JP3171881B2 - 磁気共鳴映像装置用高周波プローブおよび磁気共鳴映像装置 - Google Patents

磁気共鳴映像装置用高周波プローブおよび磁気共鳴映像装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被検体の関心領域に
高周波磁場を照射したり、関心領域からの磁気共鳴信号
を受信するための高周波プローブと、これを用いた磁気
共鳴映像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴映像装置は固有の磁気モーメン
トを持つ原子核の集団が一様な静磁場中に置かれた時
に、特定の周波数で回転する高周波磁場のエネルギーを
共鳴的に吸収する現象を利用して、物質の化学的および
微視的な情報を映像化したり、化学シフトスペクトルを
観測する装置である。このような磁気共鳴映像装置にお
いては、被検体内の関心領域に高周波磁場を照射した
り、それにより生じる磁気共鳴信号を検出するために、
高周波プローブが用いられる。高均一かつ高S/Nの画
像を得るために、高周波プローブには高周波磁場の均一
性向上と、高S/N化が要求されている。
【0003】均一性の高い高周波磁場を発生できる高周
波プローブとして、特開昭60−132547号公報
(公知文献1という)に記載されたような、通称「鳥か
ご型コイル」が知られている。このコイルは全体として
は円筒状であり、導体部分のインダクタンスとキャパシ
タンス素子とでコイルの一周に1波長の高周波が乗るよ
うな遅延回路を構成している。コイルの円周方向の角度
をθとしたとき、電流分布I(θ)はsinθまたはc
osθに比例する。これによりコイルの軸に垂直な面内
で均一な高周波磁場を発生できる。しかしながら、この
高周波プローブでは軸に平行な面内での均一性は、従来
より使用されている鞍型コイルと変わりない。
【0004】そこで、軸に平行な面内でも比較的均一な
高周波磁場を発生できる高周波プローブが米国特許第
4,751,464号(公知文献2という)により提案
されている。この高周波プローブは、鳥かご型コイルの
外側に軸方向の長さが同じ導体円筒を配し、軸方向の両
端面において軸に垂直な導体板により鳥かご型コイルと
外側の導体円筒とが結合するように構成され、全体とし
てはドーナツ状共振器のような形をしている。一般に、
軸対称の円筒状高周波プローブにおいて、軸方向の両端
面に軸に垂直な無限に広い導体板を配置すると、ミラー
効果によって軸方向に無限に長いコイルから発生される
高周波磁場分布が実現される。現実には無限に広い導体
板を配置することはできないため、理想的な均一性は達
成できないが、コイルの軸方向の長さが有限であるため
に生じていた高周波磁場分布の不均一性が改善される。
【0005】一方、鳥かご型コイルのような円筒状コイ
ルにおいて高S/N化を達成するためには、通常は円筒
の直径と同程度にしている軸方向の長さを短くすること
が行われる。高周波プローブの軸方向の長さを短くする
と、被検体における感度領域が小さくなるため、被検体
由来の高周波コイルのノイズ成分が小さくなるのであ
る。ところが、この手法を公知文献2に記載されたよう
な高周波プローブに適用すると、軸に垂直な面内の画像
化には問題ないが、軸に平行な面内の画像化においては
当然、軸方向の長さを短くすることで感度領域が狭くな
るため、十分な画像化領域を確保することができず、結
局、軸に平行な面内での画像しか取得できないという問
題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の高周波プローブとして、特に高周波磁場の均一性を高
めた従来の円筒状コイルは、コイルの軸に垂直な面内で
は均一性が高いが、軸に平行な面内での高周波磁場の均
一性は高くなく、また円筒状コイルの外側に導体円筒を
配置して軸に平行な面内でも均一性を高めた高周波プロ
ーブでは、高S/N化のために軸方向の長さを短縮する
と、コイルの軸に平行な面内の画像化においては感度領
域が制限されてしまい、十分な画像化領域を確保できな
いという問題があった。
【0007】本発明は、高周波磁場の均一性を軸に垂直
な面内および水平な面内において高くすることができ、
しかも軸方向の長さを短縮することなく、高S/Nを達
成できる磁気共鳴映像装置用高周波プローブおよび磁気
共鳴映像装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の高周波プローブは、導電性筒体と、この導
電性筒体の両端面および導電性筒体内に軸方向に垂直な
面に沿って設けられた導電性環状板と、これらの導電性
