JP3166568B2 - 溶融亜鉛めっき鋼材の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融亜鉛めっき鋼材の製
造方法、特に、高P含有鋼板に連続溶融亜鉛めっきライ
ンで合金化溶融亜鉛めっきをする場合に好適な方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電製品をはじめとする
耐久消費材の高付加価値化の一環として、高耐食性鋼板
とりわけ亜鉛めっき鋼板への需要が高まっている。なか
でも、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は溶接性や塗装後耐食
性などすぐれた機能を有すると同時に、比較的低コスト
で製造できることから前記産業分野を中心に大量に採用
されている。
【0003】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、一般に、熱
間圧延あるいは冷間圧延された鋼板を連続溶融亜鉛めっ
きライン内で焼鈍した後、密着性を改善するためのA
l、鋼材からのFeなどを少量含有する溶融亜鉛浴内へ
短時間浸漬してめっきを施し、気体絞りなどの方法によ
り付着量を制御した後、合金化処理炉と呼ばれる加熱炉
内でFe−Zn合金化反応をさせることにより製造され
る。
【0004】上記Fe−Zn合金化反応についてはこれ
までに多くの検討がなされており、鋼板中の成分、焼鈍
条件、めっき条件、合金化処理条件など様々な要因の影
響を受けることが明らかとなっている。特に鋼板中にP
を添加するとFe−Zn合金化反応速度( 以下、合金化
速度) が著しく低下することが判明している。
【0005】たとえば、特開平 5-333552 号公報には、
比較例として、特別の処理を行わずに合金化処理を行っ
た例が示されているが、めっき性、合金化度ともに満足
のいかないものとなっている。
【0006】すなわち、高P含有鋼板をめっき原板とし
た場合、表層からの加熱により合金化反応を進行させる
ためには、Pを含まない鋼板と比較して高温あるいは長
時間の合金化処理が必要となり、その結果、合金化溶融
亜鉛めっき皮膜(以下、皮膜)の組成が変化したり、合
金化反応が過度に進行しやすくなり、耐パウダリング性
の劣化に繋がるのみならず、めっき速度(ライン速度)
を低下させる場合には生産効率を落とした操業を行うこ
とに繋がる。
【0007】ところが、Pは比較的安価な強化元素とし
て熱延鋼板および冷延鋼板の強化に利用されており、近
年の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の高強度化へのニーズに
対応するために添加せざるを得ない状況にある。よっ
て、Pが添加されていることを前提とした上で、上記問
題点を亜鉛めっきプロセス側で解決すべく、下記に示す
ような多くの検討がなされてきた。
【0008】すなわち、鋼板中P含有量に応じて各種の
製造条件を調整することにより上記問題点を解決する技
術として、溶融亜鉛浴内(以下、浴中)有効Al濃度を
規定することによりめっき密着性の優れた亜鉛めっき鋼
帯を製造する技術が特開昭57-23054号公報および特開平
5-132748号公報に、鋼板の浸漬温度を規定することによ
りめっき外観、耐パウダリングの優れた亜鉛めっき鋼板
を製造する技術が特開平3-191047号公報に、それぞれ提
案されている。一方、特開平4-154937号公報には、P添
加量に応じて鋼板中にMnを複合添加することにより合
金化速度を向上させる技術が提案されている。さらに、
特開平4-333552号公報、特開平4-304389号公報、特開平
5-140714号公報、特開平5-148603号公報には、予め鋼板
表面にめっきあるいは水溶液塗布処理を行って鋼板表面
を改質してから焼鈍、めっきを行うことによりめっき密
着性の優れた亜鉛めっき鋼板を製造する技術が提案され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
57-23054号公報、特開平5-132748号公報および特開平3-
191047号公報に提案されている技術は、操業制約ひいて
は製造コスト上昇に繋がり、さらに前2者においては通
常の操業の中で浴中有効Al濃度を精度良く調整するこ
とは困難である。一方、特開平4-154937号公報に提案さ
れている技術は、鋼板の成分制約に繋がるため好ましく
ない。
【0010】さらに、特開平4-333552号公報、特開平4-
304389号公報、特開平5-140714号公報、特開平5-148603
号公報に提案されている技術は、溶融亜鉛めっきライン
入側にめっき設備などを設置する必要があり、設備コス
トの上昇ひいては製造コストの上昇に繋がり抜本的な対
策とは言えない。
【0011】本発明は、Pを含有する鋼材をめっき素材
とする場合においても、これら従来技術の有する問題点
を生ずることなく、優れた皮膜品質の溶融亜鉛めっき鋼
材を、低コストで生産性よく製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、Pを0.03〜0.
