JP3160474B2 - マイクロ波濃度計 - Google Patents
マイクロ波濃度計Info
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Description
ば汚泥、パルプ、その他種々の物質を含む被測定流体や
種々の溶解物質の濃度を測定する濃度計に係り、特に低
濃度から高濃度までの広い濃度測定範囲にわたって懸濁
物質等の濃度を確実に測定可能とする測定機能を備えた
濃度計に関するものである。
を測定する濃度計がある。図9は、従来の超音波濃度計
の測定原理を示している。この濃度計は、配管1の管壁
に被測定流体と接触するように、超音波送信器2および
超音波受信器3が対向配置され、そのうち超音波送信器
2側には超音波発振器4が設けられ、一方超音波受信器
3側には超音波減衰率測定回路5が接続されている。
波発振器4から超音波送信器2に超音波信号を入力する
と、この超音波送信器2から超音波が放射され、配管1
内の流体中を伝播して超音波受信器3によって受信され
る。この時、超音波の受信強度は、懸濁物質の濃度に応
じて減衰する。
をその受信強度に応じた電気信に変換して超音波減衰率
測定回路5へ導入する。この減衰率測定回路5では、あ
らかじめ懸濁物質の濃度と懸濁物質の濃度に応じた超音
波の減衰率との関係を表わす検量線が設定されている。
そして、超音波減衰率に対応する超音波受信強度に基づ
いて上記検量線から濃度を測定する。
音波の送受信器2,3を配管1内の液体に接触させなけ
ればならないため、その接触面に懸濁物質が付着し易
く、定期的に洗浄する必要がある。特に、下水汚泥等の
場合には、懸濁物質が付着し易い。
管1の外側に取り付けることがあるが、この場合、配管
1における取り付け部分の肉厚を薄くしなければなら
ず、強度および耐久性等の問題が出てくる。また、この
ような構造にすると配管1の振動の影響をうけ易く、誤
差の要因となる。しかも、超音波は液体中と比較して、
気体中では減衰率が非常に大きくなる。このため、流体
中に気泡が混入していると、超音波の減衰が懸濁物質に
よる減衰よりも格段に大きくなる。その結果、測定不可
能となったり、見掛け上高濃度な測定結果が出てしま
い、測定精度が問題となる。
めに、所定のサンプリング周期毎に被測定流体を加圧消
泡室に取り込んだ後、圧力を加えて気泡を除去した後、
被測定流体の濃度を測定する消泡式濃度計が用いられる
ようになった。
のサンプリング周期毎に被測定流体をサンプリングする
方式のため、連続的に濃度を測定できないこと、被測定
流体をサンプリングしたり、所定の圧力を加える必要か
ら、機械的な可動機構が必要となり、信頼性の面で問題
がある。
て言えることは、懸濁物質による超音波の分散減衰を利
用しているので、被測定流体中に溶解している物質の濃
度測定には適用できない。
洗浄の問題がなく、被測定流体中に溶解する物質でも測
定可能であり、かつ連続的に濃度を測定可能とするため
に、マイクロ波を用いて濃度を測定する濃度計が考えら
れてきている。
成例を示している。同図に示すように、流体の流通する
配管1に、マイクロ波送信アンテナ11とマイクロ波受
信アンテナ12とが対向配置され、マイクロ波発振器1
3から発射されたマイクロ波が、パワースプリッタ14
−送信アンテナ11−管内流体−受信アンテナ12を通
って位相差測定回路15に導入される第1の経路と、同
じくマイクロ波がパワースプリッタ14を通って位相差
測定回路15に導入される第2の経路とを形成し、第1
の経路からのマイクロ波の第2の経路からのマイクロ波
に対する位相遅れから位相差を求める構成となってい
る。
らパワースプリッタ14を経由して直接受信するマイク