環状板の相互間に設けられ、かつ周方向に所定間隔で配
列された複数の導体棒と、記導電性環状板の相互間にお
いて導体棒中に直列に挿入され、導体棒と共に複数の共
振器を形成する容量性素子と、複数の共振器にそれぞれ
結合された複数の入出力端子とを有する。
【0009】また、この高周波プローブを用いた本発明
の磁気共鳴映像装置では、高周波プローブの複数の入出
力端子間に形成された高周波コイルを用い、被検体の画
像化すべき所望領域に高周波磁場を印加すると共に、被
検体から発生される磁気共鳴信号を検出する。そして、
複数の高周波コイルをそれぞれ介して受信された磁気共
鳴信号について画像再構成処理を行い、複数の高周波コ
イルに対応した複数チャネルの画像データを生成し、こ
れら複数チャネルの画像データの同一空間位置に対応す
る画素データどうしを予め空間位置の関数として定義さ
れた重み関数を乗じて重み付け加算することにより、所
望領域の画像を生成する。
【0010】本発明の他の態様による磁気共鳴映像装置
では、複数の高周波コイルをそれぞれ介して受信された
磁気共鳴信号と予め空間位置の関数として定義された重
み関数の逆フーリエ変換結果との畳み込み積分を行っ
て、複数チャネルの畳み込み積分結果を得、これら複数
チャネルの畳み込み積分結果を加算合成し、この加算合
成結果をフーリエ変換することにより、所望領域の画像
を生成する。
【0011】
【作用】本発明による磁気共鳴映像装置用高周波プロー
ブでは、導電性筒体内に導電性環状板によって仕切られ
た空間に、導体棒とこれに直列に挿入された容量性素子
とを共振要素とする複数のドーナツ状共振器が形成さ
れ、これらが軸方向に並べられた構成となっている。こ
れらの共振器は所望の磁気共鳴周波数に共振するように
構成される。
【0012】従って、本発明の高周波プローブでは軸に
垂直な面内のみでなく軸に水平な面内においても均一性
の高い高周波磁場が生成される。また、これらの共振器
をそれぞれ独立した高周波コイルとして、各コイルで受
信された磁気共鳴信号を上述のように合成することによ
って、プローブの軸方向の長さを短縮することなく、高
S/Nを達成できる。従って、医用磁気共鳴映像装置
して十分な画像化領域を確保することが可能である。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装
置用高周波プローブの斜視図である。この高周波プロー
ブは、4個のドーナツ状共振器10a〜10dを軸方向
に配設して構成されている。
【0014】図1において、導電性筒体11は導体材料
によって円筒状に形成され、その両端面および内部に、
軸方向に垂直な面に沿って導電性環状板12a〜12e
が一体に設けられている。すなわち、導電性筒体11は
導電性環状板12a〜12eによって、導電性環状板1
2a〜12eの開口を通して連通した4個の共振器空間
に仕切られており、これらの空間に共振器10a〜10
dがそれぞれ形成されている。なお、導電性筒体11の
形状は、楕円筒状でも構わない。
【0015】導電性環状板12a〜12eの相互間に
は、周方向に所定間隔で配列された複数の導体棒13が
設けられている。さらに、導電性環状板12a〜12e
の相互間において、導体棒13中に容量性素子14が直
列に挿入されている。各共振器空間に設けられた導体棒
13(インダクタンス素子)と容量性素子14とによっ
て、共振器10a〜10dが形成される。
【0016】共振器10a〜10dには、高周波信号の
給電および磁気共鳴信号の取り出しのために、それぞれ
2組の入出力端子15a〜15dおよび16a〜16d
が後述するようにしてカップリングされている。なお、
入出力端子15a〜15dと入出力端子16a〜16d
とは、軸回りにほぼ90°離れた位置に設置される。入
出力端子15a〜15dおよび16a〜16dを介して
共振器10a〜10dに高周波信号を供給すると、高周
波プローブから高周波磁場が発生され、導電性筒体11
の内部に配置される被検体に高周波磁場が印加される。
また、被検体の内部で発生された磁気共鳴信号は、共振
器10a〜10dで検出され、入出力端子15a〜15
dおよび16a〜16dから図示しない90°ハイブリ
ッドを介して受信部で受信される。磁気共鳴信号の受信
にクォードラチャ受信方式を用いる場合は、このように
各共振器10a〜10dに対して2組の入出力端子が必
要となるが、クォードラチャ受信方式でない場合は、入
出力端子はそれぞれ1組でよい。
【0017】図2は、図1の高周波プローブにおける共
振器10a〜10dの一つの等価回路図であり、インダ
クタンス21,22,23は導電性筒体11および導電
