JP3154661U - ロック機構付き保管箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で不正利用に対処することが可能になる、ロック機構付き保管箱を提供する。【解決手段】ロック機構つき保管箱であって、ロック機構は、スリット及び硬貨送出口を有する硬貨収納路、が形成された本体部と、本体部からの付勢力により一時固定された圧接部材115と、係止部材117及び解除部材116から構成される係止手段とを有し、解除部材116の一端は硬貨送出口の内部まで延伸しており、所定枚数の硬貨が硬貨収納路内に縦列に配置されるときに硬貨収納路、圧接部材115の端部、及び解除部材116の端部116bによって形成される空隙が、縦列に配置された硬貨の一部がスリットから外部に露出した状態となる程度の大きさを有する。【選択図】図3
Description
本考案は、ロック機構付き保管箱に関する。
従来より、家庭や職場内における利用を目的とする、常備用の救急箱を用いた配置販売、いわゆる「置き薬」が医薬品の販売の一形態として知られている。配置販売においては、利用者は、配置販売業者が提供する救急箱(例えば特許文献1を参照)に収納された医薬品を使用することができ、配置販売業者は、定期的に消耗した医薬品を補充するとともに、その代金を清算し利用者から徴収するようにしている。
配置販売のように、商品を保管箱に保管しておき、使用の程度に応じて料金を徴収するシステムは、菓子の販売においても「置き菓子」として知られている。こちらの場合は、価格のばらつきの少ない商品を料金箱つきの保管箱に納めておき、利用者は商品相当額の硬貨を料金箱に投入し、所望の商品を保管箱から取り出すようにしている。料金箱を併設したことにより業者による清算、入金の手間が省かれるようになっている。
しかしながら、上記従来の技術に例示されるような、配置販売等に用いられる保管箱は、以下のような課題を有していた。すなわち、保管箱自体は、機能的には無施錠又は簡易的な施錠がなされた収納容器であって、商品保管時のセキュリティまで考慮するものではないため、不正使用を誘発する恐れがあった。
一方、上記のような不具合を解決するものとして自動販売機が考えられる。自動販売機は投入された硬貨、紙幣の額に応じて保管する商品を自動的に搬出することができ、保管庫としてのセキュリティに優れる。しかしながら、電気的、機械的に複雑な機構を必要とする高コストなものであり、家庭やオフィス等における商品の販売に適するとは言えない。
本考案は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、配置販売等に好適な、簡易かつ安価な構成で不正利用に対処することが可能なロック機構付き保管箱を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本考案の第1の側面は、開口を有する筺体と、
蓋部と、
前記筺体又は前記蓋部のいずれか一方に設けられ、前記蓋部が前記開口を覆った状態で前記蓋部を前記筺体に固定する、硬貨が挿入される硬貨挿入口が設けられたロック機構と、
前記筺体又は前記蓋部の、前記ロック機構が設けられていない方に設けられた圧接突起及び係合突起とを備え、
前記ロック機構は、
その一端に前記硬貨挿入口及びその他端に前記硬貨が送出される硬貨送出口を有する、挿入された硬貨がその外径に沿って縦列に配置される硬貨収納路、が形成された本体部と、
前記蓋部が前記開口を覆った状態においては、一端が前記圧接突起に圧接することにより回動して他端が前記硬貨送出口の一部を遮蔽し、前記蓋部が前記開口から離れた状態においては、前記一端と前記圧接突起との圧接が解除されることにより回動して前記硬貨送出口の遮蔽された前記一部を開放する、前記本体部からの付勢力により一時固定された圧接部材と、
前記蓋部が前記開口を覆った状態において前記係合突起に係止する係止部材、及び前記蓋部が前記開口を覆った状態であって、かつ前記硬貨収納路に収納された硬貨が押圧を受けた状態において、前記押圧を利用して前記係合突起と前記係止部材との係止を解除する解除部材から構成される係止手段と、を有し、
前記解除部材の一端は前記硬貨送出口の内部まで延伸しており、
前記蓋部が前記開口を覆った状態において所定枚数の硬貨が前記硬貨収納路内に縦列に配置されるときに前記硬貨収納路、前記圧接部材の前記他端、及び前記係止手段の前記解除部材の前記一端によって形成される空隙が、縦列に配置された前記硬貨の一部が前記硬貨挿入口から外部に露出した状態となる程度の大きさを有する、ロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
