JP3162948B2 - 射出成形靴の製造方法 - Google Patents

射出成形靴の製造方法

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浩史 古達
尚紀 野口
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月星化成株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリ塩化ビニルを主成
分とする靴底材を使用する射出成形靴の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルを主成分とする靴底材を
射出成形して靴を製造する場合には、甲被材表面にポリ
ウレタンエラストマーの有機溶剤溶液、又はポリウレタ
ンエラストマーに少量のポリイソシアネートを添加した
有機溶剤溶液をグラビアロールやドクターナイフを有す
るコーターで塗布し、接着処理する方法が実施されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記製造方法にて甲被
材に綿布平織物を使用した場合、接着処理前後では甲被
材の風合いや外観はそれほど大きくは変わらず、製品上
問題はなかった。
【0004】しかしながら、甲被材がコール天,別珍等
の起毛織物の場合、ポリウレタン樹脂の有機溶剤希釈液
で処理を行うと、基材への浸透,膨潤が大きく濡れが良
すぎる為、起毛部分の風合いが硬くなり、ソフト感が損
なわれていた。又、コール天の様な表面に畝のある起毛
織物ではグラビアロールやドクターナイフを有するコー
ターで塗布する場合、処理液の塗布むらも生じ、外観
上、商品価値が大きく低下し、実用性がなかった。
【0005】次に起毛織物を接着処理なしで甲被として
使用した場合、底材との接着力が低く、実用上、耐久性
がなかった。さらに甲被材に接着処理を行う工程では、
処理剤に含まれるトルエン,メチルエチルケトン, N,N
−ジメチルホルムアミド等の有機溶剤が飛散し、作業環
境を悪くする為、局所排気装置を設置する必要があり、
その他の衛生管理面で種々の対策を講じる必要があっ
た。本発明は、前記従来の方法が有していた欠点を一挙
に解決することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は(a)脂肪族ポ
リエステルポリオール,(b)有機ジアミン,(c)脂
肪族ジイソシアネート又は脂環族ジイソシアネート,
(d)親水性基を含む塩からなる親水性のポリウレタン
樹脂に水を加え水溶液とし、これに架橋剤と水とを加え
て混合液とし、この混合液に起毛織物よりなる甲被材を
浸漬し、乾燥し、この甲被材を用いて甲被を作り、ラス
トに被着し、その下面にポリ塩化ビニルを主成分とする
靴底材を射出成形することを第1の特徴とする。
【0007】請求項1に記載の製造方法において、前記
親水性ウレタン樹脂が主鎖にウレア結合を有し、側鎖の
一部にカルボキシル基を有することを第2の特徴とす
る。請求項1に記載の製造方法において、架橋剤がエポ
キシ系架橋剤であることを第3の特徴とする。請求項1
に記載の製造方法において、架橋剤がイソシアネート系
架橋剤であることを第4の特徴とする。請求項1に記載
の製造方法において、水性ポリウレタン樹脂と架橋剤と
水との混合液の固形分濃度が0.1ないし7%の範囲で
使用することを第5の特徴とする。
【0008】本発明の構成について以下に詳細に説明す
る。 (脂肪族ポリエステルポリオール)脂肪族ポリエステル
ポリオールには平均分子量が400−4000の範囲の
ものが使用され、例えばポリエチレンアジペート,ポリ
ブチレンアジペート,ポリカプロラクトン等がある。
【0009】ポリエチレンアジペートやポリブチレンア
ジペートはアジピン酸とグリコールの脱水縮合反応によ
って製造され、機械的強度,耐熱性,耐油性を付与する
為、エラストマーに用いられる。ポリカプロラクトンは
ε−カプロラクタムの開環重合によって得られ、特徴と
して粘度が比較的低く、前記特性に加え、耐熱性,耐加
水分解性,低温特性に優れており、エラストマーに用い
られる。
【0010】(有機ジアミン)甲被材の風合いを調整す
るために、ポリウレタン樹脂のモラジュラスを変化させ
ることができるが、そのためにはエチレンジアミン,プ
ロピレンジアミン,ピペラジン,イソホロンジアミン,
4−4' −ジアミノジシクロヘキシルメタン等のジアミ
ン類を鎖延長剤として適宜に併用することができる。鎖
延長剤は系中の過剰のイソシアネートとの二次反応によ
りウレア結合を生じる。