性環状板12a〜12eに相当し、また容量24は容量
性素子14に相当する。これらのインダクタンス21,
22,23と静電容量24とで所望の周波数で共振する
共振器が形成される。共振器10a〜10dの共振周波
数は、所望の磁気共鳴周波数に一致するように、等しく
設定される。
【0018】ところで、高周波プローブの外側には一般
に勾配磁場生成コイルが配置され、そのコイルで発生さ
れる勾配磁場によって導電性筒体11や導電性環状板1
2a〜12eに渦電流が誘起される可能性がある。この
ような渦電流が流れると、これによって生じる渦電流磁
場によって静磁場の均一性が乱される。この渦電流を防
ぐためには、例えば図1に示すように導電性筒体11に
軸方向に沿ってスリット17を設ければよい。このよう
にすると、スリット17により渦電流が遮断される。
【0019】図3は、スリット17を設けた場合の共振
器10a〜10dの一つの等価回路図である。図3で
は、スリット17がない場合の図2の等価回路図におけ
るインダクタンス21,22がなくなっており、インダ
クタンス23と容量24の多数の組が誘導的または容量
的に結合した形となっている。このような構成でも、共
振器全体として所望の磁気共鳴周波数に共振させること
が可能である。
【0020】渦電流を防止する方法として、図4に示す
ように導電性筒体11および導電性環状板12(12a
〜12e)を円周方向において複数に分割し、絶縁体ス
ペーサ18を介して一体化することによって、渦電流を
DC的に遮断するようにしてもよい。絶縁体スペーサ1
8としては、例えばテトラフルオロエチレンのような高
周波損失が少なく、絶縁性の高い材料を用いるとよい。
【0021】図5は、絶縁体スペーサ18を用いた場合
の共振器10a〜10dの一つの等価回路図である。導
電性筒体11および導電性環状板12a〜12eによる
インダクタンス21,22に絶縁体スペーサ18による
容量25が付加されている。この容量25のインピーダ
ンスが所望の磁気共鳴周波数に対して無視できる程度に
小さければ、図2の等価回路と実質的に同等である。ま
た、容量25のインピーダンスが無視できない場合で
も、所望の磁気共鳴周波数に共振させることが可能であ
り、高周波プローブの性能に影響を与えない。
【0022】図6は、共振器10a〜10dと、入出力
端子15a〜15dおよび16a〜16dとのカップリ
ング法の一例を示す図であり、導電性環状板12aの外
側に設けられた入出力端子31(15a〜15d、16
a〜16d)に、インピーダンスマッチングのためのマ
ッチングボックス32を介して同軸ケーブル33の一端
が接続されている。同軸ケーブル33の他端は、各共振
器10a〜10dに延在している。同軸ケーブル33の
先端の中心導体と外導体との間にカップリングコイル3
4が接続され、このカップリングコイル34と共振器1
0a〜10dとが誘導的に結合している。
【0023】図7は、共振器10a〜10dと、入出力
端子15a〜15dおよび16a〜16dとのカップリ
ング法の他の例を示す図であり、容量性素子14に結合
したインピーダンスマッチング用の容量性素子ネットワ
ーク35を介して、同軸ケーブル33が容量的に結合さ
れている。なお、導電性筒体11および導電性環状板1
2a〜12eには、容量性素子14,35の容量を調整
するための穴36が設けられている。なお、このように
容量的に結合させる場合でも、図6と同様にインピーダ
ンスマッチング回路を外側に設けてもよい。
【0024】上記の実施例では、複数のドーナツ状共振
器を一体的に構成したが、複数のドーナツ状共振器を別
々に構成し、それらを図1と同様に並べてもよい。その
場合、各々の共振器が電気的にカップリングしないよう
にすることが重要である。
【0025】次に、本発明による高周波プローブを用い
た磁気共鳴映像装置の実施例について説明する。図8は
本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装置の構成を示す
ブロック図である。
【0026】図8において、静磁場磁石101は励磁用
電源102により励磁され、被検体105に一様な静磁
場を印加する。勾配磁場コイル103はシステムコント
ローラ111によって制御される駆動回路(駆動アン
プ)104によって駆動され、寝台106上の被検体1
05(例えば人体)に対して、注目する所望の断層面内
の直交するX,Y方向及びこれらに垂直なZ方向に磁場
強度が直線的に変化する勾配磁場Gx,Gy,Gzを印
加する。被検体105には、さらに高周波磁場が印加さ
れる。高周波磁場は、システムコントローラ111によ
る制御下で、送信部107からの高周波信号がパワー分
