抽出装置2と、前記サーバーコンピュータ3と、前記携帯端末装置4とは、インターネットなどのネットワーク6を介して有線又は無線で接続されている。
前記測量情報抽出装置2は、一般に使用されるコンピュータであり、所定の情報を記憶する記憶部と、キーボード、マウス等の操作部と、当該操作部による指示を受け付ける受付部と、前記記憶部に記憶された情報に基づいて所定の図面(画像)を液晶ディスプレイに表示する表示部とを備えている。
又、前記測量情報抽出装置2には、更に、前記操作部から、所定のオブジェクトCADに対する所定の抽出指示が入力されると、当該オブジェクトCADの部材情報のうち、建物を構成する柱又は梁の建物部材情報を検索し、当該検索した建物部材情報の属性情報を抽出する抽出部と、当該抽出された属性情報に基づいて、前記柱又は梁の建ち精度を測量する際に必要となる測量情報を算出する算出部とを備えている。そして、前記測量情報抽出装置2は、前記算出した測量情報を、前記サーバーコンピュータ3に送信し、当該サーバーコンピュータ3の記憶部に保存する保存部を更に備えている(後述する)。
さて、前記サーバーコンピュータ3は、一般に使用されるコンピュータであり、ネットワーク6を介して、前記測量情報抽出装置2から所定の測量情報の入力を受けると、当該測量情報を、例えば、テーブルとして記憶部に記憶させる。又、前記サーバーコンピュータ3は、前記携帯端末装置4から所定の建物部材情報の入力を受けると、当該建物部材情報に対応する測量情報を当該携帯端末装置4に出力し、所定の建ち精度の入力を受けると、当該建ち精度を前記記憶部に記憶させる。更に、前記サーバーコンピュータ3は、前記測量情報抽出装置2(又は他の端末装置)から所定の建物部材情報の入力を受けると、当該建物部材情報に対応する建ち精度を当該測量情報抽出装置2(又は他の端末装置)に出力する。尚、前記サーバーコンピュータ3の記憶部は、建物の建ち精度のデータベースとしての役割を果たす。
又、前記携帯端末装置4は、一般に使用される携帯用のコンピュータであり、タッチパネルなどの表示受付部を備えており、所定の建物部材情報の入力を受けると、前記表示受付部が、前記サーバーコンピュータ3の記憶部から、当該建物部材情報に対応する測量情報を取得し、表示させる。又、前記表示受付部は、所定の計測指示の入力を受けると、前記三次元測量機5の計測を開始させる。
前記携帯端末装置4には、所定の建物部材情報に対応する測量情報を受け取った後に、前記三次元測量機5からの実測位置情報(三次元座標値、X、Y、Z)の入力を受けると、当該建物部材情報の建ち精度を算出する算出部を更に備えている。前記算出された建物部材情報の建ち精度は、前記サーバーコンピュータ3の記憶部へ記憶される(後述する)。
尚、前記携帯端末装置4は、通常の端末装置(例えば、コンピュータ)でも構わないが、携帯用の小型の携帯端末装置4であれば、測量業務者が、前記三次元測量機5とともに携帯端末装置4を容易に現場へ搬送することが出来るため、建ち精度の計測が円滑に進み、好ましい。
又、前記三次元測量機5は、一般に建設現場で使用される測量機であり、所定の計測指示を受けると、建設現場における建物の建物部材(柱又は梁)の外表面に設置されるターゲットシールの位置を、測量座標系(直交座標系)の実測シール位置情報として計測し、当該計測した実測シール位置情報を前記携帯端末装置4に入力する。
ここで、前記三次元測量機5がターゲットシールの実測シール位置情報を計測する場合、測量業務者が、所定の操作を入力することにより、当該三次元測量機5の初期位置(水平角、鉛直角ともにゼロ度)からの相対角度を受けると、当該三次元測量機5自身が、当該相対角度に向きを変えて自動視準する(ターゲットシールを見付ける)構成としている。これにより、測量業務者の負担を軽減している。尚、一般になされている、前記三次元測量機5の視準軸をターゲットシールの方向に合わせる(視準する)構成でもよい。
尚、前記測量情報抽出装置2、前記サーバーコンピュータ3、前記携帯端末装置4、前記三次元測量機5は、図示しないCPU、ROM、RAM、HDDを内蔵しており、CPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM、HDD等に記憶されているプログラムを実行する。又、後述する各手段(図2に示す)についても、CPUがプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
<本考案に係る実施例>
次に、図2−図5を参照しながら、本考案に係る構成及び実行手順について説明する。図2は、本考案に係る測量情報抽出装置2を含む建ち精度管理システム1の機能ブロック図である。又、図3は、本考案に係る測量情報の抽出・算出の実行手順を示すためのフローチャートであり、図4は、本考案に係るプログラムの実行手順を示すためのフローチャートである。更に、図5は、本考案に係る建ち精度の計測の実行手順を示すためのフローチャートである。
先ず、測量業務者が、構造設計者などから、所定の記録媒体(例えば、CD−ROM、USBメモリなど)又は電子メールにより所定の建物におけるオブジェクト指向型のCAD(オブジェクトCAD)を受け取ると、当該オブジェクトCADを測量情報抽出装置2に記憶させる。
つまり、測量業務者が、所定の操作部を介して記憶指示を前記測量情報抽出装置2に入力し、当該測量情報抽出装置2は、前記オブジェクトCAD(データ)を所定のメモリ(例えば、オブジェクトCAD記憶手段201)に記憶させる(図3:S101)。
ここで、前記オブジェクトCAD(データ構造)600には、図6に示すように、当該オブジェクトCADにおける建物に関連する部材情報601と、当該部材情報601の属性(特徴)を示す所定数の属性情報602とが関連付けて記憶されている。
このように、各部材情報601毎に所定の属性情報602を関連付けて所定の建物を表現する形式のCADをオブジェクト指向型のCADと称する。前記オブジェクトCAD600では、各部材情報601毎に識別(認識)することが可能である。
又、前記部材情報601には、建物の通りを識別可能な通り情報601a、柱を識別可能な柱情報601b、梁を識別可能な梁情報601c、壁を識別可能な壁情報601d、ボルトを識別可能なボルト情報601eなどが該当する。建ち精度の計測対象となる部材情報は、主として柱情報601bと梁情報601cであり、以下、両者を建物部材情報と称する。尚、前記部材情報601の数は、前記オブジェクトCAD600の種類によるものの、数百から数千にも及ぶ場合がある。