ロ波に対する配管内の被測定流体を伝播してくるマイク
ロ波の位相遅れθ2 と、管内に基準流体(例えば水道
水)を充填して被測定流体の場合と同じ条件で測定した
時のマイクロ波の位相遅れθ1 とを比較し、その位相差
Δθ=(θ2 −θ1 )から検量線を用いて濃度を測定す
る。具体的には、濃度X=aΔθ+bの演算を行なって
濃度を求めるものである。なお、aは検量線の傾き、b
は検量線の切片である。
ナに被測定流体を接触させる必要がなく、また被測定流
体の気泡に影響されずに伝播して被測定流体の濃度を測
定できることから、洗浄の必要性がなく、連続的に濃度
を測定できる。
被測定流体の濃度状態に応じて変化するマイクロ波の位
相遅れを検出しているので、図11に示すように、マイ
クロ波発振器13のマイクロ波(イ)に対し、例えば水
道水等の基準流体の場合には位相遅れθ1 を持ったマイ
クロ波(ロ)を受信することになり、被測定流体の場合
にはその濃度状態によってその位相遅れθ2 が大きく変
化するマイクロ波(ハ)を受信することになる。その結
果、次のような問題が生ずる。
は、位相遅れθ2 が360°を越えて1回転目(便宜
上、0°≦θ2 ≦360°を0回転目、 360°<θ
2 ≦720°を1回転目、 720°<θ2 ≦1080
°を2回転目、すなわち(n−1)×360°<θ2 ≦
n×360°を(n−1)回転目と呼ぶことにし、θ1
は0回転目にあるとする。ここで、n=−1,0または
1,2,3,……の整数)の角度になってしまうことが
あるが、このとき図12に示すように、位相差測定回路
15では、測定される位相遅れθ2 が、みかけ上の位相
遅れが1回転目の角度 θ2 ′(θ2 ′=θ2 −(n−
1)×360° θ2 ′は位相測定回路15で測定され
るみかけ上の位相遅れ)となり、みかけ上低濃度である
ような測定結果となり、高濃度の正確な測定が不可能と
なる。
20°を越えて2回転目(便宜上、0°≦θ2 ≦360
°を0回転目、 360°<θ2 ≦720°を1回転
目、720°<θ2 ≦1080°を2回転目、すなわち
(n−1)×360°<θ2≦n×360°を(n−
1)回転目と呼ぶことにする)の角度になる可能性もあ
る。
径の大きさに応じてマイクロ波の伝播経路が長くなるの
で、位相遅れθ2 が大きくなり、前記と同様な問題が生
じる。 さらにまた、図13に示すように、ある時点で
の位相遅れθ1 が0°に近い値で、これをゼロ点データ
θ1 として測定を行なっていて、次にゼロ点をチェック
するべく水道水を測定した時、水温変化等に起因して、
ゼロ点位相遅れθ1 がドリフトして0°以下になり、0
回転目から−1回転目の位相角度に入って、みかけ上3
60°に近い大きな角度θ1 ′となり、あたかもみかけ
上ゼロ点がプラス側に大きくドリフトしたことになって
しまうという不都合が生じる。
濃度計においては、懸濁物質の付着や流体中の気泡の影
響を受けてしまう、また流体中に溶解している物質の測
定が行なえない、さらに高濃度を含む広範囲の濃度測定
の他、大口径の場合には確実に濃度測定を行なえないと
いう問題があった。
の気泡の影響を受けずに濃度測定が可能であり、かつ流
体中に溶解している物質でも測定可能とし、さらに高濃
度を含む広範囲の濃度測定の他、大口径の場合でも確実
に濃度測定を行なうことができ、さらに濃度測定用管が
空の状態になっても回転数が不必要に変化するのを防止
した極めて信頼性の高い濃度計を提供することにある。
解決するために次のような手段を講じた。請求項1に対
応する本発明は、濃度測定用管にマイクロ波送信器およ
びマイクロ波受信器を対向配置し、前記濃度測定用管に
基準流体が流れている時に前記マイクロ波送信器から送
信され基準流体を通って前記マイクロ波受信器にて受信
