JP3159294U - 船外機 - Google Patents

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幸栄 小久保
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Abstract

【課題】船体に伝わる振動を充分に抑制でき、かつ、優れた操縦性を実現できる船外機を提供する。【解決手段】船外機1は、船外機本体2と、第1座面31を有するロアーブラケット18と、第1座面31から後方に延びるボルト軸21aと、ボルト軸21aに支持されたマウント26および前ストッパ27とを含む。船外機1は、船外機本体2に固定され、マウント26を保持する保持ユニット25を含む。前ストッパ27は、ボルト軸21aに差し込まれた第2内筒46と、第2外筒47とを含む。前ストッパ27は、第2外筒47の前端縁47aに外向きに形成された第1フランジ48と、第2弾性部材49と、第1フランジ48と第1座面31との間に配置された第3弾性部材50とを含む。保持ユニット25は、第1フランジ48の後面48aに対して所定の第1隙間52を開けて対向する第2座面32を含む。【選択図】図4

Description

この考案は、船外機に関する。
特許文献1に記載の船外機は、船体に取り付けられるクランプブラケットと、クランプブラケットに取り付けられたスイベルブラケットと、スイベルブラケットの上部に取り付けられたステアリングブラケットとを含む。また、この船外機は、スイベルブラケットの下部に取り付けられたロアーマウントブラケットをさらに含む。
ステアリングブラケットは、アッパーマウントユニットを介してエンジンホルダを支持している。ロアーマウントブラケットは、ロアーマウントユニットを介してエンジンホルダの下方のドライブシャフトハウジングを支持している。このように、エンジンホルダおよびドライブシャフトハウジングは、上下に並ぶアッパーマウントユニットおよびロアーマウントユニットによって支持されている。
ロアーマウントユニットは、たとえば、特許文献1の図4に記載されている。このロアーマウントユニットは、第1ロアーマウントを含む。第1ロアーマウントは、ロアーマウントブラケットから後方に延びるロアーマウントボルトに差し込まれている。第1ロアーマウントは、ドライブシャフトハウジングのロアーマウント保持部に保持されている。これにより、ドライブシャフトハウジング(ロアーマウント保持部)は、第1ロアーマウントおよびロアーマウントボルトを介して、ロアーマウントブラケットに支持されている。第1ロアーマウントは、弾性部材であり、エンジンが低回転のときのドライブシャフトハウジングの振動を吸収するようになっている。
また、ロアーマウント保持部とロアーマウントブラケットとの間の隙間には、第2ロアーマントが配置されている。船外機のプロペラが船体を前進させるように回転すると、プロペラは、水が後方に流れるように水を掻く。これにより、ロアーマウント保持部は、ロアーマウントブラケットに向けて前方に変位する。大出力でエンジンを運転して船体を前進させているとき(高負荷前進運転時)、ロアーマウント保持部は、ロアーマウントブラケットに向けて所定量以上前方に変位する。このとき、第2ロアーマウントは、ロアーマウント保持部とロアーマウントブラケットとに挟まれる。これにより、第2ロアーマウントは、ロアーマウント保持部が前方へ変位することを規制する。
特開2006−312379号公報
自動車や自動二輪車のように陸上で使用される輸送機器においては、エンジンの振動はタイヤを介して地面に伝わるので、エンジンの振動が抑制されやすい。これに対して、船舶は、水上に浮遊した状態で使用されるから、船外機のエンジンが発生する振動は、抑制され難い。船外機のエンジンが発生する振動は、船外機全体を前後左右に振動させ、この振動がさらに船体に伝達されて船体を振動させることになる。
船外機のエンジンの振動は、主にアッパーマウントユニットおよびロワーマウントユニットを介してクランプブラケットに伝わり、さらに船体に伝わる。したがって、エンジンの振動を船体に伝達し難くするために、アッパーマウントユニットの弾性部材およびロワーマウントユニットの弾性部材は、柔らかいほうがよい。
一方、船舶が高速で前進しているとき、船外機の下部には、前方に向かう荷重がかかり、船外機の上部には、反対に、後方に向かう荷重がかかる。したがって、高速航走時、アッパーマウントユニットおよびロアーマウントユニットのうち、主にロアーマウントユニットが、スイベルブラケット(船尾)と船外機本体との結合に寄与する。つまり、船外機が発生する前進方向の推進力は、主としてロアーマウントを介して船体に伝達される。このため、ロワーマウントユニットは、高速航走時の操縦性に大きな影響を与える。したがって、エンジンの振動を抑制するためにロワーマウントユニットの弾性部材を柔らかくすると、高速航走時における操縦性が損なわれるおそれがある。
特許文献1では、エンジンの振動を抑制する機能は、比較的柔らかい第1ロアーマウントが受け持っている。また、高速航走時に船外機本体の変位を規制する機能は、比較的硬い第2ロアーマウントが受け持つようになっている。この構成によれば、エンジンの振動を抑制し、かつ、前進時の操縦性を高くすることができるように思われる。
しかしながら、第2ロアーマウントは、ロアーマウントボルトの直径程度の幅を有しているに過ぎない。このため、第2ロアーマウントとロアーマウント保持部との接触面積が小さく、かつ、第2ロアーマウントとロアーマウントブラケットとの接触面積も小さい。したがって、船外機が高負荷で前進運転しているとき、ロアーマウントブラケットと、ロアーマウント保持部との間の結合が不安定になる。そのため、期待されるほどの操縦性改善効果が得られないおそがある。
そこで、この考案の目的は、船体に伝わる振動を充分に抑制でき、かつ、優れた操縦性を実現できる船外機を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の考案は、エンジンおよびプロペラを含む船外機本体と、船体の船尾に取り付けられるように構成され、前記船体の後方に向けられる第1座面を有するブラケットと、前記第1座面から後方に延びる軸部材と、前記軸部材に支持されたマウントと、前記マウントと前記第1座面との間で前記軸部材に支持された前ストッパと、前記船外機本体に固定され、前記マウントを保持する保持ユニットとを含み、前記マウントは、前記軸部材がスライド可能に差し込まれた第1内筒と、前記第1内筒を取り囲む第1外筒と、前記第1内筒と前記第1外筒との間に配置され当該第1内筒および第1外筒に結合された第1弾性部材とを含み、前記前ストッパは、前記軸部材がスライド可能に差し込まれた第2内筒と、前記第2内筒を取り囲む第2外筒と、前記第2外筒の前端縁に外向きに形成された第1フランジと、前記第2内筒と第2外筒との間に配置され当該第2内筒および第2外筒に結合された第2弾性部材と、前記第1フランジと前記第1座面との間に配置された第3弾性部材とを含み、前記保持ユニットは、前後方向移動を規制した状態で前記第1外筒を保持する保持溝と、前記第1フランジの後面に対して所定の第1隙間を開けて対向する第2座面とを含む、船外機である。
船体を前進させる推進力を発生する方向にプロペラが回転しているとき、その推進力によって船外機本体は前方へと押される。したがって、保持ユニットは、ブラケットに向かって前方に変位する。特に、船体を高速で前進させるために、プロペラが高速回転しているとき(以下、「高負荷前進時」ともいう。)、保持ユニットは、ブラケットに向かって第1隙間以上の距離に渡って前方に変位する。これにより、保持ユニットの第2座面は、第1フランジの後面に接触する。第1フランジは、第3弾性部材を介してブラケットの第1座面に受けられることで、保持ユニットの前方への変位を規制する。第1フランジは、第2外筒から外向きに形成されているので、第1座面および第3弾性部材と対向する面積が広い。したがって、ブラケットの第1座面は、保持ユニットから伝達される前方への推進力を、第3弾性部材との広い接触面積で受けることができる。これにより、高負荷前進時において、ブラケットは、船外機本体から伝達される前方への推進力を安定した状態で受けることができるので、優れた操縦性を確保することができる。
また、高負荷前進時に船外機本体に作用する力は、保持ユニットの第2座面から第1フランジに伝達され、第3弾性部材を介してブラケットの第1座面に受けられる。したがって、第1弾性部材は、大きな力を受けなくてもよいので、柔らかい素材で作製することができる。このため、エンジンの振動は、第1弾性部材によって効果的に減衰することができる。したがって、操船者その他の乗員に感じられるエンジン振動を抑制できる。以上より、振動抑制効果および操縦性を両立した船外機を実現できる。
請求項2記載の考案は、前記前ストッパの各前記弾性部材のばね定数は、前記マウントの前記第1弾性部材のばね定数よりも大きい、請求項1記載の船外機である。
この構成によれば、前ストッパが保持ユニットの変位を規制しているときにおいて、前ストッパが保持ユニットを支持する剛性を高くすることがきる。これにより、高負荷運転時の優れた操縦性を実現できる。
請求項3記載の考案は、前記保持ユニットは、前記船外機本体のケースと一体化した本体部と、この本体部に対して着脱可能に構成されたカバーとを含み、前記本体部およびカバーは、前記第1外筒の全周に渡る筒状の前記保持溝を内部に形成し、前記軸部材を取り囲む環状の前記第2座面を前部に形成している、請求項1または2記載の船外機である。
この構成では、第2座面が環状に形成されている。したがって、高負荷前進時には、第2座面は、第1フランジの周方向の全域に渡って第1フランジと接触する。このため、高負荷前進時に、前ストッパの第1フランジは、保持ユニットの第2座面を安定して受けることができる。したがって、優れた操縦性を確保することができる。また、カバーを本体部から取り外すことにより、本体部の保持溝を露出することができる。本体部の保持溝を露出した状態で、保持溝にマウントを嵌めることができる。さらに、マウントが嵌められた本体部にカバーを取り付けることができる。したがって、マウントを保持ユニットに取り付ける作業を容易にすることができる。
請求項4記載の考案は、前記前ストッパの前記第2弾性部材および前記第3弾性部材は一体に形成され、前記第3弾性部材は、前記第1フランジの径方向において、前記第1フランジの外周縁との間に隙間を有しており、かつ、前記第2内筒との間に隙間を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船外機である。
