JP3163892U - 炭酸軟水生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】理美容の洗浄水や浴水として毛髪や頭皮や肌の爽快感、触感、保湿性に優れた炭酸水を生成可能な装置を提供する。【解決手段】炭酸ガスを混合させた軟水を生成する炭酸軟水生成装置100であって、水道温水導入口111から導入される水道温水に含まれる硬度成分を、ナトリウムイオンに置換して除去することによって軟水を生成し、この軟水を軟水導出口112から導出する軟水器110と、軟水導入口121から導入される上記の軟水に、炭酸ガス導入口122から導入される炭酸ガスを混合させることによって炭酸軟水を生成し、この炭酸軟水を炭酸軟水導出口123から導出する炭酸ガス混合器120とを備える。【選択図】図1

Description

本考案は、炭酸ガス(炭酸成分)を混合させた水(炭酸水)を生成する炭酸水生成装置に関し、特に、理美容院(ヘアーサロン、エステティックサロン、ビューティサロン等)において、毛髪のカラーリング施術、パーマ施術、トリートメント施術、シャンプー施術時等に使用される洗浄水や浴水に適した炭酸水を生成する炭酸水生成装置に関するものである。
従来、理美容院では、シャンプー施術等においての毛髪や頭皮の洗浄水として、適切な温度に調整された水道水(水道温水)、あるいは水道配管から加温されずに直接送出された水道水(水道冷水)が使用されてきた。
さらには、水道温水あるいは水道冷水に炭酸ガスを混ぜ込んで炭酸水を生成し、この炭酸水を施術の際の洗浄水として使用する技術も提案されていた(例えば特許文献1または2参照)。
このような従来の炭酸水を生成する炭酸水生成装置としては、中空糸膜を介して炭酸ガスを水道温水中に溶かし込む構成としたもの(例えば特許文献1参照)、圧力容器内に炭酸ガスを供給するとともに水を散布して炭酸水を生成する構成としたもの(例えば特許文献3参照)等がある。
水道水は、そのpH値がおよそ6.5〜7の弱酸性〜中性の水であるが、この水道水に炭酸ガスを混合させることによって生成された炭酸水では、そのpH値が4.5〜5の酸性の水となる。このため、上記の炭酸水を使用することによって以下の効能があるとされている。
アルカリカラーリング剤やパーマ液は、そのpH値が9〜11のアルカリ性であるが、健康な毛髪や皮膚は、そのpH値が5〜6の弱酸性である。炭酸水には、上記アルカリカラーリング剤やパーマ液のアルカリ性を中和して、さらには毛髪や皮膚を弱酸性に戻す作用があるとともに、被施術者の毛表皮(キューティクル)の開きをひきしめる作用があるので、カラーリング効果やパーマのウエーブ効率を向上させることができる。
また、トリートメント剤は弱酸性であって健康な毛髪のpH値と略同じであるが、水道水は略中性である。このため、酸性の炭酸水を使用することによって、略中性の水道水を使用するよりも、トリートメント剤の有する毛髪の保護・改善性能を十分に発揮させることができるので、トリートメント効果を向上させることができる。
炭酸成分が有する蛋白質に吸着する性質によって、頭皮の毛穴に詰まった老廃物や古い角質を除去するので、炭酸水は、被施術者の頭皮にアストリンゼン効果(ひきしめ効果)を生じさせるアストリンゼン水として作用する。
なお、上記のアストリンゼン効果は施術者の手指の皮膚にも生じるので、炭酸水は、施術者の肌に優しい水として作用する。
さらに、炭酸成分が頭皮から吸収されることにより、炭酸水は、被施術者の頭皮や毛根につながる微細な末梢血管の血流を促進させる作用がある。
特開平10−314061号公報 実用新案登録第3143176号 特開2004−337846号公報
しかしながら、上記従来の炭酸水洗浄あるいは炭酸水浴では、被施術者の頭皮や施術者の肌に、荒れや痒みを生じることがあるという課題があった。
また、被施術者の毛髪については、毛表皮を痛めて十分な保護・修復効果を得ることができず、毛髪の触感に不満を生じることがあるという課題があった。
さらにまた、頭皮や肌については、保湿力の確保が不十分な場合があるという課題があった。
このように、上記従来の炭酸水生成装置においては、これによって生成された炭酸水を使用された毛髪や頭皮や肌の爽快感、触感、保湿性に欠けるという課題があった。
本考案は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、理美容の洗浄水や浴水として毛髪や頭皮や肌の爽快感、触感、保湿性に優れた炭酸水を生成可能な装置を提供することを目的としてなされたものである。
上記目的を達成するために、本考案の第1の炭酸軟水生成装置は、炭酸ガスを混合させた軟水を生成する炭酸軟水生成装置であって、水道水導入口から導入される水道水に含まれる硬度成分を、ナトリウムイオンに置換して除去することによって軟水を生成し、この軟水を軟水導出口から導出する軟水器と、軟水導入口から導入される前記軟水に、炭酸ガス導入口から導入される炭酸ガスを混合させることによって炭酸軟水を生成し、この炭酸軟水を炭酸軟水導出口から導出する炭酸ガス混合器とを備えたことを特徴とするものである。
本考案の第2の炭酸軟水生成装置は、上記本考案の第1の炭酸軟水生成装置において、炭酸ガス送入口に供給された炭酸ガスを第1分岐口と第2分岐口とに分岐させ、前記第1分岐口から送出した炭酸ガスを前記炭酸ガス導入口に導入する炭酸ガス分岐器をさらに備えたことを特徴とするものである。
本考案の第3の炭酸軟水生成装置は、上記本考案の第2の炭酸軟水生成装置において、前記炭酸ガス分岐器が、前記第2分岐口から送出した炭酸ガスを液体噴霧器に導入することを特徴とするものである。
本考案の第4の炭酸軟水生成装置は、上記本考案の第1ないし第3の炭酸軟水生成装置のいずれかにおいて、前記炭酸ガス混合器が、弁機構を開閉動作させることによって、前記軟水に間欠的に炭酸ガスを混合させた振動炭酸軟水を生成し、この振動炭酸軟水を前記炭酸軟水導出口から導出することを特徴とすることものである。