又、前記属性情報602は、前記部材情報601の種類に応じて数や種類が異なる。例えば、前記通り情報601aであれば、前記属性情報602には、前記オブジェクトCADの座標系におけるX軸方向の通り位置情報(X軸方向の各柱の芯の位置情報)、Y軸方向の通り位置情報(Y軸方向の各柱の芯の位置情報)、建物の各階のレベル位置情報(Z軸方向の各階の位置情報)などが該当する。ここで、前記オブジェクトCADの座標系とは、当該オブジェクトCADの原点を基準として表現された座標系を意味する。以下、同様である。
又、例えば、前記柱情報601bであれば、前記属性情報602には、当該柱情報601bの柱を構成する鉄骨の規格を示す鉄骨規格情報602a(例えば、文字列)、当該柱情報601bの柱の前記オブジェクトCADの座標系における位置情報602bと、当該柱情報601bの柱の前記オブジェクトCADの座標系における回転位置情報602cと、当該柱情報601bの柱の前記オブジェクトCADの座標系における回転角602dと、当該柱情報601bの前記オブジェクトCADの座標系を測量座標系に変換するための変換値を示すオフセット602eなどが該当する。
尚、前記位置情報602bは、3次元座標値で示される前記オブジェクトCADの座標系における始点座標値と、終点座標値とであり、当該始点座標値は、対応する建物部材の下端部を示し、当該終点座標値は、対応する建物部材の上端部を示す。又、前記回転位置情報602cは、(建物)部材情報601の(建物)部材の正規の位置(設定位置)に対する向きを示す情報であり、例えば、上方向であれば、「上」、下方向であれば、「下」、正面方向であれば、「正」、背面方向であれば、「背」が該当する。又、前記オフセット602eは、通常、X軸方向とY軸方向とのそれぞれに対応する変換値が存在し、X軸方向のオフセットと、Y軸方向のオフセットとなる(後述する)。
又、前記梁情報601cの場合の属性情報602については、前記柱情報601bと同様であり、前記鉄骨規格情報602a、前記位置情報602b、前記回転位置情報602c、前記回転角602d、前記オフセット602eが該当する。
尚、前記建物部材情報以外の部材情報601の属性情報については、本考案の実施形態に直接関係ないため、その説明を省略する。
このように、前記オブジェクトCAD600のデータ数は、通常、膨大な量に及ぶことがあり、例えば、前記部材情報601、前記属性情報602などを全て含めると、数千から数万にも及ぶ場合がある。
さて、前記オブジェクトCADが前記オブジェクトCAD記憶手段201に記憶されると、測量業務者は、前記操作部を用いて、当該オブジェクトCADから所定の測量情報の抽出指示を当該測量情報抽出装置2に入力する。すると、当該測量情報抽出装置2の抽出手段202は、当該抽出指示の入力を受け付けて(図3:S102YES)、予め記憶された所定のプログラム(変換プログラム)に従い、前記オブジェクトCADの部材情報のうち、前記建物を構成する柱の柱情報601b又は梁の梁情報601c(建物部材情報)を検索し、当該検索した建物部材情報の属性情報602を抽出する(図3:S103)。
又、前記測量情報抽出装置2の算出手段203は、前記プログラムに従って、前記抽出された属性情報602に基づいて、前記柱情報601bの柱又は前記梁情報601cの梁の建ち精度を計測する際に必要となる測量情報を算出する(図3:S104)。
<建物の通りの位置情報、各階のレベル位置情報の取得>
ここで、前記プログラムの内容は、具体的には、図4に示す通りであり、以下の処理に従って進行する。先ず、前記抽出手段202が、前記オブジェクトCAD記憶手段201のオブジェクトCAD600の部材情報601のうち、前記通り情報601aを検索し、当該検索した通り情報601aに対応する属性情報602を参照する。前記参照された属性情報602には、上述したように、X軸方向の通り位置情報、Y軸方向の通り位置情報、建物の各階のレベル位置情報が記憶されているため、前記抽出手段202は、これらの情報を取得する(図4:S201)。
ここでは、前記通り情報におけるX軸方向の通り位置情報、Y軸方向の通り位置情報、建物の各階のレベル位置情報は、そのまま、前記測量情報となるため、前記算出手段203は、特に起動しない。
<建物部材の縦寸法及び横寸法の算出(取得)>
次に、前記抽出手段202は、前記オブジェクトCAD600の部材情報601のうち、建ち精度の計測対象となる建物部材情報(柱情報601b及び梁情報601c)を検索し、当該検索した建物部材情報に対応する属性情報602を参照する。そして、前記抽出手段202は、前記参照した属性情報602のうち、前記建物部材情報の建物部材における位置と形状を示す位置形状属性情報602、例えば、鉄骨規格情報602aを取得し、その旨を前記算出手段203に通知する。当該通知を受けた算出手段203は、前記鉄骨規格情報602aに基づいて、前記建物部材情報の建物部材のX軸方向の寸法(縦寸法)及びY軸方向の寸法(横寸法)を算出する(図4:S202)。
前記縦寸法及び横寸法を算出する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、通常、鉄骨規格情報602aに対して、対応する鉄骨の縦寸法及び横寸法は予め一義的に決定される。そのため、先ず、前記鉄骨規格情報602a(例えば、文字列)と、対応する鉄骨の縦寸法(mm)及び横寸法(mm)とを関連付ける鉄骨寸法テーブルを所定のメモリに予め記憶させておいたり、前記プログラムに組み込んだりする。次に、前記算出手段203が、前記鉄骨寸法テーブルの鉄骨規格情報と、前記取得された鉄骨規格情報602aとを照合して、当該照合した鉄骨規格情報に対応する縦寸法及び横寸法を取得する。これにより、前記建物部材情報の建物部材の縦寸法及び横寸法を算出する。
<建物部材の部材長の算出>
次に、前記抽出手段202は、前記建物部材情報に対応する属性情報602のうち、前記位置形状属性情報に含まれる位置情報602bを取得し、前記算出手段203は、当該位置情報602bに基づき、当該建物部材情報の建物部材の種類に応じて、当該建物部材の部材長を算出する(図4:S203)。
ここで、前記部材長とは、前記建物部材の軸方向(長手方向)の長さに対応し、柱又は梁の種類に応じてその算出方法が異なる。
