JP3168259B2 - 揺動支点型てこ装置を用いた自転車 - Google Patents

揺動支点型てこ装置を用いた自転車

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JP3168259B2
JP3168259B2 JP32909297A JP32909297A JP3168259B2 JP 3168259 B2 JP3168259 B2 JP 3168259B2 JP 32909297 A JP32909297 A JP 32909297A JP 32909297 A JP32909297 A JP 32909297A JP 3168259 B2 JP3168259 B2 JP 3168259B2
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62MRIDER PROPULSION OF WHEELED VEHICLES OR SLEDGES; POWERED PROPULSION OF SLEDGES OR SINGLE-TRACK CYCLES; TRANSMISSIONS SPECIALLY ADAPTED FOR SUCH VEHICLES
    • B62M1/00Rider propulsion of wheeled vehicles
    • B62M1/24Rider propulsion of wheeled vehicles with reciprocating levers, e.g. foot levers
    • B62M1/26Rider propulsion of wheeled vehicles with reciprocating levers, e.g. foot levers characterised by rotary cranks combined with reciprocating levers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、揺動支点型てこ
装置を用い、人力例えば足で漕いで進む陸上で用いられ
る自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自転車は、チェーン歯車の軸の両
側に180度の位相差を持って固定されたクランク状の
ペダルを両足で交互に踏むことによりチェーン歯車を回
転させ、このチェーン歯車の回転をチェーンを介して後
輪に伝え、推進するように構成されている。
【0003】ここで、チェーン歯車の軸に発生するトル
クはこの軸からペダルまでの距離とペダルの回転軌跡の
接線方向の力との積で表されるが、人間の足の力には限
りがあるので、このトルクを大きくするにはチェーン歯
車の軸からペダルまでの距離を長くとる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自転車のペダルの回転軌跡の直径は人間の足の長さに基
づいて決定されているので現行のものより長くするとペ
ダルを漕ぐのが困難になり、効率も悪くなり安定性でも
問題があるなどいろいろの不都合が生じる。
【0005】また、チェーン歯車の回転を後輪に伝達す
るためにチェーンを用いているが、このチェーンは外れ
たり、切れたりすることからその取扱が面倒であり、ま
たチェーン全体を覆うカバーを用いなければならないな
ど問題が多い。そこで、この発明は、チェーンを用いず
に従来の自転車に比べて楽に推進力が得られる揺動支点
型てこ装置を用いる自転車を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の自転車は、ハ
ンドルを有するフレームと、このフレームの前後に夫々
回転自在に取り付けられた第1、第2の車輪と、前記フ
レームに固定され水平方向に延びた第1、第2の案内部
材と、この第1、第2の案内部材の案内溝に沿って回転
移動する第1、第2のローラと、この回転移動する第
1、第2のローラに夫々軸支された揺動支点を有し水平
方向に延びた第1、第2のてこ部材と、この第1、第2
のてこ部材の力点に形成された第1、第2のペダルと、
前記第1、第2のてこ部材の作用点に夫々結合され互い
に出力軸に関して180度の位相差を持ってこの出力軸
に結合された第1、第2のクランク装置と、前記出力軸
を前記第1、第2の車輪の内の一方の車輪の車軸に結合
するギア装置とを具備し、前記ギア装置は変速ギア装置
を含み、前記フレーム上にこの変速ギア装置のギア比を
切替える切替え装置が設けられ、さらに前記第1、第2
の車輪の回転を制限するブレーキ装置が設けられたこと
を特徴として構成される。
【0007】また、この発明の3輪自転車は、ハンドル
に直結された操舵可能の1個の前輪と後輪車軸により互
いに結合された2個の後輪とを有する自転車本体と、前
記後輪車軸上に固定された後輪ギアと、この後輪ギアの
中心に対して互いに対称の偏心位置に夫々設けられた第
1、第2のクランクピンと、この第1、第2のクランク
ピンを作用点として夫々回転自在に軸着された第1、第
2のてこ部材と、この第1、第2のてこ部材の前端部に
夫々回転自在に取り付けられた第1、第2のペダルと、
前記第1、第2のてこ部材の後端部に夫々回転自在に取
り付けられた第1、第2のローラと、前記第1、第2の
ローラを前後方向に移動自在に保持して揺動支点を構成
する第1、第2の案内部材とを具備し、前記後輪ギア
は、変速ギア装置を含み、前記自転車本体上にこの変速
ギア装置のギア比を切替える切替え装置が設けられ、前
記前輪および後輪の少なくとも一方の回転を制限するブ
レーキ装置が設けられたことを特徴として構成される。
【0008】また、この発明の手操作自転車は、フレー
ムと、このフレーム上に回転自在に取り付けられた1個
の前輪と2個の後輪と、前記2個の後輪を結合する車軸