このように、本考案は、水道水に軟水化処理を施して軟水とし、この軟水に炭酸ガス(炭酸成分)を混入させて炭酸軟水を生成することを特徴とするものである。
水道水には、硬度成分(主にカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)が含まれており、これらによる脂肪酸カルシウムや脂肪酸マグネシウムが施術の際に石鹸成分等と最初に反応して、いわゆる石鹸カスの内でも毛髪や頭皮や肌においての残留性が高い金属石鹸が析出される。
水道水に炭酸ガスを混合して生成された従来の炭酸水を理美容の洗浄水や浴水として使用した場合には、上記の金属石鹸、つまり上記硬度成分の金属イオンが、施術の最初に、被施術者の毛髪や頭皮、ならびに施術者の肌に付き、施術中や施術をしたあともそのまま残留してしまうことが、毛髪や頭皮や肌の爽快感、触感、保湿力を低下させる要因になっていると考えられる。
本考案によれば、軟水器において水道水から上記の硬度成分を除去して軟水を生成し、炭酸ガス混合器においてこの軟水に炭酸ガスを混合させて炭酸軟水を生成するので、この炭酸軟水を理美容の施術等の洗浄水や浴水に使用したときに、金属石鹸の析出を抑制することができる。
従って、本考案による炭酸軟水を理美容の施術等の洗浄水や浴水に使用することにより、金属石鹸の析出・残留による炭酸水の効能低下を抑えて、炭酸水が有する本来の効能を十分に発揮させることができるので、毛髪や頭皮や肌に優れた爽快感、触感、保湿力を得ることができるという効果がある。
本考案の実施の形態1の炭酸軟水生成装置を適用した炭酸軟水理容洗浄システムの模式構成を説明する図である。 本考案の実施の形態1の炭酸軟水生成装置の構成例を説明する正面図である。 本考案の実施の形態2の炭酸軟水生成装置を適用した炭酸軟水理容洗浄システムの模式構成を説明する図である。
本考案を実施するための形態について、図面を参照しつつ、以下に詳細に説明する。
実施の形態1
図1は本考案の実施の形態1の炭酸軟水生成装置を適用した炭酸軟水理容洗浄システムの模式構成を説明する図である。
図1の炭酸軟水理容洗浄システム1は、給湯器10と、混合栓20と、止水栓30と、ノズルヘッド40と、シャンプー台50と、炭酸ガスボンベ70と、水道水配管81,82,83と、炭酸軟水配管84,85と、炭酸ガス配管91と、本考案の実施の形態1の炭酸軟水生成装置100とを備えて構成されている。
給湯器10は、水道水配管81から流入する水道冷水を、あらかじめ設定された温度の湯水に加温し、この水道湯水を水道水配管82内に流出させる。
混合栓20は、水道水配管81から流入する水道冷水と、水道水配管82から流入する水道湯水とを、施術者の操作等によって調整された割合で混合して水道温水とする。そして、この水道温水を、同じく施術者の操作等によって調整された水量で、水道水配管83内に流出させる。
炭酸ガスボンベ70は、ガス送出口71を有する。ガス送出口71には、炭酸ガス配管91の一端が配管接合されている。この炭酸ガスボンベ70は、ボンベ内部に充填された炭酸ガスを、施術者による減圧弁の操作等によってあらかじめ設定された圧力(流量)で、ガス送出口71から炭酸ガス配管91内に送出する。
炭酸ガス配管91は、例えば可撓性の金属配管であるが、剛性金属配管や樹脂配管等を使用することも可能である。
本考案の実施の形態1の炭酸軟水生成装置100は、軟水器110と、炭酸ガス混合器120とを備え、炭酸ガスを混合させた軟水(炭酸軟水)を生成する。
軟水器110は、水道温水導入口111と、軟水導出口112とを有する。水道温水導入口111には、水道温水配管83が配管接合されている。
この軟水器110は、例えばナトリウムイオンを含むイオン交換樹脂を内蔵しており、水道温水導入口111から導入される水道温水に含まれる硬度成分(主にカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)をナトリウムイオンに置換して除去することによって軟水を生成し、この軟水を軟水導出口112から導出する。
上記イオン交換樹脂の具体例としては、「日本工業規格」、「米国規格FDA21」、および「欧州議会指針AP1」に適合していて飲料水用軟水生成装置にも使用可能であって、かつ交換が容易なスチレン・ゲル型強酸性イオン交換樹脂がある。
炭酸ガス混合器120は、軟水導入口121と、炭酸ガス導入口122と、炭酸軟水導出口123とを有する。軟水導入口121には、軟水器110の軟水導出口112が直接配管接合されており、炭酸ガス導入口122には、炭酸ガス配管91の他端が配管接合されており、炭酸軟水導出口123には、炭酸軟水配管84が配管接合されている。
この炭酸ガス混合器120は、軟水導入口121から導入される軟水に、炭酸ガス導入口122から導入される炭酸ガスを混合させることによって炭酸軟水を生成し、この炭酸軟水を炭酸軟水導出口123から導出する。
このような炭酸ガス混合器120においては、逆止弁あるいは電磁弁等の弁機構を炭酸ガス導入口122の経路に設け、この弁機構を開閉動作させることによって、軟水導入口121から導入される軟水に、例えば1分間に120回〜180回、間欠的に炭酸ガスを混合させた振動炭酸軟水を生成し、この振動炭酸軟水を炭酸軟水導出口123から導出する構成とすることも可能である。
なお、図1では軟水器110の軟水導出口112と炭酸ガス混合器120の軟水導入口121とを直接配管接合した構造としているが、これらの軟水導出口112と軟水導入口121とを例えばビニール製あるいはプラスチック製のホース等の配管を介して接続した構造とすることも可能である。
また、図1では炭酸ガス配管91を介して炭酸ガスボンベ70のガス送出口71と炭酸ガス混合器120の炭酸ガス導入口122とを接続しているが、ガス送出口71と炭酸ガス導入口122とを直接配管接合した構造とすることも可能である。