例えば、前記算出手段203が、前記建物部材情報のうち、柱情報601bの部材長を算出する場合は、当該柱情報601bに対応する位置情報602bのうち、主として柱の高さに対応するZ軸方向の始点座標値Zs(mm)と終点座標値Ze(mm)とを、以下の式(1)に代入することで、前記柱情報601bの柱(pillar)の部材長Lp(mm)を算出する。
Lp=Ze−Zs (1)
一方、前記算出手段203が、前記建物部材情報のうち、梁情報601cの部材長を算出する場合は、当該梁情報601cに対応する位置情報602bの全て、つまり、X軸、Y軸、Z軸方向の始点座標値Xs(mm)、Ys(mm)、Zs(mm)と、X軸、Y軸、Z軸方向の終点座標値Xe(mm)、Ye(mm)、Ze(mm)とを、以下の式(2)に代入することで、前記梁情報601cの梁(crossbeam)の部材長Lc(mm)を算出することになる。
Lc={(Xe−Xs)+(Ye−Ys)+(Ze−Zs)1/2 (2)
<建物部材の測量芯位置情報の算出>
さて、前記オブジェクトCADにおける建物部材の位置情報602bは、当該オブジェクトCADの座標系と、三次元測量機5により計測される実測位置情報を規定する測量座標系との相違により、当該測量座標系における建物部材の部材芯(芯、中心)の位置を示す測量芯位置情報にそのまま利用することが出来ない。そのため、以下の手順に従って、前記オブジェクトCADにおける建物部材の位置情報602bを、前記測量座標系における測量芯位置情報に算出(変換)する必要がある。
ここで、前記オブジェクトCADの座標系の位置情報602bの種類(位置情報の取り方など)に応じて、前記算出方法は異なる。前記オブジェクトCADにおける建物部材の位置情報602bが、対応する建物部材の芯の座標値を採用している場合、前記位置情報602bに、対応するオフセット602eを加算することで、前記測量座標系における柱の測量芯位置情報を算出することが出来る。尚、前記測量芯位置情報を算出する場合は、前記位置情報602bに、前記始点座標値と、前記終点座標値とが存在するため、その種類に応じて、いずれかの適切な座標値が採用されて、前記測量芯位置情報が算出される。
具体的には、前記抽出手段202が、前記建物部材情報に対応する属性情報602のうち、前記位置情報602bにおけるX軸、Y軸方向の始点座標値と、前記オフセット602e(X軸、Y軸方向のオフセット)とを取得する。ここで、前記X軸、Y軸方向の始点座標値は、上述したように建物部材の下端部に対応するため、前記建ち精度が算出される基準(基礎)の座標値となる。次に、前記算出手段203は、前記取得したX軸、Y軸方向の始点座標値Xs(mm)、Ys(mm)及びX軸、Y軸方向のオフセットOx(mm)、Oy(mm)を、以下の式(3−1)、(3−2)に代入することで、前記建物部材の測量芯位置情報Sx(mm)、Sy(mm)を算出する(図4:S204)。
Sx=Xs+Ox (3−1)
Sy=Ys+Ox (3−2)
又、前記オブジェクトCADの座標系と、前記測量座標系とは、通常、XY平面における原点の取り方が異なるだけで、Z軸方向については一致する場合がある。この場合には、前記オブジェクトCADにおける位置情報602bのうち、前記建ち精度が算出される基準の座標値としてZ軸方向の終点座標値Ze(mm)が採用され、これが、前記測量座標系における測量芯位置情報にそのまま利用される。
ところで、前記オブジェクトCADにおける建物部材情報の位置情報602bが、対応する建物部材の芯の座標値を採用していない場合は、各オブジェクトCADの内容に応じて、前記測量座標系における測量芯位置情報の算出方法が、適宜変更されて、前記プログラムに組み込まれることになる。
例えば、前記オブジェクトCADにおける建物部材情報位置情報602bが、対応する建物部材と、これに隣接する他の建物部材との交点を採用している場合は、前記抽出手段202が、上述と同様に、前記位置情報602bにおけるX軸、Y軸方向の始点座標値とオフセット602e(X軸、Y軸方向のオフセット)と取得する。ここで、前記算出手段203は、前記X軸、Y軸方向の始点座標値と、前記X軸、Y軸方向のオフセットと、前記建物部材の横寸法及び縦寸法とに基づき、前記交点から芯までの距離を逆算して、当該建物部材の測量芯位置情報を算出することになる。
又、前記オブジェクトCADの属性情報602に、前記X軸、Y軸方向への前記建物部材の寄り、つまり、X軸方向(左右)の寄り(左寄り、中寄り、右寄り)と、Y軸方向(上下)の寄り(上寄り、中寄り、下寄り)が存在する場合には、前記算出手段203は、これらの寄りの情報も考慮して、前記建物部材の測量芯位置情報を算出することになる。上述のように、この辺りは、前記オブジェクトCADの内容に応じて適宜変更され得る。
<建物部材の測量回転角の算出>
又、前記オブジェクトCADにおける回転位置情報602c及び回転角602dは、当該オブジェクトCADの座標系と、前記測量座標系との相違により、当該測量座標系における測量回転角にそのまま利用することが出来ない。又、前記建物部材のうち、柱は、自身の軸方向が主としてZ軸方向に沿い、梁は、自身の軸方向が主としてX軸とY軸とから構成されるX−Y平面上の所定の方向に沿うため、前記測量回転角は、柱又は梁の種類に応じて異なることになる。そのため、以下の手順に従って、前記オブジェクトCADにおける回転位置情報602c及び回転角602dを、前記建物部材情報の種類に応じて、前記測量座標系における測量回転角に算出(変換)する必要がある。
具体的には、前記抽出手段202が、前記建物部材情報の種類に応じて、対応する属性情報602のうち、前記位置形状属性情報に含まれる回転位置情報602cと、回転角602d又は位置情報602bとを取得し、前記算出手段203は、当該建物部材情報の種類に対応して、当該回転位置情報602cと、当該回転角602d又は当該位置情報602bとに基づき、当該建物部材情報の建物部材の測量回転角を算出する(図4:S205)。
例えば、前記算出手段203が、前記建物部材情報のうち、柱情報601bの測量回転角を算出する場合は、当該柱情報601bの回転位置情報602cの種類(「上」、「下」、「正」、「背」)に応じた以下の4種類の式(4−1)−(4−4)に、当該柱情報601bに対応する回転角Ro(rad)602dを代入することで、前記柱情報601bの各軸毎の測量回転角Rx(rad)、Ry(rad)、Rz(rad)を算出する。尚、PIは、円周率を示す。
前記柱情報601bの回転位置情報602cが、「上」である場合
Rx=0、Ry=0、Rz=PI/2+Ro (4−1)