蓋部と、
前記筺体又は前記蓋部のいずれか一方に設けられ、前記蓋部が前記開口を覆った状態で前記蓋部を前記筺体に固定する、硬貨が挿入される硬貨挿入口が設けられたロック機構と、
前記筺体又は前記蓋部の、前記ロック機構が設けられていない方に設けられた圧接突起及び係合突起とを備え、
前記ロック機構は、
その一端に前記硬貨挿入口及びその他端に前記硬貨が送出される硬貨送出口を有する、挿入された硬貨がその外径に沿って縦列に配置される硬貨収納路、が形成された本体部と、
前記蓋部が前記開口を覆った状態においては、一端が前記圧接突起に圧接することにより回動して他端が前記硬貨送出口の一部を遮蔽し、前記蓋部が前記開口から離れた状態においては、前記一端と前記圧接突起との圧接が解除されることにより回動して前記硬貨送出口の遮蔽された前記一部を開放する、前記本体部からの付勢力により一時固定された圧接部材と、
前記蓋部が前記開口を覆った状態において前記係合突起に係止する係止部材、及び前記蓋部が前記開口を覆った状態であって、かつ前記硬貨収納路に収納された硬貨が押圧を受けた状態において、前記押圧を利用して前記係合突起と前記係止部材との係止を解除する解除部材から構成される係止手段と、を有し、
前記解除部材の一端は前記硬貨送出口の内部まで延伸しており、
前記蓋部が前記開口を覆った状態において所定枚数の硬貨が前記硬貨収納路内に縦列に配置されるときに前記硬貨収納路、前記圧接部材の前記他端、及び前記係止手段の前記解除部材の前記一端によって形成される空隙が、縦列に配置された前記硬貨の一部が前記硬貨挿入口から外部に露出した状態となる程度の大きさを有する、ロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
又、本考案の第2の側面は、前記係止部材及び前記解除部材は各々独立した部材であって、
前記係止部材は前記本体部からの付勢力により一時固定されており、
前記解除部材の他端は、前記硬貨収納路に収納された硬貨を介した押圧によって前記付勢力に抗して回動し、前記係止部材は、回動する前記解除部材の前記他端に応動することにより前記係合突起との係止が解除されるものである、第1の側面のロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
前記係止部材は前記本体部からの付勢力により一時固定されており、
前記解除部材の他端は、前記硬貨収納路に収納された硬貨を介した押圧によって前記付勢力に抗して回動し、前記係止部材は、回動する前記解除部材の前記他端に応動することにより前記係合突起との係止が解除されるものである、第1の側面のロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
又、本考案の第3の側面は、前記係止部材及び前記解除部材は、前記本体部からの付勢力により一時固定された、一体的な部材であって、
前記解除部材の他端は、前記硬貨収納路に収納された硬貨を介した押圧によって前記付勢力に抗して回動し、前記解除部材の前記一端でもある前記係止部材は、回動する前記解除部材の前記他端に応動することにより前記係合突起との係止が解除されるものである、第1の側面のロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
前記解除部材の他端は、前記硬貨収納路に収納された硬貨を介した押圧によって前記付勢力に抗して回動し、前記解除部材の前記一端でもある前記係止部材は、回動する前記解除部材の前記他端に応動することにより前記係合突起との係止が解除されるものである、第1の側面のロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
又、本考案の第4の側面は、前記ロック機構は、前記筺体に設けられており、
前記圧接突起及び前記係合突起は、前記蓋部に設けられている、第1から第3のいずれかの側面のロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
前記圧接突起及び前記係合突起は、前記蓋部に設けられている、第1から第3のいずれかの側面のロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
又、本考案の第5の側面は、前記ロック機構は前記蓋部又は前記筺体部から脱着自在であるとともに、
前記本体部をその内部に格納し、前記硬貨送出口から送出される硬貨を収蔵する硬貨収蔵部を更に有するものである、第1から第4のいずれかの側面のロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