割され高周波プローブ109を構成する複数の高周波コ
イル(RFコイル)に印加されることによって発生され
る。
【0027】高周波プローブ109は図1に示したよう
に構成されており、複数の高周波コイルは図1のドーナ
ツ型共振器10a〜10dに相当する。但し、この実施
例では磁気共鳴信号の受信方式としてクォードラチャ受
信方式を用いており、このために送信部107からの高
周波信号は、複数の90°ハイブリッド108によって
それぞれ90°位相のずれた2つの高周波パルスに分割
され、各々の高周波コイルに図1の各2組の入出力端子
15a〜15dおよび16a〜16dを介して供給され
る。
【0028】高周波プローブ109の各高周波コイル
は、磁気共鳴により被検体105内に生じた磁気共鳴信
号を受信する役割も持つ。受信された磁気共鳴信号は図
1の入出力端子15a〜15dおよび16a〜16dよ
り高周波プローブ109から取り出され、90°ハイブ
リッド108によって90°ずれた位相が戻された後、
加算され、受信部110に導かれる。受信部110に入
力された磁気共鳴信号は増幅かつ検波された後、システ
ムコントローラ111による制御下で、データ収集部1
12に送られる。データ収集部112では、受信部11
0から入力された磁気共鳴信号をシステムコントローラ
111の制御下で収集し、それらをA/D変換した後、
電子計算機113に画像再構成用データとして送る。
【0029】電子計算機113はオペレータによって操
作されるコンソール114により制御され、データ収集
部112から入力された画像再構成用データについて2
次元フーリエ変換を含む画像再構成処理を行う。この画
像再構成によって、高周波プローブ109の高周波コイ
ル数に等しいチャネル数の画像データを生成した後、こ
れらの画像データを重み付け加算することによって、一
枚の画像に対応した画像データを合成する。また、電子
計算機113はシステムコントローラ111の制御をも
行う。電子計算機113により得られた画像データは、
画像ディスプレイ115に供給され、画像が表示され
る。
【0030】図9に、図8における送信部107の詳細
を示す。図8のシステムコントローラ111から出力さ
れたタイミング信号に従って高周波パルス発生器201
で高周波パルスが発生され、パワー分配器202によっ
て高周波コイルの数(この例では4個)に分配される。
分配された高周波パルスは、アッテネータ203で調整
された後、大電力高周波アンプ204で電力増幅され、
図8の90°ハイブリッド108に供給される。
【0031】図10に、図8における受信部110の詳
細を示す。図8の90°ハイブリッド108から出力さ
れた受信信号(磁気共鳴信号)は、プリアンプ301で
増幅され、クォードラチャ検波器302で検波された
後、ローパスフィルタ303により不要成分が除去され
てから、データ収集部112に入力される。データ収集
部112では、入力された磁気共鳴信号をA/D変換器
304によりディジタル化して、図8の計算機113へ
画像再構成用データとして出力する。
【0032】次に、本実施例における高S/N画像化の
手順を具体的に説明する。一例として二次元画像を得る
場合の画像化のパルスシーケンスを図11に示す。この
シーケンスは、高周波磁場(高周波パルス)として90
°パルス−180°パルスを用いた公知のスピンエコー
法により二次元画像を得るためのパルスシーケンスであ
り、Gsはスライス方向の勾配磁場、Grはリード方向
の勾配磁場、Geはエンコード方向の勾配磁場の印加タ
イミングをそれぞれ示す。
【0033】図11のようにエンコード用勾配磁場Ge
の振幅を変えながら、高周波プローブ109によって高
周波磁場を印加し磁気共鳴信号を収集する。高周波プロ
ーブ109で受信され、受信部110で増幅および検波
された磁気共鳴信号は、データ収集部112を介して画
像再構成用データとして電子計算機113に取り込ま
れ、電子計算機113内で2次元フーリエ変換されるこ
とにより、画像再構成がなされる。この画像再構成によ
って、この例では4チャネルの画像データが得られる。
そして、これら4チャネルの画像データが、S/Nが最
大となるように所定の重み関数により重み付け加算され
ることによって、一枚の画像の画像データが合成され
る。一般に、コイルで検出されるノイズは、ほとんど被
検体105からの誘導的ノイズであると考えると、上記
の重み関数は[数1]〜[数3]で与えられる。
【0034】
【数1】
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】但し、Rは画像上の位置(画素位置)を