上に固定された後輪ギアと、この後輪ギアの中心に対し
て偏心位置に設けられたクランク軸と、このクランク軸
を作用点として回転自在に軸着されたてこ部材と、この
てこ部材の前端の力点部に形成された握り部と、前記て
こ部材の後端の支点部に回転自在に取り付けられたロー
ラと、前記ローラを前後方向に移動自在に保持する案内
部材とから構成される。
【0009】また、この発明の自転車は、ハンドルに直
結された操舵可能の1個の前輪と後輪車軸上に結合され
た少なくとも1個の後輪とを有する自転車本体と、前記
後輪車軸上に固定された後輪ギアと、この後輪ギアに噛
合された駆動ギアと、この駆動ギアの中心に対して互い
に対称の偏心位置に夫々設けられた第1、第2のクラン
クピンと、この第1、第2のクランクピンを作用点とし
て夫々回転自在に軸着された第1、第2のてこ部材と、
この第1、第2のてこ部材の前端部の力点に相当する位
置に夫々回転自在に取り付けられた第1、第2の力点ロ
ーラと、前記第1、第2のてこ部材の後端部に夫々回転
自在に取り付けられた第1、第2の支点ローラと、前記
第1、第2の力点ローラとともに揺動力点レギュレータ
を構成するために前記第1、第2の力点ローラを前後方
向に移動自在に保持する第1、第2の力点案内部材と、
前記第1、第2の支点ローラとともに揺動支点レギュレ
ータを構成するために前記第1、第2の支点ローラを前
後方向に移動自在に保持する第1、第2の支点案内部材
と、前記第1、第2の力点案内部材に対して垂直方向に
固定された第1、第2のピストンロッドと、この第1、
第2のピストンロッドの上端に夫々取り付けられた第
1、第2のペダル板とから構成される。
【0010】上記の構成により、チェーンを用いずに従
来と同じ程度の足のストロークにより或いは手のストロ
ークにより従来の自転車に比べて楽に安定な状態で推進
力が得られる揺動支点型てこ装置を用いた自転車を提供
することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1はこの発明を適用し
た実施例の構成を概略的に示す正面図である。図1の実
施例では通常の自転車と同様に前輪11と後輪12の直
径は互いに等しく設定されるが、必要に応じてこの前輪
11と後輪12の直径を互いに異なる値に設定しても構
わない。
【0012】前輪11の車軸11Aは縦フレーム15の
下半分に形成された二股部15Aの先端に固定され、上
端には水平に握り16Aを有する操向装置としてのハン
ドル16が固定される。
【0013】縦フレーム15を回転自在に保持する保持
部15Bからは2本の中央フレーム17A,17Bが水
平および下方に夫々延び、その先端部には縦フレーム1
5とほぼ平行にサドルフレーム19がマウントされる。
このサドルフレーム19の先端に取り付けたサドル21
の高さは必要に応じて図示しない調節ネジにより調節で
きるように構成されている。縦フレーム15は2本の中
央フレーム17A,17Bとの結合部で保持部15Bで
回転自在に保持され、自由にハンドル16を回して自転
車の進行方向を変える事ができる。
【0014】2本の中央フレーム17A,17Bの先端
からはさらに2本の後部フレーム23A,23Bが延び
出し、先端が互いに結合されて後輪12の車軸24を水
平に保持する。この車軸24の両端には夫々ギア25
A,25Bが固定される。図1では自転車の進行方向右
側のギア25Aに関連する構成が示されている。後輪1
2と車軸24とは図2を参照して後述するように、ワン
ウエイクラッチ45を介して結合される。
【0015】ギア25Aにはこれより直径の大きいギア
26Aが噛合され、このギア26Aの軸27Aに対して
偏心した位置にはクランクピン28Aが取り付けられ
る。さらにこのクランクピン28Aには右側のペダルア
ーム30Aの後端部が回動自在に軸支される。
【0016】このペダルアーム30Aの前端部には右側
のペダル31Aが回転自在に取り付けられ、ペダルアー
ム30Aの後部寄りの位置にはローラ32Aが回転自在
に軸支される。このローラ32Aは支持体33Aに形成
された案内溝35Aの中を前後の方向に自由に移動可能
となっている。この部分の構成は図2を参照してさらに
詳細に説明する。
【0017】このペダルアーム30Aはローラ32Aに
軸支されている点を支点とするてこ装置を構成するもの
で、力点であるペダル31Aを踏み込むことによりペダ
ル31Aは偏平な半円弧の軌跡Xに沿って時計方向に矢
印の行程を移動しながら約35度の角度の範囲で偏平回
転運動を行う。
【0018】これに伴い、ペダルアーム30Aのてこと
しての作用点である後端は、クランクピン28Aを介し
てギア26Aをその軸27Aの回りに反時計方向に回転
させる。その際、ローラ32Aの軸は揺動支点として案
内溝35A中を前後の方向に往復移動する。
【0019】このギア26Aの反時計方向の回転により
右側の後輪ギア25Aが時計方向に回転駆動され後輪1
2が時計方向に回転駆動され、自転車が前進する。左側
のペダルアームについても同様の推進機構になってお
り、左右の足で交互にペダル31A,31Bを踏み込む
ことにより自転車を楽に走行させることができる。
【0020】以下、図2、図3を参照して図1に示した
実施例の推進機構を更に詳細に説明する。図2は後輪1
2を外した状態での左右の推進機構の部分を示す断面
図、図3は図1に示した右側の推進機構の部分を拡大し
て示した側面図である。
【0021】図2において、ペダルアーム30A、30
Bの後端にはそれぞれベアリング34A,34Bが固定
され、このベアリング34A,34Bの回転軸として左
右のクランクピン28A、28Bの先端が突出させて固
定される。
【0022】このクランクピン28A、28Bの先端部
分は夫々ギア26A、26Bの周辺部に近い部分に偏心
して回転自在に結合される。ギア26A、26Bは夫々