前記本体部をその内部に格納し、前記硬貨送出口から送出される硬貨を収蔵する硬貨収蔵部を更に有するものである、第1から第4のいずれかの側面のロック機構付き保管箱であることを特徴とする。
本考案によれば、配置販売等に好適な、簡易な構成で不正利用に対処することが可能になる、という顕著な効果を有するロック機構付き保管箱を提供することができる。
以下、本考案の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1(a)(b)は、本考案の実施の形態に係るロック機構付き保管箱の斜視図である。各図に示すように、本実施の形態に係るロック機構付き保管箱1は、それぞれ合成樹脂製である筺体部10及び蓋部20から構成される。なお、図1(a)は蓋部20が閉じた状態、図1(b)は蓋部20が開いた状態をそれぞれ示す。
図1(b)に示すように、ロック機構付き保管箱1は、筺体部10と蓋部20とが蝶番30によって連接された片開き式の構成を有する。
筺体部10の内部は格子状の隔壁11によって複数の空間に区画されており、中央寄りであってもっとも縁部12寄りの空間にはロック機構100が収納されている。ロック機構100の上面には、硬貨を挿入するためのスリット110が開口されている。又、図1(a)に示すように、蓋部20においては、このスリット110近傍の領域に対応する部分に矩形状の開口21が設けられている。
ロック機構100は保管箱1の内径寸法の高さに対応した高さを有し、蓋部20を閉じた状態では、スリット110は蓋部20の上面とほぼ同一面上から外部に露出している。
又、蓋部20の裏面には、長手方向に沿って桟23が設けられており、桟23の表面には、爪24及び25がそれぞれ設けられている。爪24及び25の詳細な構成及び機能については後述する。
次に、図2〜図4(a)(b)を参照して、ロック機構100の構成について説明する。ただし図2は、図1(a)に示す蓋部20が閉じた状態における、ロック機構100の背面側から正面側を見た斜視図、図3は内部構成を示す斜視図、図4(a)は図3に示す構成を、図3中向かって左側面から眺めた要部側面図、図4(b)は図3に示す構成を、図3中向かって右側面から眺めた要部側面図である。ただし、説明のため、各部の縮尺は適宜誇張して示した。
図2に示すように、ロック機構100は、後述するロック機構の動作部分を収納する上側箱体部120と、上側箱体部120と嵌合又は当接する、スリット110から挿入された硬貨を集積する下側箱体部130とを備えた中空の箱型形状を有する。
上側箱体部120の前面から上面にかけては、図1(b)に示す蓋部20が閉じた状態において爪24及び25をそれぞれ上側箱体部120の内部に侵入させるための溝140及び150が設けられており、スリット110は溝140及び150の間に位置している。又、上側箱体部120の左右両側面には、筺体部10の隔壁11に係止するための係止爪121が設けられており、係止爪121が、対応する凹部(図示省略)を備えた隔壁11と係止することにより、ロック機構100は筺体部10に固定される。なお、本実施の形態においては上側箱体部120及び下側箱体部130は合成樹脂製であり、係止爪121は樹脂の弾性によって撓むことで隔壁11との係合を行うものであるが、ロック機構100と筺体部10との固定箇所は他の部位であってもよい。又、ロック機構100と筺体部10との固定方法は、係止爪によらずネジ止め等の別途独立した部品を用いるものでもよい。
図3に示すように、上側箱体部120内に収納された動作部分101は、側面壁114a及び側面壁114aと直交する正面壁114bとから構成されるL字型の前面板114と、正面壁114bの背面に離隔配置された背面板112と、前面板114と背面板112の間隙を左右両側面から塞ぐように設けられた左側板111及び右側板113と、正面壁114bの背面にボルト141により回動自在に固定された解除部材116と、側面壁114aの背面にボルト151により回動自在に固定された圧接部材115と、解除部材116の端部116dと係合する係止部材117とから構成される。
前面板114、背面板112、左側板111及び右側板113は、それらの組み合わせにより上下端が解放された内部空間を形成し、上端は上側箱体部120のスリット110と連通するスリット110aとして開口され、下端は左側板111及び右側板113が途切れることで開口を形成している。以下、この開口を含めた内部空間を硬貨収納路と称する。硬貨収納路は硬貨をその外径に沿って縦列に配列して配置可能な大きさを有する空間である。なお、図中ハッチングにて示す、前面板114、背面板112、左側板111及び右側板113の上部端面は、上側箱体部120の裏面との接合部分を示す。