この構成によれば、第2弾性部材と第3弾性部材とが一体に形成されている。これにより、第2弾性部材と第3弾性部材とは、協働して、保持ユニットが前ストッパに接触するときの衝撃を吸収することができる。しかも、第1フランジの外周縁は第3弾性部材よりも径方向外側にはみ出している。よって、第3弾性部材は、圧縮されて径方向外側に膨らんだときに、第1フランジの外周縁に擦れて削られることが抑制される。さらに、第3弾性部材と第2内筒との間には、第3弾性部材が弾性変形するのに必要な空間が確保されている。このため、第3弾性部材は、保持ユニットが第1フランジに接触したときに確実に弾性変形して、当該接触による衝撃を確実に緩和することができる。
請求項5記載の考案は、前記前ストッパの前記第2弾性部材の厚みは、前記マウントの前記第1弾性部材の厚みよりも薄い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の船外機である。
この構成により、第2弾性部材の弾性変形量は、第1弾性部材の弾性変形量よりも小さくなる。これにより、保持ユニットが前ストッパに接触しているとき、前ストッパは、より高い剛性で保持ユニット(船外機本体)の変位を規制することができる。したがって、高負荷前進時に優れた操縦性を確保できる。また、第2弾性部材が薄いことにより、前ストッパの配置スペースを少なくすることができる。このため、前ストッパの保持のためのスペースを十分に確保することができるので、前ストッパを保持する構成を採用し易い。
前記保持ユニットは、前記前ストッパの第2外筒の外周面に対して所定の隙間を開けて対向する円筒状座面を有していてもよい。船外機本体に対して上下方向または左右方向の大きな力が作用すると、第1弾性部材の弾性変形によって、前ストッパの第2外筒は、前記円筒状座面に当接する。その後、第2弾性部材が弾性変形することになる。したがって、船外機本体に対して上下方向または左右方向に作用した大きな力は、第1弾性部材および第2弾性部材によって受けられることになる。第2弾性部材は、第1弾性部材よりも厚さが薄いので、その弾性変形量が第1弾性部材よりも小さいから、上下方向または左右方向の大きな力を確実に受けることができる。したがって、船外機本体を左右に操舵したときに作用する左右方向の力を受けることができるので、優れた操舵性を実現できる。また、船舶が波間を航走するときに生じる上下方向の衝撃も、第2弾性部材によって確実に受けることができる。
請求項6記載の考案は、前記前ストッパの前記第3弾性部材は、前記第1フランジの径方向において、前記第1フランジの外周縁との間に隙間を有している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の船外機である。換言すれば、第1フランジの外周縁は、第3弾性部材よりも径方向外方に位置している。
第3弾性部材は、第1フランジとブラケットとに挟まれて圧縮されると、第1フランジの径方向の外方に拡がるように弾性変形する。このときの第3弾性部材が第1フランジの外周縁に達すると、第3弾性部材は、第1フランジの外周縁に擦れて、削られるおそれがある。そこで、外周縁が第3弾性部材よりも径方向外方にはみ出すように第1フランジを構成しておくことによって、第3弾性部材が第1フランジによって削られることを抑制できる。第1フランジの外周縁は、第3弾性部材の最大変形状態において、第3弾性部材よりも径方向外方に位置していることが好ましい。これにより、第3弾性部材と第1フランジの外周縁との接触を確実に回避できる。
請求項7記載の考案は、前記前ストッパの前記第3弾性部材は、前記軸部材を取り囲む筒状に形成されており、前記第2内筒との間に隙間を有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の船外機である。
第3弾性部材は、第1フランジとブラケットの第1座面とに挟まれて圧縮されると、第1フランジの径方向外方だけでなく、その内方へも弾性変形する。すなわち、第3弾性部材は、第2内筒に向かうように弾性変形する。このとき、第3弾性部材は、第2内筒との間の隙間へと入り込んで弾性変形することができる。このように、第3弾性部材が弾性変形するのに必要な空間が確保されているので、第3弾性部材は、圧縮力を受けたときに、確実に弾性変形することができる。これにより、第3弾性部材は、保持ユニットが第1フランジに接触することで圧縮力を受けたときに、確実に弾性変形して、当該接触時の衝撃を緩和することができる。
請求項8記載の考案は、前記マウントの後方に配置され、後方への移動が規制された状態で前記軸部材に支持され、前記船体の前方に向けられる第3座面を有する規制部材と、前記マウントと前記第3座面との間で前記軸部材に支持された後ストッパとをさらに備え、前記後ストッパは、前記軸部材がスライド可能に差し込まれた第3内筒と、前記第3内筒を取り囲む第3外筒と、前記第3外筒の後端縁に外向きに形成された第2フランジと、前記第3内筒と第3外筒との間に配置され当該第3内筒および第3外筒に結合された第4弾性部材と、前記第2フランジと前記第3座面との間に配置された第5弾性部材とを含み、前記保持ユニットは、前記第2フランジの前面に対して所定の第2隙間を開けて対向する第4座面を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の船外機である。
船体を後進させる推進力を発生する方向にプロペラが回転しているとき、その推進力によって船外機本体は後方へと押される。したがって、保持ユニットは、ブラケットから遠ざかるように後方に変位する。特に、船体を高速で後進させるために、プロペラが高速回転しているとき(以下、「高負荷後進時」ともいう。)、保持ユニットは、ブラケットから遠ざかるように第2隙間以上の距離に渡って後方に変位する。これにより、保持ユニットの第4座面は、第2フランジの前面に接触する。第2フランジは、第5弾性部材を介して規制部材の第3座面に受けられることで、保持ユニットの後方への変位を規制する。第2フランジは、第3外筒から外向きに形成されているので、第3座面および第5弾性部材と対向する面積が広い。したがって、規制部材の第3座面は、保持ユニットから伝達される後方への推進力を、第5弾性部材との広い接触面積で受けることができる。これにより、高負荷後進時において、規制部材は、船外機本体から伝達される後方への推進力を安定した状態で受けることができるので、後進時においても、優れた操縦性を確保できる。
また、高負荷後進時に船外機本体に作用する力は、保持ユニットの第4座面から第2フランジに伝達され、第5弾性部材を介して規制部材の第3座面に受けられる。したがって、第1弾性部材は、大きな力を受けなくてもよいので、柔らかい素材で作製することができる。このため、エンジンの振動は、第1弾性部材によって効果的に減衰することができる。したがって、操船者その他の乗員に感じられるエンジン振動を抑制できる。以上より、たとえば、プロペラの回転方向を変更することにより前進と後進とを変更することのできる船外機において、振動抑制効果および操縦性を両立することができる。
請求項9記載の考案は、前記後ストッパの各前記弾性部材のばね定数は、前記マウントの前記第1弾性部材のばね定数よりも大きい、請求項8記載の船外機である。
この構成によれば、後ストッパが保持ユニットの変位を規制しているときにおいて、後ストッパが保持ユニットを支持する剛性を高くすることがきる。これにより、高負荷運転時の優れた操縦性を実現できる。
請求項10記載の考案は、船外機が推進力を発生していないとき、前記第1隙間が、前記第2隙間よりも広くされている、請求項8または9記載の船外機である。
船外機の前進運転時、保持ユニットは、第1フランジに接触するまでに、前方に第1隙間の距離だけ変位する。また、船外機の後進運転時、保持ユニットは、第2フランジに接触するまでに、後方に第2隙間の距離だけ変位する。第1隙間が第2隙間よりも広いので、保持ユニット(船外機本体)の可動距離は、前進運転時の方が、後進運転時よりも長い。これにより、前進運転時における第1弾性部材の振動吸収効果を、後進運転時における第1弾性部材の振動吸収効果よりも大きくすることができる。一般的に、船外機においては、前進運転が行われる時間が、後進運転が行われる時間よりも長い。したがって、前進運転時の第1弾性部材の振動吸収効果を高くすることにより、船外機から船体に伝達される振動を少なくできる。
請求項11記載の考案は、前記保持ユニットは、前記船外機本体のケースと一体化した本体部と、この本体部に対して着脱可能に構成されたカバーとを含み、前記本体部およびカバーは、前記第1外筒の全周に渡る筒状の前記保持溝を内部に形成し、前記軸部材を取り囲む環状の前記第4座面を後部に形成している、請求項8〜10のいずれか一項に記載の船外機である。
この構成では、第4座面が環状に形成されている。したがって、高負荷後進時には、第4座面は、第2フランジの周方向の全域に渡って第2フランジと接触する。このため、高負荷後進時に、後ストッパの第2フランジは、保持ユニットの第4座面を安定して受けることができる。したがって、優れた操縦性を確保できる。また、カバーを本体部から取り外すことにより、本体部の保持溝を露出することができる。本体部の保持溝を露出した状態で、保持溝にマウントを嵌めることができる。さらに、マウントが嵌められた本体部にカバーを取り付けることができる。したがって、マウントを保持ユニットに取り付ける作業を容易にすることができる。
請求項12記載の考案は、前記後ストッパの前記第5弾性部材は、前記第2フランジの径方向において、前記第2フランジの外周縁との間に隙間を有している、請求項8〜11のいずれか一項に記載の船外機である。換言すれば、第2フランジの外周縁は、第5弾性部材よりも径方向外方に位置している。
第5弾性部材は、第2フランジと規制部材とに挟まれて圧縮されると、第2フランジの径方向の外方に拡がるように弾性変形する。このときの第5弾性部材が第2フランジの外周縁に達すると、第5弾性部材は、第2フランジの外周縁に擦れて、削られるおそれがある。そこで、外周縁が第5弾性部材よりも径方向外方にはみ出すように第2フランジを構成しておくことによって、第5弾性部材が第2フランジによって削られることを抑制できる。第2フランジの外周縁は、第5弾性部材の最大変形状態において、第5弾性部材よりも径方向外方に位置していることが好ましい。これにより、第5弾性部材と第2フランジの外周縁との接触を確実に回避できる。