ベアリング37A,37Bを介して軸27A,27Bに
回転自在に取り付けられ、この軸27A,27Bは夫々
水平フレーム23B上に固定された支持フレーム39
A,39B上に固定された支持フレーム38A,38B
上に取り付けられる。この支持フレーム38A,38
B、39A,39B上には前記車軸24が回転自在に支
持される。
【0023】この支持フレーム38A,38Bにはペダ
ルアーム30A、30Bに軸支されたローラ32A,3
2Bを案内するための案内溝35A,35Bを有する支
持体33A、33Bが固定される。
【0024】図3は図1に示した右側のギア26Aおよ
び支持体33Aの部分を拡大して示す図で、図2の右側
水平フレーム23B上に固定された支持フレーム39A
には支持フレーム38Aが複数の固定ねじ40によって
固定される。この支持フレーム38Aには案内溝35A
を有する支持体33Aが複数のねじ41により強固に固
定される。
【0025】この案内溝35Aの上下の幅はローラ32
Aの直径とほぼ同等に形成されるが、ローラ32Aが案
内溝35Aから外れてしまわないように案内溝35Aの
側面開口部は図3に示すようにローラ32Aの直径より
所定寸法だけ狭くなるように形成されている。
【0026】図2において、車軸24の中央部分にはワ
ンウエイクラッチ45が取り付けられ、これに対して図
1のように後輪12が取り付けられる。このような構成
を有する自転車に乗るときは、図1において、サドル2
1に腰掛けて左右の足を夫々ペダル31B,31Aに乗
せ、例えば右側のペダル31Aを図1の位置から下に踏
み込む。
【0027】ペダル31Aを踏み込んでいくと、ローラ
32Aを支点としてペダルアーム30Aが時計方向に回
転し、クランクピン28Aを介してギア26Aが反時計
方向に回転する。このギア26Aの回転に伴ってギア2
5Aが時計方向に回転され、車軸24が時計方向に回転
し、ワンウエイクラッチ45を介して後輪が回転して自
転車が推進せしめられる。
【0028】車軸24の回転は左側のギア25Bに伝達
され、ギア26Bが反時計方向に回転し、クランクピン
28Bを介して結合された左側のペダルアーム30Bが
ローラ32Bの軸を支点として反時計方向に回転し、ペ
ダル31Bが持ち上げられる。
【0029】クランクピン28A,28Bは軸27A,
27Bに関して丁度180度の位相差を持つように夫々
ギア26A,26B上に偏心して取り付けられているの
で、ペダル31Aが軌跡Xにおけるその行程の最も低い
位置にくると、反対側のペダル31Bはその行程の最も
高い位置にくる。
【0030】この状態で今度は左足でペダル31Bを踏
み込んで行くと、ローラ32Bを支点としてペダルアー
ム30Bが時計方向に回転し、クランクピン28Bを介
してギア26Bが反時計方向に回転する。このギア26
Bの回転に伴ってギア25Bが時計方向に回転され、車
軸24が時計方向に回転して自転車が推進せしめられ
る。
【0031】このようにして、ペダル31A,31Bの
運動の軌跡は曲線Xで示した半円形状の閉曲線となる。
この半円形状の軌跡Xは極めて偏平であるから、ほとん
ど足を上下に往復させるだけのような感じでペダル31
A,31Bを漕ぐことができる。しかもその足の上下の
方向はこの実施例では僅かに斜め上方と斜め後方との間
で往復させることになり、平地での歩行における足踏み
状態と同じであり、従来の自転車を漕ぐときのペダルの
回転に合わせた脚の回転運動とは異なり、極めて自然な
足の上下運動であるため力のロスが無く、疲労が少なく
て済む。
【0032】しかも従来のようなチェーンを用いないの
で機構が簡単になり、保守も容易である。なお、図1に
示したペダル31A,31Bは軌跡Xに沿って時計方向
に移動するようにした例であるが、ペダル31A,31
Bを反時計方向に回動するようにもできる。この場合は
ギア26Aと25Aとの間に他のギアを一段噛ませるこ
とにより容易に実現できる。
【0033】この軌跡Xに沿って反時計方向に回動する
ようにペダル31A,31Bを踏み込む場合、足の上下
の方向は図1の実施例よりさらに斜め上方と斜め後方と
の間で往復させることになり、平地での歩行における足
を後方にけり出す状態に更に近くなり、従来の自転車を
漕ぐときのペダルの回転に合わせた脚の回転運動とは異
なり、歩行時の極めて自然な足の上下運動に近いため力
のロスが無く、疲労が少なくて済む。
【0034】図1ないし図3に示した実施例はてことし
て働くペダルアーム30A,30Bの力点であるペダル
31A,31Bと作用点であるクランクピン28A,2
8Bとの間に揺動支点であるローラ32A,32Bを設
けたいわゆる内支点型のてこによる推進装置を構成した
が、同様にしてペダルアームの一方の端を支点とするい
わゆる外支点型のてこによる推進装置を構成することも
できる。
【0035】図4はその一実施例を示す平面図であり、
ペダルアーム50A,50Bの力点であるペダル51
A,51Bと作用点であるクランクピン52A,52B
に対して、揺動支点であるローラ53A,53Bを外
側、即ちペダル51A,51Bに対してペダルアーム5
0A,50Bの反対側の端に設けたいわゆる外支点型の
てこによる推進装置を構成する。
【0036】その他の構成は図1ないし図3の実施例と
同様であるから簡単に説明しておく。クランクピン52
A,52Bは、後部フレーム54A,54Bに固定され
た支持フレーム55A,55B上にベアリングにより回
転自在に軸支されたギア56A,56B上の偏心位置に
固定される。このクランクピン52A,52Bにはペダ
ルアーム50A,50Bの中間位置が回転自在に結合さ
れる。
【0037】ギア56A,56Bは支持フレーム55
A,55B上に軸支された車軸57上に固定されたギア
58A,58Bと噛合される。車軸57上にはワンウエ
イクラッチ59を介して後輪60が取り付けられる。