前記柱情報601bの回転位置情報602cが、「下」である場合
Rx=0、Ry=0、Rz=(3/2)×PI+Ro (4−2)
前記柱情報601bの回転位置情報602cが、「正」である場合
Rx=0、Ry=0、Rz=Ro (4−3)
前記柱情報601bの回転位置情報602cが、「背」である場合
Rx=0、Ry=0、Rz=PI+Ro (4−4)
一方、前記算出手段203が、前記建物部材情報のうち、梁情報601cの測量回転角を算出する場合は、先ず、当該梁情報601cの回転位置情報602cの種類(「上」、「下」、「正」、「背」)に応じた以下の4種類の式(4−5)−(4−8)に従って、当該梁情報601cの各軸毎の最初の測量回転角Rx0(rad)、Ry0(rad)、Rz0(rad)を決定する。この場合は、前記回転角602dは用いない。
前記梁情報601cの回転位置情報602cが、「上」である場合
Rx0=PI/2、Ry0=0、Rz0=0 (4−5)
前記梁情報601cの回転位置情報602cが、「下」である場合
Rx0=−PI/2、Ry0=0、Rz0=0 (4−6)
前記梁情報601cの回転位置情報602cが、「正」である場合
Rx0=PI/2、Ry0=0、Rz0=PI/2 (4−7)
前記梁情報601cの回転位置情報602cが、「背」である場合
Rx0=PI/2、Ry0=0、Rz0=−PI/2 (4−8)
次に、前記梁情報601cの梁が、Y−Z平面上、Z−X平面上、X−Y平面上の少なくともいずれかで傾斜している場合に、前記算出手段203は、前記梁情報601cに対応する位置情報602b(つまり、X軸、Y軸、Z軸方向の始点座標値Xs(mm)、Ys(mm)、Zs(mm)と、X軸、Y軸、Z軸方向の終点座標値Xe(mm)、Ye(mm)、Ze(mm))を、以下の4種類の式(4−9)−(4−11)に代入することで、先ほど算出した各軸毎の最初の測量回転角Rx0(rad)、Ry0(rad)、Rz0(rad)の補正値ΔRx0(rad)、ΔRy0(rad)、ΔRz0(rad)を算出する。
ΔRx0=tan−1{(Ye−Ys)/(Ze−Zs)}*(180/PI) (4−9)
ΔRy0=tan−1{(Xe−Xs)/(Ze−Zs)}*(180/PI) (4−10)
ΔRz0=tan−1{(Ye−Ys)/(Xe−Xs)}*(180/PI) (4−11)
そして、前記算出手段203は、前記算出した補正値ΔRx0(rad)、ΔRy0(rad)、ΔRz0(rad)を、下記の3種類の式(4−12)−(4−14)に代入して、前記各軸毎の最初の測量回転角Rx0(rad)、Ry0(rad)、Rz0(rad)に加算することで、前記梁情報601cの各軸毎の測量回転角Rx(rad)、Ry(rad)、Rz(rad)を算出することになる。
Rx=Rx0+ΔRx0 (4−12)
Ry=Ry0+ΔRy0 (4−13)
Rz=Rz0+ΔRz0 (4−14)
<建物部材の断面形状情報の算出>
又、前記抽出手段202は、前記建物部材情報に対応する属性情報602のうち、前記位置形状属性情報に含まれる鉄骨規格情報602aを取得し、前記算出手段203は、当該鉄骨規格情報602aに基づいて、前記建物部材情報602aの建物部材の断面形状を算出する(図4:S206)。
前記建物部材の断面形状を算出する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、通常、鉄骨規格情報602aに対して、対応する鉄骨の長手方向に垂直な断面形状は予め一義的に決定される。そのため、上記鉄骨寸法テーブルと同様に、最初に、前記鉄骨規格情報と、対応する鉄骨の断面形状情報(例えば、H鋼であれば「H」、円柱であれば「○」、四角柱であれば「□」)とを関連付ける鉄骨断面形状テーブルを所定のメモリに予め記憶させておいたり、前記プログラムに組み込んだりする。次に、前記算出手段203が、前記鉄骨断面形状テーブルの鉄骨規格情報と、前記取得された鉄骨規格情報602aとを照合して、当該照合した鉄骨規格情報に対応する断面形状情報を取得することで、前記建物部材情報の建物部材の断面形状を算出する。
<建物部材の配置フロア(節)の算出>
又、前記オブジェクトCADにおける建物部材情報には、当該建物部材情報の建物部材が建物内で配置される配置フロア(節)の情報が存在しない。そのため、以下の手順に従って、前記オブジェクトCADにおける通り情報601aのレベル位置情報と、前記建物部材情報の位置情報602b(Z軸方向の始点座標値)とを用いて、当該建物部材情報の配置フロア(節)を算出する必要がある。
具体的には、先ず、前記抽出手段202が、前記通り情報601aのレベル位置情報と、配置フロアの算出対象となる建物部材情報のZ軸方向の始点座標値Zs(mm)とを取得する。
ここで、前記通り情報601aのレベル位置情報は、各階毎のZ軸方向の座標値で構成されており、例えば、2階建ての建物であれば、当該レベル位置情報Zf(mm)は、1階のZ軸方向の座標値Zf1(mm)、2階のZ軸方向の座標値Zf2(mm)となる。
そこで、前記算出手段203は、前記建物部材情報のZ軸方向の始点座標値Zs(mm)と、前記レベル位置情報Zf(mm)とを、階の低い順番で比較(判定)する。上述の場合では、最初に1階のZ軸方向の座標値Zf1(mm)が、前記建物部材情報のZ軸方向の始点座標値Zs(mm)と比較される。
そして、前記比較の結果、前記始点座標値Zs(mm)が、前記レベル位置情報Zf1(mm)よりも大きい場合には、前記算出手段203は、当該レベル位置情報Zf1(mm)の次の階に対応するレベル位置情報Zf2(mm)と、前記始点座標値Zs(mm)とを比較する。
一方、前記比較の結果、前記始点座標値Zs(mm)が、前記レベル位置情報Zf(mm)よりも小さい場合には、前記算出手段203は、当該レベル位置情報Zf(mm)の階(レベル)を、前記建物部材情報の配置フロア(節)として算出(決定)する(図4:S207)。
例えば、前記始点座標値Zs(mm)が、2階のZ軸方向の座標値(レベル位置情報)Zf2(mm)よりも小さい場合には、前記建物部材情報の配置フロア(節)は、2となる。
このような比較・算出処理を、前記算出手段203は、各建物部材情報毎に実行することで、各建物部材情報毎に所定の配置フロア(節)が算出される。
<建物部材情報の位置情報の退避>