請求項13記載の考案は、前記後ストッパの前記第5弾性部材は、前記軸部材を取り囲む筒状に形成されており、前記第3内筒との間に隙間を有している、請求項8〜12のいずれか一項に記載の船外機である。
第5弾性部材は、第2フランジと規制部材の第3座面とに挟まれて圧縮されると、第2フランジの径方向外方だけでなく、その内方へも弾性変形する。すなわち、第5弾性部材は、第3内筒に向かうように弾性変形する。このとき、第5弾性部材は、第3内筒との間の隙間へと入り込んで弾性変形することができる。このように、第5弾性部材が弾性変形するのに必要な空間が確保されているので、第5弾性部材は、圧縮力を受けたときに、確実に弾性変形することができる。これにより、第5弾性部材は、保持ユニットが第2フランジに接触することで圧縮力を受けたときに、確実に弾性変形して、当該接触時の衝撃を緩和することができる。
請求項14記載の考案は、前記後ストッパの前記第4弾性部材および前記第5弾性部材は一体に形成され、前記第5弾性部材は、前記第2フランジの径方向において、前記第2フランジの外周縁との間に隙間を有しており、かつ、前記第3内筒との間に隙間を有している、請求項8〜13のいずれか一項に記載の船外機である。
この構成によれば、第4弾性部材と第5弾性部材とが一体に形成されている。これにより、第4弾性部材と第5弾性部材とは、協働して、保持ユニットが後ストッパに接触するときの衝撃を吸収することができる。しかも、第2フランジの外周縁は第5弾性部材よりも径方向外側にはみ出しているから、第5弾性部材が第2フランジの外周縁に擦れて削られることが抑制される。さらに、第5弾性部材と第3内筒との間には、第5弾性部材が弾性変形するのに必要な空間が確保されている。このため、第5弾性部材は、保持ユニットが第2フランジに接触したときに確実に弾性変形して、当該接触による衝撃を確実に緩和することができる。
請求項15記載の考案は、前記後ストッパの前記第4弾性部材の厚みは、前記マウントの前記第1弾性部材の厚みよりも薄い、請求項8〜14のいずれか一項に記載の船外機である。
この構成により、第4弾性部材の弾性変形量は、第1弾性部材の弾性変形量よりも小さくなる。これにより、保持ユニットが後ストッパに接触しているとき、後ストッパは、より高い剛性で保持ユニット(船外機本体)の変位を規制することができる。したがって、高負荷後進時に優れた操縦性を確保できる。また、第4弾性部材が薄いことにより、後ストッパの配置スペースを少なくすることができる。このため、後ストッパの保持のためのスペースを十分に確保することができるので、後ストッパを保持する構成を採用し易い。
前記保持ユニットは、前記後ストッパの第3外筒の外周面に対して所定の隙間を開けて対向する円筒状座面を有していてもよい。船外機本体に対して上下方向または左右方向の大きな力が作用すると、第1弾性部材の弾性変形によって、後ストッパの第3外筒は、前記円筒状座面に当接する。その後、第4弾性部材が弾性変形することになる。したがって、船外機本体に対して上下方向または左右方向に作用した大きな力は、第1弾性部材および第4弾性部材によって受けられることになる。第4弾性部材は、第1弾性部材よりも厚さが薄いので、その弾性変形量が第1弾性部材よりも小さいから、上下方向または左右方向の大きな力を確実に受けることができる。したがって、船外機本体を左右に操舵したときに作用する左右方向の力を受けることができるので、優れた操舵性を実現できる。また、船舶が波間を航走するときに生じる上下方向の衝撃も、第4弾性部材によって確実に受けることができる。
この考案の一実施形態に係る船外機の左側面図である。 船外機の上部の分解斜視図である。 船外機の下部の分解斜視図である。 図1のIV−IV線に沿う主要部の断面図である。 図4の前ストッパ周辺の拡大断面図である。 図4の後ストッパ周辺の拡大断面図である。 高負荷前進時の船外機の作用について説明するための、船外機を上から見た断面図である。 高負荷後進時の船外機の作用について説明するための、船外機を上から見た断面図である。 船外機本体が上下または左右に変位したときの船外機の作用について説明するための、船外機を上から見た断面図である。 保持ユニットの周辺を上から見た図解的な断面図であり、船外機を上から見たときに船外機本体に時計回りのヨーモーメントが作用している様子を示している。 保持ユニットの周辺を上から見た図解的な断面図であり、船外機を上から見たときに船外機本体に反時計回りのヨーモーメントが作用している様子を示している。
以下では、この考案の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この考案の一実施形態に係る船外機1の左側面図である。図1では、船外機1が基準姿勢にある状態を示している。基準姿勢とは、プロペラ7の回転軸線が水平でかつ船体中心線に沿う向きとなる船外機1の姿勢である。以下の説明における前後、左右、および上下は、それぞれ、船外機1が基準姿勢にあるときの前後、左右、および上下である。また、以下では、特に説明しない限り、船外機1は、推進力を発生していない状態であるとして説明する。
船外機1は、船外機本体2と、取付機構3とを含む。船外機本体2は、取付機構3によって船体101の船尾102に取り付けられるように構成されている。船舶100は、船体101と船外機1とを含む。
船外機本体2は、エンジン4と、ドライブシャフト5と、プロペラシャフト6と、プロペラ7と、歯車機構8とを含む。エンジン4は、エンジンカバー9に収容されている。また、ドライブシャフト5、プロペラシャフト6、および歯車機構8は、アッパーケース10およびロアーケース11に収容されている。アッパーケース10は、エンジンカバー9の下方に配置されている。ロアーケース11は、アッパーケース10の下方に配置されている。
ドライブシャフト5は、エンジン4の下方で上下方向Z1に沿って配置されている。ドライブシャフト5は、エンジン4によって回転される。また、プロペラシャフト6は、ドライブシャフト5の下方で前後方向X1に沿って配置されている。歯車機構8は、ドライブシャフト5の下端部とプロペラシャフト6の前端部とを連結している。ドライブシャフト5は、その回転が、歯車機構8によってプロペラシャフト6に伝達されるように構成されている。また、プロペラ7は、プロペラシャフト6の後端部に取り付けられている。プロペラ7は、ロアーケース11の外に配置されている。船体101を前進または後進させる推進力は、プロペラ7の回転により発生される。プロペラ7により発生される推進力は、前後方向X1への力である。プロペラ7により発生される推進力は、ロアーケース11を介して、アッパーケース10に入力される。
取付機構3は、クランプブラケット12と、スイベルブラケット13と、チルトシャフト14と、ステアリングシャフト15と、ステアリングブラケット16と、ロアーブラケット18とを含む。
図2は、船外機1の上部の分解斜視図である。図1および図2に示すように、クランプブラケット12は、左右に間隔を空けて配置された右ブラケット12Rおよび左ブラケット12Lを含む。左右のブラケット12R、12Lは、それぞれ、船体101の船尾102に固定されるように構成されている。船外機1は、左右のブラケット12R、12Lを船体101に固定することにより、船体101に取り付けられるように構成されている。
スイベルブラケット13は、介在部13aと、介在部13aに連結された筒状部13bとを有している。図2に示すように、介在部13aは、左右のブラケット12R、12Lの間に配置されている。介在部13aは、チルトシャフト14を介して、左右のブラケット12R、12Lに連結されている。チルトシャフト14は、左右方向Y1に沿って配置されている。スイベルブラケット13は、クランプブラケット12に対して、チルトシャフト14の中心軸線回りに回動可能に連結されている。
図1に示すように、筒状部13bは、介在部13aの後方で上下方向Z1に沿って配置されている。ステアリングシャフト15は、筒状部13bを挿通している。ステアリングシャフト15は、筒状部13bに対してステアリングシャフト15の中心軸線回りに回転可能に構成されている。また、ステアリングシャフト15の上端部および下端部は、それぞれ、筒状部13bの上端および下端から突出している。
ステアリングシャフト15の上端部は、ステアリングブラケット16を介して、船外機本体2の上部に取り付けられている。また、ステアリングシャフト15の下端部は、ロアーブラケット18を介して、船外機本体2のアッパーケース10の下部に取り付けられている。船外機本体2は、ステアリングブラケット16が左右に操作されることにより、ステアリングシャフト15の中心軸線まわりに左右に回動される。これにより、船舶100が操舵される。
前述したように、船外機本体2は、上部と下部の二箇所において、取付機構3に連結されている。より具体的には、図2に示すように、船外機本体2の上部は、左右方向Y1における船外機本体2の中心を挟んだ二箇所においてステアリングブラケット16に支持されている。また、船外機1の下部の分解斜視図である図3に示すように、船外機本体2のアッパーケース10の下部は、左右方向Y1における船外機本体2の中心を挟んだ二箇所においてロアーブラケット18に支持されている。
図1を参照して、船外機1は、船外機本体2を取付機構3にマウントさせるための2つのマウント構造(アッパーマウント構造およびロアーマウント構造)を有している。
ステアリングブラケット16およびロアーブラケット18は、スイベルブラケット13およびクランプブラケット12を介して、船体101の船尾102に取り付けられるように構成されている。
図4は、図1のIV−IV線に沿う主要部の断面図である。次に、船外機1のロアーマウント構造を説明する。ロアーマウント構造は、船外機本体2の中心の左方と、船外機本体2の中心の右方とで同様の構成を有している。したがって、以下では、ロアーマウント構造のうち、船外機本体2の中心の左方の構造を説明する。
ロアーブラケット18は、この考案の「ブラケット」の一例である。ロアーブラケット18は、第1座面31を含む。第1座面31は、ロアーブラケット18の後端に配置された、略鉛直な平坦面である。第1座面31は、船体の後方を向くように(後向きに)配置されている。