次に、解除部材116は、一枚の金属又は樹脂製の板状部材を加工してなり、ボルト140が直接装着された部材本体部116a、部材本体部116aから右側板113に向かって延伸して硬貨収納路の直下に位置する端部116b、部材本体部116aから上方であって、硬貨収納路と平行な向きに延伸して形成される渡り部116c、及び渡り部116から屈曲して、側面壁114aと平行な向きに延伸して形成される端部116dの4つの部分に分けられる。
又、係止部材117は、その一端である端部117bが解除部材116の端部116dと係合する一方で、図4(b)に示すように、他端である端部117aが爪24の端部24aと係合している。更に、係止部材117は回転軸118を中心に回動可能であるが、回転軸118を貫通するねじりバネ119に接続されている。ねじりバネ119の他端は固定端114cにて正面壁114bに固定されている。したがって、係止部材117はねじりバネ119の復元力に起因して、図4(b)において回転軸118に対して時計回り方向に向かって回動する付勢力をうける。
次に、圧接部材115は、一枚の金属又は樹脂製の板状部材を加工してなる。圧接部材115はボルト151を中心に回動可能であるが、係止部材117と同様、ボルト151を貫通するねじりバネ152の一端に接続されている。ねじりバネ152の他端は側面壁114aに固定されているため(図示省略)、圧接部材115はねじりバネ152の復元力に起因して、図4(a)においてボルト151に対して反時計回りに向かって回動する付勢力をうける。
次に、図2に示すように、蓋部20が閉じた状態においては、爪24は上側箱体部120の溝140を介してロック機構100の内部に挿入され、係止部材117の端部117aと係合する。図4(a)に示すように、端部24aは側面形状が楔形であるため、挿入された端部14aに接触した端部117aは、端部24aの挿入に沿って接触を保ったまま、端部24aのいわゆる返しの部分に回り込み、係合状態を完成する。この状態で蓋部20を持ち上げても、端部24aの返しの部分が係止部材117の端部117aと係合するため、蓋部20は筺体部10にロックされることとなる。
同様に、蓋部20が閉じた状態においては、爪25は上側箱体部120の溝150を介してロック機構100の内部に挿入され、圧接部材115の端部115aに当接する。図4(b)に示すように、爪25aと一方の端部115aとが当接した状態で押圧を受ける圧接部材115は、爪25の挿入によって付勢力と逆向きの力が加わるため、時計回りに回転し、他方の端部115bが、左側板111の直下に形成された開口160を一部封鎖する領域161を形成する位置まで回動する。
以上述べたように、本考案の実施の形態にかかるロック機構付き保存箱1は、筺体部10に固定したロック機構100を設けたことにより、蓋部20をいったん閉じるとそのままロックされ、不用意に開閉されることを防ぐことができる。
なお、図3に示した構成において、爪24及び25の記載は説明のために省略したが、図4(a)(b)に示すのと同じ状態を示す。すなわち、図3においては、係止部材117は爪24と係止した状態にあり、圧接部材115は爪25からの押圧で開口160を一部封鎖するように回動した状態にある。又、図3においては省略して示したが、回転軸118の両端は、図4(b)に示すように、上側箱体部120の天井部分に軸受け118aにより回動自在に固定される。なお、ねじりバネ119の他端を固定する固定端114cも、軸受け118aと同じく、上側箱体部120の天井部分となるようにしてもよい。
次に、ロックを解除して蓋部20を開くための動作について、図1、図2並びに図5(a)(b)〜図9を参照して、更に説明する。
図1(a)に示したように、蓋部20の上面には開口21を介してスリット110が外部に露出しており、利用者はスリット110に硬貨を挿入することができる。
図5(a)(b)は、スリット110に硬貨が挿入された場合における、ロック機構100の動作部分101の状態を模式的に示す図である。
図5(b)に示すように、スリット110、110aに投入された硬貨は、硬貨収納路内を滑落するが、左側板111及び右側板113の下端により形成される開口の下方には解除部材116の端部116bが位置しているため、最初に投入された硬貨200bは端部116bにより係止される。又、図5(a)に示すように、左側板111の下方の空間116は硬貨200bの外径よりも長い寸法を有する長孔であるが、圧接部材115の端部115bがその一部を封鎖していることにより、硬貨200bは圧接部材115bによっても係止される。したがって硬貨200bは下方に落下することなく、動作部分101内に固定される。