又、前記オブジェクトCADにおける建物部材情報の位置情報602bは、後述する建物の建ち精度を算出した後に更新される可能性がある。そのため、前記抽出手段202又は前記算出手段203は、前記建物部材情報の位置情報602bを、他のメモリに一時記憶させるとともに、前記オブジェクトCAD記憶手段201のオブジェクトCADにおける建物部材情報の位置情報602bを退避(消去)する(図4:S208)。
<建物部材に配置されるターゲットシールの測量シール位置情報の算出>
最後に、前記算出手段203は、上述で算出された建物部材情報に対応する断面形状情報、前記横・縦寸法、前記測量回転角、前記測量芯位置情報、幾何学的な関係式に基づき、当該建物部材情報の建物部材における断面形状の種類に応じて、当該建物部材の外表面に設置されるターゲットシールの測量シール位置情報を算出する(図4:S209)。
先ず、前記建物部材情報に対応する断面形状情報が、「H」である場合は、測量業務者は、当該建物部材情報の建物部材の建ち精度を計測する際に、当該「H」の左右2つのフランジの外表面にそれぞれターゲットシールを設置する。そのため、前記算出手段203が、前記断面形状がH形状である場合、前記建物部材のH鋼におけるフランジの外表面に対応して、前記建物部材情報に対応する前記横・縦寸法Wx(mm)、Wy(mm)、前記測量回転角におけるZ軸方向の測量回転角Rz(rad)を、以下の4種類の式(5−1)−(5−4)に代入し、図7(A)に示すように、前記建物部材情報の建物部材の芯から前記ターゲットシール(P1、P2)が設置される外表面までの左右の距離Dx(mm)、Dy(mm)を2種類算出する。
前記「H」の右側のフランジ外表面までの距離
Dx1=(Wy/2)*cos(Rz)−0*sin(Rz) (5−1)
Dy1=(Wy/2)*sin(Rz)+0*cos(Rz) (5−2)
前記「H」の左側のフランジ外表面までの距離
Dx2=(−Wy/2)*cos(Rz)−0*sin(Rz) (5−3)
Dy2=(−Wy/2)*sin(Rz)+0*cos(Rz) (5−4)
そして、前記算出手段203は、前記算出した距離Dx1(mm)、Dy1(mm)、Dx2(mm)、Dy2(mm)と、前記測量芯位置情報Sx(mm)、Sy(mm)、Ze(mm)とを、下記の6種類の式(5−5)−(5−10)に代入することで、当該建物部材の外表面に設置されるターゲットシールの測量シール位置情報Tx(mm)、Ty(mm)、Tz(mm)を2種類算出する。
前記「H」の右側のフランジ外表面に設置される1点目のターゲットシールの測量シール位置情報(P1)
Tx1=Sx+Dx1 (5−5)
Ty1=Sy+Dy1 (5−6)
Tz1=Ze−ΔTz (5−7)
前記「H」の左側のフランジ外表面に設置される2点目のターゲットシールの測量シール位置情報(P2)
Tx2=Sx+Dx2 (5−8)
Ty2=Sy+Dy2 (5−9)
Tz2=Ze−ΔTz (5−10)
ここで、前記ΔTz(mm)は、予め設定されたZ軸方向における建物部材の終点(天端)からの距離に対応し、測量業務者が、建物の建ち精度を計測する前の段階で、予め決定して設定入力する値である。前記ΔTz(mm)は、現場の前記建物部材の外表面に設置されるターゲットシールの設置位置の高さに反映される。そのため、測量業務者が、前記ターゲットシールの設置位置の高さを予め決定している場合には、前記ΔTz(mm)を予め設定しても良いし、現場の状況に応じて、適宜設計変更して、前記抽出指示を入力する際に、画面上で入力しても構わないし、前記ΔTz(mm)は、測量業務者が入力し直しても構わない。
一方、前記建物部材情報に対応する断面形状情報が、「○」又は「□」である場合は、測量業務者は、当該建物部材情報の建物部材の建ち精度を計測する際に、当該「○」又は「□」の上下左右4つの外表面にそれぞれターゲットシールを設置する。そのため、前記算出手段203が、前記断面形状が円形状又は四角形状である場合、前記建物部材の円柱又は四角柱における四方の外表面に対応して、前記建物部材情報に対応する前記横・縦寸法Wx(mm)、Wy(mm)、前記測量回転角におけるZ軸方向の測量回転角Rz(rad)を、以下の8種類の式(6−1)−(6−8)に代入することで、図7(B)に示すように、前記建物部材情報の建物部材の芯から前記ターゲットシール(P1−P4)が設置される外表面までの左右上下の距離Dx(mm)、Dy(mm)を4点算出する。尚、図7(B)は、断面形状が「□」である場合について示している。
前記「○」又は「□」の右側の外表面までの距離
Dx1=(Wy/2)*cos(Rz)−0*sin(Rz) (6−1)
Dy1=(Wy/2)*sin(Rz)+0*cos(Rz) (6−2)
前記「○」又は「□」の左側の外表面までの距離
Dx2=(−Wy/2)*cos(Rz)−0*sin(Rz) (6−3)
Dy2=(−Wy/2)*sin(Rz)+0*cos(Rz) (6−4)
前記「○」又は「□」の上側の外表面までの距離
Dx3=0*cos(Rz)−(−Wx/2)*sin(Rz) (6−5)
Dy3=0*sin(Rz)+(−Wx/2)*cos(Rz) (6−6)
前記「○」又は「□」の下側の外表面までの距離
Dx4=0*cos(Rz)−(Wx/2)*sin(Rz) (6−7)
Dy4=0*sin(Rz)+(Wx/2)*cos(Rz) (6−8)
そして、前記算出手段203は、上述と同様に、前記算出した距離Dx1(mm)、Dy1(mm)、Dx2(mm)、Dy2(mm)、Dx3(mm)、Dy3(mm)、Dx4(mm)、Dy4(mm)と、前記測量芯位置情報Sx(mm)、Sy(mm)、Z軸方向の終点座標値Ze(mm)とを、下記の12種類の式(6−9)−(6−20)に代入することで、当該建物部材の外表面に設置されるターゲットシールの測量シール位置情報Tx(mm)、Ty(mm)、Tz(mm)を4種類算出する。尚、前記ΔTz(mm)は、上述と同様の意味である。
前記「○」又は「□」の右側の外表面に設置される1点目のターゲットシールの測量シール位置情報(P1)
Tx1=Sx+Dx1 (6−9)
Ty1=Sy+Dy1 (6−10)
Tz1=Ze−ΔTz (6−11)
前記「○」又は「□」の右側の外表面に設置される2点目のターゲットシールの測量シール位置情報(P2)
Tx2=Sx+Dx2 (6−12)
Ty2=Sy+Dy2 (6−13)
Tz2=Ze−ΔTz (6−14)
前記「○」又は「□」の上側の外表面に設置される3点目のターゲットシールの測量シール位置情報(P3)
Tx3=Sx+Dx3 (6−15)
Ty3=Sy+Dy3 (6−16)
Tz3=Ze−ΔTz (6−17)