ロアーブラケット18には、挿通孔18aが形成されている。この挿通孔18aは、ロアーブラケット18を前後方向X1に貫通しており、第1座面31に開放されている。船外機1は、ボルト21を含む。ロアーブラケット18の挿通孔18aには、ボルト21の軸(ボルト軸21a)が挿通されている。ボルト軸21aは、この考案の「軸部材」の一例である。
ボルト軸21aの前端は、ロアーブラケット18の前方に突出している。ボルト軸21aの前端には雄ねじ部21bが形成されている。この雄ねじ部21bには、ワッシャ22およびナット23が取り付けられている。ボルト軸21aは、第1座面31から後方に突出している。船外機1は、規制部材24を含む。規制部材24は、ボルト軸21aの後端に取り付けられている。
規制部材24は、金属製のワッシャなどの、中心に挿通孔24aを有する円板を用いて形成されている。規制部材24は、ボルト軸21aに差し込まれて支持されている。また、規制部材24は、ボルト21の後端に形成された頭部21cに受けられており、後方への移動が規制されている。規制部材24は、第3座面33を含む。第3座面33は、規制部材24の前面に配置されて船体101の前方を向いている。第3座面33は、略鉛直な平坦面である。
船外機1は、船外機本体2に固定された保持ユニット25と、保持ユニット25およびボルト軸21aに保持されたマウント26と、ボルト軸21aに支持された前ストッパ27および後ストッパ28とを含む。
船外機本体2のアッパーケース10は、保持ユニット25、マウント26およびボルト軸21aを介してロアーブラケット18に支持されている。また、保持ユニット25(船外機本体2のアッパーケース10)は、前ストッパ27および後ストッパ28によってロアーブラケット18に対する変位が規制されるように、構成されている。
保持ユニット25が前ストッパ27と接触したときに、船外機本体2のアッパーケース10(保持ユニット25周辺部分)の前方への変位が規制される。また、保持ユニット25が後ストッパ28と接触したときに、船外機本体2のアッパーケース10の後方への変位が規制される。
図3に示すように、保持ユニット25は、船外機本体2のアッパーケース10と一体化した本体部29と、本体部29に対して着脱可能に構成されたカバー30とを含む。本体部29は、アッパーケース10の左側面の下部に配置されている。
カバー30は、本体部29の左方に配置されている。このカバー30は、左側面視において前後方向X1に長く上下方向Z1に短い略矩形状に形成されている。カバー30は、本体部29に、取付ボルト39,40を用いて固定されている。取付ボルト39,40は、それぞれ、カバー30の上端の中央に形成された挿通孔30aおよびカバー30の下端の中央に形成された挿通孔30bを挿通している。図4に示すように、カバー30および本体部29は、カバー30が本体部29に取り付けられていることにより、協働して環状の第2座面32および第4座面34を形成している。
第2座面32は、保持ユニット25の前端に配置されて前方を向いており、第1座面31と前後方向X1に対向している。第2座面32は、ボルト軸21aを取り囲む環状に形成されている。
第4座面34は、保持ユニット25の後端に配置されて後方を向いており、規制部材24の第3座面33と前後方向X1に対向している。第4座面34は、ボルト軸21aを取り囲む環状に形成されている。
カバー30および本体部29は、協働して内部に収容空間41を形成している。収容空間41は、マウント26、前ストッパ27および後ストッパ28を収容している。保持ユニット25の内周面25aは、筒状に形成されており、上記の収容空間41を形成している。保持ユニット25の内周面25aは、保持溝42と、第5座面35と、第7座面37とを含む。
保持溝42は、マウント26を保持する溝である。保持溝42の底面42aは、円筒に形成されている。
第5座面35は、前ストッパ27に接触可能に構成されている。第5座面35は、保持溝42と第2座面32との間に配置されており、円筒状に形成されて円筒状座面を形成している。第5座面35の直径は、保持溝42の底面42aの直径よりも小さい。
第7座面37は、後ストッパ28に接触可能に構成されている。第7座面37は、保持溝42と第4座面34との間に配置されており、円筒状に形成されて円筒状座面を形成している。第7座面37の直径は、保持溝42の底面42aの直径よりも小さい。
マウント26は、第1内筒43と、第1外筒44と、第1弾性部材45とを含む。第1内筒43は、金属などを用いて形成されている。
第1内筒43は、ボルト軸21aにスライド可能に差し込まれている。第1内筒43は、保持溝42よりも長い全長を有しており、保持溝42から前後方向X1に突出している。
第1外筒44は、金属などを用いて円筒に形成されている。第1外筒44は、保持溝42に保持されている。具体的には、第1外筒44の外周面は、保持溝42の底面42aに全周に渡って受けられている。さらに、第1外筒44は、保持溝42の前端の側面42bおよび後端の側面42cに挟まれている。これにより、第1外筒44は、保持溝42に固定されており、保持溝42に対する前後移動が規制されている。第1外筒44は、第1内筒43を取り囲んでいる。
第1弾性部材45は、ゴムなどの弾性部材を用いて円筒状に形成されている。第1弾性部材45は、第1内筒43と第1外筒44との間に配置されている。第1弾性部材45は、第1内筒43および第1外筒44に、加硫接着などにより結合されている。これにより、保持ユニット25は、マウント26およびボルト軸21aを介して、ロアーブラケット18に支持されている。ロアーブラケット18に対するアッパーケース10の変位は、第1弾性部材45が弾性変形することにより可能とされている。
図5は、図4の前ストッパ27周辺の拡大断面図である。前ストッパ27は、船外機本体2のアッパーケース10がロアーブラケット18に向かって前方に所定量以上変位することを規制するように、構成されている。前ストッパ27は、ロアーブラケット18の第1座面31とマウント26との間に配置されている。前ストッパ27は、第2内筒46と、第2外筒47と、第1フランジ48と、第2弾性部材49と、第3弾性部材50とを含む。
第2内筒46は、金属などを用いて円筒に形成されており、第1内筒43と略同じ外径を有している。第2内筒46は、ボルト軸21aにスライド可能に差し込まれている。第2内筒46は、ロアーブラケット18と第1内筒43とによって前後に挟まれている。
第2外筒47は、金属などを用いて円筒に形成されており、第2内筒46を取り囲んでいる。第2外筒47の後部は、保持ユニット25に収容されており、第2内筒47の前部は、保持ユニット25の前方に突出している。第2外筒47の外周面は、第6座面36を含む。第6座面36は、保持ユニット25の第5座面35に全周に渡って取り囲まれている。第6座面36と第5座面35とは、隙間51をあけて対向している。この隙間51は、第5座面35の径方向に所定の長さL11を有している。
第1フランジ48は、第2外筒47と一体化されている。第1フランジ48は、第2外筒47の前端縁47aから外向きに拡がる円環状の板である。第1フランジ48は、第1座面31と第2座面32との間に配置されている。第1フランジ48の後面48aと第2座面32とは、第1隙間52をあけて前後方向X1に並んでいる。第1隙間52は、前後方向X1に沿って所定の長さL1を有している。
第2弾性部材49および第3弾性部材50は、単一の材料で形成されることにより、一体化されている。第2弾性部材49および第3弾性部材50は、第2内筒46およびボルト軸21aを取り囲んでいる。第2弾性部材49は、ゴムなどの弾性部材を用いて前後方向X1に長い円筒状に形成されている。第2弾性部材49は、第2内筒46と第2外筒47との間に配置されている。第2弾性部材49は、第2内筒46および第2外筒47に、加硫接着などにより結合されている。
第2弾性部材49の後端部49aは、第2内筒46の軸方向において、第2内筒46の後端縁46aとの間に隙間53を有している。この隙間53は、第2内筒46の軸方向において、後端部49aと第2外筒47の後端縁47bとの間の隙間でもある。
第2弾性部材49の厚みT2は、第1弾性部材45の厚みT1よりも薄い。また、第2弾性部材49のばね定数K2が、第1弾性部材45のばね定数K1よりも大きいことにより(K2>K1)、第2弾性部材49は、第1弾性部材45よりも硬い。
第3弾性部材50は、第2弾性部材49の前方に配置されている。第3弾性部材50は、円筒に形成されている。第3弾性部材50の前後方向X1の長さは、第2弾性部材49の前後方向X1の長さよりも短い。第3弾性部材50は、第1フランジ48の前面と第1座面31との間に配置されている。第3弾性部材50は、第1フランジ48の前面に加硫接着などにより結合されている。第3弾性部材50の前面の略全部が、第1座面31に接触している。
第3弾性部材50の外周縁50aは、第1フランジ48の径方向において、第1フランジ48の外周縁48bとの間に隙間54を有している。この隙間54は、第1フランジ48の径方向において、第3弾性部材50の外周縁50aと第1座面31の外周縁31aとの間に形成される隙間でもある。
また、第3弾性部材50と第2内筒46との間には、隙間55が形成されている。隙間55は、第3弾性部材50の前部の内周縁の円周状の窪み50bによって形成されている。この隙間55は、第3弾性部材50の前部の内周縁と、第2内筒46の外周面との間に位置している。
第3弾性部材50のばね定数K3は、第2弾性部材49のばね定数K2と等しい。したがって、第3弾性部材50のばね定数K3は、第1弾性部材45のばね定数K1よりも高い(K3>K1)。
図4を参照して、後ストッパ28は、船外機本体2のアッパーケース10が、ロアーブラケット18から遠ざかるように後方に所定量以上変位することを規制するように、構成されている。後ストッパ28は、規制部材24の第3座面33とマウント26との間に配置されている。後ストッパ28は、前ストッパ27と前後対称な形状に形成されている。これにより、前ストッパ27と後ストッパ28として、同じ部品を用いることができるので、船外機1の製造コストを低減することができる。
後ストッパ28は、マウント26の後方でかつ規制部材24の前方に配置されており、ボルト軸21aに差し込まれている。後ストッパ28は、第3内筒57と、第3外筒58と、第2フランジ59と、第4弾性部材60と、第5弾性部材61とを含む。