硬貨200bに次いで投入された硬貨200aは、先に収納された硬貨200bと接触し、その上端をスリット110及び110aから外部に露出させた状態で硬貨収納路内に滞留する。
このように、前面板114、背面板112、左側板111、及び右側板113の配置、寸法、並びに端部116b及び端部115bの配置は、硬貨収納路に硬貨が滞留した状態で、最後に挿入した硬貨の一部がスリット110及び110aから外部に露出された状態となるように、設定されている。なお、上記の各部の配置によって形成される、硬貨を配置する空間が、本考案の間隙に相当する。
次に、図6(b)に示すように、利用者が、露出した硬貨200aの上端を図中矢印Aで示す向きに押し込むと、硬貨200b及び硬貨200aを介した押圧により解除部材116の端部116dが反時計回りに回動しつつ下方に移動する。解除部材116はボルト141を中心に回動自在に固定されているため、他方の端部116dは回動しつつ反時計回りに上方に移動することとなる。
このとき、図7に示すように、端部116dは係止部材117と係合しているが、解除部材116の回動により端部116dは上方に持ち上がり、係止部材117に印加される付勢力に抗して、係止部材117を図中反時計回りに回動させる。その結果、係止部材117の端部117aは図中右上方に移動し、爪24の端部24aとの係合が解除される。
このように、本実施の形態においては、スリット110から挿入した硬貨を利用者がさらに押圧することにより、ロック機構100のロックを解除して、蓋部20を開放可能な状態とすることができる。
次に、蓋部20を開けた際の動作について説明する。
上述の動作により蓋部20とロック機構100のロックが解除された状態であっても、蓋部20自体は動いていないため、図6(a)(b)に示すように、硬貨200a及び200bは硬貨収納路に滞留した状態を維持する。
この状態で利用者が蓋部20を開放すると、図8(a)(b)に示すように、蓋部20に設けられた爪25が図中矢印B方向に持ち上がることにより、圧接部材115と爪25との当接状態が解除され、圧接部材115はねじりバネ152(図8(a)(b)においては図示省略)の付勢力に応じて図中反時計回りに回動する。
このとき、左側板111の直下の開口160は、圧接部材115の端部115bによる封止が解除され、全面的に解放される。
最後に、図9(a)(b)に示すように、圧接部材115による封止が解除されると同時に、硬貨収納路に滞留していた硬貨200b及び200aは、開口160を介して、自重で下方へ落下する。図2に示したように、ロック機構100の底部は下側箱体部130であるので、落下した硬貨200b及び200aは下側箱体部130に集積されることとなる。
以上説明したように、本実施の形態のロック機構付き保管箱は、硬貨を鍵として用いるロック機構100を有し、ロック機構100に一端収納した硬貨を利用者が更に押圧することで筺体部10と蓋部20とのロックを解除することができることを特徴とする。電力等の外力によらない動作を実現したことで、低コストでセキュリティに優れ、不正使用に対処可能な保管箱を実現している。
更に、ロック機構100においては、収納する硬貨の枚数に応じて硬貨収納路の長さが設計されるため、一回のロック解除動作に要する料金を一意に設定することができる。上記の説明では硬貨200a及び200bの2枚の硬貨としたが、硬貨の枚数は1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。この構成は特に、置き薬、置き菓子のような、単価があらかじめ揃った商品を扱う配置販売に好適である。
なお、本考案のロック機構付き保管箱が実施される配置販売とは、法定対象である医薬品等のみを対象とするものではなく、絆創膏、包帯等の消費財、健康食品、栄養ドリンク、ビタミン剤、ゼリー状食品その他の機能性食品、菓子類等、顧客の元に保管された状態で消費される物品であれば、いかなる商品を対象とするものであってもよい。
なお、上記の説明においては、ロック機構付き保管箱1は本考案のロック機構付き保管箱に相当する。又、筺体部10は本考案の筺体に相当し、蓋部20は本考案の蓋部に相当する。又、ロック機構100は本考案のロック機構に相当する。