前記「○」又は「□」の下側の外表面に設置される4点目のターゲットシールの測量シール位置情報(P4)
Tx4=Sx+Dx4 (6−18)
Ty4=Sy+Dy4 (6−19)
Tz4=Ze−ΔTz (6−20)
尚、前記算出手段203は、前記建物部材情報に対応する断面形状情報が、「H」である場合、又は「○」もしくは「□」である場合であっても、前記算出されたターゲットシールの測量シール位置情報(P1−P4)の座標系は、前記測量座標系となる。これにより、全ての抽出・算出処理が完了する。
このように、前記抽出手段202、前記算出手段203により、建物部材の建ち精度を計測する際に必要となる測量情報(縦寸法・横寸法、部材長、測量芯位置情報、測量回転角、断面形状情報、節、ターゲットシールの測量シール位置情報)は、前記オブジェクトCADに基づいて、全て自動的に抽出・算出されたことになる。これにより、測量業務者は、従来よりなされていた前記オブジェクトCADの建物部材の確認作業や手作業による前記測量情報の算出作業を省略することが可能となる。
又、上述したように、前記オブジェクトCAD600のデータ数は、通常、膨大な量(数千から数万)にも及ぶため、これらのデータに対する前記測量情報の確認作業や算出作業は煩わしく、当該作業に要する時間は、数日(1日−2日など)に及ぶ場合がある。本考案では、上述した抽出・算出処理に要する時間は、前記オブジェクトCADのデータ量によるものの、数分(1分−2分など)程度であるため、従来の前記作業に要する時間と比較すると、飛躍的に短縮されたことが理解される。
ところで、S104において、前記算出手段203が、前記測量情報を全て算出すると、その旨を保存手段204に通知する。当該通知を受けた保存手段204は、ネットワーク6を介してサーバーコンピュータ3にアクセスし、当該サーバーコンピュータ3の測量情報記憶手段205に、前記通り情報601aと、対応する属性情報602(X軸方向の通り位置情報、Y軸方向の通り位置情報、建物の各階のレベル位置情報)とを関連付けるとともに、前記建物部材情報(柱情報601bと梁情報601c)と、S202−S209にて算出した測量情報(縦寸法・横寸法、部材長、測量芯位置情報、測量回転角、断面形状情報、節、ターゲットシールの測量シール位置情報)とを関連付けて、測量情報テーブルとして保存(記憶)させる(図3:S105)。
前記測量情報テーブル800には、図8に示すように、前記通り情報801と、前記X軸、Y軸方向の通り位置情報及び前記レベル位置情報802とが関連付けて記憶されるとともに、前記建物部材情報803(柱情報601b及び梁情報601c)と、対応する前記測量情報804とが関連付けて記憶される。尚、前記測量情報テーブル800には、図8に示すように、前記建物部材情報803に対応して建ち精度805が入力される欄が設けられる。
これにより、測量業務者が、前記算出された測量情報804を、例えば、手作業で所定の記録紙又はコンピュータのデータベースに入力・保存する必要が無くなるため、更に、測量業務者の負担が軽くなる。
さて、前記測量情報804の保存が完了すると、前記抽出指示に対応する測量情報抽出装置2の処理は全て完了する。
<建物部材の建ち精度の計測>
ところで、建物部材の建ち精度の算出は、具体的には、図5に示すように、以下の処理に従って進行する。例えば、前記測量情報抽出装置2における前記測量情報804の保存が完了すると、測量業務者は、前記携帯端末装置4及び前記三次元測量機5を持って、前記オブジェクトCADにおける建物(建設現場)に赴き、当該建物の建物部材(柱又は梁)の外表面にターゲットシールを設置する(図5:S301)。
ここで、前記ターゲットシールが設置される外表面の位置は、図7(A)又は図7(B)に示したように、前記ターゲットシールの測量シール位置情報(P1、P2又はP1−P4)に対応し、前記建物部材の断面形状の種類に応じて、測量業務者が、前記ターゲットシールを2箇所(P1、P2)、4箇所(P1−P4)のうち、特定の1箇所又は複数箇所に設置することになる。又、測量業務者は、上述した前記距離ΔTz(mm)を考慮して、前記ターゲットシールを所定の位置に設置する。
そして、測量業務者は、前記携帯端末装置4を起動して、前記ターゲットシールを設置した建物部材のうち、計測対象となる建物部材の建物部材情報を当該携帯端末装置4に入力すると、当該携帯端末装置4の測量手段206は、当該建物部材情報の入力を受け付け(図5:S302YES)、前記ネットワーク6を介してサーバーコンピュータ3にアクセスし、当該サーバーコンピュータ3の測量情報記憶手段205の測量情報テーブル800を参照する。
前記測量情報テーブル800には、図8に示すように、先ほど保存された建物部材情報803と、当該建物部材情報803に対応する測量情報804とが関連付けて記憶されているため、前記測量手段206は、当該測量情報テーブル800の建物部材情報803と、前記入力された建物部材情報803とを照合し、当該照合した建物部材情報803に対応する測量情報804のターゲットシールの測量シール位置情報を取得する(図5:S303)。
そして、前記測量手段206は、前記携帯端末装置4の表示部に、前記取得したターゲットシールの測量シール位置情報を表示させる。これにより、測量業務者は、今から建ち精度を計測する建物部材のターゲットシールの測量シール位置情報を確認することが可能となる。
更に、測量業務者は、前記三次元測量機5を起動して、基準ポイントを視準し、前記携帯端末装置4に所定の計測指示を入力すると(図5:S304YES)、前記測量手段206は、当該計測指示の入力を受け付けて、前記三次元測量機5に前記ターゲットシールの実測シール位置情報を計測させる。当該三次元測量機5は、自己の視準軸を、前記ターゲットシールの方向に合わせて、当該ターゲットシールの実測シール位置情報(3次元座標値)を計測する(図5:S305)。
前記三次元測量機5が、前記ターゲットシールの実測シール位置情報を計測すると、その旨を測量手段206に通知し、当該通知を受けた測量手段206は、当該実測シール位置情報と、先ほど取得したターゲットシールの測量シール位置情報とに基づいて、前記ターゲットシールが設置された建物部材の建ち精度を算出する(図5:S306)。