第3内筒57は、金属などを用いて円筒に形成されており、第1内筒43と略同じ外径を有している。第3内筒57は、ボルト軸21aにスライド可能に差し込まれている。第3内筒57は、規制部材24と第1内筒43とによって前後に挟まれている。ボルト21とナット23との結合により、規制部材24、後ストッパ28の第3内筒57、マウント26の第1内筒43、前ストッパ27の第2内筒46およびロアーブラケット18が互いに締結されている。
図6は、図4の後ストッパ28周辺の拡大断面図である。第3外筒58は、金属などを用いて円筒に形成されており、第3内筒57を取り囲んでいる。第3外筒58の前部は、保持ユニット25に収容されており、第3外筒58の後部は、保持ユニット25の後方に突出している。第3外筒58の外周面は、第8座面38を含む。第8座面38は、保持ユニット25の第7座面37に全周に渡って取り囲まれている。第8座面38と第7座面37とは、隙間62をあけて対向している。この隙間62は、第7座面37の径方向に所定の長さL11を有している。すなわち、この隙間62の長さL11は、保持ユニット25の第5座面35と前ストッパ27の第6座面36との間の隙間51の長さL11(図5参照)と同じである。
図6に示すように、第2フランジ59は、第3外筒58と一体化されている。第2フランジ59は、第3外筒58の後端縁58aから外向きに拡がる円環状の板である。第2フランジ59は、第3座面33と第4座面34との間に配置されている。第2フランジ59の前面59aと第4座面34とは、第2隙間63をあけて前後方向X1に並んでいる。第2隙間63は、前後方向X1に沿って所定の長さL2を有している。第2隙間63の長さL2は、前ストッパ27の第1フランジ48と第2座面32との間の第1隙間52の長さL1(図5参照)よりも短い(L2<L1)。
図6に示すように、第4弾性部材60および第5弾性部材61は、単一の材料で形成されることにより、一体化されている。第4弾性部材60および第5弾性部材61は、第3内筒57およびボルト軸21aを取り囲んでいる。第4弾性部材60は、ゴムなどの弾性部材を用いて前後方向X1に長い円筒状に形成されている。第4弾性部材60は、第3内筒57と第3外筒58との間に配置されている。第4弾性部材60は、第3内筒57および第3外筒58に、加硫接着などにより結合されている。
第4弾性部材60の前端部60aは、第3内筒57の軸方向において、第3内筒57の前端縁57aとの間に隙間64を有している。この隙間64は、第3内筒57の軸方向において、第4弾性部材60の前端部60aと第3外筒58の前端縁58aとの間の隙間でもある。
第4弾性部材60の厚みT4は、第1弾性部材45の厚みT1よりも薄い。また、第4弾性部材60のばね定数K4が、第1弾性部材45のばね定数K1よりも大きいことにより(K4>K1)、第4弾性部材60は、第1弾性部材45よりも硬い。
第5弾性部材61は、第4弾性部材60の後方に配置されている。第5弾性部材61は、円筒に形成されている。第5弾性部材61の前後方向X1の長さは、第4弾性部材60の前後方向X1の長さよりも短い。第5弾性部材61は、第2フランジ59の後面と第3座面33との間に配置されている。第5弾性部材61は、第2フランジ59の後面に加硫接着などにより結合されている。第5弾性部材61の後面の略全部が、第3座面33に接触している。
第5弾性部材61の外周縁61aは、第2フランジ59の径方向において、第2フランジ59の外周縁59bとの間に隙間65を有している。この隙間65は、第2フランジ59の径方向において、第5弾性部材61の外周縁61aと第3座面33の外周縁33aとの間に形成される隙間でもある。
また、第5弾性部材61と第3内筒57との間には、隙間66が形成されている。隙間66は、第5弾性部材61の後部の内周縁の円周状の窪み61bによって形成されている。この隙間66は、第5弾性部材61の後部の内周縁と、第3内筒57の外周面との間に位置している。
第5弾性部材61のばね定数K5は、第4弾性部材60のばね定数K4と等しい。したがって、第5弾性部材61のばね定数K5は、第1弾性部材45のばね定数K1よりも高い(K5>K1)。上記の構成により、第2〜第5弾性部材49,50,60,61のそれぞれのばね定数K2,K3,K4,K5は、マウント26の第1弾性部材45のばね定数K1よりも大きい。
以上が船外機1の概略構成である。次に、船外機1の作用を説明する。
図4に示すように、船外機1が推進力を発生していないとき、保持ユニット25は、マウント26およびボルト21を介してロアーブラケット18に支持されている。このとき、前ストッパ27および後ストッパ28は、保持ユニット25には接触していない。したがって、エンジンの振動など、船外機本体2の振動は、マウント26の第1弾性部材45で吸収され、ロアーブラケット18に伝わることを抑制される。
図1を参照して、船外機1は、船舶100を前進させるとき、プロペラ7を一方向に回転する。これにより、船外機1は、船舶100を前進させる推進力を発生する。このとき、船外機本体2は、アッパーケース10やロアーケース11周辺の部分において前向きの力F1を受け、かつ、エンジンカバー9周辺の上部において後向きの力F2を受ける。このとき、図7に示すように、船外機本体2の保持ユニット25は、ロアーブラケット18に向けて前方に変位する。船舶100が高負荷(高速)で前進している場合、前記前向きの力F1が大きい。すると、保持ユニット25の前方への変位量は、船外機1が推進力を発生していないときの第1隙間52の長さL1(図5参照)以上になる。
これにより、図7に示すように、保持ユニット25の第2座面32は、第1フランジ48の後面48aに接触する。このとき、保持ユニット25の第2座面32と第1フランジ48との接触の衝撃は、第3弾性部材50の弾性変形により緩和される。保持ユニット25は、その第2座面32が第1フランジ48の後面48aに受けられることにより、前方への変位を規制される。このとき、保持ユニット25は、第1フランジ48および第3弾性部材50を介して高い剛性でロアーブラケット18に支持されている。したがって、前進航走時に優れた操縦性を確保できる。
また、図1を参照して、船外機1は、船舶100を後進させるとき、プロペラ7を前記一方向とは反対の他方向に回転する。これにより、船外機1は、船舶100を後進させる推進力を発生する。このとき、船外機本体2は、アッパーケース10やロアーケース11周辺の部分において後向きの力F3を受け、かつ、エンジンカバー9周辺の上部において前向きの力F4を受ける。このとき、図8に示すように、船外機本体2の保持ユニット25は、規制部材24に向けて後方に変位する。船舶100が高負荷(高速)で後進している場合、前記後向きの力F3が大きくなる。すると、保持ユニット25の後方への変位量は、船外機1が推進力を発生していないときの第2隙間63の長さL2(図6参照)以上になる。
これにより、図8に示すように、保持ユニット25の第4座面34は、第2フランジ59の前面59aに接触する。このとき、保持ユニット25の第4座面34と第2フランジ59との接触の衝撃は、第5弾性部材61の弾性変形により緩和される。保持ユニット25は、その第4座面34が第2フランジ59の前面59aに受けられることにより、後方への変位を規制される。このとき、保持ユニット25は、第2フランジ59および第5弾性部材61を介して高い剛性で規制部材24に支持されている。したがって、後進航走時に優れた操縦性を確保できる。
また、図9に示すように、船外機本体2のアッパーケース10は、ロアーブラケット18に対して、ボルト軸21aの径方向(上下方向Z1、左右方向Y1)に変位する場合がある。この場合において、保持ユニット25は、ボルト軸21aの径方向において、船外機1が推進力を発生していないときの隙間51(隙間62)の長さL11(図5および図6参照)以上の距離にわたって変位することがある。このとき、図9に示すように、保持ユニット25の第5座面35および第7座面37は、それぞれ、前ストッパ27の第6座面36および後ストッパ28の第8座面38に接触する(図9は、船外機本体2が左に変位した状態を示す)。このとき、第5座面35と第6座面36との接触の衝撃は、第2弾性部材49の弾性変形により緩和される。また、第7座面37と第8座面38との接触の衝撃は、第4弾性部材60の弾性変形により緩和される。このとき、保持ユニット25は、前ストッパ27、後ストッパ28およびボルト21を介して高い剛性でロアーブラケット18に支持されている。したがって、優れた操縦性を確保できる。
また、保持ユニット25の周辺を上から見た図解的な断面図である図10に示すように、船外機本体2には、略鉛直な軸線回りのヨーモーメントが作用する場合がある。たとえば、アッパーケース10には、平面視で時計回りのヨーモーメントM1が作用する場合がある。この場合、船外機本体2のアッパーケース10は、第1弾性部材45を弾性変形しながら、平面視で時計回りに変位する。アッパーケース10の時計回りの回転変位量が所定値を超えたとき、保持ユニット25の第5座面35は、前ストッパ27の第6座面36に接触する。これら第5座面35と第6座面36との接触の衝撃は、第2弾性部材49の弾性変形により緩和される。このとき、保持ユニット25の第7座面37は、後ストッパ28の第8座面38に接触する。これら第7座面37と第8座面38との接触の衝撃は、第4弾性部材60の弾性変形により緩和される。
保持ユニット25の第5座面35および第7座面37が、それぞれ、第6座面36および第8座面38に受けられたときにおいて、保持ユニット25は、平面視で時計回りの回転を規制される。このとき、保持ユニット25は、前ストッパ27、後ストッパ28およびボルト軸21を介して高い剛性でロアーブラケット18に支持されている。したがって、優れた操縦性を確保できる。
同様に、図11に示すように、船外機本体2には、平面視で反時計回りのヨーモーメントM2が作用する場合がある。この場合、船外機本体2のアッパーケース10は、第1弾性部材45を弾性変形しながら、平面視で反時計回りに変位する。アッパーケース10の反時計回りの回転変位量が所定値を超えたとき、保持ユニット25の第5座面35は、前ストッパ27の第6座面36に接触する。これら第5座面35と第6座面36との接触の衝撃は、第2弾性部材49の弾性変形により緩和される。このとき、保持ユニット25の第7座面37は、後ストッパ28の第8座面38に接触する。これら第7座面37と第8座面38との接触の衝撃は、第4弾性部材60の弾性変形により緩和される。