更に、ロック機構100の動作部分101は本考案の本体部、圧接部材及び係止手段を構成する。又、スリット110aは本考案の硬貨挿入口に相当し、硬貨収納路は本考案の硬貨収納路に相当し、硬貨収納路の下端となる、前面板114、背面板112、並びに左側板111及び右側板113の各下端により形成される、開口160を含めた開口部分は、本考案の硬貨送出口に相当する。
又、圧接部材115は本考案の圧接部材に相当する。解除部材116及び係止部材117は本考案の解除部材及び係止部材にそれぞれ相当するとともに、本考案の係止手段を構成する。又、前面板114、背面板112、左側板111及び右側板113、並びにねじりバネ119及び152は、本考案の本体部を構成する。又、爪24は本考案の係合突起に相当し、爪25は本考案の圧接突起に相当し、上側箱体部120及び下側箱体部130は、本考案の硬貨収蔵部に相当する。
しかしながら、本考案は上記実施の形態の記載内容に限定されるものではない。上記の説明においては、ロック機構は筺体側に設けるものとしたが、蓋部側に設けるようにしてもよい。この場合、係合突起及び突起は筺体側に設けるようにする。又、本考案の係止手段は、それぞれ独立した解除部材116及び係止部材117から構成されるものとしたが、両者を一体化した部材として実現してもよい。更に、保管箱1は蝶番30によって連接された蓋部20と筺体部10とを有する片開き式であるとしたが、本考案は、両開き型の箱において実現してもよい。又、蓋部と筺体とが分離する構成において実現してもよい。又、上記の説明においては、本体部側から付勢力を与える手段はねじりバネ119,152であるとしたが、板バネ、タケノコバネ等であってもよく、バネの種類、材料によって限定されるものではない。さらに、所定形状に整形した樹脂、ゴム等の弾性体によって付勢力を与えてもよく、その具体的な形状、構成によって限定されるものではない。又、爪24の外形、断面形状も係合突起として係止部材と係止することが可能であれば、図示した断面くさび型に限定されることなく、断面キノコ型、断面コの字状等他の形状であってよい。同様に、爪25の外形、断面形状もそれぞれ圧接突起として圧接部材に圧接することが可能であれば、図示した形状に限定されることなく、任意の多角形、曲面等他の形状であってよい。
又、上記の説明においては、スリット110から露出する硬貨200aの一部は、面積においてスリット110の奥に収納されている部分より小さいものであったが、係止手段の作用を発揮できる限りにおいて、外部への硬貨の露出の程度は任意に設定してよい。要するに、本考案の要旨を逸脱しない範囲内であれば、上記実施の形態に種々の変更を加えてもよい。
以上のような本考案によれば、簡易な構成で不正利用に対処することが可能になるという顕著な効果を有し、一例としては、配置販売の救急箱、や菓子箱に好適である。
1 ロック機構付き保管箱
10 筺体部
11 隔壁
12 縁部
20 蓋部
21 開口
23 桟
24、25 爪
100 ロック機構
110、110a スリット
111 左側板
112 背面板
113 右側板
114 前面板
116 解除部材
117 係止部材
118 回転軸
119、152 ねじりバネ
120 上側箱体部
130 下側箱体部
140、150 溝
141、151 ボルト
200a、200b 硬貨
10 筺体部
11 隔壁
12 縁部
20 蓋部
21 開口
23 桟
24、25 爪
100 ロック機構
110、110a スリット
111 左側板
112 背面板
113 右側板
114 前面板
116 解除部材
117 係止部材
118 回転軸
119、152 ねじりバネ
120 上側箱体部
130 下側箱体部
140、150 溝
141、151 ボルト
200a、200b 硬貨
Claims (5)
- 開口を有する筺体と、
蓋部と、
前記筺体又は前記蓋部のいずれか一方に設けられ、前記蓋部が前記開口を覆った状態で前記蓋部を前記筺体に固定する、硬貨が挿入される硬貨挿入口が設けられたロック機構と、
前記筺体又は前記蓋部の、前記ロック機構が設けられていない方に設けられた圧接突起及び係合突起とを備え、
前記ロック機構は、
その一端に前記硬貨挿入口及びその他端に前記硬貨が送出される硬貨送出口を有する、挿入された硬貨がその外径に沿って縦列に配置される硬貨収納路、が形成された本体部と、
前記蓋部が前記開口を覆った状態においては、一端が前記圧接突起に圧接することにより回動して他端が前記硬貨送出口の一部を遮蔽し、前記蓋部が前記開口から離れた状態においては、前記一端と前記圧接突起との圧接が解除されることにより回動して前記硬貨送出口の遮蔽された前記一部を開放する、前記本体部からの付勢力により一時固定された圧接部材と、