ここで、前記建ち精度は、前記ターゲットシールが設置された建物部材の芯(例えば、柱であれば、柱の芯)の実測座標値から設計座標値を各軸毎に減算することにより算出され、当該建ち精度の種類としては、X軸方向への倒れ値(mm)、Y軸方向への倒れ値(mm)、レベルの精度(mm)が該当する。ここでは、前記建ち精度は、特定の設置箇所の前記ターゲットシールの実測シール位置情報(三次元座標値)から、これに対応する前記測量シール位置情報(三次元座標値)を各軸毎に減算して算出される。尚、複数の箇所にターゲットシールを設置している場合には、例えば、各ターゲットシール毎に算出された建ち精度の平均値を算出したり、最後に設置したターゲットシールの実測シール位置情報により算出された建ち精度を採用したりする場合がある。
さて、前記測量手段206が、前記建物部材の建ち精度の算出を完了すると、前記携帯端末装置4の表示部に、当該建ち精度を表示させる。これにより、測量業務者は、前記算出された建ち精度が妥当か否かを検討することが可能となる。前記建ち精度が妥当で無い場合には、測量業務者は、前記ターゲットシールの設置位置を確認するなどして、再度、測定し直すことになる。
一方、測量業務者は、前記建ち精度が妥当であると判断した場合、所定の送信指示を前記携帯端末装置4に入力すると、前記測量手段206は、当該送信指示の入力を受け付けて(図5:S307YES)、再度、前記ネットワーク6を介してサーバーコンピュータ3にアクセスし、当該サーバーコンピュータ3の測量情報記憶手段205の測量情報テーブル800を参照する。そして、前記測量手段206は、図8に示すように、前記測量情報テーブル800のうち、前記入力された建物部材情報803に対応する建ち精度の欄805に、先ほど算出した建ち精度(X軸方向への倒れ値、Y軸方向への倒れ値、レベルの精度)を関連付けて記憶させる(図5:S308)。
これにより、測量業務者が、前記算出された建ち精度を、手作業で算出したり記録紙等に記入したりする必要が無くなるため、作業時間を短縮することが出来るとともに、算出ミス、入力ミスなどを確実に防止することが可能となる。
又、前記測量情報テーブル800に建ち精度が記憶されると、前記サーバーコンピュータ3は、前記測量情報抽出装置2にその旨を通知し、当該通知を受けた測量情報抽出装置2は、オブジェクトCAD記憶手段201のオブジェクトCAD600において、上述で退避された前記建物部材情報の位置情報602bに、前記建ち精度(又は、実測シール位置情報)に対応する適切な位置情報を再記憶(更新)させたり、所定の計測段階(施工段階)毎に、新たな位置情報として記憶させたりするよう構成してもよい。この場合、前記記憶される位置情報は、前記測量座標系から前記オブジェクトCADの座標系に変換された後であることは、言うまでも無い。
このように、上述した作業を、現場の建物の建物部材毎に繰り返すことで、当該建物の建ち精度を計測することになる。
さて、前記建物の建ち精度の計測が完了した後に、測量業務者は、例えば、会社に戻って、前記測量情報抽出装置2(又は他の端末装置)を使い、前記ネットワーク6を介してサーバーコンピュータ3にアクセスすると、前記測量情報抽出装置2(又は他の端末装置)の参照手段207が、前記サーバーコンピュータ3の測量情報記憶手段205の測量情報テーブル800を参照する。そして、前記参照手段207は、前記測量情報テーブル800に記憶された通り情報801、X軸、Y軸方向の通り位置情報及び前記レベル位置情報802、建物部材情報803、測量情報804、建ち精度805を取得し、当該取得したこれらの情報に基づいて、所定の節における建物の平面図と、当該平面図上における各建物部材(柱又は梁)毎の建ち精度とを表示する。
これにより、測量業務者は、建ち精度の計測対象となる建物が前記オブジェクトCADで表現された場合であっても、当該建物の建ち精度を容易に確認することが可能となる。又、現場における建物の建ち精度は、前記ネットワーク6に接続されたサーバーコンピュータ3の測量情報記憶手段205(測量情報テーブル800)に記憶されるため、当該ネットワーク6に接続(アクセス)可能な端末装置であれば、どこからでも前記建物の建ち精度を確認することが可能となる。そのため、測量業務者は、従来のように、紙からなる測量結果表(平面図)を作成する必要が無く、又、当該測量結果表を確認する管理者は、測量業務者による測量結果表の提出を待たずに、迅速に確認することが可能となる。
このように、本考案に係る測量情報抽出装置2は、所定の抽出指示が入力されると、前記オブジェクトCADの部材情報のうち、前記建物を構成する柱又は梁の建物部材に対応する建物部材情報を検索し、当該検索した建物部材情報の属性情報を抽出する抽出手段202と、前記抽出された属性情報に基づいて、前記建物部材の建ち精度を計測する際に必要となる測量情報を算出する算出手段203とを備える。
これにより、前記オブジェクトCADから、前記建物部材情報の属性情報が自動的に抽出され、前記測量情報が自動的に算出されるため、測量業務者は、当該オブジェクトCADを構造設計者などから受け取った後、従来よりなされていた当該オブジェクトCADの建物部材の確認作業や手作業による前記測量情報の算出作業をすることなく、即時に、建物が存在する現場に赴き、当該建物の建ち精度の計測業務(測量業務)に取り掛かることが可能となる。
特に、従来よりなされていたオブジェクトCADの図面内容確認、手作業による前記測量情報の算出は、上述したように、測量業務者によって、最短で1日から2日掛かっていた。本考案では、このような作業を全て自動的に行わせるようにしたため、前記測量情報の算出に要する時間は、数分程度(1分−2分など)となり、従来の測量業務者による作業を著しく軽減するとともに、前記測量情報の抽出・算出に要する時間を著しく短縮出来るという画期的な効果がある。
尚、本考案の実施形態では、前記建物部材の縦寸法・横寸法、部材長、測量芯位置情報、測量回転角、断面形状、配置フロア、測量シール位置情報のいずれかを含む測量情報を算出するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記測量情報を、前記測量シール位置情報のみにしたり、上述した種類の測量情報に、更に、他の測量情報を追加しても構わない。