されたマイクロ波の位相遅れθ1 を検出し、前記濃度測
定用管に被測定流体が流れている時に前記マイクロ波送
信器から送信され被測定流体を通って前記マイクロ波受
信器にて受信されたマイクロ波の位相遅れθ2 を検出
し、両位相遅れの位相差Δθ=θ2 −θ1 から前記被測
定流体の濃度を測定するマイクロ波濃度計において、前
記位相遅れθ2 の測定を連続的でなくある短時間の周期
で行ない、ある時点でのみかけ上の位相遅れθ2 ′とそ
の次の時点でのみかけ上の位相遅れθ2′とを、あらか
じめ設定された360°に近い位相角度の上範囲および
0°に近い位相角度の下範囲と比較して回転数nを求
め、θ2 =θ2 ′+n×360°の処理を行なって真の
位相遅れθ2 を求める演算手段と、通常の測定動作を行
う「運転モード」、保守等のために前記濃度測定用管の
被測定流体を止める「保守モード」、被測定流体が前記
濃度測定用管を流れている間のみ測定動作を行う「外部
連動モード」を指示する運転モード設定器と、前記運転
モード設定器で「保守モード」が指示されている場合、
又は「外部連動モード」が指示され且つ測定動作が行わ
れていない場合は、前回の測定動作終了時の回転数n及
びみかけ上の位相遅れθ2 ′を保持するデータ保持手段
とを具備する構成とした。
ド」から「運転モード」へ戻された場合、又は「外部連
動モード」が指示され且つ測定動作が開始された場合
は、前記データ保持手段に保持されているみかけ上の位
相遅れθ2 ′と今回測定されたみかけ上の位相遅れθ
2 ′とを比較して回転数nの値を決定することを特徴と
する。
して起こり得ない高濃度値Xmax と、ゼロ点がドリフト
しても起こり得ないマイナス濃度値Xmin とを設定する
条件設定手段を付加し、通常の濃度測定状態において測
定された濃度値と前記高濃度値Xmax 、又はマイナス濃
度値Xmin と比較して妥当な回転数nを求め、当該回転
数nを用いて前記被測定流体の濃度を演算するようにし
たことを特徴とする。
り次のような作用を奏する。請求項1に対応する本発明
によれば、位相遅れθ2 の測定が連続的でなくある短時
間の周期で行なわれる。ある時点でのみかけ上の位相遅
れθ2 ′とその次の時点でのみかけ上の位相遅れθ2 ′
とが、360°に近い位相角度の上範囲および0°に近
い位相角度の下範囲と比較されて回転数nが求められ、
θ2 =θ2 ′+n×360°の処理により真の位相遅れ
θ2 が求められる。この真の位相遅れθ2 を用いて被測
定流体の濃度が演算される。
流体を導入するために濃度測定用管内の被測定流体を排
出して一時的に空状態にするような場合は、運転モード
設定器から「保守モード」が設定される。また、例えば
汚泥タンクに溜まった汚泥を濃度測定用管を介して間欠
的に排出するような場合は、汚泥が排出されるときにの
み濃度測定を行う「外部連動モード」が設定される。
は「外部連動モード」が設定されていて被測定流体が流
れている場合のみ、被測定流体の濃度に応じて回転数n
が変化する。一方、「保守モード」が設定されている場
合、又は「外部連動モード」が設定されていて且つ濃度
測定動作が実施されていない場合には、濃度測定用管の
被測定流体が空になっているので、このような場合には
演算手段の回転数nが濃度の変化に対応して変化しない
ように前回の測定動作終了時の回転数n及びみかけ上の
位相遅れθ2 ′をデータ保持手段に保持しておく。
守モード」から「運転モード」へ戻されたとき、又は
「外部連動モード」のおいて測定動作が開始されたとき
は、データ保持手段に保持されていたみかけ上の位相遅
れθ2 ′と今回測定されたみかけ上の位相遅れθ2 ′と
が比較され、その比較結果に基づいて回転数nの値が定
められる。