【0038】ペダルアーム50A,50Bの後端に取り
付けられたローラ53A,53Bは、支持フレーム55
A,55B上に固定された支持フレーム61A,61B
に形成された案内溝62A,62Bに沿って前後方向に
移動自在に保持される。
【0039】図4の実施例ではペダル51Bが最も後方
の位置にあり、ペダル51Aが最も前方の位置にある状
態を示し、高さとしては図1の場合と同様にその上下の
移動範囲の丁度中間の位置で互いに同じ高さとなってい
る。
【0040】ここでペダル51Bを踏み込むと、ペダル
アーム50Bはローラ53Bの軸を支点として時計方向
に回転し、クランクピン52Bを介してギア56Bが反
時計方向に回転し、ギア58B、即ち車軸57が時計方
向に回転して自転車に図中右方向の推進力を与える。
【0041】一方、車軸57の回転によりギア58Aが
時計方向に回転し、ペダルアーム50Aはローラ53A
の軸を支点として反時計方向に回転して持ち上げられ
る。ここでペダル51Aがその最高点を過ぎた位置、即
ちピン52Aがギア56Aの軸より後方にきた位置でペ
ダル51Aを踏み込むと、ペダルアーム50Aはローラ
53Aの軸を支点として時計方向に回転し、クランクピ
ン52Aを介してギア56Aが反時計方向に回転し、ギ
ア58Aが時計方向に回転して自転車に推進力を与える
ことができる。
【0042】以下同様にしてペダル51A、51Bを交
互に踏み込むことにより図1の実施例と同様に自転車を
効率よく安定して漕ぐことができる。なお、図4の実施
例では以上の説明から明らかなようにペダル51A,5
1Bを踏み込んだときにローラ53A,53Bが後方に
移動するから、その運動の軌跡は図1の実施例の説明と
は逆に軌跡Xに沿って反時計方向の回転を示すものとな
る。したがって、軌跡Xに沿って反時計方向に回動する
ようにペダル51A,51Bを踏み込む場合、足の上下
の方向は図1の実施例よりさらに斜め上方と斜め後方と
の間で往復させることになり、平地での歩行における足
を後方にけり出す状態に更に近くなり、従来の自転車を
漕ぐときのペダルの回転に合わせた脚の回転運動とは異
なり、歩行時の極めて自然な足の上下運動に近いため力
のロスが無く、疲労が少なくて済む。
【0043】ここで、図5を参照してこの発明による揺
動支点型てこ装置を用いた推進機構と従来の自転車の推
進機構の動作の解析を対比して説明する。図5(a)は
従来の自転車のペダルの動作軌跡を示し、チェーン歯車
の回転軸100の周りに互いに180度の位相差をもっ
て設けたペダルアーム101、102の先端に夫々ペダ
ル103、104を取り付けたものとする。
【0044】図において、アーム101、102の長さ
を夫々Lとし、ペダル104に対して時計方向の回転軌
跡Yの接線方向に加えられる力をFcとすると、中心の
軸100におけるトルクT0はT0=L・Fcとなる。
【0045】一方、図4の外支点の場合の実施例の構成
を図5(b)のように簡単化して図示する。ここで、ペ
ダルアーム50Aの長さを3Lとし、ペダルアーム50
Aの動作角度をθとし、てこ部材の力点としてのペダル
51Aの軸が軌跡Xに沿って丁度θ/2回動した時の軌
跡Xの中心との直線距離を従来のペダルアームの長さと
同じLとする。すると、ペダル51Aの運動軌跡Xの接
線方向に従来と同じ力Fcが加えられると、ペダルアー
ム50Aの揺動支点であるローラ53Aの軸に生じるト
ルクTは、T=3L・Fcとなり、従来の自転車の3倍
の力が発生することになる。
【0046】ここで、例えばクランクピン52Aが描く
円の半径が1/3Lとなる位置を選んでクランクピン5
2Aをペダルアーム50A上に設けることができる。例
えば従来の自転車のペダルアームの長さLが160mm
であれば、図4の実施例のペダルアーム50Aの長さは
3×160=480mmとなり、通常の寸法の自転車の
フレーム上に充分余裕を持って取り付けることができ
る。勿論、ペダルアーム50Aの長さはもっと長くで
き、その場合はより大きなトルクを発生することができ
る。
【0047】従来の自転車はペダルがその軌跡の頂上位
置から若干前方に回転した位置、例えば時計の針では2
時の方向から最下端の6時の位置までの、角度では12
0度程度の範囲でペダルを踏み込んで推進力を与えるこ
とができるが、この発明の場合は最高部から最低部ま
で、即ちほぼ180度の範囲でペダルを踏むことができ
るので、極めて効率が良い。しかもペダルを踏み込む方
向が常に下方であり従来と比較して水平方向の成分が少
ないからより効率良く自転車を推進できる。
【0048】図6、図7にこの発明の更に他の実施例を
示す。図6の実施例は図4の実施例と同様に外支点型の
てこ装置として推進装置を構成してある。図6(a)は
平面図、図6(b)は側面図である。この実施例は3輪
式の簡易型の自転車であり、図において、前輪71は二
股に形成された前輪フレーム72の先端部に回転自在に
軸支され、前輪フレーム72はハンドルフレーム73の
下端に固定される。
【0049】ハンドルフレーム73の上端にはハンドル
74が取り付けられ、中心フレーム75の前端に形成さ
れたジョイント部76により回転自在にほぼ垂直に保持
される。中心フレーム75の後端には長方形の箱型フレ
ーム77が固定され、この箱型フレーム77には中心フ
レーム75に対して直交する方向に後輪車軸78が回転
自在に軸支される。
【0050】後輪車軸78の両端には一対の後輪79
A,79Bがベアリング80A,80Bを介して取り付
けられる。後輪車軸78の中間部には前記実施例と同様
にワンウエイクラッチを介して後輪ギア81が取り付け
られ、この後輪ギア81には駆動ギア82が噛合され
る。この駆動ギア82は箱型フレーム77上に後輪車軸
78と平行に回転軸83により回転自在に取り付けられ
る。
【0051】駆動ギア82の軸83を挟んで互いに18
