JP3171700B2 - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂成形材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形加工性、硬化性に優
れたフェノール樹脂成形材料に関するものであり、特に
射出成形において射出成形機のシリンダー内では硬化反
応が殆ど進行せず、金型内では極めて早く硬化するよう
な成形加工性の著しく優れたフェノール樹脂成形材料を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は耐熱性、電気
性能、機械性能などが優れているため、自動車部品、電
子・電気部品、機械部品などの広範囲の用途に利用され
ている。しかし、従来のフェノール樹脂成形材料は、9
0〜125℃に可塑化された溶融状態では材料中の樹脂
の硬化反応の進行によって、粘度が増大し、10〜30
分間で流動性を失う性質を有しており、可塑化溶融樹脂
の熱安定性が極めて低い。このため、従来のフェノール
樹脂成形材料を射出成形する場合、射出成形機のシリン
ダー内での可塑化溶融された成形材料の熱安定性が著し
く劣り、適正な成形条件幅が極めて狭い問題がある。従
来この問題を解決する方法として成形材料の流動性を増
大させるなどの各種の方法が知られているが、可塑化溶
融状態での熱安定性を向上させると金型内での150〜
200℃における硬化反応が遅くなり、また逆に、金型
内での硬化性を向上させると、熱安定性が劣るようにな
り、可塑化溶融状態の熱安定性と金型内の硬化性との両
方を同時に向上したフェノール樹脂成形材料を得ること
は困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、可塑化溶融
状態での熱安定性と金型内での硬化性とが両立向上した
成形加工性の優れたフェノール樹脂成形材料を得るため
種々の検討の結果なされたものであり、その目的とする
ところは特に、射出成形においてシリンダー内での可塑
化溶融状態での熱安定性が著しく優れ、金型内での硬化
性が極めて優れたフェノール樹脂成形材料を提供するに
ある。
【0004】
【課題が解決するための手段】本発明は、(a)フェノ
ール樹脂、(b)ヘキサメチレンテトラミン、(c)ブ
ロックイソシアネート、(d)充填剤を含有することを
特徴とするフェノール樹脂成形材料に関するものであ
る。本発明のフェノール樹脂は、フェノール類とホルム
アルデヒド類との反応で得られる通常のノボラック型フ
ェノール樹脂が用いられる。該フェノール樹脂のフェノ
ール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル、ナフトール、P−t−ブチルフェノール、ビスフェ
ノールA、レゾルシン等の1価並びに多価のフェノール
類およびそれらの置換体の1種または2種以上を例示す
ることが出来る。該ホルムアルデヒド類としては、ホル
マリン、パラホルムアルデヒドなどをあげることが出来
る。また本発明のフェノール樹脂は芳香族炭化水素樹
脂、ジメトキシパラキシレン、ジシクロペンタジエンな
どで適宜変性したものを用いることが出来る。
【0005】本発明のヘキサメチレンテトラミンとして
は通常のフェノール樹脂の硬化剤として用いられる粉末
状のものが用いら、フェノール樹脂100重量部に対し
て7〜30重量部、好ましくは12〜20重量部配合し
て用いられる。本発明のブロックイソシアネートは、ア
ルコール類、フェノール類、オキシム類、アミン類、ア
ミド類、イミド類、ラクタム類、β−ジカルボニリック
化合物などのブロック剤でブロックされたポリイソシア
ネートであり、100℃以下の温度では不活性である
が、130℃以上の高温ではイソシアネートとブロック
剤に解離するものが用いられる。該ブロック剤として
は、フェノール、クレゾール、3,5−キシレノール、
イソノニルフェノール、メチルエチルケトオキシム、ε
−カプロラクラム、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチ
ル、ベンゾトリアゾールなどを例示することが出来る。
該ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ポリメリックMDI、キシレンジイソシア
ネート、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、水素化キシレンジイソシアネート、水素
化MDI、ヘキサメチレンジイソシアネートなどを例示
することが出来、これらの1種又は2種以上を用いるこ
とが出来る。好ましいイソシアネートはポリメリックM
DIであり、また好ましいブロック剤は3,5−キシレ
ノール又はε−カプロラクタムである。本発明におい
て、ブロックイソシアネートはフェノール樹脂100重
量部に対して3〜40重量部、好ましくは5〜20重量
部配合して用いられる。配合量が少ないと硬化促進効果
がなくなり、多いと硬化物の機械的特性及び熱的特性を
低下させる。
【0006】本発明の充填剤としては、木粉、パルプ
粉、各種織物粉砕物、熱硬化性樹脂積層板・成形品の粉
砕品などの有機質のもの、シリカ、アルミナ、水酸化ア
ルミニウム、ガラス、タルク、クレー、マイカ、炭酸カ
ルシウム、カーボンなどの無機質の粉末のもの、ガラス
繊維、カーボン繊維、アスベストなどの無機質繊維が用
いられ、これらの1種又は2種以上を用いることが出来
る。これらの充填剤はフェノール樹脂100重量部に対