止水栓30は、炭酸ガス混合器120の炭酸軟水導出口123から炭酸軟水配管84に流入した炭酸軟水(振動炭酸軟水)を、施術者等による操作によって、適量に調整して炭酸軟水配管85内に流出させ、あるいはこの炭酸軟水の流出を止水する。
この止水栓30は、シャンプー台50に固設され、あるいは取りはずし可能に設置されている。
なお、止水栓30を、シャンプー台50とは独立して設けることも可能である。
ノズルヘッド40は、炭酸軟水配管85から流入した炭酸軟水(振動炭酸軟水)を、シャンプー台50の上面に設けられているシャンプーボール(被施術者の毛髪や頭皮の洗浄施術あるいは浴水施術をするための凹面器)内に噴水する。
このノズルヘッド40は、施術者が自由にハンドリング操作等をできるようにするためにシャンプー台50から取りはずし可能に、あるいは上下動および回転可能に、シャンプー台50に設置されている。
なお、ノズルヘッド40を、シャンプー台50に固設すること、あるいはシャンプー台50とは独立して設けることも可能である。
シャンプー台50は、パーマ施術やカラーリング施術のあとに施術者によってなされる、あるいはこれらの施術をせずに単独で施術者によってなされるシャンプー施術やトリーメント施術された被施術者の毛髪や頭皮の炭酸軟水(振動炭酸軟水)洗浄、さらには被施術者の毛髪や頭皮の炭酸軟水(振動炭酸軟水)浴水をするためのシャンプーボールが設けられた貯流水台である。
図2は本考案の実施の形態1の炭酸軟水生成装置100の構成例を説明する正面図である。なお、図2において、図1と同様のものには同じ符号を付してある。
図2(a)の炭酸軟水生成装置100(100A)では、軟水器110の側面にL字型の軟水導出口112を設け、この軟水導出口112に炭酸ガス混合器120の軟水導入口121を直接配管接合することによって、軟水導出口112の軟水器110天面側に炭酸ガス混合器120を中空配置し、軟水器110の側面において炭酸ガス混合器120を支持する構成とすることによって、軟水器110とガス混合器120の一体型構造を実現している。この炭酸軟水生成装置100Aにおいては、軟水器110の底面に支持体116が設けられている。
図2(b)の炭酸軟水生成装置100(100B)では、ハウジング101に軟水器110および炭酸ガス混合器120を内蔵させることによって、1つのハウジング内において実施の形態1の炭酸軟水生成装置100の構成を実現している。この炭酸軟水生成装置100Bにおいても、上記炭酸軟水生成装置100Aと同様に、ハウジング101の底面に支持体116が設けられている。
図2(c)の炭酸軟水生成装置100(100C)では、軟水器110の側面にコの字型の軟水導出口112を設け、軟水器110の天面に炭酸ガス混合器120を載置して、軟水導出口112に炭酸ガス混合器120の軟水導入口121を直接配管接合した構成とすることによって、軟水器110とガス混合器120の一体型構造を実現している。この炭酸軟水生成装置100Cにおいても、軟水器110の底面に支持体116が設けられている。
図2(d)の炭酸軟水生成装置100(100D)では、軟水器110の底面に混合器支設スペース117を設け、この混合器支設スペース117内に炭酸ガス混合器120を抱設させることによって、軟水器110とガス混合器120の一体型構造を実現している。この炭酸軟水生成装置100Cにおいても、軟水器110の底面に支持体116が設けられている。
図2のように、軟水器110とガス混合器120を一体型として炭酸軟水生成装置100を構成することにより、炭酸軟水生成装置100全体の設置スペースの確保が容易になって設置自由度を上がることができる。さらに、例えば支持体116をキャスター機構とすることにより、炭酸軟水生成装置100全体を容易に移動することができる。
炭酸軟水理容洗浄システム1の動作、特に炭酸軟水生成装置100においての炭酸軟水生成動作について、以下に説明する。
水道水配管81から送られる水道冷水は、給湯器10および混合栓20に流入する。給湯器10に流入した水道冷水は、給湯器10において水道湯水に加熱され、水道水配管82を介して、混合栓20に流入する。これらの水道冷水および水道湯水は、混合栓20において調整された割合で混合されて水道温水となり、水道水配管83を介して軟水器110に導入される。
上記の水道水(水道冷水,水道湯水,水道温水)は、そのpH値が6.5〜7の弱酸性〜中性であって(正確には日本国内においても地域によって異なる)、一般にカルシウムインやマグネシウムイオン等の硬度成分を相応に含んだ水である。
軟水器110に導入された水道温水は、この軟水器110内に設けられているイオン交換樹脂に触浸されることによって、カルシウムインやマグネシウムイオン等の硬度成分がナトリウムイオンに置換される。そして、このイオン置換処理によって、上記の硬度成分が除去されて軟水が生成され、この軟水が軟水器110から導出され、炭酸ガス混合器120に導入される。
上記の軟水は、ナトリウムイオンを豊富に含み、そのpH値が7〜7.5の中性〜弱アルカリ性の水である。
これとともに、炭酸ガスボンベ70に充填されている炭酸ガスも、炭酸ガス配管91を介して、炭酸ガス混合器120に導入される。
そして、炭酸ガス混合器120において、上記軟水に上記炭酸ガスが混入され、炭酸ガス(炭酸成分)を混合させた軟水(炭酸軟水)が生成される。このように生成された炭酸軟水は、炭酸ガス混合器120から導出され、炭酸軟水配管84を介して止水栓30に流入し、この止水栓30から炭酸軟水配管84を介してノズルヘッド40に達し、このノズルヘッド40から噴射される。
なお、炭酸ガス混合器120において、炭酸ガス導入口122に例えば弁機構を設けることによって、上記軟水に例えば1分間に120回〜180回の頻度で間欠的に炭酸ガスを混入させれば、炭酸ガス(炭酸成分)を振動するように混合させた軟水(振動炭酸軟水が生成され、この振動炭酸軟水が止水栓30等を経由してノズルヘッド40から噴射される。