0度の位相差を持つ偏心位置には一対のクランクピン8
4A,84Bが固定され、これらのクランクピン84
A,84Bにはペダルアーム85A,85Bの中間位置
が回転自在に取り付けられる。
【0052】ペダルアーム85A,85Bの先端にはペ
ダル86A,86Bが回転自在に取り付けられ、後端に
はそれぞれローラ87A,87Bが軸支される。これら
のローラ87A,87Bは、図示しないが、いずれも図
4の実施例における案内溝62A,62Bを有する支持
体61A,61Bと同様の構成の支持体により支持され
る。
【0053】図6の実施例は簡易型の自転車であり、図
1の実施例に用いられているようなサドル21に相当す
る部品は設けられていない。従って、日常的に用いられ
るより、スポーツとしてのサイクリングに用いたり、あ
るいは子供用の遊具として用いると良い。
【0054】即ち、両手でハンドル74をしっかり握
り、両足をペダル86A,86Bに乗せて交互に踏み込
む。この結果、駆動ギア82が連続的に回転され、後輪
79A,79Bが回転駆動されることになる。
【0055】図7は図6の実施例の構成を更に簡素化し
た実施例を示す。図7において図6と対応する部分は同
一の参照符号を付してある。図7において、一対の後輪
79A,79B間の車軸78の中間部に図示しないワン
ウエイクラッチを介して設けられた後輪ギア81には、
軸83により箱型フレーム77に回転自在に取り付けら
れた駆動ギア82が噛合せしめられる。
【0056】この駆動ギア82には偏心位置にクランク
ピン90が固定され、このクランクピン90には操作ハ
ンドル91がその中間位置で回転自在に取り付けられ
る。この操作ハンドル91の先端部には握り部92が取
り付けられ、その後端部にはローラ93が軸支される。
このローラ93は一対の案内板94A,94Bの間で進
行方向の斜め上方に回転自在に案内されるように構成さ
れている。この案内板94A,94Bは図示していない
が箱型フレーム77上に固定されている。
【0057】さらに前輪71と一対の後輪79A,79
Bとの間の中心フレーム75上には図7(b)に示した
ようにステップ部96Aとこれに連続して形成された腰
掛け部96Bとが取り付けられる。このステップ部96
Aと腰掛け部96Bとは図7(a)では省略されてい
る。
【0058】図7の実施例の使用に際しては、まずユー
ザは腰掛け部96Bに座り、両足をステップ部96Aに
乗せ、操作ハンドル91の先端部に形成された握り部9
2を片手または両手で握る。たとえば操作ハンドル91
が図示したP1の位置にあるときにこの操作ハンドル9
1を時計方向に引き上げると、クランクピン90が軸8
3の周りを時計方向に移動するように力が加えられ、こ
れに伴って駆動ギア82が時計方向に回転せしめられ
る。
【0059】この結果、駆動ギア82に噛合された後輪
ギア81が反時計方向に回転せしめられ、図7に示した
3輪自転車は図中左方向に前進する。次に操作ハンドル
91が図示したP2の位置に来たときにこの操作ハンド
ル91を反時計方向に押し下げると、クランクピン90
が軸83の周りを時計方向に移動するように力が加えら
れ、これに伴って駆動ギア82が時計方向に回転せしめ
られる。
【0060】このようにして操作ハンドル91をP1,
P2に位置の間で往復させることにより後輪79A,7
9Bは連続的に駆動され、3輪自転車は前進し続ける。
尚、この操作ハンドル91を手で操作するかわりに足踏
み式にしても同様に実施できる。この場合、操作ハンド
ル91を足で踏み込み、そのP2位置への復帰はワンウ
エイクラッチ機構と復帰バネとの組み合わせで良い。
【0061】図8は図6の実施例を変形した他の実施例
を示す平面図及び側面図であり、図9は図8に示した実
施例のペダル部分を拡大して示した平面図並びに側面
図、図10は図8に示す実施例の主要部の側面図を示
す。図8ないし図10において図6と共通する部分は同
様の参照符号を付してある。
【0062】図8において、ペダルアーム85A,85
Bの先端には図6の実施例に於けるペダル86A,86
Bの代わりに揺動力点レギュレータ111A,111B
の一部としてのローラ112A,112Bが回転自在に
軸支される。これらの揺動力点レギュレータ111A,
111Bは夫々ピストンロッド113A,113Bの下
端部に固定され、その上端部にはペダル板114A,1
14Bがピストンロッド113A,113Bの軸に対し
てほぼ直角に固定される。ピストンロッド113A,1
13Bは夫々上下動軸受115A,115Bによって上
下方向に自由にしかも一直線上に沿って移動可能に支持
される。これらの上下動軸受115A,115Bは支持
フレーム116上に固定され、この支持フレーム116
は中心フレーム75の前端に形成されたジョイント部7
6と長方形の箱型フレーム77との間に固定される。
【0063】つぎに図9を参照して図8に示した揺動力
点レギュレータ111A,111Bの部分の構成を詳細
に説明する。図9において、ペダルアーム85A,85
Bの先端にはローラ112A,112Bが軸118A,
118Bによって回転自在に軸支される。これらのロー
ラ112A,112Bはそれぞれ案内板119A,11
9Bに形成された水平方向にのびる案内溝120A,1
20Bの中に挿入される。この案内板119A,119
Bは夫々ピストンロッド113A,113Bの下端に固
定される。このローラ112A,112Bと案内溝12
0A,120Bを有する案内板119A,119Bとが
それぞれ揺動力点レギュレータ111A,111Bを構
成する。
【0064】以上に説明した部分以外の構成は図6と同
じであるので同一の参照符号を付してその詳細な説明は
省略する。次に図8ないし図10を参照してこの実施例
の動作を説明する。すなわちユーザは両手でハンドル7
4をしっかり握り、左右の足を夫々ペダル114A,1