【0011】(脂肪族または脂環族のジイソシアネー
ト)本発明においては、いわゆる無黄変ジイソシアネー
トを使用することが必要である。無黄変ジイソシアネー
トとしては、脂肪族ジイソシアネートと脂環族のジイソ
シアネートが知られている。脂肪族ジイソシーネートと
しては、ヘキサメチレンジイソシアネートを使用するこ
とができ、脂環族ジイソシアネートとしてキシレンジイ
ソシアネート,イソホロンジイソシアネート,水添メチ
レンジイソシアネート等を使用することができる。
【0012】(親水性基を含む塩)疎水性のポリウレタ
ン樹脂に親水性を付与する為、親水化剤として用いられ
る。本発明では架橋剤と反応し、基材との密着性を向上
する為、カルボキシル基を有する塩が使用される。
【0013】(水性ウレタン樹脂)水性ウレタン樹脂は
水性化技術から強制乳化タイプと自己乳化タイプに分類
できる。強制乳化タイプは乳化剤の力によってウレタン
ポリマーを機械的に強制乳化して分散する。一方自己乳
化タイプは乳化剤を使用しない方法で、代わりに親水化
剤としてエチレンオキサイド成分や塩を形成するセグメ
ントをポリマーに導入することで、乳化,可溶化する方
法である。
【0014】強制乳化タイプの水性ウレタン樹脂は、一
般に他樹脂との混和安定性が良好であるが、乳化剤の影
響により皮膜の物性が低下する場合がある。前記理由に
より、本発明の水性ウレタン樹脂は自己乳化タイプのも
のが使用される。
【0015】反応工程はまず溶液反応においてウレタン
化を行い、次に水性化工程によりエマルジョン化され、
最後に脱溶剤を行うといったかなり複雑なプロセスであ
る。本発明の水性ウレタン樹脂は、主鎖にウレア結合を
有し、側鎖の一部にカルボキシル基を有することを特徴
とするアニオン性の水性ウレタン樹脂である。ウレア結
合をポリウレタンの主鎖に導入することにより熱軟化点
が上昇し、耐熱性や粘着性が向上する。又、側鎖にカル
ボキシル基を有する塩を導入することにより、疎水性の
ポリウレタン樹脂を親水化すると共に架橋剤との反応に
寄与する。
【0016】(架橋剤)本発明の水性ウレタン樹脂は熱
可塑性タイプである為、架橋剤を併用することにより、
耐水性,耐溶剤性,耐熱性が向上する。架橋剤の種類と
しエポキシ系架橋剤やイソシアネート系架橋剤があり、
ベースポリマーと架橋剤とが反応する当量によって決定
される。多すぎるとかえって性能がダウンを引き起こす
可能性もあり、適量の使用が必要である。使用量はエポ
キシ系の架橋剤の場合、みかけ水性ウレタン(固形分3
5−45%)100重量部に対して3〜5重量部以下、
イソシアネート系架橋剤の場合、10重量部以下使用する
ことが望ましく、両者単独で使用してもよいし、併用し
て使用しても良い。
【0017】(甲被材の浸漬)起毛織物を前記水性ウレ
タン混合液に浸漬し、乾燥する場合、固型分の濃度の大
小により甲被へのウレタン樹脂の塗布量が変わり、その
結果、甲被の風合いや底材との接着性に大きく影響す
る。本発明では水性ウレタン混合液の固型分濃度が 0.1
〜7%の範囲にあることが必要である。固型分濃度が
0.1%未満であれば甲被に対する底材の接着性が悪くな
り、7%を超えると起毛織物の風合いが硬くなり、実用
価値が低下する。
【0018】
【作用】この発明に使用される水性ウレタン水溶液は、
イオン性を有する高性能ウレタン樹脂を乳化剤を用いず
に水中に分散しているので、被膜の物性が低下すること
なく、化学的に安定性があり、しかも高固型分の為、従
来の有機溶剤型のウレタン樹脂溶液に比べると粘度の調
整がし易く、粘度を大幅に下げることが可能である。さ
らに、架橋剤の添加により、耐水性,耐溶剤性,耐熱性
が向上し、その結果、ポリ塩化ビニルとの接着性が良好
となる。
【0019】起毛織物を水性ウレタン混合液に浸漬した
場合、従来の有機溶剤系のウレタン樹脂溶液に比べると
粘度が低く、基材への浸透,膨潤も少ないので、前記混
合液が起毛部分のみならず、下部組織までまんべんなく
浸透するにもかかわらず、乾燥後の起毛部分の風合いは
元の風合いと比べて硬くならず、素材としてのソフト感
を保つことができる。しかも、これを甲被としてポリ塩
化ビニルを主成分とする靴底材を射出成形した靴は、外
観が優れているように接着強度が大きく、耐久性の優れ
たものである。
【0020】
【実施例】この実施例に記載する水性ウレタン樹脂は、
大日本インキ(株)製のハイドランHW−111(登録
商標)である。主成分は主鎖にウレア結合を有し、側鎖
にカルボキシル基をもったアニオン性の無黄変タイプの
軟化点150℃のポリエステルウレタンである。性状と
して固型分が45%で粘度がBH型粘度計(ローター N