示す位置ベクトル、rは被検体のある空間の位置を示
すベクトル、ki (R)はi番目の高周波コイルで得
られた画像データに対する重み関数、hi (R)はi
番目の高周波コイルが発生する高周波磁場分布、λ
(R)は高周波コイルの高周波磁場分布に起因する、
重み付け加算後の画像データの感度むらを補正する補正
関数、Ei (r)はi番目の高周波コイルに単位高
周波電流を流した時に発生する電場である。なお、H
ijの積分は被検体の全体について行われる。
【0038】高周波コイルのノイズとしては、コイル自
身に起因する高周波抵抗のノイズ、被検体に起因する誘
電的または誘導的ノイズがあるが、コイルを被検体に装
着した状態では、被検体からのノイズが大部分を占める
と考えられる。コイル自身に起因するノイズが無視でき
ない場合には、この影響を行列[Hij]の対角要素を
変更することにより考慮すればよい。但し、実際上は
[Hij]の非対角要素は対角要素に比べ小さくなるた
め、簡単のために[Hij]の非対角要素を0と置いた
重み関数を用いてもよい。
【0039】重み関数k(R)を決定するには、各コ
イルの高周波磁場分布h(R)を求める必要がある。
これは例えば計算機シミュレーションにより求めるか、
または適当なファントムを画像化することによって求め
ることができる。
【0040】以上の説明では、各高周波コイルから得ら
れた磁気共鳴信号の生データを画像再構成用データと
し、これをフーリエ変換した画像データを重み付け加算
することにより、所望領域の高S/Nの画像を得るよう
にしたが、次のような方法を用いることもできる。すな
わち、フーリエ変換前の各高周波コイルからの磁気共鳴
信号の生データと、これらにそれぞれ対応する重み関数
の逆フーリエ変換結果との畳み込み積分を行い、得られ
た複数チャネルの畳み込み積分結果を加算合成した後、
フーリエ変換することによっても、同様に所望領域の高
S/N画像を得ることができる。
【0041】例えば2次元画像の場合について、i番目
の高周波コイルによって得られる磁気共鳴信号の生デー
タをIfi(Kx,Ky)、フーリエ変換後の画像データ
をIi (X,Y)、i番目の画像の重み関数をk
i (X,Y)、この重み関数の逆フーリエ変換をk
fi(Kx,Ky)とし、最終的に得られる高S/N画像
をI(X,Y)とすると、[数4]に示すような関係が
成り立つ。
【0042】
【数4】
【0043】この[数4]に示されるように、磁気共鳴
信号の生データIfi(Kx,Ky)と、重み関数k
i (X,Y)の逆フーリエ変換kfi(Kx,Ky)との
畳み込み積分結果を各高周波コイルについて加算したも
のが、最終的に得られる高S/N画像I(X,Y)の逆
フーリエ変換に相当することが分かる。従って、これを
フーリエ変換すれば、画像I(X,Y)が求まることに
なる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、高周波磁場の均一性を
軸に垂直な面内および水平な面内において高くすること
ができ、しかもコイルの軸方向の長さを短縮することな
く、十分広い画像化領域にわたって高S/N画像を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装置用高
周波プローブの一部切欠して示す斜視図
【図2】図1の高周波プローブの渦電流防止用スリット
がない場合の一つの共振器の等価回路図
【図3】図1の高周波プローブの渦電流防止用スリット
を設けた場合の一つの共振器の等価回路図
【図4】渦電流防止手段の他の例を説明するための斜視
【図5】図4の手段を用いた場合の一つの共振器の等価
回路図
【図6】図1における入出力端子と各共振器とのカップ
リング法の一例を示す断面図
【図7】図1における入出力端子と各共振器とのカップ
リング法の他の例を示す断面図
【図8】本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装置のブ
ロック図
【図9】図8における送信部の詳細を示すブロック図
【図10】図8における受信部の詳細を示すブロック図
【図11】同実施例における画像化のためのパルスシー
ケンスを示す図。
【符号の説明】
10a〜10d…ドーナツ型共振器 11…導電性筒
体 12a〜12e…導電性環状板 13…導体棒 14…容量性素子 15a〜15d
…入出力端子 16a〜16d…入出力端子 17…スリット 18…絶縁体スペーサ 31…入出力端
子 32…マッチングボックス 33…同軸ケー
ブル 34…カップリングコイル 35…容量性素
子ネットワーク 101…静磁場磁石 103…勾配磁
