JP3163214B2 - 小割破砕機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パワーショベル等のア
ームへ装着して、建築物を壊す場合などの破砕、特に、
コンクリートを小さい破片、すなわち小割りにするのに
適した小割破砕機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鉄筋コンクリート建造物の取り壊しには
ハンマーや大型のつかみ等が使用される。最近になって
コンクリート破砕物を骨材として再利用することがなさ
れ、そのために小割破砕機が開発され、使用されてい
る。小割破砕機は、破砕機本体側の固定爪と破砕機本体
へ軸支された可動爪の２つの破砕爪及びペンチを具えた
もので、これらの間でコンクリート片等の被破砕物を破
砕し、かつ鉄筋を切断するようになっている。その従来
品の一例を図３(a)(b)に示すが、パワーショベル等のア
ーム10へ軸11によって破砕機本体12を軸支して、首振り
シリンダ13及び首振りリンク14によって破砕機本体12を
揺動可能にしている。固定爪15は破砕機本体から延長さ
れた先端部にある。可動爪16は破砕機本体12の固定爪15
との間で被破砕物を噛んで砕くことができるように、一
端を軸17で軸支し他端には破砕歯18がある。可動爪16の
回動による破砕爪の開閉は破砕シリンダ19によるもの
で、従来はロッド19aを可動爪16の長手方向中間付近に
下部取付ピン20で連結し、チューブ19bの基部を上部取
付ピン21で破砕機本体12へ軸支している。破砕爪の基部
にはペンチの刃22a,22bを備えている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構造
であると、シリンダ19のロッド19aは、図３(a)にみられ
るように、露出状態にあるので傷み易い。また、チュー
ブ19bの前後にわたる配管もあって、これらが作業の過
程で破損し易い難点があった。

【０００４】実開平2-36604号には、このようなシリン
ダロッドの保護手段として、ロッドの伸縮に追随してロ
ッドを保護するカバーを設けた例がみられる。しかし、
このような構造はロッドの全体をカバーしたものでない
ので、作業時に操作に気を使うし、構造も複雑化し、カ
バーの摺動不良を招き易い難点もある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の難点
を解決するために、破砕機本体１側の固定爪２と破砕機
本体１へ軸支された可動爪３間で被破砕物の破砕作業を
する小割破砕機において、可動爪の操作シリンダ４のチ
ューブ4aを可動爪３側に、ロッド4bを破砕機本体１側に
それぞれ軸支して連結し、かつ、ロッド4bに油圧経路7
a,7bを設けて、これらをロッドクレビス８に設けた配管
口9a,9bと連結して爪の開閉を可能とした。ここにいう
油圧経路7a,7bは、チューブ4aの内部に油圧をON-OFF可
能とするために、ロッド4bに油の通過可能な貫通孔を設
けるとか、ロッド4bを管状体にして、その内部へ油圧配
管を設けるなどの構造をとることができる。この場合、
パワーショベル等の加圧系本体からの配管は、破砕機本
体１へ軸支された操作シリンダ４のロッドクレビスに設
置するとよい。

【０００６】

【作用】このような構造であると、伸縮するロッド4bが
破砕機本体内へ存在するので、作業中にロッド4bが鉄筋
やコンクリートに接触することがなく、作業に伴うロッ
ドの損傷がなくなる。また、シリンダの油圧配管が可動
爪３部分に接近しないので、その損傷もなくなる。

【０００７】

【実施例】図１(a)は本発明の小割破砕機の可動爪が閉
じた状態の側面図、(b)は同可動爪を開いた状態の側面
図、図２は図１(b)中Ａ矢視図である。パワーショベル
等のアーム10へ軸11によって破砕機本体１を軸支して、
首振りシリンダ13及び首振りリンク14によって破砕機本
体１を揺動可能にした点や、固定爪２が破砕機本体１の
延長先端部にある点、更に、可動爪３が軸17によって破
砕機本体１へ軸支されて、固定爪２との間で被破砕物を
噛んで砕くことができる点などは従来の構造と同様であ
る。

【０００８】本発明では、このような破砕機本体１側の
固定爪２と破砕機本体１へ軸支された可動爪３間で被破
砕物の破砕作業をする小割破砕機において、可動爪３の
操作シリンダ４のチューブ4aを下部取付ピン５によって
可動爪３側に固定し、更に、ロッド4bを破砕機本体１側
に上部取付ピン６によってそれぞれ連結している。した
がって、ロッド4bが破砕機本体１の側壁1a内へ存在する
ようになっている。

【０００９】また、ロッド4b内に油圧経路7a,7bを設け
て爪の開閉を可能にしている。この例では、破砕機本体
１へ上部取付ピン６によって軸支された操作シリンダ４
は、そのロッド4bがロッドクレビス８によって連結され
ているが、そのロッドクレビス８に配管口9a,9bを設け
ている。

【００１０】以上のような構造であるから、本発明の小
割破砕機は図１(a)のような可動爪が閉じた状態でロッ
ド4bが伸びきった状態の場合でも、ロッド4bは破砕機本
体１の側壁1aによって保護された状態にある。また、油
圧配管もロッドクレビス８付近に存在するのみで破損し
にくい状態にある。

【００１１】

【発明の効果】本発明は以上のように、操作シリンダの
ロッド及び油圧配管が保護された状態にあるので、装置
の耐久性が向上することはむろんのこと、作業時にラフ
に使用でき、安全性も高く、作業能率も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a)は本発明の小割破砕機の可動爪が閉じた状
態の側面図、(b)は同可動爪を開いた状態の側面図であ
る。

【図２】図１(b)中Ａ矢視図である。

【図３】(a)は従来の小割破砕機の可動爪が閉じた状態
の側面図、(b)は同可動爪を開いた状態の側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 破砕機本体 ２ 固定爪 ３ 可動爪 ４ 操作シリンダ 4a チューブ 4b ロッド ５ 下部取付ピン ６ 上部取付ピン 7a 油圧経路 7b 油圧経路 ８ ロッドクレビス

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 破砕機本体１側の固定爪２と破砕機本体
   １へ軸支された可動爪３間で被破砕物の破砕作業をする
   小割破砕機において、可動爪の操作シリンダ４のチュー
   ブ4aを可動爪３側に、ロッド4bを破砕機本体１側にそれ
   ぞれ軸支して連結し、かつ、ロッド4bに油圧経路7a,7b
   を設けて該油圧経路をロッドクレビス８に設けた配管口
   9a,9bと連結して爪の開閉を可能としたことを特徴とす
   る小割破砕機。