前記蓋部が前記開口を覆った状態において前記係合突起に係止する係止部材、及び前記蓋部が前記開口を覆った状態であって、かつ前記硬貨収納路に収納された硬貨が押圧を受けた状態において、前記押圧を利用して前記係合突起と前記係止部材との係止を解除する解除部材から構成される係止手段と、を有し、
前記解除部材の一端は前記硬貨送出口の内部まで延伸しており、
前記蓋部が前記開口を覆った状態において所定枚数の硬貨が前記硬貨収納路内に縦列に配置されるときに前記硬貨収納路、前記圧接部材の前記他端、及び前記係止手段の前記解除部材の前記一端によって形成される空隙が、縦列に配置された前記硬貨の一部が前記硬貨挿入口から外部に露出した状態となる程度の大きさを有する、ロック機構付き保管箱。 - 前記係止部材及び前記解除部材は各々独立した部材であって、
前記係止部材は前記本体部からの付勢力により一時固定されており、
前記解除部材の他端は、前記硬貨収納路に収納された硬貨を介した押圧によって前記付勢力に抗して回動し、前記係止部材は、回動する前記解除部材の前記他端に応動することにより前記係合突起との係止が解除されるものである、
請求項1に記載のロック機構付き保管箱。 - 前記係止部材及び前記解除部材は、前記本体部からの付勢力により一時固定された、一体的な部材であって、
前記解除部材の他端は、前記硬貨収納路に収納された硬貨を介した押圧によって前記付勢力に抗して回動し、前記解除部材の前記一端でもある前記係止部材は、回動する前記解除部材の前記他端に応動することにより前記係合突起との係止が解除されるものである、
請求項1に記載のロック機構付き保管箱。 - 前記ロック機構は、前記筺体に設けられており、
前記圧接突起及び前記係合突起は、前記蓋部に設けられている、
請求項1から3のいずれかに記載のロック機構付き保管箱。 - 前記ロック機構は前記蓋部又は前記筺体部から脱着自在であるとともに、
前記本体部をその内部に格納し、前記硬貨送出口から送出される硬貨を収蔵する硬貨収蔵部を更に有するものである、請求項1から4のいずれかに記載のロック機構付き保管箱。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009005571U JP3154661U (ja) | 2009-08-06 | 2009-08-06 | ロック機構付き保管箱 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009005571U JP3154661U (ja) | 2009-08-06 | 2009-08-06 | ロック機構付き保管箱 |
Publications (1)
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JP3154661U true JP3154661U (ja) | 2009-10-22 |
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ID=54858780
Family Applications (1)
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JP (1) | JP3154661U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114408324A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-04-29 | 上海泰锟医药技术有限公司 | 一种具有预包装的泡罩药品包装盒 |
-
2009
- 2009-08-06 JP JP2009005571U patent/JP3154661U/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
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CN114408324A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-04-29 | 上海泰锟医药技术有限公司 | 一种具有预包装的泡罩药品包装盒 |
CN114408324B (zh) * | 2021-12-24 | 2024-06-07 | 上海泰锟医药技术有限公司 | 一种具有预包装的泡罩药品包装盒 |
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