して50〜150重量部配合して用いられる。本発明に
おいて、必要により難燃剤、着色剤、離型剤などの添加
剤を適宜配合して用いることができる。また、本発明に
おいて、必要によりレゾール型フェノール樹脂、レゾル
シン、ビスフェノールF、ビフェノールなどのフェノー
ル化合物をフェノール樹脂100重量部に対して20重
量部以内で適宜配合して用いることが出来る。本発明の
フェノール樹脂成形材料は、フェノール樹脂、ヘキサメ
チレンテトラミン、ブロックイソシアネート、充填剤及
び各種添加剤を配合し、ロールミル、2軸混練機などで
溶融混練し、冷却後、粉砕などの通常の方法で製造する
ことが出来る。
【0007】
【作用】本発明のフェノール樹脂成形材料は、90〜1
25℃の可塑化溶融状態で著しく熱安定性が優れてお
り、金型内での150〜200℃での硬化性が極めて優
れている。この理由は十分に明かではないが、ブロック
イソシアネートは成形材料が可塑化溶融状態のときは不
活性であるが、金型内の温度では解離し、解離したイソ
シアネートがヘキサメチレンテトラミン、及びフェノー
ル樹脂とヘキサメチレンテトラミンとの反応中間体と反
応して、硬化構造を形成することによると考えられる。
また、ブロック剤が、3,5−キレノールのような場合
には、解離した3,5−キレノールがフェノール樹脂と
ヘキサメチレンテトラミンとの硬化反応を促進するた
め、さらに硬化性が向上するものと考えられる。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。ここ
において「部」は重量部を表す。 [実施例1]フェノールとホルムアルデヒドとの反応で
得たノボラック樹脂(数平均分子量800)を44部、
ヘキサメチレンテトラミン粉末を7部、3,5−キシレ
ノールでブロックされたポリメリックMDIを20部、
木粉30部、炭酸カルシウム10部、離型剤2部を混合
し、2本ロールミルにて溶融混練し、冷却後粉砕してフ
ェノール樹脂成形材料を得た。 [実施例2]実施例1のブロックイソシアネートの代わ
りに、ε−カプロラクタムでブロックされたトリレンジ
イソシアネートを20部用い、実施例1と同様にしてフ
ェノール樹脂成形材料を得た。
【0009】[実施例3]実施例1のブロックイソシア
ネートの代わりに、メチルエチルケトオキシムでブロッ
クされたMDIを20部用い、実施例1と同様にしてフ
ェノール樹脂成形材料を得た。 [比較例1]フェノールとホルムアルデヒドとの反応で
得たノボラック樹脂(数平均分子量800)44部、ヘ
キサメチレンテトラミン粉末7部、水酸化カルシウム4
部、木粉32部、炭酸カルシウム11部、離型剤2部を
混合し、2本ロールミルにて溶融混練し、冷却後粉砕し
てフェノール樹脂成形材料を得た。
【0010】実施例1〜3及び比較例1で得たフェノー
ル樹脂の材料特性を表1に示す。
【表1】
【0011】表1の熱安定性は可塑化溶融状態での成形
材料の熱安定性を表すものであり、次の方法で測定した
ものである。100℃に保たれたラボプラストミル(東
洋精機株式会社製)に粉末状の成形材料を28g仕込
み、ロータを回転させて成形材料を可塑化溶融させ、ロ
ータ回転のトルクを測定する。樹脂の硬化進行によって
粘度が増大するにしたがってトルクは増大し、ついには
流動性を失ってトルクが急激増加する。測定開始からこ
の急にトルクが立ち上げるまでの時間を測定し、この時
間を熱安定性とした。時間が長いほど熱安定性が良好で
ある。表1の硬化性は金型内での成形材料の硬化速度を
表すものであり、直径50mm,厚さ3mmのキャビテ
ィーを有し、175℃に保たれた金型を有するトランス
ファー成形機に高周波予熱機で100〜105℃に余熱
されたタブレット状の30gの成形材料を仕込んで40
秒間成形し、ついで成形品を取り出し10秒後の成形品
硬度をバーコール硬度計No.935で測定したもので
ある。硬度が高いほど硬化速度が早く、硬化性が優れて
いる。
【0012】表1から、実施例1〜3に示した本発明の
フェノール樹脂成形材料は、比較例1の従来のフェノー
ル樹脂成形材料に比較して、極めて熱安定性に優れかつ
硬化性も優れていることがわかる。また、実施例1〜3
及び比較例1のフェノール樹脂成形材料を射出成形し、
途中で成形機を停止してシリンダー内に可塑化溶融状態
の成形材料をそのまま静置したところ、実施例1〜3の
材料はいずれも90分間放置したのちも、成形機を再運
転すると、成形が出来たが、比較例1の材料は30分間
放置すると、シリンダー内で硬化しまい、再運転するこ
とは困難であった。
【0013】
【発明の効果】上記の実施例からもわかるように、本発
明のフェノール樹脂成形材料は可塑化溶融状態での熱安
定性と高温時の硬化性が極めて優れている。このため、
特に射出成形において、射出成形機のシリンダー内で可
塑化溶融樹脂の硬化反応の進行が著しく抑制され、かつ
金型内では急速に硬化するため、幅広い成形条件に適応
出来、極めて成形加工性に優れている。また、本発明の
フェノール樹脂成形材料は可塑化溶融状態での熱安定性
が極めて優れているため、スプルー・ランナーレス成形
にも極めて適している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)フェノール樹脂、(b)ヘキサメ
    チレンテトラミン、(c)ブロックイソシアネート、
    (d)充填剤を含有することを特徴とするフェノール樹
    脂成形材料。
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