14Bに乗せて交互に踏み込む。例えば、図に示した位
置から右足でペダル114Bを踏み込むと、ピストンロ
ッド113Bが押し下げられ、このピストンロッド11
3Bの下端に固定された案内板119Bを押し下げ、こ
の結果案内溝120Bに挿入されたローラ112Bに下
向きの力が加えられ、ペダルアーム85Bに揺動支点レ
ギュレータを構成するローラ87Bを中心として反時計
方向の回転力を与える。
【0065】これによりペダルアーム85Bの中間位置
に固定されたクランクピン84Bによりギア82が軸8
3の周りに時計方向に回転し、後輪79A,79Bに直
結されたギア81を反時計方向に回転せしめる。この結
果この3輪自転車は前進する。この際、クランクピン8
4Bがギア82の軸83の周りに時計方向に回転するに
つれてローラ112Bはその案内溝120Bの中を後方
に移動し、同時にペダルアーム85Bの後端に取り付け
られたローラ87Bも揺動支点レギュレータを構成する
図示しない案内溝の中で同様に後退する。しかしながら
案内溝120Bを有する案内板119Bはピストンロッ
ド113Bの下端に固定されているので、ローラ112
Bが案内溝120Bの中を後方に移動しても、ペダル1
14Bを踏み込んでピストンロッド113Bを押し下げ
る力はなんらのロスもなくペダルアーム85Bに伝達さ
れる。
【0066】ペダルアーム85Bの踏み込みにより自転
車が前進して図示の他方のペダルアーム85Aの位置ま
で下がると、このペダルアーム85Aはクランクピン8
4Aを介して図示のペダルアーム85Bの位置まで上昇
してくる。
【0067】この際、ペダルアーム85Aの先端に軸支
されたローラ112Aはその案内溝120Aの中を前方
に移動し、同時にペダルアーム85Aの後端に取り付け
られたローラ87Aも揺動支点レギュレータを構成する
図示しない案内溝の中で同様に前進する。しかしながら
案内溝120Aを有する案内板119Aはピストンロッ
ド113Aの下端に固定されているので、ローラ112
Aが案内溝120Aの中を前方に移動し,ペダルアーム
85Aが時計方向に回転しペダル114Aを取り付けた
ピストンロッド113Aは何等の抵抗もなく容易に上昇
する。
【0068】ペダル板114Aがペダル板114Bの位
置に来た時には今度は左足でこのペダル板114Aを真
下に踏み付ける。これにより今度はペダルアーム85A
が反時計方向に回転し、ギア82はクランクピン84A
を介して時計方向に回転せしめられ、ギア81を介して
自転車が前進せしめられる。
【0069】この結果、駆動ギア82が連続的に回転さ
れ、後輪79A,79Bが回転駆動され、自転車が連続
して前進駆動されることになる。なお、上記の実施例の
いずれも後輪の車軸に結合したギア装置として、変速ギ
ア装置を組み込んでも良いことは勿論であり、その変速
レバーもサドルの側、あるいはハンドル部分に組み付け
れば良い。また、ブレーキレバーも従来と同様にハンド
ルの握りの部分に組み合わせて設ければ良い。
【0070】以下、図11ないし図13を参照して変速
ギア装置を組み込んだ実施例について説明する。図11
はこの実施例の全体の構成を示すもので、基本的な構成
は図1に示した実施例と同様であり、同様の参照番号を
付してその詳細な説明は省略する。
【0071】図11において、変速レバー151は水平
に設定された中央フレーム17Aに縦方向に揺動自在に
そのほぼ中央部を軸支し、下端を中心にワイヤが貫通し
たリンク機構152を介して後輪12の車軸24に取り
付けられた変速ギア装置153の変速用のアクチェ−タ
154に結合される。
【0072】変速レバー151が図11のBの位置にラ
ッチされたときは平坦な道を走るときに通常のギア位置
であり、Aの位置が例えば坂道を登るときに用いるギア
位置である。尚、図11にはバンドル16の握り16A
の前方に位置するように取り付けられたブレーキレバー
155も示され、このブレーキレバー155はリンク機
構156を介してブレーキ装置157の一対のブレーキ
パッド158に結合され、ブレーキレバー155を握る
ことによりこのブレーキパッド158が前輪11のフレ
ーム11Aに押しつけられて制動されることになる。こ
のブレーキ装置はすでに公知であり、これ以上の説明は
省略する。
【0073】図12は変速ギア装置153の構成を示す
断面図であり、一対の支持フレーム39A,39Bの間
に車軸24が夫々軸受けフレーム159、160に嵌合
されたベアリング161、162により軸支される。
尚、この車軸24は図1の実施例と同様にペダル31
A,31Bを踏み込むことでギア25A,25Bを介し
て駆動されるが、図12では図が複雑になるので省略し
てある。
【0074】ベアリング161はナット163、ワッシ
ャ164により片持ち状態で支持フレーム39Aに固定
されたリングギアとして用いられる軸受けフレーム15
9内に固定され、同様に、ベアリング162はナット1
65、ワッシャ166により片持ち状態で支持フレーム
39Bに固定された太陽ギアとして用いられる軸受けフ
レーム160内に固定される。
【0075】軸受けフレーム159、160の外周部に
は更に他のベアリング167、168が固定され、この
ベアリング167、168の上にはギアケースとして用
いられる後輪12の車軸フレーム12Aが回転自在に嵌
合される。
【0076】軸受けフレーム159の自由端は断面がク
ランク状に屈曲した径大部170を有し、この径大部1
70の内側には内歯170Aが形成される。一方、車軸
24の中間部分でこの径大部170に対応する位置には
フランジ部24Aが形成され、このフランジ部24Aの
周端部内側には車軸24に対して互いに180度の対称
位置に一対の軸24B1、24B2が車軸24と平行に
固定され、この軸24B1、24B2には前記内歯17
0Aに噛み合う遊星ギア171A,171Bが軸支され