o.1,回転速度20 rpm)で測定し100 cpsで、PH
が7.5−8.8である。前記のハイドランHW−11
1(登録商標)に下記の様にエポキシ系架橋剤,イソシ
アネート架橋剤と水とを加え、固型分が0.68%とな
る様に水性ウレタン樹脂の混合液を作成した。25%ア
ンモニア水はPH調整のため適量使用した。
【0021】 配合 重量部 ハイドランHW111(固型分45%) 100 脂肪族エポキシ系架橋剤(固型分40%) 5 ブロックイソシアネート系架橋剤(固型分42%) 2 25%アンモニア水 適量 水 7000 固型分 0.68% PH 9 *粘度 10cps *BH型粘度計(ローター No.1,回転速度20rpm )で測定した。
【0022】上記水性ウレタン樹脂混合液に(40/2
×30/1)/(7×210)なる組織の別珍織物を浸
漬し、付着量が Wet分で580g/m2となるように絞りを
行い、150℃で乾燥して甲被材の材料とした。この材
料を表布とし、スフを裏布として、両者の間に通気性の
良いポリウレタンフォームのシートを置き、点状にフレ
ーム接着し甲被材を得た。
【0023】これを甲被形状に裁断し、木綿製中底とカ
リフ縫いし、ラストに吊り込み、ポリ塩化ビニルを主成
分とする靴底材を190℃で射出成形し靴製品を得た。
この靴製品は、甲被の風合いも良く、外観的にも見栄え
の良い、ソフト感のあるものであった。又、靴底と甲被
材との接着強度も2.9kg/cm と極めて優れていた。比
較例として、同甲被材を浸漬処理せずに同様の方法によ
り作成した製品の靴底と、甲被材との接着強度は1.0
kg/cm と低く、実用面からみると程遠いものであった。
【0024】
【発明の効果】本発明においては、主鎖にウレア結合を
持ち、側鎖にカルボキシル基をもつ水性ウレタン樹脂に
架橋剤と水とを加えた混合液に起毛織物を浸漬し、乾燥
することにより、ポリウレタン樹脂が甲被の起毛部及び
下部組織まで均一に浸透し、起毛の風合いを損なわず、
ソフト感を元の素材のまま有し、しかもポリ塩化ビニル
を主成分とする靴底材と強固な接着を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−40466(JP,A) 特開 昭63−119701(JP,A) 特開 昭63−57002(JP,A) 特開 昭62−5301(JP,A) 特開 昭60−108001(JP,A) 特開 昭58−118703(JP,A) 実開 平1−67902(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 31/50 B29C 45/14 B29K 27:06 B29K 105:20 B29L 31:50 A43B 1/00 - 31/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)脂肪族ポリエステルポリオール,
    (b)有機ジアミン,(c)脂肪族ジイソシアネート又
    は脂環族ジイソシアネート,(d)親水性基を含む塩か
    らなる親水性のポリウレタン樹脂に水を加え水溶液と
    し、これに架橋剤と水とを加えて混合液とし、この混合
    液に起毛織物よりなる甲被材を浸漬し、乾燥し、この甲
    被材を用いて甲被を作り、ラストに被着し、その下面に
    ポリ塩化ビニルを主成分とする靴底材を射出成形するこ
    とを特徴とする射出成形靴の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、前
    記親水性ウレタン樹脂が主鎖にウレア結合を有し、側鎖
    の一部にカルボキシル基を有することを特徴とする射出
    成形靴の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の製造方法において、架
    橋剤がエポキシ系架橋剤であることを特徴とする射出成
    形靴の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の製造方法において、架
    橋剤がイソシアネート系架橋剤であることを特徴とする
    射出成形靴の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の製造方法において、水
    性ポリウレタン樹脂と架橋剤と水との混合液の固形分濃
    度が0.1ないし7%の範囲で使用することを特徴とす
    る射出成形靴の製造方法。
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