上記の炭酸軟水あるいは振動炭酸軟水は、硬度成分を除去されており、かつそのpH値が4〜4.5の酸性の水である。
健康な毛髪や皮膚は、そのpH値が5〜6の弱酸性である。しかし、例えば、カラーリング施術に使用されるアルカリカラーリング剤は、そのpH値が9〜11のアルカリ性である。このカラーリング施術においては、上記のアルカリカラーリング剤によって毛表皮(キューティクル)を開かせて毛髪中のメラニン成分を除去するが、酸性の炭酸水を使用することによって、毛髪のpH値を上記の弱酸性に戻して、開いた毛表皮をひきしめる。
同様に、例えば、パーマ施術にされるパーマ液のpHは、アルカリ性または弱アルカリ性である。このパーマ施術においては、上記のパーマ液によって、毛髪を構成する蛋白質が変質し、毛表皮は開いて艶や触感を損ない、内部蛋白質は不安定になるが、酸性の炭酸水を使用することによって、毛髪のpH値を上記の弱酸性に戻して、開いた毛表皮をひきしめ、内部蛋白質を安定したものに戻す。
また、例えば、トリートメント施術に使用されるトリートメント剤は弱酸性であって健康な毛髪のpH値と略同じである。このトリートメント施術においては、酸性の炭酸水を使用することによって、略中性の水道水を使用するよりも、トリートメント剤の有する毛髪の保護・改善性能を十分に発揮させることが可能となる。
また、炭酸水は、蛋白質に吸着しやすい性質があるため、被施術者の頭皮の毛穴に詰まった老廃物や、被施術者の頭皮や施術者の肌の古い角質を除去して、被施術者および施術者の皮膚にアストリンゼン効果(ひきしめ効果)を生じさせるアストリンゼン水として作用する。
さらに、炭酸水は、頭皮から吸収されやすい性質があるため、被施術者の頭皮や毛根につながる微細な末梢血管の血流を促進させる作用がある。
しかしながら、混合栓20から送出される水道温水には、上記のようにカルシウムインやマグネシウムイオン等の硬度成分が相応に含まれている。そして、これらの硬度成分による脂肪酸カルシウムや脂肪酸マグネシウムが施術の際に石鹸成分等と最初に反応して、いわゆる石鹸カスの内でも毛髪や頭皮や肌においての残留性が高い金属石鹸が析出される。
このため、水道水に炭酸ガスを混合して生成された従来の炭酸水を理美容の洗浄水や浴水として使用した場合には、上記の金属石鹸、つまり上記硬度成分の金属イオンが、施術の最初に、被施術者の毛髪や頭皮、ならびに施術者の肌に付き、施術中や施術をしたあともそのまま残留して、炭酸水の浸透性や施術剤の吸収性を低下させ、皮膚を荒らす。そして、このことが、毛髪や頭皮や肌の爽快感、触感、保湿力を低下させる要因になっていると考えられる。
そこで、このような炭酸水が本来有する効能の低下に起因した上記の爽快感、触感、保湿力の低下をなくすために、この実施の形態1の炭酸軟水生成装置100では、水道水に直接炭酸ガスを混合させて炭酸水を生成するのではなく、炭酸ガス混合器120の前段に軟水器110を設け、水道温水から硬度成分(主にカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)を除去して軟水を生成したあとに、この軟水に炭酸ガスを混合させて炭酸軟水を生成している。
この炭酸軟水生成装置100による炭酸軟水では、金属石鹸カスを析出させる硬度成分が除去されているので、この炭酸軟水を理美容の施術に洗浄水や浴水として使用しても、金属石鹸の析出および残留を抑制することができる。つまり、炭酸軟水生成装置100による炭酸軟水は、従来の炭酸水よりも、毛髪や頭皮や肌に浸透性が高く、この炭酸軟水を使用することにより、従来の炭酸水を使用した場合よりも、施術剤の吸収効率を向上させることができる。
例えば、炭酸軟水生成装置100による炭酸軟水を使用したシャンプー施術では、シャンプーの泡立効果および毛髪においての浸透性を、従来の炭酸水を使用した場合よりも高めることができるので、洗浄効果を向上させ、毛髪や頭皮の爽快感を高めることができる。
また例えば、炭酸軟水生成装置100による炭酸軟水を使用したトリートメント施術では、毛髪に余計な金属イオンバリアを形成せず、毛表皮(キューティクル)に余計な金属イオンを残留させず、トリートメント剤の吸収効率を、従来の炭酸水を使用した場合よりも高めることができるので、毛髪のトリートメント効果(特に毛表皮の保護・修復効果)を向上させることができ、なめらかな触感の毛髪を得ることができる。
同様に、炭酸軟水生成装置100による炭酸軟水を使用したカラーリング施術あるいはパーマ施術でも、開いた毛表皮に余計な金属イオンを残留させず、毛髪に余計な金属イオンバリアを形成せず、アルカリカラーリング剤あるいはパーマ液の吸収効率を、従来の炭酸水を使用した場合よりも高めることができるので、カラーリング効果あるいはパーマのウエーブ効果を向上させることができるとともに、なめらかな触感の毛髪を得ることができる。
また、炭酸軟水生成装置100による炭酸軟水を使用した洗浄あるいは浴水では、皮膚に余計な金属イオンを残留させないので、アトピー性の皮膚にも優しく、高い保湿性を得ることができる。
さらに、ジェルタイプの整髪料に含まれる樹脂成分は、毛穴に詰まるなど毛髪や頭皮に残留して除去しにくいが、振動炭酸軟水を使用することにより、このような整髪料の残留樹脂成分を振動によって物理的に除去することができる。
以上のように本考案の実施の形態1によれば、軟水器110において水道温水から硬度成分(主にカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)を除去して軟水を生成し、炭酸ガス混合器120においてこの軟水に炭酸ガスを混合させて炭酸軟水を生成するので、この炭酸軟水を理美容の施術に使用したときに、金属石鹸の析出を抑制することができる。
従って、この実施の形態1の炭酸軟水生成装置100による炭酸軟水を理美容の施術に使用することにより、金属石鹸の析出・残留による炭酸水の効能低下を抑えて、炭酸水が有する本来の効能を十分に発揮させることができるので、毛髪や頭皮や肌に優れた爽快感、触感、保湿力を得ることができる。