対象として起こり得ないような高濃度値Xmax とゼロ点
がドリフトしても起こり得ないようなマイナス濃度値X
minとが予め設定される。そして、通常の濃度測定状態
において測定された濃度演算値と、高濃度値Xmax 、及
びマイナス濃度値Xmin とが比較されて妥当な回転数n
が求められる。その回転数nを用いて被測定流体の濃度
が演算される。
して詳細に説明する。図1は、本実施例に係るマイクロ
波濃度計の構成図である。このマイクロ波濃度計は、濃
度検出用管20が上流側配管21と下流側配管22との
間に仕切り弁23,24を介して介在されている。この
濃度検出用管20には、給水バルブ26及び排水バルブ
27が設けられている。給水バルブ26には水道水等の
基準流体を導くための水道管28が接続され、また排水
バルブ27には配水管29が接続されている。
する位置にそれぞれマイクロ波入射・出射用の開口窓部
が形成され、この開口窓部に気密用シールパッキンを介
してアンテナ取付け用板が取付けられている。このアン
テナ取付け用板は絶縁物を介して送信アンテナ31及び
受信アンテナ32が密着して取付けられる。アンテナ取
付け用板の絶縁物は、ファイバ・レジン・プラスチック
(FRP),塩化ビニル樹脂、又はその他の絶縁物で形
成されている。
生するためのマイクロ波発振器33が設けられ、このマ
イクロ波発振器33の出力は、パワースプリッタ34を
介して送信アンテナ31へ送られる。
回路35と、位相差補正回路36と、回転数条件設定器
37と、信号変換回路38と、運転モード設定器39と
を備えている。
からのマイクロ波の受信波と共に、参照信号として前記
パワースプリッタ34からマイクロ波送信波の一部が導
入され、そのマイクロ波送信波に対する受信波のみかけ
上の位相遅れを測定する。
ってみかけ上の位相遅れから真の位相遅れを求め、その
真の位相遅れと基準位相遅れとの位相差Δθを算出す
る。回転数条件設定器37は、360°に近い位相角度
である上範囲の値と、0°に近い位相角度である下範囲
の値と、測定対象として起こり得ないような高濃度値X
max と、ゼロ点がドリフトしても起こり得ないようなマ
イナス濃度値Xminと、任意の回転数nとをそれぞれ手
動設定する部分である。
ータが設定されており、位相差補正回路36から入力す
る位相差Δθに対応する濃度値を検量線データに基づい
て求め、その濃度値に対応した電流信号に変換して出力
する。
動作を行う「測定モード」と、ゼロ点調整等の保守作業
を行うときに使用する「保守モード」と、配管内に被測
定流体が流れていることを示す信号を受信しているとき
にのみ測定動作を行うようにする「外部連動モード」と
の3つの運転モードを設定できる。
位相遅れθ2 の算出原理について説明する。みかけ上の
位相遅れθ2 ′の変動範囲は図6に示すように0°〜3
60°である。この0°〜360°の角度範囲におい
て、0°から360°側への所定範囲を下範囲とする。
また、0°〜360°の角度範囲において、360°か
ら0°側への所定範囲を上範囲とする。例えば、下範囲
として0°〜120°の範囲を設定し、上範囲として2
40°〜360°の範囲を設定する。
でなくある短時間(本実施例では5秒間隔)の周期で行
ない、ある時点でのみかけ上の位相遅れθ2 ′が上範囲
に存在し、次の時点でのみかけ上の位相遅れθ2 ′が下
範囲に存在していれば回転数nをn=n+1と変更す
る。また、ある時点でのみかけ上の位相遅れθ2 ′が下
範囲に存在し、次の時点でのみかけ上の位相遅れθ2 ′
が上範囲に存在していれば回転数nをn=n−1と変更
する。この回転数nを使用して真の位相遅れθ2を計算
する。
するのは、位相遅れ測定周期として設定した短時間(例
えば5秒間)では、みかけ上の位相遅れθ2 ′が、同じ