15重量%(以下、Wt%)含有する鋼材を浴中Al濃度が
0.2Wt%以下の溶融亜鉛浴で溶融亜鉛めっき後、誘導加
熱で、その周波数を5KHz以上且つ鋼材表面の溶融亜鉛
相が消滅するまでの平均加熱速度を10℃/秒以上とし
て、加熱合金化処理を行うことを特徴とする溶融亜鉛め
っき鋼材の製造方法である。
【0013】
【作用】本発明者らは、上記課題を解決するに当たっ
て、鋼材中のPの合金化反応へ及ぼす影響を詳細に調査
した結果、以下の事実が判明した。
【0014】すなわち、鋼材中のPは溶融亜鉛めっきラ
インの前工程としての焼鈍などの加熱過程において鋼材
のフェライト結晶粒界および表面に偏析する。フェライ
ト結晶粒界に偏析したPはアウトバースト反応と呼ばれ
る局所的なFe−Zn合金化反応を遅らせる。さらに、
鋼材表面に偏析したPは鋼材が亜鉛浴に浸漬された直後
に起こるFe−Al−Zn金属間化合物(Fe−Zn合
金化反応に対する抑制相として働く) の成長を促進し、
鋼材表面におけるζ相(FeZn18)形成反応を疎外す
る。高P含有鋼材の合金化反応遅延は特に後者に負うと
ころが大きい。
【0015】そこで、このような合金化反応遅延を最小
限にとどめる方法について、素材の成分調整、プレめっ
きなど特殊な操業をせずに、溶融亜鉛めっきラインの操
業条件も変更をせずに済む方法について各種検討した。
その結果、合金化処理の誘導加熱条件を規定することに
より、高P含有鋼材でも非P含有鋼材とほぼ同等の合金
化処理性を示すことを知見し本発明に至った。
【0016】めっき素材の鋼材成分としてP含有量を0.
03Wt%以上と規定する理由は、通常の誘導加熱条件の中
で合金化反応遅延が顕在化する下限であるためであり、
0.15Wt%超えでは本発明による改善効果が少なくなるば
かりか、2次加工脆性と呼ばれる粒界強度の低下や、ス
ラブ凝固時のP偏析に起因する表面欠陥が顕著になるた
め、0.15Wt%を上限とする。
【0017】誘導加熱で、その周波数を5KHz以上とし
て加熱合金化処理をすることについては以下の理由によ
る。
【0018】前述したように、高P含有鋼材の合金化反
応遅延は、鋼材表面に偏析したPが、鋼材が亜鉛浴に浸
漬された直後に起こるFe−Al−Zn金属間化合物の
成長を促し、鋼材表面におけるζ相形成反応を抑制する
ために起こる。
【0019】したがって、この抑制相を合金化処理時に
如何に破壊するかが課題となる。本発明者らの検討結果
によれば、鋼材表面に形成されたFe−Al−Zn金属
間化合物は、(1)鋼材表面のFe原子がその中を溶融亜
鉛の方向へ向かって拡散する過程、(2) Fe−Al−Z
n金属間化合物と溶融亜鉛との界面においてζ相が核発
生する過程、(3)核発生したζ相がFe−Al−Zn金
属間化合物を通ってのFeの拡散により溶融亜鉛中へ成
長する過程、(4)ζ相の直下でFe−Al−Zn金属間
化合物が消失し、δ1相(FeZn7)、Γ1相(Fe
5 Zn21)、Γ相(Fe3 Zn10)が順次形成する過
程、によってFe−Zn合金相へと変化してゆく。
【0020】つまり、鋼材表面のFe原子のFe−Al
−Zn金属間化合物内への拡散を促進することができれ
ば、合金化反応を促進することができる。
【0021】誘導加熱方式の合金化炉を用いると、直接
鋼材を直接誘導加熱するので鋼板表面のFe原子のFe
−Al−Zn金属間化合物内への拡散が促進される。
【0022】溶融めっきの場合、周波数の上昇に従い、