実施の形態2
図3は本考案の実施の形態2の炭酸軟水生成装置を適用した炭酸軟水理容洗浄システムの模式構成を説明する図である。なお、図3において、上記図1と同様のものには同じ符号を付してある。
図3の炭酸軟水理容洗浄システム2は、給湯器10と、混合栓20と、止水栓30と、ノズルヘッド40と、シャンプー台50と、液体噴霧器60と、炭酸ガスボンベ70と、水道水配管81,82,83と、炭酸軟水配管84,85と、炭酸ガス配管91,92と、本考案の実施の形態2の炭酸軟水生成装置200とを備えて構成されている。
つまり、図3の炭酸軟水理容洗浄システム2は、上記図1の炭酸軟水理容洗浄システム1において、炭酸軟水生成装置100を炭酸軟水生成装置200に変更するとともに、液体噴霧器60および炭酸ガス配管92を設けた構成となっている。
給湯器10は、水道水配管81から流入する水道冷水を、あらかじめ設定された温度の湯水に加温し、この水道湯水を水道水配管82内に流出させる。
混合栓20は、水道水配管81から流入する水道冷水と、水道水配管82から流入する水道湯水とを、施術者の操作等によって調整された割合で混合して水道温水とする。そして、この水道温水を、同じく施術者の操作等によって調整された水量で、水道水配管83内に流出させる。
炭酸ガスボンベ70は、ガス送出口71を有する。ガス送出口71には、炭酸ガス配管91の一端が配管接合されている。この炭酸ガスボンベ70は、ボンベ内部に充填された炭酸ガスを、施術者による減圧弁の操作等によってあらかじめ設定された圧力(流量)で、ガス送出口71から炭酸ガス配管91内に送出する。
炭酸ガス配管91は、例えば可撓性の金属配管であるが、剛性金属配管や樹脂配管等を使用することも可能である。
本考案の実施の形態2の炭酸軟水生成装置200は、軟水器110と、炭酸ガス混合器120と、炭酸ガス分岐器130と、炭酸ガス配管90とを備え、炭酸ガスを混合させた軟水(炭酸軟水)を生成する。
つまり、実施の形態2の炭酸軟水生成装置200は、上記実施の形態1の炭酸軟水生成装置100(上記図1参照)において、炭酸ガス分岐器130および炭酸ガス配管90を設けた構成となっている。
軟水器110は、水道温水導入口111と、軟水導出口112とを有する。水道温水導入口111には、水道温水配管83が配管接合されている。
この軟水器110は、例えばナトリウムイオンを含むイオン交換樹脂を内蔵しており、水道温水導入口111から導入される水道温水に含まれる硬度成分(主にカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)をナトリウムイオンに置換して除去することによって軟水を生成し、この軟水を軟水導出口112から導出する。
上記イオン交換樹脂の具体例としては、「日本工業規格」、「米国規格FDA21」、および「欧州議会指針AP1」に適合していて飲料水用軟水生成装置にも使用可能であって、かつ交換が容易なスチレン・ゲル型強酸性イオン交換樹脂がある。
炭酸ガス混合器120は、軟水導入口121と、炭酸ガス導入口122と、炭酸軟水導出口123とを有する。軟水導入口121には、軟水器110の軟水導出口112が直接配管接合されており、炭酸ガス導入口122には、炭酸ガス配管90の一端が配管接合されており、炭酸軟水導出口123には、炭酸軟水配管84が配管接合されている。
この炭酸ガス混合器120は、軟水導入口121から導入される軟水に、炭酸ガス導入口122から導入される炭酸ガスを混合させることによって炭酸軟水を生成し、この炭酸軟水を炭酸軟水導出口123から導出する。
このような炭酸ガス混合器120においては、逆止弁あるいは電磁弁等の弁機構を炭酸ガス導入口122の経路に設け、この弁機構を開閉動作させることによって、軟水導入口121から導入される軟水に、例えば1分間に120回〜180回、間欠的に炭酸ガスを混合させた振動炭酸軟水を生成し、この振動炭酸軟水を炭酸軟水導出口123から導出する構成とすることも可能である。
炭酸ガス配管90は、例えば可撓性の金属配管であるが、剛性金属配管や樹脂配管等を使用することも可能である。
炭酸ガス分岐器130は、炭酸ガス送入口131と、第1分岐口132と、第2分岐口133とを有する。炭酸ガス送入口131には、炭酸ガス配管91の他端が配管接合されており、第1分岐口132には、炭酸ガス配管90の他端が配管接合されており、第2分岐口133には、炭酸ガス配管92の一端が配管接合されている。
この炭酸ガス分岐器130は、炭酸ガスボンベ70から炭酸ガス配管91を介して炭酸ガス送入口131に供給された炭酸ガスを、あらかじめ設定された割合(で第1分岐口132と第2分岐口133とに分岐させる。なお、上記の割合については、例えば、分岐口の管径を異なるものとする、あるいは必要に応じて減圧弁を設ける等によって設定される。
炭酸ガス分岐器130の第1分岐口132から分岐送出された炭酸ガスは、炭酸ガス配管90を介して炭酸ガス混合器120の炭酸ガス導入口122に導入される。また、炭酸ガス分岐器130の第2分岐口133から分岐送出された炭酸ガスは、炭酸ガス配管92を介して液体噴霧器60の炭酸ガス導入口61に導入される。
なお、図3では軟水器110の軟水導出口112と炭酸ガス混合器120の軟水導入口121とを直接配管接合した構造としているが、これらの軟水導出口112と軟水導入口121とを例えばビニール製あるいはプラスチック製のホース等の配管を介して接続した構造とすることも可能である。
また、図3では炭酸ガス配管90を介して炭酸ガス分岐器130の第1分岐口132と炭酸ガス混合器120の炭酸ガス導入口122とを接続しているが、第1分岐口132と炭酸ガス導入口122とを直接配管接合した構造とすることも可能である。
