JP3167516B2 - タウリン精製に使用したアルコールの回収方法 - Google Patents

タウリン精製に使用したアルコールの回収方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は亜硫酸塩を含有するタウ
リン溶液から、アルコールを使用したタウリン精製工程
で生じるアルコール−水溶液から、再利用可能なアルコ
ールを回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タウリンの製法としては、水産物
等の天然物からの抽出や複数の有機合成法が既に知られ
ている。
【0003】有機合成による製法としては以下の代表例
を挙げることができる。 イ) 2−クロルエチルアミン塩酸塩と亜硫酸ナトリウ
ムを反応させて製造する方法。[インダストリアル・ア
ンド・エンジニアリング・ケミストリー(Ind.En
g.Chem.,Vol.39,1947、特公昭63
−48258b号公報)]。 ロ) 2−アミノエタノール硫酸エステルと亜硫酸ナト
リウムを反応させて製造する方法[ジャーナル・オブ・
ザ・ケミカル・ソサエティー(J.Chem.So
c.,Vol.4,1943、特公平4−10467号
公報)]。
【0004】上記のイ)、ロ)いずれの反応法でも、通
常は生成するタウリンに対して過剰モル量の亜硫酸ナト
リウムを必要とするので、未反応の亜硫酸ナトリウムが
反応液に存在する。
【0005】一例を挙げると、特開昭60−23360
号公報、特開昭60−23361号公報、特公昭63−
48258号公報で開示されている方法(ストレッカー
反応)は、亜硫酸ナトリウム水溶液に2−クロルエチル
アミン塩酸塩水溶液を加え、加熱する方法である。本反
応における反応液には、一般的には、タウリンが15〜
18重量部(以下wt%と略記)、塩化ナトリウムが1
1〜17wt%、亜硫酸ナトリウムが3〜7wt%含有
されている。
【0006】タウリンの精製として反応液を冷却してタ
ウリン結晶を析出させて得る方法が既に開示されている
が、さらに高収率で精製する手段としてはアルコールを
添加して晶析を行う技術が知られている。すなわち、タ
ウリンを精製する際に、晶析母液中にアルコールを含有
させて、低温でタウリン結晶を析出させ、その後結晶の
分離を行う方法である。
【0007】この際、タウリン結晶を分離した後の晶析
母液(以後この溶液を単に濾液と呼ぶ)に使用したほと
んどのアルコール及びその他の不純物が含まれる。よっ
て濾液からのアルコールの回収は、工業的に必須であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、亜硫酸塩を含
有するタウリン溶液、例えば上記記載の亜硫酸ナトリウ
ム水溶液に2−クロルエチルアミン塩酸塩水溶液を加
え、加熱する製造法で得られる反応液からタウリンをア
ルコールにより晶析して生じた濾液は当然亜硫酸塩を含
んでいる。この濾液から蒸留によるアルコールの回収を
行うと、反応液のpHが酸性である場合、亜硫酸塩の酸
性亜硫酸塩としての存在比が増えているため、二酸化硫
黄(亜硫酸ガス)が発生してしまう。このため回収した
アルコールへ二酸化硫黄が混入し亜硫酸を生じ、回収ア
ルコールの酸性化を引き起こす。これは回収アルコール
の品質低下につながると共に回収装置等に使用する材質
が限定されるため、コスト面からみても工業的にこの方
法を使用するのは困難である。
【0009】本発明は亜硫酸塩を含有するタウリン溶液
から、アルコールを使用したタウリン精製工程で生じる
アルコール−水溶液から再利用可能なアルコールの回収
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの課
題を解決するために鋭意検討した結果、タウリン精製工
程で生じるアルコール水溶液はアルカリ性溶液下ではほ