鋼材表層が選択的に加熱されるために、Fe原子の拡散
効果が大きくなる。
【0023】図1は、鋼板のP含有量をパラメータとし
た、誘導加熱合金化炉の周波数と、合金化速度の指標で
ある皮膜中平均Fe含有率の関係を示す。周波数の下限
を5KHzとする理由は、図1に示されるように、これ以
上の範囲で効果が顕著に現われるからである。なお、上
限については特に規定しないが、100KHz以上では効果が
飽和するばかりか、電源の設備コストが大幅に増加する
ため、100KHz以下が好ましい。
【0024】なお、前述の従来技術である特開平 5-148
603 号公報には、比較例として、無処理の鋼板を誘導加
熱により加熱合金化処理を行った例(誘導加熱の周波数
は示されていない)が示されているが、この場合の合金
化度は満足すべきものではない。この理由は、特開平 5
-148603 号公報に記載される技術においては、周波数が
5KHz未満であったためと推定される。
【0025】図1の条件は、板厚0.8 mm、浴中有効Al
濃度0.10Wt%、皮膜付着量56〜60g/m2 、連続溶融亜
鉛めっきライン(以下、CGL)のめっき速度(以下、
ライン速度)を95m/分、誘導加熱電力を1200KW一定と
して、合金化処理後の平均Fe含有量を測定し合金化速
度の指標とした。
【0026】皮膜中Fe含有量は通常8〜15Wt%程
度、特に皮膜の加工性が要求される用途には8〜12Wt
%の範囲に管理している。
【0027】使用鋼種はPの含有量を調整し、他の成分
はC0.003Wt %、Si0.02Wt%、Mn1.8Wt %、Ti0.
04Wt%、B0.0005Wt%、とFeおよび不可避不純物であ
る。
【0028】また、誘導加熱方式の特長として、急速加
熱が挙げられ、この急速加熱もFe−Al−Zn金属間
化合物の破壊に関与している。すなわち、鋼板表面の急
熱により、Fe−Al−Zn金属間化合物にクラックが
生じやすくなり、Fe原子の拡散に寄与するものと推定
する。
【0029】本発明は、各種の形状の鋼材の溶融亜鉛め
っきに適用出来、連続溶融亜鉛めっきに限定せず(例え
ば、前焼鈍、前熱処理をする鋼材など)に適用できる。
【0030】
【実施例】本発明を実施する場合に好ましい形態として
配慮すべき事項について述べる。誘導加熱をするにあた
り、鋼板表面の溶融亜鉛相が消滅するまでの平均加熱速
度を10°C/秒以上として加熱合金化処理をすること
が好ましい。
【0031】図2は、鋼板のP含有量と誘導加熱合金化
炉の加熱速度と、合金化速度の指標である皮膜中平均F
e含有率との関係を示す。加熱速度を10℃/ 秒以上のほ
うが好ましい理由は、図2に示すように加熱速度が10℃
/ 秒以上の時に効果が顕著になるためである。
【0032】また、100℃/秒以上では効果が飽和するば
かりか、電源出力が増加し、設備コストが増加するた
め、通常100℃/秒以下が好ましい。
【0033】図2の条件は、板厚0.8 mm、浴中有効Al
濃度0.12Wt%、皮膜付着量54〜57g/m2 、ライン速度
は80〜120 m/分とした。さらに、多段式誘導加熱合金
化炉において、全誘導加熱電力を1150KW(10KHz)一定と
し、誘導コイル各段のON-OFFを行うことにより加熱速度
を変化させた。合金化処理後の平均Fe含有量を測定し
合金化速度の指標とした。
【0034】使用鋼種はPの含有量を調整し、他の成分
はC0.003Wt %、Si0.02Wt%、Mn1.8Wt %、Ti0.