さらにまた、図3では炭酸ガス配管91を介して炭酸ガスボンベ70のガス送出口71と炭酸ガス分岐器130の炭酸ガス送入口131とを接続しているが、ガス送出口71と炭酸ガス送入口131とを直接配管接合した構造とすることも可能である。
炭酸ガス配管92は、例えば可撓性の金属配管であるが、剛性金属配管や樹脂配管等を使用することも可能である。
なお、炭酸ガス分岐器130の第2分岐口133と炭酸ガス配管92の一端とを、カップラ構造によって取りはずし可能に配管接合することも可能である。この場合において、第2分岐口133から炭酸ガス配管92の一端を取りはずしているときには、炭酸ガス分岐器130の第2分岐口133は閉じられ、第2分岐口133に分岐された炭酸ガスは送出停止される。
止水栓30は、炭酸ガス混合器120の炭酸軟水導出口123から炭酸軟水配管84に流入した炭酸軟水(振動炭酸軟水)を、施術者等による操作によって、適量に調整して炭酸軟水配管85内に流出させ、あるいはこの炭酸軟水の流出を止水する。
この止水栓30は、シャンプー台50に固設され、あるいは取りはずし可能に設置されている。
なお、止水栓30を、シャンプー台50とは独立して設けることも可能である。
ノズルヘッド40は、炭酸軟水配管85から流入した炭酸軟水(振動炭酸軟水)を、シャンプー台50の上面に設けられているシャンプーボール(被施術者の毛髪や頭皮の洗浄施術あるいは浴水施術をするための凹面器)内に噴水する。
このノズルヘッド40は、施術者が自由にハンドリング操作等をできるようにするためにシャンプー台50から取りはずし可能に、あるいは上下動および回転可能に、シャンプー台50に設置されている。
なお、ノズルヘッド40を、シャンプー台50に固設すること、あるいはシャンプー台50とは独立して設けることも可能である。
シャンプー台50は、パーマ施術やカラーリング施術のあとに施術者によってなされる、あるいはこれらの施術をせずに単独で施術者によってなされるシャンプー施術やトリーメント施術された被施術者の毛髪や頭皮の炭酸軟水(振動炭酸軟水)洗浄、さらには被施術者の毛髪や頭皮の炭酸軟水(振動炭酸軟水)浴水をするためのシャンプーボールが設けられた貯流水台である。
液体噴霧器60は、炭酸ガス導入口61を有する。炭酸ガス導入口61には、炭酸ガス配管92の他端が配管接合されている。
この液体噴霧器60は、液体育毛剤や液体毛髪保護調整剤(液体トリートメント)等の液体整髪剤を、例えばカートリッジによる交換可能な構造等によって内包しており、この液体整髪剤に、炭酸ガス導入口61から導入された炭酸ガスを混合させることによって、炭酸ガス含有育毛剤や炭酸ガス含有ムース等の炭酸ガス含有整髪泡剤とし、この炭酸ガス含有整髪泡剤を施術者等の操作に従って噴出する。つまり、この液体噴霧器60は、炭酸ガスを気体(エアー)として使用する整髪剤エアスプレーである。
このような液体噴霧器60は、施術者が自由に整髪泡剤の噴出操作やハンドリング操作等をできるようにするために、シャンプー台50から取りはずし可能に、あるいは上下動および回転可能に、シャンプー台50に設置されている。
なお、液体噴霧器60を、シャンプー台50に固設すること、あるいはシャンプー台50とは独立して設けることも可能である。
また、液体噴霧器60の炭酸ガス導入口61と炭酸ガス配管92の他端とを、カップラ構造によって取りはずし可能に配管接合することも可能である。
この実施の形態2の炭酸軟水生成装置200の構成例について以下に説明する。
例えば、上記実施の形態1の炭酸軟水生成装置100A(上記図2(a)参照)と同様に、軟水器110の側面において炭酸ガス混合器120および炭酸ガス分岐器130を支持する構成とすることによって、軟水器110とガス混合器120と炭酸ガス分岐器130の一体型構造を実現することができる。
また、例えば、上記実施の形態1の炭酸軟水生成装置100B(上記図2(b)参照)と同様に、1つのハウジングに軟水器110、炭酸ガス混合器120、および炭酸ガス分岐器130とを内蔵させることによっても、軟水器110とガス混合器120と炭酸ガス分岐器130の一体型構造を実現することができる。
さらに、例えば、上記実施の形態1の炭酸軟水生成装置100C(上記図2(c)参照)と同様に、軟水器110の天面に炭酸ガス混合器120および炭酸ガス分岐器130を載置することによっても、軟水器110とガス混合器120と炭酸ガス分岐器130の一体型構造を実現することができる。
さらにまた、例えば、記実施の形態1の炭酸軟水生成装置100D(上記図2(d)参照)と同様に、軟水器110の底面に支設スペースを設け、この支設スペース内に炭酸ガス混合器120および炭酸ガス分岐器130を抱設させることによって、軟水器110とガス混合器120と炭酸ガス分岐器130の一体型構造を実現することができる。
このように軟水器110とガス混合器120と炭酸ガス分岐器130を一体型として炭酸軟水生成装置200を構成することにより、炭酸軟水生成装置200全体の設置スペースの確保が容易になって設置自由度を上がることができる。さらに、例えば支持体(上記図2の支持体116参照)をキャスター機構とすることにより、炭酸軟水生成装置200全体を容易に移動することができる。
炭酸軟水理容洗浄システム2の動作、特に炭酸軟水生成装置200においての炭酸軟水生成動作および液体噴霧器60においての炭酸ガス含有整髪泡剤の生成噴出動作について、以下に説明する。
水道水配管81から送られる水道冷水は、給湯器10および混合栓20に流入する。給湯器10に流入した水道冷水は、給湯器10において水道湯水に加熱され、水道水配管82を介して、混合栓20に流入する。これらの水道冷水および水道湯水は、混合栓20において調整された割合で混合されて水道温水となり、水道水配管83を介して軟水器110に導入される。
上記の水道水(水道冷水,水道湯水,水道温水)は、そのpH値が6.5〜7の弱酸性〜中性であって(正確には日本国内においても地域によって異なる)、一般にカルシウムインやマグネシウムイオン等の硬度成分を相応に含んだ水である。