又、本考案の実施形態では、測量情報抽出装置2が、各手段を備えるよう構成したが、例えば、当該各手段が実行するステップを、測量情報抽出方法として提供しても構わない。例えば、建物に関連する部材情報と、当該部材情報の属性を示す属性情報とを関連付けるオブジェクト指向型のオブジェクトCADから、所定の情報を抽出する測量情報抽出方法であって、所定の抽出指示が入力されると、前記オブジェクトCADの部材情報のうち、前記建物を構成する柱又は梁の建物部材に対応する建物部材情報を検索し、当該検索した建物部材情報の属性情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出された属性情報に基づいて、前記建物部材の建ち精度を計測する際に必要となる測量情報を算出する算出ステップとを備える。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
又、本考案では、仮に、測量情報抽出方法として提供する場合に、当該測量情報抽出方法を、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することが可能である。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、前記プログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成しても構わない。
又、前記プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
以上のように、本考案に係る測量情報抽出装置は、建築分野、設計分野、測量分野等の建ち精度の計測(測量)を必要とする産業分野に使用される測量情報抽出装置に有用であり、測量業務者が、オブジェクト指向型のCADを受け取ってから、当該CADで示される建物の建ち精度の計測に即時に取り掛かることが可能な測量情報抽出装置として有効である。
1 建ち精度管理システム
2 測量情報抽出装置
3 サーバーコンピュータ
4 携帯端末装置
5 三次元測量機
6 ネットワーク
201 オブジェクトCAD記憶手段
202 抽出手段
203 算出手段
204 保存手段
205 測量情報記憶手段
206 測量手段
207 参照手段

Claims (7)

  1. 建物に関連する部材情報と、当該部材情報の属性を示す属性情報とを関連付けるオブジェクト指向型のオブジェクトCADから、所定の情報を抽出する測量情報抽出装置であって、
    所定の抽出指示が入力されると、前記オブジェクトCADの部材情報のうち、前記建物を構成する柱又は梁の建物部材に対応する建物部材情報を検索し、当該検索した建物部材情報の属性情報を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された属性情報に基づいて、前記建物部材の建ち精度を計測する際に必要となる測量情報を算出する算出手段と
    を備える測量情報抽出装置。
  2. 前記抽出手段は、前記検索した建物部材情報の属性情報のうち、当該建物部材情報の建物部材における位置と形状を示す位置形状属性情報を抽出し、
    前記算出手段は、前記建物部材の縦寸法・横寸法、部材長、測量座標系における測量芯位置情報、前記測量座標系における測量回転角、断面形状、配置フロア、前記測量座標系におけるターゲットシールの位置を示す測量シール位置情報のいずれかを含む測量情報を算出する
    請求項1に記載の測量情報抽出装置。
  3. 前記抽出手段は、前記位置形状属性情報として、前記建物部材を構成する鉄骨の規格を示す鉄骨規格情報、前記オブジェクトCADの座標系における前記建物部材の位置情報、回転位置情報、回転角、当該建物部材の前記オブジェクトCADの座標系を測量座標系に変換するための変換値を示すオフセットを抽出し、
    前記算出手段は、前記抽出された鉄骨規格情報により、前記建物部材の縦寸法及び横寸法と、当該建物部材の長手方向に垂直な断面形状とを算出し、前記抽出された位置情報と、前記オフセットとにより、前記建物部材の芯の位置を示す測量芯位置情報を算出し、前記抽出された回転位置情報と、前記回転角又は位置情報とにより、前記建物部材の測量回転角を算出し、更に、前記算出された建物部材の縦寸法及び横寸法と、前記断面形状と、前記測量芯位置情報と、前記測量回転角と、幾何学的な関係式とにより、前記建物部材の断面形状の外表面に設置されるターゲットシールの測量シール位置情報を算出する
    請求項2に記載の測量情報抽出装置。
  4. 前記算出手段は、所定の鉄骨規格情報と、当該鉄骨規格情報に対応する鉄骨の横寸法及び縦寸法とを関連付ける鉄骨寸法テーブルに基づいて、前記抽出された鉄骨規格情報と、当該鉄骨寸法テーブルの鉄骨規格情報とを照合し、当該照合した鉄骨規格情報に対応する横寸法及び縦寸法を取得することで、前記建物部材の横寸法及び縦寸法を算出する
    請求項2又は3に記載の測量情報抽出装置。
  5. 前記算出手段は、所定の鉄骨規格情報と、当該鉄骨規格情報に対応する鉄骨の断面形状情報を関連付ける鉄骨断面形状テーブルに基づいて、前記抽出された鉄骨規格情報と、当該鉄骨断面形状テーブルの鉄骨規格情報とを照合し、当該照合した鉄骨規格情報に対応する断面形状情報を取得することで、前記建物部材の断面形状を算出する
    請求項2−4のいずれか一項に記載の測量情報抽出装置。
  6. 前記抽出手段は、前記オブジェクトCADにおける建物の各階毎のZ軸方向の座標値と、前記建物部材情報の建物部材の下端部の座標値に対応するZ軸方向の始点座標値とを抽出し、
    前記算出手段は、前記建物部材情報のZ軸方向の始点座標値と、所定の階のZ軸方向の座標値とを、階の低い順番で比較し、前記建物部材情報のZ軸方向の始点座標値が、前記階のZ軸方向の座標値よりも大きい場合には、当該建物部材情報のZ軸方向の始点座標値と、次の階のZ軸方向の座標値とを比較し、前記建物部材情報のZ軸方向の始点座標値が、前記階のZ軸方向の座標値よりも小さい場合には、当該階を、前記建物部材が配置される配置フロアとして算出する
    請求項1−5のいずれか一項に記載の測量情報抽出装置。
  7. 更に、前記算出されたターゲットシールの測量シール位置情報を、三次元測量機により計測された当該ターゲットシールの実測シール位置情報が記憶される測量情報記憶手段に保存する保存手段を備える
    請求項1−6のいずれか一項に記載の測量情報抽出装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014194434A (ja) * 2014-06-19 2014-10-09 Keisoku Giken Kk 建ち精度算出装置及び建ち精度算出方法

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