保持ユニット25の第5座面35および第7座面37が、それぞれ、第6座面36および第8座面38に受けられたときにおいて、保持ユニット25は、平面視で反時計回りの回転変位を規制される。このとき、保持ユニット25は、前ストッパ27、後ストッパ28およびボルト21を介して高い剛性でロアーブラケット18に支持されている。したがって、優れた操縦性を確保できる。
以上説明したように、この実施形態によれば、船舶100を前進させる推進力を発生する方向にプロペラ7が回転しているとき、その推進力によって船外機本体2は前方へと押される。したがって、保持ユニット25およびアッパーケース10は、ロアーブラケット18に向かって前方に変位する。特に、船舶100を高速で前進させるために、プロペラ7が高速回転しているとき(高負荷前進時)、保持ユニット25およびアッパーケース10は、ロアーブラケット18に向かって第1隙間52以上の距離に渡って前方に変位する。
これにより、保持ユニット25の第2座面32は、第1フランジ48の後面48aに接触する。第1フランジ48は、第3弾性部材50を介してロアーブラケット18の第1座面31に受けられることで、保持ユニット25の前方への変位を規制する。この第1フランジ48は、前ストッパ27の第2外筒47から外向きに形成されているので、第1座面31および第3弾性部材50と対向する面積が広い。したがって、ロアーブラケット18の第1座面31は、保持ユニット25から伝達される前方への推進力を、第3弾性部材50との広い接触面積で受けることができる。これにより、高負荷前進時において、ロアーブラケット18は、船外機本体2から伝達される前方への推進力を安定した状態で受けることができるので、優れた操縦性を確保することができる。
また、高負荷前進時に船外機本体2に作用する力F1は、保持ユニット25の第2座面32から第1フランジ48に伝達され、第3弾性部材50を介してロアーブラケット18の第1座面31に受けられる。したがって、第1弾性部材45は、大きな力を受けなくてもよいので、第1弾性部材45を柔らかい素材で作製することができる。このため、エンジン4の振動は、第1弾性部材45によって効果的に減衰することができる。したがって、操船者その他の乗員に感じられるエンジン振動を抑制できる。以上より、振動抑制効果および操縦性を両立した船外機1を実現できる。
また、前ストッパ27の各弾性部材49,50のばね定数K2,K3は、それぞれ、マウント26の第1弾性部材45のばね定数K1よりも大きい。これにより、前ストッパ27が保持ユニット25の変位を規制しているときにおいて、前ストッパ27が保持ユニット25を支持する剛性を、より高くすることがきる。これにより、高負荷運転時の優れた操縦性を実現できる。
また、保持ユニット25の第2座面32は、環状に形成されている。したがって、高負荷前進時には、第2座面32は、第1フランジ48の周方向の全域に渡って第1フランジ48と接触することができる。このため、高負荷前進時に、前ストッパ27の第1フランジ48は、保持ユニット25の第2座面32を安定して受けることができる。したがって、優れた操縦性を確保できる。また、カバー30を保持ユニット25の本体部29から取り外すことにより、本体部29の保持溝42を露出することができる。本体部29の保持溝42を露出した状態で、保持溝42にマウント26を嵌めることができる。さらに、マウント26が嵌められた本体部29にカバー30を取り付けることができる。したがって、マウント26を保持ユニットに取り付ける作業を容易にすることができる。
また、第2弾性部材49と第3弾性部材50とが一体に形成されている。これにより、第2弾性部材49と第3弾性部材50とは、協働して、保持ユニット25が前ストッパ27に接触するときの衝撃を吸収することができる。
また、前ストッパ27の第3弾性部材50は、第1フランジ48の径方向において、第1フランジ48の外周縁48bとの間に隙間54を有している。換言すれば、第1フランジ48の外周縁48bは、第3弾性部材50よりも径方向外方に位置している。第3弾性部材50は、第1フランジ48とロアーブラケット18とに挟まれて圧縮されると、第1フランジ48の径方向の外方に拡がるように弾性変形する。このときの第3弾性部材50が第1フランジ48の外周縁48bに達すると、第3弾性部材50は、第1フランジ48の外周縁48bに擦れて削られるおそれがある。そこで、外周縁48bが第3弾性部材50よりも径方向外方にはみ出すように第1フランジ48を構成しておくことによって、第3弾性部材50が第1フランジ48によって削られることを抑制できる。しかも、第1フランジ48の外周縁48bは、第3弾性部材50の最大変形状態において、第3弾性部材50よりも径方向外方に位置する。これにより、第3弾性部材50と第1フランジ48の外周縁48bとの接触を確実に回避できる。
また、前ストッパ27の第3弾性部材50は、ボルト軸21aを取り囲む筒状に形成されており、第2内筒46との間に隙間55を有している。これにより、第3弾性部材50は、第1フランジ48とロアーブラケット18の第1座面31とに挟まれて圧縮されると、第1フランジ48の径方向外方だけでなく、その内方へも弾性変形する。すなわち、第3弾性部材50は、第2内筒46に向かうように弾性変形する。このとき、第3弾性部材50は、第2内筒46との間の隙間55へと入り込んで弾性変形することができる。このように、第3弾性部材50が弾性変形するのに必要な空間が確保されているので、第3弾性部材50は、圧縮力を受けたときに、確実に弾性変形することができる。これにより、第3弾性部材50は、保持ユニット25が第1フランジに接触することで圧縮力を受けたときに、確実に弾性変形して、当該接触時の衝撃を緩和することができる。
また、前ストッパ27の第2弾性部材49の厚みT2は、マウント26の第1弾性部材45の厚みT1よりも薄い。これにより、第2弾性部材49の弾性変形量は、第1弾性部材45の弾性変形量よりも小さくなる。これにより、保持ユニット25が前ストッパ27に接触しているとき、前ストッパ27は、より高い剛性で保持ユニット25(船外機本体2)の変位を規制することができる。したがって、高負荷前進時に優れた操縦性を確保できる。また、第2弾性部材49が薄いことにより、前ストッパ27の配置スペースを少なくすることができる。このため、前ストッパ27の保持のためのスペースを十分に確保することができるので、前ストッパ27を保持する構成を採用し易い。
また、保持ユニット25の第5座面35は、前ストッパ27の第2外筒47の第6座面36に対して所定の隙間L11を開けて対向する円筒状に形成されている。船外機本体2に対して上下方向Z1または左右方向Y1の大きな力が作用すると、第1弾性部材45の弾性変形によって、前ストッパ27の第2外筒47は、前記第5座面35に当接する。その後、第2弾性部材49が弾性変形することになる。したがって、船外機本体2に対して上下方向Z1または左右方向Y1に作用した大きな力は、第1弾性部材45および第2弾性部材49によって受けられることになる。第2弾性部材49は、第1弾性部材45よりも厚さが薄いので、その弾性変形量が第1弾性部材45よりも小さいから、上下方向Z1または左右方向Y1の大きな力を確実に受けることができる。したがって、船外機本体2を左右に操舵したときに作用する左右方向Y1の力を受けることができるので、優れた操舵性を実現できる。また、船舶100が波間を航走するときに生じる上下方向Z1の衝撃も、第2弾性部材49によって確実に受けることができる。
また、前ストッパ27の第3弾性部材50は、外向きに大きく拡がる形状であるので、その前面および後面の表面積が大きくされている。これにより、高負荷前進時に、第3弾性部材50は、保持ユニット25のスラスト力を大きい面積で受けることができる。したがって、第3弾性部材50の各部の負荷を小さくすることができるので、第3弾性部材50の耐久性を高くすることができる。
さらに、第2弾性部材49の後端部49aは、第2内筒46の軸方向において、第2内筒46の後端縁46aとの間に隙間53を有している。したがって、保持ユニット25の第5座面35と第2外筒47との接触により第2弾性部材49が圧縮されたときでも、第2弾性部材49は、第2内筒46の後端縁46aおよび第2外筒47の後端縁47aに接触することが抑制されている。これにより、第2弾性部材49が削れてしまうことを抑制することができる。
また、船舶100を後進させる推進力を発生する方向にプロペラ7が回転しているとき、その推進力によって船外機本体2は後方へと押される。したがって、保持ユニット25およびアッパーケース10は、ロアーブラケット18から遠ざかるように後方に変位する。特に、船舶100を高速で後進させるために、プロペラ7が高速回転しているとき(高負荷後進時)、保持ユニット25およびアッパーケース10は、ロアーブラケット18から遠ざかるように第2隙間63以上の距離に渡って後方に変位する。
これにより、保持ユニット25の第4座面34は、第2フランジ59の前面59aに接触する。第2フランジ59は、第5弾性部材61を介して規制部材24の第3座面33に受けられることで、保持ユニット25の後方への変位を規制する。第2フランジ59は、第3外筒58から外向きに形成されているので、第3座面33および第5弾性部材61と対向する面積が広い。したがって、規制部材24の第3座面33は、保持ユニット25から伝達される後方への推進力を、第5弾性部材61との広い接触面積で受けることができる。これにより、高負荷後進時において、規制部材24は、船外機本体2から伝達される後方への推進力を安定した状態で受けることができるので、後進時においても、優れた操縦性を確保できる。
また、高負荷後進時に船外機本体2に作用する力F3は、保持ユニット25の第4座面34から第2フランジ59に伝達され、第5弾性部材61を介して規制部材24の第3座面33に受けられる。したがって、第1弾性部材45は、大きな力を受けなくてもよいので、柔らかい素材で作製することができる。このため、エンジン4の振動は、第1弾性部材45によって効果的に減衰することができる。したがって、操船者その他の乗員に感じられるエンジン振動を抑制できる。以上より、たとえば、プロペラ7の回転方向を変更することにより前進と後進とを変更することのできる船外機1において、振動抑制効果および操縦性を両立することができる。
また、後ストッパ28の各弾性部材60,61のばね定数K4,K5は、それぞれ、マウント26の第1弾性部材45のばね定数K1よりも大きい。これにより、後ストッパ28が保持ユニット25の変位を規制しているときにおいて、後ストッパ28が保持ユニット25を支持する剛性を、より高くすることがきる。これにより、高負荷運転時の優れた操縦性を実現できる。