軟水器110に導入された水道温水は、この軟水器110内に設けられているイオン交換樹脂に触浸されることによって、カルシウムインやマグネシウムイオン等の硬度成分がナトリウムイオンに置換される。そして、このイオン置換処理によって、上記の硬度成分が除去されて軟水が生成され、この軟水が軟水器110から導出され、炭酸ガス混合器120に導入される。
上記の軟水は、ナトリウムイオンを豊富に含み、そのpH値が7〜7.5の中性〜弱アルカリ性の水である。
これとともに、炭酸ガスボンベ70に充填されている炭酸ガスも、炭酸ガス配管91、炭酸ガス分岐器130、および炭酸ガス配管90を介して、炭酸ガス混合器120に導入される。
そして、炭酸ガス混合器120において、上記軟水に上記炭酸ガスが混入され、炭酸ガス(炭酸成分)を混合させた軟水(炭酸軟水)が生成される。このように生成された炭酸軟水は、炭酸ガス混合器120から導出され、炭酸軟水配管84を介して止水栓30に流入し、この止水栓30から炭酸軟水配管84を介してノズルヘッド40に達し、このノズルヘッド40から噴射される。
なお、炭酸ガス混合器120において、炭酸ガス導入口122に例えば弁機構を設けることによって、上記軟水に例えば1分間に120回〜180回の頻度で間欠的に炭酸ガスを混入させれば、炭酸ガス(炭酸成分)を振動するように混合させた軟水(振動炭酸軟水が生成され、この振動炭酸軟水が止水栓30等を経由してノズルヘッド40から噴射される。
上記の炭酸軟水あるいは振動炭酸軟水は、硬度成分を除去されて、そのpH値が4〜4.5の酸性の水である。
炭酸ガス分岐器130においては、炭酸ガスボンベ70から供給された炭酸ガスは、第1分岐口132から炭酸ガス混合器120に送出されるとともに、第2分岐口133から炭酸ガス配管92を介して液体噴霧器60にも送出される。
そして、液体噴霧器60において、上記炭酸ガスは液体育毛剤や液体毛髪保護調整剤(液体トリートメント)等の液体整髪剤と混合され、炭酸ガス含有育毛剤や炭酸ガス含有ムース等の炭酸ガス含有整髪泡剤が生成される。この炭酸ガス含有整髪泡剤は、施術者等による液体噴霧器60の操作によって、液体噴霧器60から噴射される。
健康な毛髪や皮膚は、そのpH値が5〜6の弱酸性である。しかし、例えば、カラーリング施術に使用されるアルカリカラーリング剤は、そのpH値が9〜11の強アルカリ性である。このカラーリング施術においては、上記のアルカリカラーリング剤によって毛表皮(キューティクル)を開かせて毛髪中のメラニン成分を除去するが、酸性の炭酸水を使用することによって、毛髪のpH値を上記の弱酸性に戻して、開いた毛表皮をひきしめる。
同様に、例えば、パーマ施術にされるパーマ液のpHは、アルカリ性または弱アルカリ性である。このパーマ施術においては、上記のパーマ液によって、毛髪を構成する蛋白質が変質し、毛表皮は開いて艶や触感を損ない、内部蛋白質は不安定になるが、酸性の炭酸水を使用することによって、毛髪のpH値を上記の弱酸性に戻して、開いた毛表皮をひきしめ、内部蛋白質を安定したものに戻す。
また、例えば、トリートメント施術に使用されるトリートメント剤は弱酸性であって健康な毛髪のpH値と略同じである。このトリートメント施術においては、酸性の炭酸水を使用することによって、略中性の水道水を使用するよりも、トリートメント剤の有する毛髪の保護・改善性能を十分に発揮させることが可能となる。
また、炭酸水は、蛋白質に吸着しやすい性質があるため、被施術者の頭皮の毛穴に詰まった老廃物や、被施術者の頭皮や施術者の肌の古い角質を除去して、被施術者および施術者の皮膚にアストリンゼン効果(ひきしめ効果)を生じさせるアストリンゼン水として作用する。
さらに、炭酸水は、頭皮から吸収されやすい性質があるため、被施術者の頭皮や毛根につながる微細な末梢血管の血流を促進させる作用がある。
しかしながら、混合栓20から送出される水道温水には、上記のようにカルシウムインやマグネシウムイオン等の硬度成分が相応に含まれている。そして、これらの硬度成分による脂肪酸カルシウムや脂肪酸マグネシウムが施術の際に石鹸成分等と最初に反応して、いわゆる石鹸カスの内でも毛髪や頭皮や肌においての残留性が高い金属石鹸が析出される。
このため、水道水に炭酸ガスを混合して生成された従来の炭酸水を理美容の洗浄水や浴水として使用した場合には、上記の金属石鹸、つまり上記硬度成分の金属イオンが、施術の最初に、被施術者の毛髪や頭皮、ならびに施術者の肌に付き、施術中や施術をしたあともそのまま残留して、炭酸水の浸透性や施術剤の吸収性を低下させ、皮膚を荒らす。そして、このことが、毛髪や頭皮や肌の爽快感、触感、保湿力を低下させる要因になっていると考えられる。
そこで、このような炭酸水が本来有する効能の低下に起因した上記の爽快感、触感、保湿力の低下をなくすために、この実施の形態2の炭酸軟水生成装置200では、水道水に直接炭酸ガスを混合させて炭酸水を生成するのではなく、炭酸ガス混合器120の前段に軟水器110を設け、水道温水から硬度成分(主にカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)を除去して軟水を生成したあとに、この軟水に炭酸ガスを混合させて炭酸軟水を生成している。
この炭酸軟水生成装置200による炭酸軟水では、金属石鹸カスを析出させる硬度成分が除去されているので、この炭酸軟水を理美容の施術に洗浄水や浴水として使用しても、金属石鹸の析出および残留を抑制することができる。つまり、炭酸軟水生成装置200による炭酸軟水は、従来の炭酸水よりも、毛髪や頭皮や肌に浸透性が高く、この炭酸軟水を使用することにより、従来の炭酸水を使用した場合よりも、施術剤の吸収効率を向上させることができる。
例えば、炭酸軟水生成装置200による炭酸軟水を使用したシャンプー施術では、シャンプーの泡立効果および毛髪においての浸透性を、従来の炭酸水を使用した場合よりも高めることができるので、洗浄効果を向上させ、毛髪や頭皮の爽快感を高めることができる。