とんど酸性亜硫酸塩及び二酸化硫黄として存在しない事
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は亜硫酸塩を含有するタ
ウリン溶液から、タウリンをアルコールにより晶析する
精製工程で生じた濾液である、アルコール−水溶液のp
HをpH調整剤により8以上に調整し、蒸留することを
特徴とするアルコールの回収方法である。
【0012】本発明方法における亜硫酸塩を含有するタ
ウリン溶液は、例えば、亜硫酸ナトリウム水溶液に2−
クロルエチルアミン塩酸塩水溶液を加え、加熱するタウ
リン製造法で未反応の亜硫酸ナトリウムが残存するよう
なタウリン反応液である。含有する亜硫酸塩の種類につ
いては酸性溶液下で二酸化硫黄を発生しうれば特に限定
はされない。また含有する濃度についても特に限定され
ない。
【0013】本発明方法のタウリン精製に使用するアル
コールについては、水と任意に混和するものであれば特
に限定はされないが、メタノールまたはエタノールが特
に好ましい。回収する溶液のアルコール濃度についても
特に限定されないが、好ましくは20wt%以上であ
る。
【0014】本発明方法のタウリン精製工程で生じるア
ルコール−水溶液とは、例えばタウリンを精製する際
に、晶析母液中にアルコールを含有させて、低温でタウ
リン結晶を析出させ、その後タウリン結晶の分離を行い
生じる晶析母液である。結晶の分離には、通常の濾過器
を使用することができる。工業的には遠心分離機やベル
ト濾過器等の一般的な固液分離機器が利用できる。
【0015】蒸留する際の濾液のpH範囲は、8以上で
好ましくは8〜9である。8未満では二酸化硫黄混入に
よる回収アルコールの酸性化がみられ、9以上であると
他の低沸点のアルカリ成分(例えばアンモニア)が存在
した場合、その混入が品質上無視できなくなる恐れがあ
る。pH調整時期も回収操作時に調整されていれば良く
特に限定はされないが、好ましくは精製工程後生じたア
ルコール−水溶液の時点で行うのがよい。pH調整剤も
中和できるものであれば限定はされない。例えば酸性溶
液の場合は水酸化ナトリウムで行うことができる。
【0016】本発明の濾洗液の蒸留操作はアルコールが
効果的に分離されれば、操作圧、操作方式に特に限定は
されない。例えば還流等により精留を行うこともでき
る。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 特開昭63−48258号公報で示された方法により合
成されたタウリン反応液にメタノール濃度40wt%に
なるようメタノールを添加後、0℃でタウリン結晶を析
出させ、結晶を分離して濾液を得た。この濾液350g
を用いて検討を行った。同濾液は、タウリン3.3g、
塩化ナトリウム28.4g、メタノール156.1g、
亜硫酸ナトリウムとして3.3gを含有し、またpHは
6.1であった。この濾液に水酸化ナトリウム0.8g
添加し、pHを8.0に調整した。濾液からのメタノー
ルの回収は常圧で、回分蒸留を8時間行った。その結果
回収メタノール152.4gを得た。メタノール純度は
95.3wt%で、亜硫酸イオン濃度は10ppm以下
であった。又、回収メタノールのpHは8.2で、メタ
ノール回収率は94.1%であった。
【0018】実施例2 実施例1と同じ濾液350gを用いて検討を行った。こ
の濾液に水酸化ナトリウム1.2g添加し、pHを8.
5に調整した。濾液からのメタノールの回収は常圧で、
回分蒸留を8時間行った。その結果回収メタノール15
7.9gを得た。メタノール純度は92.3wt%で、
亜硫酸イオン濃度は10ppm以下であった。又、回収
メタノールのpHは8.9で、メタノール回収率は9
4.3%であった。
【0019】実施例3 実施例1と同じ濾液350gを用いて検討を行った。こ
の濾液に水酸化ナトリウム1.8g添加し、pHを9.