回転数nの範囲(例えば回転数n=0であれば、真の位
相遅れθ2 が0°〜360°の範囲)において、上範囲
から下範囲へ、又は下範囲から上範囲へ大きく変化する
現象(濃度変化,温度変化等)が実際には起こらないこ
とを前提としている。つまり、例えば5秒間の間に、み
かけ上の位相遅れθ2 ′が、上範囲から下範囲へ、又は
下範囲から上範囲へ変化するのは、回転数nが変化した
ものと判定できる。
濃度計の動作について、図2〜図5を参照して説明す
る。運転モード設定器39から位相差補正回路36に対
して任意の運転モードが予め設定される。例えば、機器
の保守点検を行う場合であれば「保守モード」が設定さ
れ、またタンクに貯留された汚泥が規定水位に達すると
ポンプを駆動してタンクから配管21へ汚泥を排出する
ような間欠運転を行う場合は「外部連動モード」を設定
する。
回路36に設定されている運転モードを判定する(ステ
ップS1)。「測定モード」が設定されていればステッ
プ2〜ステップS9の処理が実行される。
れθ1 が保持されていなければ最初に基準位相遅れθ1
を測定し、次にみかけ上の位相遅れθ2 ′を測定する
(ステップS2)。位相遅れとは位相差測定回路35で
のマイクロ波送信波に対するマイクロ波受信波の位相の
遅れを意味する。
弁23,24を閉成した後、排水バルブ27を開けて管
20内の汚泥など測定流体を排出し、しかる後、給水バ
ルブ26を開けて水道水を供給して管20内の汚れを洗
浄した後、排水バルブ27を閉じて管20内に水道水を
満ぱい状態にする。
後、図8(a)に示すように、マイクロ波発振器33か
らマイクロ波信号を発生すると、このマイクロ波はパワ
ースプリッタ34を通って送信アンテナ31から送信さ
れ、管20内の水道水を伝播して受信アンテナ32によ
って受信される。この受信アンテナ32によるマイクロ
波受信波は位相差測定回路35へ送られる。この位相差
測定回路35にはパワースプリッタ34からマイクロ波
送信波の一部が送られてきている。
波とマイクロ波受信波との比較によって基準流体に関す
る基準位相遅れθ1 を測定し、この測定された基準位相
遅れθ1 を位相差補正回路36へ送出して記憶させる。
また、位相差補正回路36には回転数条件設定器37か
ら回転数の初期値として0が設定される。
内の水道水を排出した後、仕切弁23,24を開けて測
定物質を含む測定流体を流す。この状態でマイクロ波発
振器33からマイクロ波信号を発信する。このマイクロ
波信号は、前述と同様に、パワースプリッタ34を介し
て送信アンテナ31と位相差測定回路35に送られる。
送信アンテナ31から発したマイクロ波が、図8(b)
に示すように、濃度検出用管20内の被測定流体を伝播
して受信アンテナ32に到達すると、受信アンテナ32
が被測定流体の濃度に応じた位相遅れを持ったマイクロ
波信号を出力する。位相差測定回路35では、被測定流
体の濃度に応じた位相遅れを持ったマイクロ波信号のみ
かけ上の位相遅れθ2 ′を測定する。このように測定物
質を含む測定流体を流した状態で測定流体にマイクロ波
を送信し、短時間の周期(例えば、5秒毎)でみかけ上
の位相遅れθ2 ′を測定する。
らば、図4に示すフローチャートに基づいて回転数nを
決定する(ステップS3)。回転数条件設定器37から
回転数判定のための上範囲,下範囲及び回転数の初期値
n=0を読み込んでおき、みかけ上の位相遅れθ2 ′を
位相差測定回路35から取り込み、θ2 ′が上範囲内に
存在するか否か判断する(ステップT1)。この取り込
まれたθ2 ′が上範囲内に存在していれば、例えば、5
秒後のθ2 ′が下範囲に入るか否か判断する(ステップ
T2)。5秒後のθ2 ′が下範囲に入れば、みかけ上の