場生成コイル 105…被検体 107…送信部 108…90°ハイブリッド 109…高周波
プローブ 110…受信部 111システム
コントローラ 112…データ収集部 113…電子計
算機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−93387(JP,A) 特開 昭64−29102(JP,A) 特開 昭60−132547(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性筒体と、 この導電性筒体の両端面および導電性筒体内に軸方向に
    垂直な面に沿って設けられた導電性環状板と、 これらの導電性環状板の相互間に設けられ、かつ周方向
    に所定間隔で配列された複数の導体棒と、 前記導電性環状板の相互間において前記導体棒中に直列
    に挿入され、前記導体棒と共に複数の共振器を形成する
    容量性素子と、 前記複数の共振器にそれぞれ結合された複数の入出力端
    子とを具備することを特徴とする磁気共鳴映像装置用高
    周波プローブ。
  2. 【請求項2】被検体に静磁場を印加するための静磁場印
    加手段と、 被検体に勾配磁場パルスを印加するための勾配磁場印加
    手段と、 被検体の画像化すべき所望領域に高周波磁場を印加する
    と共に、被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する
    ための複数の高周波コイルからなる高周波プローブと、 前記複数の高周波コイルをそれぞれ介して磁気共鳴信号
    を受信する磁気共鳴信号受信手段と、 この磁気共鳴信号受信手段により受信された磁気共鳴信
    号について画像再構成処理を行い、前記複数の高周波コ
    イルに対応した複数チャネルの画像データを生成する画
    像データ生成手段と、 前記複数チャネルの画像データの同一空間位置に対応す
    る画素データどうしを予め空間位置の関数として定義さ
    れた重み関数を乗じて重み付け加算することにより、前
    記所望領域の画像を得る画像生成手段とを具備し、 前記高周波プローブは、導電性筒体と、この導電性筒体
    の両端面および導電性筒体内に軸方向に垂直な面に沿っ
    て設けられた導電性環状板と、これらの導電性環状板の
    相互間に設けられ、かつ周方向に所定間隔で配列された
    複数の導体棒と、前記導電性環状板の相互間において前
    記導体棒中に直列に挿入され、前記導体棒と共に複数の
    共振器を形成する容量性素子と、前記複数の共振器にそ
    れぞれ結合された複数の入出力端子とからなり、前記複
    数の入出力端子間に前記複数の高周波コイルが形成され
    ることを特徴とする磁気共鳴映像装置。
  3. 【請求項3】被検体に静磁場を印加するための静磁場印
    加手段と、 被検体に勾配磁場パルスを印加するための勾配磁場印加
    手段と、 被検体の画像化すべき所望領域に高周波磁場を印加する
    と共に、被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する
    ための複数の高周波コイルからなる高周波プローブと、 前記複数の高周波コイルをそれぞれ介して磁気共鳴信号
    を受信する磁気共鳴信号受信手段と、 この磁気共鳴信号受信手段により受信された磁気共鳴信
    号と予め空間位置の関数として定義された重み関数の逆
    フーリエ変換結果との畳み込み積分を行い、複数チャネ
    ルの畳み込み積分結果を得る畳み込み積分手段と、 前記複数チャネルの畳み込み積分結果を加算合成する加
    算合成手段と、 この加算合成手段によって得られた加算合成結果をフー
    リエ変換することにより、前記所望領域の画像を生成す
    る画像生成手段とを具備し、 前記高周波プローブは、導電性筒体と、この導電性筒体
    の両端面および導電性筒体内に軸方向に垂直な面に沿っ
    て設けられた導電性環状板と、これらの導電性環状板の
    相互間に設けられ、かつ周方向に所定間隔で配列された
    複数の導体棒と、前記導電性環状板の相互間において前
    記導体棒中に直列に挿入され、前記導体棒と共に複数の
    共振器を形成する容量性素子と、前記複数の共振器にそ
    れぞれ結合された複数の入出力端子とからなり、前記複
    数の入出力端子間に前記複数の高周波コイルが形成され
    ることを特徴とする磁気共鳴映像装置。
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