0に調整した。濾液からのメタノールの回収は常圧で、
回分蒸留を8時間行った。その結果回収メタノール15
8.6gを得た。メタノール純度は91.5wt%で、
亜硫酸イオン濃度は10ppm以下であった。又、回収
メタノールのpHは8.5で、メタノール回収率は9
3.8%であった。
【0020】実施例4 実施例1と同じ濾液350gを用いて検討を行った。こ
の濾液に水酸化ナトリウム2.7g添加し、pHを1
0.0に調整した。濾液からのメタノールの回収は常圧
で、回分蒸留を8時間行った。その結果回収メタノール
162.5gを得た。メタノール純度は89.7wt%
で、亜硫酸イオン濃度は10ppm以下であった。又、
回収メタノールのpHは8.4で、メタノール回収率は
94.2%であった。
【0021】比較例1 実施例1と同じ濾液350gを用いて検討を行った。濾
液のpHは未調整で6.1であった。濾液からのメタノ
ールの回収は常圧で、回分蒸留を8時間行った。その結
果回収メタノール165.9gを得た。メタノール純度
は90.4wt%で、亜硫酸イオン濃度は1800pp
mであった。又、回収メタノールのpHは2.4で、メ
タノール回収率は96.1%であった。
【0022】比較例2 実施例1と同じ濾液350gを用いて検討を行った。こ
の濾液に水酸化ナトリウム0.1g添加し、pHを7.
0に調整した。濾液からのメタノールの回収は常圧で、
回分蒸留を8時間行った。その結果回収メタノール15
6.3gを得た。メタノール純度は94.7wt%で、
亜硫酸イオン濃度は560ppmであった。又、回収メ
タノールのpHは2.6で、メタノール回収率は95.
5%であった。
【0023】比較例3 実施例1と同じ濾液350gを用いて検討を行った。こ
の濾液に水酸化ナトリウム0.4g添加し、pHを7.
5に調整した。濾液からのメタノールの回収は常圧で、
回分蒸留を8時間行った。その結果回収メタノール15
4.3gを得た。メタノール純度は94.1wt%で、
亜硫酸イオン濃度は230ppmであった。又、回収メ
タノールのpHは2.8で、メタノール回収率は93.
9%であった。
【0024】実施例5 実施例1と同じ濾液400gを用いて検討を行った。こ
の濾液に水酸化ナトリウム0.9g添加し、pHを8.
0に調整した。その後常圧で、還流比0.4の条件で、
メタノールの精留を行った。その結果回収メタノール1
72.5gを得た。メタノール純度は99.5wt%
で、亜硫酸イオン濃度は10ppm以下であった。又、
回収メタノールのpHは8.8で、メタノール回収率は
98.0wt%であった。亜硫酸イオンの分析は以下の
方法で行った。試料約5gを正確にはかり、あらかじめ
三角フラスコにとったN/10ヨウ素溶液10ml中に
加える。次に酢酸:水(1:2)を5mlを加え混合
後、5分間暗所で放置する。その後、過剰のヨウ素をデ
ンプン溶液を指示薬としてN/10チオ硫酸ナトリウム
溶液で逆滴定を行い、亜硫酸イオン濃度を算出した。
【0025】
【発明の効果】本発明により、亜硫酸塩を含有したタウ
リン溶液からアルコールを使用したタウリン精製工程に
おいて生じたアルコール−水溶液から、二酸化硫黄の混
入による酸性化を防いだ再利用可能なアルコールの回収
方法が示された。これは品質向上及び回収装置の材質面
から見た低コスト化に連がり、その工業的意義は大き
い。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−48258(JP,A) 特開 昭60−23360(JP,A) 特開 昭60−23361(JP,A) 特開 平3−188056(JP,A) 「化学大辞典1」共立出版(1989年) 第338頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 309/00 C07C 303/00 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硫酸塩を含有するタウリン溶液から、
    タウリンをアルコールにより晶析する精製工程で生じた
    濾液である、アルコール−水溶液のpHをpH調整剤に
    より8以上に調整し、蒸留することを特徴とするアルコ
    ールの回収方法。
  2. 【請求項2】 精製に使用するアルコールがメタノール
    またはエタノールである請求項1記載の回収方法。
  3. 【請求項3】 亜硫酸塩を含有するタウリン溶液が、亜
    硫酸ナトリウム水溶液に2−クロルエチルアミン塩酸塩
    水溶液を加え加熱する製法で得られるものである請求項
    1又は2記載の回収方法。
  4. 【請求項4】 回収により得られるアルコールの亜硫
    酸イオン濃度が、10ppm以下である請求項1〜3
    載の回収方法。
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