位相遅れθ2 ′が、図6に示すAのように、5秒間の間
に上範囲から下範囲へ変化しているため、回転数nをn
=n+1に変更する(ステップT3)。位相差測定回路
35から取り込んだθ2 ′が上範囲に属していない場合
は、当該θ2 ′が下範囲に存在するか否か判断する(ス
テップT4)。この取り込まれたθ2 ′が下範囲に存在
していれば、5秒後のθ2 ′が上範囲に入るか否か判断
する(ステップT5)。5秒後にθ2 ′が上範囲に入れ
ば、図6に示すBのように、5秒間の間に下範囲から上
範囲へ変化しているため、回転数nをn=n−1に変更
する(ステップT6)。なお、その他の場合は、回転数
nの変更は行わない。
定したならば、(1)式により真の位相遅れθ2 を計算
する(ステップS4)。 θ2 =θ2 ′+n×360° …(1) さらに、(2)式により位相差Δθを計算する(ステッ
プS5)。
力されて濃度Xが計算される(ステップS6)。
モード」での測定動作中に濃度検出用管20が一時的に
空になるような状態が発生した場合には、回転数nが不
必要に変化している可能性が高い。
5のフローチャートに基づいて濃度演算値Xが妥当な値
であるか否か判断する。すなわち、(イ)回転数nがn
≧1の条件を満たし、かつ濃度演算値XがX≧Xmax な
らば、回転数nをn=n−1に変更する。あるいはn≧
1でX<Xmax ならば、回転数nの変更は行わない。ま
た、回転数nがn<0の条件を満たし、かつ濃度演算値
XがX≦Xmin ならば、回転数nをn=n+1に変更す
る。あるいはn<0でかつX>Xmin ならば、回転数n
の変更は行わない。またn=0の場合も回転数nの変更
は行わない。
nが変更される限りステップS4に処理を戻して、その
変更後の回転数nを使用して再び濃度Xを計算させる。
そして、回転数nの変更がなくなった時点で、その時の
濃度演算値Xを濃度測定値として出力する(ステップS
9)。そして、この濃度測定値に応じた電流信号を出力
する。例えば、濃度測定範囲が0〜10%であれば、そ
れに対応する電流信号4〜20mAが出力される。
モード」以外と判断された場合は、さらに「保守モー
ド」か否か判断する。「保守モード」と判断された場合
は、「測定モード」が設定されるまでステップS11〜
ステップS12の処理を実行し、「測定モード」が設定
された後はステップS13、S14の処理を実行した後
にステップS2の処理へ移行する。
補正回路36に記憶された直前のみかけ上の位相遅れθ
2 ′と回転数nをホールドする。そして、一定の周期で
「測定モード」が設定されたか否か判断する(ステップ
S12)。
えられたならば、上記ステップS2と同様にしてみかけ
上の位相遅れθ2 ′を測定する(ステップS13)。こ
の測定されたみかけ上の位相遅れθ2 ′とステップS1
1でホールドしたみかけ上の位相遅れθ2 ′とを使用し
て図4のフローチャートに準じた処理を実行して回転数
nを決定する(ステップS14)。このとき、ステップ
S13で測定したθ2′を図4における5秒後のθ2 ′
として処理する。
モード」への切替え直後に最初の回転数nが決定された
ならば、ステップS2へ移行して上述した濃度測定を実
行する。
モード」以外と判断され、かつステップS10の処理に
おいて「保守モード」以外と判断された場合は、図3に
示す「外部連動処理」を実行する。すなわち、被測定流
体が流れていることを示す信号を受信しているか否か判
断する(ステップQ1)。本実施例の場合であれば、汚
泥タンクの汚泥を配管21へ排出するポンプのポンプ動
作信号が受信されているか否か判断する。ポンプ動作信
号が受信されている間は被測定流体が流れていることに
なる。
信されていれば、ステップS2の処理へ移行して濃度測