また、船外機1が推進力を発生していないとき、第1隙間52は、第2隙間63よりも広くされている。これにより、船外機1の前進運転時、保持ユニット25は、第1フランジ48に接触するまでに、前方に第1隙間52の距離だけ変位する。また、船外機1の後進運転時、保持ユニット25は、第2フランジ59に接触するまでに、後方に第2隙間63の距離だけ変位する。第1隙間52が第2隙間63よりも広いので、保持ユニット25(船外機本体2)の可動距離は、前進運転時の方が、後進運転時よりも長い。これにより、前進運転時における第1弾性部材45の振動吸収効果を、後進運転時における第1弾性部材45の振動吸収効果よりも大きくすることができる。一般的に、船外機1においては、前進運転が行われる時間が、後進運転が行われる時間よりも長い。したがって、船外機1の前進運転時の第1弾性部材45の振動吸収効果を高くすることにより、船外機1から船体101に伝達される振動を少なくできる。
また、保持ユニット25の第4座面34は、環状に形成されている。したがって、高負荷後進時には、第4座面34は、第2フランジ59の周方向の全域に渡って第2フランジ59と接触することができる。このため、高負荷後進時に、後ストッパ28の第2フランジ59は、保持ユニット25の第4座面34を安定して受けることができる。したがって、優れた操縦性を確保できる。また、カバー30を保持ユニット25の本体部29から取り外すことにより、本体部29の保持溝42を露出することができる。本体部29の保持溝42を露出した状態で、保持溝42にマウント26を嵌めることができる。さらに、マウント26が嵌められた本体部29にカバー30を取り付けることができる。したがって、マウント26を保持ユニット25に取り付ける作業を容易にすることができる。
また、後ストッパ28の第5弾性部材61は、第2フランジ59の径方向において、第2フランジ59の外周縁59bとの間に隙間65を有している。換言すれば、第2フランジ59の外周縁59bは、第5弾性部材61よりも径方向外方に位置している。第5弾性部材61は、第2フランジ59と規制部材24とに挟まれて圧縮されると、第2フランジ59の径方向の外方に拡がるように弾性変形する。このときの第5弾性部材61が第2フランジ59の外周縁59bに達すると、第5弾性部材61は、第2フランジ59の外周縁59bに擦れて、削られるおそれがある。そこで、外周縁59bが第5弾性部材61よりも径方向外方にはみ出すように第2フランジ59を構成しておくことによって、第5弾性部材61が第2フランジ59によって削られることを抑制できる。しかも、第2フランジ59の外周縁59bは、第5弾性部材61の最大変形状態において、第5弾性部材61よりも径方向外方に位置する。これにより、第5弾性部材61と第2フランジ59の外周縁59bとの接触を確実に回避できる。
また、後ストッパ28の第5弾性部材61は、ボルト軸21aを取り囲む筒状に形成されており、第3内筒57との間に隙間66を有している。これにより、第5弾性部材61は、第2フランジ59と規制部材24の第3座面33とに挟まれて圧縮されると、第2フランジ59の径方向外方だけでなく、その内方へも弾性変形する。すなわち、第5弾性部材61は、第3内筒57に向かうように弾性変形する。このとき、第5弾性部材61は、第3内筒57との間の隙間66へと入り込んで弾性変形することができる。このように、第5弾性部材61が弾性変形するのに必要な空間が確保されているので、第5弾性部材61は、圧縮力を受けたときに、確実に弾性変形することができる。これにより、第5弾性部材61は、保持ユニット25が第2フランジ59に接触することで圧縮力を受けたときに確実に弾性変形して、当該接触時の衝撃を緩和することができる。
また、第4弾性部材60と第5弾性部材61とが一体に形成されている。これにより、第4弾性部材60と第5弾性部材61とは、協働して、保持ユニット25が後ストッパ28に接触するときの衝撃を吸収することができる。
また、後ストッパ28の第4弾性部材60の厚みT4は、マウント26の第1弾性部材45の厚みT1よりも薄い。これにより、第4弾性部材60の弾性変形量は、第1弾性部材45の弾性変形量よりも小さくなる。これにより、保持ユニット25が後ストッパ28に接触しているとき、後ストッパ28は、より高い剛性で保持ユニット25(船外機本体2)の変位を規制することができる。したがって、高負荷後進時に優れた操縦性を確保できる。また、第4弾性部材60が薄いことにより、後ストッパ28の配置スペースを少なくすることができる。このため、後ストッパ28の保持のためのスペースを十分に確保することができるので、後ストッパ28を保持する構成を採用し易い。
また、保持ユニット25の第7座面37は、後ストッパ28の第3外筒58の第8座面38に対して所定の隙間L11を開けて対向する円筒状に形成されている。船外機本体2に対して上下方向Z1または左右方向Y1の大きな力が作用すると、第1弾性部材45の弾性変形によって、後ストッパ28の第3外筒58は、前記第7座面37に当接する。その後、第4弾性部材60が弾性変形することになる。したがって、船外機本体2に対して上下方向Z1または左右方向Y1に作用した大きな力は、第1弾性部材45および第4弾性部材60によって受けられることになる。第4弾性部材60は、第1弾性部材45よりも厚さが薄いので、その弾性変形量が第1弾性部材45よりも小さいから、上下方向Z1または左右方向Y1の大きな力を確実に受けることができる。したがって、船外機本体2を左右に操舵したときに作用する左右方向Y1の力を受けることができるので、優れた操舵性を実現できる。また、船舶100が波間を航走するときに生じる上下方向Z1の衝撃も、第4弾性部材60によって確実に受けることができる。
また、第5弾性部材61は、外向きに大きく拡がる形状であるので、その前面および後面の表面積が大きくされている。これにより、高負荷後進時に、第5弾性部材61は、保持ユニット25のスラスト力を大きい面積で受けることができる。したがって、第5弾性部材61の各部の負荷を小さくすることができるので、第5弾性部材61の耐久性を高くすることができる。
さらに、後ストッパ28の第4弾性部材60の前端部60aは、第3内筒57の軸方向において、第3内筒57の前端縁57aとの間に隙間64を有している。したがって、保持ユニット25の第7座面37と第3外筒58との接触により第4弾性部材60が圧縮されたときでも、第4弾性部材60は、第3内筒57の前端縁57aおよび第3外筒58の前端縁58aに接触することが抑制されている。これにより、第4弾性部材60が削れてしまうことを抑制することができる。
また、保持ユニット25が上下方向Z1または左右方向Y1に隙間51(隙間62)の長さL11以上の距離にわたって変位する場合がある。この場合、前ストッパ27および後ストッパ28は、それぞれ、保持ユニット25の第5座面35および第7座面37に接触する。この接触の衝撃は、第2弾性部材49および第4弾性部材60によって緩和される。このように、2つの弾性部材(第2弾性部材49および第4弾性部材60)の協働により衝撃を吸収するようになっているので、これら第2弾性部材49および第4弾性部材60のばね定数K2,K4を小さくすることができる。したがって、保持ユニット25が前ストッパ27および後ストッパ28と接触したときの衝撃吸収効果(防振効果)を、より高くすることができる。しかも、保持ユニット25は、上下方向Z1または左右方向Y1への変位量が大きくなろうとしても、前ストッパ27および後ストッパ28によって確実に変位が規制される。したがって、マウント26の第1弾性部材45を柔らかくすることができるので、マウント26の振動吸収効果をより高くすることができる。
しかも、保持ユニット25の第5座面35と前ストッパ27の第6座面36の互いの円筒面がその径方向に沿って接触することで、前ストッパ27は、保持ユニット25を安定して支持することができる。同様に、保持ユニット25の第7座面37と後ストッパ28の第8座面38の互いの円筒面がその径方向に沿って接触することで、後ストッパ28は、保持ユニット25を安定して支持することができる。したがって、優れた操縦性を確保できる。
また、船舶100がジャンプし、その後、船舶100が着水したとき、船外機本体2のアッパーケース10は、前方に向かう大きな衝撃力を受けることがある。このとき、保持ユニット25は、前ストッパ27の第1フランジ48および第3弾性部材50を介してロアーブラケット18に受けられる。第3弾性部材50は、前後方向X1に見たときに大きな面積を有しているので、この衝撃に対する耐久性が高い。
また、船舶100がジャンプし、その後、船舶100が着水したとき、船外機本体2のアッパーケース10は、後方に向かう大きな衝撃力を受けることがある。このとき、保持ユニット25は、後ストッパ28の第2フランジ59および第5弾性部材61を介して規制部材24に受けられる。第5弾性部材61は、前後方向X1に見たときに大きな面積を有しているので、この衝撃に対する耐久性が高い。
また、船舶100がジャンプし、その後、船舶100が着水したとき、船外機本体2のアッパーケース10は、上下方向Z1または左右方向Y1に向かう大きな衝撃力を受けることがある。このとき、保持ユニット25は、それぞれ、前ストッパ27および後ストッパ28に受けられる。このとき、前ストッパ27および後ストッパ28は、協働して保持ユニット25からの衝撃力を受けるので、その第2弾性部材49および第4弾性部材60の耐久性を高くすることができる。
この考案の実施の形態の説明は以上であるが、この考案は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の実施形態では、保持溝42およびマウント26の第1外筒44は、円筒状に形成されているけれども、これに限定されない。保持溝42およびマウント26の第1外筒44は、前後方向X1に見たときに多角形形状でもよい。
また、前述の実施形態では、第1座面31、第2座面32および第3座面33および第4座面34は、環状に形成されているけれども、これに限らない。第1座面31と第2座面32とは、互いに接触することのできる形状であればよい。同様に、第3座面33と第4座面34とは、互いに接触することのできる形状であればよい。