04Wt%、B0.0005Wt%、とFeおよび不可避不純物であ
る。
【0035】なお、合金化加熱後の保温および冷却条件
は電気炉、ガス炉、ガス冷却、ミスト冷却などいかなる
手段を用いても本発明の効果は発揮される。
【0036】なお、本発明はP含有鋼板の表面に特に強
固に形成されるFe−Al−Zn金属間化合物を合金化
処理時に効果的に破壊させることを目的にしているた
め、鋼板中のP含有量や浴中Al量が極めて多い場合に
はその効果が少なくなる。したがって、鋼板中のP含有
量は、前述のようにその上限を0.15Wt%とし、浴中Al
濃度も0.2Wt%以下、さらには0.16Wt%以下が望まし
い。しかし、他の製造条件すなわち、P以外の鋼板中の
成分、熱延条件、冷延条件、浴中Al濃度以外のCGL製
造条件の変化に対して本発明は有効に働く。
【0037】さらに、皮膜の耐食性改善あるいは合金化
反応制御を目的に溶融亜鉛めっき浴中にCo、Cr、C
u、Ni、Pb、Li、Mg、Mn、Sn、Ti、Zr
などの元素を添加しても本発明の効果は達成される。
【0038】(実施例1)表1に示すP含有量の異なる
熱延鋼板および冷延鋼板を直火加熱炉方式のCGLに通
板し合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0039】
【表1】
【0040】P以外の鋼板中の成分は、C0.012 〜0.08
Wt%、Si0.01〜0.45Wt%、Mn0.12〜1.65Wt%、S0.
001 〜0.05Wt%、SolAl0.01〜0.08Wt%、N0.0015
〜0.008Wt %、Ti0 〜0.15Wt%、B0 〜0.004Wt %、
を主体に添加した。
【0041】熱延は、加熱温度1150〜1280℃、仕上げ温
度Ar3〜Ar3+100℃、巻取り温度520〜700℃の範囲で実
施した。一部は酸洗後、1.2 mmまで冷間圧延し、冷延
鋼板とした。なお、一部は熱延ままの板厚1.2 mmの熱
延鋼板とした。
【0042】CGLは、焼鈍温度は650〜850℃、めっき
浴浸漬時の鋼板温度は440〜520℃、めっき浴温は458〜4
82℃、めっき付着量は片面あたり60±3 g/m2 とし、
ライン速度はすべて120 m/分とした。鋼板表面の溶融
亜鉛相が消滅するために必要な最低加熱板温を確保する
ために、誘導加熱出力で調整した。
【0043】本実施例の範囲の条件の内、鋼板中のP含
有量、浴中Al濃度を除いては合金化速度に影響はなか
った。すなわち、P以外の鋼板中の成分、熱延条件、冷
延条件、CGL内の焼鈍条件およびめっき条件は合金化
速度に有意な差はなかった。
【0044】鋼板中のP含有量、浴中Al量と合金化処
理条件および実際の到達板温Tmなどの関係を表1に示
す。
【0045】実施例において、耐パウダリング性はビー
ド引抜試験後の皮膜剥離量を測定することにより、皮膜
付着量に対し8%超の剥離を不良、5〜8%をやや良
好、5%未満を良好と判定した。
【0046】浴中Al量は有効Al濃度であり、浴の化
学分析値( 全Al濃度) から、Fe濃度(重量%)を差
引いた値である。
【0047】合金化ムラとはコイル幅方向および長手方
向での合金化度のムラであり、鋼板表面でのPの偏析等
により、合金化速度が局部的に遅延されるために顕著に
なる。したがって、本発明の方法により、合金化遅延が
軽減化されると合金化ムラも軽減される。
【0048】比較例16〜20および26〜28はガス加熱方式
で合金化処理を行ったため、鋼板中のPの合金化抑制効
果が顕著である。このため、板幅方向を均一に合金化す
なわち表面の亜鉛相を完全に消去して表面全体を合金相
とするために必要な最低加熱温度を高くする必要があ
る。しかし、表層からの加熱のため、皮膜の組成が変化
し、合金化反応が過度に進行しやすくなり、耐パウダリ
ング性が劣る。また、表面外観(合金化ムラ)の観点から
も劣っている。
【0049】比較例2 誘導加熱周波数が低く不均一加熱
となり、同一ライン速度では、板温を上げる必要がある
が、まだ解消せず、耐パウダリング性が劣る。