定動作を実行する。一方、ステップQ1の判断でポンプ
動作信号が受信されていなければ、配管が空になること
による回転数nの不必要な変動を防ぐために、位相差補
正回路36に記憶されている直前のみかけ上の位相遅れ
θ2 ′および回転数nをホールドする(ステップQ
2)。このように直前のθ2 ′及び回転数nをホールド
した状態において被測定流体が流れていることを示す信
号、すなわちポンプ動作信号が受信されたならば(ステ
ップQ3)、マイクロ波を送波してみかけ上の位相遅れ
θ2 ′を測定する(ステップQ4)。次に、この測定し
たみかけ上の位相遅れθ2 ′とステップQ2の処理でホ
ールドしたみかけ上の位相遅れθ2 ′とを使用して図4
に示すフローチャートに従って回転数nを決定する。こ
のとき、ステップQ4で測定したθ2 ′を図4における
5秒後のθ2 ′として処理する。
ならば、図2のフローチャートに示すステップS2の処
理へ移行して濃度測定を実行する。上述したように、本
実施例のマイクロ波濃度計によれば、基準流体測定時に
送信側からマイクロ波を送信して得られるマイクロ波信
号の位相遅れと被測定流体測定時に同じ測定条件で得ら
れるマイクロ波信号の位相遅れとから位相差Δθを求
め、この位相差Δθから被測定流体の濃度を求めるよう
にしているので、被測定流体に含まれる懸濁物質の付着
や被測定流体中の気泡の影響を受けずに濃度を測定する
ことができ、しかも被測定流体中に溶解する物質であっ
ても濃度測定が可能である。その上、機械的な機構がな
いので、長期的に高い信頼性を維持することができる。
°〜360°の範囲に下範囲と上範囲とを設定し、みか
け上の位相遅れθ2 ′が現在属する範囲と前回属した範
囲とを比較して回転数が変化したことを判定するように
したので、みかけ上の位相遅れθ2 ′の回転数を正確に
把握することができ、位相遅れが360°を越えて1回
転目以上になっても、高濃度測定流体の濃度を正確に測
定でき、かつ大口径の濃度検出用管でも正確に濃度を測
定することができる。
転数条件設定器37に高濃度閾値Xmax とマイナス濃度
閾値Xmin とを設定し、濃度測定時にある回転数nで計
算した濃度演算値Xと高濃度閾値Xmax またはマイナス
濃度閾値Xmin とを比較して現在の測定流体の濃度等に
応じた最適な回転数を決定するようにしたので、常に正
確な回転数を維持することができ、信頼性の高い濃度測
定値を得ることができる。
転モード設定器39から運転モードを入力して、「保守
モード」及び「外部連動モード」時における被測定流体
が流れていない期間は、みかけ上の位相遅れθ2 ′及び
回転数nを直前の値にホールドし、回転数が不必要に変
動するのを防止し、被測定流体が流れたならばホールド
していたθ2 ′及び回転数nを使って新たに回転数nを
決定するようにしたので、保守点検時又は外部連動時等
において濃度検出用管内に一時的に空気層が形成されて
も、測定して得られる位相差が異常に大または小になる
ことを避けることができ、測定値異常の発生を防止でき
る。
ではなく、次のようにしても同様に実施できるものであ
る。 (a)上記各実施例では、懸濁物質が流れている状態で
測定したが、静止状態で濃度を測定してもよく、また基
準流体として水道水を用いたが、ある既知濃度の物質を
含むものを用いてもよい。
1と下流側配管22とで挟むように配置したが、例えば
被測定流体の流通配管に流体取り込み用容器を設け、あ
るいはバイパス管を設けた時、これら容器やバイパス管
に前記技術を適用するものであり、これも本発明の範囲
に含まれるものである。
〜360°測定方式で説明したが、例えば−180°〜
+180°測定方式でも同様である。 (c)上記実施例では、ゼロ点調整時にn=0とする場