また例えば、炭酸軟水生成装置200による炭酸軟水を使用したトリートメント施術では、毛髪に余計な金属イオンバリアを形成せず、毛表皮(キューティクル)に余計な金属イオンを残留させず、トリートメント剤の吸収効率を、従来の炭酸水を使用した場合よりも高めることができるので、毛髪のトリートメント効果(特に毛表皮の保護・修復効果)を向上させることができ、なめらかな触感の毛髪を得ることができる。
同様に、炭酸軟水生成装置200による炭酸軟水を使用したカラーリング施術あるいはパーマ施術でも、開いた毛表皮(キューティクル)に余計な金属イオンを残留させず、毛髪に余計な金属イオンバリアを形成せず、アルカリカラーリング剤あるいはパーマ液の吸収効率を、従来の炭酸水を使用した場合よりも高めることができるので、カラーリング効果あるいはパーマのウエーブ効果を向上させることができるとともに、なめらかな触感の毛髪を得ることができる。
また、炭酸軟水生成装置200による炭酸軟水を使用した洗浄あるいは浴水では、皮膚に余計な金属イオンを残留させないので、アトピー性の皮膚にも優しく、高い保湿性を得ることができる。
さらに、ジェルタイプの整髪料に含まれる樹脂成分は、毛穴に詰まるなど毛髪や頭皮に残留して除去しにくいが、振動炭酸軟水を使用することにより、このような整髪料の残留樹脂成分を振動によって物理的に除去することができる。
以上のように本考案の実施の形態2によれば、上記本考案の実施の形態1と同様に、軟水器110において水道温水から硬度成分(主にカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)を除去して軟水を生成し、炭酸ガス混合器120においてこの軟水に炭酸ガスを混合させて炭酸軟水を生成するので、この炭酸軟水を理美容の施術に使用したときに、金属石鹸の析出を抑制することができる。
従って、この実施の形態2の炭酸軟水生成装置200による炭酸軟水を理美容の施術に使用することにより、金属石鹸の析出・残留による炭酸水の効能低下を抑えて、炭酸水が有する本来の効能を十分に発揮させることができるので、毛髪や頭皮や肌に優れた爽快感、触感、保湿力を得ることができる。
さらに、本考案の実施の形態2によれば、炭酸ガス分岐器130を設けて、炭酸ガスを炭酸ガス混合120に送出する経路(第1分岐口132)と他の経路(第2分岐口133)とに分岐させているので、この他の経路を使用すれば、液体噴霧器60のように炭酸ガスを使用して整髪剤を生成・噴霧する器具を、容易に設置することができる。
以上、本考案を実施するための形態について詳細に説明したが、本考案はこれらに限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1,2 炭酸軟水システム
10 給湯器
20 混合栓
30 止水栓
40 ノズルヘッド
50 シャンプー台
60 液体噴霧器
61 炭酸ガス導入口
70 炭酸ガスボンベ
71 ガス送出口
81,82,83 水道水配管
84,85 炭酸軟水配管
90,91,92 炭酸ガス配管
100(100A,100B,100C,100D) 炭酸軟水生成装置
110 軟水器
111 水道温水導入口
112 軟水導出口
116 支持体
117 混合器支設スペース
120 炭酸ガス混合器
121 軟水導入口
122 炭酸ガス導入口
123 炭酸軟水導出口
130 炭酸ガス分岐器
131 炭酸ガス送入口
132 第1分岐口
133 第2分岐口
200 炭酸軟水生成装置


Claims (4)

  1. 炭酸ガスを混合させた軟水を生成する炭酸軟水生成装置であって、
    水道水導入口から導入される水道水に含まれる硬度成分を、ナトリウムイオンに置換して除去することによって軟水を生成し、この軟水を軟水導出口から導出する軟水器と、
    軟水導入口から導入される前記軟水に、炭酸ガス導入口から導入される炭酸ガスを混合させることによって炭酸軟水を生成し、この炭酸軟水を炭酸軟水導出口から導出する炭酸ガス混合器と
    を備えた
    ことを特徴とする炭酸軟水生成装置。
  2. 炭酸ガス送入口に供給された炭酸ガスを第1分岐口と第2分岐口とに分岐させ、前記第1分岐口から送出した炭酸ガスを前記炭酸ガス導入口に導入する炭酸ガス分岐器をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の炭酸軟水生成装置。
  3. 前記炭酸ガス分岐器は、前記第2分岐口から送出した炭酸ガスを液体噴霧器に導入することを特徴とする請求項2に記載の炭酸軟水生成装置。
  4. 前記炭酸ガス混合器は、弁機構を開閉動作させることによって、前記軟水に間欠的に炭酸ガスを混合させた振動炭酸軟水を生成し、この振動炭酸軟水を前記炭酸軟水導出口から導出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の炭酸軟水生成装置。


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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012187516A (ja) * 2011-03-10 2012-10-04 Shinno Epack:Kk 炭酸水の製造装置及びこの炭酸水の製造装置を用いた美容器
JP2015217323A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 株式会社 オムシー 炭酸水の製造方法
WO2023231586A1 (zh) * 2022-05-30 2023-12-07 佛山市美的清湖净水设备有限公司 软水设备出水硬度调节方法、装置及电子设备

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