【0050】比較例9 は鋼板中のP含有量が多く合金化
速度が遅れ、同一ライン速度では、高温まで板温を上げ
る必要があるが、解消できず、耐パウダリング性が劣
り、また、表面外観(合金化ムラ)の観点からも劣ってい
る。
【0051】なお、本実施例ではライン速度を一定にし
て誘導加熱の出力調整で、加熱合金化温度を変化させた
が、加熱条件を一定とした場合には、合金化速度の早い
場合程、速いライン速度(めっき速度)で均一に合金化
が可能であり操業性に優れている。
【0052】(実施例2)表2に示すP含有量の異なる
冷延鋼板を直火加熱炉方式のCGLに通板し合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0053】
【表2】
【0054】P以外の鋼板中の成分は、C0.0018〜0.00
78Wt%、Si0.01〜0.5 Wt%、Mn0.1 〜2.3 Wt%、S
0.0056〜0.02Wt%、SolAl0.02〜0.06Wt%、N0.00
1 〜0.0066 Wt %、Nb0 〜0.045Wt %、Ti0 〜0.12
Wt%、B0 〜0.0035Wt%、を主体に添加した。
【0055】熱延は、加熱温度1150〜1280℃、仕上げ温
度Ar3〜Ar3+100℃、巻取り温度520〜700℃の範囲で実
施した。酸洗後、0.8 mmまで冷間圧延し、冷延鋼板と
した。
【0056】CGLは、焼鈍温度は800〜880℃、めっき
浴浸漬時の鋼板温度は440〜510℃、めっき浴温は458〜4
82℃、めっき付着量は片面あたり55±3 g/m2 とし、
ライン速度はすべて150 m/分とした。鋼板表面の溶融
亜鉛相が消滅するために必要な最低加熱板温を確保する
ために、誘導加熱出力で調整した。
【0057】本実施例の範囲の条件の内、鋼板中P、浴
中Al濃度を除いては合金化速度に影響はなかった。す
なわち、P以外の鋼板中の成分、熱延条件、冷延条件、
CGL内の焼鈍条件およびめっき条件は合金化速度に有
意な差はなかった。
【0058】鋼板中のP含有量、浴中Al量と合金化処
理条件および実際の到達板温Tmなどの関係を表2に示
す。
【0059】実施例に示すように、本発明によれば、高
P含有鋼板を使用したCGLでも操業性、生産性を落と
す繁雑な条件設定なしに、合金化速度を非P含有鋼板に
ほぼ匹敵するまで上昇でき、生産性の改善、製造コスト
低減が達成出来ている。
【0060】
【発明の効果】Pを含有する鋼材をめっき素材として、
合金化溶融亜鉛めっきを行うに際し、鋼材自体が直接誘
導加熱されるために、鋼材表面のFe原子のFe−Al
−Zn金属間化合物内への拡散が促進され、合金化反応
を促進出来、低コストで、生産性を高め、かつ優れた皮
膜品質の溶融亜鉛めっき鋼材を製造出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鋼板のP含有量と誘導加熱合金化炉の周波数
と合金化速度との関係を示す図1である。
【図2】 鋼板のP含有量と誘導加熱合金化炉の加熱速
度と合金化速度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 清治 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 野出 俊策 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−108154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pを0.03〜0.15重量%含有する鋼材を
    中Al濃度が0.2重量%以下の溶融亜鉛浴で溶融亜鉛め
    っき後、誘導加熱で、その周波数を5KHz以上且つ鋼材
    表面の溶融亜鉛相が消滅するまでの平均加熱速度を10℃
    /秒以上として、加熱合金化処理を行うことを特徴とす
    る溶融亜鉛めっき鋼材の製造方法。
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