る。尚、この遊星ギアの数は2個に限らず1個または3
個以上であってもよいことは勿論である。
【0077】これらの遊星ギア171A,171Bは、
車軸24上にベアリング173を介して回転自在に取り
付けられた太陽ギア174と噛み合うように構成され
る。ここ太陽ギア174はワンウエイクラッチ176を
介して車軸フレーム24Aと結合され、通常の位置では
このような経路を介して車軸24の回転は後輪12に伝
達される。
【0078】太陽ギア174には複数の横穴178が形
成され、この横穴178には複数のピン180A,18
0Bが挿入されて係止され、太陽ギア174の回転とと
もに回転している。
【0079】このピン180A,180Bはスライドブ
ッシュ機構182を介して図11に示した変速用のアク
チェ−タ154に結合され、車軸24に沿ってA,B位
置を移動できるように配置されている。このスライドブ
ッシュ機構182については後述する。
【0080】一方、他方の軸受けフレーム160の外周
部には他の太陽ギア183が形成され、この太陽ギア1
83には2個の遊星ギア184が軸185A,185B
に軸支されて噛み合わされる。
【0081】この軸185A,185Bはベアリング1
87によって車軸フレーム12Aに回転自在に取り付け
られた回転体188上に固定されている。この軸185
A,185Bはピン180A,180Bとともに車軸2
4の中心からほぼ等距離に設定されているために、図1
2の車軸24の上側に示されたピン180Bの位置から
車軸24の下側に示されたピン180Aの位置にスライ
ドしたときに両者は互いに係合し合うようになる。この
ように図12は説明の簡単のために二つの異なる変速位
置を同時に示している。
【0082】変速レバー151を図11のBの位置から
Aの位置まで移動させると図示しないラチェット機構に
よりこの位置で変速レバー151がラッチされ、ピン1
80が180Bの位置から180Aの位置まで移動し
て、車軸24の回転がピン180Aから軸185A,1
85Bに伝達され、遊星ギア184A,184Bが回転
される。このとき太陽ギア183が固定されているため
に外側のリングギア190が回転され、この回転がワン
ウエイクラッチ192を介して車軸フレーム12Aに伝
達されることになる。
【0083】なお、第1の遊星ギア機構171A,17
1Bを用いた変速比に対して第2の遊星ギア機構184
A,184Bを用いた変速比が大きく設定されており、
したがって、第1の遊星ギア機構171A,171Bよ
り第2の遊星ギア機構184A,184Bが先行して回
転することになり、同じ車軸24の回転に対して第2の
遊星ギア184A,184Bを用いた場合は低速で走行
することになる。
【0084】ここで、図13(a),(b)を参照して
スライドブッシュ機構182について説明する。図11
の変速レバー151のA,Bの位置変化の動きはリンク
機構152の中心を通るワイヤ152Aを介して変速用
のアクチェ−タ154に伝達される。このアクチェータ
154は軸受けフレーム160の内部に挿入されたスラ
イドブッシュ182上に垂直に固定され、先端近傍に係
止されたコイルバネ154Aによって常時図中の下方に
引張され、軸受けフレーム160にその軸と所定角度で
傾けて形成された案内孔160Aの下端に当たって止ま
っている。この位置が通常の走行ギア位置Bである。
【0085】変速レバー151を通常位置Bから低速位
置Aに切り替えると、ワイヤ152Aが引張されてアク
チェータ154はコイルバネ154Bの引張力に抗して
上方に移動し、その位置で変速レバ−151に付属され
たラチェットにより固定されることになる。
【0086】この結果、スライドブッシュ160は図1
3(a)、(b)に示す矢印Yの方向に回転し、同時に
X方向にも移動される。これにより、スライドブッシュ
182の先端に形成されたピン180A,180Bが図
12の上半分に示した位置から図12の下半分に示され
た位置に移動し、変速ギアの噛み合わせが変化下個とに
なる。
【0087】このようにして、変速ギア装置153の変
速レバー151を操作してB位置とA位置との間で切り
替えることにより変速ギアの切換を行うことができる。
さらに、実質的にギア比を変える手段としてこの発明で
はてこ部材であるペダルアームにおけるてこ比を例えば
支点の位置を変えることで実現できることは勿論であ
る。
【0088】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
チェーンを用いずに高い効率で人間の力を利用できると
ともに、安全、軽量の揺動支点型てこ装置を用いた自転
車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した一実施例の自転車の構成を
簡単に示す側面図。
【図2】図1の実施例の後部の駆動機構の詳細な平面
図。
【図3】図1の実施例の一部を拡大して示す側面図。
【図4】他の実施例の後部の駆動機構の詳細な平面図。
【図5】従来の自転車と図4の実施例の自転車における
発生トルクの説明図。
【図6】この発明の他の実施例を示す平面図並びに側面
図。
【図7】この発明の更に他の実施例を示す平面図並びに
側面図。
【図8】この発明の更に他の実施例を示す平面図並びに
側面図。
【図9】図8に示した実施例のペダル部分を拡大して示
した平面図並びに側面図。
【図10】図8に示す実施例の主要部の側面図。
【図11】この発明の更に他の実施例の全体側面図。
【図12】図11の実施例の要部を示す断面図。
【図13】図12の一部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