合で説明したが、これに限らず、例えばn=1として、
θ2 =θ2 ′+(n−1)×360°の処理を行なうよ
うにしてもよい。
濁物質の付着や流体中の気泡の影響を受けずに濃度測定
が可能であり、かつ流体中に溶解している物質でも測定
可能とし、さらに高濃度を含む広範囲の濃度測定の他、
大口径の場合でも確実に濃度測定を行なうことができ、
さらに濃度測定用管が空の状態になっても回転数が不必
要に変化するのを防止した極めて信頼性の高い濃度計を
提供できる。
成図である。
及び「保守モード」時の動作を示すフローチャートであ
る。
ド」時の動作を示すフローチャートである。
の位相遅れに基づいた回転数nの変更処理を示すフロー
チャートである。
値に基づいた回転数nの変更処理を示すフローチャート
である。
を示す図である。
図。
ための図。
示す図。
の図。
32…マイクロ波受信アンテナ、33…マイクロ波発振
器、34…パワースプリッタ、35…位相差測定回路、
36…位相差補正回路、37…回転数条件設定器、38
…信号変換回路、39…運転モード設定器。
Claims (3)
- 【請求項1】 濃度測定用管にマイクロ波送信器および
マイクロ波受信器を対向配置し、前記濃度測定用管に基
準流体が流れている時に前記マイクロ波送信器から送信
され基準流体を通って前記マイクロ波受信器にて受信さ
れたマイクロ波の位相遅れθ1 を検出し、前記濃度測定
用管に被測定流体が流れている時に前記マイクロ波送信
器から送信され被測定流体を通って前記マイクロ波受信
器にて受信されたマイクロ波の位相遅れθ2 を検出し、
両位相遅れの位相差Δθ=θ2−θ1 から前記被測定流
体の濃度を測定するマイクロ波濃度計において、 前記位相遅れθ2 の測定を連続的でなくある短時間の周
期で行ない、ある時点でのみかけ上の位相遅れθ2 ′と
その次の時点でのみかけ上の位相遅れθ2 ′とを、あら
かじめ設定された360°に近い位相角度の上範囲およ
び0°に近い位相角度の下範囲と比較して回転数nを求
め、θ2 =θ2 ′+n×360°の処理を行なって真の
位相遅れθ2 を求める演算手段と、 通常の測定動作を行う「運転モード」、保守のために前
記濃度測定用管の被測定流体を止める「保守モード」、
被測定流体が前記濃度測定用管を流れている間のみ測定
動作を行う「外部連動モード」を指示する運転モード設
定器と、 前記運転モード設定器で「保守モード」が指示されてい
る場合、又は「外部連動モード」が指示され且つ測定動
作が行われていない場合は、前回の測定動作終了時の回
転数n及びみかけ上の位相遅れθ2 ′を保持するデータ
保持手段とを具備したことを特徴とするマイクロ波濃度
計。 - 【請求項2】 「保守モード」から「運転モード」へ戻
された場合、又は「外部連動モード」が指示され且つ測
定動作が開始された場合は、前記データ保持手段に保持
されているみかけ上の位相遅れθ2 ′と今回測定された
みかけ上の位相遅れθ2 ′とを比較して回転数nの値を
決定することを特徴とする請求項1記載のマイクロ波濃
度計。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のマイクロ波
濃度計において、 測定対象として起こり得ない高濃度値Xmax と、ゼロ点
がドリフトしても起こり得ないマイナス濃度値Xmin と
を設定する条件設定手段を付加し、通常の濃度測定状態
において測定された濃度値と前記高濃度値Xmax 、又は
マイナス濃度値Xmin と比較して妥当な回転数nを求
め、当該回転数nを用いて前記被測定流体の濃度を演算
するようにしたことを特徴とするマイクロ波濃度計。
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