さらに、前述の実施形態では、第5座面35、第6座面36および第7座面37および第8座面38は、円筒に形成されているけれども、これに限らない。第5座面35および第6座面36は、前後方向X1に見たときに互いに相似の多角形形状でもよい。同様に、第7座面37および第8座面38は、前後方向X1に見たときに互いに相似の多角形形状でもよい。
さらに、前述の実施形態では、前ストッパ27の第3弾性部材50は、第1フランジ48の径方向において、第1フランジ48の外周縁48bとの間に隙間54を有しているけれども、これに限らない。隙間54は、なくてもよい。また、前述の実施形態では、後ストッパ28の第5弾性部材61は、第2フランジ59の径方向において、第2フランジ59の外周縁59bとの間に隙間65を有しているけれども、これに限らない。隙間65は、なくてもよい。
また、前述の実施形態では、前ストッパ27の第3弾性部材50は、第2内筒46との間に隙間55を有しているけれども、これに限らない。隙間55は、なくてもよい。また、前述の実施形態では、後ストッパ28の第5弾性部材61は、第3内筒57との間に隙間66を有しているけれども、これに限らない。隙間66は、なくてもよい。
さらに、前述の実施形態では、前ストッパ27の第2弾性部材49と第3弾性部材50とは一体化されているけれども、これに限らない。第2弾性部材49と第3弾性部材50とは、別々に形成されていてもよい。また、前述の実施形態では、後ストッパ28の第4弾性部材60と第5弾性部材61とは一体化されているけれども、これに限らない。第4弾性部材60と第5弾性部材61とは、別々に形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、前ストッパ27の第2弾性部材49の厚みT2は、マウント26の第1弾性部材45の厚みT1よりも薄いけれども、これに限らない。前ストッパ27の第2弾性部材49の厚みT2は、マウント26の第1弾性部材45の厚みT1と同じか、それより厚くてもよい。また、前述の実施形態では、後ストッパ28の第4弾性部材60の厚みT4は、マウント26の第1弾性部材45の厚みT1よりも薄いけれども、これに限らない。後ストッパ28の第4弾性部材60の厚みT4は、マウント26の第1弾性部材45の厚みT1と同じか、それより厚くてもよい。
さらに、前述の実施形態では、規制部材24は、ボルト21とは別の部材であるけれども、これに限らない。規制部材24は、ボルト21と一体成形されていてもよい。
また、前述の実施形態では、船外機1が推進力を発生していないとき、第1隙間52は、第2隙間63よりも広くされているけれども、これに限らない。船外機1が推進力を発生していないとき、第1隙間52は、第2隙間63と同じでもよいし、第2隙間63よりも狭くされていてもよい。
さらに、前述の実施形態では、各ストッパ27,28の各弾性部材49,50,60,61のばね定数K2,K3,K4,K5は、マウント26の第1弾性部材45のばね定数K1よりも大きいけれども、これに限らない。前ストッパ27の第2弾性部材49および第3弾性部材50のばね定数K2,K3は、それぞれ、マウント26の第1弾性部材45のばね定数K1と同じか、ばね定数K1より小さくてもよい。同様に、後ストッパ28の第4弾性部材60および第5弾性部材61のばね定数K4,K5は、それぞれ、マウント26の第1弾性部材45のばね定数K1と同じか、ばね定数K1より小さくてもよい。
その他、実用新案登録請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 船外機
2 船外機本体
4 エンジン
7 プロペラ
10 アッパーケース(船外機本体のケース)
18 ロアーブラケット(ブラケット)
21a ボルト軸(軸部材)
24 規制部材
25 保持ユニット
26 マウント
27 前ストッパ
28 後ストッパ
29 本体部
30 カバー
31 第1座面
32 第2座面
33 第3座面
34 第4座面
42 保持溝
43 第1内筒
44 第1外筒
45 第1弾性部材
46 第2内筒
47 第2外筒
47a 第2外筒の前端縁
48 第1フランジ
48a 第1フランジの後面
48b 第1フランジの外周縁
49 第2弾性部材
50 第3弾性部材
52 第1隙間
54 (第3弾性部材と第1フランジの外周縁との間の)隙間
55 (第3弾性部材と第2内筒との間の)隙間
57 第3内筒
58 第3外筒
58a 第3外筒の後端縁
59 第2フランジ
59a 第2フランジの前面
59b 第2フランジの外周縁
60 第4弾性部材
61 第5弾性部材
63 第2隙間
65 (第5弾性部材と第2フランジの外周縁との間の)隙間
66 (第5弾性部材と第3内筒との間の)隙間
101 船体
102 船尾
K1 第1弾性部材のばね定数
K2〜K5 ストッパの弾性部材のばね定数
T1 第1弾性部材の厚み
T2 第2弾性部材の厚み
T4 第4弾性部材の厚み
X1 前後方向

Claims (15)

  1. エンジンおよびプロペラを含む船外機本体と、
    船体の船尾に取り付けられるように構成され、前記船体の後方に向けられる第1座面を有するブラケットと、
    前記第1座面から後方に延びる軸部材と、
    前記軸部材に支持されたマウントと、
    前記マウントと前記第1座面との間で前記軸部材に支持された前ストッパと、
    前記船外機本体に固定され、前記マウントを保持する保持ユニットとを含み、
    前記マウントは、前記軸部材がスライド可能に差し込まれた第1内筒と、前記第1内筒を取り囲む第1外筒と、前記第1内筒と前記第1外筒との間に配置され当該第1内筒および第1外筒に結合された第1弾性部材とを含み、
    前記前ストッパは、前記軸部材がスライド可能に差し込まれた第2内筒と、前記第2内筒を取り囲む第2外筒と、前記第2外筒の前端縁に外向きに形成された第1フランジと、前記第2内筒と第2外筒との間に配置され当該第2内筒および第2外筒に結合された第2弾性部材と、前記第1フランジと前記第1座面との間に配置された第3弾性部材とを含み、
    前記保持ユニットは、前後方向移動を規制した状態で前記第1外筒を保持する保持溝と、前記第1フランジの後面に対して所定の第1隙間を開けて対向する第2座面とを含む、船外機。
  2. 前記前ストッパの各前記弾性部材のばね定数は、前記マウントの前記第1弾性部材のばね定数よりも大きい、請求項1記載の船外機。
  3. 前記保持ユニットは、前記船外機本体のケースと一体化した本体部と、この本体部に対して着脱可能に構成されたカバーとを含み、前記本体部およびカバーは、前記第1外筒の全周に渡る筒状の前記保持溝を内部に形成し、前記軸部材を取り囲む環状の前記第2座面を前部に形成している、請求項1または2記載の船外機。
  4. 前記前ストッパの前記第2弾性部材および前記第3弾性部材は一体に形成され、前記第3弾性部材は、前記第1フランジの径方向において、前記第1フランジの外周縁との間に隙間を有しており、かつ、前記第2内筒との間に隙間を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船外機。
  5. 前記前ストッパの前記第2弾性部材の厚みは、前記マウントの前記第1弾性部材の厚みよりも薄い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の船外機。
  6. 前記前ストッパの前記第3弾性部材は、前記第1フランジの径方向において、前記第1フランジの外周縁との間に隙間を有している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の船外機。
  7. 前記前ストッパの前記第3弾性部材は、前記軸部材を取り囲む筒状に形成されており、前記第2内筒との間に隙間を有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の船外機。
  8. 前記マウントの後方に配置され、後方への移動が規制された状態で前記軸部材に支持され、前記船体の前方に向けられる第3座面を有する規制部材と、
    前記マウントと前記第3座面との間で前記軸部材に支持された後ストッパとをさらに備え、
    前記後ストッパは、前記軸部材がスライド可能に差し込まれた第3内筒と、前記第3内筒を取り囲む第3外筒と、前記第3外筒の後端縁に外向きに形成された第2フランジと、前記第3内筒と第3外筒との間に配置され当該第3内筒および第3外筒に結合された第4弾性部材と、前記第2フランジと前記第3座面との間に配置された第5弾性部材とを含み、
    前記保持ユニットは、前記第2フランジの前面に対して所定の第2隙間を開けて対向する第4座面を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の船外機。
  9. 前記後ストッパの各前記弾性部材のばね定数は、前記マウントの前記第1弾性部材のばね定数よりも大きい、請求項8記載の船外機。
  10. 船外機が推進力を発生していないとき、前記第1隙間が、前記第2隙間よりも広くされている、請求項8または9記載の船外機。
  11. 前記保持ユニットは、前記船外機本体のケースと一体化した本体部と、この本体部に対して着脱可能に構成されたカバーとを含み、前記本体部およびカバーは、前記第1外筒の全周に渡る筒状の前記保持溝を内部に形成し、前記軸部材を取り囲む環状の前記第4座面を後部に形成している、請求項8〜10のいずれか一項に記載の船外機。
  12. 前記後ストッパの前記第5弾性部材は、前記第2フランジの径方向において、前記第2フランジの外周縁との間に隙間を有している、請求項8〜11のいずれか一項に記載の船外機。
  13. 前記後ストッパの前記第5弾性部材は、前記軸部材を取り囲む筒状に形成されており、前記第3内筒との間に隙間を有している、請求項8〜12のいずれか一項に記載の船外機。
  14. 前記後ストッパの前記第4弾性部材および前記第5弾性部材は一体に形成され、前記第5弾性部材は、前記第2フランジの径方向において、前記第2フランジの外周縁との間に隙間を有しており、かつ、前記第3内筒との間に隙間を有している、請求項8〜13のいずれか一項に記載の船外機。
  15. 前記後ストッパの前記第4弾性部材の厚みは、前記マウントの前記第1弾性部材の厚みよりも薄い、請求項8〜14のいずれか一項に記載の船外機。
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