11…前輪 12…後輪 15、15A…フレーム 15B…回転結合部 16…ハンドル 16A…握り 24…車軸 25A、25B…後輪駆動ギア 26A…大径ギア 28A…クランクピン 30A…ペダルアーム 31A…ペダル 32A…ローラ 35A…案内溝 153…変速ギア装置 171A,171B,184A,184B…遊星ギア 174,183…太陽ギア
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62M 1/04 B62K 5/04 B62M 25/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルを有するフレームと、 このフレームの前後に夫々回転自在に取り付けられた第
    1、第2の車輪と、 前記フレームに固定され水平方向に延びた第1、第2の
    案内部材と、 この第1、第2の案内部材の案内溝に沿って回転移動
    る第1、第2のローラと、 この回転移動する第1、第2のローラに夫々軸支された
    揺動支点を有し水平方向に延びた第1、第2のてこ部材
    と、 この第1、第2のてこ部材の力点に形成された第1、第
    2のペダルと、 前記第1、第2のてこ部材の作用点に夫々結合され互い
    に出力軸に関して180度の位相差を持ってこの出力軸
    に結合された第1、第2のクランク装置と、 前記出力軸を前記第1、第2の車輪の内の一方の車輪の
    車軸に結合するギア装置とを具備し、 前記ギア装置は変速ギア装置を含み、前記フレーム上に
    この変速ギア装置のギア比を切替える切替え装置が設け
    られ、さらに前記第1、第2の車輪の回転を制限するブ
    レーキ装置が設けられたことを特徴とする自転車。
  2. 【請求項2】 前記変速ギア装置は第1の遊星ギア機構
    と、この第1の遊星ギア機構のギア比と異なるギア比を
    有する第2の遊星ギア機構とを少なくとも含むことを特
    徴とする請求項1に記載の自転車。
  3. 【請求項3】 さらに前記出力軸に結合された第1、第
    2の車輪の内の一方の車軸には力行前進時に噛み合い、
    それ以外の時はフリーとなる一方向クラッチが形成され
    ていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1
    項に記載の自転車。
  4. 【請求項4】 ハンドルに直結された操舵可能の1個の
    前輪と後輪車軸により互いに結合された2個の後輪とを
    有する自転車本体と、 前記後輪車軸上に固定された後輪ギアと、 この後輪ギアの中心に対して互いに対称の偏心位置に夫
    々設けられた第1、第2のクランクピンと、 この第1、第2のクランクピンを作用点として夫々回転
    自在に軸着された第1、第2のてこ部材と、 この第1、第2のてこ部材の前端部に夫々回転自在に取
    り付けられた第1、第2のペダルと、 前記第1、第2のてこ部材の後端部に夫々回転自在に取
    り付けられた第1、第2のローラと、 前記第1、第2のローラを前後方向に移動自在に保持し
    て揺動支点を構成する第1、第2の案内部材とを具備
    し、 前記後輪ギアは、変速ギア装置を含み、前記自転車本体
    上にこの変速ギア装置のギア比を切替える切替え装置が
    設けられ、さらに前記前輪および後輪の少なくとも一方
    の回転を制限するブレーキ装置が設けられたことを特徴
    とする3輪自転車。
  5. 【請求項5】 フレームと、 このフレーム上に回転自在に取り付けられた1個の前輪
    と少なくとも1個の後輪と、 前記後輪の車軸上に固定された後輪歯車と、 この後輪歯車の中心に対して偏心位置に設けられたクラ
    ンク軸と、 このクランク軸を作用点として回転自在に軸着されたて
    こ部材と、 このてこ部材の前端の力点部に形成された握り部と、 前記てこ部材の後端の支点部に回転自在に取り付けられ
    たローラと、 前記ローラを前後方向に移動自在に保持する案内部材
    と、 を具備することを特徴とする手操作自転車。
  6. 【請求項6】 前記後輪は2個の車輪を互いに1本の車
    軸で結合した2輪構成を有することを特徴とする請求項
    5に記載の手操作自転車。
  7. 【請求項7】 ハンドルに直結された操舵可能の1個の
    前輪と後輪車軸上に結合された少なくとも1個の後輪と
    を有する自転車本体と、 前記後輪車軸上に固定された後輪ギアと、 この後輪ギアに噛合された駆動ギアとこの駆動ギアの中
    心に対して互いに対称の偏心位置に夫々設けられた第
    1、第2のクランクピンと、 この第1、第2のクランクピンを作用点として夫々回転
    自在に軸着された第1、第2のてこ部材と、 この第1、第2のてこ部材の前端部の力点に相当する位
    置に夫々回転自在に取り付けられた第1、第2の力点ロ
    ーラと、 前記第1、第2のてこ部材の後端部に夫々回転自在に取
    り付けられた第1、第2の支点ローラと、 前記第1、第2の力点ローラとともに揺動力点レギュレ
    ータを構成するために前記第1、第2の力点ローラを前
    後方向に移動自在に保持する第1、第2の力点案内部材
    と、 前記第1、第2の支点ローラとともに揺動支点レギュレ
    ータを構成するために前記第1、第2の支点ローラを前
    後方向に移動自在に保持する第1、第2の支点案内部材
    と、 前記第1、第2の力点案内部材に対して垂直方向に固定
    された第1、第2のピストンロッドと、 この第1、第2のピストンロッドの上端に夫々取り付け
    られた第1、第2のペダル板と、を具備することを特徴
    とする自転車。
  8. 【請求項8】 前記後輪車軸には2個の後輪が結合され
    てなることを特徴とする請求項7に記載の自転車。
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